JP5944730B2 - 地盤の残留飽和度の施工管理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤の残留飽和度の施工管理方法に関し、さらに詳しくは、液状化防止のために砂質地盤に空気注入する施工を行なう際に、簡便かつ精度よく、目標とする残留飽和度になる砂質地盤を形成できる地盤の残留飽和度の施工管理方法に関するものである。
従来、水で飽和した砂質地盤の液状化を防止するために、砂質地盤中に気泡を混入させた水を注入したり、空気を直接注入することにより、水で飽和した砂質地盤中に多数の気泡を混在させて砂質地盤の飽和度を低下させることが提案されている。この際に、空気を注入した砂質地盤の比抵抗に基づいて地盤の飽和度を測定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この地盤の飽和度の測定方法を実施するに際して、予め、施工対象の砂質地盤について、その飽和度と比抵抗との関係を取得しておく必要がある。この両者の関係が正確に把握できていなければ、地盤の比抵抗を測定し、その比抵抗に基づいて地盤の飽和度を算出しても正確な状態を把握することができない。しかも、地盤の残留飽和度を目標値にするには、空気注入作業中にその時点の飽和度を把握しながら作業を進めることが望ましく、そのためには迅速に飽和度を把握する必要がある。
特開2009−121066号公報
本発明の目的は、液状化防止のために砂質地盤に空気注入する施工を行なう際に、簡便かつ精度よく、目標とする残留飽和度になる砂質地盤を形成できる地盤の残留飽和度の施工管理方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、施工対象の砂質地盤から採取した地盤サンプルを用いて、間隔をあけて配置した2つの通電電極と、これら通電電極の間に間隔をあけて配置した複数の検知電極とを内設した密閉可能な容器の内部を、前記地盤サンプルで充填した状態にして、この容器の内部を脱気しつつ容器の内部に水を充填することにより、容器の内部の地盤サンプルの飽和度を100%にした後、順次、容器の内部から水を排出して容器の内部の地盤サンプルの飽和度を低下させ、それぞれの飽和度において、前記通電電極の間に電流を流し、その際に前記検知電極の間で電圧を検知して、前記電流と電圧とに基づいて地盤サンプルの比抵抗を算出することにより、事前把握情報として、その砂質地盤の飽和度100%の時の基準比抵抗と、基準比抵抗を基準にした比抵抗変化率と飽和度との関係を予め取得しておき、施工対象の砂質地盤を削孔した長孔の中に上下に離間して設置した電極の間で、その砂質地盤に空気注入する前および後で比抵抗を測定し、これら測定した比抵抗に基づいて、砂質地盤の実際の比抵抗変化率を算出し、この算出した実際の比抵抗変化率と前記事前把握情報とに基づいて、前記空気注入した後で比抵抗を測定した時点の飽和度を算出し、この算出した飽和度に基づいて残留飽和度を推定し、推定した残留飽和度が目標値になるように空気注入を行なうことを特徴とする。
本発明によれば、施工対象の砂質地盤から採取した地盤サンプルを用いて予め取得した事前把握情報と、施工対象の砂質地盤を削孔した長孔の中に上下に離間して設置した電極の間で測定した比抵抗に基づいて算出した砂質地盤の実際の比抵抗変化率とを利用することにより、空気注入作業中に迅速に簡便かつ精度よく、空気注入後で比抵抗を測定した時点の地盤の飽和度を算出できる。それ故、算出した飽和度から精度よく残留飽和度を推定するには有利になり、ひいては、簡便かつ精度よく、目標とする残留飽和度になる砂質地盤を形成することが可能になる。
本発明では、間隔をあけて配置した2つの通電電極と、これら通電電極の間に間隔をあけて配置した複数の検知電極とを内設した密閉可能な容器の内部を、前記地盤サンプルで充填した状態にして、この容器の内部を脱気しつつ容器の内部に水を充填することにより、容器の内部の地盤サンプルの飽和度を100%にした後、順次、容器の内部から水を排出して容器の内部の地盤サンプルの飽和度を低下させ、それぞれの飽和度において、前記通電電極の間に電流を流し、その際に前記検知電極の間で電圧を検知して、前記電流と電圧とに基づいて地盤サンプルの比抵抗を算出することにより、前記事前把握情報を予め取得する。これにより、より簡便かつ高精度で、砂質地盤の飽和度100%の時の基準比抵抗と、基準比抵抗を基準にした比抵抗変化率と飽和度との関係を取得できる。
前記長孔を削孔する際には現場地下水を使用するとよい。これにより、地盤の比抵抗を測定するに際して、現場地下水の比抵抗と掘削水の比抵抗との相違に起因する測定精度の低下を排除できる。
本発明に用いるキャリブレーション装置の全体概要図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 図1の容器の内部の地盤サンプルの飽和度を100%にする工程を例示する説明図である。 地盤サンプルを用いて予め取得した砂質地盤の比抵抗比(比抵抗変化率)と飽和度との関係を示すグラフ図である。 本発明の施工管理方法に用いる施工管理システムの全体概要図である。 図6の空気注入管および電極ロッドの配置を例示する平面図である。 電極を設けた空気注入管を例示する側面図である。 図8の空気注入管の配置を例示する平面図である。 図5のデータと実際の比抵抗変化率とに基づいて算出した砂質地盤(領域A)の飽和度Srの深度分布と、凍結サンプリングにより算出した砂質地盤(領域A)の残留飽和度SFの深度分布とを示すグラフ図である。 図5のデータと実際の比抵抗変化率に基づいて算出した砂質地盤(領域B)の飽和度Srの深度分布と、凍結サンプリングにより算出した砂質地盤(領域B)の残留飽和度SFの深度分布とを示すグラフ図である。 図10および図11の飽和度Srと、凍結サンプリングにより算出した砂質地盤の残留飽和度SFとの関係を示すグラフ図である。
以下、本発明の地盤の残留飽和度の施工管理方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
本発明では、事前把握情報として、施工対象の砂質地盤から採取した地盤サンプルを用いて、その砂質地盤の飽和度100%の時の基準比抵抗と、基準比抵抗を基準にした比抵抗変化率と飽和度との関係を予め取得する。その後、施工対象となる砂質地盤に空気注入する前および後で、その砂質地盤の比抵抗を測定し、これら測定した比抵抗に基づいて、砂質地盤の実際の比抵抗変化率を算出する。
まず、事前把握情報を取得するには、図1〜図3に例示するキャリブレーション装置11を用いる。このキャリブレーション装置11は、施工対象の砂質地盤から採取した地盤サンプルGが充填される容器12と、容器12の一端に取り付けられた吸引管16と、容器12の他端に取り付けられた給排水管15とを備えている。容器12は、両端にフランジ部14aを有する円筒部13と、それぞれのフランジ部14aを覆うように取り付けられる着脱可能な蓋部14bとを有している。
吸引管16は開閉バルブ16aを有していて、真空ポンプに着脱自在に接続される。給排水管15は開閉バルブ15aを有していて、水供給源に着脱自在に接続される。それぞれの開閉バルブ15a、16aを閉弁した状態にすることで容器12は密閉可能になっている。
容器12の内部の両端には、通電電極17が配置されるとともに、この2つの通電電極17の間に間隔をあけて複数の検知電極18a〜18eが配置されている。即ち、円筒部13の筒軸方向に間隔をあけて、通電電極17および検知電極18a〜18eが配置されている。通電電極17および検知電極18a〜18eは、種々の形状を採用することができるが、図示するように、例えば、通電電極17を円盤状、検知電極18a〜18eを円筒部13の内周面に沿った環状にする。
円筒部13のサイズは、例えば、内径10cm〜20cm程度、長さ30〜60cm程度である。通電電極17および検知電極18a〜18eの外径は、円筒部13の内径とほぼ同じである。検知電極18a〜18eの数は複数であり、例えば、3個〜10個程度の範囲で適宜決定される。隣り合う検知電極18a〜18eどうしの間隔は、例えば、5cm〜10cm程度であり、等間隔あるいは不等間隔で配置することもできる。隣り合う通電電極17と検知電極18a、通電電極17と検知電極18eの間隔も上記と同様の間隔である。
吸引管16は、容器12の一端側の蓋部14bと通電電極17を挿通して容器12の一端に固定されている。給排水管15は、容器12の他端側の蓋部14bと通電電極17を挿通して容器12の他端に固定されている。このキャリブレーション装置11では、給水管および排水管として機能する給排水管15を設けているが、給水管と排水管とを別々に設けることもできる。
それぞれの通電電極17には、容器12の内部と外部とを連通するコネクタ19を介してリード線19aが接続され、それぞれのリード線19aは通電手段20に接続されている。通電手段20は、通電電極17の間に電流を流して通電させる。
それぞれの検知電極18a〜18eには、容器12の内部と外部とを連通するコネクタ19を介してリード線19aが接続され、それぞれのリード線19aは電圧検知手段21に接続されている。電圧検知手段21は、検知電極18a〜18eの間の電圧を検知する。
通電手段20および電圧検知手段21は、リード線19aを通じてパーソナルコンピュータ等の演算装置22に接続され、演算装置22には通電手段20が流した電流(電流値)と、電圧検知手段21が検知した電圧(電圧値)が入力される。さらに、演算装置22には、容器12の内部の地盤サンプルGの飽和度が入力される構成になっている。
地盤の比抵抗ρtは、地下水の比抵抗ρwが小さい場合、間隙率Bと飽和度Srの関係を用いた下記(1)式(アーチーの式)で表される。
ρt=A・(B)-m・(Sr)-n・ρw ・・・(1)
A、m、nは地盤に応じて決定される定数であり、mは固結定数、nは飽和指数である。土粒子の骨格構造を変化させずにBを一定として、地盤に空気を注入して100%の飽和度Sr1(=1)からSrへと低下させると、比抵抗はρt1からρtに変化する。この際に、地下水の比抵抗ρwに変化が生じないとすると、(1)式は下記(2)式で表される。
(ρt/ρt1)=(Sr)-n ・・・(2)
さらに変形して比抵抗変化率Δρt(%)=((ρt−ρt1)/ρt1)・100で表すと下記(3)式となる。
Δρt(%)=((Sr)-n −1)・100・・・(3)
したがって、空気注入による不飽和化において、その砂質地盤の飽和度100%の時の基準比抵抗ρt1を基準にした比抵抗変化率Δρt(%)と飽和度Srとの関係は、n値を設定することにより求められる。
そこで、本発明では地盤サンプルGの飽和度Srが100%(=1)の時の基準比抵抗ρt1を測定し、順次、飽和度Srを変化させて、それぞれの飽和度Srにおいて比抵抗ρtを算出する。そして、得られたデータをグラフにプロットしてn値を算出する。これにより、その地盤サンプルG、即ち、地盤サンプルGを採取した砂質地盤のn値を把握する。
このキャリブレーション装置1を用いて、砂質地盤の基準比抵抗ρt1と、基準比抵抗ρt1を基準にした比抵抗変化率Δρt(%)と飽和度Srとの関係を取得するには、まず、施工対象の砂質地盤から採取した地盤サンプルGを円筒部13に充填する。その後、一方の通電電極17を円筒部13の所定位置に配置するとともに、一方のフランジ部14aに蓋部14bを固定する。これにより、間隔をあけて配置した2つの通電電極17と、これら通電電極17の間に間隔をあけて配置した複数の検知電極18a〜18eとを内設した密閉可能な容器12の内部を、地盤サンプルGで充填した状態にする。
次いで、図4に例示するように、開閉バルブ16aを開いた状態にした吸引管16を通じて、真空ポンプによって容器12の内部の空気aを排出して脱気する。これと同時に、開閉バルブ15aを開いた状態にした給排水管15を通じて、水供給源から容器12の内部に水Wを充填する。水Wが容器12の内部に充満し、余分な水Wは吸引管16を通じて排出される。これにより、容器12の内部の地盤サンプルGの飽和度を100%にする。容器12の内部に充填する水Wは、その地盤サンプルGを採取した砂質地盤を流れる地下水を用いるか、その地下水と比抵抗が近い水を用いるようにする。
飽和度を100%にした後は、開閉バルブ15a、16aを閉じた状態にして容器2の内部を密閉状態にする。ここで、通電電極17の間に電流を流し、その際に検知電極18a〜18eの中から選択した2つの検知電極の間で電圧を検知する。通電手段20により流した電流と、選択した2つの検知電極の間で検知した電圧とに基づいて地盤サンプルGの基準比抵抗ρt1を算出し、演算装置22に入力する。
例えば、流した電流I、検知した電圧Vであれば、抵抗値R=V/Iとなる。そして、電圧を検知した検知電極の間の距離L、この検知電極の間に存在する地盤サンプルGの断面積Sの場合は、比抵抗ρt1=R×S/Lとして算出される。したがって、演算装置22には、それぞれの検知電極18a〜18eどうしの間の距離L、検知電極18a〜18eの間に存在する地盤サンプルGの断面積S(即ち、容器12の円筒部13の内側断面積)が入力されている。
次いで、図4のように給排水管15が下方になるように容器12を配置して、開閉バルブ15aを開けて給排水管15を通じて容器12の内部から適量の水Wを排出した後、開閉バルブ15aを閉じる。地盤サンプルGの飽和度Srを低下させた後は、通電電極17の間に電流を流し、その際に検知電極18a〜18eの中から選択した2つの検知電極の間で電圧を検知する。通電手段20により流した電流と、検知電極の間で検知した電圧とに基づいて、演算装置22によって地盤サンプルGの比抵抗ρtを算出する。また、容器12の内部からこの時に排出した水Wの量に基づいて、地盤サンプルGの飽和度Srを算出し、演算装置22に入力する。
同様に順次、容器12の内部から適量の水Wを排出して容器12の内部の地盤サンプルGの飽和度Srを低下させ、それぞれの飽和度Srにおいて、通電電極17の間に電流を流し、その際に検知電極18a〜18eの中から選択した2つの検知電極の間で電圧を検知し、電流と電圧とに基づいて地盤サンプルGの比抵抗ρtを算出して演算装置22に入力する。容器12の内部からその都度排出する水Wの量は適宜決定する。
上記の手順によって算出した地盤サンプルGの比抵抗ρtと、地盤サンプルGの飽和度Srのデータとに基づいて演算装置22によって算出したデータをプロットしたグラフを図5に例示する。図5の縦軸は、基準比抵抗ρt1を基準にした比抵抗変化率Δρt(%)と同意となる比抵抗比(ρt/ρt1)であり、横軸はそれぞれ比抵抗ρtを測定した際の飽和度Srである。この例では、比抵抗8Ωmの現場地下水(case―1)と40Ωmの水道水(case−2)をそれぞれ用いて間隙率0.4となるように地盤サンプルGを作製して比抵抗ρtを算出した。
この結果からn値は1.0となっている。よって、n値を(2)式または(3)式に代入することにより、この砂質地盤での飽和度Srは下記(4)式、(5)式により把握することができる。
Sr=ρt1/ρt・・・(4)
Sr=1/(100×Δρt(%)+1)・・・(5)
上記のキャリブレーションによれば、容器12の内部の地盤サンプルGの飽和度を容易に100%にすることができ、その後、順次、容器12の内部から水Wを排出することにより、地盤サンプルGの飽和度を容易に低下させることができる。また、実際の砂質地盤の飽和度と比抵抗との関係に近似した高精度のデータを、容易に得ることができる。
検知電極18a〜18eの間で電圧を検知する際には、図1に例示するように容器12を横倒して、検知電極18a〜18eを横並びの状態にすることが好ましい。横並びの状態にすることにより、容器12が立設した状態にした場合に比して、選択した検知電極18a〜18eによらず、検知電極間に存在する地盤サンプルGの飽和度のばらつきが小さくなり、それぞれの飽和度における電圧を正確に検知するには有利になる。
複数の検知電極18a〜18eの中から任意の2つの検知電極を選択し、選択した1組の検知電極の間で電圧を検知することもできるが、電圧を正確に検知するには、複数組の検知電極の間で検知を行なうことが好ましい。例えば、検知電極を3個以上配置して、これら検知電極の中で2つの検知電極の組み合わせを複数選択し、選択したそれぞれの2つの検知電極の組み合わせの間で電圧を検知し、これら検知した電圧に基づいて、比抵抗を算出するための電圧を決定する。例えば、この実施形態では、検知電極18aと18b、18aと18c、18aと18d、18aと18e、18bと18c、18bと18d、18bと18e、18cと18d、18cと18e、18dと18eとの間で電圧を検知する。そして、この10通りの検知電極の組み合わせで検知した電圧を平均した平均値を、比抵抗を算出するための電圧とする。或いは、10通りの検知電極の組み合わせで検知した電圧の内、電圧値の大きい上位2つおよび小さい下位2つのデータを除外した6つの電圧を平均した平均値を、比抵抗を算出するための電圧とする。
このようにすると、検知電極18a〜18eの位置に起因する検知電圧のばらつきを小さくすることができる。それ故、地盤サンプルGのそれぞれの飽和度における電圧を正確に検知するには有利になる。
次いで、図6に例示する本発明の施工管理システム1を用いて、施工対象となる砂質地盤に空気注入する前および後で、その砂質地盤の比抵抗を測定し、これら測定した比抵抗に基づいて、砂質地盤の実際の比抵抗変化率を算出する。この算出した実際の比抵抗変化率と上述した事前把握情報とに基づいて、空気注入した後で比抵抗を測定した時点の飽和度Srを算出する。次いで、この算出した飽和度Srに基づいて残留飽和度SFを推定し、推定した残留飽和度SFが目標値になるように空気注入を行なう。
具体的には、まず、地盤中に空気を注入する空気注入管2を設置するために、削孔ロッドの先端部から削孔水Wを流出させながら削孔ロッドを回転させて、地下水のレベルWLよりも深く、所定に深さまで地盤を削孔する。長孔Hには図示するように空気注入管2が挿入される。空気注入管2の先端部の周壁には、複数の空気注入孔3が設けられている。空気注入管2の後端部には空気供給管4が接続されている。空気供給管4は、流量制御弁9bを介して空気供給源となるエアコンプレッサ9aにつながれている。
空気注入管2が挿入された長孔Hには、下から順に、硅砂8a、BP(ベントナイトペレット)8b、ベントナイトセメント8cが充填される。硅砂8aは、注入孔3に対応する位置に充填され、硅砂8aの上に充填されるBP8bはシール材として機能する。ベントナイトセメント8cは地表近傍まで充填される。このように空気注入管2を長孔Hに設置した後、空気供給管4を経て空気注入管2に供給された空気aは、注入孔3を通じて地盤に注入される。これにより、水で飽和した砂質地盤中に多数の気泡を混在させて地盤の飽和度を低下させ、地盤の液状化を防止する。
また、砂質地盤の飽和度Srを把握するために、地盤の比抵抗を測定する電極6を地盤中に設置する。地盤中に電極6を設置するには、空気注入管2を設置した場合と同様に削孔ロッドを用いて、地下水のレベルWLよりも深く、所定に深さまで地盤を削孔して長孔Hを形成する。例えば、図7に例示するように、地盤中に設置した空気注入管2を中心にして長孔Hを複数削孔し、それぞれの長孔Hの中に、上下方向に間隔をあけて複数の電極6を取り付けた電極ロッド5を設置する。図7では、空気注入管2を中心にした円上に周方向に均等な間隔で電極ロッド5(電極6)が配置されている。電極ロッド5が挿入された長孔Hには、例えば、セメントベントナイト8cが充填される。
電極ロッド5は、例えば、空気注入管2から1.5m〜5.0mの範囲に適切な数が配置される。また、電極ロッド5の上下に隣り合う電極6の間隔は、例えば50cm〜100cmである。
それぞれの電極6は、地上まで延びるリード線を通じて比抵抗測定機器に接続され、電極6どうしの間で測定された比抵抗のデータは、地上に設置されたパーソナルコンピュータ等の制御装置7に入力されるようになっている。この制御装置7には、予め取得した事前把握情報が入力されている。制御装置7は流量制御弁9bを制御するとともに、接続されるモニタ10に必要なデータを表示する。
そして、空気注入管2を通じて地盤中に空気aを注入する前と注入する後のそれぞれの時点で、長孔Hの中に上下方向に間隔をあけて設置された複数の電極6どうしの間で比抵抗を測定する。適宜選択した2つの電極6の間で比抵抗を測定することができるが、例えば、同じ電極ロッド5に取り付けられた上下に隣り合う電極6の間に電流を流して比抵抗を測定する。すべての上下に隣り合う電極6の間で比抵抗を測定することにより、地盤の比抵抗の分布、即ち、地盤の飽和度Srの分布を把握することができる。
ところで、電極ロッド5を挿入する長孔Hには、削孔水Wが残留するので、電極6で検知した比抵抗には削孔水Wの比抵抗が影響する。そこで、削孔ロッドによって長孔Hを削孔する際には、現場地下水の比抵抗に対して予め設定された許容範囲内の比抵抗を有する削孔水Wを使用する。例えば、削孔水Wとして現場地下水を使用するとよい。
尚、電極6を設置する長孔Hを、特別に削孔することなく、電極6を地盤中に配置することもできる。この手法を用いる場合は、図8に例示するように上下方向に間隔をあけて複数の電極6を取り付けた空気注入管2を使用する。地盤の液状化防止工事では、必然的に所定の間隔をあけて空気注入管2が地盤中に設置される。そこで、この空気注入管2を利用して電極6を配置する。具体的には長孔Hは図9に例示するように、間隔をあけて複数削孔する。そして、それぞれの長孔Hの中に、図8に示した空気注入管2を設置することにより、長孔Hの中に上下方向に間隔をあけて複数の電極6を設置する。
地盤中に空気aを注入する前と後で、それぞれの長孔Hの中に上下に離間して設置した電極6の間で測定した比抵抗に基づいて、空気aを注入する前の比抵抗を基準比抵抗として砂質地盤の実際の比抵抗変化率を算出する。ここで算出した実際の比抵抗変化率のデータを、予め取得した(4)式または(5)式に代入することにより、空気aを注入した後で比抵抗を測定した時点の飽和度Srを算出する。例えば、実際の比抵抗変化率を、(5)式のΔρt(%)に代入して飽和度Srを算出する。
図10、図11にはそれぞれ、図7に示した空気注入管2から1.5m離れた位置(R−10、R−12、R−9、R−11)における算出した飽和度Srの深度分布を示している。また、図10、図11には、図7に示した空気注入管2から1.5m離れた位置の領域A、領域Bで凍結サンプリングして算出した残留飽和度SFの深度分布も示している。
凍結サンプリングは、空気aの注入停止後の4カ月後において、液体窒素にて領域A、領域Bの地盤をゆっくりと凍結させ、不撹乱試料を採取する。そして、採取した試料を所定拘束圧のもとに解凍して残留飽和度SFを算出した。
図10、図11では、G.L.−6.0m〜−7.0m付近において、算出した飽和度Srと凍結サンプリングにより算出した残留飽和度SFとの間に乖離が生じている。これは、当該深度では比抵抗値が著しく変化する層が電極6の間隔より薄く介在するために、比抵抗変化率において逆感度現象が見られたためであると推察される。一方、それ以外の深度では両者の間に比較的高い整合性が見られる。
図12は、図10、図11に示した飽和度Srと、残留飽和度SFとの相関関係を示している。尚、図12では、逆感度現象が見られたデータを削除している。図12の結果から残留飽和度SFは概ね、算出した飽和度Srの±5%の範囲にあることが分かる。
ここで、地盤への空気aの注入停止後、吸水によって飽和度Srは定常状態に落ち着くことを考慮すると、空気注入後の一定期間を経た残留飽和度SFは、算出した飽和度Sr以上の数値になると想定される。地盤の飽和度が大きいほど地盤の液状化強度は低下するため、例えば、算出した飽和度Sr+5%を残留飽和度SFと推定すると安全側になる。このように、算出した飽和度Srの数値よりも残留飽和度SFを若干大きな数値に推定することにより、地盤の残留飽和度SFを一段と精度よく目標値にすることが可能になる。
モニタ10には、推定された残留飽和度SF、算出した実際の比抵抗変化率、空気aの流入量(流量)などの必要なデータが逐次、表示される。そこで、モニタ10の表示を参照しつつ、流量制御弁9bを制御して注入する空気aの量を調整することにより、推定された残留飽和度SFが目標値になるように空気注入を行なう。
例えば、実際の比抵抗変化率に基づいて算出した飽和度Srが93%である場合、この飽和度Sr(=93%)の数値の105%の数値が残留飽和度SFである推定するとSF=97.65%になる。残留飽和度SFの目標値が97%であれば、空気Aの注入を続ける。そして、推定された残留飽和度SFが目標値(97%)になった時点で空気aの注入を停止する。
このように本発明では、算出した実際の比抵抗変化率と事前把握情報とに基づいて、空気aを注入した後で比抵抗を測定した時点の飽和度Srを算出し、算出した飽和度Srに基づいて残留飽和度SFを推定する。これにより、空気注入作業中に迅速に簡便かつ精度よく、電極6の間で比抵抗を測定した時点の地盤の飽和度Srを算出できる。それ故、算出した飽和度Srから精度よく残留飽和度SFを推定し易くなり、ひいては、簡便かつ精度よく、目標とする残留飽和度SFになる砂質地盤を形成することが可能になる。
1 施工管理システム
2 空気注入管
3 注入孔
4 空気供給管
5 電極ロッド
6 電極
7 制御装置
8a 硅砂
8b ベントナイトペレット
8c セメントベントナイト
9a コンプレッサ
9b 流量制御弁
10 モニタ
11 キャリブレーション装置
12 容器
13 円筒部
14a フランジ部
14b 蓋部
15 給排水管
15a 開閉バルブ
16 吸引管
16a 開閉バルブ
17 通電電極
18a、18b、18c、18d、18e 検知電極
19 コネクタ
19a リード線
20 通電手段
21 電圧検知手段
22 演算装置
G 地盤サンプル
W 水
a 空気

Claims (2)

  1. 施工対象の砂質地盤から採取した地盤サンプルを用いて、間隔をあけて配置した2つの通電電極と、これら通電電極の間に間隔をあけて配置した複数の検知電極とを内設した密閉可能な容器の内部を、前記地盤サンプルで充填した状態にして、この容器の内部を脱気しつつ容器の内部に水を充填することにより、容器の内部の地盤サンプルの飽和度を100%にした後、順次、容器の内部から水を排出して容器の内部の地盤サンプルの飽和度を低下させ、それぞれの飽和度において、前記通電電極の間に電流を流し、その際に前記検知電極の間で電圧を検知して、前記電流と電圧とに基づいて地盤サンプルの比抵抗を算出することにより、事前把握情報として、その砂質地盤の飽和度100%の時の基準比抵抗と、基準比抵抗を基準にした比抵抗変化率と飽和度との関係を予め取得しておき、施工対象の砂質地盤を削孔した長孔の中に上下に離間して設置した電極の間で、その砂質地盤に空気注入する前および後で比抵抗を測定し、これら測定した比抵抗に基づいて、砂質地盤の実際の比抵抗変化率を算出し、この算出した実際の比抵抗変化率と前記事前把握情報とに基づいて、前記空気注入した後で比抵抗を測定した時点の飽和度を算出し、この算出した飽和度に基づいて残留飽和度を推定し、推定した残留飽和度が目標値になるように空気注入を行なうことを特徴とする地盤の残留飽和度の施工管理方法。
  2. 前記長孔を削孔する際に現場地下水を使用する請求項1に記載の残留飽和度の施工管理方法。
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