JP2780122B2 - ペンタクロロニトロベンゼンの精製方法 - Google Patents

ペンタクロロニトロベンゼンの精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は農業用の土壌殺菌剤原体ペンタクロロニトロ
ベンゼン(以下PCNBと略す)の精製方法に関するもので
ある。
さらに詳しくは工業的に製造されるPCNB中に含まれる
不純物のヘキサクロロベンゼン(以下HCBと略す)の量
を低減する為に、PCNBの減圧蒸留精製における改良され
た精製方法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、農薬ならびに農薬中の混在物による環境汚染が
世界的に問題視されている。既に土壌殺菌剤として広く
利用されているPCNBもその例外ではなく、好ましくない
化合物であるHCB等の混在物の含有量を低減し、より高
純度な品質にする要求が高まっている。
例えば米国においては米国環境保護庁より、PCNB中の
HCB含有量は1983年3月以降0.5重量%以下、1988年4月
以降0.1重量%以下に下げる新技術を実施すべき旨のPCN
B登録改定基準が1982年4月に定められている。
従来、PCNBを工業的にうる主な方法としてヒミチエス
カヤープロムシュレンノスチィ(Khim.Prom.),1968,44
(5),334等にニトロベンゼンもしくはクロロニトロベ
ンゼン類を塩素化してPCNBを得る方法、および米国特許
明細書第4026955号、4057590号、4147732号等にペンタ
クロロベンゼンのニトロ化によるPCNBを得る方法等が記
載されている。
しかしながら前者の方法では過塩素化反応によるHCB
の副生は避けがたく、又後者の方法ではペンタクロロベ
ンゼンのニトロ化時にHCBが副生し、また原料のペンタ
クロロベンゼンが必ずしも常に商業的に入手できないと
いう決定的問題が存在していた。
また最近、特開昭60−174748号公報には、HCBを水硫
化ナトリウムと反応させてナトリウムペンタクロロチオ
フェノレートを形成し、引き続き混酸と作用させHCB含
有量の少ない高純度PCNBを得る方法が開示されている。
しかしながらこの方法は毒性の高い特定化学物質を原
料とすること、並びに反応条件によってはHCBが残る可
能性がある等の問題が存在している。
このようにいずれの方法をとるにせよ現在の技術レベ
ルで反応面ではHCBの副生を抑制し、HCB含有量の非常に
少ない高純度のPCNBを製造するのは困難である。
一方、HCBを不純物として含むPCNBを精製し、HCB含有
量の低減された高純度のPCNBを取得する方法には主とし
て二つの方法がある。
その一つは粗PCNBをベンゼン−メタノール系で再結晶
を行った後、活性炭カラムによるカラムクロマトグラフ
ィーにかける方法〔「農業公定検査法詳解(南江堂)」
記載のPCNB標品の調整法〕であり、他の一つは粗PCNBを
四塩化炭素単独もしくは四塩化炭素−液状飽和炭化水素
とからなる混合溶媒を用い、シリカゲルカラムクロマト
グラフィーにかける方法(特開昭53−95926号公報)で
ある。
しかしながら、両精製法共に実験室的に高純度のPCNB
を得る方法としては適しているが、溶剤、担体を大量に
必要とすることで、工業的利用価値の乏しい方法と言え
る。
ところで前述したようなHCB含有量の少ない高純度のP
CNB製造技術の現状を鑑み、本発明者らは、より工業的
な精製方法を鋭意検討し、PCNBが250℃を越える温度条
件では分解してHCBが増加するが、250℃以下の温度では
ほとんど分解が生起されないこと、また非常に狭められ
た可能性の中からHCBとPCNBとの分溜が可能であること
を見出し、150〜250℃の温度で減圧蒸留して精製する方
法を先に提案した(特開昭62−230752号)。
この方法によれば粗PCNB中に含まれるHCBはもとよ
り、反応中間体のトリおよびテトラクロロニトロベンゼ
ン等の不純物はPCNBより沸点が低い為に減圧蒸留によっ
て初期の留分として除去され、PCNBの高純度化がはかれ
るものである。HCB等の不純物を除いた後、塔底に残留
するPCNBを精PCNBとすることもできれば、さらに蒸留を
続けて高純度のPCNBを留出させることもできる。しかし
ながらこの減圧蒸留での精製法の先行技術では粗PCNB中
に許容される夾雑物質に関し、HCB以外のものについて
は深く言及されていなかった。
前述のようにPCNBの製造法としてはニトロベンゼンま
たはニトロクロロベンゼン類の塩素化法か、或いはペン
タクロロベンゼンのニトロ化法である。そして前者の方
法では反応溶媒としてクロルスルホン酸が用いられ、ま
た後者の方法ではニトロ化剤として混酸が使用される。
いずれの方法に於いても反応で生成したPCNBは副生し
たHCBとともにその大部分が反応系外に析出する為、反
応後は反応混合物を多量の水中に注加したのち、或いは
反応混合物を直接、固液分離操作に付し、水洗そして場
合によってはアルカリ水溶液での洗浄などの工程を経
て、さらには脱水または乾燥することにより粗PCNBとし
て単離される。そして精製工程に供されるが、結晶中に
取り込まれた硫酸や塩酸などの酸分を完全に除去するの
は難しく、それ故粗PCNB中にはHCBなどの有機の不純物
の他に、量的には少ないものの硫酸や塩酸などの無機の
酸類、そして場合によっては芒硝などの無機塩類が混在
する。
事実本発明者らの検討に基づけば、ニトロベンゼンま
たはクロロニトロベンゼン類の塩素化法で製造した粗PC
NB中には硫酸イオンが、およそ1,000〜5,000ppm、塩素
イオンがおよそ100〜500ppm程度検出され、pHも4以下
のかなりの酸性を呈することがわかった。その上、この
ような微量の酸分の混在は減圧蒸留精製に際し、温度条
件によってはPCNBの分解を促してHCBの副生を誘起し
て、とりわけ精PCNBを減圧蒸留後の釜残として得ようと
する場合には精PCNBの品質を劣悪にすることもわかっ
た。さらには粗PCNB中のこのような酸分の混在は蒸留時
にステンレスなどの金属材質を腐食し、その為自ら蒸留
設備の機器の材質に制約を与えるものとなる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の主たる課題は、粗PCNB中に混在する酸分を効
率的に除去し、減圧蒸留での精製工程においてPCNBの分
解を誘起させることなく蒸留精製できる方法を提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはこの課題を解決する為に鋭意検討した。
粗PCNB中の酸分の簡便な除去法として、一般的にはPC
NBを溶融し水と接触させて除去する方法が考えられる
が、PCNBは融点が高く(146℃)、その為溶融状態にし
て水と接触させるにはかなりの加圧下に行わなければな
らず、設備的にもまた安全上にも問題が生じることは否
めない。
ところで炭酸ナトリウムや炭酸カリウムのような無機
塩基はニトロベンゼンやクロロニトロベンゼン類に不溶
であり、それ故これらの固形の塩基を融点以上に昇温し
て溶融した粗PCNB中に添加しても、その不溶性なる故に
粗PCNB中の酸分の中和には有効に作用し難いと考えられ
る。にも拘らず該方法を試みたところ、驚くべきことに
中和反応が円滑に進行し、しかも沈澱している無機物質
を熱時、固液分離して得られる粗PCNB中には酸分ならび
に無機物はほとんど不検出となりpHも中性になることが
わかった。その上この粗PCNBは減圧蒸留精製に付しても
250℃以下の温度を保てば何ら分解は認められず、問題
なく蒸留精製できることも見出した。
本発明はこの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明はヘキサクロロベンゼンを不純物と
して含有する粗ペンタクロロニトロベンゼンを減圧蒸留
して高純度ペンタクロロニトロベンゼンを取得する方法
において、粗ペンタクロロニトロベンゼンを溶融下、或
いはニトロベンゼンまたはクロロニトロベンゼン類との
混合溶液下に、あらかじめ無機の塩基性物質にて処理し
たのち、減圧蒸留することを特徴とするペンタクロロニ
トロベンゼンの精製方法である。
本発明の方法により、通常HCB含有量を0.3%以下にす
るのが困難であった高純度PCNB製造技術を、工業的に容
易に実施可能な技術として前進させることができた。
以下本発明を詳しく説明する。
本発明に供される粗PCNBはニトロベンゼンもしくはク
ロロニトロベンゼン類のクロルスルホン酸中での塩素
化、またはペンタクロロベンゼンの混酸ニトロ化法によ
って得られるものであり、不純物としてそれぞれテトラ
クロロニトロベンゼン、HCB、或いはペンタクロロベン
ゼン、HCBなどの他に硫酸および塩化水素などの酸分を
微量に含むものである。
これらの酸分の含有量は特に制限されるものではない
が、プロセス的に通常、粗PCNB中に含まれる量は硫酸50
0〜5000ppm、また塩化水素を含有する場合は100〜1000p
pm程度である。
本発明の方法は粗PCNBを減圧蒸留に付す前に無機性物
質にて処理することに特徴を有するものである。処理方
法としては粗PCNBの溶融下に塩基性物質を添加するか、
また粗PCNBとニトロベンゼン、またはモノクロロニトロ
ベンゼン、ジクロロニトロベンゼン、トリクロロニトロ
ベンゼン、テトラクロロニトロベンゼンなどのクロロニ
トロベンゼン類との混合溶液中に塩基性物質を添加し、
0.1〜5時間、好ましくは0.2〜2時間かきまぜて中和
し、析出している無機物質を濾過等の固液分離操作にて
分離するだけでよい。この操作は常圧下、加圧下または
減圧下、いずれにても実施可能であるが、通常は常圧下
で行われる。
粗PCNBを溶融させる温度は、粗PCNBの融点以上で行わ
れ、上限はPCNBの分解を抑制する意味から200℃以下が
良い。また粗PCNBをニトロベンゼンまたはクロロニトロ
ベンゼン類との混合して溶液とする場合にはそれらの混
合比に特に制限はなく、溶解温度も200℃以下であれば
特に制限されるものではない。
粗PCNB中の酸分の中和に用いられる無機の塩基性物質
としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化
物、水酸化物、炭酸塩、または重炭酸塩であり、この中
でもより好適にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の
炭酸塩または重炭酸塩である。
具体的には炭酸リチウム、重炭酸リチウム、炭酸ナト
リウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリ
ウム、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、重炭酸マグネシウムなどを挙げることができ
る。
これらの塩基性物質は固形のまま使用される。
塩基性物質の使用量は粗PCNB中に含有される酸分に対
して1当量以上であり、上限については特に制限はない
が、経済的知見より通常は10当量以下である。好適には
1.1当量以上、5当量以下である。勿論塩基性物質の使
用量が粗PCNB中の酸分に対して1当量未満でも効果はそ
れなりには発揮されるものの、本発明の効果は半減され
る。
本発明の方法においては、粗PCNBを減圧蒸留にかける
前に、あらかじめこのような前処理を施すことによって
粗PCNB中の酸分は十分に除かれるだけでなく、この前処
理操作にて新たに生成した無機塩ならびに使用した過剰
の無機の塩基性物質も粗PCNBには不溶な為、固液分離操
作でほとんど完全に除去される。
本発明においては反応工程を通して得られた粗PCNBは
前述のような前処理を施したのち減圧蒸留してHCB含有
量の少ない高純度PCNBとする。
減圧蒸留は以下の方法にて実施される。
蒸留時の系内圧力はPCNBが250℃を越える温度では熱
分解を起こす関係から、その温度での蒸気圧、およびPC
NBの融点146℃の蒸気圧からおのずから規定され3〜70m
mHgの範囲、好ましくは5〜50mmHgの範囲の圧力で実施
する。
蒸留時の系内温度はすでに述べたようにPCNBの融点以
上の150℃以上、分解点以下の250℃以下の温度範囲で実
施する。
塔頂の温度は150〜240℃、好ましくは160〜220℃の範
囲で、塔底の温度は160〜250℃、好ましくは170〜230℃
の範囲で実施する。
蒸留の際の還流比は1〜100、好ましく5〜50で実施
する。還流比を1以下とするとPCNB中の不純物たるHCB
含量は多くなり、100以上になると生産性の低下を招く
傾向にある。
減圧蒸留装置は、回分式装置でも連続式装置でも使用
でき、蒸留塔の理論段数は1〜100段、好ましくは5〜3
0段程度のものを用いるのが良い。蒸留塔の形式および
充填物は特に選ばないが、ボトムの温度をPCNBの融点近
くにできるだけ下げて省エネルギー化を計り、更にPCNB
の熱分解を回避するための温度上昇防止のため、塔頂、
塔低間の圧力損失が極力小さい塔の形式、および充填物
を使用するのが好ましい。
粗PCNB中に含まれる反応中間体のテトラクロロニトロ
ベンゼン、及びHCB等の不純物はPCNBより沸点が低いた
め蒸留によって留出させ、塔低に残留するPCNBを精PCNB
とすることもできるが、望むならば不純物を留出除去
後、更に蒸留によりさらに高純度のPCNBを取得すること
もできる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 ニトロベンゼンをクロルスルホン酸中にて塩素化する
方法で製造した粗PCNB〔純度:94%,HCB:0.6%,テトラ
クロロニトロベンゼン:5.0%,硫酸:1,450ppm,塩酸:165
ppm〕400gを四ツ口フラスコに装入し、170℃に加温して
溶融させた。かきまぜながらこの液中に炭酸ナトリウム
の粉末1.3gを添加し、170〜175℃で1時間かきまぜた。
炭酸ナトリウムの添加後、炭酸ガスの発生が観察され
た。
その後、熱時濾過して析出している無機物を除いた。
得られた粗PCNBについて硫酸イオンならびに塩素イオン
を分析の結果、両者ともに10ppm以下であった。
ここに得た粗PCNB350gを500mlナス型蒸留フラスコに
装入し、蒸留フラスコ上に蒸留塔(内径25mmφ,高さ83
0mm,Oldershow型,理論段数12段)を設置し、蒸留塔底
温度216〜220℃,塔頂温度155〜180℃,塔底圧力50〜65
mmHg,塔頂圧力10〜14mmHg,還流比10(マグネットタイマ
ー還流調節器使用)にて回分式蒸留を行った。
蒸留塔からの留出速度を0.08〜0.15g/分にして蒸留を
行い、4.5時間後に26.4gの留出物を得た。
塔内ホールドアップ量は16.9gであり、釜残として精
製されたPCNBを305.2g得た。PCNB純度は99.7%であり、
HCB及びテトラクロロニトロベンゼンの含有量はそれぞ
れ0.06%、0.10%であった。
実施例2 実施例1において炭酸ナトリウムの代わりに重炭酸カ
リウム2.5gを使用する他は実施例1と同様に行った。重
炭酸カリウム処理後、無機物を濾過して得た粗PCNB中の
硫酸イオンならびに塩素イオンは実施例1同様10ppm以
下となり、さらに実施例1と同様に減圧蒸留を行い、塔
底の釜残として純度99.7%の精PCNB306.3gを得た。HCB
ならびにテトラクロロニトロベンゼンの含有量はそれぞ
れ0.08%、0.12%であった。
実施例3 ペンタクロロベンゼンの混酸ニトロ化法によって製造
した純度98.5%の粗PCNB〔HCB:0.6%,ペンタクロロベ
ンゼン:0.5%,硫酸:2,200ppm含有〕450gを160℃に加温
して溶融した。この液中に炭酸カルシウム2.0gを添加
し、160〜170℃で1時間かきまぜたのち熱時濾過して、
析出している無機物を除いた。
得られた粗PCNB中の硫酸イオンを分析の結果、10ppm
以下であった。この粗PCNBはその400gを実施例1に準じ
て減圧蒸留し、塔底の釜残として純度99.8%の精PCNB34
2gを得た。HCBならびにペンタクロロベンゼンの含有量
はそれぞれ0.08%、トレースであった。なお、減圧蒸留
条件は以下のとおりである。
蒸留塔:内径25mmφ×高さ830mm Oldershow型,理論段数12段 蒸留塔底温度:213〜217℃ 塔頂温度:165〜168℃ 塔底圧力:46mmHg 塔頂圧力:7〜8mmHg 還流比:10 留出液の留出速度:0.1〜0.2g/分 減圧蒸留時間:4.5Hr 留出液量:38.6g 塔内ホールドアップ量:19.1g 比較例1 実施例1において使用した粗PCNB400gを炭酸ナトリウ
ムでの前処理をせずに直接減圧蒸留に供した。減圧蒸留
の条件は実施例1に準じた結果、留出物31.6g、塔内ホ
ールドアップ量は17.3gであり、釜残として精製されたP
CNB349.7gを得た。このPCNBのHCB含有量は分析の結果、
0.42%であり、粗PCNBの含有量と比較して大幅な減少は
認められず、また留出物ならびにホールドアップ分中の
HCB量を併せた蒸留後の全HCB量は使用した粗PCNB中のHC
B量の1.8倍であった。このことは減圧蒸留の過程でHCB
が副生したことを示す。
実施例4および比較例2 〔材質試験〕 実施例1における炭酸ナトリウムでの処理前後の粗PC
NBについて、SUS−304の材質試験を行った。
試験は200℃に加温溶融されたそれぞれの粗PCNB中にS
US−304のテストピースを半分程浸漬する方法で行っ
た。試験時間200時間後テストピースを取り出し、アセ
トンならびに水で十分に洗浄後乾燥し、腐食の有無を調
べた。結果は第1表の通りで、炭酸ナトリウムで前処理
を施した粗PCNBに浸漬したSUS−304は殆ど腐食が認めら
れず耐食性が十分にあるとの結果を得たが、前処理を施
さなかった粗PCNBに浸漬したテストピースは明らかに腐
食されることがわかった。
〔発明の効果〕 本発明の方法によれば、実施例及び比較例に示したよ
うに減圧蒸留にて精PCNBを得る前処理として無機の塩基
性物質を用いる事により、工業的に容易に精PCNBを得る
ことが出来る。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘキサクロロベンゼンを不純物として含有
    する粗ペンタクロロニトロベンゼンを減圧蒸留して高純
    度ペンタクロロニトロベンゼンを取得する方法におい
    て、粗ペンタクロロニトロベンゼンを溶融下、或いはニ
    トロベンゼンまたはクロロニトロベンゼン類との混合溶
    液下に、あらかじめ無機の塩基性物質にて処理したの
    ち、減圧蒸留することを特徴とするペンタクロロニトロ
    ベンゼンの精製方法。
  2. 【請求項2】無機の塩基性物質がアルカリ金属またはア
    ルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩または重炭
    酸塩である請求項1記載の精製方法。
  3. 【請求項3】無機の塩基性物質がアルカリ金属またはア
    ルカリ土類金属の炭酸塩または重炭酸塩である請求項1
    記載の精製方法。
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