JP2779692B2 - 足踏み式パーキングブレーキ - Google Patents

足踏み式パーキングブレーキ

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JP2779692B2
JP2779692B2 JP16025190A JP16025190A JP2779692B2 JP 2779692 B2 JP2779692 B2 JP 2779692B2 JP 16025190 A JP16025190 A JP 16025190A JP 16025190 A JP16025190 A JP 16025190A JP 2779692 B2 JP2779692 B2 JP 2779692B2
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銃二 小島
吉治 北村
康一 山室
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Nippon Hatsujo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は自動車等の車輌のパーキングブレーキを作動
させると共に、その解除を行う足踏み式パーキングブレ
ーキに関する。
[従来の技術] 自動変速機の装着によって近年の自動車では、パーキ
ングブレーキを手操作で行うサイドブレーキに替わって
足踏み式パーキングブレーキが採用されている。そし
て、この足踏み式パーキングブレーキとしては実開昭54
−11443号公報に開示されているものが知られている。
この足踏み式パーキングブレーキでは、ペダルプレート
を踏み込んでブレーキ本体を作動させ、ペダルプレート
を踏み込んだ位置でロックし、ブレーキ本体でブレーキ
がきいた状態となる。次に、ロックを解除するとペダル
プレートは元の位置に復帰し、ブレーキは解除される。
しかして、ロックを解除し、ペダルプレートが元の位置
に復帰するとき、大きな衝撃音をともなう。これを解消
するため、従来はショックアブソーバを用いていた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、ショックアブソーバは油やエアを用い
るため、構造が複雑になると共に高価なものとなるとい
う問題点がある。また、ショックアブソーバを取付ける
ためのスペースも必要となる他に、装置全体の重量を重
くなるという問題点もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、構造
が簡単で安価なものとすることができると共に、余分な
スペースを取らずスペース的に有利であり且つ軽量化が
図れ、さらには、構成部品の材料の選択自由度の向上や
取付性の向上をも図れる足踏み式パーキングブレーキを
提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明の足踏み式パーキン
グブレーキは、固定側部材とペダルプレートと一体とな
った可動側部材とが同軸上に設けられており、これら両
部材間に密接状態で外挿されたロックスプリングにより
可動側部材の回転をロックする足踏み式パーキングブレ
ーキにおいて、前記固定側部材を一体化可能な固定芯金
と固定ダンパーケースとで構成すると共に、前記可動側
部材を一体化可能な可動芯金と可動ダンパーケースとで
構成し、前記ロックスプリングは前記固定芯金と前記可
動芯金とに掛け渡されており、前記固定ダンパーケース
と前記可動ダンパーケースとの隙間に粘性物質を充填し
たことを特徴としている。
そして、前記固定芯金と固定ダンパーケース及び前記
可動芯金と可動ダンパーケースとの一体化構造は、係合
突起と係合孔との係合でも良いし、係合孔と連結部材と
の係合でも良い。
[作 用] ペダルプレートを踏み込むと、固定芯金と可動芯金に
掛け渡されて密接状態で外挿されたロックスプリングが
拡径してペダルプレートが回動してブレーキ本体側にブ
レーキが掛かる。ペダルプレートを踏み込んだ後、足を
離すと、ペダルプレートはブレーキ本体側のリターンス
プリングの作用により元に戻ろうとする。しかしこの時
はロックスプリングは縮径するのでロック状態となりブ
レーキ本体ではブレーキがきいた状態が維持される。こ
の状態で、ロック解除部材を回動操作すると、ロックス
プリングは拡径し、ペダルプレートは回動して復帰す
る。この時、固定ダンパーケースと可動ダンパーケース
との隙間に充填された粘性物質に剪断力が作用し、ペダ
ルプレートの回動力は粘性物質の粘性抵抗にある程度、
吸収されるから、ペダルプレートは緩速度で復帰する。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を第1図乃至第4図に基づい
て説明する。
第1図乃至第4図において、車体側の下ブラケット1
と上ブラケット2との間にはセンターピン3が固定され
ている。このセンターピン3の一端側には固定芯金4が
その係合突起4aが上ブラケット2の係合孔2aに係合して
固定されている(第3図乃至第4図参照)。そしてセン
ターピン3の他端側にはこのセンターピン3に対して回
転可能に有底筒状の可動芯金5が設けられており、この
可動芯金5は第3図に示すように、その係合孔5aにペダ
ルプレート6の係合突起6aが係合することによって可動
芯金5とペダルプレート6は一体となっている。
第2図及び第4図に示すように、固定芯金4には係合
孔4bが穿設されており、この係合孔4bに固定ダンパーケ
ース7の係合突起7aが係合することにより、固定ダンパ
ーケース7は固定芯金4と一体となるように設けられて
いる。この固定ダンパーケース7はその下方部に筒状部
7bが一体に形成されている。
第2図に示すように、可動芯金5の底部には係合孔5b
が穿設されており、この係合孔5bに二重筒状の可動ダン
パーケース8の係合突起8aが係合することにより、可動
ダンパーケース8は可動芯金5と一体となるように設け
られている。
固定芯金4と可動芯金5とは外径が一致していて、こ
の固定芯金4と可動芯金5とに掛け渡されて密接状態で
ロックスプリング9が外挿されており、このロックスプ
リング9の外側にはロック解除部材としてのレリーズカ
ラー10が配設されている。そして、矩形断面のコイルば
ねからなるロックスプリング9においては、第2図に示
すように、一端のフック部9aは固定芯金4に係止され、
他端のフック部9bはレリーズカラー10に係止されてい
る。
二重筒状の可動ダンパーケース8は固定ダンパーケー
ス7の筒状部7bを囲むように配設されており、これら固
定ダンパーケース7と可動ダンパーケース8との隙間に
は粘性グリスなどの粘性物質が充填されている。
尚、図中、符号11はクッション材であり、ペダルプレ
ート6がブレーキ本体(図示省略)のリターンスプリン
グ(図示省略)で復帰したときのショックを吸収すると
共に、ペダルプレート6の位置決めの役割をはたす。符
号12はクッション材11を固定するためのサイドピンを示
す。また、符号13,14は固定ダンパーケース7と可動ダ
ンパーケース8との間に配設されたOリングで、粘性物
質を密閉するものである。また、符号15は軸受でペダル
プレート6がスムーズに回動するようにペダルプレート
6とセンターピン3との間に介装されている。さらに、
符号16はブレーキケーブル、符号17はケーブルエンド、
符号18はケーブルエンド17をペダルプレート6に取付け
るためのピン、符号19はレリーズカラー10に連結された
レリーズケーブルを夫々示している。
次に、この足踏み式パーキングブレーキの作動を説明
する。
まず、ブレーキ本体を作動させるためには次の様にす
る。
ペダルプレート6を足で踏んでA矢印方向へ回動させ
るとブレーキケーブル16が引出されてブレーキ本体はブ
レーキの掛った状態となる。ペダルプレート6のA矢印
方向への回動はロックスプリング9を拡径する方向の回
転となるので、ペダルプレート6及び可動芯金5並びに
可動ダンパーケース8はスムーズに回転する。この場
合、粘性物質の粘性抵抗は足で踏み込むときのような遅
いスピードでは極小さい。
ブレーキケーブル16にはブレーキ本体のリターンスプ
リングにより常に引出し方向と反対方向(C矢印方向)
の引張力が作用しており、ペダルプレート6を元の位置
へ復帰させようとする力が作用している。
このためペダルプレート6を踏み込んだ後ペダルプレ
ート6から足を外すとペダルプレート6は元の位置へ復
帰しようとするが、この復帰の際のペダルプレート6及
び可動芯金5の回転はロックスプリング9を縮径する方
向の回転となるのでロックされる。つまりペダルプレー
ト6は足を外しても戻ることもなく踏み込んだ位置で停
止し、ブレーキの掛った状態が維持できる。
次にブレーキを解除するときは次の様にする。
レリーズケーブル19をB矢印方向に引くと、レリーズ
カラー10がロックスプリング9の巻戻し方向へ回動す
る。このレリーズカラー10の回動により、ロックスプリ
ング9の他端のフック部9bは同方向に移動し、これによ
ってロックスプリング9が拡径し、ペダルプレート6及
び可動芯金5並びに可動ダンパー8等が回動可能とな
る。この時ペダルプレート6はブレーキケーブル16を介
してブレーキ本体のリターンスプリングにより復帰方向
へ付勢されているので、ペダルプレート6は元の位置へ
復帰してブレーキは解除される。この場合、ロック解除
されたペダルプレート6が復帰するときのように速いス
ピードの時は、粘性物質に剪断力が作用し、粘性抵抗が
大きくなり、この粘性抵抗によってペダルプレート6の
回動力は有効に吸収されてペダルプレート6は緩速度で
復帰する。即ち、ペダルプレート6の復帰時の衝撃を吸
収することができる。
そして本実施例においては固定ダンパーケース7と可
動ダンパーケース8はセンターピン3を中心軸として配
設されているので、径方向のずれは発生しない。従っ
て、両ケース7,8の隙間も一定に保たれダンパー効果が
不安定になることはない。
以上のような本実施例においては、構造が簡単で安価
なものとすることができると共に、余分なスペースを取
らずスペース的に有利であり且つ軽量化が図れる。
また、本実施例では固定芯金4と固定ダンパーケース
7とを別部材で構成すると共に、可動芯金5と可動ダン
パーケース8とを別部材で構成している。したがって、
固定芯金4と可動芯金5はロックスプリング9と摺接す
るので摩耗上の観点から金属製が好ましいが、固定ダン
パーケース7と可動ダンパーケース8は合成樹脂製でも
よいなど構成部品の材料の選択自由度の向上が図れると
共にさらなる軽量化も図れる。
また、本実施例では上ブラケット2の係合孔2aと固定
芯金4の係合突起4a、固定芯金4の係合孔4bと固定ダン
パーケース7の係合突起7a、ペダルプレート6の係合突
起6aと可動芯金5の係合孔5a、可動芯金5の係合孔5bと
可動ダンパーケース8の係合突起8aなどのように、夫々
の一体化構造が、係合突起と係合孔による構成としたの
で、簡単な構造で組付性の向上を図ることができる。な
お、本実施例では係合突起と係合孔とからなる係合部は
夫々2個であるが1個でも3個以上でもよい。
第5図は本発明の別の実施例を示すもので、固定芯金
4と固定ダンパーケース7に夫々係合孔4c及び7cを穿設
し、この係合孔4c,7cに連結部材としてのピン21を圧入
して両者を一体化するものである。このようにしても第
1図乃至第4図に示した実施例と同等の作用効果を奏す
ることは勿論である。
なお、この圧入ピン21に代えて径方向に拡縮する連結
部材、例えば、スプリングピン等を用いても良い。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、構造が簡単で安価
なものとすることができると共に、余分なスペースを取
らずスペース的に有利であり且つ軽量化が図れ、さらに
は構成部品の材料の選択自由度の向上や組付性の向上を
も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図は本発明の一実施例を示すもので、第
1図は平面図、第2図は第1図のII−II線に沿う拡大断
面図、第3図は第1図のIII−III線に沿う拡大断面図、
第4図は一部の分解斜視図、第5図は別の実施例の一部
の分解斜視図である。 1……下ブラケット、2……上ブラッケット、 3……センターピン、4……固定芯金、 4b……係合孔、4c……係合孔、 5……可動芯金、5b……係合孔、 6……ペダルプレート、 7……固定ダンパーケース、7a……係合突起、 7c……係合孔、8……可動ダンパーケース、 8a……係合突起、9……ロックスプリング、 10……レリーズカラー、21……ピン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 7/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定側部材とペダルプレートと一体となっ
    た可動側部材とが同軸上に設けられており、これら両部
    材間に密接状態で外挿されたロックスプリングにより可
    動側部材の回転をロックする足踏み式パーキングブレー
    キにおいて、前記固定側部材を一体化可能な固定芯金と
    固定ダンパーケースとで構成すると共に、前記可動側部
    材を一体化可能な可動芯金と可動ダンパーケースとで構
    成し、前記ロックスプリングは前記固定芯金と前記可動
    芯金とに掛け渡されており、前記固定ダンパーケースと
    前記可動ダンパーケースとの隙間に粘性物質を充填した
    ことを特徴とする足踏み式パーキングブレーキ。
  2. 【請求項2】前記固定芯金と固定ダンパーケース及び前
    記可動芯金と可動ダンパーケースとの一体化構造が係合
    突起と係合孔との係合である請求項(1)項記載の足踏
    み式パーキングブレーキ。
  3. 【請求項3】前記固定芯金と固定ダンパーケース及び前
    記可動芯金と可動ダンパーケースとの一体化構造が係合
    孔と連結部材との係合である請求項(1)項記載の足踏
    み式パーキングブレーキ。
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