JP2778708B2 - 高電圧パルス発生用磁性部品 - Google Patents

高電圧パルス発生用磁性部品

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JP2778708B2 JP63289620A JP28962088A JP2778708B2 JP 2778708 B2 JP2778708 B2 JP 2778708B2 JP 63289620 A JP63289620 A JP 63289620A JP 28962088 A JP28962088 A JP 28962088A JP 2778708 B2 JP2778708 B2 JP 2778708B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は放電励起レーザ、加速器等に用いられる高電
圧パルス発生装置用磁性部品に関するものであり、特に
昇圧変圧器及び磁気スイッチとして使用される高電圧パ
ルス発生装置用磁性部品に関するものである。
[従来の技術] エキシマレーザ、銅蒸気レーザ等のガスレーザを励起
するために使用される高電圧パルス発生装置には、特開
昭63-186569号公報等に記載されているように、その高
電圧側にコンデンサと可飽和リアクトルを組み合わせた
回路が形成されている。
この回路の高圧側の基本構成を第5図に示す。
第5図の低圧側ではサイリスタ等のスイッチ素子によ
り数kHz程度の繰り返し周波数を得、図示しない昇圧変
圧器を介して高圧側に接続されている。第5図のコンデ
ンサ16,17,18および可飽和リアクトル19,20,21によって
低電圧側より入力された電流の時間幅が順次圧縮されレ
ーザ放電電極15に接続されている。このような回路によ
り入力された電流の時間幅の百分の1程度まで圧縮し電
流の上昇率を100kA/μsec以上とすることも可能であっ
た。
この場合可飽和リアクトルは巻磁心の非飽和時と飽和
時のインダクタンスの値の変化を利用した磁気的なスイ
ッチの役割を果たしている。
すなわち、磁心が非飽和時には可飽和リアクトルには
緩やかな電流がわずかしか流れないが、飽和時には急俊
でピーク幅の高い電流が流れのである。
この時巻磁心にはヒステリシス損、渦電流損等の損失
が起こり発熱する。
磁気スイッチは磁心の飽和磁束密度以上を使用するた
め、トランスや磁気増幅器として磁心を用いた場合に比
べその発熱量は非常に大きく、この熱を排出することが
大きな問題であった。
特に、アモルファス磁心を用いた場合にはその使用温
度125℃以下に抑えなければならず、磁心の冷却は必須
であった。
このような問題のため冷媒を使用して磁心の冷却が行
われているが、更に冷却効率を向上するために特開昭63
-211608号公報に記載されているような巻磁心の内部に
スペーサを巻き込み冷媒を通すようにしたものが知られ
ている。
[本発明が解決しようとする課題] 上記した巻磁心の内部にスペーサを有するものはその
スペーサのため磁心形状が大きくなり、又スペーサを巻
き込むため磁歪の影響のため磁気特性が劣化してしまう
とともに占積率が低下するため磁心飽和後のインダクタ
ンスが大きくなるという欠点があった。
また、磁心として巻磁心を使用する場合、過電流損等
を減少できる等の理由から絶縁フィルムを同時に巻回し
て形成した巻磁心が使用される。
この場合、絶縁フィルムの熱伝導率は磁心の熱伝導率
に比べて著しく小さいため、巻磁心の半径方向への熱移
動が疎外される。
本発明者等は上記の磁心を冷却するためには磁心の両
端面を冷却することが重要であることを見出し、特願昭
63-142425号に磁性部品として磁心端面を均一に冷却す
る絶縁ガイドを設けるもの、磁心の端面ごとに磁心の中
心部から外周部または外周部から中心部へ冷却媒体が流
れるように流路を形成したものを提出した。
しかし、このような磁心部品でも磁心の冷却能力は不
十分であり高電圧パルス発生装置の出力電流波高値がし
だいに低下して行くという問題が生じていた。
本発明の目的は、従来の磁心部品よりも冷却能力の優
れた構造を有する高電圧パルス発生用磁性部品を提供す
ることである。
[課題を解決するための手段] 本発明は磁心を冷媒中に設置してなる高電圧パルス発
生装置用磁性部品において、磁心の両端面に流れる冷媒
を磁心側面で分離するように設けた冷媒分離手段と、該
冷媒分離手段の一部に前記冷媒を磁心の両端面でほぼ向
流に流すための冷媒流路を有することを特徴とする高電
圧パルス発生用磁性部品である。
本発明において、冷媒分離手段は磁心の端面ごとに冷
媒を仕切るものであり、その冷媒分離手段の一部に設け
られた冷媒流路は磁心端面に流れる冷媒の方向を決定
し、さらに磁心のもう一方の端面に冷媒を移動する役割
を果たすものである。
冷媒分離手段に設けられた流路は冷媒の淀みをなくす
ために磁心の端面で向流であることが好ましい。すなわ
ち、隣合う冷媒流路は磁心の中心軸に対してほぼ点対象
の位置にあることが好ましい。
[実施例] 以下本発明の実施例について詳しく説明する。
第1図に本発明の磁性部品の一実施例の断面図を示
す。
第1図において、絶縁体で構成された中心体5は磁心
1a及び1bを装架し、これらは上下の支持体6と側壁9で
構成された容器の中に設置されている。
磁心1a及び磁心1bはCo基アモルファス合金をポリエチ
レンテレフタレートフィルムを層間絶縁材として同時に
巻回して形成したものであり、その寸法はそれぞれ120
φ×60φ×25t(mm)である。
また、これらの磁心にはそれぞれの外周面に冷媒分離
手段として磁心の両端面に流れる冷媒14を仕切る絶縁体
で形成した冷媒分離板2a及び2bが設けられている。
また、磁心1aおよび1bの間及び磁心1bの上部には絶縁
体で形成した仕切り板3aおよび3bが設けられている。
冷媒誘導板2a,2bおよび仕切り板3a,3bに設けた冷媒流
路4a,4b,4c,4dにより、冷媒導入口10より入った冷媒14
は第1図中の矢印の方向に流れ最後に排出口11より排出
される。この冷媒は図示しない熱交換器により冷却され
導入口10に戻され循環される。
第2図は第1図のA−A断面図を示したものである。
第2図には第1図で省略した磁心に巻く巻線29も示して
いる。この巻線29の両端は第1図の入力端7および出力
端8に接続される。
巻線29は中心体5に形成された溝13と冷媒分離手段2
a,2bおよび仕切り板3aを貫通するように設けた貫通孔12
によって5ターンのコイルを形成している。
第1図に示す磁性部品を銅蒸気レーザを想定した第4
図に示す回路の可飽和リアクトル26に使用して磁心表面
の温度変化を熱電対により測定した。
第4図に示す回路は高電圧をサイラトロン22でスイッ
チングするものである。
また、コイル27はサイラトロン22による急激な電流変
化を押さえるものである。
冷媒として粘度5mm2/Sのシリコンオイルを用い、流量
10l/minで導入口10の冷媒温度は20℃に設定した。
また、回路の条件は入力電圧Vi=17kV、繰り返し周波
数5kHz、動作時間60分であり、コンデンサ23,24はそれ
ぞれ6nF,コンデンサ25は2.7nF、負荷28は1Ωの抵抗で
ある。
この結果、磁心表面温度がどの部分でも30℃を越えず
冷却十分に行われた。
また、比較例として第1図に示す磁心部品の冷媒分離
板2a,2bを除き、さらに仕切り板3aの流路4bを反対側、
つまり第1図左側、に形成してそれぞれの磁心1a,1bの
それぞれの両端面を流れる冷媒の流れる向きが磁心ごと
に同じになるようにした場合も測定した。この場合他の
条件は実施例と同じである。
比較例では磁心1aの下側の面で磁心表面温度が上昇
し、最高65℃にも達する個所が有った。これは、層間絶
縁に使用するポリエチレンテレフタレートの使用温度60
℃以下を上回っており、層間絶縁が破壊される危険があ
ることを示している。
本実施例では磁心を二段使用した例を示したが第3図
のように一段の磁心の場合でも良好な冷却能力が得られ
る。この場合、冷媒14は第3図の矢印の向きに流れる。
また、第1図の仕切り板3a,3bはなるべく薄いものが
良い。また、これら仕切り板がなくても冷媒誘導板2bの
流路4cの位置を反対側、つまり第1図の右側にすること
により十分な冷却能力が得られる。
なお、仕切り板を付けることによる利点は磁心端面の
冷媒流速を上昇し、磁心からの熱拡散を促進することで
ある。
[発明の効果] 本発明の構造を有する磁性部品を高電圧パルス発生装
置の可飽和リアクトルとして使用することにより、磁心
の発熱による磁気特性の劣化を防止でき、安定した回路
を構成することができる。また、磁心を十分に冷却でき
ることから、磁心の層間絶縁材としてポリイミド等の耐
熱性に優れた高価な材料を使用しなくても、ポリエチレ
ンテレフタレートの様な安価な材料が使用でき経済的に
も有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示した断面図、第2図は第
1図のA−A断面図、第3図は本発明の別の実施例を示
した図、第4図は本発明の評価に用いた回路の構成図、
第5図は高電圧パルス発生装置の概略を示す説明図であ
る。 1a,1b:磁心、2a、2b:冷媒分離板、3a,3b:仕切り板、4a,
4b,4c,4d:冷媒流路、10:冷媒導入口、11:冷媒排出口、1
4:冷媒、15:レーザ放電電極 16,17,18,23,24,25:コンデンサ、19,20,21,26:可飽和リ
アクトル、22:サイラトロン、28:負荷、29:巻線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−172222(JP,A) 実開 昭59−195719(JP,U) 実開 昭57−75722(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 31/00,27/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁心を冷媒中に設置してなる高電圧パルス
    発生用磁性部品において、前記磁心は絶縁フィルムを同
    時に巻回して形成した巻磁心であり、かつ、前記高電圧
    パルス発生用磁性部品に入力される高電圧パルスによっ
    て、当該磁心の磁束密度は実質的に飽和領域まで動作さ
    せられ、かつ、当該磁性部品は該磁心の両端面にある冷
    媒を当該磁心の側面で分離するように設けた冷媒分離手
    段と、該冷媒分離手段の一部に前記冷媒を磁心の両端面
    でほぼ向流に流すための流路を有することを特徴とする
    高電圧パルス発生用磁性部品。
JP63289620A 1988-11-16 1988-11-16 高電圧パルス発生用磁性部品 Expired - Lifetime JP2778708B2 (ja)

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