JP2778455B2 - 連続鋳造用浸漬ノズル - Google Patents

連続鋳造用浸漬ノズル

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JP2778455B2
JP2778455B2 JP6046543A JP4654394A JP2778455B2 JP 2778455 B2 JP2778455 B2 JP 2778455B2 JP 6046543 A JP6046543 A JP 6046543A JP 4654394 A JP4654394 A JP 4654394A JP 2778455 B2 JP2778455 B2 JP 2778455B2
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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/10Supplying or treating molten metal
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D41/00Casting melt-holding vessels, e.g. ladles, tundishes, cups or the like
    • B22D41/50Pouring-nozzles

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はタンディッシュから鋳型
内に溶融金属を注湯する浸漬ノズルに関するものであ
り、特に浸漬ノズルから注入された溶融金属流による鋳
型内湯面の過大な変動を防止し、同時に鋳型下方への溶
融金属進入深さを浅くすることにより、鋳片内部の介在
物性欠陥を減少させるための連続鋳造用浸漬ノズルに関
する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼をタンディッシュから、連続鋳造鋳
型に注入する際には耐火物製の浸漬ノズルが用いられて
いる。現在、特にスラブの高速鋳造を行う場合、浸漬ノ
ズルの形状は図18(a),18(b)に示すように鋳
型短辺に向けて開口する一対の吐出孔を有したものが一
般的である。ところで、連続鋳造においては、一般に安
定した凝固と鋳片欠陥の原因となる溶鋼内非金属介在物
を浮上除去することが要求される。
【0003】従って、浸漬ノズルは鋳型内溶鋼流を均一
に分散し、非金属介在物を浮上させるとともに、鋳型内
溶鋼表面に適度の均等な溶鋼流れを与えることが必要で
ある。また、ノズル側壁の左右の吐出孔から流出し、鋳
型の左右の短辺に向かう溶鋼に流量差がないこと、およ
び、鋳型の短辺に衝突して上下方向に分かれた溶鋼流れ
のうち、短辺上昇流が適度な流れであることが望まれて
いる。
【0004】鋳型内における溶鋼表面流速が適性範囲で
ない場合、以下のような問題が発生する。溶鋼表面の流
速が適性値より小さい場合、吐出孔から供給される溶鋼
の熱が不足するため、溶鋼表面が部分的に凝固し、凝固
片が鋳片内に持ち込まれ、鋳片欠陥となり、さらには鋳
造を中断する必要が生じることもある。また、溶鋼表面
流速が適性値より大きい場合、あるいは、偏流が激しい
場合、溶鋼表面に浮かべたパウダーが鋳片内に持込ま
れ、パウダー性欠陥となり鋳片品質劣化の原因となる。
【0005】また、溶鋼の偏流が発生した場合、鋳型内
下方向に向かう溶鋼流れの溶鋼プールへの浸入深さは通
常値から20〜40%増加し、アルミナ介在物の浮上を
困難にする。上記問題点を解決するため、図19に示す
ような浸漬ノズル本体の側壁に鋳型短辺壁に向けて下側
に傾斜して開口する一対の吐出孔を有するノズルに、山
形のノズル底部を横断して両側吐出孔へ連通し底部に開
口するスリットを設けた浸漬ノズル(以下、2孔スリッ
ト連通ノズルと称する)が提案されている(特開昭62-2
96944 号公報) 。
【0006】また、図20に示した浸漬ノズルは同じく
ノズル側壁の左右の吐出孔をノズル先端を横断するスリ
ットで連通した2孔スリット連通型であるがノズル先端
部の外形が半球である( 特開昭61-14051号公報)。これ
らの浸漬ノズルを使用することにより、溶鋼はノズル先
端部のスリットからその一部が鋳型内下方向に注入され
るので、ノズル側壁の左右の吐出孔から注入され鋳型短
辺に向かう溶鋼量が少なくなり、よって鋳型内溶鋼面の
表面流速が低減され、溶鋼表面の鋳型パウダー巻き込み
が防止されると言うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記の図19に示す2
孔スリット連通ノズルを用いた場合の鋳型内溶鋼流動を
水モデル試験で調査した結果を図21に示す。ノズル側
壁の吐出孔から流出した溶鋼は鋳型の短辺側に向かい、
鋳片の凝固シェルに衝突後、短辺に沿って上昇する流れ
(以下、短辺上昇流と称する。)と下降する流れ(短辺
下降流と称する。)に分かれる。短辺上昇流は鋳型内の
溶鋼表面に到達後、溶鋼湯面で盛り上がり、その後短辺
側から鋳型中心に向かう表層流れとなる。
【0008】このノズルは底部スリットからも溶鋼を流
出させているので、短辺上昇流の速度が小さく、従って
鋳型内溶鋼面の湯面変動量も少ないこと、また、底部ス
リットからの流出溶鋼は鋳型幅方向に広がり、溶鋼進入
深さが浅い。しかし、図19のノズルは、一対の吐出孔
から流出する溶鋼量は片方が多くなり、他方は少なくな
る、いわゆる片流れ現象が発生し、多く流出した側では
短辺上昇流が強く、湯面変動量が大きくなる。
【0009】さらに、底部スリットからの流出溶鋼は鋳
型幅方向に広がらず、帯状の流れが短辺上昇流が多い側
に偏り、短辺下降流と競合して強い下降流(鋳型下降流
と称する。)となり鋳型内部に深く進入する。吐出孔か
ら流出する溶鋼量の偏りは時々刻々鋳型の左側あるいは
右側に移り変わり、その結果、異常な鋳型内湯面変動、
ノズル近傍において溶鋼表面で渦が発生し、そのためモ
ールドパウダの巻き込みを誘因する。また、鋳型下降
流によって溶鋼中の非金属介在物の進入深さも改善され
ない等、底部スリットの無い従来の2孔吐出孔ノズル
(図18(a) 、18b) )に較べて殆ど改善が見られな
い。
【0010】
【課題を解決するための手段】従来の2孔連通スリット
型ノズルで見られた欠点、即ち、吐出孔から流出する溶
鋼の片流れ現象、鋳型内下降流が激しく生ずる現象等
は、連続鋳造機における鋳造実験、あるいは縮尺モデル
を用いた水モデル実験の観察からその原因が明らかとな
った。即ち、浸漬ノズルの縦孔を落下する溶鋼流れには
偏りがあり、この偏りがノズル側壁の左右の吐出孔から
流出する溶鋼に流量差を与え、さらには、ノズル先端部
の底部スリットから流出する溶鋼が、鋳型幅方向に不均
一に広がり、これらの現象が個々に或いは競合して、鋳
型下方に向かう帯状の下降流が発生するためである。
【0011】そこで、従来の2孔スリット連通ノズルと
異なり、上部開放孔に続く筒状体下方の側壁に設けられ
た一対の吐出孔と底部スリットの開口を連通させない形
状にした。この場合には、ノズル縦孔内に偏った溶鋼動
圧が発生してもその影響を受けるのは吐出孔に限られ、
底部スリットは側壁内面をさらに下がった位置に開口す
るのでその影響を受けることがない。また底部スリット
の開口面積分だけ吐出孔径を狭くできるので片流れが発
生しにくいと言った改善がされることが判明し、下記の
発明をするに至った。なお、下記において状体の内側
の形状は、円、楕円、多角形のいずれでもよく、その断
面積も、上下方向に一定である必要はない。
【0012】(1)請求項1の発明は下記の特徴を備え
た連続鋳造用浸漬ノズルである。 (a)上端はタンデッシュからの溶融金属を受けること
ができるように開放孔となっており、中間部は縦孔を有
する筒状体であり、下部には溶融金属を流出させる少な
くとも一対の吐出孔、縦孔底部には溶融金属を下方に流
出させるスリット状開口部を備えた実質的に耐火物から
構成されている浸漬ノズルであって、 (b)前記吐出孔は、前記浸漬ノズルの下部において前
記縦孔に連通し、鋳型幅方向に平行であって前記縦孔の
中心軸を通る断面では左右対称であり、 (c)前記縦孔底部は、前記吐出孔より下側に設けられ
た下向きの凸面で構成され、 (d)前記スリット状開口部は、下向きの凸面である縦
孔底部に鋳型幅方向に平行に、かつ、前記吐出孔と連通
していないように設けられている。
【0013】(2)請求項2〜5記載の発明は請求項1
記載の連続鋳造用浸漬ノズルを更に改良した発明であ
る。
【0014】
【作用】本発明の浸漬ノズルの1例を図 1に示した。こ
の浸漬ノズルは、ノズル上端はスライデイングノズル装
置に接続出来るように開放孔を有し、この開放孔に続き
縦孔を有する円筒状の中間部を備えている。ノズル下部
には、少なくとも一対の鋳型幅方向に向かった溶融金属
の吐出孔が設けてあれば、他に例えば鋳型厚み方向に向
かう他の小さい吐出孔があってもよい。
【0015】従来のノズルと異なる点は、一対の吐出孔
最下部とスリット最上部との間(以下外殻という)は高
さ方向で、例えば40mm離れており、ノズルの縦孔底面
は下に凸面をなし、底部スリットの間隙寸法は30mmで
ある。また、側壁にはアルゴンガス吹込用のガス透過層
(G)とガス供給口(C)を有し、スライデイングノズ
ル装置のノズルに下側から外装するタイプのものであ
る。なお、浸漬ノズルの材質は通常アルミナ−炭素質で
ある。
【0016】同時に、本発明の浸漬ノズルでは、上記改
善に加え、底部スリットの流出溶鋼が鋳型内下向き幅方
向に扇型板状の流れで流出し、幅広く分散するように改
善をしている。例えば、ノズルの縦孔底面形状を下向き
に凸の形状として、ここに鋳型幅方向に平行で開口断面
が細長いほぼ矩形状であるスリットを鋳型の下側方向に
向けて設けてあり、ノズル内部の溶鋼は、その内部
(静)圧力の作用方向に、即ち、下向き凸形状内面に直
角方向に流出するので、底部スリットによって鋳型幅方
向に扇型板状の流れとなる。縦孔底部の形状は、半球、
楕円球等の任意の3次元曲面、あるいは、スリット長手
方向に円筒面、多角柱等の任意の二次平面の全部あるい
はその一部でも、下側に凸の形状であれば底部スリット
から流出した溶鋼は扇型板状の流れになる。
【0017】また、スリットと側壁吐出孔の間の外殻を
設けずに、スリットと側壁吐出孔を連通させた場合、浸
漬ノズル縦孔を落下する溶鋼流れの偏りが、ノズル側壁
の吐出孔から流出する溶鋼に流量差を与え、さらには底
部スリットから流出する溶鋼が、鋳型幅方向に不均一に
広がるため、偏流となり、渦発生によるモールドパウダ
ー巻き込みを誘発する。外殻寸法が20mm以下の場合、
側壁吐出孔からの流れと底部スリットからの流れが干渉
するため、外殻の効果が現れにくい。従って、殻壁寸法
は20mm以上とすることが有効である。また、側壁の吐
出孔の数は図1の例では一対であるがこれに限定され
ず、2対でもよい。要は、縦孔底面の形状が下に凸の形
状であり、吐出孔と底部スリットが連通していない限り
本発明の効果が得られる。
【0018】ノズル縦孔底面の鋳型幅方向断面の形状は
円弧、楕円、放物線等任意の線また 曲線でもよく、ノ
ズル中心軸を通る断面において左右対称な形状であれば
底部スリットから流出した溶鋼は鋳型幅方向に均一な扇
型板状の流れになる。ノズル縦孔底面の形状を任意選択
して溶鋼流れの広がり程度を調節することが出来る。ま
た、スリットの長手方向の長さあるいは開口角度を選択
して扇型板状の広がり幅を調節することも可能である。
【0019】スリットからの溶鋼流量は開口断面積によ
り選択し、浸漬ノズル縦孔底面のスリット開口部に溶鋼
圧力を発生させる程度に底部スリットの間隙値を減ずる
ことが良い。内部(静)圧力の割合が弱い場合、ノズル
内の溶鋼流れによる動圧力の影響を受けて、底部スリッ
トの一部分から不均一に溶鋼が流出してしまうので、均
一に広がった扇型板状の流れになるよう鋳造条件に最適
な間隙寸法を水モデル試験などによって求めることが出
来る。
【0020】
【実施例】実施例1 先ず、通常のスラブ連続鋳造(厚み200 〜250mm,幅1200
〜2000mm) を想定し、縮尺度1/3のタンディッシュ、
鋳型、浸漬ノズルからなる透明アクリル樹脂で製作した
水モデル試験装置を用い、無次元数であるフルード数に
よって溶鋼の流動を近似させた。試験したノズルは、本
発明の浸漬ノズル、従来の2孔スリット連通ノズルであ
る。
【0021】このノズルを用いて鋳型内の溶鋼流れ、鋳
型内湯面の表層流れを観察し、底部スリットから流出し
た溶鋼の鋳型幅方向への広がり状況(イ) 、左右の吐出
孔から流出する溶鋼の流量差 (ロ) 、吐出孔から流出し
た溶鋼と底部スリットから流出した溶鋼のノズル外部で
の干渉 (ハ) 、吐出孔から流出した溶鋼の短辺衝突上昇
流が与える鋳型内溶鋼面の湯面変動量 (ニ) を調査する
試験を行った。試験の条件を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】また、同時に複数の小形プロペラ型流速検
出器によって鋳型内各部の測定を行い、各ゞの個所の片
流れ現象を定量化するための左右測定点の同一時刻の測
定信号を多チャンネルデータ記録装置に連続記録した。
水モデル試験に用いた浸漬ノズルは図1に示した本発明
の浸漬ノズルであるが、試験条件を単純にするため縦孔
底面形状を半球形としたもので、その形状を図2に示し
た。
【0024】溶鋼を鋳造する実物ノズルの寸法に換算し
た各部寸法は、縦孔径92mm、側壁の吐出孔径70m
m、吐出孔流出方向(α)は下向き5〜35度、底部ス
リットの開口間隙値(w)10〜40mm,幅方向の広
がり角度(β)80〜180度の範囲であり、吐出孔と
スリットの間の連通していない部分の垂直距離は20〜
60mmのノズルである。
【0025】比較のため前記した従来の2孔スリット連
通ノズル(ノズル各部寸法は本発明の試験ノズルと同
じ)で縦孔の底面が山形状のノズル、(ノズルR1、図
19)、半球形のノズル(ノズルR2、図20)も用い
て、スラブ幅1200〜1240mm、厚み220m
m、鋳造速度18〜24m/分に相当する鋳造条件
で試験した。表1に各種ノズルの諸条件と試験の観察結
果(良好と判断したものは◎マーク、適しないと判断し
た物は×マークを記入した)を示した。
【0026】従来のノズルR1の鋳型内の溶鋼流れ、鋳
型内湯面の表層流れを観察した結果を前述の図21に示
し、概説したが、ここでは詳細に説明する。底部スリッ
トから流出した溶鋼の鋳型幅方向への広がり状況(イ)
については、縦孔底面が山形状であるため鋳型幅方向に
広く分散されず、帯状の鋳型下方に向かう下降流が鋳型
の幅方向の左側あるいは右側に偏った流れになってしま
う欠点があった。
【0027】また、ノズルR1では、左右の吐出孔から
の溶鋼流出量の内、一方からの吐出量が強く、他方は弱
くなり左右で流量差(ロ)が生ずる現象、そして溶鋼流
量の多い側の流れは鋳片短辺凝固シェルに衝突後強い短
辺上昇流を生ずるので鋳型内溶鋼面の短辺付近に盛り上
がりが生じ、湯面変動(ニ)が起き、同時に鋳型短辺か
ら浸漬ノズルに向かう表層流速を増大した。一方、他の
鋳型短辺側では所望量の表層流速が得られないと言う従
来の2孔浸漬ノズルで見られた欠点、所謂、鋳型内溶鋼
の片流れ現象が観察された。
【0028】次に、側壁の吐出孔とスリットが連通して
いる比較のノズルR2における吐出孔からの溶鋼流出の
観察結果を図3に図示し、本願発明の浸漬ノズルの鋳型
内の溶鋼流れ、鋳型湯面の表層流れを観察した例を図4
に示す。先ず、ノズルR2の観察結果を説明すると、こ
のノズルでも左右の吐出孔の溶鋼流出量は一方の吐出孔
側が強く、他方は弱くなり、左右で流量差が生ずる現象
(ロ)とその程度は改善されているが鋳型内溶鋼面の湯
面変動(二)が観察された。
【0029】本願発明の浸漬ノズルを使用した場合にお
ける鋳型内の溶鋼流れ、鋳型内湯面の表層流れを観察し
た結果、吐出孔の溶鋼流出は左右均等で片流れ現象の発
生も見られず、鋳型内の異常な湯面変動も、吐出孔流出
方向(α)と底部スリットの幅方向の広がり角度(β)
が適正でない条件では発生することがあるが、全体的に
は所望の湯面変動量、即ち、2〜6mm範囲を安定して
保持していた。
【0030】小形プロペラ型流速検出器により鋳型内の
ノズル側壁の吐出孔付近の溶鋼流速測定を行い、鋳造速
度24m/分に相当する鋳造条件で、本願の浸漬ノズ
ルと比較のノズルR2の各々の個所の片流れ現象を測定
し、測定データの一例を図5、図6に示す。本願の浸漬
ノズルの吐出孔付近の溶鋼流速(図5)は左右流速が常
に130cm/秒付近に安定しているが、ノズルR2
(図6)は片流れによる非常に大きな流速のアンバラン
スが発生している。
【0031】上記の本願の浸漬ノズルと比較のノズル
2の比較から、吐出孔と底部スリットを連通させず、両
者を独立させると側壁の吐出孔の流出溶鋼の片流れが防
止出来ることが確認された。両者間の距離は、耐火物の
強度を考慮して20mm以上を確保すると、吐出孔から
の流出溶鋼の片流れを防止する効果が見られ、両者間の
距離を60mmとした場合には片流れの防止効果は完全
であった。
【0032】次に、本願の浸漬ノズルで側壁の吐出孔か
ら流出した溶鋼と底部スリットから流出した溶鋼のノズ
ル外部での干渉状態(ハ)についての観察を説明する。
まず、本願発明の浸漬ノズルのグループA(表1参照)
では、底部スリットの広がり角度が100度以の場
合、扇形板状の流れがえられた。
【0033】グループB〜F(表1参照)のノズルにお
いては、底部スリットの広がり角度は100度以上であ
るが、吐出孔流出方向(α)と底部スリットの幅方向の
広がり角度(β)との間には望ましい条件として、2α
≦210−βであることが判った。即ち、図7に示した
通り、2α>210−βの範囲では、鋳型内溶鋼面の湯
面変動が大きい。この理由は、吐出孔からの流出溶鋼と
底部スリットから流出した扇形板状溶鋼の端部が競合し
て、見掛け上、吐出孔の流出溶鋼が強くなるためであ
る。また、図7においてはスリット広がり角度βが11
0度以上では湯面変動が6mm以下で湯面変動が小さい
ことが示されている。側壁吐出孔からの流れとスリット
からの流れの干渉を調査するため、水モデルにおいて鋳
型内流動を調査した。鋳型幅1200mm、引抜速度
2.4m/分に相当する鋳造条件で、適正ノズルとして
本願浸漬ノズルのグループD(表1参照)のうち、β=
150のもの、不適正ノズルとしてグループCのうち、
β=150のものを用いた。
【0034】まず浸漬ノズル上端からアルミニウム粉ト
レーサーを添加し、その流動挙動から、側壁吐出孔およ
びスリットからの溶鋼の軌跡を観察した。適正ノズルの
場合、図4に示す流動状態であるのに対し、不適正な場
合、側壁吐出孔からの流れとスリットからの流れが干渉
しているのが観察された。鋳型中央から幅方向に300m
mにおける側壁吐出孔からの流れの軌跡の接線方向の速
度を、プロペラ型流速検出器により測定した。この位置
は図4のx1 およびx2 の位置で、それぞれ、鋳型幅中
心から左右に300 mm,深さはノズル吐出孔下端から25
0 mmで、かつ、鋳型方向の中心の位置である。その
結果を図8、図9に示す。横軸は右側(x2)の流速、縦
軸は左側(x1)の流速を示す。適正ノズルの場合(図
8)の流速は左右流速が23cm/秒付近に安定している
が、不適正ノズルの場合(図9)適正ノズルの場合より
も平均流速が大きく、ばらつきも大きい。
【0035】本測定位置では絶対値およびばらつきが大
きいことは、短辺衝突後の上昇流の絶対値、ばらつきも
大きくなり、最終的に表面流速の絶対値、ばらつきも大
きくなる。以上のことより干渉がある場合、即ち、2α
+β>210 である場合、表面流速が大きくなり、パウダ
ー巻き込みの原因となる。
【0036】なお、本願発明の浸漬ノズルは、上記現象
が発生する場合でも左右同時にこの現象が起こるので、
従来の浸漬ノズルで見られた現象とは異なり、鋳型内湯
面変動量は増加するが鋳型の左右の短辺側で同程度に発
生する。また、底部スリットから流出した扇形板状溶鋼
の板厚み方向、即ち鋳型内の厚み方向の溶鋼流れの分散
はスリット間隙を形成するノズル底面の肉厚、即ち流出
方向に沿ったスリット内壁厚さ(t)によって影響され
る。現実には、ノズル底面の耐火物強度を維持するため
には肉厚として10mm以上あればよい。
【0037】スリット間隙の内壁面は互いに向かい合う
平行面であるので扇形板状の溶鋼流れが底部スリットか
ら流出するが、流出後にスリット幅方向の各部で均一な
厚さの扇形板状溶鋼流れとするためには、鋳型幅方向の
各部のtの値は望ましくは同一、あるいは、厚さの変化
比が2.5倍以下で有ることが望ましい。しかし、底部
スリットからの流出溶鋼を鋳型幅方向に扇状に広げる機
能は底部外形ではなく、底部スリットが開口する縦孔底
面形状にあり、内面が幅方向で対称に下に凸である面で
あればよい。
【0038】底部スリットの間隙寸法について、本試験
の結果を説明する。間隙値40mmでは、内部(静)圧
力の割合が弱いため底部スリットの効果が見られず、縦
孔を流下した溶鋼流がノズル底部スリットの一部分から
太い下降流れで流出する傾向であったが、間隙値を30
から20mmに減少させると、底部スリットからの流出
は鋳型幅方向に扇状に広がった流れに改善された。
【0039】間隙値の最低寸法は流出形状からは決まら
ず、実際の鋳造におけるその他の要因、例えば、底部ス
リットへアルミナ介在物付着する場合もあることから
10mm程度は必要である。従って、底部スリットの開
口間隙寸法は溶鋼注入量に応じて開口長手寸法との積、
即ち開口断面積から選択するが、浸漬ノズル内面のスリ
ット開口部に溶鋼圧力を発生させる程度に底部スリット
の流出量を減ずることができる範囲の間隙値であれば良
い。内部(静)圧力の割合が弱い場合、ノズル内の溶鋼
流れによる動圧力の影響が大きく、底部スリットの一部
分から溶鋼が流出してしまうので均一に広がった扇型板
状の流れにならないことがある。鋳造条件に最適な間隙
寸法は水モデル試験から決めることが出来る。
【0040】実施例2 側壁吐出孔からの流れとスリットからの流れの干渉を調
査するため、水モデルにおいて鋳型内流動を調査した。
鋳造条件は、鋳型幅1200mm、引抜速度2.4 m/分に相
当する条件とした。浸漬ノズルは、本願浸漬ノズルのグ
ループD(表1参照)のうち、β=150 のものを基本形
状とし、外殻寸法を0(連通型)、10、20、30、
50mmの5水準に変化させた。また偏流の評価方法
は、鋳型内の流速の経時変化を測定し、その標準偏差を
求めた。
【0041】まず左右の側壁吐出孔からの吐出流速を測
定した。測定位置は吐出孔出口および前述のx1 または
2 の位置である。その結果を図10に示す。外殻寸法
が0の場合(側壁吐出孔とスリットが連通)、標準偏差
は34(cm/s)と大きく、変動が非常に大きいことが
分かる。一方、外殻寸法を10mm以上とすると標準偏差
は5(cm/s)以下となり、非常に安定した吐出流と
なることが分かる。これは外殻を設けることにより、ノ
ズル縦孔内に発生した動圧の影響を受けないことが判明
した。
【0042】次に浸漬ノズル上端からアルミニウム粉ト
レーサーを添加し、側壁吐出孔からの流動の軌跡を求め
たところ、軌跡は外殻寸法にさほど影響は受けないこと
が分かった。従って、鋳型幅方向に300 mm(前述のx
1 およびx 2 の位置)における側壁吐出孔からの流れの
軌跡の接線方向の速度を、プロペラ型流速検出器により
測定した。外殻寸法10mm以下では標準偏差が10(cm
/s)以上となり、不安定な流動となっていることが分
かる。これは側壁吐出孔からの流動とスリットからの流
れが干渉するこにより、起こると考えられる。外殻寸法
を20mm以上とすれば、変動が小さくなっており、干渉
が発生していないことが分かる。以上の結果より、縦孔
における動圧の影響、側壁吐出孔とスリットからの流れ
の干渉を受けないためには、20mm以上の外殻寸法が望
ましいことが分かる。
【0043】実施例3 本願の浸漬ノズルの表1のDグループの中から底部スリ
ット広がり角度βが130度のノズル、比較のノズルR
2の実物ノズルを製作して、従来の2孔吐出孔ノズルと
共に、水モデル試験と同じ鋳造条件で実機での鋳造を行
ない、鋳型内溶鋼面の湯面変動量、鋳造スラブから圧延
した冷間圧延薄鋼板の表面品質差を調査した。尚、浸漬
ノズルの材質はアルミナ炭素質を用いた。
【0044】鋳造鋼種は、転炉で溶製した溶鋼をRH真
空脱ガス装置で成分調整し、C≦0.05 %、Si≦ 0.0
3 %、Mn≦ 0.30 %、P≦ 0.03 %、S≦ 0.02 %,S
olAl 0.020〜0.040 %(%はwt%である)の冷間圧
延用の低炭素アルミキルドである。取鍋からタンディッ
シュの注入はエアシールパイプを使用し、タンディッシ
ュ内面にマグネシヤ材質の断熱ボードを、タンディッシ
ュカバーと内部溶鋼面の内部空間にArガスを吹込み溶
鋼の二次酸化防止するととともに、タンディッシュ内溶
鋼温度は1560〜1545℃に維持して溶鋼中介在物
のタンディッシュ内での浮上分離を促進した。
【0045】鋳型への溶鋼鋳造はスライディングノズル
溶鋼流量制御装置と浸漬ノズルを用い、鋳型内湯面制御
装置により鋳型内湯面を鋳型上端から100mm下の一
定高さに保つとともに、スライディングノズルと浸漬ノ
ズル内部にArガスを9l/分の量を吹き込み、縦孔内
面へのアルミナ介在物の付着防止を行ない、モールドパ
ウダは低炭素アルミキルド鋼鋳造用のものを使用し
た。
【0046】鋳型内溶鋼面の湯面変動量の測定は鋳型上
部に設置した渦流距離計式の非接触型湯面測定器を用い
て、鋳型の左右短辺近傍において最も湯面変動量が大き
くなる個所を測定し、多チャンネルデータ記録装置に左
右測定点の測定信号を連続記録した。解析のため、各々
の湯面変動量、片流れ現象を定量化するための左右の測
定点において同時刻の湯面変動差の値を各々記録した。
【0047】図11、図12はそれぞれ本願の浸漬ノズ
ル(Dグループ β=130度)と比較のノズルR2の
鋳造時間14分間の湯面変動量の測定データの一例であ
る。本願発明の浸漬ノズルの湯面変動量は、鋳型の左側
短辺および右側短辺においてそれぞれ1〜4mm範囲で
あり、同時刻の左右湯面変動量差に値も±1〜2mmに
収まっている(図11)。一方、ノズルR2では鋳型左
側短辺が5mm,右側短辺は2mmの湯面変動で、左右
湯面変動量差は0〜5mm範囲で時々刻々変化してお
り、片流れ現象が有ることを示していた(図12)。
【0048】図13に本願発明の浸漬ノズルと従来の2
孔吐出孔ノズルについて、鋳型左側短辺、右側短辺の湯
面変動量の測定データを比較するが、この測定でも本願
発明の浸漬ノズルでは左右双方の測定値が常に最適な範
囲としている3mm付近の値であり、他方、従来の2孔
吐出孔ノズルでは湯面変動範囲が15〜5mmあり、
左右の差は最大約3mmである。
【0049】冷間圧延薄鋼板の表面品質改善効果を確認
する調査は、2ストランド連続鋳造機の片方の鋳型に本
願の浸漬ノズル、他方の鋳型に従来の2孔吐出孔ノズル
を用いて鋳造し、同一ヒートの鋳造中に鋳造速度を2
0m/分と2.4m/分と変えて鋳造を行ない、鋳造ス
ラブを無手入れで25mm厚の熱間圧延コイルに圧延
した。
【0050】上記コイル表面を酸洗した後、冷間圧延機
で0.7 mm厚の冷間圧延薄鋼板コイルに圧延して、コイ
ル検査ラインでコイル全長の表裏面を目視検査した。発
見した表面疵の内、アルミナ介在物とモールドパウダ
に起因して発生したヘゲ欠陥についてはさらに欠陥に付
随した介在物を走査型電子顕微鏡で分析し、Al2
3 、CaO、Na+ 等が存在するかどうかを調査した。
欠陥数の表示方法は、ヘゲ欠陥個数に欠陥1個当たりの
基準長さを乗じたヘゲ欠陥総長さをコイル長さで割り、
100倍した値をヘゲ欠陥発生率(%)とした。
【0051】図14に本試験の調査結果を、従来の浸漬
ノズルを用いて鋳造速度2.0 m/分で鋳造した冷間圧延
コイルのヘゲ欠陥発生率を基準(1.0) として、相対指数
により示した。比較例の鋳造速度2.4 m/分の場合欠陥
発生率相対指数は1.3 であったが、本願の浸漬ノズルを
用いて場合の冷間圧延コイルの相対指数はいずれの鋳造
速度の場合も0.4 以下の品質であった。
【0052】上記調査によって本願の浸漬ノズルを実際
の連続鋳造操業に用いた時、従来の2孔スリット連通ノ
ズルの欠点であった片流れ現象が改善されるので鋳型幅
方向の左右で均等な安定した鋳型内溶鋼湯面の最適変動
量範囲が得られること、鋳造速度2.0 m/分以上の高速
鋳造であっても最適な鋳型内湯面変動量を確保でき、鋼
板品質は従来の表面品質レベルから更に改善されること
が確認された。
【0053】実施例4 ノズル断面の絞り方を3通りに変えた本願発明の浸漬ノ
ズルをアルミナ炭素質材質を用いて製作し、実機にお
いてスラブ幅1200〜1240mm、厚み220m
m、鋳造速度2.0〜24m/分の鋳造条件で、5ヒ
ート連続の鋳造を各々のタイプの浸漬ノズルについて行
い、浸漬ノズル内部へのアルミナ介在物付着による鋳型
湯面変動量を調査し、鋳造後のノズル内部を観察してア
ルミナ介在物付着状況を比較した。
【0054】鋳造に用いた本願の浸漬ノズルは全て表1
に記載したDグループのノズルで、底部スリット広がり
角度β=130度、スリット間隙寸法w=30mm、吐
出孔角度α=25度、吐出孔の直径は60mmである。
表2にそのノズル断面の絞り方を変えたノズルを示し
た。表2に、同時に鋳造後観察したノズル内部のアルミ
ナ介在物付着状況と鋳型湯面変動量の測定結果を示した
(◎:良好と判断したもの、〇:良好でないが使用可能
と判断したもの、×:不良と判断したもの)。
【0055】
【表2】
【0056】表2中の浸漬ノズルS1は図2に例示した
内部形状のもので、内部縦孔は上部から底面まで一定の
直径92mmの円筒であり、縦孔底面形状は半球型であ
る。表2中の浸漬ノズルS2は図1に例示した内部形状
のもので、縦孔は上部から吐出孔までの部分は円筒で直
径92mmである。吐出孔部分から底面にかけての縦孔
形状は、ノズルの水平断面は長軸が底面の底部スリット
に平行な疑似楕円であり、短軸寸法は下方に行くにした
がって直線的に減少し、縦孔断面積を底部スリットに向
け絞っている。
【0057】そして、ノズル中心軸を通る鋳型幅方向に
平行な断面では、縦孔の内孔形状は下に凸の放物線形で
あり、底部スリットの内部開口はその放物曲面に開口し
ている。表2中の浸漬ノズルS3は縦孔の上部は円形断
面であるが、吐出孔までの部分は、その断面の長軸は9
2mmであり、底面の底部スリット開口に平行である。
一方、短軸は92mmから64mmに漸次絞られた楕円
断面である。吐出孔部分から底面にかけての縦孔の断面
は上記S2ノズルと同様に内部縦孔底面の底部スリット
開口に向けて絞っている。そして底部スリットの内部開
口はその縦孔底面の下に凸の放物曲面に開口している。
【0058】鋳造は実施例3と同じく、冷間圧延薄鋼板
用の低炭素アルミキルド鋼を取鍋からタンディッシュに
無酸化注入し、タンディッシュ内部溶鋼の二次酸化防止
するとともに、タンディッシュ内溶鋼温度は1560〜
1545℃に維持して溶鋼中介在物のタンディッシュ内
での浮上分離を促進させた。
【0059】鋳型への溶鋼鋳造は鋳型内湯面制御装置に
よって鋳型内湯面を鋳型上端から100mm下の一定高
さに保ち、スライディングノズル溶鋼流量制御装置と浸
漬ノズル内部にArガスを9l/分の量を吹き込み、こ
れらの部分でのアルミナ介在物の付着を防止した。鋳型
湯面には低炭素アルミキルド鋼鋳造用のモールドパウダ
を使用した。なお、上記スライディングノズルは固定ノ
ズル、摺動ノズルの内径がともに80mmの高耐火度耐
火物プレートからなる2枚板タイプを用いた。
【0060】先ず、連続鋳造機の鋳造における鋳型湯面
変動量の測定結果を説明すると、5ヒート連続した鋳造
の1、2ヒート目は、S1,S2,S3全てのノズルに
ついて、湯面変動量は鋳型の左右両側で均等で変動量も
2〜4mmの範囲であり、満足すべき状況(◎マーク)
であった。
【0061】しかし、3〜5ヒート目の鋳造ではS1ノ
ズルは湯面変動量が大きく、また、鋳型左右側の変動量
差も発生したが、S2,S3ののノズルは1、2ヒート
目の鋳造と同様に満足すべき状況であった。図15にS
1ノズルの鋳型湯面変動量の測定結果を示す。1、2
ヒート目は短辺寄りの個所の湯面変動量は25〜4
0mmで、鋳型左右の変動量の差は05〜12mm
であるが、3〜5ヒート目の鋳造では湯面変動量が2
3〜54mmに、変動量差は08〜33mmに増
加し、湯面状況は良好では無かったが、鋳造可能であっ
た(〇マーク)。
【0062】次に、鋳造後観察したS1ノズル内部のア
ルミナ介在物付着状況を図16で説明する。ノズル縦孔
部分は左右吐出孔側、即ち、縦孔の鋳型短辺側に相当す
る内壁にアルミナ介在物付着が多く、鋳型の長辺側に相
当する内壁面には付着が少ないが、吐出孔部分から下側
の底部スリットの開口との間の内壁では鋳型の長辺側に
平行する部分にアルミナ介在物が厚く付着し、アルミナ
付着は底部スリットの開口内部まで達している。
【0063】水モデル試験でS1ノズル内部の溶鋼流れ
を観察したところ、ノズル上部から吐出孔に向かう溶鋼
流れはノズル断面の一部を流下する一本の流れが左右吐
出孔側の一方の壁に沿って流下する片側流下現象があ
り、他方の内壁と片側流下溶鋼の間は、言わば、流れの
停滞領域になっており、この片側流下現象は一方の吐出
孔から他方へ時々刻々移り変わる。
【0064】また吐出孔部分から底部スリット開口まで
の間の溶鋼流線は、鋳型幅方向に平行な帯状でスリット
開口にむけて流れ、この流れと鋳型の長辺側に平行する
内壁面の間は流れの停滞領域になっている。そして、S
1ノズル内部のアルミナ介在物付着が多い内壁部分は、
上記の水モデル観察で流れの死んだ停滞領域と一致して
いることから、この部分では溶鋼乱流が生じてアルミナ
の凝集成長と内壁への付着が発生していると想定され
る。
【0065】したがって、ノズル縦孔断面は、溶鋼流線
とノズル内壁の間に溶鋼乱流域を生じない形状とするた
め、ノズル縦孔断面の内径を減少して片側流下現象を生
じ難くすることがよいと判明した。具体的には、内部縦
孔の直径を減少する、あるいは、鋳型厚み方向の直径を
減じて楕円形であるが断面積を減少することが良い。ま
た、吐出孔部分から下側の底部スリット開口までの間の
内孔は鋳型厚み方向の直径をさらに減じた偏平度の高い
内孔断面が良く、また、吐出孔と底部スリットからの溶
鋼流出量に応じ溶鋼流下方向にしたがって断面を減少す
ることが望ましい。
【0066】S2ノズルは上記の考えから、吐出孔部分
から下の底部スリット開口までの間、縦孔の鋳型厚み方
向の直径を底部スリットからの溶鋼流出量に応じて減じ
た偏平度の高い疑似楕円断面として、同時に楕円長軸寸
法を放物線形に沿って減少させ、底部スリットの開口面
が下に凸の曲面としたものでる。
【0067】また、図示していないが、S2ノズル内部
のアルミナ介在物付着状況を説明すると、内部縦孔の上
部から吐出孔に向かう部分のアルミナ介在物付着はS1
ノズルの付着量と同程度で、改善されていないが、吐出
孔部分から下側の底部スリットの開口との間の内壁には
アルミナ介在物付着がなく、この部分に改善効果があっ
た。
【0068】S3ノズルは上記の考えをさらに進めて、
ノズル内部縦孔の上部断面はスライディングノズルへの
接続のため円形断面であるが、ノズル上部から吐出孔に
向かう部分も短軸寸法を漸次減少し、楕円断面として内
部断面積を減少させた。ここで縦孔断面の鋳型厚み方向
の直径を減じた楕円形としたが、その第1の目的は、片
側流下現象を生じている溶鋼流の断面を偏平に矯正し、
反対側の溶鋼乱流域を減少する効果を得るためである。
第2の目的は、底部スリットの長手方向の開口幅を大き
く保つため、その上流側縦孔のスリットの長手方向の内
径を減少せず、スリットの方向の内径を減じる方法をと
ったためである。
【0069】鋳造後観察したS3ノズル内部のアルミナ
介在物付着状況を図17に示す。縦孔の上部から吐出孔
に向かう部分では左右吐出孔側、即ち、縦孔の鋳型短辺
側に相当する内壁へのアルミナ介在物付着が大幅に減少
し、吐出孔部分から下側の底部スリットの開口との間の
内壁にはアルミナ介在物付着が見られず、ノズル内部全
体に改善効果があった。ここで、縦孔の吐出孔上側部に
若干のアルミナ介在物付着が見られるが、この部分の断
面積を更に減少させれば解決できる。
【0070】上記の鋳造試験と水モデル試験の観察か
ら、本願の浸漬ノズル縦孔内壁、あるいは、底部スリッ
トの内部開口付近へのアルミナ介在物付着は、縦孔水平
断面を楕円断面、あるいは、偏平断面とし、下方に向か
って減少させ、同時に、内部断面積を底部スリットの内
部開口に向かって連続的に絞った形状とすることにより
防止できることが明らかになった。
【0071】上記の通り、アルミナ介在物の付着を防止
した本願の浸漬ノズルは、多数ヒートの連続鋳造を行っ
ても、最終ヒートも初期ヒートと同様に鋳型の湯面変動
量を最適範囲に安定して保つことが出来ることを確認し
た。
【0072】
【発明の効果】本発明に係る連続鋳造用浸漬ノズルを用
いて溶融金属、特に溶鋼を連続鋳造すると、鋳型内湯面
の不均一で過度な変動を防止でき、同時に鋳型下方への
溶融金属の侵入深さ浅くすることができるため、鋳片表
面性状と介在物性欠陥を著しく減少でき、製品の品質を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浸漬ノズルの一例を示す図である。
【図2】本発明の試験に用いた浸漬ノズルの各部の寸法
と角度を示す図である。
【図3】従来の2孔連通ノズル(R2,図19に示す)
を使用した場合における鋳型内溶鋼流動を示すずであ
る。
【図4】本発明の浸漬ノズルを使用した場合における鋳
型内溶鋼流動を示す図である。
【図5】本発明の浸漬ノズルにおける左右の吐出孔から
の溶鋼流出速度を比較した図である。
【図6】従来の2孔スリット連通ノズル(R2,図19
に示す)における左右の吐出孔からの溶鋼流出速度を示
す図である。
【図7】本発明の浸漬ノズルにおける吐出角度αとスリ
ットの広がり角度βの最適範囲を示す図である。
【図8】本発明の表1グループDのβ=150度のノズ
ルを用いた場合のx1 及びx2の位置における流速を比
較した図である。
【図9】比較としてグループDのβ=150 度のノズルを
用いた場合におけるx1 及びx2 の位置における流速を
比較した図である。
【図10】吐出孔下端とスリット開口部上部との間の垂
直方向距離を変化させた場合における吐出孔からの流速
の変動を示す図である。
【図11】本発明の浸漬ノズルにおける鋳型内湯面変動
を示す図である。
【図12】従来の2孔スリット連通ノズル(R2,図
に示す)における鋳型内湯面変動を示す図である。
【図13】従来の2孔スリット連通ノズルと本発明の浸
漬ノズルにおける両短辺における湯面変動を比較した図
である。
【図14】従来の2孔スリット連通ノズルと本発明の浸
漬ノズルを使用して、鋳造した鋳片を圧延して得られた
冷延コイルの欠陥発生率を比較した図である。
【図15】本願の浸漬ノズルS1のノズルを用いた多ヒ
ート連続鋳造における鋳型湯面変動量を測定したデータ
を示す図である。
【図16】浸漬ノズルS1のノズル内部介在物付着状況
を示す図である。
【図17】浸漬ノズルS3のノズル内部介在物付着状況
を示す図である。
【図18】従来の山形部或いはプール部を有する2孔浸
漬ノズルを示す図である。
【図19】従来の山形部を有する2孔スリット連通ノズ
ルを示す図である。
【図20】従来の2孔スリット連通ノズルを示す図であ
る。
【図21】従来の2孔スリット連通ノズル(R1,図1
8に示す)における鋳型内溶鋼流動を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−170057(JP,U) 特公 平3−46216(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/10 330 B22D 41/50 520

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の特徴を備えた連続鋳造用浸漬ノズ
    ル。 (a)上端はタンデッシュからの溶融金属を受けること
    ができるように開放孔となっており、中間部は縦孔を有
    する筒状体であり、下部には溶融金属を流出させる少な
    くとも一対の吐出孔、縦孔底部には溶融金属を下方に流
    出させるスリット状開口部を備えた実質的に耐火物から
    構成されている浸漬ノズルであって、 (b)前記吐出孔は、前記浸漬ノズルの下部において前
    記縦孔に連通し、鋳型幅方向に平行であって前記縦孔の
    中心軸を通る断面では左右対称であり、 (c)前記縦孔底部は、前記吐出孔より下側に設けられ
    た下向きの凸面で構成され、 (d)前記スリット状開口部は、下向きの凸面である縦
    孔底部に鋳型幅方向に平行に、かつ、前記吐出孔と連通
    していないように設けられている。
  2. 【請求項2】 前記下向きの凸面である縦孔底部の内側
    形状は、ノズル中心軸を通おり、かつ、鋳型幅方向に平
    行な断面では左右対称な任意の下に凸である線で構成さ
    れ、その直角方向断面でも左右対称な任意の下に凸であ
    る線で構成されている請求項1記載の連続鋳造用浸漬ノ
    ズル。
  3. 【請求項3】 前記下向きの凸面である縦孔底部内側の
    形状は、ノズル中心軸を通おり、かつ、鋳型幅方向に平
    行な断面では左右対称な任意の下に凸である曲線で構成
    され、また、その直角方向断面では左右対称な任意の下
    に凸である線で構成されている請求項1記載の連続鋳造
    用浸漬ノズル。
  4. 【請求項4】 前記一対の吐出孔の下向き角度α(度)
    と、前記スリット状開口部の幅方向広がり角度β(度)
    が、下式を満足する請求項1から3のいずれかに記載さ
    れた連続鋳造用浸漬ノズル。 2α+β≦210, 110≦β≦180
  5. 【請求項5】 前記スリットの最上部位置と、前記吐出
    孔の最部との垂直方向距離(外殻寸法)が少くとも20
    mm以上であ請求項1から4のいずれかに記載された連
    続鋳造用浸漬ノズル。
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