JP2778416B2 - カラープリンタ - Google Patents

カラープリンタ

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JP2778416B2
JP2778416B2 JP14989693A JP14989693A JP2778416B2 JP 2778416 B2 JP2778416 B2 JP 2778416B2 JP 14989693 A JP14989693 A JP 14989693A JP 14989693 A JP14989693 A JP 14989693A JP 2778416 B2 JP2778416 B2 JP 2778416B2
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俊郎 河野
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  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
  • Electronic Switches (AREA)
  • Impression-Transfer Materials And Handling Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録紙を往復動作させ
ることにより転写紙上のカラーインクを面順次に記録す
るカラープリンタに係わり、特に各色毎のレジずれを無
くすための構成及びその制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より転写紙表面のカラーインクをサ
ーマルヘッドの熱で溶かしたり(熱溶融性)、昇華させ
たり(熱昇華性)して、記録紙上の所望の位置に文字や
画像情報に応じてカラー記録を行うカラープリンタが知
られている。上記転写紙は、イエロー、マゼンダ、シア
ン、ブラック(以下、単にY,M,C,Bと省略する)
等の各色のカラーインクが長手方向にダンダラ状に面順
次に塗布されたものであり、この転写紙を介してサーマ
ルヘッドを記録紙に圧接し、記録紙を往復動作させるこ
とにより転写紙に塗布されたカラーインクを順次転写す
る。このようなカラープリンタでは、記録のレジ精度が
悪いと再生画面が悪くなってしまうため、各色毎に記録
開始位置を確実に合わせる必要がある。しかし、このよ
うな構成を実現しようとすると構造的に複雑になるた
め、カラープリンタがコストアップ化する原因となって
いた。そこで、本出願人は、プラテンローラ下流部に設
けた搬送ローラにクランプ機能を備えたクランプローラ
を設けることにより、低コストでレジずれの少ないカラ
ープリンタを提案している(特願平4−163575号
公報)。以下、このカラープリンタについて説明する。
【0003】図7は、従来のカラープリンタの概略構成
図である。同図において、カラープリンタ101は、プ
ラテンローラ102、ライン状のサーマルヘッド10
3、カッタ104、記録紙105の往復動作時に記録紙
105を逆送させる逆転ローラ106、記録紙105の
先端部をクランプするクランプローラ107等から構成
されている。カラープリンタ101において、長手方向
にロール状に巻回して前記ケース内に装填した記録紙1
05は、逆転ローラ106を経由して、この記録紙10
5の裏面が前記プラテンローラ102の外周に沿うよう
にほぼU字状に巻き付けられ、さらに、記録紙105の
先端部分は、クランプローラ107を経由し、カラープ
リンタ101内にセットされる。記録動作中において記
録紙105は、クランプローラ107とプラテンローラ
102との間の貯留部に貯留されながらプラテンローラ
102上で往復動作し、転写紙111上のY,M,C色
が順次記録される。記録の終わった記録紙105は、こ
のクランプローラ107によってケース外へ出され、前
記カッタ104によって1画面分ずつカットされて排紙
される。また、前記サーマルヘッド102は、転写紙ガ
イドローラ108と共にサーマルヘッド機構部を成す。
このサーマルヘッド機構部は、例えば、前記転写紙カー
トリッジの交換や記録紙105の給紙等の場合には、転
写紙ガイドローラ108と共に図中の右方向へ移動して
退避させることができる。
【0004】また、記録紙105の往復動作はプラテン
ローラ102と、逆転ローラ106を用いて行ってい
る。即ち、印刷動作時にプラテンローラ102が同図中
矢印方向に回転することで記録紙105を送り出し、逆
転ローラ106が同図中矢印方向と逆に回転することで
送り出された記録紙105を逆送させる。このプラテン
ローラ102と逆転ローラ106とはそれぞれワンウェ
イクラッチを介して同一駆動源にて駆動され、プラテン
ローラ102が駆動するときには逆転ローラ106がフ
リーになり、逆転ローラ106が駆動するときにはプラ
テンローラ102がフリーになる。
【0005】ところで、上記カラープリンタ101は、
記録紙をプラテンローラ102上で往復動作させながら
面順次にカラー記録を行うため、正確なレジ精度を有す
る必要がある。そこで、クランプローラ107が記録紙
105の先端部を狭持し、各色の記録開始時に狭持した
記録紙先端部の位置を固定したままプラテンローラ10
2とクランプローラ107との間の記録紙105の弛み
を完全に除去することで、各色毎の記録開始位置を合わ
せていた。この記録紙105の弛み取りについては、上
記逆転ローラ106により大まかに行っているが、この
逆転ローラ106だけでは記録紙105の弛みを完全に
は除去できない。更に、例えば、記録紙105がクラン
プローラ107に真っ直ぐクランプされていたとして
も、プラテンローラ107上で記録紙105が斜めに巻
回されていれば、記録紙105を往復動作させることで
各色毎の記録位置が段々とずれていき、正確なレジ精度
を保つことができなくなる。そこで、上記カラープリン
タ101では、サーマルヘッド機構部に設けた転写紙ガ
イドローラ108にてプラテンローラ102とクランプ
ローラ107との間の弛みの最終的な除去を行ってい
た。この転写紙ガイドローラ107は、記録紙105の
弛みを除去するだけでなく、プラテンローラ102上に
斜めに巻回された記録紙105を真っ直ぐに直すことも
できたので、良好なレジ精度を保つことができた。次
に、この記録紙105の弛みを取る構造について図8を
用いて説明する。
【0006】図8は、カラープリンタ101の要部の構
造を示す図である。同図において、上記転写紙ガイドロ
ーラ108は、サーマルヘッド103が装着されたサー
マルヘッド機構部109に回転自在に装着され、サーマ
ルヘッド103がプラテンローラ102へ圧着、離間す
る動作と共に転写紙111を介して記録紙105と接離
する。この転写紙ガイドローラ108は、サーマルヘッ
ド103をプラテンローラ102に圧着した際、クラン
プローラ107とプラテンローラ102とに外接する接
線110より内側、即ちプラテンローラ102側へ入り
込むように構成されている。そして、記録動作前は、逆
転ローラ106により記録紙105の弛みが大まかに除
去されているので、サーマルヘッド103を圧着するこ
とにより、転写紙ガイドローラ108が内側に入り込む
だけで、記録紙105の弛みや、記録紙105の斜め巻
回を完全に除去することができた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のカラ
ープリンタ101のように、転写紙ガイドローラ108
をクランプローラ107とプラテンローラ102とに外
接する接線110より内側へ入り込ませるためにはプラ
テンローラ102にワンウェイクラッチを設ける必要が
ある。しかし、ワンウェイクラッチを設けずプラテンロ
ーラ102が駆動系に直結されていれば、転写紙ガイド
ローラ108が上記接線110よりも内側に入り込むこ
とができず、記録紙105の弛みを十分に除去すること
ができなくなってしまう。このため、部品点数が増加し
てしまい、また、ワンウェイクラッチ自体の価格が高い
ことや、転写紙ローラを設ける必要があること等、カラ
ープリンタがコストアップ化してしまうという問題があ
った。また、プラテンローラ102にワンウェイクラッ
チを設けることで、プラテンローラ102の表面性や、
このプラテンローラ102の駆動系の癖、即ちプーリと
タイミングベルトの歯と谷の噛み合わせの癖(歯と谷の
不均一性)やステッピングモータの癖(スリットの不均
一性による回転ムラ)等が各色毎に異なることになり、
微妙なレジズレが発生し、目視上色ムラとなって現れ
る。
【0008】そこで、本発明は上記の点に着目してなさ
れたものであり、従来のカラープリンタよりも簡単な構
造で記録紙の弛みや、プラテンローラへの斜め巻回を除
去し、レジずれのないカラープリンタを提供することを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するための手段として、プラテンローラと、前記プラ
テンローラを回転させるプラテンローラ駆動手段と、記
録紙の供給部から排出部に至る走行経路中、前記プラテ
ンローラより下流側に設けられて前記記録紙を保持する
クランプ手段とを少なくとも具備し、前記プラテンロー
ラ上の記録紙を往復動作させることによって、少なくと
も2色を記録紙に面順次で転写して画像を記録するカラ
ープリンタにおいて、前記クランプ手段が前記記録紙を
保持した後、前記記録紙に記録を行う前に、前記プラテ
ンローラ駆動手段を用いて前記プラテンローラを回転さ
せて前記記録紙を往復動作させることを特徴とするカラ
ープリンタを提供しようとするものである。
【0010】また、本発明は、上記目的を達成するため
の手段として、プラテンローラと、前記プラテンローラ
を回転させるプラテンローラ駆動手段と、記録紙の供給
部から排出部に至る走行経路中、前記記録ヘッドより下
流側に設けられて前記記録紙を保持するクランプ手段と
を少なくとも具備し、前記プラテンローラ上の記録紙を
往復動作させることによって、少なくとも2色を記録紙
に面順次で転写して画像を記録するカラープリンタにお
いて、1色記録終了後、前記プラテンローラ駆動手段を
用いて、前記1色記録で記録紙を送った量だけプラテン
ローラを逆転させた後、更にプラテンローラの正の整数
回転数逆転させることを特徴とするカラープリンタを提
供しようとするものである。
【0011】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の一実施例
を説明する。図1は、本発明の一実施例であるカラープ
リンタの外観斜視図である。同図において、カラープリ
ンタ1は、本体前方に固定されたカット記録紙(以下、
単に記録紙と称する)を収納するための記録紙収納部2
を有する。この記録紙収納部2に収納された記録紙は、
後述する分離機構により積載された最上部の記録紙のみ
が分離されて給紙される。そして、この給紙された記録
紙は、往復動作しながら転写紙に順次塗布されているカ
ラーインクが所望の記録情報に応じて順次記録され、記
録動作が終了すると排紙口19Aから上記記録紙収納部
2の上部の排紙トレー19上に排紙される。
【0012】次に、本実施例のカラープリンタ1の内部
の構造を図2、図3を用いて説明する。図3は、カラー
プリンタ1の縦断面図である。図3において、2は記録
紙2Aを収納するための上記記録紙収納部2であり、記
録動作中に記録紙2Aを往復動作させる際に記録紙2A
を最初の記録位置まで戻すための記録紙2Aを退避する
空間でもある。10はサーマルヘッド12を装着したサ
ーマルヘッド機構部10であり、回動軸10Aを中心に
回動自在に設置される。このサーマルヘッド機構部10
が回動することで、サーマルヘッド12をプラテンロー
ラ13から退避した退避位置(図示せず)と、プラテン
ローラ13からわずかに離れた位置でセットさせるセッ
ト位置(図3に示す位置)へ移動させることができる。
なお、サーマルヘッド12のプラテンローラ13への圧
着は、図示されない機構により行われる。13は、カラ
ープリンタ1の左右のフレームに回転可能に装着された
ローラ軸にゴム等の弾性部材を固着したプラテンローラ
13であり、記録動作時に記録紙2Aを往復動作させ、
記録が終了した記録紙2Aを排紙ガイド板32上に搬送
する。14は転写紙ロール14A,Bに長手方向に巻回
された上記転写紙14である。この転写紙14を介して
サーマルヘッド12が、プラテンローラ13上に巻回さ
れている記録紙2Aに圧着されることで、転写紙14に
塗布されたカラーインクが記録紙2A上に記録される。
20は記録紙2Aの先端をクランプするためのクランプ
機構部20であり、回動軸21を中心に可動可能な可動
クランプ部材20Aと、カラープリンタ1に固定された
固定クランプ部材20Bとより成る。上記可動クランプ
部材20Aは図示されない駆動機構によりその駆動が行
われる。
【0013】22は、記録紙収納部2の底板3を上下動
させるための給紙レバー22であり、軸22Aを中心に
回動自在に設けられる。この給紙レバー22は、図示さ
れない駆動機構(例えばモータを駆動源とした駆動機
構)により突出部22Bが同図中左方向に押されること
で矢印23方向に回動する。このように給紙レバー22
が回動することで、記録紙収納部2の底板3が図示され
ない回動軸を中心に回動しする。24は回転可能に支持
された給排紙ローラ軸24Aに固着された給排紙ローラ
24であり、ゴム等の高摩擦部材から成る。この給排紙
ローラ24は、上記プラテンローラ13と同一の駆動源
で回転する。以下、図2を用いてその構造について説明
する。
【0014】図2は、プラテンローラ13、及び給排紙
ローラ24の駆動機構を示す図である。同図において、
プラテンローラ13の駆動は、ステッピングモータ80
によって行われる。カラープリンタ1の右フレーム79
Rに固定されたステッピングモータ80の回転出力は、
その出力軸81に一体に固定されたプーリ82と、右フ
レーム79R上に植設された軸受周りに回転するプーリ
83及びこれらのプーリ82,83間に掛けられたタイ
ミングベルト84で構成される減速機構77によって減
速され、更に、プーリ83に一体化されたプーリ85と
プラテンローラ軸13Aに固定されたプーリ86とに掛
けられたタイミングベルト87で構成される減速機構7
8によって更に減速駆動される。
【0015】ここで、プーリ82とプーリ83は整数分
の一に減速され、プーリ85とプーリ86も整数分の一
に減速される。即ち、プーリ83の歯数とプーリ83の
歯数との比は整数対1に設定してあり、プーリ85の歯
数とプーリ86の歯数との比も整数対1に設定してあ
る。従って、ステッピングモータ80の回転出力は、プ
ラテンローラ13に整数分の1に減速されて伝達され
る。また、プラテンローラ13の1回転で整数ライン数
の記録紙搬送を行い、かつステッピングモータ80は1
回転につき整数ステップ数であるので、プラテンローラ
13上のある位置と、ステッピングモータ80の出力軸
81の位置関係が各色毎に同一の組合せとなる。また、
タイミングベルト84の歯数は、プーリ(小プーリ)8
2の歯数の整数倍であり、かつタイミングベルト87の
歯数もプーリ(小プーリ)85の円周(=歯数)の整数
倍の長さに設定される。
【0016】一方、プーリ83,85は軸88によって
右フレームを貫通して内側にプーリ89を一体的に固着
しており、タイミングベルト90によってプーリ91に
も減速駆動される。プーリ91は給排紙ローラ軸24A
と一体化されている。また、タイミングベルト90は、
アイドラ92によって必要張力を得ており、アイドラ9
2はネジ93を中心に回動調整可能な調整板94に設け
た軸95に回転自在に設けてある。尚、96は調整板固
定ネジである。
【0017】図3において30は、上記記録紙収納部2
に積載収納された記録紙2Aを1枚分離するための分離
機構部30であり、軸6R,Lによって回動自在に取り
付けられた分離ピンレバー7R,Lと、積載した記録紙
2Aの分離を行う分離ピン8R,Lと、上記分離ピンレ
バー7R,Lの下方規制をするストッパピン11R,L
とで構成される。31は、分離機構部30により分離さ
れた記録紙2Aを上記プラテンローラ13まで案内する
ための給紙ガイド板31である。この給紙ガイド板31
は、プラテンローラ13直下からくの字に曲がり、サー
マルヘッド12のすぐ下まで延びており、これに一端を
固定された弾性部材を介してプラテンローラ13に接し
ている。このように給紙ガイド板31の先端部分がプラ
テンローラ13に接することで、プラテンローラ13と
記録紙2Aとの間に摩擦力を付与し、これよりプラテン
ローラ13が記録紙2Aを搬送できる。なお、この摩擦
力は、上記クランプ機構部20によるクランプ力よりも
小さくなるように設定されている。また、32は、記録
済みの記録紙2Aを排紙口19Aまで案内するための排
紙経路を形成する排紙ガイド板32である。
【0018】次に、図4、図5、及び図6に示すフロー
チャートを用いて上記カラープリンタ1の動作について
説明する。図3に示す状態から、記録動作のための操作
が行われる(P1)と、最初に給紙動作が行われる(P
2)。給紙レバー22が図示されない駆動機構により上
方に回動し、記録紙収納部2の底板3を上昇させる。こ
の底板3の上昇は、積載された記録紙2Aの最上部が給
排紙ローラ24に接するまで行われる。また、底板3が
上昇することにより、最上部の記録紙2Aが分離機構3
0の分離ピン8R,Lを押し上げ、図4に示す状態にな
る。また、上記可動クランプ部材20Aは、駆動機構に
より回動軸21を中心に時計回り方向に回動し、所定位
置で停止した状態となり、上記サーマルヘッド12は、
プラテンローラ13とわずかに離れたセット位置にな
る。
【0019】上述の状態から、給排紙ローラ24が半時
計回りに回転することにより、給排紙ローラ24と当接
している最上部の記録紙2Aはプラテンローラ13側に
押し出され、分離ピン8R,Lにより1枚分離された記
録紙2Aは、給排紙ローラ24により給紙ガイド板31
上を搬送される。給紙ガイド板31上を搬送された記録
紙2Aは、その先端部が給排紙ローラ24と共に回転し
ているプラテンローラ13に給紙ガイド板31が当接し
ている位置まで達すると、上述した給紙ガイド板31の
押圧力により、プラテンローラ13でも搬送される。
【0020】このように搬送された記録紙2Aは、プラ
テンローラ13の周面に沿って搬送され、可動クランプ
部材20Aのストッパ部20Cまで達する。記録紙2A
の先端部が可動クランプ部材20Aのストッパ部20C
に達すると記録紙2Aの先端部分をクランプする。ここ
で、記録紙2Aが斜めに給紙された場合においても、記
録紙2Aの先端部分は、ストッパ部20Cに当接し、ス
トッパ部20Cに沿うようになるため、この状態でクラ
ンプされても記録紙2Aの先端部が斜めになることはな
い。しかし、プラテンローラ13上においては斜めに巻
回されているため、記録紙2Aはプラテンローラ13と
ストッパ部20C間でねじれるようにして弛みを発生す
る。なお、記録紙2Aがクランプ機構部20にクランプ
されると、上記記録紙収納部2の底板3(図3参照)を
下降させ、給排紙ローラ24と記録紙2Aとを離間させ
る。
【0021】クランプ機構部20とプラテンローラ13
間の記録紙2Aは前述の斜め給紙等によって弛みが発生
している可能性がある。そこで、次に上記ステッピング
モータ80(図2参照)を逆転させて、プラテンローラ
7にて記録紙2Aを引っ張ることにより記録紙2Aの弛
みを除去する動作が行われる(P3)。ここで、上記ク
ランプ機構部20のクランプ力は、プラテンローラの搬
送力よりも大きくなるよう設定されているので、記録紙
2Aの先端がクランプ機構部20からはずれることはな
い。このようにして記録紙2Aは固定クランプ部材20
Bの曲面とプラテンローラ13の外周とを結ぶ外接線に
大略沿った状態となる。尚、この際のステッピングモー
タ80の回転量は、タイマによる一定時間の回転であっ
てもよい。しかし、記録紙2Aは弾性力を持っているた
め、プラテンローラ13を逆転させただけでは記録紙2
Aの弛みやプラテンローラ上13での斜め巻回を完全に
除去できない。しかも後述するY、M、Cと記録するに
伴い、貯留部40(図5参照)への貯留動作と、貯留さ
れた記録紙2Aを逆送する動作をくり返す為、記録紙の
弾性が変化する。この結果、貯留した記録紙2Aの逆送
動作によって記録開始位置がわずかにずれ、レジずれの
原因となる。
【0022】そこで次に、第1色目(Y色)記録前に、
複数回記録紙を往復動作させ、記録紙2Aの弛みや斜め
巻回を除去すると共に、記録紙2Aの弾性力を弱めて一
定値以下する動作を行う(P4)。即ち、サーマルヘッ
ド12を無通電の状態でプラテンローラ13に接触さ
せ、プラテンローラ13を正方向(記録紙2Aを送り出
す方向)へ数十ライン分送った後、それより多くのライ
ン分を逆転させる。例えば、30ライン正転で50ライ
ン逆転、これを1サイクルとして、数サイクル繰り返
す。この動作によって記録紙2Aは搬送経路形状に馴染
んで弛みや斜め巻回が除去され、記録紙2Aの弾性力
(特にクランプ機構部20とプラテンローラ13との間
の弾性力)が弱まり、第2、第3色目に於ても、記録動
作時の往復動作による記録紙2Aの状態が同じになりレ
ジずれのない良好な画像が得られる。この動作は記録紙
2Aの弾性力によって動作条件が変わり、例えば弾性力
の弱い記録紙では正転、逆転のライン数を少く、かつサ
イクル数も少くても良く、弾性力が強い記録紙ではライ
ン数、サイクル数共に多くする必要がある。
【0023】上述のように記録紙2Aの先端部がクラン
プされ、記録紙2Aの弛み取り動作が終了すると、図5
に示すようにサーマルヘッド12をプラテンローラ13
に圧着させ、記録紙2Aを貯留部40に貯留しながら転
写紙14上のカラーインクを記録紙2Aへ記録する(P
5)。1色目の記録が終了すると、サーマルヘッド12
を離間させ(P6)、転写紙14の次色の頭出しを行っ
てから(P7)、プラテンローラ13をY色記録で正回
転したライン数逆転させて貯留部40に貯留させていた
記録紙2Aを巻き戻す(P8)。この状態のままでは記
録紙2Aの弛みが完全に除去されていないため、プラテ
ンローラ13の1以上の整数回転数だけ更に逆転させる
記録紙2Aの弛み取り動作を行う(P9)。ここで記録
紙の弛み取り動作によるプラテンローラ13の整数回転
数は、プーリ83の歯数(大プーリの歯数)をP1 、プ
ーリ86の歯数(大プーリの歯数)をP2 、タイミング
ベルト84の歯数(タイミングベルトの歯数)をT1
タイミングベルト87の歯数(タイミングベルトの歯
数)をT2 とすると以下の式1のように決定される。
【0024】
【数1】 但し、LCM(N1 ,N2 )は整数N1 と整数N2 との
最小公倍数であることを示す。
【0025】例えば、プーリ82,83による減速比が
1/2、プーリ85,86による減速比が1/5とし
て、プーリ82の歯数をM1 とすればプーリ83の歯数
は2×M1 個となり、プーリ85の歯数をM2 とすれば
プーリ86の歯数は5×M2 個となる。更に、タイミン
グベルト84の歯数を3M1 とし、タイミングベルト8
7の歯数を6M2 とすれば、上記プラテンローラ13の
整数回転数は式1より6回転になる。この動作によっ
て、貯留した記録紙2Aを逆送させた後にプラテンロー
ラ13を用いて記録紙2Aの弛み取り動作を行ったとし
ても、記録紙2Aの記録開始位置においてプラテンロー
ラ13、ステッピングモータ80、プーリ82,83,
85,86、タイミングベルト84,87の相対的位置
関係は第1色目と第2色目とにおいて同じになる。即
ち、タイミングベルト84,87の歯と谷は、プーリ8
2,83、及びプーリ85,86の歯と谷の関係と常に
同一の組合わせが噛み合い、更に、プラテンローラ13
の1回転で整数ライン数の記録紙搬送を行い、かつステ
ッピングモータ80は1回転につき整数ステップ数であ
るので、プラテンローラ13上のある位置と、ステッピ
ングモータ80の出力軸81の位置関係も第1色目と第
2色目とにおいて同一の組合せとなる。この結果、プラ
テンローラ13の偏心によるレジずれや、プーリー、タ
イミングベルト、ステッピングモータ各部の癖による微
少なレジずれを防止して、記録紙送りによる色ムラを防
止出来る。そして、以後、M色、C色についても同様に
1色記録終了後に弛み取り動作を行って順次記録してい
く(P11)。なお、最終色(C色又はB色)の記録動
作終了後は上記弛み取り動作は行われなくとも良い。
【0026】記録動作が終了すると、記録紙2A先端部
のクランプが外れ、サーマルヘッド12がプラテンロー
ラ13から離間し、記録紙2Aはプラテンローラ13に
より排紙経路である排紙ガイド板32上へ搬送される。
記録紙2Aの先端部が給排紙ローラ24に達すると、プ
ラテンローラ13と共に回転していた給排紙ローラ24
により、上記排紙トレー19上へ排紙される(P1
2)。
【0027】以上説明したように本実施例のカラープリ
ンタ1は、ワンウェイクラッチや転写紙ガイドローラ1
08等の記録紙2Aの弛み除去のための部材を設けるこ
となくプラテンローラ13の動作制御のみで記録紙2A
の弛みを完全に除去できる。即ち、カラープリンタ1の
部品点数を削減したにもかかわらず、レジ精度を良好に
確保することが可能になり、更に部品点数の削減により
カラープリンタ1のコストを削減させることが可能にな
る。また、減速機構77,78の減速比がそれぞれ整数
分の1であり、タイミングベルト84の歯数をプーリ8
2の整数倍とし、タイミングベルト87の歯数をプーリ
85の整数倍とし、更に、1色記録終了後、この1色記
録で記録紙2Aを送った量だけプラテンローラ13を逆
転させた後、上記式1により決定される整数回転数だけ
プラテンローラ13を逆転させるため、記録紙2Aの弛
み取り動作を行っても、各色の記録開始時においてステ
ッピングモータ80、プーリ82,83,85,86、
及びタイミングベルト84,87の位置関係が1色目の
位置関係と同一になる。このため、駆動機構系の癖によ
る微妙なレジずれを防止できる。以上のような構成にす
ることで、レジずれのない記録装置1を低コストで提供
することが可能になる。
【0028】なお、上述した本実施例においては、プラ
テンローラ13の駆動系を、タイミングベルト84,8
7を有する構造にしたが、一対のギアを複数段組み合わ
せた構造にしても良く、この場合においても上述の構造
と同様に構成すれば良い。また、上述の実施例では、カ
ット記録紙2Aを使用するカラープリンタ1について説
明したが、本発明のカラープリンタはそれに限定される
ことはなく、ロール記録紙を使用するカラープリンタに
おいてもその効果は十分にある。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明のカラープリ
ンタによれば、プラテンローラ上の記録紙を往復動作さ
せることによって、少なくとも2色を記録紙に面順次で
転写して画像を記録するものにおいて、クランプ手段が
前記記録紙を保持した後、前記記録紙に記録を行う前
に、前記プラテンローラ駆動手段を用いて前記プラテン
ローラを回転させて前記記録紙を往復動作せるので、記
録紙の弛み除去のための部材を設ける必要がなく、プラ
テンローラの動作制御のみで記録紙の弛みや、斜め巻回
を完全に除去できる。
【0030】また、プラテンローラ上の記録紙を往復動
作させることによって、少なくとも2色を記録紙に面順
次で転写して画像を記録するカラープリンタにおいて、
1色記録終了後、前記プラテンローラ駆動手段を用い
て、前記1色記録で記録紙を送った量だけプラテンロー
ラを逆転させた後、更にプラテンローラの正の整数回転
数逆転させるので、プラテンローラ上での記録開始位置
を各色毎に同じにすることができ、プラテンローラの偏
心等によるレジずれを防止できる。
【0031】また、一対の回転体より成る減速機構を1
段或いは複数段組み合わせて前記プラテンローラと前記
プラテンローラ駆動手段との間に介在され、前記プラテ
ンローラ駆動手段の回転出力を減速させて前記プラテン
ローラに伝達する減速手段を有するカラープリンタにお
いては、前記減速機構の各1段を、前記伝達する回転出
力を整数分の1に減速するよう構成したので、1色記録
終了後、この1色記録で記録紙を送った量だけプラテン
ローラを逆転させた後、更にプラテンローラの正の整数
回転数逆転させても、各色毎の記録開始時におけるプラ
テンローラとプラテンローラ駆動手段との位置関係を一
色目記録開始の位置関係と等しくすることができ、プラ
テンローラ駆動手段の癖による微妙なレジずれを防止で
きる。
【0032】また、大小一対のプーリと、この一対のプ
ーリの間に掛けられ小プーリの歯数の整数倍の歯数を有
するタイミングベルトとで構成した前記減速機構を1段
或いは複数段組み合わせて成る前記減速手段を有するカ
ラープリンタにおいては、1色記録終了後、この1色記
録で記録紙を送った量だけプラテンローラを逆転させた
後、更に同一減速機構の大プーリの歯数とタイミングベ
ルトの歯数との最小公倍数を大プーリの歯数で割った値
をそれぞれの減速機構について求め、このそれぞれの減
速機構について求めた値の最小公倍数である正の整数に
等しい回転数だけ前記プラテンローラを逆転させるの
で、記録紙の弛み取り動作を行っても、各色の記録開始
時においてプラテンローラ駆動機構、プーリ、及びタイ
ミングベルトの位置関係が1色目の位置関係と同一にな
る。このため、プラテンローラ駆動機構だけでなくプー
リやタイミングベルトの癖による微妙なレジずれを防止
できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である記録装置の外観斜視図
である。
【図2】プラテンローラ13、及び給排紙ローラ24の
駆動機構を示す図である。
【図3】記録装置1の要部の縦断面図である(記録紙収
納直後)。
【図4】記録装置1の要部の縦断面図である(記録紙給
紙時)。
【図5】記録装置1の要部の縦断面図である(記録紙動
作時)。
【図6】記録装置1の記録動作を示すフローチャートで
ある。
【図7】従来の記録装置の概略構成図である。
【図8】従来の記録装置の要部の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 カラープリンタ 2 記録紙収納部 2A 記録紙 3 底板 4R,L 記録紙収納部フレーム 5R,L 幅規制板 7R,L 分離ピンレバー 8R,L 分離ピン 10 サーマルヘッド機構部 11R,L ストッパピン 12 サーマルヘッド 13 プラテンローラ 14 転写紙 14A,B 転写紙ロール 20 クランプ機構部(クランプ手段) 20A 可動クランパ 20B 固定クランパ 22 給紙レバー 24 給排紙ローラ 30 分離機構 31 給紙ガイド板 32 排紙ガイド板 77,78 減速機構 80 ステッピングモータ(プラテンローラ駆動手段) 82,83,85,86,89,91 プーリ 84,85,90 タイミングベルト
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−40095(JP,A) 特開 平4−37568(JP,A) 特開 平3−264363(JP,A) 特開 平1−255574(JP,A) 特開 昭63−87280(JP,A) 特開 昭62−71671(JP,A) 実開 平5−65543(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 11/00 B41J 11/42 B41J 13/22 B41J 15/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラテンローラと、 前記プラテンローラを回転させるプラテンローラ駆動手
    段と、 記録紙の供給部から排出部に至る走行経路中、前記プラ
    テンローラより下流側に設けられて前記記録紙を保持す
    るクランプ手段とを少なくとも具備し、 前記プラテンローラ上の記録紙を往復動作させることに
    よって、少なくとも2色を記録紙に面順次で転写して画
    像を記録するカラープリンタにおいて、 前記クランプ手段が前記記録紙を保持した後、前記記録
    紙に記録を行う前に、前記プラテンローラ駆動手段を用
    いて前記プラテンローラを回転させて前記記録紙を往復
    動作させることを特徴とするカラープリンタ。
  2. 【請求項2】プラテンローラと、 前記プラテンローラを回転させるプラテンローラ駆動手
    段と、 記録紙の供給部から排出部に至る走行経路中、前記記録
    ヘッドより下流側に設けられて前記記録紙を保持するク
    ランプ手段とを少なくとも具備し、 前記プラテンローラ上の記録紙を往復動作させることに
    よって、少なくとも2色を記録紙に面順次で転写して画
    像を記録するカラープリンタにおいて、 1色記録終了後、前記プラテンローラ駆動手段を用い
    て、前記1色記録で記録紙を送った量だけプラテンロー
    ラを逆転させた後、更にプラテンローラの正の整数回転
    数逆転させることを特徴とするカラープリンタ。
  3. 【請求項3】一対の回転体より成る減速機構を1段或い
    は複数段組み合わせて前記プラテンローラと前記プラテ
    ンローラ駆動手段との間に介在され、前記プラテンロー
    ラ駆動手段の回転出力を減速させて前記プラテンローラ
    に伝達する減速手段を有する請求項2記載のカラープリ
    ンタにおいて、 前記減速機構の各1段を、前記伝達する回転出力を整数
    分の1に減速するよう構成したことを特徴とするカラー
    プリンタ。
  4. 【請求項4】大小一対のプーリと、この一対のプーリの
    間に掛けられ小プーリの歯数の整数倍の歯数を有するタ
    イミングベルトとで構成した前記減速機構を1段或いは
    複数段組み合わせて成る前記減速手段を有する請求項3
    記載のカラープリンタにおいて、 1色記録終了後、この1色記録で記録紙を送った量だけ
    プラテンローラを逆転させた後、更に同一減速機構の大
    プーリの歯数とタイミングベルトの歯数との最小公倍数
    を大プーリの歯数で割った値をそれぞれの減速機構につ
    いて求め、このそれぞれの減速機構について求めた値の
    最小公倍数である正の整数に等しい回転数だけ前記プラ
    テンローラを逆転させることを特徴とするカラープリン
    タ。
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