JP2777075B2 - 熱電半導体材料 - Google Patents

熱電半導体材料

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    • H10N10/00Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects
    • H10N10/80Constructional details
    • H10N10/85Thermoelectric active materials
    • H10N10/851Thermoelectric active materials comprising inorganic compositions
    • H10N10/855Thermoelectric active materials comprising inorganic compositions comprising compounds containing boron, carbon, oxygen or nitrogen

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  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱電半導体材料さらに
は電気エネルギーを利用して温度差を発生させるペルテ
ィエ効果や温度差を利用して電気エネルギーを取り出す
ゼーベック効果を示し、ペルティエ冷却素子や発電素子
などに適用して有用な熱電変換材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ペルティエ効果やゼーベック効果を示す
熱電変換材料の熱電性能は次式で見積られる性能示数Z
(単位:K-1)によって評価され、その性能示数Zの値
が大きいほど熱電性能が優れていることになる。 Z=α2σ/κ ここで、αは熱電率(μV/K)、σは電気伝導率
((mΩ)-1)、κは熱伝導率(W/mK)である。従
って、優れた熱電性能を有する熱電変換材料を得るに
は、熱電率α及び電気伝導率σが大きく、熱伝導率κの
小さい材料を選択すれば良いことになる。
【0003】一般に、熱電変換材料として用いられてい
るのは金属材料や半導体材料であるが、金属材料では熱
伝導率κと電気伝導率σの比は同一温度においては金属
種によらず同一の値になるというウィーデマン−フラン
ツの法則が成り立つため、金属種の選択により優れた熱
電性能を有する熱電変換材料が得られる可能性は低い。
【0004】一方、半導体材料においては上述した法則
が必ずしも成り立つわけではなく、電気伝導率σが大き
くて熱伝導率κの小さい材料の選択も可能である。ま
た、半導体材料の熱電率αの値は金属材料の十〜数百倍
程度であるため、優れた熱電性能を有する熱電変換材料
の得られる可能性は高く、従来より熱電変換材料として
種々の半導体材料が開発されている。
【0005】従来開発された半導体材料の代表的なもの
として、高温発電用材料の遷移金属シリサイドおよびペ
ルティエ冷却素子用材料のカルコゲナイドがある。それ
らの中でも電子冷却器に唯一応用されているBi2Te3
系カルコゲナイド材料(Bi2Te3、Sb2Te3、Pb
Te、GeTeなど)は、一般に室温付近において、最
も顕著な熱電性能を示し、性能示数Zの値が良好である
と考えられる10-3-1を超える特性を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記B
2Te3系カルコゲナイド材料にあっては、室温以外の
低温域及び高温域で極端に熱電性能が低下してしまい、
特に250℃程度を超えると性能示数Zの値が10-5
-1程度となって良好でなくなり、さらに高温下では酸化
や分解が起こってしまうため、広い温度領域で使用する
ことは不可能であるという問題点があった。Bi2Te3
系カルコゲナイド材料以外の半導体材料も、熱電変換材
料としては、一般に非常に限られた狭い温度範囲におい
てしか使用することができなかった。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、広い温度領
域、例えば100K(約−173℃)〜1000K(約
727℃)の範囲で優れた性能示数Zを示し、安定して
使用することの可能な熱電半導体材料を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者等は、例えばペルティエ素子の性能を決定
する固体の電子伝導率については勿論、熱起電率につい
てもその特性は固体材料の結晶構成単位である原子種と
構造(具体的にはカオチン間の結合距離、角度、酸素配
位子との立体的位置から決定される電子軌道間の重な
り)により決定されると考えた。
【0009】それに基づいて、本発明者等はそれら両物
性を同時に満足する結晶構造或は電子構造の考察を行っ
た結果、母体酸化物結晶の一つとして、[110]方向
に配列したルチル鎖(八面体の稜共有直鎖)に4配位カ
オチンが連結したものとみなされ、酸素八面体の中心イ
オンのS軌道がつくる伝導帯を自由電子や正孔が伝搬す
ると考えられるスピネル型構造(本明細書中、スピネル
型構造には、正スピネル型結晶構造及び逆スピネル型結
晶構造の両方を含む。)が有効であるとの考えに至っ
た。
【0010】そして、本発明者等は、スピネル型構造の
物質のうち電子伝導性と熱起電率を示すものについて鋭
意研究を行い、熱電変換材料としてMIn 2 4 (Mは、
二価イオンとなる元素)で表される組成の複酸化物が最
も優れているとの知見を得た。そして、その元素Mとし
て、容易にスピネル型構造のものを合成することのでき
るMg又はCdが有効であることを見い出した。
【0011】さらに、上記母体酸化物結晶(MIn
2 4 )に対して微量不純物を添加し、母体結晶のIn或
は二価イオンとなる元素Mを価数の異なる不純物で置換
することにより、キャリアとなる自由電子が正孔の濃度
を制御することができ、電子伝導性や熱起電率をさらに
改善することも可能であることがわかった。
【0012】本発明は上述した知見等に基づきなされた
もので、本発明に係る熱電半導体材料は、インジウム
(In)を含み、正スピネル型結晶構造又は逆スピネル
型結晶構造をなす複酸化物(但し、複酸化物に添加され
る添加物としてマンガンを除く)であることを特徴とす
る。また、上記発明に係る熱電半導体材料において、マ
グネシウム(Mg)及びカドミウム(Cd)の一方又は
両方を含有させてもよいし、さらに、微量添加物とし
て、周期律表のIa、IIa、IVa、Ib、III
b、IVb族の第2から第6周期の元素(ガリウム(G
a)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、鉛(Pb)
など)及び亜鉛(Zn)から選ばれる少なくとも1種の
元素を0.01〜5.0原子%の濃度で含有させてもよ
いし、微量添加物として、鉄族遷移金属元素(鉄(F
e)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)など)及び
希土類元素(スカンジウム(Sc)、イットリウム
(Y)及び原子番号57〜71のランタノイド)から選
ばれる少なくとも1種の元素を0.01〜5.0原子%
の濃度で含有させてもよい。
【0013】ここで、上記微量添加物の濃度範囲が上記
範囲であるのは、以下の理由による。即ち、本発明者等
が、微量添加物の濃度を変えてその影響を調べたとこ
ろ、上記上限値を超える場合及び上記下限値に満たない
場合には、得られた材料の比抵抗が増加してしまい、空
気中での半導体化が困難になるという結果が得られたか
らである。なお、微量添加物の濃度は、好ましくは1.
0原子%以下であるとよく、より好ましくは0.5原子
%以下であるのがよい。その理由はより優れた電気伝導
性が得られるからである。
【0014】また、微量添加物として、周期律表のI
a、IIa、IVa、Ib、IIIb、IVb族の第2
から第6周期の元素(Ga、Ge、Sn、Pbなど)及
びZnからなる群から選ばれる元素と、鉄族遷移金属元
素及び希土類元素からなる群から選ばれる元素の両方を
含むようにしてもよい。
【0015】
【作用】本発明に係る熱電半導体材料は、インジウムを
含み、正スピネル型結晶構造又は逆スピネル型結晶構造
をなす複酸化物よりなるため、室温付近で大きな性能示
数Zを示すとともに、100K〜1000Kの温度範囲
においても再現性良く大きな性能示数Zを示し、広い温
度領域で優れ且つ安定した熱電特性を有する。
【0016】また、その複酸化物がマグネシウム及びカ
ドミウムの一方又は両方を含むものである場合には、そ
の合成にあたって通常の粉末焼結法の採用が可能であ
り、特殊な雰囲気を必要とせず、しかもその焼結温度は
セラミックスとしては比較的低い(1000℃〜150
0℃程度)ので、容易に合成可能である。
【0017】さらに、微量添加物として、周期律表のI
a、IIa、IVa、Ib、IIIb、IVb族の第2
から第6周期の元素及びZnからなる群から選ばれる少
なくとも1種の元素や、鉄族遷移金属元素及び希土類元
素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む
ことにより、ドナー準位やアクセプタ準位が形成され、
キャリアとなる自由電子や正孔の濃度の調節が可能とな
り、電子伝導性や熱起電率の制御が可能となる。
【0018】
【実施例】以下に、具体的な実施例を挙げて本発明の特
徴とするところを明らかとする。なお、以下の各実施例
においては各試料を、各種原料粉よりなる混合粉を所望
の形状(ここでは、塊状)に圧縮成形してなる圧粉体を
大気圧下で焼結する通常の粉末焼結法により合成した。
【0019】(実施例1)二価イオンとなる各種元素M
として、表1に示すように、Mg、Cd、Ca(カルシ
ウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、
Eu(ユウロピウム)、Cr(クロム)、Mn(マンガ
ン)、Fe、Co、Ni、Cu(銅)、Zn、Sn、P
bの15個の元素を選択した。そして、各元素Mについ
て、その酸化物(MO)とインジウムの酸化物(In2
3)とを等モル量になるように秤量し、乳鉢中でよく
混合して各元素Mについての各混合粉を得た。
【表1】
【0020】続いて、各混合粉を夫々直径20mmの円筒
状の成形型に入れ、600kg/cm2の一軸圧を印加して
15種の圧粉体を得た。それら各圧粉体を、それぞれ大
気圧下において1200℃(ただし、Fe及びCuの場
合は1000℃、Cdの場合は850℃)で5時間保持
した後に放冷して予備焼成した。そして、予備焼成の済
んだ各焼結体について、それぞれ粉砕してから再び上述
の型に入れて800kg/cm2で加圧した後、さらに等方
静水圧プレスにより3ton/cm2の圧力で圧縮成形した。
得られた各成形体を、それぞれ大気圧下において150
0℃(ただし、Fe及びCuの場合は1200℃、Cd
の場合は1020℃)で10時間保持した後に放冷して
本焼成した。
【0021】得られた15種の各試料について、シャノ
ンのイオン半径資料(R.D.Shannon et.
ai,Acta Cryst.B25,925−946
(1969))に基づき各試料のイオン半径と電荷から
類推される結晶構造と、IV配位及びVI配位における各イ
オン半径の値を表1に示す。なお、表1には、InのIV
配位及びVI配位における各イオン半径の値も併せて示
す。
【0022】表1より明らかなように、15種の二価イ
オンとなる元素Mのうち、スピネル型構造であるのはM
g(試料No.1)とCd(試料No.2)であると類
推された。それを確かめるべく、試料No.1(MgI
24)及び試料No.2(CdIn24)についてX
線回折(XRD)を行い、夫々得られた図1及び図2に
示す回折パターンの構造解析を行った。その結果、何れ
も立方晶系であり、MgIn24は逆スピネル型結晶構
造でその結晶格子定数は8.865Å、CdIn24
正スピネル型結晶構造でその結晶格子定数は9.160
Åであった。
【0023】試料No.1のMgIn24及び試料N
o.2のCdIn24について、それぞれ室温における
熱電率α、電気伝導率σ及び熱伝導率κを測定して求め
た各性能示数Zの値を表2に示す。
【表2】
【0024】なお、表1に示したように、試料No.1
及び試料No.2以外の13種の元素Mの試料について
は、何れも結晶構造がスピネル型でなく、減圧下でシー
ルして行なうなどの特殊な合成方法で合成しないと電気
伝導性を有するスピネル型構造の結晶が得られないこと
がわかった。そして、それらスピネル型構造でないN
o.3〜15の試料については、何れも電子伝導率は大
きいが、熱起電率が小さかった(35μV/K程度)。
【0025】(実施例2)試料No.1のMgIn24
において、Inに対してPbがそれぞれ0.25原子%
(試料No.1−1)、0.50原子%(試料No.1
−2)、1.0原子%(試料No.1−3)の濃度で置
換するように、それぞれ酸化インジウム、酸化マグネシ
ウム及び酸化鉛を秤量し、上記実施例1と同じ条件で焼
結して鉛濃度の異なる3種の試料を得た。得られた各試
料についてXRDを行ったところ何れも結晶構造はスピ
ネル型であった。また、各試料についてその格子定数を
精密化した結果、鉛の置換量の増加に伴って格子定数が
増加しており、混合された鉛イオンは結晶格子中のイオ
ンとして置換されていることがわかった。
【0026】上記試料No.1−1,1−2,1−3に
ついて、それぞれ室温における熱電率α、電気伝導率σ
及び熱伝導率κを測定して求めた各性能示数Zの値を表
3に示すとともに、同表に比較として試料No.1の室
温における性能示数Zの値も併記する。
【表3】
【0027】表3より明らかなように、鉛の添加によっ
て性能示数Zの値が無添加のものの十数〜三十数倍にな
り、良好であると考えられる10-3-1を超え、優れた
熱電性能が得られることがわかった。
【0028】続いて、上記No.1−1の試料(鉛濃
度:0.25原子%)について、100K、300K
(約27℃、室温)、400K(約127℃)、600
K(約327℃)、800K(約527℃)、900K
(約627℃)、1000Kの各温度下で熱電率α、電
気伝導率σ及び熱伝導率κを測定して求めた各性能示数
Zの値を表4に示す。
【表4】
【0029】表4より明らかなように、各温度において
性能示数Zの値は10-3-1を超えており、100K〜
1000Kの幅広い温度領域で高性能な熱電性能が得ら
れ、しかもその変動の少ないことがわかった。
【0030】(実施例3)試料No.2のCdIn24
において、Cdに対してGaがそれぞれ1.0原子%
(試料No.2−1)と5.0原子%(試料No.2−
2)、Geがそれぞれ1.0原子%(試料No.2−
3)と5.0原子%(試料No.2−4)、La(ラン
タン)が0.1原子%(試料No.2−5)の濃度で置
換するように、それぞれ酸化インジウム、酸化カドミウ
ム及び酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化ランタン
を秤量し、上記実施例1と同じ条件で焼結して置換原子
種及びその濃度の異なる5種の試料を得た。得られた各
試料についてXRDを行ったところ何れも結晶構造はス
ピネル型であった。また、各試料についてその格子定数
を精密化した結果、置換原子種の置換量の増加に伴って
格子定数が増加しており、混合された置換イオンは結晶
格子中のイオンとして置換されていることがわかった。
【0031】上記試料No.2−1,2−2,2−3,
2−4,2−5について、それぞれ室温における熱電率
α、電気伝導率σ及び熱伝導率κを測定して求めた各性
能示数Zの値を表5に示すとともに、同表に比較として
試料No.2の室温における性能示数Zの値も併記す
る。
【表5】
【0032】表5より明らかなように、Ga、Ge又は
Laの添加によって性能示数Zの値が無添加のものの数
〜十数倍になり、良好であると考えられる10-3-1
超え、優れた熱電性能が得られることがわかった。
【0033】続いて、上記No.2−1の試料(Ga濃
度:1.0原子%)、上記No.2−3の試料(Ge濃
度:1.0原子%)及び上記No.2−5の試料(La
濃度:0.1原子%)について、それぞれ、100K、
300K、400K、600K、800K、900K、
1000Kの各温度下で熱電率α、電気伝導率σ及び熱
伝導率κを測定して求めた各性能示数Zの値を表6、表
7及び表8に示す。
【表6】
【表7】
【表8】
【0034】表6〜表8より明らかなように、Ga、G
e及びLaの何れにおいても、各温度において性能示数
Zの値は10-3-1を超えており、100K〜1000
Kの幅広い温度領域で高性能な熱電性能が得られ、しか
もその変動の少ないことがわかった。
【0035】なお、本発明は、上記各実施例により何等
制限を受けるものではないのは明らかである。例えば、
二価イオンとなる元素Mは、電気伝導性を有し、結晶構
造がスピネル型構造となるものであれば、MgとCdに
限らないのはいうまでもないし、微量添加物の原子種
も、性能示数Zが改善されるならば、PbとGaとGe
とLaに限らず、ZnやSnや鉄族遷移金属元素やLa
以外の希土類元素さらにはその他の元素でもよいのはい
うまでもないし、その濃度も0.01〜5.0原子%の
範囲で任意に選択することができる。
【0036】また、本発明に係る熱電半導体材料を合成
するにあたっては、上記実施例で採用した粉末焼結法以
外にも、通常の気相成長法(例えばスパッタリング法、
CVD法)、ゾルゲル法を含む液相成長法、溶融法等の
種々の方法を採用することができる。そして、本発明に
係る熱電半導体材料は、それら成長法の違いにより上記
実施例のように塊状で得られたり、また薄膜状で得られ
たりするが、その形態を問わず優れた熱電性能を有する
のは勿論である。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る熱電半導体材料は、インジ
ウムを含み、正スピネル型結晶構造又は逆スピネル型結
晶構造をなす複酸化物よりなるため、室温付近で大きな
性能示数Zを示すとともに、100K〜1000Kの温
度範囲においても再現性良く大きな性能示数Zを示し、
広い温度領域で優れ且つ安定した熱電特性を有する。
【0038】また、その複酸化物がマグネシウム及びカ
ドミウムの一方又は両方を含むものである場合には、そ
の合成にあたって通常の粉末焼結法の採用が可能であ
り、特殊な雰囲気を必要とせず、しかもその焼結温度は
セラミックスとしては比較的低い(1000℃〜150
0℃程度)ので、容易に合成可能である。
【0039】さらに、微量添加物として、周期律表のI
a、IIa、IVa、Ib、IIIb、IVb族の第2
から第6周期の元素及びZnからなる群から選ばれる少
なくとも1種の元素や、鉄族遷移金属元素及び希土類元
素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む
ことにより、ドナー準位やアクセプタ準位が形成され、
キャリアとなる自由電子や正孔の濃度の調節が可能とな
り、電子伝導性や熱起電率の制御が可能となる。
【0040】従って、本発明は、従来にない広い温度範
囲で安定して使用可能な熱電半導体材料を安価に提供し
得るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】MgIn24のX線回折パターンを示す図であ
る。
【図2】CdIn24のX線回折パターンを示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01G 15/00 H01L 35/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インジウムを含み、正スピネル型結晶構
    造又は逆スピネル型結晶構造をなす複酸化物(但し、複
    酸化物に添加される添加物としてマンガンを除く)であ
    ることを特徴とする熱電半導体材料。
  2. 【請求項2】 マグネシウム及びカドミウムの一方又は
    両方を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱電半導
    体材料。
  3. 【請求項3】 微量添加物として、周期律表のIa、I
    Ia、IVa、Ib、IIIb、IVb族の第2から第
    6周期の元素及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種の元
    素を0.01〜5.0原子%の濃度で含むことを特徴と
    する請求項1又は2に記載の熱電半導体材料。
  4. 【請求項4】 微量添加物として、鉄族遷移金属元素及
    び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素を0.
    01〜5.0原子%の濃度で含むことを特徴とする請求
    項1、2又は3に記載の熱電半導体材料。
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