JP2776437B2 - 自動ホワイトバランス調整装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビデオカメラや電子スチルカメラ等におい
て、色彩の正しい再現のために必要なホワイトバランス
の調整を、光源光の色温度に応じて自動的に行うための
自動ホワイトバランス調整装置に関する。 さらに、詳しくは、被写体からの光を受けて側光信号
を出力する側光部と、この側光部からの側光信号により
光源光の色温度情報を演算して出力する演算部とを備え
た色温度測定手段を設け、色温度情報を用いてホワイト
バランス用の調整信号を出力する出力部と、この出力部
からの出力調整信号に基づいてホワイトバランスを調整
する調整部とを備えたホワイトバランス調整手段を設け
た自動ホワイトバランス調整装置に関する。 〔従来の技術〕 上述した自動ホワイトバランス調整装置によるホワイ
トバランスの調整は、従来、例えば、ビデオカメラに設
けられたホワイトバランス調整スイッチの押圧操作が行
われる毎に、或いは、所定の時間毎に、そのときに色温
度測定手段で測定される色温度情報を用いて行ってい
た。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、上述した従来構成による場合には、ホワイト
バランスの調整を行う時に、被写体が一時的に別の光源
からの光によって照射されたり、或いは、明度や彩度の
高い物体からの反射光が一瞬入射したりすると、それら
別の光源からの光、或いは、別の物体から反射される光
の色温度に基づいてホワイトバランス用の調整信号が更
新されて出力される。 その結果、それらが一時的な現象であるにも拘らず、
ホワイトバランスの調整が更新されることとなり、それ
以後、正常な色再現が行われなくなったり、色再現が安
定して行われなくなったりする虞れがあった。 本発明の目的は、上記実情に鑑み、ホワイトバランス
の調整を極端な不備なく安定して行えるようにすること
にある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明による自動ホワイトバランス調整装置の特徴構
成は、光源光の色温度を測定する色温度測定手段の側光
部では電荷の蓄積を行うことなく演算部に出力し、その
演算部から、色温度情報を用いてホワイトバランス用の
調整信号を出力するホワイトバランス調整手段の出力部
への複数の色温度情報を時間平均する平均化手段を設け
たことにある。 〔作 用〕 つまり、平均化手段が、色温度測定手段によって異な
るタイミングで得られた複数の色温度情報を平均し、ホ
ワイトバランス調整手段は、この平均色温度情報に基づ
いてホワイトバランスの調整を行うから、仮に、被写体
に別の光源からの光が一瞬に当たったりすることで色温
度測定手段による測定色温度情報が一時的に大きく変化
した場合であっても、その変化は特定の側光部出力のみ
に影響し、かつ時間平均によって変化量が均されるか
ら、単一の色温度情報に基づいてホワイトバランス調整
を行う構成のように、一時的な色温度情報の変化でハワ
イトバランスの調整状態が大きくずれることがない。 従ってホワイトバランスの調整が、例えば光源の一時
的な変化による影響を受けることを少なくできる。 〔実施例〕 以下、図面に基づいて、本発明の実施例を説明する。 第１図は、ビデオカメラに設けられた本発明による自
動ホワイトバランス調整装置の概略を示すブロック図で
ある。 図中（１）は、被写体（図示せず）からの光を受けて
側光信号を出力する側光部である。この側光部（１）
は、３つの光電変換素子（1A），（1B），（1C）と、こ
れら３つの光電変換素子（1A），（1B），（1C）の前面
に設けられた、緑色透過用、赤色透過用、及び、青色透
過用の３つの色フィルター（1a），（1b），（1c）とか
ら構成されていて、各光電変換素子（1A），（1B），
（1C）から、光電変換されて対数圧縮された緑色信号
［Ｇ信号］、赤色信号［Ｒ信号］、及び、青色信号［Ｂ
信号］が、側光信号として出力されるようになってい
る。 側光部（１）から出力されるこの側光信号は、続く差
動増幅回路（２）の２つの増幅回路（2A），（2B）に入
力される。第１の増幅回路（2A）は、［Ｇ信号］と［Ｒ
信号］とを用い、それらを差動増幅し、［G/R信号］と
して出力する。また、第２の増幅回路（2B）は，［Ｒ信
号］と［Ｂ信号］とを用い、同じく、それらを差動増幅
し、［B/R信号］及び［B/R信号］が、被写体を照らす光
源の色温度情報としてこの差動増幅回路（２）から出力
され、AD変換機能を備えたマイクロコンピュータ（3A）
に入力される。 即ち、この差動増幅回路（２）が、側光部（１）から
の出力側光信号により光源光の色温度情報を演算して出
力する演算部となっている。また、この演算部（２）と
側光部（１）とによって、色温度測定手段（CT）が構成
されている。 マイクロコンピュータ（3A）は、差動増幅回路（２）
から出力される［G/R信号］と［B/R信号］とからなる光
源光の色温度情報を用いて、その色温度に応じたホワイ
トバランス用の調整データをディジタル演算する。この
ディジタルの調整データは、DA変換回路（3B）に入力さ
れ、アナログ変換されて調整信号として出力される。こ
の調整信号に基づいて、調整部である各制御回路（４）
はホワイトバランスの調整を行うように構成されてい
る。 即ち、マイクロコンピュータ（3A）とDA変換回路（3
B）とが、ホワイトバランス用の調整信号を出力する出
力部（３）を構成している。また、この出力部（３）
と、調整部である各制御回路（４）とによって、ホワイ
トバランス調整手段（WB）が構成されている。 マイクロコンピュータ（3A）では、平均演算部（3a）
が、差動増幅回路（２）からの色温度情報を、時期を異
ならせて複数回取り込んで内蔵のRAM（3b）に格納し、
所定回数の色温度情報の取込みが完了すれば、RAM（3
b）からそれら複数の色温度情報を取り出して平均す
る。そして、この平均演算部（3a）による平均色温度情
報を用いて、マイクロコンピュータ（3A）の調整データ
演算部（3c）は、ホワイトバランス用の調整データを演
算してDA変換回路（3B）に出力する。 これにより、仮に、被写体に別の光源からの光が一瞬
当たったり、撮影光路を明度や彩度の高い被写体が横切
ったりすることで、一時的に差動増幅回路（２）からの
出力色温度情報に変化が生じた場合であっても、平均演
算部（3a）で複数の色温度情報を平均化することによっ
て、一時的な色温度情報の変化に起因したホワイトバラ
ンスの調整状態の大きなズレを防止することができるの
である。 即ち、マイクロコンピュータ（3A）の平均演算部（3
a）とRAM（3b）とが、色温度測定手段（CT）の演算部で
ある差動増幅回路（２）からホワイトバランス調整手段
（WB）の出力部（３）への色温度情報を時間平均する平
均化手段（AM）を構成している。 なお、この実施例では、平均化手段（AM）を、ホワイ
トバランス調整手段（WB）の出力部（３）を構成するマ
イクロコンピュータ（3A）自身に設けた構成を説明した
が、これに替えて、色温度測定手段（CT）の演算部であ
る差動増幅回路（２）自身に設ける構成としたり、或い
は、差動増幅回路（２）とマイクロコンピュータ（3A）
との間に独立した回路として設ける構成とするなど、平
均化手段（AM）の設置の具体的構成は適宜変更自在であ
る。 次に、マイクロコンピュータ（3A）内での調整データ
の出力動作を、第２図のフローチャートに基づいて説明
する。 ビデオカメラの電源が投入されると、マイクロコンピ
ュータ（3A）にリセットが掛かり、このフローがスター
トする。まず、読込カウンタをセットする〈＃11〉。こ
の読込カウンタは、差動増幅回路（２）からの色温度情
報の読込み回数を決めるものであり、例えば、“5"とセ
ットされる。 その後、差動増幅回路（２）からの色温度情報、即
ち、［G/R信号］と［B/R信号］とを読み込み〈＃２〉、
続いて、この色温度情報を内蔵のRAM（3b）内に格納し
〈＃３〉、読込カウンタが“0"であるか否かを判別する
〈＃４〉。 読込カウンタが“0"でなければ、セットされた読込回
数（ここでは５回）に達していないことを意味してお
り、続いて、この読込カウンタをデクリメントする〈＃
５〉。その後、蛍光灯などにおけるフリッカによる悪影
響を受けにくくするために所定時間待機した後〈＃
６〉、〈＃２〉のステップに戻り、上述の動作を繰り返
す。 一方、読込カウンタが“0"になれば、セットされた回
数（ここでは５回）の読込みが完了したことを意味して
おり、続いて、この読込カウンタを再度セットする〈＃
７〉。その後、RAM（3b）内に格納された色温度情報を
取り出して平均化する〈＃８〉。 そして、この平均化演算により求められた平均色温度
情報を用いて、ホワイトバランス調整用の調整データの
演算を行い〈＃９〉、この調整データをDA変換回路（3
B）に出力した後〈＃10〉、〈＃２〉のステップに戻
り、上述の動作を繰り返す。 なお、この実施例では、平均化手段（AM）として差動
増幅回路（２）からの出力色温度情報を５回取り込んで
それらを平均化する構成を説明したが、それに替えて、
平均化手段（AM）として、連続的に出力される色温度情
報を所定時間の間取り込みながら積分した後に平均化す
る構成とするなど、平均化手段（AM）の具体的構成は適
宜変更自在である。 本発明による自動ホワイトバランス調整装置は、先の
実施例で説明したビデオカメラの他、磁気ディスク上に
静止画像を記録する電子スチルカメラ等にも用いること
ができる。 〔発明の効果〕 以上述べてきたように、本発明による自動ホワイトバ
ランス調整装置は、蓄積を行うことなく得られた複数の
色温度情報を時間平均することで、一時的な色温度情報
の変化によるホワイトバランスの調整状態のズレを小さ
くするようにしたものであるから、被写体に対する照明
状態等の一時的な変化に拘らず、常に、極端な不備なく
安定してホワイトバランスの調整を行えるようになっ
た。 その結果、ビデオカメラや電気スチルカメラ等におい
て、この自動ホワイトバランス調整装置による妥当で安
定したホワイトバランスの調整に基づいて、色再現性に
優れた画像が得られ易くなった。

【図面の簡単な説明】 図面は本発明に係る自動ホワイトバランス調整装置の実
施例を示し、第１図はブロック図、第２図は調整データ
の出力動作のフローチャートである。 （１）……測光部、（２）……演算部、（３）……出力
部、（６）……調整部、（CT）……色温度測定手段、
（WB）……ホワイトバランス調整手段、（AM）……平均
化手段。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 村井 誠次 審判官 石川 伸一 審判官 関川 正志 (56)参考文献 特開 昭63−43486（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H04N 9/73 H04N 9/04

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．被写体からの光を受けて側光信号を蓄積することな
   く出力する側光部と、この側光部からの側光信号により
   光源光の色温度情報を演算して出力する演算部とを備え
   た色温度測定手段を設け、色温度情報を用いてホワイト
   バランス用の調整信号を出力する出力部と、この出力部
   からの出力調整信号に基づいてホワイトバランスを調整
   する調整部とを備えたホワイトバランス調整手段を設け
   た自動ホワイトバランス調整装置において、 前記色温度測定手段の演算部から前記ホワイトバランス
   調整手段の出力部へ出力される複数の色温度情報を時間
   平均する平均化手段を設けてある自動ホワイトバランス
   調整装置。