JP2775145B2 - 液体浸透性ブロックおよび液体浸透性ブロックアレイならびに水槽装置 - Google Patents

液体浸透性ブロックおよび液体浸透性ブロックアレイならびに水槽装置

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JP2775145B2 JP7200364A JP20036495A JP2775145B2 JP 2775145 B2 JP2775145 B2 JP 2775145B2 JP 7200364 A JP7200364 A JP 7200364A JP 20036495 A JP20036495 A JP 20036495A JP 2775145 B2 JP2775145 B2 JP 2775145B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木、建築、その
他の分野で用いられる液体浸透性ブロック、および、当
該ブロックの集合体からなる液体浸透性ブロックアレ
イ、ならびに、液体浸透性ブロックアレイを装備した水
槽装置に関する。
【0002】
【従来の技術】未利用地として建造物用、施設用、農用
などに利用されていない空地や空閑地が市町村の各地に
多く見受けられる。これらのうちには、使用が規制され
ているもの、用地として条件を満たしていないものもあ
る。かかる未利用地の殆どは未舗装であるために雑草が
はびこり、ゴミ、その他の不法投棄も誘発している。し
かも、このように荒れた未利用地は、美観を害するだけ
でなく、蠅、蚊のような害虫類を発生させ、花粉症を惹
き起こす雑草類を繁茂させ、腐敗したゴミ類より異臭を
まき散らすなど、周囲の環境衛生を害する原因になる。
さらに、枯草などが火災を引き起こす原因にもなる。
【0003】この種の課題は、未利用地を定期的に点検
整備することにより解決することができる。現に火災の
発生を予防する上から除草などを主体にした空地管理が
義務づけられているものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】既述の未利用地は、適
切な管理を定期的に実施することにより、これの環境衛
生、美観などを良好に保つことができるが、そのために
要する労力、費用が嵩むので負担が大きくなる。また、
未利用地を舗装する場合は、雨水のような自然水を地下
へ浸透させることができないために、水資源の減少、地
盤沈下などが起こりがちとなる。
【0005】その他、雑草の発生を抑制するための手段
として、プラスチックフィルム製の遮光膜で地表を覆う
ことが農業分野で実施されている。このような遮光膜で
未利用地を覆う場合は、未利用地における雑草の発生を
抑制できるかのごとくであるが、プラスチックフィルム
製の遮光膜は強度が乏しいために恒久的な手段になり得
ず、それに雨水などを地下へ浸透させることもできな
い。
【0006】[発明の目的]本発明はこれらの技術的課
題に鑑み、管理が粗略ないし等閑視されている場所の環
境衛生と美観、地下への水分の浸透と地盤沈下の防止、
その他の有効性をはかることのできる液体浸透性ブロッ
クと液体浸透性ブロックアレイを提供し、さらに、この
ようなブロックアレイを利用した有用かつ有益な水槽装
置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る液体浸透性
ブロックは所期の目的を達成するために、下面が開放さ
れたものであって孔の開いた壁面を有する中空体と、液
体透過用の透過部材とを備え、中空体の内部および/ま
たは下部に透過部材が組みつけられていることを特徴と
する。
【0008】本発明に係る液体浸透性ブロックには、つ
ぎのようなものが含まれる。その一つは、中空体の上部
壁面に複数の孔が形成されており、透過部材が複数の孔
を有する面状材からなり、中空体上部壁面の各孔と透過
部材の各孔とが平面からみて互いに位置ずれしているも
のである。他の一つは、中空体が不透明の材料からな
り、透過部材が光透過性を有する材料からなるものであ
る。さらに他の一つは、中空体の周側面に連結孔が形成
されているものである。別の一つは、透過部材が孔の開
いた波板からなるものである。さらに別の一つは、中空
体の表面に防虫網が張りつけられているものである。こ
れら以外にも、中空体の表面に防虫網が張りつけられて
おり、中空体の表面と防虫網との間に脱臭剤が介在され
ているものがあり、また、中空体の表面に太陽電池が備
えつけられているものもある。
【0009】本発明に係る液体浸透性ブロックアレイは
所期の目的を達成するために、前述した液体浸透性ブロ
ックの多数が面状に配列されて相互に連結されているこ
とを特徴とする。
【0010】本発明に係る水槽装置は、所期の目的を達
成するために、前述した液体浸透性ブロックアレイが水
槽の上面開口部に装備されていることを特徴とする。
【0011】かかる水槽装置の一実施形態として、液体
浸透性ブロックアレイの表面に太陽電池が備えつけら
れ、太陽電池を電源とする攪拌機が水槽の内部に設置さ
れるものもある。
【0012】[作用]本発明に係る液体浸透性ブロック
は、中空体が水分を通過させるための孔を有し、透過部
材が液体透過性を有するものであって、多数の当該ブロ
ックが所定領域の地面に設置または埋設して用いられ
る。このようにして液体浸透性ブロックが設置された地
面の場合、雨水などは中空体の孔よりその内部に進入
し、ここで一時的に保持されながら透過部材を通過して
地下に浸透する。中空体内に進入した水分は、直射日光
を受ける量がきわめて少ないために、地下浸透量が蒸発
量を上回る。したがって、雨水などを地下水として確保
できる割合が大きくなる。また、液体浸透性ブロックが
設置された地面での無用植物(雑草)について、これに
は、中空体と透過部材とによる日光の遮断、当該両者に
よる物理的な閉塞性、中空体内に滞留する過剰の水分な
ど、発芽、成育を阻む多くの要因があるので、その発生
をほとんどみることがない。
【0013】本発明に係る液体浸透性ブロックアレイ
は、上述した液体浸透性ブロックの多数が面状に配列さ
れて相互に連結されたものであるので、これが所定地に
配置されたときに各ブロック単体が互いに分離せず、一
体構造物としての機械的特性を発揮する。したがって、
かかる液体浸透性ブロックアレイの場合は、上述した液
体浸透性ブロックと同様に優れているほか、設置場所で
の安定性を増し、保守、管理も容易となる。
【0014】本発明に係る水槽装置は、上述した液体浸
透性ブロックアレイが水槽の上面開口部に装備されたも
のであるので、これを貯水手段、集水手段、受水手段な
どとして用いることができる。かかる水槽装置の場合
は、水槽内水の蒸発を抑制しつつ液体浸透性ブロックア
レイより雨水などを取りこむことができる。したがって
当該水槽装置は、これを貯水手段として用いるときに安
定水量を確保することができ、また、汚水処理手段の一
部として用いるときに、自然水(雨水)を汚水の希釈
に、外気を汚泥の曝気にそれぞれ活用することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る液体浸透性ブロック
11の一実施形態として図1、図2に例示されたもの
は、中空体21と透過部材31との組み合わせからな
る。中空体21は下面が開放された箱形をなしている。
中空体21の上部壁面には水を通過させるための多数の
孔22が点在して形成されており、中空体21の各側部
壁面には連結孔23がそれぞれ形成されている。透過部
材31は波形の板材からなり、水を通過させるための多
数の孔32がその板面に点在して形成されている。この
例の場合、透過部材31の各孔32は、透過部材31の
板面を垂直方向に貫通している。図1、図2に示された
液体浸透性ブロック11の場合は、透過部材31が中空
体21の内部に嵌めこまれ、これら中空体21、透過部
材31が、公知ないし周知の固定手段で中空体21に組
みつけられている。この組立構造を図1の平面図でみる
と、中空体21の各孔22と透過部材31の各孔32と
はこれらの位置が互いにずれている。中空体21の前側
部壁面と後側部壁面にある各連結孔23は、互いに対向
して対をなしており、中空体21の左側部壁面と右側部
壁面にある各連結孔23も、互いに対向して対をなして
いる。これら対をなす連結孔23には、図1、図2に示
すごとく、棒状またはパイプ状の連結部材41を通すこ
とができる。
【0016】図3、図4に例示された液体浸透性ブロッ
ク11も中空体21と透過部材31との組み合わせから
なり、前記図1、図2にのものとほとんど同じである
が、ここに例示された液体浸透性ブロック11の場合
は、波板製透過部材31の板面に形成された各孔32
が、その波板板面をこれと直交する方向に貫通してい
る。したがって、当該液体浸透性ブロック11における
中空体21と透過部材31との組立構造を図3の平面図
でみると、一方の各孔22と他方の各孔32とは、これ
らの向きや位置が互いにずれている。
【0017】図1〜図4に例示された液体浸透性ブロッ
ク11において、中空体21、透過部材31は、金属、
合成樹脂(FRPを含む)、ガラス(例:強化ガラ
ス)、セラミック、コンクリートのいずれか、または、
これらの複合材料からなる。もちろん、中空体21、透
過部材31いずれか一方または両方を透明材料(光を透
過させる材料)製としたり、透明材料よりも光透過性の
低い半透明材料(光を透過させる材料)製としたり、ま
たは、不透明材料(光を透過させない材料)製としたり
することは任意の選択事項である。その一例として中空
体21が不透明合成樹脂からなり、透過部材31が透明
ないし半透明の材料からなる。他の一例として中空体2
1、透過部材31は共に金属製からなる。この場合に、
中空体21が塗料で着色されたり、金属メッキされた
り、有色合成樹脂でコーティングされたりすることがあ
る。透過部材31に対するこのような表面処理は任意の
選択事項である。さらに他の一例として中空体21が金
属製からなり、透過部材31が合成樹脂製からなる。透
過部材31を中空体21に組みつけるときの固定手段と
しては、溶接、接着(接着剤)、締結(止金具)、固結
(コンクリート接着)などが採用されるが、いずれの固
定手段を採用するかはこれらの材質で決まる。ただし、
図1〜図4にように中空体21内の透過部材31が連結
部材41で支持される場合は、このような固定手段はと
くに必要でない。
【0018】図5は本発明に係る液体浸透性ブロック1
1の他の一実施形態を示している。図5に例示された液
体浸透性ブロック11の場合は、中空体21が前例のも
のと実質的に変わらないが、透過部材31が前例のもの
と異なる。すなわち、図5の実施形態における透過部材
31は、たとえば、網目構造、格子構造、連続気孔構造
のような多孔材からなり、その透過部材31が、中空体
21内の下部寄りに配置されて中空体21の各側部壁面
に取りつけられている。このような多孔状の透過部材3
1は防虫網の機能も兼備する。さらに図5の実施形態に
おいては、多孔状透過部材31で仕切られる中空体21
の内部空間に、たとえば、砂利、ゼオライト、活性炭の
ような微粒子51が充填されている。これら微粒子51
のうち、ゼオライトおよび、または活性炭からなるもの
は脱臭剤も兼ねる。図5の実施形態において、中空体2
1、透過部材31の材質は既述のものと同じである。そ
の他、図5の実施形態においても、連結孔23が中空体
21に設けられることがある。なお、中空体21および
透過部材31が共に光透過性材料からなる場合におい
て、多孔状透過部材31で仕切られる中空体21の内部
空間にクロレラのような単細胞緑藻類やセネデスムスの
ような微細藻類が充填されることもある。さらに、中空
体21の上記内部空間に活性汚泥が充填されることもあ
る。この場合の活性汚泥は通水性被膜で覆われているの
が望ましい。
【0019】つぎに、本発明液体浸透性ブロック11に
ついて、上記以外の各実施形態を図6(A)〜(E)に
基づいて説明する。
【0020】図6(A)に例示された液体浸透性ブロッ
ク11は、上向きに凸出した半円形の透過部材31が中
空体21の内部に組みつけられたものである。同図のも
のにおいて、中空体21と透過部材31とで囲われた空
間部はこのままでもよいが、この図示例では当該空間部
に既述の微粒子51または既述の充填物が充填されてい
る。
【0021】図6(B)に示された液体浸透性ブロック
11は、透過部材31が二つ組み合わされて、これらが
中空体21の内部に組みつけられたものである。すなわ
ち、下向き半円形の透過部材31内に、これよりも小さ
い上向き円弧形の透過部材31が嵌めこまれ、これらが
中空体21の内部に組みつけられたものである。図6
(B)の中空体21内には、中空体21、両透過部材3
1で囲われた三つの空間部が生じる。これらの空間部に
ついては、一以上の空間部に微粒子51が充填される場
合と、全空間部に微粒子51が充填されない場合とがあ
る。
【0022】図6(C)に示された液体浸透性ブロック
11は、管状をなす複数の透過部材31が並列に組み合
わされて、これらが中空体21の内部に組みつけられた
ものである。図6(C)のものにおいて、中空体21内
の各空間部、各透過部材31の内部に微粒子51を充填
するか否かは、前記と同様の選択事項である。
【0023】図6(D)に示された液体浸透性ブロック
11は、上向きに凸出した三角形の透過部材31が中空
体21の内部に組みつけられたものである。図6(D)
のものにおいて、中空体21内の各空間部に微粒子51
を充填するか否かは、前記と同様の選択事項である。
【0024】図6(E)に示された液体浸透性ブロック
11の場合は、中空体21が上向きに隆起した形状を有
してなり、透過部材31が周縁に上向き突片を有する平
板からなる。これら中空体21、透過部材31は、中空
体21を上位、透過部材31を下位にして互いに組みつ
けられ、かつ、中空体21の表面が防虫網52で覆われ
ているとともに、中空体21の表面と防虫網52との間
に脱臭剤53が介在されている。図6(E)のものにお
いて、防虫網52はたとえば金属とか合成樹脂からな
り、脱臭剤53はゼオライト、活性炭のようなものから
なる。
【0025】図6(A)〜(E)の各実施形態で説明を
省略した事項は、図1〜図5を参照して述べた事項と同
じかそれに準ずる。
【0026】これまでの説明で理解できるように、液体
浸透性ブロック11の場合は、多角形、半円柱形、半球
形、異形など各種の立体形状であって下面が開放された
ものを中空体21として用いることができ、同様に、透
過部材31も、凹凸のあるもの、平らなものなど、各種
の形状のものを用いることができる。また、透過部材3
1は、中空体21の内部または下部に組みつけられるほ
か、中空体21の内部および下部に組みつけられること
もある。その他、液体浸透性ブロック11のうちには、
その表面に太陽電池や反射鏡などが取りつけられるもの
もある。なお、本発明における「太陽電池」の語は、太
陽電池モジュール、太陽電池アレイ、太陽電池パネルな
どを総称するものである。
【0027】本発明に係る液体浸透性ブロックアレイ6
1の一実施形態として図7に例示されたものは、多数の
液体浸透性ブロック11が縦横に列をなして面状に配置
されて、これら液体浸透性ブロック11が相互に連結さ
れたものである。より具体的には、縦横に隣接する各中
空体21において、縦連結用の連結部材41が各中空体
21の前側部壁面、後側部壁面にある連結孔23に挿通
されるとともに、横連結用の連結部材41が各中空体2
1の左側部壁面、右側部壁面にある連結孔23に挿通さ
れ、かつ、これら連結部材41のネジを有する両端部に
それぞれナット42が締めつけられて液体浸透性ブロッ
クアレイ61が構成されたものである。液体浸透性ブロ
ックアレイ61を構成するための液体浸透性ブロック
(図1〜図6を参照して述べたもの)は、同一種のもの
で統一されたり二種以上のものが混用される。液体浸透
性ブロックアレイ61は四角形以外の多角形、略円形、
異形など任意の平面外形に設定されることがあり、ま
た、各液体浸透性ブロック11がレンガ積みのような配
列にされることもある。さらに、各液体浸透性ブロック
11を相互に連結するときは、各連結部材41の両端部
が外側の中空体21外に突出しない場合(図5−実線参
照)と、各連結部材41の両端部が外側の中空体21外
に突出する場合(図5−仮想線参照)とがある。なお、
図7においては、縦横の連結部材41が一部省略されて
いるが、省略された箇所にも連結部材41が存在する。
【0028】図8、図9は液体浸透性ブロックアレイ6
1の各使用例を示し、図8に例示された使用例では、液
体浸透性ブロックアレイ61が地表面上に設置されてお
り、図9に例示された使用例では、液体浸透性ブロック
アレイ61の下部が地中に埋められている。他の一使用
例において、液体浸透性ブロックアレイ61の上面と地
表面とが同高となるように当該ブロックアレイ61が地
中に埋められることがある。さらに他の一使用例におい
て、液体浸透性ブロックアレイ61の上面が地表面より
も低くなるように当該ブロックアレイ61が地中に埋め
られることもある。使用例が省略された液体浸透性ブロ
ック11の場合も、複数ないし多数のものが液体浸透性
ブロックアレイ61と同様に用いられる。
【0029】上述した液体浸透性ブロック11、液体浸
透性ブロックアレイ61は、空地、空閑地、道路中央分
離帯、庭(庭園)、公園、上がり場、渡り廊下、ベラン
ダ、テラスなどに設置または埋設して用いられ、また、
汚物溜の蓋、堆肥溜の蓋、その他に用いられる。
【0030】ちなみに、液体浸透性ブロック11または
液体浸透性ブロックアレイ61が地面に据えつけられる
場合は、その地における雑草の発生防止など、美化をは
かりつつ雨水などを地下へ浸透させることができる。な
お、雑草の発生防止に貢献するのは、既述の日光遮断、
物理的閉塞性、過剰水分などであるが、中空体21が不
透明体製であって透過部材31が光透過性材料からなる
場合には、中空体21の各孔22から液体浸透性ブロッ
ク11内の透過部材31に太陽光がスポット照射される
ために雑草が発芽することもある。このように発芽した
雑草は透過部材31のスポットライト部へ伸びるが、こ
の部分には地上へ伸び出すための孔がないために、すな
わち、中空体21の各孔22と透過部材31の各孔32
とが位置ずれしているために、雑草は成育することなく
枯死する。しかし、発芽から枯死するまでの間の雑草
は、雨水にともなわれて地中に浸透する栄養塩類(リン
や窒素など)を吸収するので地下水の清澄性が増す。ま
た、長期的にみてバクテリアによる雑草の分解物が堆積
した場合には、その部分の土壌を堆肥として活用できる
ようにもなる。さらに、中空体21の上記内部空間に活
性汚泥が充填されている場合は、低BOD値の雨水がよ
り効果的に処理される。
【0031】液体浸透性ブロック11または液体浸透性
ブロックアレイ61が温泉やプールなどの上がり場、渡
り廊下などに用いられる場合は、これらの箇所の水はけ
がよくなる。また、ベランダ、テラスなどの場合も、た
とえば、整地された地面(未舗装)に上記ブロック11
またはブロックアレイ61を敷きつめるだけでこれらを
作製することができる。他に、上記ブロック11または
ブロックアレイ61が太陽電池を備えている場合は、こ
れを電源とする電気的な設備(例:照明設備)を稼働さ
せることができ、反射鏡を有する上記ブロック11また
はブロックアレイ61の場合は、とくに夜間における道
路上の危険表示に役立つ。上記のごとく設置または埋設
されるこれらブロック11、ブロックアレイ61は、舗
装と比べ施工および撤去が簡単である。脱臭剤53を備
えた上記ブロックアレイ61が汚物溜の蓋、堆肥溜の蓋
として用いられる場合は、臭気の拡散が抑制される。中
空体21および透過部材31が共に光透過性材料からな
る場合であって、多孔状透過部材31で仕切られる中空
体21の内部空間に単細胞緑藻類やこれと類似の微細藻
類が充填される場合は、光合成を利用してこれら藻類を
培養育成することができる。
【0032】本発明に係る水槽装置71の一実施形態と
して図10、図11に例示されたものは、前述した液体
浸透性ブロックアレイ61と水槽72との組み合わせか
らなり、液体浸透性ブロックアレイ61が水槽72の上
面開口部に装備されている。液体浸透性ブロックアレイ
61は、取り外しができないように水槽72に固着され
る場合と、周知の受具(図示せず)を介して水槽72の
上面開口部に取り外し可能に支持される場合と、さら
に、水槽72の上面に単に設置される場合とがある。図
10、図11の例において、液体浸透性ブロックアレイ
61は、これの表面に太陽電池62、反射鏡63などを
備えており、水槽72は、これの内部に電動式の攪拌機
73を備えている。さらに太陽電池62と攪拌機73と
の間には、図示しない周知の電気系統(逆流防止コント
ローラ、電源コントローラ、バッテリ、その他)が介在
かつ接続されている。
【0033】水槽72は、コンクリート、セラミック、
合成樹脂(FRPを含む)、木材、耐食性金属のいずれ
か、または、これらの複合材料からなる。水槽72は、
これの上部および、または中段および、または下部に、
一つ以上の流路が設けられたり、このような流路が全く
設けられないことがある。ちなみに図8、図9の例で
は、オーバフロー用の流路74が水槽72の上部に設け
られている。攪拌機73としては、一例として電動式の
水中ポンプが用いられ、他の一例として電動式のスクリ
ュウが用いられる。
【0034】図10、図11に例示された水槽装置71
は、貯水手段、集水手段、受水手段などとして用いられ
る。この場合に水槽装置71は地上に設置されたり、上
面を露出させた状態で地中に埋設されたりする。貯水手
段たる水槽装置71の場合は水槽72の内部蒸発を抑制
しつつ液体浸透性ブロックアレイ61より雨水などを取
りこむことができるから、安定水量を確保することがで
きる。水槽装置71が汚水処理用の希釈槽として用いら
れる場合は、水槽72内に自然に流れこむ雨水などを汚
水の希釈に活用することができる。水槽装置71が汚水
処理用の曝気槽として用いられる場合は、外気を汚泥の
曝気に活用することができる。上記において、攪拌機7
3は太陽電池62からの電力供給を受けて作動し、水槽
72内の液体を攪拌する。したがって、貯水用としての
水槽装置71にあっては、水槽72内の水が攪拌される
ために水腐れが生ぜず、希釈槽としての水槽装置71に
おいては、この種の攪拌作用により自然水と汚水との混
合希釈が均質に行なわれ、曝気槽としての水槽装置71
も、この種の攪拌作用により外気と汚泥とがよく混じり
合い、均質な曝気が行なわれる。水槽装置71が汚水処
理手段の一部として用いられる場合において、液体浸透
性ブロックアレイ61を構成している各液体浸透性ブロ
ック11の一部または全部が脱臭剤53を含んでいる
と、臭気の拡散が抑制される。また、水槽装置71の設
置場所が道路の中央分離帯であるとか、カーブした道路
の傍である場合は、反射鏡63が交通標識として役立
つ。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る液体浸透性ブロックは、こ
れを地面に設置または埋設して用いる場合に、雨水など
の自然水を地下に浸透させ、しかも、無用植物の発生を
許さない。したがって、管理が粗略ないし等閑視されて
いる場所の環境衛生と美観をはかることができ、水資源
の確保、地盤沈下の防止などにも容易かつ経済的に貢献
することができる。とくに中空体、透過部材について、
不透明材料、光透過性材料などを選択利用することによ
り、水処理機能を高めることができる。
【0036】本発明に係る液体浸透性ブロックアレイ
は、上記液体浸透性ブロックの多数が面状に配列されて
相互に連結されたものであるので、これが所定地に配置
されたときに各ブロック単体が互いに分離せず、一体構
造物としての機械的特性を発揮する。したがって、上記
液体浸透性ブロックと同様に優れているほか、設置場所
での安定性を増し、保守、管理も容易となる。
【0037】本発明に係る水槽装置は、上述した液体浸
透性ブロックアレイが水槽の上面開口部に装備されたも
のであるので、これを貯水手段、集水手段、受水手段な
どとして有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体浸透性ブロックについてこれ
の一実施形態を例示した切り欠き平面図である。
【図2】図1に例示した液体浸透性ブロックの切り欠き
正面図である。
【図3】本発明に係る液体浸透性ブロックの他の一実施
形態を例示した切り欠き平面図である。
【図4】図3に例示した液体浸透性ブロックの切り欠き
正面図である。
【図5】本発明に係る液体浸透性ブロックのさらに他の
一実施形態を例示した切り欠き正面図である。
【図6】本発明に係る液体浸透性ブロックの前記以外の
各種実施形態を略示した断面図である。
【図7】本発明に係る液体浸透性ブロックアレイについ
てこれの一実施形態を略示した平面図である。
【図8】本発明に係る液体浸透性ブロックアレイの一使
用例を略示した断面図である。
【図9】本発明に係る液体浸透性ブロックアレイの他の
一使用例を略示した断面図である。
【図10】本発明に係る水槽装置の一実施形態を略示し
た切り欠き平面図である。
【図11】図8の水槽装置を略示した断面図である。
【符号の説明】
11 液体浸透性ブロック 21 中空体 22 中空体の孔 23 中空体の連結孔 31 透過部材 32 透過部材の孔 41 連結部材 42 ナット 51 微粒子 52 防虫網 53 脱臭剤 61 液体浸透性ブロックアレイ 62 太陽電池 63 反射鏡 71 水槽装置 72 水槽 73 攪拌機 74 流路

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下面が開放されたものであって孔の開い
    た壁面を有する中空体と、液体透過用の透過部材とを備
    え、中空体の内部および/または下部に透過部材が組み
    つけられていることを特徴とする液体浸透性ブロック。
  2. 【請求項2】 中空体の上部壁面に複数の孔が形成され
    ており、透過部材が複数の孔を有する面状材からなり、
    中空体上部壁面の各孔と透過部材の各孔とが平面からみ
    て互いに位置ずれしている請求項1記載の液体浸透性ブ
    ロック。
  3. 【請求項3】 中空体が不透明の材料からなり、透過部
    材が光透過性を有する材料からなる請求項1または2記
    載の液体浸透性ブロック。
  4. 【請求項4】 中空体の周側面に連結孔が形成されてい
    る請求項1〜3いずれかに記載の液体浸透性ブロック。
  5. 【請求項5】 透過部材が孔の開いた波板からなる請求
    項1または4記載の液体浸透性ブロック。
  6. 【請求項6】 中空体の表面に防虫網が張りつけられて
    いる請求項1〜5いずれかに記載の液体浸透性ブロッ
    ク。
  7. 【請求項7】 中空体の表面に防虫網が張りつけられて
    おり、中空体の表面と防虫網との間に脱臭剤が介在され
    ている請求項1〜6いずれかに記載の液体浸透性ブロッ
    ク。
  8. 【請求項8】 中空体の表面に太陽電池が備えつけられ
    ている請求項1〜6いずれかに記載の液体浸透性ブロッ
    ク。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8いずれかに記載された液体
    浸透性ブロックの多数が面状に配列されて相互に連結さ
    れていることを特徴とする液体浸透性ブロックアレイ。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載された液体浸透性ブロ
    ックアレイが水槽の上面開口部に装備されていることを
    特徴とする水槽装置。
  11. 【請求項11】 液体浸透性ブロックアレイの表面に太
    陽電池が備えつけられており、太陽電池を電源とする攪
    拌機が水槽内に設置されている請求項10記載の水槽装
    置。
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