JP2775109B2 - プラズマディスプレイパネルとそのパネル用障壁の形成方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルとそのパネル用障壁の形成方法

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JP2775109B2
JP2775109B2 JP1042790A JP4279089A JP2775109B2 JP 2775109 B2 JP2775109 B2 JP 2775109B2 JP 1042790 A JP1042790 A JP 1042790A JP 4279089 A JP4279089 A JP 4279089A JP 2775109 B2 JP2775109 B2 JP 2775109B2
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【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、高さと幅の異なる障壁を有するプラズマデ
ィスプレイパネルと、そのパネル用障壁の形成方法に関
する。
[従来の技術] 従来、一般にプラズマディスプレイパネルは、同一高
さを有する障壁が作られていた。この障壁は、通常厚膜
印刷法で作られており。そのため障壁巾は約100μm、
その障壁間隔も約100μmがその最小の限界であった。
このためプラズマディスプレイパネルをカラー化する場
合、赤、緑、青の3原色に対応した蛍光体をこの障壁の
間に塗付して、その3原色分が画面の1画素となるた
め、一般的に1画素が約600μm四方の粗い画面とな
る。更に、この厚膜印刷法では、将来のプマズマディス
プレイパネルの大画面化に対しスクリーンとなるステン
レスメッシュの原版の制約を受け、対応がしきれなくな
ってくることが予想され、新しい障壁形成方法が望まれ
ていた。本発明者等は、先に特願昭63−321590号で、プ
ラズマディスプレイパネル用の障壁形成方法を出願し、
精細化、大画面化対応を可能とした。この障壁形成方法
は、フォトリソグラフィを用いている。
また、プラズマディスプレイは、放電空間中で放電時
に気体ガス原子を電子により励起させ、この励起された
原子が基底状態に戻ることにより光を発生させている。
この励起状態にある原子の寿命は、約10-8sec程度であ
るが特定のものは、1〜10msec程の寿命を持つものもあ
る。後者は放電間中にゆっくり拡散し、障壁等の構造物
に衝突してそこで再結合し消滅する。しかしながら、長
寿命の励起された原子は、電子の衝突により容易に電離
され、イオン電子を生成するため空間中に、これが多数
存在する程電離が起り易くなり、放電を安定させ、また
放電電圧を低下するのに効果がある。
故に、放電空間は広い程有利となるため、画素面積を
小さくし、かつ放電空間を広くする工夫が期待されてい
た。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、上記問題点に対し、1画素の面積を小さく
し、かつ放電空間を大きくするためのプラズマディスプ
レイ用パネルの新しい構造およびその形成方法を提供す
るものである。
ロ.発明の構成 [課題を解決するための手段] 前記目的を達成するための手段としてのプラズマディ
スプレイパネルは、フォトリソグラフィを用いて障壁を
形成することを特徴とし、更に、セラミック粉末と紫外
線硬化樹脂を含んでいるスリップを用いて形成された高
層障壁と低層障壁を有し、該低層障壁の障壁幅を、該高
層障壁の障壁幅より狭幅とし、また該低層障壁の形成に
用いる前記スリップのコーティング層の少なくもと一つ
の層の厚みを、前記高層障壁の障壁上層部の形成に用い
る前記スリップのコーティング層の少なくとも一つの層
の厚みより薄くしてなることを特徴とする。
また、プラズマディスプレイパネルのパネル用障壁の
形成方法は、広幅の高層障壁と狭幅の低層障壁をフォト
リソグラフィを用いて形成することを特徴とし、更に、
セラミック粉末100重量部に対し紫外線硬化樹脂が20〜1
00重量からなるスリップをガラス基板上にコーティング
してコーティング層を形成し、該コーティング層を乾燥
し、また該コーティング層上に焼成後障壁となる間隔幅
以外をマスクした第1露光マスクで該コーティング層を
露光する工程を、1回または数回繰返して積層して、前
記高層障壁の障壁下層部を形成する広幅の樹脂硬化部分
と前記低層障壁を形成する狭幅の樹脂硬化部分を有する
硬化樹脂低層を形成する工程と、該硬化樹脂低層のうち
の広幅の樹脂硬化部分上に、前記スリップを、前記硬化
樹脂低層を形成するコーティング層の少なくとも一つの
層より厚くコーティングしたコーティング層を形成し、
前記硬化樹脂低層のうちの広幅の樹脂硬化部分を高層と
するため第1露光マスクの所要の一部のみを露光する第
2露光マスクで露光する工程を1回または数回繰返して
積層して所要高さとした硬化樹脂高層を形成する工程
と、該硬化樹脂低層と硬化樹脂高層を含む樹脂層を現像
して、非露光部の樹脂層を除去した後、これを乾燥し、
焼成し、前記ガラス基板上に広幅の高層障壁と狭幅の低
層障壁を形成する工程、を有することを特徴とする。
ここで、前記フォトリソグラフィとは、積層体を形成
する場合に用いる一つの方法として既に提案されてい
て、後述する実施例に示す障壁形成方法のように、基板
上に、セラミック粉末と紫外線硬化樹脂を含んでいるコ
ーティング層を形成し、該コーティング層を乾燥し、該
コーティング層の所定個所を露光マスクでマスクして露
光し、この工程を1回または複数回繰り返して積層して
硬化樹脂層を形成した後、これを現像し、乾燥し、焼成
して所定高さ(厚み)の障壁等の積層体を得る方法をい
う。また、前記高層障壁とは、障壁高さの高い障壁をい
い、前記低層障壁とは、該高層障壁より障壁高さの低い
障壁をいい、更に該高層障壁の障壁上層部とは、該高層
障壁のうち、該低層障壁の高さを境界として上層側をい
い、障壁下層部とは、該低層障壁の高さを境界として下
層側をいう。
以下本発明を実施例で説明する。
[実施例1] 重量%でSiO2 15%,Al2O3 20%,Fe2O3 10%,Cr2O3 3
%,MnO 7%,CoO 2%,PbO 35%,B2O3 8%から成る無機粉
末100部に対し、紫外線硬化樹脂LR−350R(サンノプコ
社製)を80重量部とし、これに希釈溶剤としてn−ブチ
ルセルソルブアセテートを適当量入れコートできる粘度
に調整した。このスリップを第1図(a)に示すように
ガラス基板1上にコートし、乾燥した。第2図の露光巾
50μmおよび30μm、非露光巾60μmおよび50μmを有
する第1露光マスク2で第1図(b)のように光透過窓
6を用いてコーティング層に露光した。このコート・乾
燥・露光を5回繰り返し、第1図(c)のように高さ約
100μmの硬化樹脂を形成した。さらに第1図(d)に
示すように該低層上に該スリップをコートし乾燥後、第
3図の露光巾50μm、非露光巾230μmを有する第2の
露光マスクを用いて第1図(d)のように光透過窓6を
用いてコーティング層に露光した。このコート・乾燥・
露光の工程を2回繰返し、高さ約190μmの硬化樹脂高
層を第1図(e)のように得た。この場合、この層は、
低層部と同じ黒色材料を用いたが、低層部と異なる白色
粉末を用いてもよい。
これらをトリクロロエタンを用い現像し、非露光部の
樹脂層を除去して第1図(f)に示すような障壁(未焼
成)を得た。これを580℃で焼成することにより、高さ
約110μmと約60μmを、その各巾が約60と30μmの高
さの異なるを持つ第1図(g)のようなプラズマディス
プレイ用パネルを得た。本方法により得られたパネルは
第1図(g)のR、G、B部分にそれぞれ赤、緑、青の
蛍光体を塗付すれば、その両端が1画素となり約300μ
mと従来の半分の大きさの画素を得ることができる。こ
れは高さの低い部分を蛍光体の分離のための障壁とする
ことにより、アスペクト比(高さ/巾)を小さくするよ
うに薄くコートし露光するため、マスクに対し拡がりの
少ない障壁巾の形成ができる。さらに、障壁巾の細い部
分の高さだけ薄く積層していくため、同一高さの障壁を
作る場合より、広い放電空間をもつパネルとなる。
[実施例2] 本発明の他の実施例として実施例1と同様に硬化樹脂
低層・高層を形成するが、該高層の一部を低層のままと
した。その1実施例の斜視図を第4図に示した。ライン
間に若干の空隙を開けることにより励起電圧の原子の消
滅場所となる障壁が少なくなり、広い放電空間が確保で
きる利点を有している。
ハ.発明の効果 本発明によるプラズマディスプレイパネルとパネル用
障壁の形成方法によれば、フォトリソグラフィを用いる
ため、障壁巾およびその障壁間隔を100μm以下とする
ことができかつ1画素あたりの面積を小さくでき、かつ
放電空間を広く取ることができるという効果を有する。
また、高層障壁と低層障壁を有し該低層障壁の障壁幅
を、該高層障壁の障壁幅より狭幅とし、また該低層障壁
の形成に用いる前記スリップのコーティング層の少なく
もと一つの層の厚みを、前記高層障壁の障壁上層部の形
成に用いる前記スリップのコーティング層の少なくとも
一つの層の厚みより薄くしてなるので、該コーティング
層について、露光マスクに対し露光の拡がりを少なくで
きることから、本来、積層ズレの生じやすい狭幅の障壁
の積層ズレを少なくでき、該狭幅の障壁の土台部分を強
く形成できるという効果を有する。
更に、前記高層障壁の障壁下層部と、低層障壁を形成
する硬化樹脂低層を同時に形成できるので、該障壁下層
部の積層ズレを少なく、かつ該高さの高い障壁の土台を
強く形成できることから、障壁自体の強度を強くするこ
とができ、その結果として、前記障壁上層部を形成する
コーティング層として、前記高層障壁の障壁下層部と低
層障壁を形成するコーティング層より厚いコーティング
層を用いることができることから、障壁形成のための作
業性を向上できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(g)は本発明の製造方法の例を説明す
る断面図である。第2図は本発明の第1露光マスクの平
面図である。第3図は本発明の第2露光マスクの平面図
である。第4図は本発明の他の実施例の要点の一部を示
す斜視図である。 1.ガラス、2.第1露光マスク、3.硬化樹脂低層、4.第2
露光マスク、5.硬化樹脂高層、6.光透過窓。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 一成 愛知県名古屋市緑区鳴海町字伝治山3番 地 鳴海製陶株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−117678(JP,A) 特開 昭59−198792(JP,A) 特表 昭58−502075(JP,A) 米国特許4613560(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 9/02 H01J 17/16 H01J 17/49 H01J 11/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック粉末と紫外線硬化樹脂を含んで
    いるスリップを用い、フォトリソグラフィにより形成さ
    れた高層障壁と低層障壁を有し、該低層障壁の障壁幅
    を、該高層障壁の障壁幅より狭幅とし、また該低層障壁
    の形成に用いる前記スリップのコーティング層の少なく
    もと一つの層の厚みを、前記高層障壁の障壁上層部の形
    成に用いる前記スリップのコーティング層の少なくとも
    一つの層の厚みより薄くしてなることを特徴とするプラ
    ズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】広幅の高層障壁と狭幅の低層障壁を有する
    プラズマディスプレイパネルのパネル用障壁の形成方法
    であって、 セラミック粉末100重量部に対し紫外線硬化樹脂が20〜1
    00重量からなるスリップをガラス基板上にコーティング
    してコーティング層を形成し、該コーティング層を乾燥
    し、また該コーティング層上に焼成後障壁となる間隔幅
    以外をマスクした第1露光マスクで該コーティング層を
    露光する工程を、1回または数回繰返して積層して、前
    記高層障壁の障壁下層部を形成する広幅の樹脂硬化部分
    と前記低層障壁を形成する狭幅の樹脂硬化部分を有する
    硬化樹脂低層を形成する工程と、 該硬化樹脂低層のうちの広幅の樹脂硬化部分上に、前記
    スリップを、前記硬化樹脂低層を形成するコーティング
    層の少なくとも一つの層より厚くコーティングしてコー
    ティング層を形成し、前記硬化樹脂低層のうちの広幅の
    樹脂硬化部分を高層とするため第1露光マスクの所要の
    一部のみを露光する第2露光マスクで露光する工程を1
    回または数回繰返して積層して所要高さとした硬化樹脂
    高層を形成する工程と、 該硬化樹脂低層と硬化樹脂高層を含む樹脂層を現像し
    て、非露光部の樹脂層を除去した後、これを乾燥し、焼
    成し、前記ガラス基板上に広幅の高層障壁と狭幅の低層
    障壁を形成する工程 を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル
    用障壁の形成方法。
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