JP2774097B2 - 繊維状活性炭フィルター - Google Patents

繊維状活性炭フィルター

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JP2774097B2 JP13646797A JP13646797A JP2774097B2 JP 2774097 B2 JP2774097 B2 JP 2774097B2 JP 13646797 A JP13646797 A JP 13646797A JP 13646797 A JP13646797 A JP 13646797A JP 2774097 B2 JP2774097 B2 JP 2774097B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維状活性炭製の
フィルター材を用いた繊維状活性炭フィルターに関す
る。
【0002】
【従来の技術】繊維状活性炭製のフィルター材としての
フェルト加工品(以下、フィルター材と称する)を得る
場合、従来一般に、各種の合成繊維や天然繊維などを反
毛式カード機およびニードルパンチ機によって処理し、
必要な引張強度を備えた各種フェルトを作成している。
【0003】ところが、例えば、繊維状活性炭の場合
は、その原料繊維の伸度が 5%未満であるといったよう
に、繊維状活性炭における原料繊維の伸度が小さく、前
述の従来方法と同じようにしてフェルト加工を行って
も、その製造されたフェルトにおいて引張強度が不足
し、二次加工などによる実用化が困難であった。そこ
で、従来では、ポリエステルやアラミド系繊維のよう
に、 5〜15%の伸度を有する繊維を補強用として混合し
てフィルター材を作成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、所定の
引張強度を備えさせるためには、得られるフィルター材
の総重量の20%以上、補強用の繊維を混合する必要があ
る。そのため、繊維状活性炭の含有重量が80%未満にな
ってしまい、補強に起因して繊維状活性炭の含有重量が
減少するとともに、得られたフィルター材において、外
表面に占める繊維状活性炭の割合も減少し、繊維状活性
炭が持っている本来の機能性が低下する問題があった。
【0005】また、上述問題を解消するものとして、実
開昭54−139782号公報に、有機質繊維層と繊維
状活性炭による活性炭素繊維層とをニードルパンチによ
って結合した活性炭素繊維構造体が開示されているが、
有機質繊維層で補強するためには、所定の厚みの有機質
繊維層を必要とし、それらの活性炭素繊維構造体を通気
する場合に、補強のための有機質繊維層自体での圧力損
失が大きく、フィルターとして使用するときに、繊維状
活性炭の吸着能力を十分活かすことができない欠点があ
った。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、請求項1に係る発明は、繊維状活性炭
の機能性を低下させないようにするとともに圧力損失を
減少させずに、また、再生処理を水蒸気雰囲気下で行う
ような場所にも、フィルター材の縮み変形による影響少
なく好適に使用できる繊維状活性炭フィルターを提供で
きるようにすることを目的とし、また、請求項2に係る
発明は、フィルター材の保形性を向上できるようにする
ことを目的とし、また、請求項3に係る発明は、再生処
理を水蒸気雰囲気下で行う際のフィルター材のずれ落ち
を良好に防止できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の繊
維状活性炭フィルターは、このような目的を達成するた
めに、開口率80%以上の網目を有する網の両側それぞれ
に通気性を有するように繊維状活性炭を配し、両繊維状
活性炭の少なくとも一方の一部の繊維を、網の網目を通
して他方側の繊維状活性炭に絡み付かせてフィルター材
を構成し、上端側を平坦な底面にした有底筒状の凸部を
備えた下側凸状部材と、中空筒状の凸部を備えた上側凸
状部材とに対し、所定間隔を隔てた状態の両凸部にわた
って、通気可能な芯材を連接し、両凸部の外周面と芯材
の外周面を筒状に被覆するようにフィルター材を巻き付
けて構成する。
【0008】網としては、ポリエステル、アクリル、ポ
リプロピレンなどのプラスチック製のネット状成形品
や、金網のような金属製のネット状成形品、炭素繊維製
のネット状成形品、更には、ガラス繊維製のネット状成
形品などが使用でき、プラスチック製のネット状成形品
の場合であれば、得られるフィルター材を使用する雰囲
気に適した材質を選択して使用することにより、腐蝕損
傷を防止できる利点があり、一方、金属製のネット状成
形品の場合であれば、強度を要求される箇所とか高温雰
囲気下において、耐久性高く好適に使用できる利点があ
り、また、炭素繊維製のネット状成形品は強度が高く、
耐熱性および耐薬品性が有る。また、ガラス繊維製のネ
ット状成形品の場合であれば、腐食損傷も無く、かつ、
水蒸気雰囲気下でも縮み変形を生じること無く良好に使
用できる利点がある。
【0009】繊維状活性炭としては、ピッチ系やポリア
クリロニトリル(PAN)系、セルロース系などの各種
の繊維状活性炭が使用できる。
【0010】また、請求項2に係る発明の繊維状活性炭
フィルターは、前述のような目的を達成するために、請
求項1に係る発明の繊維状活性炭フィルターにおける芯
材を筒状の金網で構成する。
【0011】また、請求項3に係る発明の繊維状活性炭
フィルターは、前述のような目的を達成するために、請
求項1または請求項2に係る発明の繊維状活性炭フィル
ターにおけるフィルター材の上下両端縁側それぞれを両
凸部の外周面に針金で縛り付けて構成する。
【0012】
【作用】請求項1に係る発明の構成によれば、網を、両
側から繊維状活性炭によって挟み、一方側の繊維状活性
炭の繊維の一部を、あるいは、両側の繊維状活性炭それ
ぞれの繊維の一部をニードルパンチ機などにより網目を
通して他方側に移動させ、他方側の繊維に絡ませ、網を
介して繊維状活性炭を補強保持してフィルター材を構成
する。
【0013】このフィルター材を、上側凸状部材の中空
凸部と下側凸状部材の有底凸部とにわたって連接された
筒状の金網に巻き付け、フィルター材、金網、その金網
内の筒状空間、中空凸部にわたって通気路を形成してフ
ィルターを構成し、これにより、塗装工場等の排気ガス
中に含まれる有機溶剤ガスや空気中の悪臭成分などを吸
着したり、また、その吸着物を加熱水蒸気によって脱着
したりすることができる。
【0014】また、請求項2に係る発明の構成によれ
ば、両凸部と筒状の金網の外周面にフィルター材を密着
させて筒状に保形することができる。
【0015】また、請求項3に係る発明の構成によれ
ば、フィルター材の上下両端縁側を両凸部の外周面に、
針金や細幅の金属製バンドなどの締め付け材で保持し、
加熱水蒸気の吸収などによりフィルター材の重量が増大
しても、そのずれ落ちを防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面を用
いて詳細に説明する。先ず、本発明に係る繊維状活性炭
フィルターに使用するフィルター材について説明する。
【0017】フィルター材の実施例1 図1は、フィルター材の一部展開斜視図であり、ポリプ
ロピレン製の網(日本石油化学株式会社製CONWED
ネット、型番OV3018、試料サイズ50mm×100mmで、JIS
L1096に準拠して測定した公称引張強度が縦方向1
7kg、横方向14kg)1の両側に、目付け量150g/m2 (両
側で300g/m2) 、比表面積が2000m2/gのピッチ系繊維状
活性炭不織布2a,2bが配設され、その一方側のピッ
チ系繊維状活性炭不織布2aの一部の繊維が、網1の網
目3…を通して他方側のピッチ系繊維状活性炭不織布2
bに絡み付かされ、フィルター材Aが構成されている。
【0018】前記ピッチ系繊維状活性炭不織布として
は、比表面積が 500〜2500m2/gのものが使用でき、ま
た、ピッチ系に限らず、ポリアクリロニトリル(PA
N)系、セルロース系などの各種の繊維状活性炭が適用
でき、そして、片面それぞれにおいて、単位面積当り目
付け量で50〜 200g /m2の繊維状活性炭で構成される。
【0019】前記網1としては、厚みが 0.2mm程度で、
単位面積当りに占める網目3の開口面積の合計の割合
(以下、開口率と称する)が、約80%以上のもの、好ま
しくは95%以上のものが使用される。なお、開口率の上
限値は、用途に応じて要求される強度を考慮して設定す
れば良い。
【0020】次に、上記フィルター材Aの製造方法につ
き、図2の側面図を用いて説明する。
【0021】(イ)先ず、図2の(a)に示すように、
水平コンベア4上に網1の端部を載置し、その網1を搬
送しながら、その上方に設けられた反毛式カード機5を
構成するレーキ状回転体6によって繊維状活性炭7を網
1上に分散供給する。
【0022】(ロ)網1上に繊維状活性炭7を載置した
状態で、水平コンベア4から上昇コンベア8を介してニ
ードルパンチ機9に搬送供給し、針10…を突き刺す、
いわゆるニードリングによって繊維状活性炭不織布2a
の繊維の一部を、網1の網目3…を通して突出させ、し
かる後に、巻き取りロール11に巻き取り、網1の片面
側に繊維状活性炭不織布2aを備えた片面フィルター材
Bを得、前段の工程を終了する。
【0023】(ニ)前述と同じ装置を用い、図2の
(b)に示すように、上昇コンベア8の搬送始端側に設
けられた繰り出しロール12に、前段の工程で得た片面
フィルター材Bを収容しておき、水平コンベア4を駆動
しながら、上方から反毛式カード機5によって繊維状活
性炭7…を分散供給する。
【0024】(ホ)繊維状活性炭7…を水平コンベア4
から上昇コンベア8に受け渡して上方に搬送しながら、
繰り出しロール12から、それに巻かれた片面フィルタ
ー材Bを、網1側が下側になる状態で上昇コンベア8の
繊維状活性炭7…上に繰り出し供給する。
【0025】(ヘ)上昇コンベア8からニードルパンチ
機9に搬送供給し、前述の場合と同様にして、再度、ニ
ードリングによって繊維状活性炭不織布2aの繊維の一
部を、網1の網目3…を通して突出させ、網1の下方の
繊維状活性炭不織布2bの繊維に絡み付かせ、両繊維状
活性炭不織布2a,2bを網1に一体化して巻き取りロ
ール11に巻き取り、網1の両面側それぞれに繊維状活
性炭不織布2a,2bを備えたフィルター材Aを得、後
段の工程を終了し、これによって、網で補強された、補
強された繊維状活性炭フィルター材の製造を完了する。
【0026】上記のものでは、前段の工程と後段の工程
とを、同じ装置を用いて行うようにしているが、例え
ば、一方の装置を水平コンベア4上などに設け、それに
よって得られる片面フィルター材Bを他方の装置に供給
し、フィルター材Aを連続的に製造するように構成して
も良い。
【0027】また、例えば、繰り出しロール12を水平
コンベア4の搬送始端側に設け、水平コンベア4に、網
1が上になる状態で片面フィルター材Bを供給し、その
網1上に繊維状活性炭7…を分散供給するように構成
し、ニードルパンチ機9によって、先にニードリングを
行った繊維状活性炭不織布2aとは別の繊維状活性炭不
織布2bに対してニードリングを行い、両繊維状活性炭
不織布2a,2bそれぞれの一部の繊維どうしを互いに
絡み付かせるようにしても良い。
【0028】フィルター材の比較例1 目付け量 300g /m2のピッチ系繊維状活性炭 100%を用
いてフィルター材を作成した。
【0029】フィルター材の比較例2 先に従来例で例示したポリエステル繊維を20%混合した
目付け量 300g /m2のものを用いてフィルター材を作成
した。
【0030】上記実施例1(表中の)、比較例1(表
中の)および比較例2(表中の)それぞれのフィル
ター材を用い、引張強度およびトルエン吸着能それぞれ
について比較実験したところ、表に示す結果を得た。
【0031】引張強度は、JIS L1096に準拠して試
料サイズ50mm×100 mmで測定した。トルエン吸着能(g
/g )は、溶剤蒸気吸着性能試験装置を用い、JIS K1
474に準拠して測定した。
【0032】
【表1】
【0033】上記結果から、本発明の実施例1のフィル
ター材Aによれば、比較例1および比較例2それぞれの
フィルター材に比べ、引張強度およびトルエン吸着能の
いずれにおいても優れ、しかも、フェルト加工をしない
繊維状活性炭と同じトルエン吸着能が得られており、本
来の機能性のひとつである溶剤吸着性能を全く低下せず
に引張強度を向上できることが明らかであった。
【0034】フィルター材の実施例2 前述実施例1のポリプロピレン製の網に代えて、厚みが
0.2mmで、空間率が95%のガラス繊維製ネット状成形品
(倉敷紡績株式会社製クレネット、型番G3380、試
料サイズ 100mm×100 mmで、JIS L1096に準拠して
測定した公称引張強度が縦方向75kg、横方向72kg)を用
いた。
【0035】前述実施例1および実施例2のフィルター
材それぞれを、試料サイズ 100mm×100mm にして乾燥炉
内に入れ、温度 120℃の高温雰囲気下で 1時間加熱保持
してサイズの変化を求めたところ、実施例2のフィルタ
ー材では縮み変形が見られなかったが、実施例1のフィ
ルター材では、縦方向で 7%、横方向で 3%の縮みが見
られた。
【0036】この結果から、網をガラス繊維製のネット
状成形品で形成することにより、耐熱性に優れた補強さ
れた繊維状活性炭フィルター材を得られることが明らか
である。
【0037】フィルター材の実施例3 網1の片面側に、比表面積が 700m2/gのピッチ系繊維状
活性炭不織布2aを配してニードリングを施した後、他
方側に、比表面積が1500m2/gのピッチ系繊維状活性炭不
織布2bを、前記のものの 2/3の重量分だけ配し、ニー
ドリングを施してフィルター材Aを作成した。
【0038】この実施例3のフィルター材によれば、全
体としての比表面積は約1000m2/gでありながら、一方側
のピッチ系繊維状活性炭不織布2aにおける細孔半径は
小さくて吸着力を大きくでき、低濃度の溶剤ガスをも良
好に吸着でき、それに対して他方側のピッチ系繊維状活
性炭不織布2bにおける細孔半径は大きくて吸着量を大
にでき、高濃度の溶剤ガスを多量に吸着でき、吸着しよ
うとする溶剤ガスの濃度のいかんにかかわらず、溶剤ガ
スを良好に吸着できる利点を有している。
【0039】実施例3のフィルター材を用い、天然ガス
(都市ガス)中の付臭成分であるジメチルサルファイド
を濃度2ppmで流し、その破過吸着量を測定したところ、
9.1mg/gであり、例えば、細孔半径の小さい比表面積が
700m2/gのピッチ系繊維状活性炭不織布の場合には破過
吸着量が 7.5mg/gであるのに対し、それよりも比表面積
が大きいにもかかわらず破過吸着量を増大でき、全体と
して良好な吸着性能を得られることが明らかであった。
【0040】実施例3においては、吸着しようとする溶
剤ガスの性状に応じて、網1の一方側のピッチ系繊維状
活性炭不織布2aと他方側のピッチ系繊維状活性炭不織
布2bとの比表面積を互いに異ならせるようにすれば良
く、また、得ようとする全体としての比表面積に応じ
て、両者の重量比を調整すれば良い。
【0041】この実施例3に使用する網1としては、プ
ラスチック製、金属製、炭素繊維製、ガラス繊維製いず
れのネット状成形品であっても良い。
【0042】次に、実施例1のフィルター材Aを用いて
溶剤吸着装置を構成する場合に、上述高温雰囲気下での
縮み変形による性能低下を防止できるように構成した本
発明に係る繊維状活性炭フィルターについて説明する。
【0043】図3は、繊維状活性炭フィルターを構成す
る円塔状部材の全体正面図、図4は、繊維状活性炭フィ
ルターの全体正面図、図5は、繊維状活性炭フィルター
の全体縦断面図である。
【0044】鋼板またはステンレス鋼板により形成した
下側凸状部材13の凸部13aの上面と、鋼板またはス
テンレス鋼板により形成した上側凸状部材14の凸部1
4aの下部とにわたり、筒状に形成した芯材としての金
網15が溶接によって連接され、両凸部13a,14a
および金網15それぞれの外周面全面を被覆するよう
に、前記フィルター材Aが巻き付けられ、溶剤回収のた
めの加熱水蒸気の供給に起因して網1が縮み変形し、フ
ィルター材Aの上下幅が短くなってフィルター材Aと下
側凸状部材13および上側凸状部材14それぞれの平板
部分との間に隙間を生じたとしても、その隙間から溶剤
が洩れて吸着不良を生じることを両凸部13a,14a
によって防止できるように構成されている。芯材として
は、上述のような筒状の金網15に限らず、例えば、両
凸部13a,14aに周方向に所定間隔を隔ててロッド
を連接するなど、各種の構成が採用できる。
【0045】また、フィルター材Aの上下それぞれにお
いて、針金16により両凸部13a,14aに縛り付け
られており、溶剤回収のために供給される加熱水蒸気を
フィルター材Aが吸収し、その重量増大に起因してフィ
ルター材Aがずれ落ち、フィルター材Aの上端と上側凸
状部材14との間に隙間を生じ、その隙間から溶剤が洩
れて吸着不良を生じることをより良好に防止できるよう
に構成されている。
【0046】下側凸状部材13の凸部13aは、有底筒
状体を逆向きにして上端側が平坦な底面になるように構
成され、加熱水蒸気による処理に際し、水滴が溜まるこ
とを防止できるように構成されている。
【0047】一方、上側凸状部材14の凸部14aは、
中空筒状体で構成され、フィルター材Aと金網15と上
側凸状部材14の凸部14a内空間とを通じて処理ガス
や水蒸気が流されるようになっている。
【0048】上記構成の繊維状活性炭フィルターを水槽
中に浸漬し、上側凸状部材14に配管を介してエアーポ
ンプを連通接続し、繊維状活性炭フィルター内にエアー
を供給したところ、フィルター材Aの全面から気泡が発
生し、フィルター材Aの上下端それぞれからの洩れが無
いものであった。
【0049】また、水中より取り出して、24時間静置し
たが、フィルター材Aのずれ落ちは生じなかった。更
に、上記繊維状活性炭フィルターを溶剤吸着装置に組み
込み、濃度が2000ppm のフロンガス含有ガスをブロアー
によって 3m3/min供給したが、出口側においてフロンガ
スは検知されず、フィルター材Aによって良好に吸着さ
れていることが明らかであった。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に係る発明によれば、繊維状活性炭で網を挟み、その
網目を利用して繊維状活性炭を補強保持するから、得ら
れたフィルター材の外表面のすべてに繊維状活性炭を露
出させることができ、補強構成に影響されること無く、
繊維状活性炭が本来的に持っている機能を 100%発揮さ
せることが可能になった。
【0051】そのうえ、網に、開口率80%以上の網目を
備えさせるから、溶剤吸着装置などに使用する場合にお
いて、その通気に伴う圧力損失を減少でき、繊維状活性
炭の吸着能力を十分発揮させることができるようになっ
た。
【0052】また、繊維状活性炭は炭素繊維の表面に微
細な孔を有しており、その強度が非常に弱いため、丁寧
に取り扱わないと、破れなどの損傷を生じやすいが、本
発明によると、その一部の繊維の絡み付きにより、網に
よって補強するから、得られたフィルター材全体として
の強度が高くて容易に取り扱うことができるとともに、
縮み変形を抑えることができる。しかも、両凸部の外周
面と芯材の外周面を筒状に被覆するようにフィルター材
を巻き付けるから、加熱水蒸気などに起因して網の上下
幅が短くなっても、フィルター材の上下両端縁が両凸部
の外周面に接する状態で移動するだけであり、吸着不良
の発生を良好に防止できる。また、網をガラス繊維で形
成する場合には、溶剤吸着装置などに組み込み、加熱水
蒸気の雰囲気下に曝して、溶剤の回収と再生とを行うと
きに、金属製の網のような腐食損傷を回避でき、また、
プラスチック製の網のような縮み変形をも回避でき、そ
の吸着性能を長期にわたって良好に発揮でき、耐久性に
優れた繊維状活性炭フィルターを提供できる。
【0053】また、請求項2に係る発明によれば、両凸
部と筒状の金網の外周面にフィルター材を密着させて筒
状に保形できるから、保形性を向上できて使用に伴う変
形を抑えることができ、吸着性能および耐久性を一層向
上できる。
【0054】また、請求項3に係る発明によれば、フィ
ルター材の上下両端縁側を両凸部に締め付け材で保持
し、加熱水蒸気の吸収などによりフィルター材の重量が
増大しても、そのずれ落ちを防止でき、吸着性能を長期
にわたって一層良好に発揮できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルター材の一部展開斜視図である。
【図2】フィルター材の製造方法の説明に供する製造装
置の側面図である。
【図3】繊維状活性炭フィルターを構成する円塔状部材
の全体正面図である。
【図4】繊維状活性炭フィルターの全体正面図である。
【図5】繊維状活性炭フィルターの全体縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1…網 2a,2b…炭素繊維不織布 13…下側凸状部材 13a…有底筒状の凸部 14…上側凸状部材 14a…中空筒状の凸部 15…芯材としての金網 16…締め付け部材としての針金 A…フィルター材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 一久 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大 阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 伊達 利夫 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大 阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 松下 保夫 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大 阪瓦斯株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 39/00 - 39/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口率80%以上の網目を有する網の両側
    それぞれに通気性を有するように繊維状活性炭を配し、
    前記両繊維状活性炭の少なくとも一方の一部の繊維を、
    前記網の網目を通して他方側の繊維状活性炭に絡み付か
    せてフィルター材を構成し、上端側を平坦な底面にした
    有底筒状の凸部を備えた下側凸状部材と、中空筒状の凸
    部を備えた上側凸状部材とに対し、所定間隔を隔てた状
    態の両凸部にわたって、通気可能に芯材を連接し、両凸
    部の外周面と前記芯材の外周面を筒状に被覆するように
    前記フィルター材を巻き付けてあることを特徴とする繊
    維状活性炭フィルター。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の芯材が筒状の金網であ
    る繊維状活性炭フィルター。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のフィル
    ター材の上下両端縁側それぞれを両凸部の外周面に締め
    付け材で縛り付けてある繊維状活性炭フィルター。
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