JP2023035797A - 水銀吸着材 - Google Patents

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公一 横山
Koichi Yokoyama
隆弘 丸本
Takahiro Marumoto
博文 吉川
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Abstract

【課題】水銀を含むガスを吸着により浄化する吸着材、および排ガスの浄化方法を提供する。【解決手段】ワイヤー金網、エキスパンドメタルおよび打抜金網からなる群から選ばれる少なくとも一つのメッシュ状板基材3と繊維状活性炭を含んでなるシート材2からなりシート材がメッシュ状板基材の少なくとも一方の面に沿うように重ね付けられている平板状の水銀吸着材1。該水銀吸着材を、複数、それらの各面が向かい合うように且つ対向する面の間にガスが通過できるように、重ねてなる、水銀吸着構造体。水銀吸着構造体に水銀を含むガスを通して、水銀を吸着させ、ガスを浄化する。【選択図】図1

Description

本発明は水銀吸着材に関する。より詳細に、本発明は、水を吸収したとしても、所定の形状を保持できる強度を有する、水銀吸着材に関する。
廃棄物焼却施設排ガス、石炭火力発電所排ガス、セメントキルン排ガス、産業用石炭燃焼ボイラ排ガス、製鋼所排ガス、非鉄金属の製錬及び焙焼排ガスなどには、NOx、SOxの他にガス状水銀が含まれていることがある。ガス状水銀の大気への確実な排出抑制が、水俣条約の発効により、求められている。水銀の排出抑制には、粉末活性炭、粒状活性炭またはペレット状活性炭による除去技術が知られている。粒状活性炭またはペレット状活性炭は主に吸着塔に充てんして、粉末活性炭は主に排ガスに吹き付けるなどして、用いられている。
脱硫または脱硝に用いるための、活性炭を含んでなるシートが提案されている。例えば、
特許文献1は、活性炭素繊維を含む波形状不織布シートと、活性炭素繊維を含む平板状不織布シートとが接合した片段状ハニカムシートであって、前記波形状不織布シートと平板状不織布シートとが波形状不織布シートの頂部で点接着しており、前記ハニカムシートの目開き端面が樹脂層で被覆されている片段状ハニカムシートを開示している。
特許文献2は、無機繊維及び高分子繊維の少なくとも一種からなる芯材シートと、該芯材シートの両面に密着せしめてなる活性炭素繊維抄紙シートとからなる三層積層構造であることを特徴とする活性炭素繊維成型体を開示している。
特許文献3は、活性炭および少なくとも一部が繊維化した弗素樹脂からなる脱硫触媒材と、水との接触角が80度以上の耐酸性繊維シート補強材とを接合させた、脱硫触媒シートであって、前記脱硫触媒材が前記繊維シート補強材の繊維中に侵入した状態で接合していることを特徴とする脱硫触媒シートを開示している。
特許文献4は、空気に含まれる汚染物質を除去可能な活性炭素繊維をシート状に形成してなる触媒繊維シート材を、通風路における通風方向に沿った通風空間を隣接間に形成し、波状に形成された金網で構成されている通気性のスペーサを隣接間に挟み込みながら積層配置されている空気浄化ユニットを開示している。
特許文献5は、化学的毒、特に化学兵器及び化学的有害物に対する防護を提供し、複数層構造(2)を有する吸着濾過材料(1)であって、前記複数層構造(2)は、少なくとも一つのシート状の対向する側面(3',3")を有する支持層(3)と、前記支持層(3)に保持され化学毒を吸着する能力を有する材料に基づく吸着層(4)とを具備するものにおいて、前記支持層(3)の2つの側面(3',3")の少なくとも一つの面には、プラズマ処理が施されることを特徴とする吸着濾過材料を開示している。支持層(3)の一実施形態は高分子及び/若しくは合繊繊維、好ましくは熱可塑性繊維からなるようである。
特許文献6は、第1の外側支持層と、第2の外側支持層と、前記第1の外側支持層及び第2の外側支持層の間の吸着層を具備する複数層構造を有すると共に、少なくとも一つの触媒活性成分を有する生物学的且つ化学的防護機能を有する吸着フィルタ材料において、前記第1及び第2の外側支持層の少なくとも一つが、触媒活性成分を有することを特徴
とする吸着フィルタ材料を開示している。
特開2004-290899号公報 特開2000-263678号公報 特開2004-181399号公報 特開2008-221145号公報 特表2007-521943号公報 特開2007-130633号公報
活性炭素繊維をシート状に形成してなるシートは、強度が低く、水を吸収したりすると、所定の形状を保持することができない。その結果、活性炭素繊維をシート状に形成してなるシートを高く積み重ねると、上に積んだシートの重みで、下にあるシートが、座屈、圧潰しやすい。
本発明の課題は、水を吸収したとしても、所定の形状を保持できる強度を有する、水銀吸着材を提供することである。
上記課題を解決するために以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕 金属若しくは樹脂を含んでなるメッシュ状板基材と、
繊維状活性炭を含んでなるシート材と、
を具有し、
前記のシート材が、前記のメッシュ状板基材の少なくとも一方の面に、沿うように重ね付けられている、
水銀吸着材。
〔2〕 メッシュ状板基材が、ワイヤー金網、エキスパンドメタルおよび打抜金網からなる群から選ばれる少なくとも一つを含んでなるものである、〔1〕に記載の水銀吸着材。
〔3〕 メッシュ状板基材が、ポリエステル製網、ポリプロピレン製網およびポリエチレン製網からなる群から選ばれる少なくとも一つを含んでなるものである、〔1〕に記載の水銀吸着材。
〔4〕 前記のメッシュ状板基材は、面が凹凸に曲がっており、
前記のシート材が、メッシュ状板基材の凹凸に曲がった面に沿って曲がっている、〔1〕、〔2〕または〔3〕に記載の水銀吸着材。
〔5〕 前記のシート材若しくは繊維状活性炭が、撥水処理または添着処理されたものである、〔1〕~〔4〕のいずれかひとつに記載の水銀吸着材。
〔6〕 〔1〕~〔5〕のいずれかひとつに記載の水銀吸着材を、複数、それらの各面が向かい合うように且つ対向する面の間にガスが通過できるように、重ねてなる、水銀吸着構造体。
〔7〕 水銀を含む排ガスに、〔1〕~〔5〕のいずれかひとつに記載の水銀吸着材若しくは〔6〕に記載の水銀吸着構造体による吸着処理を施して水銀を除去することを含む、
排ガスの浄化方法。
〔8〕 水銀及び二酸化硫黄を含む排ガスに湿式脱硫処理を施して二酸化硫黄を除去し、次いで、〔1〕~〔5〕のいずれかひとつに記載の水銀吸着材若しくは〔6〕に記載の水銀吸着構造体による吸着処理を施して水銀を除去することを含む、
排ガスの浄化方法。
〔9〕 排ガスを水銀吸着材の面に沿って流す、〔7〕または〔8〕に記載の排ガスの浄化方法。
本発明の水銀吸着材は、水を吸収したとしても、所定の形状を保持できる強度を有する。その結果、本発明の水銀吸着材を、高く積み重ねても、容易には、座屈もしくは圧潰しない。水銀吸着構造体は、本発明の水銀吸着材が所定の形状を保持しているので、ガスが通過する部分である水銀吸着材間の間隔が変化しないので、圧力損失に大きな偏りが生じたり、圧力損失が増大したりするようなことがない。
本発明の水銀吸着材の構成の一例を説明するための斜視図である。 本発明の水銀吸着材の構成の一例を示す横断面拡大図である。 曲げ加工による波板状の本発明の水銀吸着材の製造の一例を示す図である。 波板状の水銀吸着材と平板状の水銀吸着材とからなるコルゲート型水銀吸着構造体の一例を示す図である。 平坦部と線条部とからなる本発明の水銀吸着材の一例を示す図である。 図5に示す水銀吸着材からなる水銀吸着構造体の一例を示す図である。 平坦部と線条部とからなる本発明の水銀吸着材の一例を示す図である。 図7に示す水銀吸着材からなる水銀吸着構造体の一例を示す図である。
本発明の水銀吸着材は、メッシュ状板基材3と、シート材2と、を具有する。
本発明に用いられるシート材2は、繊維状活性炭を含んでなるものである。
繊維状活性炭は、活性炭繊維(Activated carbon fibers)であってもよいし、粉状若しくは粒状の活性炭が繊維に付着してなるものであってもよい。活性炭は、例えば、炭素含有物質を炭化し、次いで賦活処理することによって得ることができる。繊維状活性炭は、粉末若しくは粒状活性炭を繊維状に成形することによって、炭素含有物質を繊維状に成形して前駆体繊維を得、それを炭化し、賦活処理することによって、得ることができる。繊維状活性炭の前駆体繊維としては、例えば、フェノール系繊維、セルロース系繊維、ピッチ系繊維、PAN系繊維を挙げることができる。「炭化」は、例えば、炭素含有物質を約200℃~600℃で且つ無酸素状態で蒸焼きにすることを含む。「賦活」は、例えば、原料中の有機物や無機物の固形物を熱(約800~950℃で、水蒸気、二酸化炭素、空気などの気体を吹き付けて)または薬品(脱水性の塩類及び酸(塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどのアルカリ土類金属化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属化合物、塩化亜鉛、リン酸、硫酸)にて分解・蒸発させることを含む。
本発明に用いられるシート材2は、繊維状活性炭またはそれの撚糸を織ってなる布(織布)であってもよいし、繊維状活性炭を熱的、機械的または化学的な作用によって接着または絡み合わせてなる布(不織布)であってもよい。
本発明に用いられる繊維状活性炭若しくはシート材は、添着処理されたものであってもよい。本発明に用いられる繊維状活性炭若しくはシート材は、ヨウ素を添着したものであってもよい。ヨウ素の添着は、例えば、ヨウ素含有化合物の水溶液を、噴霧、含浸する方法などによって、行うことができる。ヨウ素含有化合物としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムなどのヨウ化アルカリ金属、ヨウ化カルシウムなどを挙げることができる。
また、本発明に用いられる繊維状活性炭若しくはシート材は、ナトリウム化合物、カリウム化合物などのアルカリ金属化合物、カルシウム化合物などのアルカリ土類金属化合物、遷移金属化合物、銀化合物などの金属化合物を添着したものであってもよい。これらのうち、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物が好ましく、カルシウム化合物がより好ましい。好ましい金属化合物としては、ヨウ化物、塩化物、臭化物を挙げることができる。金属化合物の添着は、繊維状活性炭の原材料、例えば、炭素含有物質、前駆体繊維などに若しくは繊維状活性炭に、金属化合物の粉末を機械的に直接混合する方法によって、または金属化合物溶液を噴霧若しくは含浸する方法によって、行うことができる。ヨウ素や金属化合物の添着量は本発明の効果を阻害しないかぎり特に制限されない。添着処理によって、水銀の吸着能力の向上が、期待できる。
本発明に用いられる繊維状活性炭若しくはシート材は、撥水処理されたものであってもよい。撥水性を付与する方法としては、撥水剤を噴霧または含浸する方法を挙げることができる。撥水剤としてはフッ素樹脂系撥水剤、ワックス系撥水剤、セルロース反応系撥水剤、シリコン樹脂系撥水剤などを挙げることができる。これらのうちフッ素樹脂系撥水剤が好ましい。撥水剤の添着量は撥水剤固形分として好ましくは0.1~60質量%、より好ましくは1~40質量%である。撥水処理によって、防汚性、耐湿性などの向上が、期待できる。
本発明に用いられるシート材は、エンボス加工などによって形成できる、微小凹凸の面を有してもよい。シート材の微小凹凸が、後述するメッシュ状板基材の網目による微小凹凸に嵌合するようにしてもよい。
本発明に用いられるメッシュ状板基材3は、金属若しくは樹脂を含んでなるものである。
金属としては、ステンレス鋼、鋼(SS,SPCC-SD,SPHC-P)、亜鉛鋼(SGCC,SGHC)、高張力鋼、アルミニウム鋼、亜鉛メッキ鋼、アルミメッキ鋼、黄銅、銅、チタンなどを挙げることができる。
樹脂としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルなどを挙げることができる。これらのうち、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレンからなる群から選ばれる少なくとも一つを含んでなるものが好ましい。繊維強化樹脂(例えば、炭素繊維強化熱可塑性樹脂など)を用いてもよい。
金属を含んでなるメッシュ状板基材は、ワイヤー金網(Wired Metal Mesh)、エキスパンドメタル(Expanded Metal)および打抜金網(Perforated Metal)からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
ワイヤー金網は、ワイヤ(金属線材)を用いて網状にしたものである。ワイヤー金網としては、例えば、亀甲金網、菱形金網、クリンプ金網などを挙げることができる。線材の交差部を溶接したものであってもよい。
エキスパンドメタルは、金属板を千鳥状に切れ目を入れながら押し広げ、その切れ目を菱形や亀甲形に成形してなるものである。
打抜金網は、金属板に丸孔、角孔、長孔などの孔を多数開けたものである。
これらのうち、エキスパンドメタル、打抜金網が好ましく、高強度で且つ軽いという点で、エキスパンドメタルがより好ましい。
樹脂を含んでなるメッシュ状板基材は、織布、不織布、樹脂パンチング(PERFORATED PLASTICS)、織網、交点融着樹脂網などを挙げることができる。
本発明に用いられるメッシュ状板基材は、面が、まっ平らであってもよいし、凹凸に曲がっていてもよい。凹凸に曲った面としては、例えば、平坦部13と、V字形状、U字形状、Z字形状、W字形状などに曲がった線条部14とからなるもの、平坦部と、錐形状、錘台形状などに曲った凸点部とからなるもの、全面若しくは部分面が平行に連続してなる複数の線条部14'からなるもの(波板、コルゲート板(corrugated plate))などを挙げることができる。線条部は、複数が、平行に配置されていてもよいし、交差するように配置されていてもよい。線条部は、リブ若しくはビードとしての機能を兼ね備え、本発明の水銀吸着材の強度を高めることがある。
本発明の水銀吸着材は、前記のシート材が、前記のメッシュ状板基材の少なくとも一方の面に、沿うように重ね付けられている。シート材のメッシュ状板基材への重ね付ける方法は、特に限定されず、例えば、鎹(かすがい)、ステープラ用つづり針4などによる綴じ付け;糸(例えば、ポリプロピレンヤーンなど)、紐、針金などによる縫い付け、接着剤などによるもの、溶着、溶接、蝋接などによるものなどを挙げることができる。
上記のように、沿うように重ね付けると、シート材の面とメッシュ状板基材の面とがほぼ平行に、好ましくは平行に密着して、配置される。面が凹凸に曲っているメッシュ状板基材において、シート材はメッシュ状板基材の凹凸に曲った面に沿って、凹凸に曲っていることが好ましい。曲げ加工は、例えば、シート材とメッシュ状板基材とを重ね付けた後、図3に示すようなロールによって圧力を加えるロールプレス機、若しくは往復運動によって圧力を加えるプレス機を用いて、行うことができる。
本発明の水銀吸着構造体は、本発明の水銀吸着材を、複数、それらの各面が向かい合うように且つ対向する面の間にガスが通過できるように、重ねてなるものである。本発明の水銀吸着構造体は、本発明の水銀吸着材をユニットケース10に収納したものであってもよい。ユニットケース10は、重ねて収納した水銀吸着材の配置を安定させることができる。ユニットケース10は、ガス流入口とガス流出口とを有する枠体、筒体などであることができる。
面が凹凸に曲っているメッシュ状板基材を具備する水銀吸着材を用いる場合は、重ねたときに、凸の部分の少なくとも一部が突き当り、凹の部分にガスの通過できる空間を設けることが、低い圧力損失の観点から好ましい。面が凹凸に曲っているメッシュ状板基材を具備する水銀吸着材と面が真っ平らなメッシュ状板基材を具備する水銀吸着材とを用いる場合には、それらを交互に重ねることによって段ボール(corrugated cardboard)形状などを形成することができる。例えば、図4に示す水銀吸着構造体は、波板状の水銀吸着材1'と平板状の水銀吸着材1とを交互に重ねてなるものである。図6に示す水銀吸着構造体は、図5に示す平坦部と線条部とからなる水銀吸着材111を重ねてなるものである。図8に示す水銀吸着構造体は、図7に示す平坦部と波部とからなる水銀吸着材101を重ねてなるものである。
本発明の排ガスの浄化方法は、水銀を含む排ガスに本発明の水銀吸着材若しくは水銀吸着構造体による吸着処理を施して水銀を除去することを含むものである。
本発明の排ガスの浄化方法の好ましい一つの形態は、水銀及び二酸化硫黄を含む排ガスに湿式脱硫処理を施して二酸化硫黄を除去し、次いで、本発明の水銀吸着材若しくは水銀吸着構造体による吸着処理を施して水銀を除去することを含むものである。
水銀及び二酸化硫黄を含む排ガスとしては、廃棄物焼却施設排ガス、石炭火力発電所排ガス、セメントキルン排ガス、産業用石炭燃焼ボイラ排ガス、製鋼所排ガス、非鉄金属の製錬及び焙焼排ガスなどを挙げることができる。
湿式脱硫処理は、排ガスを吸収剤に接触させて、二酸化硫黄を吸収、除去するものである。湿式脱硫処理は、使用する吸収剤の種類によって、大別でき、例えば、石灰石や消石灰のスラリー液を使用するもの、水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの水溶液を使用するもの、アンモニア水溶液を使用するもの、水酸化マグネシウムスラリーを使用するものなどを挙げることができる。二酸化硫黄と吸収剤とからの生成物を回収し、該生成物から吸収剤を再生して、再使用することもできる。
吸着処理は、本発明の水銀吸着構造体に湿式脱硫処理済みのガスを通過させることによって行うことが好ましい。なお、ガスを、水銀吸着材の面に向かって流してもよいし、水銀吸着材の面に沿って流してもよいが、網目の詰りなどによる圧力損失の増加を抑制するためにガスを水銀吸着材の面に沿って流すことが好ましい。
本発明の水銀吸着材または水銀吸着構造体は、定期的に、水洗浄を行うことができる。水洗浄によって、汚れの除去、吸着力の回復などを、期待できる。
次に、本発明の水銀吸着材および水銀吸着構造体の実施形態を、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
実施例1
エキスパンドメタル(板厚:0.3mm、材質:SUS316L、日建ラス工業製NK0510、単位面積当たりの重量:330g/m)の一方の面に、活性炭素繊維からなる不織布(比表面積1100m/g)を載せ、ステンレス製10号ステープラ用つづり針を矩形格子状に15mm間隔で打ち込み、不織布とエキスパンドメタルとを綴じ合わせ、次いで、成形ローラを用いて曲げ加工を施して、不織布がエキスパンドメタルの一方の面に沿うように重ね付けられた波板状の水銀吸着材を複数得た。谷深さは平均12.0mmであった。
エキスパンドメタル(板厚:0.3mm、材質:SUS316L、日建ラス工業製NK0510)の一方の面に、活性炭素繊維からなる不織布(比表面積1100m/g)を載せ、ステンレス製10号ステープラ用つづり針を15mm間隔で打ち込み、不織布とエキスパンドメタルとを綴じ合わせて、不織布がエキスパンドメタルの一方の面に沿うように重ね付けられた平板状の水銀吸着材を複数得た。
波板状の水銀吸着材の投影面積と平板状の水銀吸着材の投影面積とが同じになるように波板状の水銀吸着材および平板状の水銀吸着材に切断加工をそれぞれ施した。
ユニットケース(SUS316L製,開口部:600mm角,奥行方向300mm)に、切断加工済みの、平板状の水銀吸着材と波板状の水銀吸着材とを、交互に複数重ね合わせて、収納し、蓋(SUS316L製)によって、固定して、コルゲート型の水銀吸着構造体を得た。
水銀吸着構造体をポリテトラフルオロエチレン含有液に5分間浸漬し、次いで液切りし、140℃で1時間乾燥させた。これにより、ポリテトラフルオロエチレン10質量%が添着された不織布を含んでなる、水銀吸着構造体(以下、PTFE添着水銀吸着構造体という。)を得た。
平板状の水銀吸着材が、水平となるように、PTFE添着水銀吸着構造体をダクト内に設置し、温度50℃の飽和空気を、PTFE添着水銀吸着構造体に供給した。30分間に1分間の頻度(実機の48倍の水洗頻度)で、PTFE添着水銀吸着構造体に供給する飽和空気に水を噴霧し、PTFE添着水銀吸着構造体を水洗浄した。これを500時間(実機の24千時間相当)継続して行った。谷深さが約5%減少し、平均11.4mmであった。
実施例2
活性炭素繊維からなる不織布(比表面積1100m/g)をポリテトラフルオロエチレン含有液に5分間浸漬し、次いで液切りし、140℃で1時間乾燥させた。これにより、ポリテトラフルオロエチレン10質量%が添着された不織布(以下、PTFE添着不織布という。)を得た。
活性炭素繊維からなる不織布(比表面積1100m/g)をPTFE添着不織布に変えた以外は、実施例1と同じ方法で、コルゲート型の水銀吸着構造体を得た。谷深さは平均12.0mmであった。
平板状の水銀吸着材が、水平となるように、水銀吸着構造体を設置し、温度50℃の飽和空気を、水銀吸着構造体に供給した。30分間に1分間の頻度で、水銀吸着構造体に供給する飽和空気に水を噴霧し、水銀吸着構造体を水洗浄した。これを500時間継続して行った。谷深さが約5%減少し、平均11.4mmであった。
実施例3
活性炭素繊維からなる不織布(比表面積1100m/g)を0.11Mヨウ化カルシウム溶液に5分間浸漬し、次いで液切りし、140℃で1時間乾燥させた。これにより、カルシウム添着不織布を得た。
カルシウム添着不織布をポリテトラフルオロエチレン含有液に5分間浸漬し、次いで液切りし、140℃で1時間乾燥させた。これにより、ポリテトラフルオロエチレン10質量%が添着されたカルシウム添着不織布(以下、カルシウムPTFE添着不織布という。)を得た。
活性炭素繊維からなる不織布(比表面積1100m/g)をカルシウムPTFE添着不織布に変えた以外は、実施例1と同じ方法で、コルゲート型の水銀吸着構造体を得た。谷深さは平均12.0mmであった。
平板状の水銀吸着材が、水平となるように、水銀吸着構造体を設置し、温度50℃の飽和空気を、水銀吸着構造体に供給した。30分間に1分間の頻度で、水銀吸着構造体に供給する飽和空気に水を噴霧し、水銀吸着構造体を水洗浄した。これを500時間継続して行った。谷深さが約5%減少し、平均11.4mmであった。
実施例4
エキスパンドメタルを打抜金網(板厚:0.5mm,穴3φ×4P60度千鳥,開口率51%、単位面積当たりの重量:1900g/m)に変えた以外は、実施例1と同じ方法で、コルゲート型の水銀吸着構造体を得た。ピッチは平均12.0mmであった。
水銀吸着構造体をポリテトラフルオロエチレン含有液に5分間浸漬し、次いで液切りし、140℃で1時間乾燥させた。これにより、ポリテトラフルオロエチレン10質量%が添着された不織布を含んでなる、水銀吸着構造体(以下、PTFE添着水銀吸着構造体という。)を得た。
平板状の水銀吸着材が、水平となるように、PTFE添着水銀吸着構造体を設置し、温度50℃の飽和空気を、PTFE添着水銀吸着構造体に供給した。30分間に1分間の頻度で、PTFE添着水銀吸着構造体に供給する飽和空気に水を噴霧し、水銀吸着構造体を水洗浄した。これを500時間継続して行った。谷深さが約3%減少し、平均11.6mmであった。
実施例5
エキスパンドメタルをポリエステル製平織網(厚さ:820μm、線径:410μm、目開き:1404μm)に変え、曲げ加工の際の成形ローラの表面温度を140℃にした以外は、実施例1と同じ方法で、PTFE添着水銀吸着構造体を得た。
平板状の水銀吸着材が、水平となるように、PTFE添着水銀吸着構造体をダクト内に設置し、温度50℃の飽和空気を、PTFE添着水銀吸着構造体に供給した。30分間に1分間の頻度(実機の48倍の水洗頻度)で、PTFE添着水銀吸着構造体に供給する飽和空気に水を噴霧し、PTFE添着水銀吸着構造体を水洗浄した。これを500時間(実機の24千時間相当)継続して行った。谷深さは平均11.6mmであった。
実施例6
ポリエステル製平織網をポリプロピレン製平織網(線径:394μm,目開き:1723μm)に変えたこと以外は、実施例5と同じ方法で、PTFE添着水銀構造体を得た。
平板状の水銀吸着材が、水平となるように、PTFE添着水銀吸着構造体をダクト内に設置し、温度50℃の飽和空気を、PTFE添着水銀吸着構造体に供給した。30分間に1分間の頻度(実機の48倍の水洗頻度)で、PTFE添着水銀吸着構造体に供給する飽和空気に水を噴霧し、PTFE添着水銀吸着構造体を水洗浄した。これを500時間(実機の24千時間相当)継続して行った。谷深さは平均11.2mmであった。
実施例7
ポリエステル製平織網をポリエチレン製平織網(線径:345μm、目開き:1242μm)に変えたこと以外は、実施例5と同じ方法で、PTFE添着水銀構造体を得た。
平板状の水銀吸着材が、水平となるように、PTFE添着水銀吸着構造体をダクト内に設置し、温度50℃の飽和空気を、PTFE添着水銀吸着構造体に供給した。30分間に1分間の頻度(実機の48倍の水洗頻度)で、PTFE添着水銀吸着構造体に供給する飽和空気に水を噴霧し、PTFE添着水銀吸着構造体を水洗浄した。これを500時間(実機の24千時間相当)継続して行った。谷深さは平均11.2mmであった。
比較例
平板状のカルシウムPTFE添着不織布に、成形ローラを用いて曲げ加工を施して、波板状のカルシウムPTFE添着不織布を得た。谷深さは平均12.0mmであった。
波板状のカルシウムPTFE添着不織布の投影面積と平板状のカルシウムPTFE添着不織布の投影面積とが同じになるように切断加工を施した。
ユニットケース(SUS316L製,開口部:600mm角,奥行方向300mm)に、平板状のカルシウムPTFE添着不織布と、波板状のカルシウムPTFE添着不織布とを、交互に複数重ね合わせて、収納し、蓋(SUS316L製)によって、固定して、コルゲート型の水銀吸着構造体を得た。
平板状のカルシウムPTFE添着不織布が、水平となるように、水銀吸着構造体を設置し、温度50℃の飽和空気を、水銀吸着構造体に供給した。30分間に1分間の頻度で、水銀吸着構造体に供給する飽和空気に水を噴霧し、水銀吸着構造体を水洗浄した。これを500時間継続して行った。谷深さが約30%減少し、平均8.5mmであった。
1:平板状の水銀吸着材
1’:波板状の水銀吸着材
2:シート材
3:メッシュ状板基材
4:ステープラ用つづり針
8:ガス流れ
10:ユニットケース
12: 曲げ加工用ローラ
14:線条部
14':連続線条部(波板部)
13:平坦部
111:平坦部と線条部とからなる水銀吸着材
119:水銀吸着構造体
101:平坦部と連続線条部(波板部)とからなる水銀吸着材
109:水銀吸着構造体

Claims (9)

  1. 金属若しくは樹脂を含んでなるメッシュ状板基材と、
    繊維状活性炭を含んでなるシート材と、
    を具有し、
    前記のシート材が、前記のメッシュ状板基材の少なくとも一方の面に、沿うように重ね付けられている、
    水銀吸着材。
  2. メッシュ状板基材が、ワイヤー金網、エキスパンドメタルおよび打抜金網からなる群から選ばれる少なくとも一つを含んでなるものである、請求項1に記載の水銀吸着材。
  3. メッシュ状板基材が、ポリエステル製網、ポリプロピレン製網およびポリエチレン製網からなる群から選ばれる少なくとも一つを含んでなるものである、請求項1に記載の水銀吸着材。
  4. 前記のメッシュ状板基材は、面が凹凸に曲がっており、
    前記のシート材が、メッシュ状板基材の凹凸に曲がった面に沿って曲がっている、請求項1~3のいずれかひとつに記載の水銀吸着材。
  5. 前記のシート材若しくは繊維状活性炭が、撥水処理または添着処理されたものである、請求項1~3のいずれかひとつに記載の水銀吸着材。
  6. 請求項1~3のいずれかひとつに記載の水銀吸着材を、複数、それらの各面が向かい合うように且つ対向する面の間にガスが通過できるように、重ねてなる、水銀吸着構造体。
  7. 水銀を含む排ガスに、請求項1~3のいずれかひとつに記載の水銀吸着材若しくは請求項6に記載の水銀吸着構造体による吸着処理を施して水銀を除去することを含む、
    排ガスの浄化方法。
  8. 水銀及び二酸化硫黄を含む排ガスに湿式脱硫処理を施して二酸化硫黄を除去し、次いで、請求項1~3のいずれかひとつに記載の水銀吸着材若しくは請求項6に記載の水銀吸着構造体による吸着処理を施して水銀を除去することを含む、
    排ガスの浄化方法。
  9. 排ガスを水銀吸着材の面に沿って流す、請求項7に記載の排ガスの浄化方法。
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