JP2773268B2 - 収穫機における茎稈引起装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、収穫機における茎稈引起装置に関するも
のである。

〔従来技術〕

従来の例えば、い草収穫機における茎稈引起装置は、
引起ラグによって、強制的に引起す構成であった。

したがって、い草茎稈は、絡み合った状態にあるた
め、これを前述の通り強制的に引起すと損傷され商品と
しての品質低下を招くおそれがあった。

〔発明が解決しようとする課題〕

この発明は、上述した従来タイプの改良に関するもの
であって、左右一対の引起装置を設けた構成の場合は、
中央に分草杆を設けて一条ごと刈取るのが普通である。

しかしながら、この発明の場合は、高刈りの弊害をな
くすため２条のい草茎稈をまとめて刈取ることにしてい
る。すると、い草は、条間に分草杆がないために２条の
ものが絡みあったまま、引起ラグの作用を受け、損傷を
受ける欠陥があった。

特に、その弊害は、未刈茎稈側の条列で大であった。

〔課題を解決するための手段〕

この発明は、上述の課題を解決するため、次の如き技
術的手段を用いるものである。

すなわち、左右一対の茎稈引起装置1,1′を、始端部
を前方下方に終端部を後方上方にして傾斜させて設け、
該左右一対のそれぞれの茎稈引起装置1,1′の前側に起
風装置２に連通させた噴風ノズル3,3′を下方から上方
に向けて噴風するごとく位置させて設け、該左右の噴風
ノズル3,3′からの風圧を既刈茎稈条側に比べて未刈茎
稈条側を強く噴風できる構成とした収穫機における茎稈
引起装置である。

〔作用、効果〕

まず、機体の回転各部を駆動してい草の収穫作業を開
始する。

すると、圃場のい草は、車台４の前部に設けた分草装
置５によって分草されて回転分草体６に達し、刈取られ
る側と未刈側とに分草される。

そのとき、噴風ノズル3,3′は、起風装置２から送風
パイプ７を介して送風された風が、前方で、引起通路８
側に向けて噴風させている。

すると、い草は、下側から稈身方向に沿って吹き上げ
る噴風によって、絡み合いがほぐされて引起ラグ９が回
転している引起通路８に達する。

そこで、い草は、株元側から引起ラグ９が作用を始め
順次上方えと引き起こされる。

このような、引起の過程において、い草は、予め噴風
によって絡み合い状態を分離されているから、引起ラグ
９が作用しても損傷されることがなく、的確に引き起こ
される。

そして、い草は、株元が刈取装置10で刈取られ上部
は、搬送装置11に挾持され、株元が株元搬送装置12に挾
持されて後方に搬送される。

つぎに、い草は、上部が搬送装置11に挾持されて搬送
されながら、中間部分から株元部分がすぐり装置13に達
すると、すぐりラグ14が作用を開始する。

以上のように、この発明は、引起作用の直前における
い草に対して、下方から稈身方向に強烈な風を吹き付け
ることによって、絡み合っている茎稈をときほぐすこと
ができる。

特に、この発明は、左右一対の噴風ノズルの風圧を概
刈稈側に比較して未刈稈側が強くなる構成にしているか
ら、従来、分離が困難であった未刈稈側の茎稈を無理な
く確実に分草できる特徴を有する。

したがって、い草は、その後、引起ラグによって引起
作用を受けても損傷を受けることがほとんどなく、商品
としての品質低下を未然防止できる効果を有するもので
ある。

〔実施例〕

走行装置15を有する車台４は、前部低位置に刈取装置
10を有し、その前方に左右一対の茎稈引起装置1,1′を
傾斜させて設けている。

なお、茎稈引起装置1,1′は、引起ラグ９を有し、両
者の間に引起通路８を形成している。

噴風ノズル3,3′は、起風装置２に基部を取付けた送
風パイプ７の先端部分に連結し、茎稈引起装置1,1′の
前側に取付けている。

そして、その噴風ノズル3,3′は、正面から見て、第
１図に示すように、内側の引起通路８側に向け、かつ、
第２図に示すように、側面から見て前方に向けて設けて
いる。

左右の噴風ノズル3,3′は、第２図に示すように、一
方３の近くに起風装置２からの導入パイプ7aを連通して
風圧を強くする構成としている。

５は分草装置、６は回転分草体であって、先端部を細
く後部を大きく円錐形に構成し、分草装置５と茎稈引起
装置1,1′に軸受されている。

搬送装置11は、始端部分を刈取装置10の上方に位置さ
せ、終端部分を後部の結束機の近傍まで延長させて設
け、い草茎稈の上部を挾持して搬送する構成としてい
る。

12は株元搬送装置である。

すぐり装置14は、株元搬送装置12の後部で前記搬送装
置11の側方において、すぐりラグ14をチエンに取付けて
構成している。

そして、噴風ノズル3,3′は、第３図に示すように、
茎稈引起装置1,1′などとともに上下昇降できる構成と
している。

また、起風装置２は、第４図に示すように、刈取伝動
装置16の中の刈取駆動プーリー17から伝動されるように
設け、刈取クラッチ18の操作によって、伝動が断続され
る構成としている。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示すものであって、第１図は
正面図、第２図はその側面図、第３図は作用側面図第４
図は側面図である。 1,1′……茎稈引起装置、２……起風装置 3,3′……噴風ノズル、４……車台 ５……分草装置ル、６……回転分草体 ７……送風パイプ、7a……導入パイプ ８……引起通路、９……引起ラグ 10……刈取装置、11……搬送装置 12……株元搬送装置、13……すぐり装置 14……すぐりラグ、15……走行装置 16……刈取伝動装置、17……刈取駆動プーリー 18……刈取クラッチ

フロントページの続き (72)発明者 永木 和男 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農 機株式会社技術部内 審査官 西田 秀彦 (56)参考文献 実開 昭62−125425（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−178419（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A01D 57/00 - 57/32 A01D 63/00 - 65/08

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】左右一対の茎稈引起装置を、始端部を前方
   下方に終端部を後方上方にして傾斜させて設け、該左右
   一対のそれぞれの茎稈引起装置の前側に起風装置に連通
   させた噴風ノズルを下方から上方に向けて噴風するごと
   く位置させて設け、該左右の噴風ノズルからの風圧を既
   刈茎稈条側に比べて未刈茎稈条側を強く噴風できる構成
   とした収穫機における茎稈引起装置