JP2772558B2 - 火災警報装置 - Google Patents

火災警報装置

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JP2772558B2 JP27164089A JP27164089A JP2772558B2 JP 2772558 B2 JP2772558 B2 JP 2772558B2 JP 27164089 A JP27164089 A JP 27164089A JP 27164089 A JP27164089 A JP 27164089A JP 2772558 B2 JP2772558 B2 JP 2772558B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、火災による煙を検出して火災を判別するた
めの火災警報装置に関する。
〔従来技術とその問題点〕
従来の火災警報装置の火災判定基準は、通常、煙検出
部の製造時に設定された抵抗等で与えられる火災判定基
準が半永久的に使用される。煙検出部は、例えば検出素
子の出力変化により、火災に関係なく出力値(ノズルレ
ベル)が経時的に変化していく。従って、出力値が上下
することにより誤報や遅報を導き、正確な火災判別が行
えなくなる。火災判定基準を較正する方法として、平成
1年8月11日付で本件出願人により出願された「火災警
報装置の判定基準設定方法および火災警報装置」という
名称の特願平1−260129号では、煙検出部を煙のない状
態として、そのときの出力値を基準として火災判定基準
を設定する方法が示されている。この方法では環境の変
化に左右されない、煙検出部の経時変化に追随した正確
な火災判定基準を得ることができる。しかし、煙検出部
の出力値を得ることにより火災判別を行っているので長
期間を経ると煙検出部の汚れ等による経年変化が起こり
煙検出の限界を越えることもあり、正常な煙の検出が行
えない状態にあるか否かを判別することが好ましい。従
って、本発明は、上記発明に更なる改良を提供するもの
であり、この問題を解消しようとするものである。
〔問題を解決するための手段〕
本発明は、火災による煙を検出してその検出量を出力
する煙検出部と、煙検出部からの出力値に基づき火災判
別を行う火災判別手段とを備えた火災警報装置におい
て、煙検出部を煙の存在しない状態とする煙除去手段
と、煙の存在しない状態での出力値から前記煙検出部の
異常を判別する検出部異常判別手段とを有することを特
徴とするものであり、また同様の火災警報装置におい
て、煙検出部の煙が存在しない状態での出力値を記憶す
る零値記憶手段と、その出力値から煙検出部の異常を判
別する検出部異常判別手段とを有することを特徴とする
ものである。
〔作 用〕
煙検出部を煙の存在しない状態として、そのときの出
力値を異常か否か判別することにより、煙検出部が正常
に働いているか否かを確認することができる。
〔実施例〕
以下、本発明による一実施例を図面により説明する。
第1図は、感知器を監視区域の天井面に設置する場合に
本発明を実施した構成を示す図であり、1は天井面2に
設置され、内部にマイクロプロセッサを有する感知器本
体、3は本体1下方に備えられている光電式やイオン化
式等の煙検出部、4は空気中の煙等の微粒子を静電的に
収集する煙除去部であり、煙検出部3の周囲を覆うよう
に形成されている。煙除去部4は、内側をアノード5、
外側をカソード6とした2重の環状電極を構成してい
て、カソード6は、網状に針状突出部分を多数形成した
ものであり、アノード5は、カソード6の針状突出部分
に対向する位置を平面とするように多数の孔を有する板
状に形成されている。そしてカソード6に電圧を印加す
ると、針状突出部分から電子が放出され、電極間にある
煙粒子等は、電子の衝突により電荷を持ち、アノード5
側へ引き寄せられる。従って煙除去部4が作動している
ときには、煙検出部4に煙が入ることはない。ここでア
ノード5とカソード6の形状や構成は、上記に限らず、
逆向きや上下方向に電子を放出させてもよい。煙除去手
段は、静電式のものだけでなく、フィルター式や清浄な
空気を吹き込むことでもよい。
第2図は、監視区域の空気をサンプリングして煙を検
出する場合に本発明を実施した構成を示す図であり、7
はサンプリングした空気が流れる通気管である。通気管
7内に設けられている感知器本体1の一次側に第1図と
同様の煙除去部4が設けられていて、この構成では煙除
去部4を作動させると、煙除去部4を通過した煙のない
状態の空気が煙検出部3へ流れていくので、第1図と同
じ効果が得られる。本実施例では、煙除去部4の電源8
を感知器本体1とは別に設けていて、感知器本体1から
のスイッチ9が設けられている。本実施例においても、
煙除去部4の形状や構成は、上記に限らず、煙除去手段
は、その他の方法でもよい。
第3図は、本発明を実施するのに適した火災警報装置
を示す第1図に対応するブロック回路図であり、REは、
火災受信機、DEは、例えば一対の電源兼信号線のような
伝送ラインTLを介して火災受信機REに接続される火災感
知器である。なお、1つの火災感知器DEについてのみ内
部回路を示しているが、他の火災感知器についても同様
である。各火災感知器DEにおいて、MPUは、マイクロプ
ロセッサ、ROM1は、プログラムの記憶領域、ROM2は、火
災判定基準を設定する時刻および設定できる範囲と火災
判別を行うために基準値を加える所定値L、Kおよび煙
検出部3の異常を判断するための所定の上限値X、下限
値Yを記憶するための記憶領域、RAM1は、作業用領域、
RAM2は、設定された火災判定基準の設定可能な出力値A
および火災判定基準Bを記憶するための記憶領域、IF
1、IF2、IF3およびIF4は、インターフェース、FSは、火
災現象に基づく煙を検出してセンサレベルを出力する煙
検出部3であり、図示しないが、イオン化式あるいは光
電式の検出素子、増幅器、サンプルホールド回路、アナ
ログ・ディジタル変換器等を有している。CLは、時計、
SCは、煙除去部4、TRXは、並・直列変換器等で構成さ
れる信号送受信部である。
上記構成の動作について、第4図のフローチャートを
用いて説明すると、各火災感知器DEは、通常、煙検出部
の3からのセンサレベルSLVをIF1を介して読み込み、火
災判定基準値Bと比較してセンサレベルSLVが火災判定
基準値Bを越えるときに、信号送受信部TRXから伝送ラ
インTLを介して火災信号を送出する等の火災動作が取ら
れる(ステップ401、404、405)。IF2を介して読み込ん
だ時刻Tが火災判定基準の設定時刻であり、センサレベ
ルSLVが煙除去部4の煙を除去できる範囲である煙除去
限界値A以下であると(ステップ402、403のN、406の
Y)、火災判定基準の設定を開始する。まずIF3を介し
て煙除去部4を始動させて、煙検出部3を煙のない状態
とする(ステップ407、408)。そしてIF1を介してセン
サレベルSLV0を読み込み、まずROM2に記憶されている所
定の上限値Xおよび下限値YとセンサレベルSLV0を比較
し、センサレベルSLV0が両者による範囲を外している
と、煙検出部3が異常であることを示す受信機へ送信す
る等の動作を行う(ステップ409、410、411)。その
後、センサレベルSLV0へROM2に記憶させてある煙除去限
界値用の所定値Lを加えて煙除去限界値Aとし、同様に
火災判定基準値用の所定値Kを加え、火災判定基準値B
とし、RAM2に記憶する(ステップ412)。ここで設定さ
れる煙除去限界値Aは、火災判定基準値Bよりも低く、
フローチャート上では、センサレベルSLVが煙除去限界
値Aを超えている場合に(ステップ403のY)、火災を
判別するように作成されている。これは、センサレベル
SLVが火災判定基準値Bを超える場合には必ず煙除去限
界値Aを超えるので、煙除去限界値Aを超えない場合は
必ず火災判定基準値Bを超えないためである。また煙除
去限界値Aと比較することにより、煙の量が多い場合に
は火災判定基準の設定を行わず、同時に火災動作の必要
があるときには、火災判定基準の設定を行わせなくする
ことができる。この動作の中で、煙除去限界値Aは、所
定の値で固定していてもよく、またセンサレベルSLVが
煙除去限界値Aを超えた時点で火災に対する予報を出す
よう構成してもよい。
上記実施例は、火災感知器が火災判別を行って火災信
号等を受信機に送出する場合の例であるが、火災感知器
を検出した煙の出力を信号として送出するアナログ式火
災感知器とし、受信機または中継器等でアナログ式火災
感知器から送出された信号により火災判別を行う、いわ
ゆるアナログ式の火災警報装置とすることも可能であ
る。その場合には、第3図における受信機REにマイクロ
プロセッサMRUを設けるとともに火災感知器DEよりROM
1、ROM2、RAM1およびRAM2を取り除いてこれらを受信機R
Eに設け、RAM2は、火災感知器DEの個数分設けられると
ともに、ROM1には、火災感知器DEをポーリングして呼び
出した火災感知器DEから煙検出部3のセンサレベルを収
集するプログラムを追加すればよく、また火災感知器DE
には、受信機REよりボーリング等によって呼び出しを受
けたか否かを判別し、呼び出されたときに煙検出部3よ
り煙による出力を示す信号を受信機REに送出するプログ
ラムを記憶したROMを設ければよい。また、アナログ式
火災感知器としてはセンサレベルSLVを火災判定基準と
の比較を行わず、センサレベルSLVの煙の出力を行うと
きの基準値として煙除去時のセンサレベルSLV0を用いて
もよい。
上記動作説明では、設定時刻ごとに定期的に火災判別
基準を設定しているが、そのタイミングは任意でよく、
更に、火災判定基準を設定する頻度が少ない場合には、
煙除去部を有する装置を別体とし、それを用いて各煙検
出部を煙のない状態として、そのときのセンサレベルを
記憶する零値記憶手段を備えさせておき、そこに記憶さ
れたセンサレベルを異常か否か判別する検出部異常判別
手段を備えておけば、上記構成と同じ効果が得られる。
また、上記実施例は、煙検出部の煙のない状態でのセ
ンサレベルに所定の値を加えて火災判定基準を設定して
いるが、煙検出部の煙のない状態で火災と判別すべき疑
似状態を作成する等の異なる火災判定基準の設定方法で
もよいことは勿論であり、煙検出部の異常を判別する手
段も、例えば煙のない状態でのセンサレベルを収集して
記憶させるためのRAMを設けて、センサレベルの経時的
な変化から異常を判別するよう構成してもよい。
更に、火災判別手段は、センサレベルSLVが火災判定
基準を超えると火災動作を行うように示されているが、
その状態が所定時間に渡り継続すると火災の判別する蓄
積式の火災判別を行ってもよいことは勿論である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、煙検出部の煙の存在しない状態とし
て、そのときの出力値を異常か否か判別することによ
り、煙検出部が正常に働くか否かを確認することがで
き、従って正確な火災判別が行え、信頼性の高い火災警
報装置が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図と第2図は、各々本発明の一実施例の構成を示す
概略図、第3図は、第1図についてのブロック回路図、
第4図は、本実施例の動作を示すフローチャートであ
る。 3……煙検出部、4……煙除去部。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】火災による煙を検出してその物理量を出力
    する煙検出部と、前記煙検出部からの出力値に基づき火
    災判別を行う火災判別手段とを備えた火災警報装置にお
    いて、前記煙検出部を煙の存在しない状態とする煙除去
    手段と、煙の存在しない状態での出力値から前記煙検出
    部の異常を判別する検出部異常判別手段とを有すること
    を特徴とする火災警報装置。
  2. 【請求項2】火災による煙を検出してその物理量を出力
    する煙検出部と、前記煙検出部からの出力値に基づき火
    災判別を行う火災判別手段とを備えた火災警報装置にお
    いて、前記煙検出部が煙の存在しない状態での出力値を
    記憶する零値記憶手段と、前記零値記憶手段に記憶され
    た出力値から前記煙検出部の異常を判別する検出部異常
    判別手段とを有することを特徴とする火災警報装置。
  3. 【請求項3】検出部異常判別手段は、煙検出部の煙の存
    在しない状態での出力値が所定の閾値の範囲を外れると
    きに異常と判別することを特徴とする請求項1または2
    記載の火災警報装置。
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