JP2772216B2 - バッテリ搭載走行体 - Google Patents

バッテリ搭載走行体

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JP2772216B2
JP2772216B2 JP1356493A JP1356493A JP2772216B2 JP 2772216 B2 JP2772216 B2 JP 2772216B2 JP 1356493 A JP1356493 A JP 1356493A JP 1356493 A JP1356493 A JP 1356493A JP 2772216 B2 JP2772216 B2 JP 2772216B2
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バッテリを駆動源とし
て走行するバッテリ搭載走行体に関し、特に、目的地に
到達するための最適運転情報を表示する機能を持つバッ
テリ搭載走行体に関する。
【0002】バッテリ搭載走行体は、バッテリを駆動源
として走行するものであり、バッテリが切れると走行不
可能になってしまう。これから、バッテリ搭載走行体で
は、バッテリ切れを起こさずに目的地に到達できるよう
にする運転方法をドライバに指示する機構を備えていく
と便利である。
【0003】
【従来の技術】従来のバッテリ搭載走行体では、ドライ
バに対して、バッテリ残量とバッテリ消費量とを表示す
ることで、運転によるバッテリ切れの発生を防止する構
成を採っていた。
【0004】そして、バッテリ補助用の太陽電池を備え
るバッテリ搭載走行体では、これに加えて、ドライバに
対して、太陽電池の発電量を表示することで、運転によ
るバッテリ切れの発生を防止する構成を採っていた。
【0005】すなわち、従来では、ドライバ自身が、こ
れらの表示値からバッテリ切れを起こさない運転速度を
決定していくことで、バッテリ切れを起こさずに目的地
に到達できるようにしていたのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バッテ
リ搭載走行体のバッテリ消費量は、運転中の路面状況等
により逐次大きく変化するものであるとともに、バッテ
リ搭載走行体の備える太陽電池の発電量もまた、運転中
の天候により逐次大きく変化するものであることから、
このような従来技術に従っていると、バッテリ切れを起
こさずに目的地に到達できる運転速度を正確に決定でき
ないという問題点があった。そして、ドライバに精神的
負担を強いるという問題点もあった。
【0007】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、目的地に到達するための最適運転情報を表示
する機能を持つ新たなバッテリ搭載走行体の提供を目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1に本発明の原理構成
を図示する。図中、1は本発明を具備するバッテリ搭載
走行体である。
【0009】このバッテリ搭載走行体1は、バッテリ1
0と、モータ11と、速度検出手段12と、消費電力検
出手段13と、バッテリ残量検出手段14と、第1の決
定手段15と、第2の決定手段16と、特定手段17
と、表示制御手段18と、表示手段19とを備える。
【0010】このバッテリ10は、バッテリ搭載走行体
1の駆動源となる。モータ11は、バッテリ10から電
力供給を受けてバッテリ搭載走行体1を駆動する。速度
検出手段12は、例えばモータ11の回転数からバッテ
リ搭載走行体1の速度を検出する。消費電力検出手段1
3は、例えばバッテリ出力電流とバッテリ出力電圧とか
らバッテリ搭載走行体1の消費電力を検出する。バッテ
リ残量検出手段14は、例えば消費電力検出手段13の
検出する消費電力を積算していくことでバッテリ残量を
検出する。
【0011】第1の決定手段15は、現走行環境下での
バッテリ搭載走行体1の取り得る速度と消費電力との対
応関係を関係付ける第1の特性式の数式形態を決定す
る。第2の決定手段16は、目的地までの距離を目的地
までに使えるバッテリ量でもって走行可能とするバッテ
リ搭載走行体1の速度と消費電力との対応関係を関係付
ける第2の特性式の数式形態を決定する。
【0012】特定手段17は、第1の決定手段15の決
定した第1の特性式と、第2の決定手段16の決定した
第2の特性式とからバッテリ搭載走行体1の取るべき最
適速度と最適消費電力の双方又はいずれか一方を特定す
る。表示制御手段18は、特定手段17の特定した最適
速度/最適消費電力の表示制御を司るものであって、こ
の表示にあたって、この最適速度/最適消費電力を実際
の測定値に対応付けて表示していくよう制御することが
ある。表示手段19は、特定手段17の特定した最適速
度/最適消費電力を表示する。
【0013】
【作用】本発明では、第1の決定手段15は、バッテリ
搭載走行体1の消費電力をP、速度をV、車重をM、空
気抵抗係数をCd 、前影投影面積をA、システム効率を
Eで表すとともに、路面斜度を加味したころがり係数を
Rで表すならば、現走行環境下でのバッテリ搭載走行体
1の取り得る速度と消費電力との対応関係を関係付ける
下記の第1の特性式
【0014】
【数1】
【0015】に、消費電力検出手段13の検出する現走
行時点の消費電力P0 と、速度検出手段12の検出する
現走行時点の速度V0 とを代入することで、
【0016】
【数2】
【0017】に従って、現走行時点のころがり係数R0
を検出して、この検出したころがり係数R0 に従って、
【0018】
【数3】
【0019】という現走行環境下での第1の特性式の数
式形態を決定する。この第1の決定手段15により決定
される第1の特性式は、現走行環境下でのバッテリ搭載
走行体1の取り得る速度と消費電力との対応関係を表し
ている。
【0020】一方、第2の決定手段16は、バッテリ搭
載走行体1の消費電力をP、バッテリ搭載走行体1の持
つ発電装置の発電量をS、目的地までに使えるバッテリ
量をB、目的地までの到達時間をT、目的地までの距離
をLで表すならば、これらの間に成立する (P−S)×T=B という関係式と、 V×T=L という関係式とから導出される下記の第2の特性式
【0021】
【数4】
【0022】に、バッテリ残量検出手段14の検出する
バッテリ残量より決定される目的地までに使えるバッテ
リ量Bと、目的地までの距離Lとを代入することで、現
走行時点でのこの第2の特性式の数式形態を決定する。
【0023】この第2の決定手段16により決定される
第2の特性式は、目的地までの距離Lを目的地までに使
えるバッテリ量Bでもって走行可能とする現走行時点で
のバッテリ搭載走行体1の速度と消費電力との対応関係
を表している。なお、バッテリ搭載走行体1が発電装置
を具備しない場合には、第2の特性式の数式形態は、
【0024】
【数5】
【0025】に従って決定されることになる。特定手段
17は、第1の決定手段15により第1の特性式の数式
形態が決定されるとともに、第2の決定手段16により
第2の特性式の数式形態が決定されると、この2つの特
性式の交点となる速度/消費電力を特定する。このよう
にして特定される速度は、現走行時点でのバッテリ搭載
走行体1の取るべき最適な速度を表示しているととも
に、このようにして特定される消費電力は、現走行時点
でのバッテリ搭載走行体1の取るべき最適な消費電力を
表示している。
【0026】これから、表示制御手段18は、表示手段
19に対して、特定手段17の特定した最適速度/最適
消費電力を例えば実際の測定値に対応付けて表示してい
くことで、ドライバに対して、目的地に到達するための
最適速度/最適消費電力を通知していく。
【0027】このようにして、本発明に従うことで、従
来技術の有していた問題点を解決することができるよう
になるのである。
【0028】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を詳細に説明す
る。図2に、本発明を具備する電気自動車の装置構成を
図示する。
【0029】図中、20は電気自動車、21はバッテ
リ、22はモータ、23はタイヤ、24はモータコント
ローラ、25は電気自動車20の走行速度に応じたパル
スを発生するパルスセンサ、26はバッテリ21の出力
電流を測定する電流センサ、27はバッテリ21の出力
電圧を測定する電圧センサ、28は電気自動車20の最
適な速度/消費電力を算出する最適運転情報算出装置で
ある。
【0030】この最適運転情報算出装置28は、図3に
示すように、アダプタ部30と本体部40とから構成さ
れている。そして、このアダプタ部30は、パルスセン
サ25の出力するパルスを計数するパルスカウンタ31
と、電流センサ26/電圧センサ27の測定値を選択す
るアナログマルチプレクサ32と、アナログマルチプレ
クサ32の選択した測定値をA/D変換するA/Dコン
バータ33と、本体部40との間のインタフェース制御
を司るインタフェース制御部34とから構成される。
【0031】一方、この本体部40は、アダプタ部30
との間のインタフェース制御を司るインタフェース制御
部41と、ICメモリカード等からなる外部記憶部42
と、タイマクロック信号を発生するタイマ部43と、外
部記憶部42からロードされる最適運転情報の算出プロ
グラムを格納する主記憶部44と、主記憶部44に格納
される最適運転情報算出プログラムを実行することで最
適運転情報を算出するCPU部45と、CPU部45の
算出する最適運転情報の表示制御処理を司るディスプレ
イ制御部46と、CPU部45の算出する最適運転情報
を表示する表示部47とから構成される。
【0032】主記憶部44に格納される最適運転情報算
出プログラムは、目的地に到達するために最適となる電
気自動車20の速度/消費電力を算出して表示する処理
を実行する。
【0033】図4に、CPU部45が実行することにな
るこの最適運転情報算出プログラムの処理フローの一実
施例を図示する。次に、この処理フローに従って、最適
運転情報算出装置28の実行する最適運転情報算出処理
について詳細に説明する。
【0034】電気自動車20が走行を開始すると、最適
運転情報算出装置28のCPU部45は、最適運転情報
算出プログラムの実行に入って、図4の処理フローに示
すように、先ず最初に、ステップ1で、タイマ部43を
起動し、続くステップ2で、このタイマ部43の発生す
るタイマクロック信号を計時することで、前回の測定時
から規定の測定間隔時間が経過したか否かを判断してい
く。
【0035】このステップ2で、前回の測定時からの規
定の測定間隔時間経過を判断すると、ステップ3に進ん
で、パルスセンサ25/電流センサ26/電圧センサ2
7の測定値をサンプリングし、続くステップ4で、この
収集したセンサ情報を使ってバッテリ残量を算出すると
ともに、このバッテリ残量の例えば90%という定義に
従って目的地までに使えるバッテリ量Bを算出する。こ
こで用いるバッテリ残量の算出方法については、従来か
ら知られているものを使うことができるが、本発明者が
案出した新たなバッテリ残量算出方法について後述する
ことにする。
【0036】続いて、ステップ5で、パルスセンサ25
の発生するパルスの積算値から特定される走行距離に従
って、目的地までの残りの距離Lを算出する。続いて、
ステップ6で、先ず最初に、電流センサ26の検出する
バッテリ出力電流と、電圧センサ27の検出するバッテ
リ出力電圧との乗算値を算出することで、現走行時点の
消費電力P0 を算出するとともに、パルスセンサ25の
発生するパルスから現走行時点の速度V0 を算出する。
そして、次に、これらの値と、知られている車重M/空
気抵抗係数Cd /前影投影面積A/システム効率Eとを
上述の〔数2〕の数式に代入することで、現走行時点の
ころがり係数R0 を検出して、この検出したころがり係
数R0 を上述の〔数3〕の数式に代入していくことで、
上述の第1の特性式の現走行環境下における数式形態を
決定する。このようにして決定される第1の特性式は、
現走行環境下での電気自動車20の取り得る速度と消費
電力との対応関係を表している。
【0037】続いて、ステップ7で、ステップ4で算出
した目的地までに使えるバッテリ量Bと、ステップ5で
算出した目的地までの距離Lとを上述の〔数5〕の数式
に代入していくことで、上述の第2の特性式の現走行時
点における数式形態を決定する。このようにして決定さ
れる第2の特性式は、目的地までの距離Lを目的地まで
に使えるバッテリ量Bでもって走行可能とする現走行時
点での電気自動車20の速度と消費電力との対応関係を
表している。
【0038】続いて、ステップ8で、ステップ6で数式
形態の決定された第1の特性式と、ステップ7で数式形
態の決定された第2の特性式との交点となる速度/消費
電力を算出する。すなわち、図5に示すように、この2
つの特性式の連立方程式を解くのである。このようにし
て特定される速度は、現走行時点での電気自動車20の
取るべき最適な速度を表示しているとともに、このよう
にして特定される消費電力は、現走行時点での電気自動
車20の取るべき最適な消費電力を表示している。
【0039】そして、続くステップ9で、ステップ8で
特定した最適速度/最適消費電力を表示部47に表示し
ていくことで、ドライバに対して、目的地に到達するた
めの最適速度/最適消費電力を通知してから、ステップ
2に戻っていくことで、最適速度/最適消費電力の算出
・表示処理を続行していく。この最適速度/最適消費電
力の表示処理は、ドライバに分かり易いものとするため
に、例えば、図6に示すように、現走行時点の測定値と
比較する形態に従って表示することが好ましい。
【0040】このようにして、最適運転情報算出装置2
8は、目的地に到達するために最適となる電気自動車2
0の速度/消費電力を算出して表示していくことで、ド
ライバに対して、バッテリ切れを起こさずに目的地に到
達できるようにする運転方法を指示していくのである。
【0041】次に、本発明者が案出した新たなバッテリ
残量の算出方法について説明する。この算出方法に従っ
て、ステップ4の処理で必要となるバッテリ残量が簡単
かつ高精度に求められることになる。
【0042】この本発明者が案出した新たなバッテリ残
量算出方法では、バッテリ21を規定の基準電流で放電
させていくときに示すバッテリ残量とバッテリ電圧との
対応関係を、バッテリ残量と適用電圧との対応関係デー
タとして管理する構成を採って、この対応関係データを
用いてバッテリ残量を検出する構成を採るものである。
この対応関係データを収集するための基準電流として
は、電気自動車20の平均的な走行状態時のバッテリ2
1の出力電流を用いることが好ましく、例えば、電気自
動車20が平坦路を40〜50km/hの速度で走行す
るときのバッテリ21の出力電流3.5Aを用いることに
なる。
【0043】図7に、基準電流として3.5Aを採用した
ときに示すバッテリ21の放電特性を示す。ここで、横
軸は放電時間を表しており、縦軸は放電電圧(適用電圧
になるもの)を表している。
【0044】この図7に示すように、バッテリ21は、
3.5Aで放電すると、満充電状態の14.2Vから放電を開
始していって、11.0Vで急激に低下する放電特性を示す
ことになる。放電電圧がvのときのバッテリ残量S(v)
を、「今後、バッテリ11から3.5Aの出力電流でもっ
て電力を取り出していく場合に取り出せることになる電
力量」として定義し、更に、この11.0V時のバッテリ残
量を0%と定義するならば、放電電圧がvのときのバッ
テリ残量S(v) は、
【0045】
【数6】
【0046】で表されることになる。ここで、T0 は放
電電圧が11.0Vになるまでの放電時間、Tは放電電圧が
vになるまでの放電時間を表している。また、この式の
バッテリ残量S(v) のディメンションは%であり、電力
への換算は、満充電時に持つバッテリ21の電力量を乗
算することで実現される。
【0047】このようにして求まるバッテリ残量S(v)
に対して、そのときの放電電圧vをプロットしたものが
バッテリ残量と適用電圧との対応関係データとなる。図
8に、図7に示したバッテリ21の放電特性から求めら
れる対応関係データを図示する。
【0048】最適運転情報算出装置28のCPU部45
は、図4の処理フローのステップ4の処理に入ると、こ
の対応関係データを使い、図9に示す処理フローを実行
することでバッテリ残量を算出することになる。
【0049】すなわち、先ず最初に、ステップ1で、主
記憶部44に格納される対応関係データを参照すること
で、前回の測定時に求めたバッテリ残量(%)に対応付
けられる適用電圧を特定する。ここで、バッテリ21の
満充電状態から電気自動車20が走行を開始するときに
は、バッテリ残量の初期値として100%を使用し、ま
た、使用途中の充電状態から電気自動車20が走行を開
始するときには、バッテリ残量の初期値として前回の走
行終了時のバッテリ残量(%)を使用することになる。
【0050】ステップ1で適用電圧を特定すると、次
に、ステップ2で、この特定した適用電圧と、図4の処
理フローのステップ3で収集したバッテリ出力電流と、
設定されている規定の測定間隔時間との3つの乗算値を
算出することで、前回の測定時と今回の測定時との間の
バッテリ消費量を算出する。
【0051】続いて、ステップ3で、前回の測定時に求
めたバッテリ残量(%)にバッテリ21の満充電電力量
を乗算することで、前回の測定時のバッテリ残量を電力
量で求めて、この求めたバッテリ残量からステップ2で
算出したバッテリ消費量を減算することで、今回の測定
時のバッテリ残量(電力量で表現される)を算出する。
このようにして算出するバッテリ残量に従って、図4の
処理フローのステップ4で、目的地までに使えるバッテ
リ量Bが決定されることになる。なお、このとき、次回
のバッテリ残量の測定時のために、この求めたバッテリ
残量を%表示に換算しておくことになる。
【0052】このようにして、本発明者が新たに案出し
たバッテリ残量算出方法では、バッテリ出力電流のみを
測定するだけでもって、バッテリ21のバッテリ残量を
算出していくことを実現するのである。
【0053】本発明者が実験により確認した所では、こ
のようにして検出するバッテリ残量は、従来のバッテリ
残量検出方法で検出されるよりも高精度にバッテリ残量
を検出できることが確認された。これは以下の理由によ
る。
【0054】すなわち、バッテリ21の出力電流が基準
電流よりも大きいときには、本来のバッテリ電圧は対応
関係データを求めたときよりも小さな値を示すのである
が、このときにあっても、本来のバッテリ電圧よりも大
きな値を示す適用電圧を使ってバッテリ消費量を算出し
ていくことで、バッテリ消費量を自動的に大きめに評価
していくとともに、バッテリ21の出力電流が基準電流
よりも小さいときには、本来のバッテリ電圧は対応関係
データを求めたときよりも大きな値を示すのであるが、
このときにあっても、本来のバッテリ電圧よりも小さな
値を示す適用電圧を使ってバッテリ消費量を算出してい
くことで、バッテリ消費量を自動的に小さめに評価して
いくことになる。
【0055】従って、バッテリ21の出力電流が基準電
流よりも大きいときには、熱損失が大きくなること等で
基準電流での評価よりも大きなバッテリ消費量を消費す
ることなるが、適用電圧に従ってバッテリ消費量を自動
的に大きめに評価していくことでこれを自動的に吸収し
ていくとともに、バッテリ21の出力電流が基準電流よ
りも小さいときには、熱損失が小さくなること等で基準
電流での評価よりも小さなバッテリ消費量を消費するこ
となるが、適用電圧に従ってバッテリ消費量を自動的に
小さめに評価していくことでこれを自動的に吸収してい
くよう処理するので、バッテリ残量を高精度でもって検
出できるようになるのである。
【0056】最適運転情報の表示を実現する本発明は、
ソーラカーに対しても適用可能である。図10に、本発
明の最適運転情報算出装置28を具備するソーラカーの
装置構成を図示する。図中、図2で説明したものと同じ
ものについては同一の記号で示してある。50はソーラ
カー、51はソーラカー50の備える太陽電池であっ
て、電力を発電してバッテリ21/モータコントローラ
24に供給するもの、52は電流センサであって、モー
タコントローラ24への流入電流を検出するもの、53
は電流センサであって、太陽電池51の発電電流を検出
するものである。ここで、この構成にあって、電流計2
6は、バッテリ21が充電される状態になるときには、
バッテリ充電電流を測定するよう動作することになる。
【0057】すなわち、ソーラカー50では、太陽電池
51によりモータコントローラ24に電力が供給される
構成が採られるので、ソーラカー50に適用する場合に
は、最適運転情報算出装置28は、新たに電流センサ5
2/電流センサ53を備える構成を採って、図4の処理
フローのステップ6では、電流センサ52の検出するモ
ータコントローラ24への流入電流と、電圧センサ27
の検出するバッテリ出力電圧との乗算値を算出すること
で消費電力P0 を算出して、第1の特性式の数式形態を
決定していく。そして、図4の処理フローのステップ7
では、電流センサ53の検出する太陽電池51の発電電
流と、電圧センサ27の検出するバッテリ出力電圧との
乗算値を算出することで〔数4〕の数式の発電量Sを算
出して、この発電量Sと、目的地までに使えるバッテリ
量Bと、目的地までの距離Lとを〔数4〕の数式に代入
していくことで、第2の特性式の数式形態を決定してい
くのである。
【0058】そして、ソーラカー50では、バッテリ2
1が太陽電池51により充電される構成が採られるの
で、図4の処理フローのステップ4でバッテリ残量を算
出するときには、電流センサ26により検出されるバッ
テリ21への充電電流と、電圧センサ27により検出さ
れるバッテリ電圧とから、前回と今回のバッテリ残量の
測定時の間に流入するバッテリ充電量(充電効率を考慮
する)を評価して、このバッテリ充電量に従って、前回
と今回のバッテリ残量の測定時の間のバッテリ消費量を
補正していくことで、正確なバッテリ残量を検出してい
く構成を採ることになる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
バッテリを駆動電源として走行するバッテリ搭載走行体
にあって、目的地に到達するための最適な運転情報を表
示することを実現する。これにより、ドライバは、この
最適な運転情報の指示通りに運転していくことで、バッ
テリ切れを心配することなく目的地に到達することが可
能になるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明を具備する電気自動車の装置構成図であ
る。
【図3】最適運転情報算出装置のシステム構成図であ
る。
【図4】最適運転情報算出プログラムの処理フローの一
実施例である。
【図5】最適速度/最適消費電力の算出処理の説明図で
ある。
【図6】最適速度の表示方法の一実施例である。
【図7】バッテリの放電特性の説明図である。
【図8】対応関係データの一例である。
【図9】バッテリ残量算出処理の処理フローである。
【図10】本発明を具備するソーラカーの装置構成図で
ある。
【符号の説明】
1 バッテリ搭載走行体 10 バッテリ 11 モータ 12 速度検出手段 13 消費電力検出手段 14 バッテリ残量検出手段 15 第1の決定手段 16 第2の決定手段 17 特定手段 18 表示制御手段 19 表示手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60L 3/00 B60L 11/00 - 11/18 B60L 15/00 - 15/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最適運転情報を表示する機能を持つバッ
    テリ搭載走行体であって、 走行環境をパラメータとして含んで、該走行環境下での
    バッテリ搭載走行体の取り得る速度と消費電力との対応
    関係を関係付ける第1の特性式に、バッテリ搭載走行体
    の速度及び消費電力の検出値を代入して現時点の走行環
    境を決定していくことで、現走行環境下での該第1の特
    性式の数式形態を決定する第1の決定手段(15)と、 目的地までの距離と目的地までに使えるバッテリ量とを
    パラメータとして含んで、該距離を該バッテリ量でもっ
    て走行可能とするバッテリ搭載走行体の速度と消費電力
    との対応関係を関係付ける第2の特性式に、目的地まで
    の距離と目的地までに使えるバッテリ量とを代入するこ
    とで、現時点での該第2の特性式の数式形態を決定する
    第2の決定手段(16)と、 上記第1の決定手段(15)の決定する第1の特性式と、上
    記第2の決定手段(16)の決定する第2の特性式との交点
    を特定していくことで、バッテリ搭載走行体の取るべき
    最適速度と最適消費電力の双方又はいずれか一方を特定
    する特定手段(17)と、 上記特定手段(17)の特定するバッテリ搭載走行体の最適
    速度と最適消費電力の双方又はいずれか一方を表示手段
    (19)に表示する表示制御手段(18)とを備えることを、 特徴とするバッテリ搭載走行体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のバッテリ搭載走行体にお
    いて、 第2の決定手段(16)は、バッテリ搭載走行体が発電装置
    を持つ場合には、該発電装置の発電量に従って第2の特
    性式の数式形態を補正していくよう処理することを、 特徴とするバッテリ搭載走行体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のバッテリ搭載走行
    体において、 表示制御手段(18)は、最適値の表示にあたって、該最適
    値を実際の測定値に対応付けて表示していくよう処理す
    ることを、 特徴とするバッテリ搭載走行体。
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