JP2772186B2 - 取引ポイント処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータに対し複
数の接続されたＰＯＳシステムの取引ポイント処理装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、磁気カードなどを用い顧客に取り
引き金額に対応したポイントをサービスすることで顧客
の誘引を図り、同時に顧客の購買情報を収集する顧客管
理システムが量販店を中心に普及しつつある。

【０００３】そして、従来の顧客管理システムは、コン
ピュータに蓄積された顧客の取り引きデータを一定期間
毎にポイント集計し、郵送などの手段でスタンプや商品
券などを顧客に手渡すバッチ処理が行なわれてきた。

【０００４】しかしながら、バッチ処理を行なう場合に
は、スタンプなどを郵送しなければならず、郵送の費用
が発生し、また時間的な遅延が生ずるために顧客誘引の
効果が得られにくい。

【０００５】さらに、このようなバッチ処理を回避する
ためにＰＯＳシステムにカードリーダライタを設置し、
磁気カードに取引ポイントを書き込む方法が行なわれて
いる。すなわち、カードリーダライタで磁気カードの取
引ポイント残高を読み取り、ＰＯＳシステムに連動して
新たな取引ポイントを発行し、この発行された取引ポイ
ントを加算して新たな取引ポイント残高を磁気カードに
書き込むものである。そして、この方法によれば、顧客
のカードに取引ポイント残高が記載されているので、傘
下のいずれのチェーン店においてもカードを使用するこ
とができ、また、リアルタイムでスタンプや商品券など
を顧客に手渡す処理を行なうなどの取引ポイントリアル
タイム処理が可能となる。

【０００６】ところが、この方法による場合には、磁気
カードに記載されている取引ポイント残高が、顧客の取
引ポイント残高の唯一の記録となり、カードを紛失した
場合、あるいは、カードの記録が事故により消失した場
合には、取引ポイント残高を再生することができず、顧
客に不利益になる。また、ＰＯＳレジと同数のカードリ
ーダーライターの設置を必要とするために設備投資がか
さむ。

【０００７】一方、キャッシュカードなどと同様に磁気
カードを顧客コードを読み取るＩＤカードとして用い、
取引ポイントをコンピュータでリアルタイム処理する方
法も実施されている。そして、このようにコンピュータ
で取引ポイントをリアルタイム処理する場合には、ＰＯ
Ｓシステムなどを顧客データ収集手段として用いるの
で、カードリーダライタなどの新規な設備が不要で、取
引ポイントの残高が消失するおそれもかなり低いので、
顧客にとっても便利である。

【０００８】ところが、チェーン店全店で取引ポイント
の残高を更新し、リアルタイムにスタンプや商品券など
を顧客に渡す処理を行なうには、チェーン店全店の顧客
を一括管理する本部の大型コンピュータと、各店毎のＰ
ＯＳシステムを専用回線で結ぶ必要がある。したがっ
て、大型コンピュータの設備投資と専用回線の維持およ
び交信のランニングコストがかさみ、また、リアルタイ
ム処理の交信時間が掛かるので、顧客毎の商品登録処理
が長くなる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上述のように、バッチ
処理による場合には、郵送などの費用が発生し、また時
間的な遅延が生じるために取引ポイントの顧客誘引効果
が得られにくい。

【００１０】また、磁気カードに取引ポイントを書き込
む方法の場合には、カードを紛失した場合、あるいは、
カードの記録が事故により消失した場合には、ポイント
残高を再生することができず、さらにカードリーダーラ
イターの設備投資コストがかさむ。

【００１１】さらに、キャッシュカードなどと同様にカ
ードを顧客コードを読み取るＩＤカードとして用い、取
引ポイントを本部のホストコンピュータでリアルタイム
処理する方法の場合、本部のコンピュータ設備投資コス
トに加え専用回線の維持および交信のランニングコスト
がかさみ、また、取引ポイント更新処理の交信時間が掛
かるなどの問題を有している。

【００１２】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、簡単な構成で容易にリアルタイムの顧客管理を行な
え、かつ、取引ポイントバッチ処理も時間的遅れを小さ
く処理することができる取引ポイント処理装置を提供す
ることを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は、コンピュータ
に対して複数のＰＯＳシステムの取引ポイント処理装置
において、前記ＰＯＳシステムは、カードの内容を読み
取るカード読取手段と、このカード読取手段で読み取ら
れた内容に基づきカードの登録店が自己であるか他であ
るかを識別するカード登録店識別手段と、このカード登
録店識別手段でカードの登録店が自己である場合にカー
ドの取引ポイントリアルタイム更新処理を行なう自店登
録カードリアルタイム更新手段と、前記カード識別手段
でカードの登録店が他である場合に他店登録カード取引
ポイントデータを蓄積する他店登録カード取引ポイント
データ蓄積手段と、この他店登録カード取引ポイントデ
ータ蓄積手段に蓄積された取引ポイントデータを前記コ
ンピュータに伝達する上りデータ伝達手段と、コンピュ
ータから伝達される自店登録カード顧客が他店で取得し
た取引ポイントデータを入力する下りデータ入力手段
と、この取引ポイントデータに基づいて自店登録カード
顧客の取引ポイントをバッチ更新処理する自店登録カー
ドバッチ更新手段と、を備え、前記コンピュータは、Ｐ
ＯＳシステムの上りデータ伝達手段からの他店登録カー
ド取引ポイントデータを入力する上りデータ入力手段
と、この上りデータ入力手段で入力された他店登録カー
ド取引ポイントデータを各カード登録店毎に仕分けする
取引ポイントデータ店別仕分手段と、この取引ポイント
データ店別仕分手段で仕分けされた取引ポイントデータ
を各カード登録店毎に伝達する下りデータ伝達手段とを
備えたものである。

【００１４】

【作用】本発明は、ＰＯＳシステムのカード読取手段で
カードの内容を読み取り、このカード読取手段で読み取
られた内容に基づきカードの登録店が自己であるか他で
あるかをカード登録店識別手段で識別し、このカード登
録店識別手段でカードの登録店が自己である場合に自店
登録カードリアルタイム更新処理手段でカードの取引ポ
イントリアルタイム更新処理を行なう。カード識別手段
でカードの登録店が他である場合には他店登録カード取
引ポイント蓄積手段に他店登録カードの取引ポイントデ
ータを蓄積し、この他店登録カード取引ポイントデータ
蓄積手段に蓄積された他店登録カード取引ポイントデー
タを上りデータ伝達手段でコンピュータに伝達し、コン
ピュータの上りデータ入力手段でＰＯＳシステムからの
他店登録カード取引ポイントデータを入力し、この上り
データ入力手段で入力された他店登録カード取引ポイン
トデータを取引ポイントデータ店別仕分手段で各店毎に
仕分けする。この取引ポイントデータ店別仕分手段で仕
分けされた取引ポイントデータを下りデータ伝達手段で
各店毎に伝達し、ＰＯＳシステムでコンピュータから伝
達された自店登録カード顧客が他店で取得した取引ポイ
ントを下りデータ入力手段で入力し、自店登録カードバ
ッチ更新処理手段で自店登録カードの取引ポイントをバ
ッチ更新する。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の取引ポイント処理装置の一実
施例を図面を参照して説明する。

【００１６】図１に示すように、本部コンピュータとし
てのコンピュータ１に、複数の店舗ＰＯＳ（ポイント・
オン・セールス）システムとしてのＰＯＳシステム２が
接続されている。

【００１７】そして、これらＰＯＳシステム２には、磁
気カードＣに記録されている、カードの持主、登録店あ
るいは発行企業などの顧客ＩＤデータを読み取る磁気カ
ード読取手段３が接続されている。磁気カード読取手段
３には、この磁気カード読取手段３で読み取られた内容
に基づきカード登録店を識別するカード登録店識別手段
４が接続されている。

【００１８】また、キーボードあるいはバーコード読取
装置などの商品登録手段５には、この商品登録手段５で
登録された取引金額に基づき取引ポイントを計算する取
引ポイント計算手段６が接続され、この取引ポイント計
算手段６はカード登録店識別手段４に接続されている。

【００１９】さらに、カード登録店識別手段４には、自
店の登録カードであると識別された場合に自店の登録カ
ードのポイントのリアルタイム更新処理を行なう自店登
録カードリアルタイム更新手段７が接続されている。そ
して、この自店登録カードリアルタイム更新手段７に
は、あらかじめ設定されたポイント数に達した取引ポイ
ントを顧客に受渡す設定ポイント受渡手段８が接続され
るとともに、発行された取引ポイントの明細を印字し顧
客に知らせる取引ポイント発行印字手段９が接続されて
いる。さらに、カード登録店識別手段４には、他店の登
録カードと識別されたカードに対し発行された他店登録
カードの取引ポイント、会員番号、登録店のデータを蓄
積する他店登録カード取引ポイントデータ蓄積手段10が
接続され、この他店登録カード取引ポイントデータ蓄積
手段10には取引ポイント発行印字手段９も接続されてい
る。

【００２０】また、自店登録カードリアルタイム更新手
段７には、本部コンピュータから伝達される自店の登録
カード顧客が他店で取得した取引ポイントデータにより
自店登録カードの取引ポイントをバッチ更新処理する自
店登録カードバッチ更新手段11が接続されている。

【００２１】そして、他店登録カード取引ポイントデー
タ蓄積手段10には、他店で登録されているカードの取引
ポイントデータをコンピュータに伝達する上りデータ伝
達手段としての取引ポイントデータバッチ伝達手段12が
接続され、自店登録カードバッチ更新手段11にはコンピ
ュータ１から伝達される自店登録カードに対して他店で
発行された取引ポイントを入力する下りデータ入力手段
としての取引ポイントデータバッチ入力手段13が接続さ
れている。

【００２２】一方、コンピュータ１は店舗ＰＯＳシステ
ム２の取引ポイントデータバッチ伝達手段12からの他店
登録カード取引ポイントデータを入力する上りデータ入
力手段としての他店登録カードポイントデータバッチ入
力手段14を有し、この他店登録カードポイントデータバ
ッチ入力手段14には、取引ポイントデータをカード登録
店別に仕分けする取引ポイントデータ店別仕分手段15が
接続され、この取引ポイントデータ店別仕分手段15には
店別に仕分けされた取引ポイントデータを伝達する下り
データ伝達手段としての取引ポイントデータバッチ伝達
手段16が接続されている。

【００２３】次に、上記実施例の動作について図２ない
し図４に示すフローチャートを参照して説明する。

【００２４】まず、図２に示すように、商品登録手段５
で商品を登録し（ステップ１）、次に、磁気カードＣを
磁気カード読取手段３に挿入し、カードの持ち主、およ
び、カードの登録店名などの顧客ＩＤデータを読み取る
（ステップ２）。この状態で、商品登録手段５などに設
けられている現計キーなどを操作し（ステップ３）、取
引ポイント計算手段６で商品の買い上げ金額に対応する
取引ポイントを計算する（ステップ４）。

【００２５】次に、挿入されたカードが自己の店舗で登
録されたカードであるか否かを判断し（ステップ５）、
自己の店舗で登録されたカードであると判断すると、顧
客マスターがあるか否かを判断し（ステップ６）、顧客
マスターがある場合には自店登録カードリアルタイム更
新手段７で取引ポイント残高をリアルタイム更新する
（ステップ７）。

【００２６】そして、更新された取引ポイント残高があ
らかじめ設定されている所定ポイント数をオーバしたか
否かを判断し（ステップ８）、取引ポイント残高が設定
ポイント数をオーバした場合スタンプなどを顧客に受渡
す指示を行なう（ステップ９）、設定ポイント受渡し手
段８でスタンプなどの受渡処理を行ない（ステップ1
0）、自店登録カードリアルタイム更新手段７により顧
客マスターの取引ポイントを更新する（ステップ11）。
その後、取引ポイント発行印字手段９により、取引ポイ
ント残高などを印字し（ステップ12）、終了する。

【００２７】また、ステップ８で設定取引ポイントがオ
ーバしていないと判断したときは、ステップ12に進む。

【００２８】さらに、ステップ６で顧客マスターがない
と判断したときは、取引ポイント発行印字手段９で当日
発行の取引ポイントを印字し（ステップ13）、未登録カ
ードファイルに出力し終了する（ステップ14）。

【００２９】またさらに、ステップ５で自己の店舗で登
録されたカードでないと判断された場合は、取引ポイン
ト発行印字手段９で当日発行の取引ポイントのみを印字
し（ステップ15）、他店登録カード取引ポイントデータ
蓄積手段10で、取引ポイントデータを蓄積し（ステップ
16）、終了する。

【００３０】次に、コンピュータ１の処理について、図
３に示すフローチャートを参照して説明する。

【００３１】たとえば１日１回閉店後に店舗ＰＯＳシス
テム２の取引ポイントデータバッチ伝達手段12から、他
店登録カードポイントデータ蓄積手段10に蓄積されてい
る取引ポイント、会員番号、登録店などの他店登録カー
ド取引ポイントデータを伝達すると、まず、コンピュー
タ１では、他店登録カードポイントデータバッチ入力手
段14で入力する（ステップ21）。そして、入力した取引
ポイントデータを取引ポイントデータ店別仕分手段15で
登録店別に仕分けし（ステップ22）、取引ポイントデー
タ店別伝達ファイルを作成し（ステップ23）、たとえば
１日１回開店前に取引ポイントデータバッチ伝達手段16
で各店に伝達処理する（ステップ24）。

【００３２】そして、この情報を伝達された店舗ＰＯＳ
システム２の動作を、図４に示すフローチャートを参照
して説明する。

【００３３】まず、コンピュータ１の取引ポイントデー
タバッチ伝達手段16で伝達された取引ポイントデータを
取引ポイントデータバッチ入力手段13で入力する（ステ
ップ31）。そして、この入力された取引ポイントデータ
に該当する顧客マスターがあるか否かを判断し（ステッ
プ32）、顧客マスターがある場合には自店登録カードバ
ッチ更新手段11でカード毎の取引ポイント残高をバッチ
更新処理し（ステップ33）、入力データが終了したか否
かを判断し（ステップ34）、終了でない場合にはステッ
プ32に戻り、終了の場合には終了する。一方、ステップ
32で顧客マスターがないと判断された場合には、エラー
リストを出力し、ステップ34に進む。

【００３４】上記実施例によれば、来店客の大半を占め
る自己の店舗で登録されたカードの場合には、店舗ＰＯ
Ｓシステム２で取引ポイントをリアルタイム処理し、例
外的に発生する他店で登録されたカードの場合には、コ
ンピュータ１を介して例えば一次バッチ更新処理を行な
うため、簡単な構成で高水準の取引ポイントリアルタイ
ム処理を実現し他店で登録されたカードの取引ポイント
も時間的遅れを小さくバッチ更新処理できる。

【００３５】

【発明の効果】本発明の取引ポイント処理装置によれ
ば、カードの登録店が自己であるか他であるかをカード
登録店識別手段で識別し、カードの登録店が自己である
場合には、自店登録カード処理手段で取引ポイントをリ
アルタイム更新処理し、カードの登録店が他である場合
には、取引ポイントデータを蓄積し、この蓄積された取
引ポイントデータを上りデータ伝達手段でコンピュータ
に入力し、上りデータ入力手段で入力された取引ポイン
トデータを取引ポイントデータ仕分手段で各カード登録
店毎に仕分けし、下りデータ伝達手段で各ＰＯＳシステ
ムに伝達して、取引ポイントのバッチ更新処理を行なう
ので、簡単な構成で容易にリアルタイム顧客管理を行な
え、かつ、他店登録カードの取引ポイントについても時
間的遅れを小さくバッチ更新処理することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の取引ポイント処理装置の一実施例を示
すブロック図である。

【図２】ＰＯＳシステムの動作を示すフローチャートで
ある。

【図３】コンピュータの動作を示すフローチャートであ
る。

【図４】ＰＯＳシステムの動作を示すフローチャートで
ある。

【符号の説明】

１ コンピュータ ２ ＰＯＳシステム ３ 磁気カード読取手段 ４ カード登録店識別手段７ 自店登録カードリアルタイム更新手段 10 他店登録カード取引ポイントデータ蓄積手段 12 上りデータ伝達手段としての取引ポイントデータ
バッチ伝達手段 13 下りデータ入力手段としての取引ポイントデータ
バッチ入力手段 14 上りデータ入力手段としての他店登録カードポイ
ントデータバッチ入力手段 15 取引ポイントデータ店別仕分手段 16 下りデータ伝達手段としての取引ポイントデータ
バッチ伝達手段 Ｃ 磁気カード

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンピュータに対して複数のＰＯＳシス
   テムの取引ポイント処理装置において、 前記ＰＯＳシステムは、 カードの内容を読み取るカード読取手段と、 このカード読取手段で読み取られた内容に基づきカード
   の登録店が自己であるか他であるかを識別するカード登
   録店識別手段と、 このカード登録店識別手段でカードの登録店が自己であ
   る場合にカードの取引ポイントリアルタイム更新処理を
   行なう自店登録カードリアルタイム更新手段と、 前記カード識別手段でカードの登録店が他である場合に
   他店登録カード取引ポイントデータを蓄積する他店登録
   カード取引ポイントデータ蓄積手段と、 この他店登録カード取引ポイントデータ蓄積手段に蓄積
   された取引ポイントデータを前記コンピュータに伝達す
   る上りデータ伝達手段と、 コンピュータから伝達される自店登録カード顧客が他店
   で取得した取引ポイントデータを入力する下りデータ入
   力手段と、 この取引ポイントデータに基づいて自店登録カード顧客
   の取引ポイントをバッチ更新処理する自店登録カードバ
   ッチ更新手段と、を備え、 前記コンピュータは、 ＰＯＳシステムの上りデータ伝達手段からの他店登録カ
   ード取引ポイントデータを入力する上りデータ入力手段
   と、 この上りデータ入力手段で入力された他店登録カード取
   引ポイントデータを各カード登録店毎に仕分けする取引
   ポイントデータ店別仕分手段と、 この取引ポイントデータ店別仕分手段で仕分けされた取
   引ポイントデータを各カード登録店毎に伝達する下りデ
   ータ伝達手段とを備えたことを特徴とする取引ポイント
   処理装置。