JP2770827B2 - パスツレラ・ピシシーダの種決定オリゴヌクレオチド - Google Patents

パスツレラ・ピシシーダの種決定オリゴヌクレオチド

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JP2770827B2 JP9030069A JP3006997A JP2770827B2 JP 2770827 B2 JP2770827 B2 JP 2770827B2 JP 9030069 A JP9030069 A JP 9030069A JP 3006997 A JP3006997 A JP 3006997A JP 2770827 B2 JP2770827 B2 JP 2770827B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は魚病菌の種決定遺
伝子DNAに関するものであり、さらに詳細にはパスツ
レラ・ピシシーダの種決定オリゴヌクレオチドおよびそ
れを含有する該菌種の同定用試薬に関するものである
【0002】
【従来の技術】および
【発明が解決しようとする課題】魚病菌による感染症が
養殖場で発生したとき、その原因菌を究明することは魚
病の予防・治療にとって重要なことである。従来、魚病
菌を問わず一般細菌の分類、同定はその形態や生化学的
性状あるいは免疫学的手法を用いた生物学的性状でおこ
なわれてきた。最近、生化学あるいは分子遺伝学の進歩
により、その菌の持つ染色体DNAやRNA、菌体物質
および菌が生産する物質を比較することによる、いわゆ
る化学的性状による分類が行なわれるようになってき
た。しかしながら、生物学的性状あるいは化学的性状に
よる分類法は、最近の分類学にとっては重要であるが、
各々の手法は複雑で時間を費やすために、病魚の原因菌
を簡便かつ迅速に同定するには適していない。
【0003】生物は種によって形態やそれを構成する成
分が異なる。これら種の特徴はその生物の持つ遺伝子に
よって規定されている。細菌においても同様で、種によ
って生化学性状が異なることはそれを規定する遺伝子も
異なっていると考えられる。このような観点から、この
発明者等は養殖場で流行が絶えず、経済的に損失が大き
いビブリオ病及び細菌性類結節症について、それらの原
因菌であるビブリオ・アンギュラルム(Vibrio
anguillarum)およびパスツレラ・ピシシー
ダ(Pasturella piscicida)のみ
が持つ特定遺伝子DNAをそれぞれ見出し、さらにこれ
らの遺伝子DNAから一本鎖の標識したDNAプローブ
を作製して、未知の魚病の病原菌のDNAとハイブリダ
イゼーションさせることで、該菌がビブリオ・アンギュ
ラルムおよびパスツレラ・ピシシーダであるか否かを簡
易かつ迅速に同定できるという知見を得ていた。
【0004】しかし、該DNAプローブの分子量はそれ
ぞれ約0.6Kbpおよび0.8Kbpと大きく(昭和
62年度日本水産学会春季大会講演要旨講演番号404
号参照)、実用化のために工業生産するには合成法では
実質上不可能に近く、遺伝子組替え技術を駆使して醗酵
生産する以外に大量生産の道が考えられず、また生産で
きても抽出・精製等に膨大な費用がかかるなどの問題点
があり、これらを解決する課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明者等は、ビブリ
オ・アンギュラルムあるいはパスツレラ・ピシシーダ菌
によって引起こされる養殖魚の疾病は被害が大きく、該
疾病の早期発見・早期治療ができた養殖家の著しい被害
軽減の事実に鑑み、低コストで大量合成が可能なオリゴ
ヌクレオチドをみつければ、DNAハイブリダイゼーシ
ョン法による迅速同定法を提供できると考えて鋭意研究
に着手した。
【0006】その結果、市販のDNA合成装置でも簡単
に合成が可能な分子量が20mer前後で、シトシン・
グアニン含量の高い部分を、既知のビブリオ・アンギュ
ラルムおよびパスツレラ・ピシシーダのそれぞれの菌に
対応する種決定一本鎖DNAプローブの任意の部位から
選び、低分子のオリゴヌクレオチドを合成した。さら
に、これらのオリゴヌクレオチドを標識して、未知の魚
病菌の一本鎖DNAとハイブリダイゼーションすること
により、このような驚くべき低分子量のオリゴヌクレオ
チドでも、該菌がビブリオ・アンギュラルムまたはパス
ツレラ・ピシシーダであるか否かを簡易かつ迅速に同定
できるという新知見を得、この発明を完成した。また、
一般にシトシン・グアニン含量が高いと自己ハイブリダ
イゼーションによって使用できないことが多いといわれ
ているが、該オリゴヌクレオチドではそのようなことが
なかった。以下に、ビブリオ・アンギュラルムの種決定
オリゴヌクレオチドおよびパスツレラ・ピシシーダの種
決定オリゴヌクレオチドの一般的な製造法を示す。
【0007】この発明者等が先に発見したビブリオ・ア
ンギュラルムおよびパスツレラ・ピシシーダのそれぞれ
の種決定遺伝子のDNAプローブの塩基配列から、それ
ぞれの菌について全体の塩基数が20個前後でシトシン
及びグアニンの塩基数の合計が全体の50%前後になる
配列部分を無作為に選ぶ。なお、ここでいう全体の塩基
数は、必ずしも三の倍数である必要は無い。
【0008】選んだ一本鎖DNAプローブの塩基配列を
正確に読取り、その配列にしたがってアデニン、シトシ
ン、チミン及びグアニンそれぞれに対応する市販の合成
原料を使用して、縮合剤の存在下で配列順に縮合合成す
れば求めるオリゴヌクレオチドが得られる。縮合合成の
方法は、リン酸ジエステル法、リン酸トリエステル法、
クロロホスファイト法及びリン酸アミダイト法など一般
に知られている方法なら何れでもよく、市販のDNA合
成装置を使用してそれぞれの装置の手順書に従って製造
してもよい。また、大量に合成するためにはDNA増幅
技術(ポリメラーゼ・チェイン・リアクション法など)
を併用してもよい。
【0009】この様にして得られた、二種類のビブリオ
・アンギュラルムの種決定オリゴヌクレオチドは次のよ
うな特徴を有する。 (1)該オリゴヌクレオチドの塩基配列はそれぞれ次の
通りである。
【数1】
【0010】(2)ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
により測定した該オリゴヌクレオチドのそれぞれの分子
量は次の通りである。
【数2】
【0011】(3)高速液体クロマトグラフにかけると
き、該オリゴヌクレオチドはそれぞれ次の保持時間に一
本のピークを認める。
【数3】 条件:検出器 紫外吸光光度計(254nm) カラム M&S INSTRUMENTS INC製 品番A104−15 カラム温度 室温 移植相 トリエチルアミン・アセトニトリル混液(95:5) 流量 1,000ml/分 注入量 100μl
【0012】また、三種類のパスツレラ・ピシシーダの
種決定オリゴヌクレオチドは、それぞれ次の特徴を有す
る。 (1)該オリゴヌクレオチドの塩基配列はそれぞれ次の
通りである。
【数4】
【0013】(2)ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
により測定した該オリゴヌクレオチドのそれぞれの分子
量は次の通りである。
【数5】
【0014】(3)高速液体クロマトグラフにかけると
き、該オリゴヌクレオチドはそれぞれ次の保持時間に一
本のピークを認める。
【数6】 条件:検出器 紫外吸光光度計(254nm) カラム M&S INSTRUMENTS INC製 品番A104−15 カラム温度 室温 移植相 トリエチルアミン・アセトニトリル混液(95:5) 流量 1,000ml/分 注入量 100μl
【0015】
【発明の効果】この発明のビブリオ・アンギュラルムの
種決定オリゴヌクレオチドおよびパスツレラ・ピシシー
ダの種決定オリゴヌクレオチドは、それぞれビブリオ・
アンギュラルムおよびパスツレラ・ピシシーダを同定す
るのに有用である。すなわち、適当な標識物で標識した
ビブリオ・アンギュラルムの種決定オリゴヌクレオチド
(同様に、適当な標識物で標識したパスツレラ・ピシシ
ーダの種決定オリゴヌクレオチド)と種未知の魚病菌の
DNAの一本鎖とをハイブリダイゼーションすることに
よって、該種未知の魚病菌がビブリオ・アンギュラルム
であるか否か(同様にして、パスツレラ・ピシシーダで
あるか否か)を同定することができる。
【0016】ここで用いられる標識物としては、通常こ
の分野で用いられる標識物をそのまま使用することがで
き、そのような例としては、放射性同位元素、酵素、螢
光性化合物、生物的発光性化合物、生物学的発色性化合
物等があげられる。
【0017】この発明の、標識物で標識されたビブリオ
・アンギュラルムの種決定オリゴヌクレオチドおよびパ
スツレラ・ピシシーダの種決定オリゴヌクレオチドは、
それぞれのオリゴヌクレオチドと各担体や希釈剤とを含
有するビブリオ・アンギュラルムおよびパスツレラ・ピ
シシーダの同定用の試薬として、また、これらの標識さ
れた種決定オリゴヌクレオチドをそれぞれ含有するキッ
トとして用いることができる。
【0018】
【実施例】
次にこの発明を実施例により説明する。 実施例1(ビブリオ・アンギュラルムの種決定オリゴヌ
クレオチドNo.1および2の製法) 目的の塩基配列に従って、バイオサーチ社製DNA合成
装置サイクロン(SYCLONE)を使用し、その説明
書にしたがって合成した。即ち、装置に下表1に示した
試薬を装填し、目的の塩基配列に従って希望のシーケン
スをキーボードから入力、プレパックされたCPG支持
体(0.2μmol)からなるショートフラグメント用
ディスポーザル反応カラムを装填し、自動運転した。
【0019】反応終了後、カラムを取外し市販の28%
アンモニア水で洗浄して、合成されたオリゴヌクレオチ
ド混入アンモニア水を集め、55℃で一晩放置した。放
置後、常法に従ってアンモニアを揮発蒸散させ、減圧濃
縮し、乾燥させた。これらを、100−200μlの蒸
留水に溶解し、ニトロセルロースフィルターで濾過し
た。次いで、液体クロマトグラム法により精製し、求め
るオリゴヌクレオチドを得た。
【0020】なお、合成した二つのオリゴヌクレオチド
をそれぞれポリアクリルアミドゲル電気泳動法で分子量
を測定すると、オリゴヌクレオチドNo.1は23me
rおよびオリゴヌクレオチドNo.2は20merの部
分にのみ一本の明瞭なバンドを形成した(図)。また、
トリエチルアミン・アセトニトリル(95:5)に展開
して液体クロマトグラムにかけたとき、オリゴヌクレオ
チドNo.1およびオリゴヌクレオチドNo.2はそれ
ぞれ保持時間10.6分および12.7分のところに一
つのピークのみを認め、合成したいずれのオリゴヌクレ
オチドも単一の生成物であった。
【0021】
【表1】
【0022】実施例2(パスツレラ・ピシシーダの種決
定オリゴヌクレオチドNo.3,No.4およびNo.
5の製法) 目的の塩基配列に従って、バイオサーチ社製DNA合成
装置サイクロン(SYCLONE)を使用し、その説明
書にしたがって合成した。即ち、装置に実施例1の表1
に示した試薬を装填し、選んだ塩基配列に従って希望の
シーケンスをキーボードから入力、プレパックされたC
PG支持体(0.2μmol)からなるショートフラグ
メント用ディスポーザル反応カラムを装填し、自動運転
した。
【0023】反応終了後、カラムを取外し市販の28%
アンモニア水で洗浄して、合成されたオリゴヌクレオチ
ド混入アンモニア水を集め、55℃で一晩放置した。放
置後、常法に従ってアンモニアを揮発蒸散させ、減圧濃
縮し、乾燥させた。これらを、100−200μlの蒸
留水に溶解し、ニトロセルロースフィルターで濾過し
た。次いで、液体クロマトグラム法により精製し、求め
るオリゴヌクレオチドを得た。
【0024】なお、合成した三つのオリゴヌクレオチド
をそれぞれポリアクリルアミドゲル電気泳動法で分子量
を測定すると、オリゴヌクレオチドNo.3,オリゴヌ
クレオチドNo.4およびオリゴヌクレオチドNo.5
はそれぞれ21merの部分にのみ一本の明瞭なバンド
を形成した(図)。また、トリエチルアミン・アセトニ
トリル混液(95:5)に展開して液体クロマトグラム
にかけたとき、オリゴヌクレオチドNo.3,オリゴヌ
クレオチドNo.4およびオリゴヌクレオチドNo.5
はそれぞれ保持時間11.8分,11.3分および1
2.1分のところに一つのピークのみを認め、合成した
いずれのオリゴヌクレオチドも単一の生成物であった。
【0025】実施例3(DNAハイブリダイゼーション
法によるビブリオ・アンギュラルムの同定) (被験菌株のDNA液の調整)表2に示したように各種
の魚病菌の標準株および野外分離株を準備し、それぞれ
の菌種について表2に記載した培地各10mlに一夜培
養した菌液を得た。得られた培養菌液を6,000rp
mで10分間遠心して、上澄液を捨て、それぞれの沈殿
菌体にトリス・HCl(pH8.0)とEDTAをそれ
ぞれ50mM含有する溶液0.5mlを加えた。これら
の菌体を含む溶液を−20℃で凍結した後、0.25M
トリス・HCl(pH8.0)にリゾチーム(和光純薬
製)10mg/mlを溶解した溶液を0.2ml加え
た。これらを室温に放置して解凍した後、氷冷下で45
分間反応させた。次にSTEP溶液(プロテナーゼKl
mg/ml,0.5% ドデシル硫酸ナトリウム(SD
S),50mMトリス・HCl(pH7.5),0.4
M EDTA)を0.4ml加え、時々撹拌しながら5
0℃で60分間反応させた。
【0026】反応後、TEフェノール2.4mlを加え
て、6,000rpmで15分間遠心し、上澄液を得
た。これらの上澄液に10分の1量の3M酢酸ナトリウ
ムを入れ、さらに2倍量のエタノールを加え、核酸混合
物を沈殿させた。該沈殿物を細いガラス棒に巻きつける
ようにして分取し、トリス・HCl(pH7.5)50
mMとEDTA 1mMを含有する液2.5mlに溶解
し、50μlのRNase(シグマ社製)10mg/m
l溶液を加え、4℃で一晩静置した。静置後、等量のク
ロロホルムを加えて良く混合した上で、6000rpm
で15分間遠心し、上澄液を分取した。これらに、10
分の1量の3M酢酸ナトリウムと2倍量のエタノールを
加え混合し、染色体DNAを沈殿させた。沈殿した染色
体DNAは細いガラス棒に巻きつけるようにして分取し
た後、トリス・HCl(pH7.5)50mMとEDT
A 1mMを含有する液1mlを加えて4℃で保存し
た。
【0027】
【表2】
【0028】(標識プローブDNAの作製)実施例1で
得られた二種類のビブリオ・アンギュラルムの種決定オ
リゴヌクレオチドNo.1およびオリゴヌクレオチドN
o.2のそれぞれの5’側末端をγ 32P(NEN社)に
より標識(Molecular Cloningに記
載、Cold Spring HarbarLabor
atory)し、標識化合物を作製した。
【0029】(DNA−DNA ドット ハイブリダイ
ゼーション)先に作製した被験菌の染色体DNA液を1
00℃で5分間加熱し、氷水で急冷した後、分画したニ
トロセルロースフィルター上にそれぞれプロットし、良
く乾燥させた後、80℃で2時間熱処理を加えた。この
様にして作製したニトロセルロースフィルターをハイブ
リダイゼーション液20ml{50%(v/v)ホルム
アミド、5xSSC(0.75M NaCl−0.75
M クエン酸ナトリウムpH7.0)、0.1% SD
S,0.1mM EDTA,Denhardt(0.1
% Ficoll−Polyvinylpyrroli
done−0.1% Bovine serum al
bumin)}および10mg/mlの超音波処理した
サケ精子500μlと一緒にポリ袋中に入れ、ポリ袋の
口を熱シールし、48時間65℃で保温した。保温後、
ニトロセルロースフィルターを取り出し、ガラス容器に
移して洗浄液(30mM クエン酸ナトリウムpH7.
0、0.03MNaCl−0.1%SDS)に浸し、4
2℃で1時間洗浄を3回繰返した。次に、30mM ク
エン酸ナトリウム−0.03M NaCl溶液で42℃
で1時間洗浄し、風乾した。暗室中で、乾燥したニトロ
セルロースフィルターと写真印画紙とを重ね合わせ、遮
光できる袋の中に入れ、24時間放置した後、現像して
ハイブリダイゼーションの有無を確認した。
【0030】その結果、表3に示したようにオリゴヌク
レオチドNo.1およびオリゴヌクレオチドNo.2共
に、ビブリオ・アンギュラルムから取り出した染色体D
NAとだけハイブリダイズし、他の菌の染色体DNAと
はハイブリダイズしなかった。
【0031】
【表3】
【0032】実施例4(DNAハイブリダイゼーション
法によるパスツレラ・ピシシーダの同定) (被験菌株のDNA液の調整)表4に示したように各種
の魚病菌の標準株および野外分離株を準備し、それぞれ
の菌種について表4に記載した培地各10mlに一夜培
養した菌液を得た。得られた培養菌液を6,000rp
mで10分間遠心して、上澄液を捨て、それぞれの沈殿
菌体にトリス・HCl(pH8.0)とEDTAをそれ
ぞれ50mM含有する溶液0.5mlを加えた。これら
の菌体を含む溶液を−20℃で凍結した後、0.25M
トリス・HCl(pH8.0)にリゾチーム(和光純薬
製)10mg/mlを溶解した溶液を0.2ml加え
た。
【0033】これらを室温に放置して解凍した後、氷冷
下で45分間反応させた。次にSTEP溶液(プロテナ
ーゼK 1mg/ml,0.5% SDS,50mMト
リス・HCl(pH7.5),0.4MEDTA)を
0.4ml加え、時々撹拌しながら50℃で60分間反
応させた。反応後、TEフェノール2.4mlを加え
て、6,000rpmで15分間遠心し、上澄液を得
た。これらの上澄液に10分の1量の3M酢酸ナトリウ
ムを入れ、さらに2倍量のエタノールを加え、核酸混合
物を沈殿させた。該沈殿物を細いガラス棒に巻きつける
ようにして分取し、トリス・HCl(pH7.5)50
mMとEDTA 1mMを含有する液2.5mlに溶解
し、50μlのRNase(シグマ社製)10mg/m
l溶液を加え、4℃で一晩静置した。静置後、等量のク
ロロホルムを加えて良く混合した上で、6,000rp
mで15分間遠心し、上澄液を分取した。これらに、1
0分の1量の3M酢酸ナトリウムと2倍量のエタノール
を加え混合し、染色体DNAを沈殿させた。沈殿した染
色体DNAは細いガラス棒に巻きつけるようにして分取
した後、トリス・HCl(pH7.5)50mMとED
TA 1mMを含有する液1mlを加えて4℃で保存し
た。
【0034】
【表4】
【0035】(標識プローブDNAの作製)実施例2で
得られた三種類のパスツレラ・ピスシシーダの種決定オ
リゴヌクレオチドNo.3,オリゴヌクレオチドNo.
4およびオリゴヌクレオチドNo.5のそれぞれの5’
側末端をγ32P(NEN社)により標識(前出)し、標
識化合物を作製した。 (DNA−DNA ドット ハイブリダイゼーション)
先に作製した被験菌の染色体DNA液を100℃で5分
間加熱し、氷水で急冷した後、分画したニトロセルロー
スフィルター上にそれぞれプロットし、良く乾燥させた
後、80℃で2時間熱処理を加えた。
【0036】この様にして作製したニトロセルロースフ
ィルターをハイブリダイゼーション液20ml{50%
(v/v)ホルムアミド、5xSSC(0.75MNa
Cl−0.75Mクエン酸ナトリウムpH7.0)、
0.1%SDS,0.1mMEDTA,Denhard
t(0.1%Ficoll−Polyvinylpyr
rolidone−0.1%Bovine serum
albumin)および10mg/mlの超音波処理
したサケ精子500μlと一緒にポリ袋中に入れ、ポリ
袋の口を熱シールし、48時間65℃で保温した。保温
後、ニトロセルロースフィルターを取り出し、ガラス容
器に移して洗浄液(30mMクエン酸ナトリウムpH
7.0、0.03MNaCl−0.1%SDS)に浸
し、42℃で1時間洗浄を3回繰返した。次に、30m
Mクエン酸ナトリウム−0.03MNaClで42℃で
1時間洗浄し、風乾した。
【0037】暗室中で、乾燥したニトロセルロースフィ
ルターとX線フィルムとを重ね合わせ、遮光できる袋の
中に入れ、24時間放置した後、現像してハイブリダイ
ゼーションの有無を確認した。その結果、表5に示した
ようにオリゴヌクレオチドNo.3,オリゴヌクレオチ
ドNo.4およびオリゴヌクレオチドNo.5共に、パ
スツレラ・ピスシシーダから取り出した染色体DNAと
だけハイブリダイズし、他の菌の染色体DNAとはハイ
ブリダイズしなかった。
【0038】
【表5】
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】 オリゴヌクレオチドNos1−5のポリアク
リアミドゲル電気泳動の結果を、pBR322を制限酵
素HpaIIで切断したものを指標にして示したもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/569 G01N 33/569 F (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C12Q 1/04,1/68 G01N 33/53,33/566,33/569 BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次のような塩基配列からなるパスツレラ
    ・ピシシーダの種決定オリゴヌクレオチド:GCACTACGAA
    TGTGAAAACCC,GGTGACACATCGACTACTGCAまたはCTTGTGGAGTA
    ATGCTGACAG
JP9030069A 1997-02-14 1997-02-14 パスツレラ・ピシシーダの種決定オリゴヌクレオチド Expired - Lifetime JP2770827B2 (ja)

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