JP2769822B2 - 擦傷防止用トップコート塗料及びその塗膜 - Google Patents

擦傷防止用トップコート塗料及びその塗膜

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JP2769822B2 JP63296946A JP29694688A JP2769822B2 JP 2769822 B2 JP2769822 B2 JP 2769822B2 JP 63296946 A JP63296946 A JP 63296946A JP 29694688 A JP29694688 A JP 29694688A JP 2769822 B2 JP2769822 B2 JP 2769822B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は優れた耐擦傷性を有するクリヤー塗膜を形成
し得る擦傷防止用トップコート塗料及びその塗膜に関
し、特に、濃色のソリッドカラー、メタリックカラー、
マイカカラー等のベースコートを有する自動車等のトッ
プコートに用いるのに適するクリヤー塗料及びそのクリ
ヤー塗膜に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
自動車等の塗装は一般に下塗り、中塗り及び上塗りか
らなるが、特に高級感や深みのある色感を出す場合に
は、上塗りを2コート1ベーク又は2コート2ベーク方
式により二層に形成し、トップコートをいわゆるクリヤ
塗装とするのが一般的である。
ところで上塗りのベースコートとしては種々の色調の
ものがあるが、マンセルカラーチャートの明度がN−3
以下の濃度のソリッドカラー、メタリックカラー、マイ
カカラー等の場合、トップコート表面の擦傷が目立ちや
すいという傾向を有する。特に自動洗車機により洗車し
た場合に、トップコート表面についた擦傷による乱反射
が著しいために、自動車等の塗膜の美観が損なわれると
いう問題がある。そこで、これを防ぐ方法として、ベー
スコートの明度を上げて反射率を大きくしたり、色相変
更等を行うことにより、傷を目立ちにくくすることが考
えられるが、濃色の塗装に対しては、これらの方策は何
ら解決策とならない。
以上に鑑み、耐擦傷性を有する塗膜に関して、種々の
提案がなされている。
例えば特開昭60−67516号は、(A)ε−カプロラク
トン変性ビニルモノマー5〜70重量%と他のラジカル共
重合性不飽和モノマー95〜30重量%とを共重合して得ら
れるガラス転移温度−50〜20℃、酸価2〜50及び水酸基
価20〜200のアクリル樹脂、(B)30モル%以上の飽和
脂環族多塩基酸を含有し、二塩基酸比(多塩基酸の総モ
ル数/多価アルコールの総モル数)と多価アルコール中
の炭素数3以上のグリコール成分のモル数とが所定の関
係を満たすオイルフルーポリエステル、(C)油長5〜
50%及び水酸基価40〜200のアルキド樹脂、及び(D)
架橋剤からなる上塗り塗料組成物を開示している。この
上塗り塗料組成物は、ε−カプロラクトン変性ビニルモ
ノマーを共重合してなる耐擦傷性及び耐ワックスがけ性
に優れたアクリル樹脂を含有するため、得られる塗膜は
高弾性化しており、耐擦傷性が向上している。しかし、
この上塗り塗料組成物により形成される塗膜の硬度及び
耐擦傷性は、トップコート用として十分なレベルに達し
ていない。
さらに、特開昭63−86762号は、(A)酸原料中30〜7
0重量%が脂肪族二塩基酸であり、1分子当り平均2.5〜
3.5個の水酸基を有し、かつ数平均分子量が500〜1,500
であるポリエステルポリオール、(B)ポリイソシアネ
ート、及び(C)錫系ウレタン化触媒を必須成分として
含有し、(A)と(B)との比率が水酸基とイソシアネ
ート基の当量比で0.5〜2.0:1の範囲にある耐擦傷性塗料
組成物を開示している。しかしこの耐擦傷性塗料組成物
は、抗張力が250〜300kg/cm2と低く、伸び率が200〜350
%と高いために、自動洗車機による洗車の場合には耐擦
傷性は良好であるが、塗膜が軟らかいためポリッシュで
は深い傷がつきやすい(堅ろう度が低い)。しかも、自
動車鋼板用塗膜としては強度不足である。
従って本発明の目的は、十分な硬度及び強度を有する
とともに耐擦傷性(堅ろう性及び耐洗車傷性)の優れた
クリヤートップコートを形成することができる塗料を提
供することである。
本発明のもう1つの目的は、かかる耐擦傷性クリヤー
トップコート塗料を濃色のベースコート上に塗装してな
る耐擦傷性塗膜を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、クリ
ヤートップコートとして十分な硬度及び強度を有すると
ともに良好な耐擦傷性を有するためには、塗膜の架橋密
度ばかりでなく伸び率が大きい必要があることに着目
し、塗料組成をアクリル樹脂と水酸基を有するポリエス
テルウレタン樹脂とのブレンド、及びメラミン樹脂を含
むように構成するとともに、アクリル樹脂を、ホモポリ
マーとして低ガラス転移温度の塗膜を形成するアクリル
モノマーを含む組成とすることにより、上記要求を満た
す塗料とすることができることを発見し、本発明を完成
した。
すなわち、本発明の擦傷防止用トップコート塗料は、
アクリル樹脂と、水酸基を有するポリエステルウレタン
樹脂と、メラミン樹脂とを含有し、前記アクリル樹脂と
前記水酸基を有するポリエステルウレタン樹脂との重量
比が95/5〜55/45であり、前記アクリル樹脂と前記水酸
基を有するポリエステルウレタン樹脂とのブレンドが10
〜35の酸価及び120〜150の水酸基価を有し、前記アクリ
ル樹脂を構成するモノマーの内の25〜70重量%がホモポ
リマーとして−10℃以下のガラス転移温度(Tg)を有す
るアクリルモノマーからなり、もって引張りスピード10
%min-1/20℃の条件で測定した伸び率が5〜15%の塗膜
を形成することを特徴とする。
さらに本発明の塗膜は、かかる擦傷防止用トップコー
ト塗料をマンセルカラーチャートの明度がN−3以下の
濃色のベースコート上に塗装してなる擦傷の目立ちにく
い塗膜であることを特徴とする。
本発明を以下詳細に説明する。
本発明に用いるアクリル樹脂は、アクリル酸、メタク
リル酸又はそれらのエステルからなるアクリルモノマー
の一種又は二種以上の重合体で、必要に応じ、エチレン
性不飽和モノマーを含有する。
本発明においてはアクリルモノマーは、ホモポリマー
として低ガラス転移温度Tg(−10℃以下)の塗膜を形成
するアクリルモノマー(以下単に「低Tgのアクリルモノ
マー」という)と、高ガラス転移温度Tgの塗膜を形成す
るアクリルモノマー(以下単に「高Tgのアクリルモノマ
ー」という)とからなる。
低Tgのアクリルモノマーとしては、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル等が挙げられる。上記モノマーのホモポリマー
の塗膜のガラス転移温度(Tg)は以下の通りである。
アクリル酸エチル(EA) −22℃ アクリル酸n−ブチル(n−BA) −54℃ アクリル酸2−エチルヘキシル (2−EHA) −85℃ メタクリル酸ラウリル(LMA) −65℃ アクリル酸2−ヒドロキシエチル (2−HEA) −15℃ 上記ガラス転移温度(Tg)の出典は「塗料用合成樹脂
入門」(高分子刊行会発行)である。
上記低Tgのアクリルモノマーは必須成分であり、含有
量はアクリル樹脂の25〜70重量%である。上記低Tgのア
クリルモノマーの含有量が25重量%未満の場合は目的と
する伸び率が得られず、含有量が70重量%を超えると必
要な抗張力が得られない。好ましい含有量は30〜60重量
%である。
一方高Tgのアクリルモノマーとしては、(A)アクリ
ル酸、メタクリル酸、及び(B)アクリル酸メチル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アク
リル酸のアルキルエステル等が挙げられる。
上記高Tgのアクリルモノマーの含有量はアクリル樹脂
の60重量%以下が好ましい。含有量が60重量%を超える
と、得られる塗膜の伸び率が不十分となる。より好まし
い含有量は20〜40重量%である。
また、アクリル樹脂は上記アクリルモノマーの他にエ
チレン性不飽和モノマーを含有することができる。エチ
レン性不飽和モノマーとしては、マレイン酸、イタコン
酸、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
t−ブチルスチレン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル
等の化合物、及びトリアリルシアヌレート、トリアリル
イソシアヌレート、トリアリルトリメリテート及びジビ
ニルベンゼン等の2個以上のビニル基で置換された芳香
族化合物が挙げられる。これらのモノマーは一種又は二
種類以上用いてもよい。このエチレン性不飽和モノマー
の含有量はアクリル樹脂の35重量%以下が好ましい。含
有量が35重量%を超えると、塗膜の耐侯性が不十分とな
る。より好ましい含有量は5〜25重量%である。
上記エチレン性不飽和モノマーの中で、スチレン、メ
チルスチレン等のスチレンモノマーが好ましく、特にス
チレンが好ましい。スチレンモノマーの含有量はアクリ
ル樹脂の5〜25重量%が望ましい。スチレンモノマーを
含有することにより、特に所定のTgを維持しながら塗料
の伸び率を高くしやすくなる。
本発明におけるアクリル樹脂は自己架橋性である必要
はないが、自己架橋性とする場合には、分子中に2個以
上のラジカル重合性不飽和結合を有するいわゆる架橋性
モノマーを含有させる。分子中に2個以上のラジカル重
合可能な不飽和結合を有する架橋性モノマーとしては、
エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコー
ルジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタク
リレート、テトラエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエ
リスリトールジアクリレート、ペンタエリストールトリ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエ
リスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラメタクリレート、グリセロールジメタクリレー
ト、グリセロールジアクリレート、グリセロールアリロ
キシジメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチ
ルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメ
チルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキ
シメチルエタンジメタクリレート、1,1,1−トリスヒド
ロキシメチルエタントリメタクリレート、1,1,1−トリ
スヒドロキシメチルプロパンジアクリレート、1,1,1−
トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、1,
1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジメタクリレー
ト、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリメタ
クリレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレ
ート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌ
レート等の重合性不飽和化合物が挙げられる。架橋性モ
ノマーはアクリル樹脂の20重量%まで添加することがで
きる。
なお、本発明においてアクリル樹脂はメラミン樹脂に
より架橋されるので、アクリル樹脂の架橋性を表すパラ
メータとして酸価(AV)及び水酸基価(OHV)が重要で
ある。
アクリル樹脂を構成する成分の中で、酸価に寄与する
主な成分はアクリル酸、メタクリル酸等の成分であり、
水酸基価に寄与する成分は、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピ
ル等の水酸基含有アクリルモノマーである。
メラミン樹脂による架橋性の観点から、アクリル樹脂
の酸価(AV)及び水酸基価(OHV)は各々10〜35及び120
〜150に調整するのが好ましい。酸価(AV)が10未満及
び水酸基価(OHV)が120未満の場合は塗膜の抗張力が不
十分であり、酸価(AV)が35を超える場合及び水酸基価
(OHV)が150を超える場合は、塗膜の伸び率(引張りス
ピード10%min-1/20℃の条件で測定)が低下する。好ま
しくは酸価(AV)が15〜25であり、水酸基価(OHV)が1
25〜140である。
このような成分からなるアクリル樹脂は8,000〜20,00
0程度の重量平均分子量を有するのが好ましい。重量平
均分子量が8,000より小さいと耐侯性が不良であり、20,
000より大きいと塗膜外観が不良となる。なお、前記重
量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)法により測定しアクリル樹脂に換算した値
である。
また、このようにして得られるアクリル樹脂は−30〜
0℃程度のガラス転移温度(Tg)を有する。Tgが0℃よ
り高い場合は、塗膜の伸び率の向上効果が不十分で塗膜
がもろくなり、−30℃より低い場合は塗膜の硬度不足と
なる。なお前記ガラス転移温度(Tg)は、T.G.Foxの式
より求めた値である。
さらに本発明においては、上記アクリル樹脂を水酸基
を有するポリエステルウレタン樹脂とのブレンドとする
ことにより、良好な伸び率を有する塗膜を得ることがで
きる。
上記水酸基を有するポリエステルウレタン樹脂はポリ
エステル部分とウレタン部分とを有する樹脂で、ポリエ
ステル樹脂中の水酸基にポリイソシアネート化合物のイ
ソシアネート基を反応させて樹脂中にウレタン結合を導
入したもの、又はポリオールとポリイソシアネートとの
反応物であるウレタンの水酸基に二塩基酸が結合してな
るものである。いずれのものも残留水酸基を有する。
前記水酸基を有するポリエステルウレタン樹脂を製造
するのに使用されるポリエステル樹脂は、多価アルコー
ルと多塩基酸又はその無水物とのエステル反応生成物
で、かつ分子内に水酸基を有するものである。
多価アルコールとしては、エチンレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキ
サンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリ
コール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリトリット、ジペンタエリト
リットなどを用いることができる。
多塩基酸又はその無水物としては、フタル酸、無水フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、無水
コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水トリメリ
ット酸などを用いることができる。
本発明に用いるポリエステル樹脂は、上記多価アルコ
ールの水酸基と上記多塩基酸又はその無水物のカルボキ
シル基とが、モル比で1.2〜1.8となるように反応させる
ことによって得られるもので分子内に残留水酸基を有す
る。
上記ポリエステル樹脂の水酸基にウレタン結合するポ
リイソシアネート化合物は、分子中に2個以上の遊離の
イソシアネート基を有する化合物であって、具体的に
は、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
メタキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート、水素化4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジ
イソシアネート等が挙げられる。またポリイソシアネー
ト化合物に少量のポリオールが反応してなるウレタン化
合物も、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する
場合には、ここで言うポリイソシアネート化合物に含ま
れる。このようなものとしては、トリレンジイソシアネ
ート(3モル)とトリメチロールプロパン(1モル)と
の付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート(3モル)
とトリメチロールプロパン(1モル)との付加物、ヘキ
サメチレンジイソシアネートと水との反応物、キシリレ
ンジイソシアネート(3モル)とトリメチロールプロパ
ン(1モル)との付加物などから選ばれた1種もしくは
2種以上の化合物を使用できる。
以上のポリイソシアネート化合物のうち、耐侯性など
に優れたヘキサメチレンジイソシアネートと水との反応
物、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロール
プロパンとの付加物、キシリレンジイソシアネートとト
リメチロールプロパンとの付加物、イソホロンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジ
イソシアネートなどの無黄変タイプが好ましい。
本発明に用いる水酸基を有するポリエステルウレタン
樹脂は、上記ポリエステル樹脂の水酸基と上記ポリイソ
シアネート化合物のイソシアネート基とを、水酸基/イ
ソシアネート基のモル比で1.1〜1.5となるように反応さ
せてなるのもの、又はウレタンの水酸基に二塩基酸を反
応させてなるもので、好ましくは酸価は5〜40、水酸基
価は40〜200であり、さらに、分子量は500〜10,000であ
る。
上記水酸基を有するポリエステルウレタン樹脂成分
と、アクリル樹脂成分との重量比は5/95〜45/55の割合
とする。水酸基を有するポリエステルウレタン樹脂成分
/アクリル樹脂成分の重量比が5/95未満の場合は、塗膜
の伸び率の向上効果が不十分であり、また45/55を超え
ると、塗膜が柔らかくなりすぎ、堅ろう性が劣化する。
好ましい重量比は1/9〜4/6である。
メラミン樹脂による架橋性の観点から、アクリル樹脂
と水酸基を有するポリエステルウレタン樹脂とのブレン
ドは、いずれも酸価(AV)及び水酸基価(OHV)が各々1
0〜35及び120〜150となるように調整する。酸価(AV)
が10未満及び水酸基価(OHV)が120未満の場合は塗膜の
抗張力が不十分であり、酸価(AV)が35を超える場合及
び水酸基価(OHV)が150を超える場合は、塗膜の伸び率
が低下する。好ましくは酸価(AV)が15〜25であり、水
酸基価(OHV)が125〜140である。
次に、アクリル樹脂、アクリル樹脂と水酸基を有する
ポリエステルウレタン樹脂とのブレンドの製造方法を説
明する。
アクリル樹脂の製造は、上記アクリルモノマーと、必
要に応じて上記エチレン性不飽和モノマー成分を、有機
過酸化物又はアゾ化合物等の重合開始剤の存在下で重合
することにより行う。
アクリル樹脂と水酸基を有するポリエステルウレタン
樹脂とのブレンドの製造は、前記製造方法により得られ
たアクリル樹脂と、水酸基を有するポリエステルウレタ
ン樹脂とをコールドブレンド又はホットブレンドするこ
とにより行う。
重合開始剤として、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイル、過酸化ジターシャリーブチル、過酸化アセ
チル、ターシャリーブチルペルオキシ安息香酸、過酸化
ジクミル、ペルオキシ安息香酸、ペルオキシ酢酸、ター
シャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリー
ブチルペルオキシピバレート等の過酸化物類や、アゾビ
スイソブチロニトリル等のジアゾ化合物類等を使用する
のが好ましい。重合開始剤の添加量は上記アクリル樹脂
のモノマー成分(アクリルモノマー+エチレン性不飽和
モノマー)と水酸基を有するポリエステルウレタン樹脂
の合計量100重量部に対して0.1〜1重量部程度である。
また重合法としては塊状重合法、溶液重合法、乳化重
合法、粒状重合法等があるが、溶液重合法が好ましい。
本発明において使用するメラミン樹脂はアミンと脂肪
族アルデヒドとの縮合物をエーテル化したものであり、
特にメラミン−ホルムアルデヒド縮合物をエーテル化し
たものが好ましい。メラミンと脂肪族アルデヒドとの縮
合物をエーテル化したメラミン樹脂としてメチルエーテ
ル化メラミン、メチルブチルエーテル化メラミン、ブチ
ルエーテル化メラミン等の縮合物が挙げられる。さら
に、ベンゾグアナミン、尿素等と脂肪族アルデヒドとの
縮合物をニーテル化した樹脂もメラミン樹脂として使用
することができる。
本発明のトップコート塗料は、アクリル樹脂と水酸基
を有するポリエステルウレタン樹脂とのブレンド50〜70
重量部と、メラミン樹脂30〜50重量部とを含有するのが
好ましい。(アクリル樹脂+水酸基を有するポリエステ
ルウレタン樹脂)/メラミン樹脂の重量比が7/3を超え
ると、得られる塗膜の架橋密度が不十分で抗張力が低い
ため、傷がつきやすく汚れやすい。また5/5未満の場合
は塗膜の内部応力が高くなり、クラック等が発生しやす
くなる。より好ましい重量比は55/45〜65/35である。
特にアクリル樹脂は27〜67重量部、水酸基を有するポ
リエステルウレタン樹脂は2〜32重量部、及びメラミン
樹脂は30〜50重量部とするのが好ましい。より好ましく
は、アクリル樹脂は33〜59重量部であり、水酸基を有す
るポリエステルウレタン樹脂は5〜26重量部であり、及
びメラミン樹脂は35〜45重量部である。
また本発明においては、トップコート塗料に硬化助剤
を配合してもよい。このような硬化助剤としては酸触媒
が好ましく、代表的なものとしては、ブロックされた芳
香族スルホン酸等があり、例えばジメチルオキサゾリジ
ンによってブロックされたドデシルベンゼンスルホン
酸、ジノニルナフタレンスルホン酸等のスルホン酸を用
いることができる。硬化助剤は必ずしも添加する必要は
ないが、添加する場合添加量は、樹脂成分100重量部に
対して0.05〜3重量部程度である。
さらに、本発明においては、透明性を損なわない範囲
で着色顔料、体質顔料当の顔料や染料を必要に応じて一
種又は二種以上組み合わせて適宜用いることができる。
さらに、添加剤を適宜配合することができる。添加剤
としては、紫外線吸収剤、表面調整剤、光安定剤、レベ
リング剤、顔料分散剤、可塑剤、増粘剤、消包剤等の常
用塗料の添加剤を、単独で又は複合して通常のレベルで
添加することができる。
本発明のトップコート塗料は、上述のアクリル樹脂と
水酸基を有するポリエステルウレタン樹脂とのブレンド
と、メラミン樹脂と、必要に応じて配合される硬化助
剤、添加剤等とを有機溶媒に溶解させることにより、調
製することができる。適当な有機溶媒としては、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢
酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ、テトラヒドロ
フラン、メタノール、エタノール、ブタノール、トルエ
ン、キシレン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
本発明のトップコート塗料による塗膜は、ベーク後
(架橋後)の伸び率が5〜15%となることを特徴とす
る。なお、伸び率はテンシロン万能試験機UTM型−500
(東洋ボールドウィン(株)製)を用いて、ロードセル
5kg、引張りスピード10%min-1/20℃の条件で測定した
ものである。伸び率が5%未満の場合は、塗膜の弾力性
が小さいため耐擦傷性が低く、15%を超えると塗膜が柔
らかくなりすぎ、耐ポリッシュ性、耐汚染性が低下す
る。
なお、本発明の塗料による塗膜の架橋密度は5〜10×
10-3mol/cc、抗張力は220〜500kg/cm2となる。上記架橋
密度はバイブロン測定により求めた値であり、抗張力は
テンシロン測定により求めた値である。架橋密度が5×
10-3mol/cc未満及び抗張力が220kg/cm2未満の場合に
は、塗膜の硬度が不十分で耐擦傷性が低く、架橋密度が
10×10-3mol/ccを超えると、塗膜の硬度が大きくなり、
耐擦傷性は向上するが、一旦傷がつくとそれが残りやす
くなり、またクラックも入りやすくなる。なおアクリル
樹脂系塗料では塗膜の抗張力の上限は一般に500kg/cm2
程度である。
本発明のトップコート塗料は上塗りとしてベースコー
ト上に塗布するのに適する。
自動車等の上塗りの塗装のベースコートには通常の顔
料を用いたソリッドカラーと金属反射性の顔料を含むメ
タリックカラー及びマイカカラーとがある。
ソリッドカラーは反射性の金属顔料(アルミニウムフ
レーク、マイカ等)を含まない二酸化チタン、シヤニン
ブルー、シヤニングリーン、キナクリドン、インダンス
ロン、イソインドリノン、ペリレン、アンスラピリミジ
ン、カーボンブラック、ベンズイミダゾロン、黄色酸化
鉄、赤色酸化鉄等の着色顔料、及び場合により硫酸バリ
ウム、アルミニウムシリケート等の体質顔料を、アルキ
ド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹
脂などに分散させた塗料で、例えば特公昭62−15107号
に開示されているものである。
また、メタリックカラー及びマイカカラーはキナクリ
ドン、ペリレン、ベンズイミダゾロン、シヤニンブル
ー、インダンスロン、イソインドリン、アンスラピリミ
ジン、二酸化チタン、カーボンブラックグラファイト等
の顔料を透明性が損なわれない量で併用し、アルミニウ
ム、マイカ、クロム、ニッケル、銅、鉛、及びこれらの
合金、あるいは硫化コバルト、硫化マンガン、硫化チタ
ン等の光輝性のメタリック顔料をアルキド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂などに分散さ
せた塗料であり、例えば特開昭61−281168号等に開示さ
れているものである。
本発明の塗料により得られるトップコートは、特にマ
ンセルカラーチャートでN−3以下の明度のベースコー
ト上に塗装した場合に、擦傷による乱反射が少ないとい
う特徴を有する。
明度のマンセルスケールは黒(N−0)から白(N−
10)までを10等分したものである。明度がN−3以下の
場合、すなわち濃色の場合、一般に表面の擦傷は目立ち
やすいが、本発明のトップコートは耐擦傷性に優れてい
るので、濃色のベースコート上に塗装しても擦傷による
光の散乱が少なく擦傷が目立たない。なおこのベースコ
ートの色相及び彩度は、マンセルカラーチャートでN−
3以下の明度を有する限り、特に限定されない。
また、本発明のトップコートは、3コート、4コート
方式等の上塗りのトップコートとして用いた場合、1コ
ート方式の上塗りのソリッドカラー、メタリックカラー
及びマイカカラーを分散させる樹脂として用いた場合、
及び通常の上塗り(ベースコート及びクリヤーコート)
の完了した塗膜の上塗装として用いた場合もその機能を
発揮することができる。
次に本発明のトップコート塗料の塗装方法を、ベース
コート塗料として溶液型メタリック塗料を使った場合を
例にとって説明する。
本発明のトップコート塗料は、一般に下塗り及び中塗
り後上塗りとしてベースコートを塗装後に塗装する。下
塗りとしては、必要に応じて金属表面を除錆及び除錆処
理した後リン酸亜鉛処理などによる皮膜化成処理などで
表面処理したうえで、下塗り塗料として電着塗料を塗装
し、焼き付ける。電着塗料としてカチオン型電着塗料、
アニオン型電着塗料のどちらも用いることができるが、
耐久性の点でカチオン型電着塗料が好ましい。カチオン
型電着塗料としては、従来公知の任意のカチオン型電着
塗料を使用することができるが、例えば基本骨格をなす
樹脂としてエポキシ系の樹脂を用いたカチオン型電着塗
料を使用するのが好適である。一般的な方法により塗
装、焼き付けをして得られるカチオン型電着塗料の塗膜
の膜厚15〜40μmとする。
次に、電着塗料塗膜の上に、中塗り塗料としてアルキ
ド樹脂系又はポリエステル樹脂系塗料を一般的方法、例
えば静電吹付塗装によって塗装し、常法に従って焼き付
けて膜厚20〜60μmの中塗り塗膜を形成する。
前記中塗り塗膜上に、上塗りのベースコート塗装を行
う。メタリックベース塗料の場合は、得られる塗膜が呈
するメタリック感の点から塗料は溶液型のものが好まし
く、溶液型のものであれば、例えば通常の溶剤型のほか
に、ハイソリッド、非水分散型、水溶性、エマルジョ
ン、スラリー等の任意のメタリックベース塗料を用いる
ことができる。メタリックベース塗料を用いる場合は、
ベースコートとトップコートとが混じり合うと、ベース
コート中のメタリック顔料粒子の配列が不良になり、光
沢低下が起こったりして仕上がりが悪くなるので、ベー
スコート用樹脂の選択は以下の点に特に留意して行うの
が好ましいが、ソリッドカラー、マイカカラーを用いる
場合も以下の点に留意してベースコート用樹脂を選択す
ると光沢低下等に効果がある。
(1)ベースコート用樹脂の分子量をトップコート用樹
脂の分子量より大きくする。トップコート塗料中のアク
リル樹脂の重量平均分子量は8,000〜20,000程度である
ので、ベースコート用樹脂の分子量を重量平均分子量で
3万〜5万程度とするのが好ましい。
(2)ベースコートとトップコートとに異種の樹脂を用
いる。トップコート用樹脂としてアクリル樹脂を用いる
場合、ベースコート用樹脂として、例えばポリエステル
やセルロースアセテートブチレート等を併用する。
(3)ベースコート用樹脂の溶解性パラメータ(δsp)
をトップコート用樹脂の溶解性パラメータよりも大きく
する。トップコート用樹脂の溶解性パラメータは一般に
9.8〜11.2程度であるので、トップコート塗料中の有機
溶剤による溶解を防止するために、ベースコート用樹脂
の溶解性パラメータを10.5〜11.5程度とするのが好まし
い。10.5未満であるとトップコート塗料との混合が生じ
塗膜の仕上がり外観が低下する。また11.5を超えると塗
膜の耐水性が悪くなり、耐侯性が損なわれる。
以上のような点に留意してベースコート用樹脂を選択
することにより、ベースコートとトップコートとの混和
性が少なくなり、光沢低下及びメタリックむら等が防止
できる。
上塗り塗装は2コート1ベーク(2c−1b)方式でも2
コート2ベーク(2c−2b)方式でもよい。2c−1b方式の
場合はベースコートとして従来一般的に使用されている
溶液型メタリックベース塗料を常法に従って塗装した
後、ベースコートを焼き付けずにトップコート塗料を塗
装し、焼き付ける。2c−2b方式の場合は前記ベースコー
ト塗料を塗装し焼き付けた後、トップコート塗料を塗装
し、焼き付ける。
ベースコートとトップコートの塗装間隔時間は、約20
℃で1〜45分間とすることができるが、通常は約20℃で
1〜5分間である。また、ベースコートの塗膜を強制乾
燥して塗装間隔時間を早めることも可能である。前記の
乾燥条件でベースコートの塗膜を指触乾燥ないし半硬化
乾燥状態にした後、トップコートの塗装を行う。トップ
コートを塗装した後、所定の温度、時間で硬化させる。
例えば120〜160℃の温度で10〜60分程度強制乾燥させる
のが硬化性の点や生産性の点で好ましいが、ベースコー
ト塗料とトップコート塗料の種類や性質または素材に応
じ適宜乾燥、硬化条件を変更することはさしつかえな
い。
上塗り塗料の塗装機としては霧化式塗装機を用いるこ
とが好ましく、たとえば、エアースプレー塗装機、エア
レススプレー塗装機およびエアー霧化式もしくは回転式
静電塗装機などがあげられ、塗装時のトップコート塗料
の粘度は、フォードカップ♯4で20〜40秒、特に25〜35
秒(20℃)の範囲内に調整しておくことが好ましい。
このようにして形成されたベースコート及びトップコ
ートの膜厚には特に限定はないが、溶液型メタリックベ
ース塗料の塗膜厚は通常10〜40μm程度とし、トップコ
ート塗料の塗膜厚は通常20〜60μm程度とする。
以上、メタリックカラー塗装を例にとって塗装方法を
説明したが、本発明のトップコート塗料はこれに限られ
るものではなく、ソリッドカラー、マイカカラーの場合
も、メタリックカラー塗装の例に準じて行うことができ
る。
〔作 用〕
一般的に塗膜の耐擦傷性を向上させるためには、表面
硬度及び抗張力の低下を伴うことなく伸び率を増大させ
る必要があるが、伸び率と抗張力とは相反する性質であ
る。しかし低Tgのアクリルモノマーを25〜70重量%含有
するアクリル樹脂と水酸基を有するポリエステルウレタ
ン樹脂とをブレンドさせたものをトップコート塗料に用
いると、塗膜の架橋密度を大きくして抗張力を向上させ
ても良好な伸び率を保有する。そのため、自動洗車やポ
リシュ等による擦傷がつきにくいトップコートを得るこ
とができる。
〔実施例〕
本発明を以下の具体的実施例により説明する。
合成例1 アクリル樹脂の製造 低Tgのアクリルモノマー、高Tgアクリルモノマー、ス
チレンを第1表の実施例1、2に示す組成で配合し、混
合液を製造した。
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管及び滴下ロ
ートを備えた反応器に、ソルベッソ100(芳香族系溶
剤、エクソン社製)54重量部とn−ブチルアルコール12
重量部を入れ、窒息ガス雰囲気下で加熱し、140℃にな
ったところで、得られた混合液100重量部を140℃の一定
温度下で、滴下ロートより2時間で等速滴下した。
滴下終了30分後、0.3重量部のターシャリーブチルパ
ーオキシベンゾエート(重合開始剤)と、2重量部のソ
ルベッソ100との混合液を滴下し、140℃でさらに90分間
加熱撹拌した。反応終了後冷却し、アクリル樹脂A、B
の溶液を得た。
比較合成例1 アクリル樹脂の製造 低Tgとアクリルモノマー、高Tgのアクリルモノマー、
スチレンを第1表の比較例1〜3に示す組成で配合した
以外は、合成例1と同様にしてアクリル樹脂C〜Eの溶
液を得た。
合成例1及び比較合成例1により得られたアクリル樹
脂の酸化(AV)、水酸基価(OHV)、ガラス転移温度(T
g)、溶解性パラメータ(δsp)及び重量平均分子量を
下記の方法で求めた。欠格を第1表に合わせて示す。
(イ)酸化(AV)・・・アクリル樹脂固形分1g中に含ま
れる酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラ
ム数を測定した。
(ロ)水酸基価(OHV)・・・アクリル樹脂固形分1gか
ら得られるアセチル化物に結合している酢酸を中和する
のに必要な水酸化カリウムのミリグラム数を測定した。
(ハ)ガラス転移温度(Tg)・・・T.G.Fox(Bull.Am.P
hys.Soc.,1,No.3,123(1956))の式 1/Tg=ΣWn/Tgn Tg:共重合体のガラス転移温度 Wn:nモノマーの重量分率 Tgn:nモノマーのホモポリマーのガラス転移温度 により求めた。なお、ホモポリマーのガラス転移温度は
例えば「高分子材料便覧」第1275〜1283頁に記載されて
いるものを参照した。
(ニ)溶解性パラメータ(δsp)・・・K.W.Suh,J.M.Co
rbett(Journal of Applied Polymer Science,12,2359
('68))の式 V:濁点における分子の体積 δ:溶解性パラメータ ml:溶解性パラメータの低い溶剤 mh:溶解性パラメータの高い溶剤 により求めた。
(ホ)重量平均分子量・・・ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)法により測定し、アクリル樹脂
に換算した。
実施例1、2 トップコート塗料の調製 合成例1により得られたアクリル樹脂A及びBの溶液
の各々に、第1表に示す組成で水酸基を有するポリエス
テルウレタン樹脂を添加し、コールドブレンドを行い、
アクリル樹脂と水酸基を有するポリエステルウレタン樹
脂とのブレンドを得た。得られた各ブレンドの溶液に、
メラミン樹脂及び酸触媒を配合し、トップコート塗料を
調製した。
比較例1〜3 トップコート塗料の調製 比較合成例1により得られたアクリル樹脂C〜Eの溶
液に、メラミン樹脂及び酸触媒を第1表に示す配合割合
で配合し、トップコート塗料の調製した。
得られたトップコート塗料の粘度を、溶剤(ソルベッ
ソ100)でフォードカップ♯4で28秒に調整し、ベース
コート上に乾燥膜厚40μmとなるように塗装した後、14
0℃で30分間焼付けた。
得られた塗膜の動的ガラス転移温度(Tm)、架橋密
度、抗張力、ヤング率及び伸び率を下記の方法で測定し
た。結果を第1表に合わせて示す。
(イ)動的ガラス転移温度(Tm)及び架橋密度・・・バ
イブロンDDV−II−EA型(東洋ボールドウィン(株)
製)を用いて測定した。
(ロ)抗張力、ヤング率及び伸び率・・・テンシロン万
能試験機UTM型III−500(東洋ボールドウィン(株)
製)を用いて、ロードセル5kg、引張りスピード10%min
-1/20℃の条件で測定した。
実施例3〜8及び比較例4〜16 第2表に示すベースコートとトップコートとの組み合
わせにより、上塗り塗装を行った。塗膜の形成方法は以
下の通りである。
まず、リン酸亜鉛処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板
に、カチオン電着塗料(日本ペイント(株)製、パワー
トップU−50)を乾燥塗膜の厚さが約25μmとなるよう
に電着塗装した。
次に、得られた電着塗膜上に中塗り塗料(日本ペイン
ト(株)製、オルガS−90シーラー)を乾燥塗膜の厚さ
が約40μmとなるようにエアースプレー塗装し、140℃
で30分間焼付けて、試験板を作成した。
次に、下記第3表に示す組成の顔料を含有するベース
コート塗料を作成した。
第3表に示す各々の顔料をアクリル樹脂、メラミン樹
脂、セルロースアセテートブチレートを主体とする樹脂
に分散させ、ベースコート塗料を作成した。このときの
ベースコート用樹脂の重量平均分子量は35,000で溶解性
パラメーターは11.3であった。得られた塗料を、トルエ
ン:ソルベッソ100:n−ブチルアルコールを7:2:1の重量
比で混合した溶剤に溶解し、フォードカップ♯4で14秒
(20℃)の粘度に調整し、ベースコート塗料を作成し
た。
得られたベースコート塗料を、乾燥塗膜の厚さが約20
μmになるように塗装した。塗装は静電塗装機Auto REA
(ランズバーブゲマ社製)により霧化圧2.8kg/cm2で行
った。塗装中のブースの雰囲気は温度25℃、湿度75%に
保った。塗装後3分間セッティングを行った。
第1表に示す実施例1、2及び比較例1〜3のトップ
コート塗料を、各ソルベッソ100:ソルベッソ150(エク
ソン社製、芳香族系溶剤)を2:1の重量比で混合した溶
剤に溶解し、フォードカップ♯4で30秒(20℃)の粘度
に調整した。
粘度を調整したトップコート塗料を、第3表に示す組
合せでセッティングの終了したベースコート上に塗装し
た。塗装は、上記ベースコートと同様の条件で、乾燥塗
膜の厚さが約35μmとなるように行った。塗装後10分間
セッティングを行い、その後、140℃で30分間焼付け
た。
得られた塗膜の堅ろう度(G.R.)及び自動洗車機によ
る傷のつき易さを下記に示す方法により評価した。結果
を第2表に合わせて示す。
(イ)堅ろう度(G.R.)・・・クレンザーホーミング
(花王(株)製)を十分に付けたネルを用いて、1.3kg
の荷重で塗膜表面を10往復こすった場合の、20゜グロス
における光沢の保持率(グロスリテンション(G.R.))
を測定した。
(ロ)顕微鏡写真判定・・・試験片を自動車に貼付け、
洗車機(MK SEIKO社製、BIG TOP,ELINT、ブラシの材
質:ナイロン)を用いてノンワックスで3回洗車し、試
験片に傷をつけた。その試験片と基準片(傷をつけてい
ない試験片)の表面の顕微鏡写真(37.5倍)を撮り、両
者を比較し、試験片の擦傷の多少を下記の評価基準によ
り評価した。
評価基準:擦傷の多少を5〜0の6段階に分け、最も
擦傷の少ないものを5、最も多いものを0として評価し
た。
(ハ)NSICリテンション・・・上記(ロ)と同様にして
試験片に傷をつけ、試験片と基準片のNSICを写像鮮明度
測定機(ICN−1、スガ試験機(株)製)を用いて測定
し、保持率(試験片のNSIC/基準片のNSIC×100)を求め
た。
(ニ)目視・・・上記(ロ)と同様にして試験片に傷を
つけ、試験片の擦傷の多少を目視により下記のように評
価した。
◎・・・ほとんど傷が見えない。
○・・・わずかに傷が見える。
△・・・やや傷が目立つ。
×・・・傷が目立つ。
第1表及び第2表から明らかなように、アクリル樹脂
A、Bと水酸基を有するポリエステルウレタン樹脂との
ブレンド及びメラミン樹脂からなるトップコート塗料
(実施例1、2)から形成される実施例3〜8の塗膜
は、約5〜7×10-3mol/ccの架橋密度、310〜405kg/cm2
の抗張力及び5.6〜9.3%の伸び率を有するため、堅ろう
度が高い。またマンセルチャートでN−3以下の明度を
有するベースコート上に塗装した場合、自動洗車機を用
いた洗車テストをしても目立つ傷がほとんどできない。
〔発明の効果〕
本発明の擦傷防止用トップコート塗料は、ホモポリマ
ーとして得られる塗膜が−10℃以下のガラス転移温度
(Tg)を有するアクリルモノマーを含有するアクリル樹
脂と水酸基を有するポリエステルウレタン樹脂とのブレ
ンドを主体とし、10〜35の酸価(AV)及び120〜150の水
酸基価(OHV)を有するため、得られる塗膜は十分な硬
度及び強度を有するとともに耐擦傷性及び伸び率に優れ
ている。
従ってかかる塗料からなる塗膜は、トップコートとし
て優れた擦傷防止効果を発揮し、特にマンセルチャート
の明度でN−3以下のベースコート上に塗装する場合、
その効果は著しい。
このような特徴を有する本発明のトップコート塗料
は、自動車等の高級塗装のトップコート用に特に好適で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−159875(JP,A) 特開 昭49−115125(JP,A) 特開 昭57−172(JP,A) 特開 昭55−3488(JP,A) 特開 昭51−109031(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 133/00 - 133/26,161/28,175/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル樹脂と、水酸基を有するポリエス
    テルウレタン樹脂と、メラミン樹脂とを含有する擦傷防
    止用トップコート塗料であって、前記アクリル樹脂と前
    記水酸基を有するポリエステルウレタン樹脂との重量比
    が95/5〜55/45であり、前記アクリル樹脂と前記水酸基
    を有するポリエステルウレタン樹脂とのブレンドが10〜
    35の酸価及び120〜150の水酸基価を有し、前記アクリル
    樹脂を構成するモノマーの内の25〜70重量%がホモポリ
    マーとして−10℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する
    アクリルモノマーからなり、もって引張りスピード10%
    min-1/20℃の条件で測定した伸び率が5〜15%の塗膜を
    形成することを特徴とする擦傷防止用トップコート塗
    料。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の擦傷防止用トップコート
    塗料を、マンセルカラーチャートの明度がN−3以下の
    ベースコートの上に塗装してなることを特徴とする塗
    膜。
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