JP2769803B2 - 新規のスルホン化されたホスフィン、その製造方法及び触媒系の構成要素としてそれを使用する方法 - Google Patents

新規のスルホン化されたホスフィン、その製造方法及び触媒系の構成要素としてそれを使用する方法

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JP2769803B2 JP7249843A JP24984395A JP2769803B2 JP 2769803 B2 JP2769803 B2 JP 2769803B2 JP 7249843 A JP7249843 A JP 7249843A JP 24984395 A JP24984395 A JP 24984395A JP 2769803 B2 JP2769803 B2 JP 2769803B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規のスルホン化
されたホスフィン、その製造方法及び特にC-C 結合を形
成する反応のための水溶性触媒系の構成要素としてこれ
らの化合物を使用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】中心原子としての周期表の第8族の金
属、配位子としてのP(III)化合物、すなわちホスフィン
又はホスファイト、その他に場合によっては錯体を形成
することのできる別の基を含む錯体化合物は、有機化合
物の合成のための触媒として近年益々盛んに使用されて
いる。工業的規模で幅広く実施されているアルデヒドを
得るためのオレフィンと合成ガスとの反応(ヒドロホル
ミル化)は、コバルト及び特にロジウム及びトリフェニ
ルホスフィンからなる触媒系の存在下で実施される。ホ
スフィンを含む錯体化合物を基材とする触媒は、高級ア
ルコール、特にエタノール及びプロパノールを得るため
のメタノールと合成ガスとの反応(ホモロゲーション)
にも適している。前記した場合には、配位子は通常の場
合、過剰に存在し、そのために触媒系は錯体化合物及び
遊離配位子を含む。有機媒体に対する触媒の溶解度に従
って、この反応は均一相で実施することができる。
【0003】この反応は、均一相の代わりに不均一反応
系でも実施することができる。この反応の変法の長所
は、水不溶性の反応生成物から水溶性の触媒を分離する
ことが容易かつ穏和にできる点である。ドイツ連邦共和
国特許2700904 号中には、少なくとも1つのエチレン二
重結合を有する不飽和有機化合物へシアン化水素を付加
してニトリルを製造する方法が開示されているが、この
方法は例えばこの原理に従って操作される。オレフィン
を一酸化炭素及び水素と反応させることによってアルデ
ヒドを製造する方法では、ドイツ連邦共和国特許262735
4 号中に開示された方法に従い触媒としてロジウムが金
属体の形で、又は例えばトリ(m-スルホナトフェニル)
ホスフィン(TPPTS )のアルカリ金属塩のような水溶性
ホスフィンとの化合物の形で使用される。不均一触媒相
を用いたその他の例が、Angew. Chem. 1993, 105, 1588
頁以降に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】公知の二相方法は、特
に工業的規模で用いられている。近年ではこの方法をさ
らに完全なものとするための研究がなされている。金属
及び配位子の両方に対する特別な触媒の必要条件を減ら
し、従ってさらに製品コストを削減するために、錯化配
位子を変性させることによって触媒の活性を増加させ、
その活性を長持ちさせるための試みがなされている。経
済的な理由もまたホスフィン/金属比率を著しく減少さ
せるための研究に対する決定的な理由である。最終的
に、公知の方法と比較して個々の問題、例えば生成物特
有の問題を解決する配位子系を開発するための試みがな
され、さらにこれらの多様な触媒系が新規の使用分野に
対して要望されていた。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明は、下記一般式
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R は1〜4個の炭素原子を有する
アルキル基又はシクロヘキシル基を表し、M は水素、一
価の金属、化学当量の多価金属、アンモニウムイオン又
はアルキル−又はアリール−置換されたアンモニウムイ
オンを表し、x は数字の1、2又は3を表し、n は数字
の0又は1を表す)で表されるスルホン化されたホスフ
ィンに関する。
【0008】R で示されたC1-C4-アルキル基は、直鎖で
あっても分岐であってもよい。ジアルキル化合物は、好
ましくは同一のアルキル基又は2つのシクロヘキシル基
を含むが、相異したアルキル基、又は1つのアルキル基
及び1つのシクロヘキシル基を含む化合物が除外される
ものではない。M は好ましくは水素、アルカリ金属、特
にナトリウム又はカリウム、マグネシウム又はカルシウ
ムのような化学当量のアルカリ土類金属、アンモニウム
イオン又はテトラアルキルアンモニウムイオンである。
【0009】さらに本発明は、前記したホスフィンの製
造方法にも関する。さらに本発明は、ジエン水添二量化
(diene hydrodimerization )、C-H 酸化合物のアルキ
ル化、C-C 二重結合の付加反応及びアリル類のカルボニ
ル化のようなC-C 結合を形成する反応における触媒系の
成分として新規の化合物を使用する方法にも関する。
【0010】トリス(o-トリル)ホスフィン又はトリス
(o-メトキシフェニル)ホスフィン又はその1又は2の
アリール基が1 〜4 個の炭素原子を有するアルキル基又
はシクロヘキシル基によって置換されたこれらの化合物
の誘導体が、請求の範囲に記載されたホスフィンを製造
するための親化合物、出発物質として使用される。この
ホスフィンはJ. Org. Chem. 43, 2941頁以降(1978)に
従い又は基づき、o-ブロモトルエン又はo-ブロモメトキ
シベンゼンから得られるグリニャール試薬を用いた三塩
化リン又はアルキルクロロホスフィンとの反応によって
得られる。
【0011】このホスフィンは事前に精製をすることな
しにスルホン化に使用される。本発明に従い、使用され
るスルホン化剤は無水系の硫酸/オルトホウ酸(1モル
のP(III)に対して少なくとも1モルのオルトホウ酸が存
在する)又は発煙硫酸、すなわち硫酸中のSO3 溶液であ
る。この溶液中のSO3 濃度は、この溶液に対して20〜65
重量%であることが好ましい。酸化ホスフィンの形成を
避け、高い反応温度を許容するための好ましい態様とし
て、例えばホウ酸のようなルイス酸を1モルのホスフィ
ンに対して少なくとも1モルのホウ酸が存在するような
量で発煙硫酸に加えることもできる。このリン化合物を
分割して20〜120 ℃で硫酸/オルトホウ酸系に導入する
か、又は0 〜20、好ましくは0 〜5 ℃(又はルイス酸の
存在下で0 〜40、好ましくは0 〜20℃)で発煙硫酸に導
入する。その後撹拌しながら、硫酸/オルトホウ酸を使
用する場合は20〜350 ℃で、発煙硫酸を使用する場合に
は溶解操作で決められた温度を超えない範囲でスルホン
化温度を設定し、次にこの混合物を1 〜3 日後反応させ
る。その後、スルホン化されたホスフィンを抽出/再抽
出工程により反応混合物から分離する。
【0012】このために、この混合物を水で希釈し、又
はスルホン化剤として発煙硫酸を使用した場合には、好
ましくはこの混合物を氷で希釈し、その結果として得ら
れる溶液中の硫酸濃度を0.5 〜50重量%、好ましくは25
〜35重量%とする。その後、例えばスルホン酸の化学当
量当たり0.5 〜3molのアミンを使用したトルエン中のト
リイソオクチルアミンのような水不溶性溶剤中の水不溶
性アミン溶液を用いて、加水分解生成物を抽出する。ス
ルホン化されたホスフィンをアミン塩として有機相中に
導入する。アルカリ金属の水酸化物水溶液を用いて再抽
出することによって、対応するアルカリ金属塩の水溶液
として得られ、そこから乾燥して凝縮した後にホスフィ
ンスルホン酸塩が得られる。
【0013】新規のスルホン化されたホスフィンは、水
に非常に容易に溶解する無色の粉末である。遊離酸及び
その他の金属の塩もまた例えばイオン交換によってナト
リウム塩及びその他のアルカリ金属塩から製造すること
ができる。このホスフィンは多種の金属と共に錯体化合
物を形成し、このうちNi、Pd及びPtを有する化合物がC-
C カップリング反応のための触媒として特に重要であ
る。この場合に金属及びリン化合物(そのナトリウム塩
及びその他の水溶性塩の形で)を化学量論的割合、すな
わち本来使用される金属錯体化合物の化学組成に対応し
た割合又は反応条件下で形成される割合で使用しないこ
とが好ましい。ホスフィンを過剰に使用することが、よ
り有利である。金属及びホスフィンの割合は、広い範囲
であってよく、1 モルの金属に対して約1 〜4molのホス
フィンを使用することができる。1 モルの金属に対し
て、1 〜2 モル、特に2 モルのホスフィンを使用するこ
とが特に好ましい。
【0014】金属は、元素状又は化合物として使用され
る。元素としては、微細に粉砕された粒子で使用され、
コロイド状又は活性炭、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミ
ニウム又はアルミナのような担体上に薄い層として沈殿
していることが好ましい。使用することのできる金属化
合物は、水溶性又は反応条件下で水溶性である物質であ
る。酸化物、無機の水素及び酸素酸の塩及び脂肪族モノ
−及びポリカルボン酸が適している。適した塩の例は、
ハロゲン化物、硝酸塩、ギ酸塩及び酢酸塩である。
【0015】
【実施例】新規の化合物の製造方法及び特性について以
下の例で説明する。 例1 :トリス(o-トリル-m- スルホン酸)ホスフィン (a )トリス(o-トリル)ホスフィンの製造 トリス(o-トリル)ホスフィンをJ. Org. Chem. 43, 29
41頁以降 (1978) に記載された方法に従い、三塩化リン
とo-ブロモトルエンから得られるグリニャール試薬との
反応によって製造する。 (b )トリス(o-トリル)ホスフィンの製造 滴下漏斗を取り付けた二口フラスコ中の15mLの濃硫酸
(96重量%濃度)に1.63g(26.28mmol)のホウ酸を溶解
し、2g(6.57mmol)のトリス(o-トリル)ホスフィンを透
明な溶液に少しずつ加える。その後、氷を用いてフラス
コを5 ℃に冷却し、この温度を維持し、撹拌しながら遊
離SO3 の含有量が65重量%濃度である27mLの発煙硫酸
を、最初はゆっくり、その後は速く(すなわち約1 滴/
秒)滴下して加える。発煙硫酸の添加が終了した際、反
応混合物は31.6重量%の遊離SO3 を含む。反応溶液を室
温に温め、三日間後反応させる。後処理のために、反応
混合物が約20℃の温度を超えないように氷に慎重に加え
る。
【0016】この水溶液を69.8mLのトルエン及び65.7mm
olのトリイソオクチルアミンの混合物とともに24時間撹
拌する。この手順において、スルホン化されたホスフィ
ンをアミン塩として有機相中に導入する。これを分離
し、ホスフィンを分離するために25重量%濃度の水酸化
ナトリウム溶液を用いて再抽出する。水性相をアミン相
から分離し、場合によっては中和し、ロータリーエバポ
レーターを使用して乾燥、濃縮する。得られる粗生成物
を触媒成分として直接使用することができる。
【0017】例えば、物質の特徴付けのために必要であ
るように純粋な物質を単離するためには、氷を用いて反
応混合物を希釈して得られる水溶液を、25重量%濃度の
水酸化ナトリウム溶液を用いて中和する。この溶液をロ
ータリーエバポレーターを用いて、比較的大量の硫酸ナ
トリウムが沈殿するまで濃縮し、激しく撹拌しながら4
倍の容量のメタノールを懸濁液に加え、次に硫酸ナトリ
ウムを濾過して除去する。濾紙上の残留物をメタノール
で数回洗浄し、濾液を混合し、濃縮、乾燥する。その
後、残留物をできる限り少量の水に溶解し、激しく撹拌
しながら、この溶液に10倍の容量のメタノールを導入す
る。この溶液を再び濾過し、濾液を減圧下で蒸発、乾燥
する。さらなる精製、特に少量存在するホスフィン酸化
物及び不所望のスルホン化生成物の除去のために、Sepa
dex G-25、三次元に架橋したポリサッカリド(製造者:
Pharmacia,AB,Uppsala)を用いてこの生成物をクロマト
グラフで分離する。収量は4.02g であり、理論値の92%
に相当する。 (c )三ナトリウム- (o-トリル-m- スルホナト)- ホ
スフィンの分析結果 C 21H 18Na3 O 9 PS3 ・3.4H2 O の元素分析計算 C H P S O Na 計算値 37.55 3.72 4.61 14.32 29.53 10.27 測定値 37.48 3.72 4.70 14.02 28.03 10.60 分光データ31 P-{1 H }-NMR(161.8MHz 、D 2 O): δ=-22.8ppm(s,
1P)1 H-NMR(250MHz 、D 2 O): δ=2.27ppm(s,9H,-CH3 ),7.1
7(dd,3J HP =3.97Hz,4J HH =1.83Hz,3H,H6),7.35(dd,3J
HH =8.09Hz,4JHP =4.73Hz,3H,H3),7.79(dd,4JHH=1.52H
z,3JHP =7.94Hz,3H,H4)13 C-{1 H }-NMR(100.5MHz 、D 2 O): δ=146.5ppm(d,
3 J CP=25.75Hz,C5),141.41(s,C1),133.57(d, 2 J CP=1
0.97Hz,C2),131.3(d, 3 J CP=4.77Hz,C3),129.78(s,C
6),126.88(s,C4),20.65(d,3 J CP=20.5Hz,-CH 3 ) UV(nm):226,272 IR(KBr,cm -1):3056(v( アリール-H)),2967,2575,222,1
920,1805,1637(sst),1587(v(C=C)),1470,1446(アリール
-P),1380,2000(sst,br),1038(sst),904,827 例2 :トリス(o-メトキシ-m- スルホン酸)ホスフィン (a )トリス(o-メトキシフェニル)ホスフィンの製造 トリス(o-トリル)ホスフィンを合成するためのJ. Or
g. Chem. 43, 2941頁以降 (1978) に記載された方法に
従い、三塩化リンとo-メトキシブロモベンゼンから得ら
れるグリニャール試薬との反応によって、トリス(o-メ
トキシフェニル)ホスフィンを製造する。 (b )トリス(o-メトキシブロモフェニル)ホスフィン
のスルホン化 滴下漏斗を備えた二口フラスコ中の11.5mLの濃硫酸(9
6.5重量%濃度)に1.79g(28.96mmol)のホウ酸を溶解
し、1g(2.84mmol)のトリス(o-メトキシフェニル)ホス
フィンをこの透明な溶液に少しずつ加える。その後、氷
を用いて約5 ℃にフラスコを冷却し、この温度を維持し
て撹拌しながら遊離SO3 の含有量が65重量%である発煙
硫酸22mLを最初はゆっくり、その後速く(すなわち約1
滴/秒)滴下して加える。発煙硫酸の滴下が終了した際
に、この反応混合物は31.4重量%の遊離SO3 を含む。こ
の反応溶液を室温に温め、三日間後反応させる。
【0018】後処理のために、温度が約20℃を超えない
ようにこの反応混合物を注意深く氷に加える。76.95mL
のトルエンと72.4mmolのトリイソオクチルアミンの混合
物とともにこの水溶液を24時間撹拌する。この操作の際
に、スルホン化されたホスフィンはアミン塩として有機
相に移る。これを分離し、ホスフィンを単離するために
25重量%濃度の水酸化ナトリウム溶液を用いて再抽出す
る。この水性相をアミン相から分離し、場合によっては
中和し、ロータリーエバポレーターを使用して濃縮、乾
燥する。この結果得られる粗生成物を触媒成分として直
接使用することができる。
【0019】純粋な化合物は、例1 で説明したようにSe
phadex G-25 を用いてクロマトグラフによって分離す
る。収量は1.86g であり、これは理論値の92%に相当す
る。 (c )三ナトリウム- (o-メトキシ-m- スルホナト)-
ホスフィンの分析結果31 P-{1 H }-NMR(D2 O): δ=-31.99(s,1P)1 H-NMR(D 2 O): δ=3.78(s,9H,-OCH 3 ),7.20(dd,4 J
HP=8.9Hz, 3 J HH=4.6Hz,3H,H3),7.24(dd,4 J HH=2.1H
z, 3 J HH=4.6Hz,3H,H4),7.93(dd,4 J HH=2.1Hz, 3 J PH
=9.6Hz,3H,H6)13 C-{1 H }-NMR(D2 O): δ=56.24(s,C7),111.41(s,C
4),122.17(d, 3 J CP=11.5Hz,C5),129.31(s,C6),131.05
(d,3 J CP=2.9Hz,C3),136.78(d,2 J CP=1.0Hz,C1),163.
12(d,2 J CP=14.8Hz,C2) 例3 :ビス(t-ブチル)(o-トリル-m- スルホン酸)ホ
スフィン (a )ビス(t-ブチル)(o-トリル)ホスフィンの製造 J. Org. Chem. 43, 2941頁以降 (1978) に記載された方
法に従い、ジ(t-ブチル)クロロホスフィンとo-ブロモ
トルエンから得られるグリニャール試薬との反応によっ
て、ビス(t-ブチル)(o-トリル)ホスフィンを製造す
る。 (b )ビス(t-ブチル)(o-トリル)ホスフィンのスル
ホン化 一口フラスコ中の9mL の濃硫酸(96重量%濃度)に1.63
g(26.28mmol)のオルトホウ酸を溶解し、7mL の発煙硫酸
(65重量%のSO3 を含む)を最終的にスルホン化混合物
のSO3 の濃度が約0.6 重量%となるように滴下して加え
る。過剰なSO3を60℃で45分間かけて高減圧下で除去す
る。その後300mg(1.32mmol) のビス(t-ブチル)(o-ト
リル)ホスフィン(ホウ酸/ホスフィンのモル比が20/
1 に相当)を加え、この混合物をホスフィンが溶解する
まで撹拌する。反応混合物を21時間60℃に加熱し、その
後冷却し、20mLの脱気した水で加水分解する。
【0020】この水溶液を30mLのトルエン中で4mL(9.25
mmol) のトリイソオクチルアミン溶液とともに24時間撹
拌する。スルホン化されたアミンを分離するために、有
機相を25重量%濃度の水酸化ナトリウム溶液を用いて抽
出し、この水性相をアミン相から分離する。このホスフ
ィンスルホン酸塩水溶液を中和し、場合によっては濃縮
して乾燥する。この結果得られる粗生成物を触媒成分と
して直接使用することができる。
【0021】純粋な化合物は、例1 で説明したようにSe
phadex G-25 を用いてクロマトグラフによって分離す
る。収量は444mg であり、理論値の95%に相当する。 (c )ナトリウム塩としてのビス(t-ブチル)(o-トリ
ル-m- スルホン酸塩)ホスフィンの分析結果31 P-{1 H }-NMR(D2 O): δ=16.20(s,1P)1 H-NMR(D 2 O): δ=1.22(d,3 J HP=12.52Hz,18H,H9),
2.62(s,3H,-CH3 ),7.46(dd,3 J HH=8.2Hz, 4 J HH=4.3H
z,1H,H4),7.76(d, 3 J HH=8.2Hz,1H,H3),8.27(s,1H,H6)13 C-{1 H }-NMR(D2 O): δ=23.03(d, 3 J CP=24.3Hz,
C9),29.16(s,C7),32.26(d,1 J CP=16.2Hz,C8),126.30
(s,C6),130.72(d,3 J CP=5.7Hz,C3),132.25(d,4 J CP=4.
3,C4),135.23(d,2 J CP=10.6Hz,C2),140.13(s,C1),148.
72(d,3 J CP=27.65Hz,C5)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 国際公開95/30636(WO,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 9/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式 【化1】 (式中、R は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基又
    はシクロヘキシル基を表し、M は水素、一価金属、化学
    当量の多価金属、アンモニウムイオン又はアルキル−又
    はアリール置換されたアンモニウムイオンを表し、x は
    数字の1、2又は3を表し、n は数字の0又は1を表
    す)で表されるスルホン化されたホスフィン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したスルホン化されたホ
    スフィンを製造する方法であって、トリス(o-トリル)
    ホスフィン又はトリス(o-メトキシフェニル)ホスフィ
    ン又はその1又は2のアリール基が1〜4個の炭素原子
    を有するアルキル基又はシクロヘキシル基によって置換
    されているこれらの化合物のどちらかの誘導体をスルホ
    ン化剤としての無水系の硫酸/オルトホウ酸又は発煙硫
    酸と反応させることからなることを特徴とする上記方
    法。
  3. 【請求項3】 スルホン化を無水系の硫酸/オルトホウ
    酸を用いて20〜350℃で行う請求項2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 スルホン化を硫酸中の三酸化硫黄の溶液
    を用いて行う請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 硫酸中の三酸化硫黄の溶液が、ルイス酸
    を含む請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 ルイス酸がホウ酸である請求項5に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 1モルのP(III)に対して、少なくとも1
    モルのホウ酸が存在する請求項3又は6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 スルホン化混合物を水で希釈し、その結
    果得られる水溶液をスルホン酸の化学当量当たり0.5 〜
    3 モルのアミンを使用した水不溶性有機溶剤中の水不溶
    性アミン溶液で抽出し、有機相を分離し、塩基性水溶液
    と緊密に接触させ、その後この水性の塩基を分離し、ス
    ルホン化されたアリールホスフィンをここから単離する
    請求項2〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 トリイソオクチルアミンを水不溶性アミ
    ンとして使用する請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 トルエンを水不溶性溶剤として使用す
    る請求項8又は9に記載の方法。
JP7249843A 1994-09-30 1995-09-27 新規のスルホン化されたホスフィン、その製造方法及び触媒系の構成要素としてそれを使用する方法 Expired - Lifetime JP2769803B2 (ja)

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