JP2769604B2 - 自動焦点調節装置 - Google Patents
自動焦点調節装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカメラ等の自動焦点調節
装置に関するものであり、特に対象物体が移動している
時に、撮影レンズによるその移動物体の結像面を動きを
予測して該撮影レンズを駆動する技術に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】まず、図26により追尾を行なわない従
来の自動焦点検出装置についてその構成を説明する。物
体aを発した光は結像光学系(撮影レンズ)Lを通過
し、クイックリターンミラーMを介して通常はフィルム
面Fと共役な位置にあるファインダスクリーンS上に導
かれる。又クイックリターンミラーMの中央の半透明部
を透過した一部の光はサブミラーS.Mを介して焦点検
出手段に導かれる。焦点検出手段101は公知の構成を
有し焦点検出光学系と電荷蓄積型イメージセンサと焦点
検出演算部及びイメージセンサ駆動制御部とから構成さ
れている。即わち電荷蓄積終了後、焦点検出演算部にお
いてデフォーカス量が間欠的に算出される。このデフォ
ーカス量は所定結像面であるところのフィルム共役面と
結像光学系Lの像面との光軸にそった距離に対応する量
となっている。 【0003】制御手段102は該焦点検出手段101か
ら該デフォーカス量に関するデータを受けとりレンズ駆
動手段104のモータを駆動し、結像光学系Lに含まれ
る焦点整合用光学系を動かして所定結像面と結像光学系
の像面が一致するように制御する。ここでレンズ駆動手
段のモータが入力信号により駆動量の正確な制御が可能
なものでない場合はフォトインタラプラ等により構成さ
れ焦点整合用光学系の移動量を検知するモニタ手段10
3のフィードバックパルスを利用して制御手段102は
焦点整合用光学系の駆動を制御する。勿論、パルスモー
タのように入力信号により駆動量の正確な制御が可能な
場合は、モニタ手段は入力パルスを検知するか、あるい
はそれと同等の手段で代行すればよい。 【0004】一般に結像光学系全体を移動して自動焦点
調節を行うことはむしろ少なく、結像光学系の中の一部
の焦点整合用光学系を動かして焦点調節を行うのが普通
である。この場合該焦点整合用光学系の移動量と該結像
光学系の像面の移動量とは一致しない。従って、実際に
はレンズ情報発生手段105に該モニタ手段103の出
力するフィードバックパルス数と、像面の移動量の比に
関する値を記録しておき、制御手段102はレンズ情報
発生手段105からこの比の値を読みとって必要な像面
の移動量(デフォーカス量)に対応する所要パルス数を
算出しフィードバックパルスがこの所要パルス数となる
まで駆動を行うことになる。 【0005】しかしながらこの点は本発明の本質とは無
関係であり、以降の説明においては本発明の要点がわか
りやすいように、結像光学系を仮想的単レンズで表わす
ことにし、該仮想的単レンズの移動量とそれに伴なう像
面の移動量が等しいとして説明を行うことにする。勿
論、単レンズあるいは全群繰出レンズにおいても対象物
体までの距離が極近接すると上の仮定は全く成立しなく
なり、従ってマクロレンズ等ではレンズの繰出量に相応
して前記比の値を段階的に切り換える必要が生じレンズ
情報発生手段105にその機能が必要となるが、ここで
は前記の比の値に関することはレンズ情報発生手段に委
ねることとして、説明をわかりやすくする為に前記仮想
的単レンズを用いて説明を行うことにする。 【0006】図27は説明の都合上、その様な仮想的単
レンズLに座標を固定しており、その場合の移動対象物
体の結像面の軌跡(実線P)と、該フィルム面と共役な
該所定結像面の軌跡(点線Q)とを図示したもので横軸
が時間t、縦軸が光軸に沿った該結像面と該仮想的単レ
ンズとの距離を表わす。図中の座標(tn 、xn )は焦
点検出手段101の電荷蓄積開始時刻tn とその時の該
所定結像面の位置xn を表し、座標(tn ' 、xn ' )
は蓄積終了時刻tn ' とその時の所定結像面の位置
xn ' を表し、座標(tn 0 、xn 0 )は焦点検出演算
終了時刻tn 0 とその時の所定結像面の位置xn 0 を表
わしている。また、図27はいわゆる間欠駆動における
焦点整合動作の様子を図示したもので、時間とともに物
体がa1'、a2'、a3'と移動するのを後追いして、像面
がa1、a2 、a3 と移動している様子を示している。 【0007】第1回目の演算結果として物体の結像面a
1 とフィルム面b1 の距離の差に関する値D1 が時刻t
1 0 に焦点検出手段101から出力されると、制御手段
102は前述のごとくしてこのデフォーカス量D1 を相
殺すべくレンズLの駆動制御を行なっているが、その間
にも物体a1 ′はa2 ′へ移動しているので、時刻t 2
にレンズをD1 だけ駆動してレンズ駆動を停止したとし
ても、次の蓄積時間の中点の時にはすでに結像面はa2
まで移動しており、第2回目の演算結果としてa2 とb
2 の位置の差に関する値D2 が時刻t2 0 に焦点検出手
段101から出力される。そうすると、制御手段102
は前述のごとくしてこのデフォーカス量D2 を相殺すべ
く制御を行ない、時刻t3 にはレンズ駆動を停止してx
3 の位置に所定結像面をもたらしてもすでに物体a2 ′
はa3 ′へ移動しているので、合焦されることはない。 【0008】以降図27のごとく同様のことがくり返さ
れる。もし物体が移動してなかったとし、かつ諸誤差が
無かったとすると1回の蓄積・演算・駆動のサイクルで
物体像面と所定結像面を一致させることができたはずで
あり、演算結果のデフォーカス量に誤差が1〜2割含ま
れていたとしても2〜3回のサイクルで物体像面と所定
結像面を概略一致させることができたはずである。 【0009】しかし、図27に示した様に物体が光軸方
向に移動している場合には、初めの2〜3回のサイクル
では次第に物体像面an と所定結像面bn の間隔は狭く
なるが、その後の両者の間隔は物体像面の移動速度と自
動焦点調節装置との応答性から決る一定値に保たれ合焦
を達成できないままでの後追い状態が継続する。以上は
電荷蓄積、焦点検出演算、レンズ駆動を重複させる事な
く、この順に行なわせるいわゆる間欠駆動の場合の例で
ある。他の駆動法として電荷蓄積と焦点検出演算に平行
してレンズ駆動を行ういわゆるオーバーラップ駆動(特
開昭56−78823)が公知である、しかしこの場合
でも移動物体に対しては後追いとなることは明らかであ
る。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】この後追い状態を解決
するために、本出願人は物体追尾機能を有する自動焦点
調節装置を特開昭60−214325で提案している。
そこでは所定の時刻における像面位置を求め、これに像
面移動速度に時間項を乗じたものを加えて目標位置を算
出してこの追尾軌跡に向かってレンズを駆動し、また軌
跡に到達した後は時々刻々の像面位置を追ってその軌跡
に沿って駆動するようにしている。 【0011】ここに記載の方法は、焦点検出のための電
荷蓄積動作中に結像光学系の焦点整合用光学部材の駆動
速度が変化することを許容しており、そのための補正を
行っているが制御が複雑となり、また駆動速度の変化の
仕方によっては正確な補正が行われない可能性もあっ
た。本発明の目的は、オーバーラップ駆動から発展させ
た上記方式とは多少異なり、間欠駆動から発展させた駆
動形式を用いた物体追尾機能を有するとともに、電荷蓄
積中の駆動速度変化に伴う複雑な補正制御の必要のない
自動焦点調節装置を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の自動焦点調節装
置は、対象物体の光像を形成する結像光学系と、電荷蓄
積型の光電変換手段からの出力を用いて、前記光像の形
成された結像面と予め定められた所定結像面との距離に
関するデフォーカス量を出力する焦点検出手段(10
1)と、前記結像光学系の焦点整合用光学系(L)を動
かすレンズ駆動手段(104)と、前記焦点整合用光学
系の移動に関する量を検知するモニタ手段(103)
と、前記焦点検出手段の出力と前記モニタ手段の出力と
を受けて、前記対象物体の前記結像光学系の光軸方向へ
の移動がある場合には、それに伴う前記結像面の移動の
影響を補正する量を算出する補正手段(100)と、主
に前記デフォーカス量に応じて駆動する第一駆動モード
と前記補正手段で算出された前記結像面の移動の影響を
補正する量に応じて一様に定速で駆動する第二駆動モー
ドとを有するとともに、前記レンズ駆動手段を前記第一
及び第二駆動モードの少なくとも一方で制御する制御手
段(102)とを有し、該制御手段は、前記光電変換手
段の電荷蓄積中は前記第二駆動モードによる制御を行う
ことを特徴とする。 【0013】また、前記第二駆動モードは前記結像面の
移動に関する量である像面移動速度に基づいて駆動制御
されるようにしている。さらに、前記第一駆動モードで
駆動される量は、前記デフォーカス量に応じた量、もし
くは該デフォーカス量と前記移動の影響を補正する量と
の和に応じた量である。 【0014】以上の構成により、本発明では電荷蓄積動
作は必ず定速駆動中に行われるので、複雑な補正とその
誤差の問題は発生しない。また、従来のいわゆる間欠駆
動制御では、焦点検出手段からデフォーカス量が算出さ
れると、このデフォーカス量に応じたレンズ駆動を行
い、レンズ駆動終了後に電荷蓄積動作を行ってその出力
を用いて焦点検出演算を行ってデフォーカス量を算出し
て再びレンズ駆動を行うようにしていた。 【0015】 【0016】本発明の自動焦点検出装置は、対象物体の
移動がある場合に、常に対象物体の移動に伴う像面移動
速度に基づいた速度で前記結像光学系の焦点整合用光学
系を動かすようにレンズ駆動手段を第二駆動モードで制
御することで、対象物体が静止している場合と等価な状
況を作り出し、デフォーカス量がでたらそれがほぼ平行
な2つの軌跡のかい離分を示している(図21)ので、
主に前記デフォーカス量に依存させて駆動する駆動する
第一駆動モードにより両軌跡の不一致をなくして、正確
な追尾を可能にしている。 【0017】本発明の詳細は主に第7実施例に記載され
ている。 【0018】 【実施例】第1実施例について説明する。この例は蓄積
・演算中はレンズ駆動を全く行わず、追尾のための補正
駆動も一括して演算終了後・蓄積開始前に行うという完
全に間欠駆動を踏襲した駆動の方式である。なお今後物
体の移動を相殺するための補正駆動を追尾駆動と呼ぶこ
とにする。図1は第1実施例の構成を示すブロック図で
あり補正手段100を除いては、従来例の説明に用いた
図26と同一である。 【0019】補正手段100は焦点検出手段101の出
力とモニタ手段103の出力とを受けて、物体移動の有
無を判定し、物体移動があると判定された時は物体を追
尾するための補正駆動量を算出し、これにもとずいて制
御手段は追尾すべくレンズを駆動する。図2は第1実施
例の追尾の様子を示すもので、図27と同様の表現法を
用いている。ここでQが通常の間欠駆動による駆動の様
子を示し、物体像の軌跡Pを後追いしている。又Q' が
第1実施例による追尾駆動の様子を示したもので、軌跡
Pにそって追尾がなされており、常に合焦近傍状態を維
持していることがわかる。このQ' とQの差が前記補正
手段の算出した物体移動補正量に相当している。 【0020】次に前記補正手段100の処理内容につい
て述べる。蓄積・演算時間中はレンズを動かさないので
x1 =x1'=x1 o であり、時刻(t1 +t1')/2に
おけるピント外れ量は点a1 と点b1 の距離差(X1 −
x1 o )となり、演算終了時t1 o に焦点検出手段10
1から算出されるデフォーカス量は検出誤差が無ければ
この値D1 に等しい。今後焦点検出手段100で算出さ
れるn回目のデフォーカス量をDn で表わすものとす
る。 【0021】制御手段102は、時刻t1 o に焦点検出
手段101で算出されたD1 を用いてレンズ駆動手段1
04を制御し、モニタ手段103のフィードバックパル
スを計数しながらレンズによる像面移動量がデフォーカ
ス量D1 と等しくなるまで駆動を行う。前にも述べた通
り、実際には撮影レンズに関するある量の像面移動ΔB
fに対応するレンズの移動量は撮影レンズごとに異な
り、又レンズの移動量を与えるフィードバックパルス数
Δnも撮影レンズにより異なることが多い。そこで像面
移動ΔBfをΔn=KB * ΔBfの関係によりフィード
バックパルス数Δnに換算する換算係数KB をレンズ情
報発生手段105に記憶し、これを用いて実際の駆動制
御を行うことになる。 【0022】像面移動をフィードバックパルス数に変換
するこの操作は本発明の本質とは無関係なので簡単のた
めに省略し、以降の記載はすべて像面移動量に換算した
量で表わすことにする。即わちデフォーカス量Dn は勿
論、後述の補正駆動量Cn とかもすべて像面移動量の尺
度で記述したものであるとする。さて、演算終了時刻t
1 o から蓄積開始時刻t2 にかけての駆動はなるべく高
速であることが応答性の上からも望ましく、一方停止間
ぎわでは次第に速度を下げる必要があるので、高速かつ
非等速の駆動である。先願の追尾方式においてはこの間
に電荷蓄積をオーバラップして行なっていたが、駆動速
度が早い為検出像が等価的にボケた状態になることや、
蓄積開始、速度変更、蓄積終了の各時刻のわずかの検出
誤差で位置決定誤差が大きくなること及び停止近傍で著
しく非等速となること等により、非等速レンズ駆動に伴
うデフォーカス量の補正が正確にできない等の欠点があ
った。従って、本実施例ではこの高速かつ非等速の駆動
がほぼ収束した時刻t2 で蓄積を再開する。時刻t2 o
に2度目のデフォーカス量D2 が算出されるが、これは
蓄積時間t2 〜t2'の中間におけるピント外れ量である
点a2 と点b2 の差に相当する値(X2 −x2 o )に誤
差を除いて等しい。もし物体が動いておらずかつ検出誤
差が十分小さければD2 はD1 に比べて非常に小さい値
となるはずなので、原理的にはこの比の値から物体の移
動の有無が判別できることになる。実際図27の従来例
に示すn≧3でのQの軌跡のような後追い状態において
は、算出された各回のデフォーカス量Dn がいつまでも
零に収束せずほぼ一定値となり、Dn /Dn-1 ≒1であ
ることがわかる。しかしながら図2のQ' のよう通常の
デフォーカス量にもとずく駆動の他に付加的な補正駆動
を行なってしまうと、算出されたデフォーカス量Dn 自
体を用いて上述の識別を行う事は不可能となる。 【0023】そこで、図3のごとく補正手段100の中
に収束不足量算出手段100aを設け、これにより収束
不足を表わす量として(1)式で与えられるPn なる量を
算出し、これをよりどころとする。 Pn =Dn +〔前回駆動量〕−Dn-1 …… ここで(1)式はn回目のデフォーカス量Dn が算出され
た時刻tn o 現在のもので、Dn は焦点検出手段101
により算出された最新のデフォーカス量、Dn-1は1回
前のデフォーカス量である。〔前回駆動量〕は時刻to
n-1 〜tn の間に実際に駆動された値X(n−1)もし
くは時刻to n-1 に算出された結果として前記X(n−
1)だけの駆動を行うよりどころとなった計算値
Dn-1 ′をさす。勿論、誤差のない時に両者は等しい
(Dn ′=X(n))。 【0024】さて、追尾のための補正駆動量をCn とす
ると、駆動量Dn ′は下記のようになり Dn ′=Dn +Cn ……… これを用いて(1)式は、次のように表わす事もできる。 Pn =Dn +Cn-1 ………’ 上記式の定義にそって図2を見ればわかる通り、n≧
3以降においては、収束不足量Pn は点an と点an-1
の距離の差(例えばP4 =D4 +C3 )即わち物体像の
駆動量に他ならない。 【0025】なお、第1回目の演算結果がでる時刻t1
o の時点ではそれ以前の結果が無いので初期条件として
P0 は十分大きな値例えば1000mm程度とし、P1 =
D1になるように決める。従ってこの場合P1 は物体移
動量に対応せず又|P1 /P0 |<0.1となる。そこ
で前記補正手段100の中に図3に示す如く物体移動判
別手段100bを設け、物体移動の有無を判別する。 【0026】次に物体移動判別手段の具体例について述
べる。検出誤差がある程度存在することを前提に、後述
のルーチンに従って移動物体の追尾駆動を図2のQ' の
ごとく行なった結果の収束不足量Pn の変化を表1に示
す。 【0027】 【表1】【0028】この例では最初の収束不足量P1 は10mm
と大きく、n=2、3でPn は急速に収束するが合焦許
容範囲に相当する0.05〜0.15mm以下にまでは到らな
い、そしてn=4〜7ではPn の値はほぼ0.4mm前後
で一定している。即わちn=3〜4以降でもPn の値が
合焦許容範囲内に収束せずほぼ一定値となることが物体
の移動を物語っており、その時のPn の値が1サイクル
における物体移動に伴う像面移動に対応している。 【0029】この事からPn が0.5≦Pn /Pn-1 <
2程度の範囲に入る事をもって、物体が移動していると
判定することができる。物体が静止していれば、通常、
今回のデフォーカス量が前回のデフォーカス量の2,3
割以下となるのが一般的である。実際的には物体移動判
別手段はPn /Pn-1 と所定の定数(閾値)kとの大小
を比較して物体が移動しているか否かを判別する。諸誤
差の影響を考えるとkの実用的な値の範囲は 0.3≦k≦0.8 であり0.4≦k≦0.6が最適と考えられる。そしてP
n /Pn-1 ≧kの時物体移動判別手段100bは物体移
動があるものと判定する。又この時の1サイクルにおけ
る物体移動に対応する像面移動はほぼPn で与えられる
ことがわかる。従って補正手段100にさらに物体移動
補正量算出手段100cを設けこれにより追尾のための
補正駆動量Cn を算出する。つまり前記物体移動判別手
段が物体移動有と判定した時には Cn =Pn 物体移動なしと判定した時には Cn =0 とする。 【0030】次に処理の流れを概念的に示した図4
(a)のフローチャートと第1実施例の処理内容を具体
的に表わした図4(b)のフローチャートを用いて説明
を行う。まずステップ(1)で前述の初期値設定を行
う。ステップ(2)で蓄積開始、ステップ(3)で蓄積
終了となり、焦点検出手段の電荷蓄積型イメージセンサ
の画像出力は焦点検出手段内の焦点検出演算部へと送ら
れる。次いでステップ(4)で焦点検出演算が開始さ
れ、ステップ(5)で演算が終了し、デフォーカス量D
n が算出される。このようにして焦点検出手段からデフ
ォーカス量Dn が出力されると、通常は制御手段102
はこのデータにもとずいてレンズの駆動を行う。しかし
本実施例においてはデフォーカス量Dn はまず補正手段
100により追尾駆動のための処理を受ける。 【0031】ステップ(6)は該補正手段100中の収
束不足量算出手段100aに対応するもので前記収束不
足量Pn を算出する。ステップ(7)は物体移動判別手
段100bに対応するもので、図4(b)ステップ
(7)では|Pn |>k*|Pn-1 |であれば物体が移
動しているものと判定される。ステップ(8)は物体移
動補正量算出手段100cに対応するもので、物体移動
の有無に応じて補正量Cnを算出する。次いでステップ
(9)で駆動量Dn ′が算出される。このDn ′は前に
も述べたごとく像面移動量換算のものであり、制御手段
102はこのDn の値とモニタ手段103からのフィー
ドバックパルスの対応関係を、前述のごとくレンズ情報
発生手段105に記憶された換算係数KB で結びつけて
駆動制御を行う。 【0032】次いでステップ(10b)で次回の演算に
必要な値を記憶し、ステップ(11b)で駆動を開始
し、ステップ(12b)での駆動停止条件を満たすまで
駆動が継続する。停止条件を満たすと再びステップ
(2)にもどって蓄積が再開される。このように第1実
施例は追尾を行う場合でも電荷蓄積、演算、駆動が重複
することなく順次行なわれる間欠型の駆動方式となって
いる。従ってステップ(9)でDn ′=Dn +Cn と記
載したごとく、駆動量Dn ′としてはデフォーカス量D
n と追尾のための補正駆動量Cn の合計として与えられ
ている。もしステップ(11b)(12b)における駆
動の実行により、ステップ(9b)で算出された駆動量
が完全に達成された場合は問題がないが、算出された駆
動量と実際の駆動量に違いの生じる時はステップ(6
b)の収束不足量Pn の算出は' 式では不完全であり
式を用いる必要がある。そしてその場合式における
前回駆動量の値は前回算出のDn-1 ′ではなく、前回実
際に駆動した量X(n−1)をフィードバックパルスの
累算から逆算した値を用いる必要がある。 【0033】この様に第1実施例によれば完全に間欠駆
動を踏襲しており、従って蓄積時間中はレンズが停止し
ている為、特開昭60−214325の場合のように算
出されたデフォーカス量の精度が劣化することがなく、
正確に物体移動の有無が判定でき、正確な追尾駆動が可
能となるという効果を有する。又従来の追尾方式である
特開昭60−214325の場合には、蓄積時間中も演
算時間中も駆動が並列して行なわれる事を前提としてい
るので、マイコンがマルチタスクとなり、イベントカウ
ンタやタイマの数が限られ、演算能力が十分でないマイ
コンを使用するとプログラムが困難となったり、迅速な
処理が行なえなくなるといった欠点が存在していた。 【0034】しかし本実施例での追尾ソフトでは間欠駆
動なのでマルチタスクとなることはなく、かつ全く時間
をモニタしなくても十分効果的な追尾駆動が可能なた
め、プログラムの構築が容易であると同時に、現状駆動
ソフトを走らせているマイコンの能力で十分対応ができ
るという長所がある。又実際にソフトを付加する量も、
従来の間欠駆動のソフトに図4(a)、図4(b)に示
したわずかの演算ステップを付加することで追尾駆動が
できるので、従来ソフトとの適合性が非常に優れてい
る。 【0035】次に第1実施例で説明した物体移動判別手
段100bの処理をさらに高精度化した第2の実施例に
ついて説明する。尚、物体が移動有りとされた場合の補
正駆動量Cn は、前述の如く必ずしも厳密に設定する必
要はなく、例えば収束不足量Pn に1に近いある係数を
乗しても良く、レンズの駆動制御においてオーバランぎ
みの場合には係数を1以下(0.9,0.8,…) に設定した
り、アンダーランぎみの場合には係数を1以上(1.1,1.
2, …) に設定したりしても良い。 〔第2実施例〕第1実施例で説明したごとく、物体移動
判別手段が物体移動があると判定した場合には追尾補正
を含む間欠駆動(追尾駆動)を行ない、物体移動が無い
と判定した場合には通常の間欠駆動(収束駆動)を行
う。しかしもし物体移動判別手段の判定精度が十分でな
く、物体移動が無い場合に誤って物体移動があると判定
した場合には、駆動動作がハンチング気味になるという
問題が生じる。この問題を解決するために、誤った判定
を防止する方法を図5により説明する。図5のフローチ
ャートは第1実施例で述べたステップ(7)に替わるも
のであり、ここではステップ(1001)で今回の収束
不足量Pn と前回の収束不足量Pn-1 が同符号であるか
否かを見て物体が移動しているか否かを判定し、同符号
でない場合には物体が移動していないものと判定し、同
符号の場合には次の判定ステップ(1002)で確かに
物体が移動しているか否かを判定する。即わちステップ
(1001),(1002)の2段階で物体移動の有無
を判定しているのは、|Pn |>k*|Pn-1 | が満
足されてもPn とPn-1 が異符号の時に物体が移動して
いると判定されるのをさける為である。なおステップ
(1001),(1002)の条件をまとめてPn /P
n-1 >kという判定を用いてもよい。 【0036】次に急に物体が焦点検出視野から外れてし
まった場合を考えてみる。この場合でステップ(100
2)の条件を満たす場合が生じると(例えば、Pn /P
n-1≧4になると)、Pn に基づくデフォーカス量でレ
ンズ駆動を行ってしまうので、著しいオーバーランが発
生するという問題点が存在する。この問題点を解決する
為に設けられたのがステップ(1003)の|Pn |<
r*|Pn-1 |による判定でrは1.2≦r≦3程度の
定数である。即わち|Pn |が|Pn-1 |に比べて著し
く大きくなる場合すなわちステップ(1003)が否の
場合には物体が検出視野外に外れたと判定して、物体移
動有と誤って判定される事を防止し、追尾補正のない通
常の間欠駆動(収束駆動)を行うものとする。 【0037】次にステップ(1004)について説明す
る。目的は合焦近傍で物体移動が無いか又はあっても小
さい場合には、収束不足量Pn に含まれるデフォーカス
量検出誤差の相対的割合が増大し、物体移動の有無にか
かわらずステップ(1002)の判定が検出誤差の影響
に左右される可能性を排除し、物体移動が無い場合に駆
動が収束間ぎわでハンチング気味とならないようにする
ためのものである。この目的を実現する為に許容巾δa
を設け|Pn |>δa でない場合は物体移動が無いと判
定する。ここでδa の大きさはデフォーカス量算出誤差
と被写界深度の大きさを反映した値として決定されるが
おおむね0.05〜0.2mm程度の値である。すなわち、
レンズが合焦近傍に近づいており、おおむね合焦近傍と
見做せる範囲にPn が入っているときには、追尾駆動で
ない収束駆動のみを行う。このステップにより物体移動
の小さい時には移動を検出できないことになるが、この
場合には通常の追尾のない間欠駆動(収束駆動)でも著
しい後追いとなることと無いので問題はない。又このス
テップ(1004)はこの位置に限られるものではなく
ステップ(1001)の前にしてもよい。 【0038】以上の様に第2実施例によれば、物体移動
の判定がより完全となるので、追尾ソフトの追加にとも
なう通常動作時のハンチングの問題がなくなり、安定し
た動作が保証される。又第2実施例においても第1実施
例と同様時間の計測は行っていないので非常に簡単なソ
フト処理で対処が可能である。 〔第3実施例〕これまでは焦点検出手段とレンズ駆動手
段の動作特性だけから決まるタイミングを議論していた
が、カメラを前提に考えた場合露光とのタイミングを配
慮する必要がある。第1実施例、第2実施例で説明した
駆動は間欠駆動であり、駆動自体は階段状となる。これ
に対して物体の移動はナメラカに移り変わるので、露光
のタイミングを適切にとってやることが好ましい。逆の
言い方をすれば追尾の駆動が間欠駆動であるために階段
状の追尾になるとしても、露光のタイミングをうまくと
れば撮影された写真に関しては完全にピントの合ったも
のが得られることになる。そのような露光のタイミング
のとり方について以下の第3実施例で説明を行う。な
お、第3実施例における追尾の方式は第1実施例、第2
実施例のものを前提とする。又シャッターレリーズに関
しては焦点検出系の合焦判定の有無とは無関係に露光
(ミラーアップ)を許容する独立モードと、合焦判定の
あった場合に露光を許可する合焦優先モードとが存在す
るが、ここでは合焦優先モードを念頭に話をする。 【0039】第3実施例の具体的説明に入る前に公知の
通常の間欠駆動方式における露光のタイミングのとり方
について図6を用いて説明する。ステップ(5)でデフ
ォーカス量が算出されるとステップ(81)で算出され
たデフォーカス量の大きさが予め定められた合焦範囲δ
と比較され、デフォーカス量の大きさがδより大きい
と、ステップ(82)でレンズを駆動し、ステップ(8
3)で所定の駆動量の駆動が終了したと判定されると、
次の電荷蓄積が開始される。このサイクルが1〜3回程
行なわれて、ステップ(81)における判定でデフォー
カス量の大きさがδより小さいことが分った場合にはス
テップ(84)へ進んで合焦処理を行う。ここでいう合
焦処理とは合焦表示の点灯及びフィルムの露光のための
ミラーアップを許可することを意味し、もしこれ以前に
シャッターのレリースが行なわれていたとしてもこの時
点までは露光が行なわれず、上記露光許可の信号を受け
てミラーアップ及び露光が行なわれる。これが前記合焦
優先モードの骨子である。物体の移動が無い通常の場合
にはこの処理で特に問題は無い。しかし物体が移動して
いる場合には上記通常の処理ではピントの外れた所で露
光をしてしまうことになるという欠点がある。この事を
図7を用いて説明する。 【0040】図7の例では電荷蓄積時間Tint の中点を
像の軌跡Pが通過しているので、演算終了時tn o に算
出されるデフォーカス量Dn は|Dn |<δとなり、図
6ステップ(84)の合焦処理のルーチンに入る。もし
tn o 以前にシャッターのレリーズが行われていればt
n o の時点でステップ(84)による露光許可(ミラー
アップ許可)が発生し、ミラーアップが行なわれてミラ
ーアップに伴う遅延時間Tupの後の時刻texpoにフィル
ムの露光が発生する。しかしこの時点では図から明らか
なごとく、像の軌跡Pは離れてしまっているので、ピン
トの外れた写真が撮られる事になる。即ち|Dn |<δ
は電荷蓄積時間の中点の時刻における合焦を意味してい
るにすぎず、この瞬間から露光までの遅延時間の分だけ
像面は外れてしまう事になる。 【0041】この欠点を解決する為に第3実施例では図
8のごとく前記補正手段100の中に合焦処理遂行手段
100dを設け、ここにおいて追尾駆動時においてはそ
れに最適な合焦処理を行うようにする。この操作は図9
のステップ(10)に相当する。(ステップ(1)〜
(9)は図4(a)と同じ)次にこのステップ(10)
の内容を図10、図11のフローチャートにより説明す
る。 【0042】図10ステップ(1101)で物体移動が
ある場合か否かがステップ(7)の結果に即して判別さ
れ、物体移動が無い場合にはステップ(81)、(8
2)、(83)又は(84)へ進む。これは図6の同一
番号のものと対応しているので説明を省く。ステップ
(1101)で物体移動有とされた場合には、ステップ
(1102)で駆動が開始され、ステップ(1103)
で所定の駆動停止条件IIが満足するとステップ(110
4)へと進み合焦処理IIが行なわれる。ステップ(11
04)の合焦処理IIの内容はステップ(84)の合焦処
理Iの内容と等しく、露光許可と表示点灯であるが、こ
の場合物体が動いているので表示は所定時間経過後は消
灯するのが良い。 【0043】この様にすることで物体移動がある場合で
もピントの合った写真が撮影できる理由を図7で説明す
る。第1実施例、第2実施例における追尾駆動の方法に
よれば、追尾中は電荷蓄積時間Tint の中点に関する瞬
間においてP、Q' の軌跡がほぼ交わるように制御され
ている。 【0044】このことからサイクルタイムが同じであれ
ば次回のP、Q' の交差が生じるのは駆動終了からTin
t /2だけ後である事が予想される。一方ミラーアップ
開始から露光までの遅延をTupとし、両者の時間差をδ
TとするとδT=Tup−Tint /2となる。従って駆動
が終了して蓄積再開を指示することに決めていたタイミ
ングよりδTだけ先んじてミラーアップを行なえば、露
光の瞬間にはほぼPとQ' の交点近傍にいるようにでき
る。 【0045】ちなみにTup≒50m sec のカメラボディ
の場合、Tint /2は物体の明暗に応じて変化するが非
常に暗い場合を除いてほとんどの場合に0〜50m sec
であるので、0≦δT≦50m sec となり、20〜30
m sec だけ蓄積再開予定のタイミングより早目にミラー
アップを行うようにすれば良い。タイミングのとり方の
第1例としては、レンズ駆動停止のためにブレーキをか
けてから完全に停止するまでに約20m sec かかり、そ
の間に像面が50μ程度移動するような場合には、ブレ
ーキをかけるタイミングにミラーアップのタイミングを
合わせ、これから20〜30m sec 後に蓄積再開のタイ
ミングをとるように設定することができる。タイミング
のとり方の第2例としては、駆動残量が像面移動に換算
して150μから50μになるのに20〜30m sec か
かるとすれば、150μ残の時点でミラーアップのタイ
ミングを出し、50μ残の時点でブレーキと蓄積再開の
タイミングを出すようにしても目的を達成できる。 【0046】このうち第2例の場合について図11によ
り説明する。物体移動のある場合はステップ(120
1)からステップ(1202)へいきレンズ駆動が開始
される。駆動残量が像面移動に関してδP からδ0 にな
るまでの時間がほぼδTとなるようにδP 、δ0 の値を
定めてあるものとする。ステップ(1203)で駆動残
量が像面移動に関してδP 以下になるとステップ(12
04)に進んでミラーアップ許可を含む合焦処理を行
う。勿論シャッターレリーズがこの時点までになされて
いなければミラーアップ許可が出されてもミラーアップ
は実行されない。さらに駆動が進んでステップ(120
5)の駆動停止条件を満たせば、即ち駆動残量に相当す
る像面移動量がδ0 以下となるとステップ(1206)
でブレーキがかけられるとともに、ステップ(120
7)でメインミラーがミラーダウン状態にある事が確認
され、ミラーダウン状態の時は図9のステップ(2)に
もどって蓄積が再開される。あらかじめシャッター釦が
レリーズ状態にありステップ(1204)でのミラーア
ップ許可を受けて、実際にミラーアップが行われた時は
ステップ(1207)ではミラーダウン状態にないと判
断されるので露光が終了してミラーダウン状態にもどる
までステップ(1207)に止まり、ミラーダウンとと
もに図11のステップ(1204)に移って蓄積が再開
される。 【0047】ところでステップ(1203)における値
δP は一定値に設定しても良いが、電荷蓄積時間をモニ
タして、それに応じたδTを算出し、δTの値に応じて
δPの値を変更するようにすると完璧である。以上では
δT>0の場合について述べたが、条件によってはδT
<0となる場合も発生する可能性がある。しかしこの場
合はミラーアップのタイミングを駆動終了のタイミング
より遅らせる方向なので、駆動終了のタイミングからδ
T時間だけカウントして遅らせれば良いので簡単であ
る。 【0048】尚、上述の説明ではδTの誤差を補償する
方法を厳密に述べたが、δTが20〜30mmsecとな
ることがほとんどである様な場合には合焦処理(ミラー
アップ許可)と蓄積再開指示のタイミングを意図的にず
らさずとも実質的に問題のない結果が得られる。次にス
テップ(1201)で物体移動が無いとされたときの場
合について説明する。この場合ステップ(1210)で
|Dn ′|とδf の大小が比較される。参考までにこの
ループでは追尾がないのでDn ′=Dn に等しい。ここ
でδf は合焦ゾーンの片側の巾を表わし50〜200μ
程度の大きさの量である。もし|Dn ′|>δfならば
ステップ(1211)で識別フラグIを0にセットしス
テップ(1212)で駆動を開始する。次いでステップ
(1213)での駆動停止条件を満たすステップ(12
14)でブレーキがかかり、ステップ(1207)を通
過してステップ(2)で蓄積が再開される。このように
して再びステップ(1210)にもどり|Dn ′|<δ
f となった場合はステップ(1215)にすすむ。ステ
ップ(1215)では表示点灯、ミラーアップ許可等の
合焦処理を行う。次いでステップ(1216)で識別フ
ラグIに1を加え合焦ゾーンに入った事を記憶する。ス
テップ(1217)では、|Dn ′|<δc (0<δc
<δf )であるかI≠0であるかが調べられ、この条件
を満たす時は駆動を行わずに次の蓄積へ移行する。 【0049】ここでδc は0〜50μ程度の値であり、
レンズを合焦ゾーンの中央付近に停止させる為に設けた
シキイ値である。ステップ(1217)で条件を満たさ
ない場合、即ち、I=0でかつδf >|Dn ′|>δc
の場合にはステップ(1212)で駆動開始され、駆動
停止条件駆動残量<δcとなるまで駆動され、次いでス
テップ(1214)でブレーキがかけられる。 【0050】以上の第3実施例の要点を簡単にまとめる
と次のように表現できる。即ち、合焦逐行手段は、少な
くとも演算された駆動量がある所定値(50μ〜150
μ程度の値)を越える場合について、物体移動が無い場
合には合焦処理を行わないが、物体移動が有ると判定さ
れた場合については、追尾駆動の終了後又は終了間際に
合焦処理を逐行する。 【0051】こうして、第3実施例では追尾駆動のある
場合とない場合で合焦処理即ち合焦表示の点灯及びミラ
ーアップ許可の発生等のタイミングを変える事により、
追尾動作のある場合にも、その最も効果的な瞬間に露光
を行ない得るようにしており、間欠駆動による追尾であ
るにもかかわらず、移動物体に対して完全にピントの合
った写真を撮影することが可能となる。 【0052】また、第3実施例でも時間計測は必ずしも
必要ではなく、使うとしても電荷蓄積時間の値であり、
この値は追尾のない通常の焦点検出装置においても蓄積
時間をソフトウェアで制御する場合には必要不可欠なた
めこれを計測している事が多く、それを流用すれば良い
のでその場合特にソフト上の負担が増大することはな
く、また間欠駆動である事に変わりはないので特開昭6
0−214325の場合のようにマルチタスクとなるこ
とはなく、第1実施例で述べたようなソフト作成の容易
性という特徴を失ってはいない。 〔第4実施例〕以上の第3実施例では露光のタイミング
のとり方について説明した。しかし上述の説明が適合す
るのは第1回目の露光のタイミングだけであり、連写す
る際の2回目以降の露光のタイミングは又違ってくる事
を注意する必要がある。即ち第1回目の露光の前までは
(蓄積・演算・駆動)を1つのサイクルとしてこのくり
返し動作である。従ってそのような前提に立って露光の
タイミングをとれば良かった。そして第1回目の露光の
瞬間と予定蓄積時間の中点を与える瞬間とのタイミング
の合致を考えれば良かった。 【0053】しかし、連写モードにおける2回目以降に
関しては(蓄積・演算・駆動・ミラーアップ期間)を1
サイクルとしたくり返し動作を考える必要があり、露光
の瞬間はミラーアップ期間の中央に存在するので、蓄積
時間の中央時と露光の瞬間とを合致させる事は不可能で
ある。このような場合における追尾方式について以下の
第4実施例として説明を行う。この場合も追尾の基本動
作は第1、第2実施例を前提としている。図12の上段
の図はモータードライブによる連写撮影時の各動作のタ
イミングを示したものである。連写の周期はTであり、
そのうちメインミラーが上がっている期間がTM であ
る。ミラーアップ期間TM はミラー上昇に伴う遅延時間
Tupと露光時間Ts とミラー下降に伴う遅延時間Tdown
から構成される。また、図中破線で示された期間TW 露
光後のフィルム巻上中に相当する期間である。また巻上
終了又は演算終了からミラーアップ開始までの時間がT
D で、この間にレンズ駆動がなされる。ミラーアップ開
始のタイミングは前にも述べたように駆動残量が像面移
動量に換算して一定量(例えば、50μとか150μと
か)となった時とする。 【0054】さて図1の構成の場合にはミラーが上がっ
ている状態では焦点検出はできないのでミラーダウンと
同時に蓄積が開始され、図12に示すように蓄積時間T
int、演算時間Tcal が継過した時点でデフォーカス量
が判明する。フィルム巻上中にレンズ駆動が禁止されて
いる場合には、デフォーカス量が算出されても巻上終了
まではレンズ駆動開始と遅延することになる。 【0055】このような動作モードにある第1回目の露
光終了以降の連写条件下においては、露光のタイミング
と積分時間の中央時点とのタイミングの間にはδT1 =
Tdown+Tint /2の時間のずれが存在する。ところで
前にも述べた通り、第1実施例で述べた追尾駆動の方法
によれば、図12に示すようにPとQ' は蓄積時間の中
点で交差するように追尾のための補正駆動が行われてい
る事になる。しかしこのままでは駆動が間欠的なため
に、露光のタイミングにおいては、δT1 の間に物体像
面が移動した量Δだけ、ピントが狂った写真が撮れる事
になる。 【0056】第4実施例はこのように露光のタイミング
と蓄積時間中点のタイミングとのずれδT1 に基づくピ
ント外れΔを考慮し、これを収束過不足量として補正す
る収束過不足量補正手段100eを図14のごとく前記
補正手段100内に設け、移動する物体を連写する時も
これを追尾しながらピントのあった写真が撮影されるよ
うにするものである。即ち追尾のための補正駆動量をΔ
だけ減ずることにより図13に示したごとく、露光のタ
イミングにおいてPとQ' が重なるように追尾駆動を制
御するものである。 【0057】次にΔの算出方法について述べる。図13
から分る通り Δ=Pn *δT1 /T で与えられるの
でサイクルタイムTと蓄積時間Tint をカウントしてお
けば正確に決定することができる。しかしδT1 もTも
通常とり得る値の範囲は限られているので、α(=δT
1 /T)を適当な定数としてΔ=Pn *αで算出しても
大きな誤差は生じない。この場合δT1 やTをカウント
しなくてすむというメリットがある。 【0058】上記定数αの値は0.1≦α≦0.5の範囲に
あり0.2程度の値となることが多い。また、実際には図
13のPで記した物体像面の軌跡は直線とはならず、物
体が近ずく時にはより傾きが時間とともに増大し、物体
が遠ざかる時には傾きが時間とともに減少する方向に変
化するので、Pn の符号により物体の移動方向を判別し
これによってαの値を変更するのが良い。即ち物体が遠
ざかる時のαをαf 、近ずくときのαをαn とするとα
f >αn のようにする。このようにすれば物体が遠ざか
る時のΔの値が大きめとなり追尾の補正駆動量が減少し
て物体軌跡の傾斜減少と合致させることができる。 【0059】次に具体的に補正手順を図15、図16に
より説明する。図15は概略の流れを示すフローチャー
トで、図9のステップ(8)とステップ(9)の間に収
束過不足量補正手段100eとして収束過不足量Δを算
出し補正するステップ(8)'が含まれている。図16は
このうちステップ(6)からステップ(10)までの部
分をより具体的に示したものである。 【0060】ステップ(6)(7)(8)は第1,第2
実施例で詳述した通りである。ステップ(81)(8
2)(83)が図15ステップ(8)'に対応するもので
あり、まずステップ(81)で、連写中でかつすでに第
1回目の露光が完了しているか否かが調べられる。別の
表現を用いれば、最終のレンズ駆動動作と今回の蓄積演
算サイクルの間にミラーアップダウンがあったか否かが
調べられる。つまり第1回目の露光は第3実施例にもと
ずくタイミングで行われるので、収束過不足量Δの補正
は行わず従ってすぐにステップ(9)に移る。連写中で
は、ステップ(82)で前述の収束過不足量Δが算出さ
れ、ステップ(83)で追尾の補正駆動量Cn に上記Δ
の分がさらに補正された補正駆動量Cn が算出されて、
次のステップ(9)へ移る。これ以降のステップについ
てはすでに説明したものと同等なので省略する。 【0061】以上のように第4実施例によれば、露光の
瞬間と蓄積時間の中点を与える時間の時間差に相当する
物体像面の移動を補正することができるので、連写中で
も移動物体に対して、ピントの合った写真が撮影され
る。又この実施例においても基本的には間欠駆動なの
で、CPUは蓄積演算と駆動の並列処理といったマルチ
タスクを行う必要がほとんどなく、ソフト構築が容易で
ある。 【0062】以上第3、第4実施例で説明したごとく、
モータドライブによる連写の際の第1回目の露光時と第
2回目以降の露光時とでは最適制御条件が異なる。従っ
て補正手段はこの点を識別して最適制御を行う必要があ
る。 〔第5実施例〕以上第3実施例及び第4実施例では合焦
優先モードを前提としていた。即ちシャッターレリーズ
がなされても焦点検出システムから露光許可の信号が出
されるまではミラーアップは行われなかった。即ち追尾
駆動の終了とともに、あるいは終了間際にミラーアップ
許可の信号が出力され、それに伴ってミラーアップが行
われていた。 【0063】しかしながらこれでは必ずしも意図した瞬
間の写真がとれないという欠点がある。そこで多少ピン
ト条件は甘くしてもシャッターレリーズ釦が押された瞬
間にミラーアップがなされ、露光が行われるような独立
モードも考えられる。第5実施例ではこのような独立モ
ードにおいて出来るだけピントが合った写真撮影を可能
とする為の条件を説明する。 【0064】1眼レフカメラのモータドライブにおいて
は最高速で5コマ/秒程度のコマ速となる事がある。そ
のような場合のタイミングを図12上段の図で説明す
る。連写のサイクルタイムTは200m sec であり、こ
のうちミラーアップ時間Tupが50m sec とする露光の
時間を20m sec として、露光の終了後始まるフィルム
巻上時間Tw を100m sec とすると残りの時間TD は
わずか30m sec 程度になる。 【0065】ブレーキをかけてから停止するまでの時間
を10〜20m sec 見込むとすれば、正味の駆動時間は
10〜20m sec となり、実質的にレンズ駆動が不可能
となってしまう。従って出来る限り高速のモータードラ
イブに合焦動作がマッチングできるようにする為には、
ミラー上昇から露光直前までの期間Tupの間もレンズの
駆動を許容するようにするのが良い。もしTup≒50m
sec あるとすれば、レンズ駆動に使える時間はTD +T
up≒80m sec 程度でてくるので、たいていの場合追尾
に必要な駆動量をまかなうことができるようになる。従
って出来る限り高速応答を行う為にはTupの期間もレン
ズ駆動を行うようにすることが重要である。 【0066】さて、合焦優先モードの場合に焦点検出シ
ステムと露光のタイミングが所定の関係にあることは、
その前提から明らかであるが、焦点検出システムの状態
と無関係にシャッターレリーズ釦が押されたのに合わせ
て露光を行う独立モードの場合でも、実は焦点検出シス
テムの動作のタイミングと露光のタイミングの間には一
定の関係が生じてしまう。これにより独立モードでも露
光の瞬間にピント状態がほぼ良好になるように制御する
ことが可能である。即ち上述の一定の関係は、メインミ
ラーが下り切ったと同時に電荷蓄積を開始するという条
件を設ける事で必然的に発生するものである。このよう
に条件づけすることで、第4実施例で説明したのと同一
のパラメータδT1 が意味をもつことになる。即ち、最
終のレンズ駆動動作と、今回の蓄積、演算サイクルの間
にミラーアップ・ダウンが入った場合、露光の瞬間から
今回の蓄積時間の中間時までの時間差がδT1 となる。
この様に考えるとレンズ駆動の時間が大巾にTupの中に
割り込む事を除けば第5実施例においても第4実施例に
おいて述べたのと同一の処理が有効である事がわかる。
そこで次にレンズ駆動の時間が大巾にTupの中に割り込
む事の影響について次に説明する。 【0067】まず駒間でレンズ駆動可能な時間の間にレ
ンズ駆動で移動できる像面移動の量をΔZ1 とすると、
物体像面の移動速度として駒速5コマ/秒の場合は、5
×ΔZ1 /sec 相当の移動物体まで追尾することが可能
であり、この能力を上げる為には上記関係を満たせるよ
うに駆動のパワーを上げる必要がある。図17Q' はち
ょうどこのような臨界条件に相当する場合の例を記した
もので、露光の直前にブレーキがかかって停止してい
る。又上記臨界条件をわずかに越える時はQ''のように
露光中もレンズが移動している状態が発生するが、この
ような場合はそもそも像面が相当早く動いているので、
厳密にレンズを停止させる事に意味はなく、少し位動い
ても問題はない。さらに上記臨界条件をはるかに越える
程の物体移動が大きい時には、追尾は後追いとなるのを
さけられない。 【0068】以上のように第5実施例によれば、ミラー
アップ後もレンズ駆動を許容することで、独立モード、
高速モータドライブの場合でもピントの合った撮影を可
能とすることができる。この場合も収束過不足量補正手
段100eは、第4実施例で説明したのと同等のやり方
でΔを決定し収束過不足量の補正を行うものとする。勿
論第4実施例の合焦優先モードにおいてもδP の値を大
きくとる事で、Tup期間でのレンズ駆動を積極的に行な
い応答性を上げることも可能である。 〔第6実施例〕以上の実施例では時間の計測は必ずしも
必要とせず、必要な場合でも代表値で置き換える事が可
能な追尾駆動方式について説明した。又蓄積時間や演算
時間が毎回ほぼ等しい場合を考えていた。実際追尾の際
は同一物体を追っているので、上記条件はほぼ満足され
る。又シュミレーションによれば少し位バラツキがあっ
てもその分だけ各回ごとにオーバーラン又はアンダーラ
ン気味となるものの、全体としては通常の間欠駆動に比
して十分に有効な追尾駆動を行う事が判明している。 【0069】しかし、時間間隔のバラツキを考慮して追
尾ソフトを構築すれば上記わずかのオーバーラン及びア
ンダーランも除去することが可能であり、以下の第6実
施例において、その様な場合について説明する。これま
での実施例では1周期の間の物体移動補正量Pn をその
まま演算に用いていたが、本実施例では図18参照のご
とくこの間の時間T(n−1)を計測して物体移動の速
度に相当するものを算出し、これによって図19の補正
手段100に含まれる補正不足量逐次補正手段100f
によりキメ細かに追尾駆動の補正を行うものであるが、
蓄積演算中は駆動を行わず本質的に間欠駆動である事に
変わりはない。 【0070】図20のフローチャートを用いて処理の流
れを説明する。ステップ(1)〜(5)はこれまでと同
様である。次のステップ(55)ではイベントカウンタ
ーの値Event又はレジスターの値Regisから駆動量X
(n−1)を算出する。ここで、イベントカウンタには
モニタ手段からの前回駆動に関するフィードバックパル
スの計数結果が入っている。 【0071】ステップ(6)で収束不足量算出手段10
0aは収束不足量Pn を式によりPn =Dn +X(n
−1)−Dn-1 で算出する。ステップ(1)で物体移動
判別手段100bにより物体移動の有無が判別される。
具体的方法は第1、第2実施例で述べた通りである。物
体移動有の場合はステップ(31)に進みフラグIDO
=1とする。ステップ(32)、(33)がこの実施例
における物体移動補正算出手段100cの内容に相当す
るものである。ステップ(32)は演算終了時点での図
18PとQ' の差に相当する量を補正量として下式によ
り算出する。 Cn =Pn *{Tint(n)/2+Tcalc(n)}/T(n−1) ……… ステップ(33)は第3実施例や第4実施例で述べた事
に対応する処理を行うもので、露光のタイミングを最適
化するために、さらに Pn *δT/T(n−1) ……… の補正を行う。ここでδTが露光のタイミングに依存す
る量である。 【0072】ステップ(34)で駆動量Dn ′がデフォ
ーカス量Dn と追尾のための駆動量Cn の和として求め
られる。さてレンズ駆動開始は、駆動量に対応するパル
ス数をレジスターRegisにセットすることにより自動的
に開始され、これに伴ってモニタ手段103から出力さ
れるフィードバックパルスをイベントカウンターでカウ
ントし、このイベントカウンターの累算値が前記レジス
ターRegisにセットした値に等しくなった時点で割込み
(EVC割込)が発生するものとする。ここで駆動の方
向については別途フラグをたて、このフラグでレンズ駆
動モータの回転方向を制御するがフローチャート上は記
述を省略する。 【0073】ステップ(35)でイベントカウンター値
Eventを0にリセットし、レジスターRegisに(|
Dn ′|−δc )に相当するパルス数をセットする。こ
れによりレンズ駆動が自動的に開始する。次いでステッ
プ(36)でEVC割込みを許可し、停止の割込みを待
つ。ステップ(37)は図19補正不足量逐次補正手段
100fに対応するもので、ステップ(32)で算出し
た補正量が演算終了時点のものであったので、演算終了
時点以降の補正量を逐次補正する。 【0074】即ち物体像面の移動量は時間ΔTの間に次
式 ΔPn =Pn *ΔT/T(n−1)…… で与えられるので、ΔT秒おきに|ΔPn |に相当する
パルス数を前記レジスターに加算あるいはレジスターか
ら減算する。加算となるか否かは最初に決めた駆動方向
と物体像面の移動方向との関係即ちDn ′とPn の符号
関係から決まる。ここでΔTを蓄積時間の1/10程度
以下とすれば実質的には蓄積中に定速駆動がなされたと
みなせる。このようにしてレンズ駆動は図18の破線R
を目標に進行し、Q' とRが交わった時点で前記イベン
トカウンター値Eventとレジスター値Regisが等しくな
り、EVC割込みが発生する。ステップ(38)でEV
C割込を不可にセットし、ステップ(39)でレンズ駆
動にショートブレーキをかけて停止させ、これと同時に
ΔPn のレジスターに対する加算も停止する。 【0075】ステップ(40)で物体移動がある場合か
否かを識別し、ある場合にはステップ(41)でミラー
アップ許可、合焦表示所定時間点灯といった合焦処理II
を行う。ステップ(42)では次回で計算に必要な量、
Pn 、Dn 等を記憶しn=n+1とする。ステップ(4
3)ではミラーダウン状態ならそのままステップ(2)
へ、ミラーアップ中ならミラーダウンまで待ってステッ
プ(2)へもどる。 【0076】一方ステップ(7)で物体移動なしとされ
た場合にはステップ(45)以降の通常の処理ルーチン
に入る。ステップ(45)で物体移動のない事を示すフ
ラグをたて、ステップ(46)で駆動量Dn ′としてデ
フォーカス量Dn をそのまま採用する。ステップ(4
7)で|Dn ′|とδc の大小が判別され|Dn ′|≦
δc なら、ステップ(51)で合焦処理I即ち合焦表示
点灯とミラーアップ許可を行う。ついでステップ(5
2)でステップ(42)へとぶ。ステップ(40)で|
Dn ′|>δc の時はステップ(48)で合焦表示が点
灯しているときにはこれを消し、ステップ(49)で駆
動開始しステップ(50)でEVC割込みを許可して駆
動の終了を待つ。 【0077】以上のように本実施例によれば、蓄積時
間、演算時間、巻上時間、駆動時間等が何らかの原因で
多少変動しても、時間経過に応じて追尾の必要駆動量を
変更するので、必ずピントの合った撮影が可能となる。
なお図18の3点鎖線Sは、巻上が長びいてレンズ駆動
開始が遅れた場合を誇張して示したものであるが、レン
ズは目標の破線Rと交わるまで駆動されるので、時間遅
れがあっても問題がない事を示している。 【0078】これまで述べた実施例は蓄積時間中及び演
算時間中は全くレンズ駆動を行わない事を前提としてお
り、その意味で間欠駆動を前提とした追尾駆動方式と言
うことができる。間欠駆動の場合には処理が時系列的な
のでCPUがマルチタスクをする必要がなく、その意味
で非常に勝れていると言える。また、レンズ駆動用の電
源が通常のカメラ作動用の電源と共用されている場合に
は、例えばフィルム巻上時にはレンズ駆動用のモータは
停止しなければならないといった制約が発生する。この
場合レンズ駆動は必然的に間欠とならざるを得ないの
で、このような制約のあるシステムに対してはこれまで
述べた間欠駆動追尾方式が非常に適合性が良い。 〔第7実施例〕しかし、レンズの駆動が常時可能なシス
テムにおいては、物体の移動に対して実質的に連続的に
追尾させる事も可能であり、この方がファインダーを見
た目にも動きがナメラカに感じられる利点がある。次の
第7実施例ではこのような連続的な追尾の方法について
説明する。 【0079】本実施例の要点を簡潔に述べると、基本的
には普通の間欠駆動と同じ駆動形態を前提としており、
デフォーカス量Dn が算出されると、その量だけ駆動し
て(収束駆動と呼ぶことにする)駆動終了とともに蓄積
を開始する。そして物体移動があると判定された時は、
この物体移動に伴う補正の駆動量については蓄積・演算
・駆動の全期間を通じて一様に定速で駆動を行う。従っ
て物体の移動をナメラカに追尾することになる。連続的
に追尾する点に関しては特開昭60−214325と同
様であるが、この先願に含まれていた既述の問題点は解
決されている。即ち、この場合には蓄積期間中もレンズ
移動が行われるのでその分の補正も必要であるが、蓄積
中の移動は定速なので補正は容易である。又追尾のため
だけの駆動(追尾駆動と呼ぶことにする)はそれ程高速
でないので、時間計測誤差の結果への影響も少ない。 【0080】このような主旨にもとずいて追尾を行なっ
た場合のタイムチャートを図21、図22に示す。図2
1はミラーアップ動作のない場合であり、図22は合焦
達成とともに連写が行われる場合を示している。即ち両
者の違いは、収束駆動終了後、すぐに蓄積を開始する
か、ミラーが上がっている期間をおいて蓄積を開始する
かの違いである。本実施例ではどの様な動作状態下でも
追尾駆動は継続しているので、途中でミラーが上がった
状態が入っても、この期間の物体移動分は時々刻々と補
正されていくので、これまでの実施例で述べたような露
光のタイミングを合わせる為の補正がいらないという利
点がある。 【0081】次に同じ内容を表した図22、図23を用
いて、そこに記載のパラメータについて説明する。デフ
ォーカスDn は演算終了のタイミングで判明するが、値
としては蓄積時間の中点におけるPとQ' の距離に対応
している。又n回目の蓄積時間をTint(n)、前回の蓄
積終了から今回の蓄積開始までの時間をT'(n−1)、
前回の蓄積時間の中点から今回の蓄積時間の中点までの
時間をT(n−1)とする。即ち 【0082】 【数1】 【0083】そしてこのそれぞれの時間中に駆動された
量を像面移動換算でそれぞれXint(n)、X'(n−
1)、X(n−1)とする。従って、 【0084】 【数2】 【0085】である。次に図25のフローチャートによ
り動作の流れを説明する。ステップ(1)(2)(3)
(4)(5)は今までと同様である。次のステップ(6
0)では蓄積時間に比べ充分に短い時間間隔ΔTおきに
継続して行なってきたΔPn 相当のパルスのRegisへの
加算を一担中止する、即ち蓄積・演算中にわたって追尾
駆動を行なっていた場合にはこれを停止する。ステップ
(61)で前述の式によりT(n−1)、X(n−1)
を算出する。これが可能な為にはあらかじめ蓄積の開始
及び終了のタイミングにおいてタイマーの値及びイベン
トカウンターの値を読んでおく事が必要であり、これに
より前述の値Tint(n)、T'(n−1)、Xint(n)、
X'(n−1)が算出でき、従ってT(n−1)、X(n
−1)が算出できる。次いでステップ(62)で図24
収束不足量算出手段100aにより、収束不足量Pn が
次式Pn =Dn +X(n−1)−Dn-1 により算出され
る。ステップ(63)は物体移動判別手段100bに対
応し、第1、第2実施例で説明したごとき方法で物体移
動の有無を判別する。物体移動が有る場合にはステップ
(64)で移動有に対応するフラグをIDO=1にセッ
トし、ステップ(65)で単位時間ΔT当りの物体移動
量ΔPn を次式により算出する。ΔPn =Pn *ΔT/
T(n−1) この実施例においてはこのステップ(6
5)が物体移動補正量算出手段100cに対応する。ス
テップ(66)ではイベントカウンターの内容を零とし
(Event=0)、レジスターには|Dn |相当のパルス
数を設定する。この瞬間自動的にレンズ駆動が開始され
るが、レンズの移動方向はDn の正負に応じて別途にフ
ラグをたて、これによって制御される。 【0086】次いでステップ(67)で収束駆動の終了
を条件づけるEVC割込みの許可を行う。ステップ(6
8)ではΔTおきにΔPn 相当のパルス数をRegisに加
算する操作を行ない、この操作は次のサイクルにおける
ステップ(60)に到るまで継続される。即ちステップ
(60)から次のサイクルのステップ(60)までは常
に定速で目標駆動量が増大(減少)していくことにな
る。これにより収束駆動以外の期間即ち蓄積・演算中は
もとより、ミラーアップの期間中も定速でレンズ駆動が
行われる事になる。ステップ(66)から収束駆動が開
始されているが、そのうちモニタ手段からのフィードバ
ックパルスを累算しているイベントカウンターの内容E
ventがレジスター値Regisと等しくなり、EVC割込み
が発生する。これを受けてステップ(70)に移り、こ
れ以後のEVC割込みを不可とする。この後もレジスタ
ー値Regisは一定速度で増えつづけるので、これを追っ
てレンズが定速の追尾駆動を継続しイベントカウンター
の値Eventもこれにならって増大していく、即ちRegis
≒Eventの平衡状態を保ちながら値を増大してゆく。こ
の状態が定速度追尾駆動に対応する。続いてステップ
(71)で物体移動が有(IDO=1)とされ、ステッ
プ(72)でデフォーカス量|Dn |<δq と判定され
るとステップ(73)で合焦処理IIを行う。その内容は
ミラーアップ許可及び一定期間合焦表示点灯等である。 【0087】次いでステップ(74)で時間の演算に必
要なデータを記憶し、n=n+1とする。ステップ(7
5)では現在ミラーダウン状態にあるか否かが判断さ
れ、ミラーダウン状態であれば、ステップ(2)に進み
次の蓄積を開始する。ステップ(63)で物体移動が無
いとされた場合はステップ(76)へ進むがこれ以降は
図20と同等なので説明を省く。 【0088】以上の如く本実施例においては、物体移動
が検出された時には物体移動速度に合わせて、レンズ定
速で駆動し、物体移動による成分を相殺しているので算
出されたデフォーカス量の分だけ演算終了後から高速非
定速の駆動(収束駆動)を行なえば良い。そして収束駆
動の終了とともに次の定速駆動が始まり、同時に蓄積が
再開される。この様な駆動形式なので見た目にも物体の
移動にナメラカに追従する好印象を与えるのみならず、
ミラーアップ等が入って蓄積のタイミングが変化しても
問題なく、常にピントの合った写真撮影が可能となる。 〔第8実施例〕次に再び物体移動の有無を判別するため
の方法について次の第8実施例において説明する。物体
移動判別手段100bの内容については、その最も単純
な形を第1実施例において説明し、さらに精度を高めた
方法を第2実施例で説明した。ここでは時間的要素を加
味することで、さらに正確に物体移動の有無を判別する
方法について説明する。図5のステップ(1005)、
(1006)がそれに相当する。即ちステップ(100
2)を厳密な物体移動の速度におき直したものがステッ
プ(1005)の 【0089】 【数3】 【0090】であり、ステップ(1003)を厳密な速
度の比較に直したのがステップ(1006)の 【0091】 【数4】 【0092】である。ステップ(1002)、(100
5)は主に物体移動の有無を判別し、ステップ(100
3)、(1006)は主に被写体外れの有無を判別して
いる。実際の使用に当っては、ステップ(1002)、
(1003)のかわりにそれぞれステップ(100
5)、(1006)を用いても良いが、図5のようにシ
リーズにして両方用いるようにしても良い。その場合ス
テップ(1002)、(1003)ではステップ(10
05)、(1006)より条件を緩めに設定することに
なり、0<k<k' <1<r' <r となる。 【0093】これらの係数の具体的な値としてはk≒0.
3〜0.5、k' ≒0.5〜0.7、r' ≒1.4〜2、r
≒2〜3程度にするのが良い。以上第8実施例によれ
ば、物体の移動速度をより厳密に求めて比較を行うので
物体移動の有無の判定精度が向上する利点がある。 【0094】 【0095】 【発明の効果】本発明の自動焦点検出装置は、対象物体
の移動がある場合には、常に対象物体の移動に伴う像面
移動速度に基づいた速度で結像光学系の焦点整合用光学
系を制御することで、対象物体が静止している場合と等
価な状況を作り出し、間欠的に検出されるデフォーカス
量で合焦状態にするので、蓄積中の駆動速度変化に伴う
複雑な補正とそれに伴う誤差の問題なく、簡単に連続的
な追尾が達成されてなめらかな動きが得られる。
装置に関するものであり、特に対象物体が移動している
時に、撮影レンズによるその移動物体の結像面を動きを
予測して該撮影レンズを駆動する技術に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】まず、図26により追尾を行なわない従
来の自動焦点検出装置についてその構成を説明する。物
体aを発した光は結像光学系(撮影レンズ)Lを通過
し、クイックリターンミラーMを介して通常はフィルム
面Fと共役な位置にあるファインダスクリーンS上に導
かれる。又クイックリターンミラーMの中央の半透明部
を透過した一部の光はサブミラーS.Mを介して焦点検
出手段に導かれる。焦点検出手段101は公知の構成を
有し焦点検出光学系と電荷蓄積型イメージセンサと焦点
検出演算部及びイメージセンサ駆動制御部とから構成さ
れている。即わち電荷蓄積終了後、焦点検出演算部にお
いてデフォーカス量が間欠的に算出される。このデフォ
ーカス量は所定結像面であるところのフィルム共役面と
結像光学系Lの像面との光軸にそった距離に対応する量
となっている。 【0003】制御手段102は該焦点検出手段101か
ら該デフォーカス量に関するデータを受けとりレンズ駆
動手段104のモータを駆動し、結像光学系Lに含まれ
る焦点整合用光学系を動かして所定結像面と結像光学系
の像面が一致するように制御する。ここでレンズ駆動手
段のモータが入力信号により駆動量の正確な制御が可能
なものでない場合はフォトインタラプラ等により構成さ
れ焦点整合用光学系の移動量を検知するモニタ手段10
3のフィードバックパルスを利用して制御手段102は
焦点整合用光学系の駆動を制御する。勿論、パルスモー
タのように入力信号により駆動量の正確な制御が可能な
場合は、モニタ手段は入力パルスを検知するか、あるい
はそれと同等の手段で代行すればよい。 【0004】一般に結像光学系全体を移動して自動焦点
調節を行うことはむしろ少なく、結像光学系の中の一部
の焦点整合用光学系を動かして焦点調節を行うのが普通
である。この場合該焦点整合用光学系の移動量と該結像
光学系の像面の移動量とは一致しない。従って、実際に
はレンズ情報発生手段105に該モニタ手段103の出
力するフィードバックパルス数と、像面の移動量の比に
関する値を記録しておき、制御手段102はレンズ情報
発生手段105からこの比の値を読みとって必要な像面
の移動量(デフォーカス量)に対応する所要パルス数を
算出しフィードバックパルスがこの所要パルス数となる
まで駆動を行うことになる。 【0005】しかしながらこの点は本発明の本質とは無
関係であり、以降の説明においては本発明の要点がわか
りやすいように、結像光学系を仮想的単レンズで表わす
ことにし、該仮想的単レンズの移動量とそれに伴なう像
面の移動量が等しいとして説明を行うことにする。勿
論、単レンズあるいは全群繰出レンズにおいても対象物
体までの距離が極近接すると上の仮定は全く成立しなく
なり、従ってマクロレンズ等ではレンズの繰出量に相応
して前記比の値を段階的に切り換える必要が生じレンズ
情報発生手段105にその機能が必要となるが、ここで
は前記の比の値に関することはレンズ情報発生手段に委
ねることとして、説明をわかりやすくする為に前記仮想
的単レンズを用いて説明を行うことにする。 【0006】図27は説明の都合上、その様な仮想的単
レンズLに座標を固定しており、その場合の移動対象物
体の結像面の軌跡(実線P)と、該フィルム面と共役な
該所定結像面の軌跡(点線Q)とを図示したもので横軸
が時間t、縦軸が光軸に沿った該結像面と該仮想的単レ
ンズとの距離を表わす。図中の座標(tn 、xn )は焦
点検出手段101の電荷蓄積開始時刻tn とその時の該
所定結像面の位置xn を表し、座標(tn ' 、xn ' )
は蓄積終了時刻tn ' とその時の所定結像面の位置
xn ' を表し、座標(tn 0 、xn 0 )は焦点検出演算
終了時刻tn 0 とその時の所定結像面の位置xn 0 を表
わしている。また、図27はいわゆる間欠駆動における
焦点整合動作の様子を図示したもので、時間とともに物
体がa1'、a2'、a3'と移動するのを後追いして、像面
がa1、a2 、a3 と移動している様子を示している。 【0007】第1回目の演算結果として物体の結像面a
1 とフィルム面b1 の距離の差に関する値D1 が時刻t
1 0 に焦点検出手段101から出力されると、制御手段
102は前述のごとくしてこのデフォーカス量D1 を相
殺すべくレンズLの駆動制御を行なっているが、その間
にも物体a1 ′はa2 ′へ移動しているので、時刻t 2
にレンズをD1 だけ駆動してレンズ駆動を停止したとし
ても、次の蓄積時間の中点の時にはすでに結像面はa2
まで移動しており、第2回目の演算結果としてa2 とb
2 の位置の差に関する値D2 が時刻t2 0 に焦点検出手
段101から出力される。そうすると、制御手段102
は前述のごとくしてこのデフォーカス量D2 を相殺すべ
く制御を行ない、時刻t3 にはレンズ駆動を停止してx
3 の位置に所定結像面をもたらしてもすでに物体a2 ′
はa3 ′へ移動しているので、合焦されることはない。 【0008】以降図27のごとく同様のことがくり返さ
れる。もし物体が移動してなかったとし、かつ諸誤差が
無かったとすると1回の蓄積・演算・駆動のサイクルで
物体像面と所定結像面を一致させることができたはずで
あり、演算結果のデフォーカス量に誤差が1〜2割含ま
れていたとしても2〜3回のサイクルで物体像面と所定
結像面を概略一致させることができたはずである。 【0009】しかし、図27に示した様に物体が光軸方
向に移動している場合には、初めの2〜3回のサイクル
では次第に物体像面an と所定結像面bn の間隔は狭く
なるが、その後の両者の間隔は物体像面の移動速度と自
動焦点調節装置との応答性から決る一定値に保たれ合焦
を達成できないままでの後追い状態が継続する。以上は
電荷蓄積、焦点検出演算、レンズ駆動を重複させる事な
く、この順に行なわせるいわゆる間欠駆動の場合の例で
ある。他の駆動法として電荷蓄積と焦点検出演算に平行
してレンズ駆動を行ういわゆるオーバーラップ駆動(特
開昭56−78823)が公知である、しかしこの場合
でも移動物体に対しては後追いとなることは明らかであ
る。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】この後追い状態を解決
するために、本出願人は物体追尾機能を有する自動焦点
調節装置を特開昭60−214325で提案している。
そこでは所定の時刻における像面位置を求め、これに像
面移動速度に時間項を乗じたものを加えて目標位置を算
出してこの追尾軌跡に向かってレンズを駆動し、また軌
跡に到達した後は時々刻々の像面位置を追ってその軌跡
に沿って駆動するようにしている。 【0011】ここに記載の方法は、焦点検出のための電
荷蓄積動作中に結像光学系の焦点整合用光学部材の駆動
速度が変化することを許容しており、そのための補正を
行っているが制御が複雑となり、また駆動速度の変化の
仕方によっては正確な補正が行われない可能性もあっ
た。本発明の目的は、オーバーラップ駆動から発展させ
た上記方式とは多少異なり、間欠駆動から発展させた駆
動形式を用いた物体追尾機能を有するとともに、電荷蓄
積中の駆動速度変化に伴う複雑な補正制御の必要のない
自動焦点調節装置を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の自動焦点調節装
置は、対象物体の光像を形成する結像光学系と、電荷蓄
積型の光電変換手段からの出力を用いて、前記光像の形
成された結像面と予め定められた所定結像面との距離に
関するデフォーカス量を出力する焦点検出手段(10
1)と、前記結像光学系の焦点整合用光学系(L)を動
かすレンズ駆動手段(104)と、前記焦点整合用光学
系の移動に関する量を検知するモニタ手段(103)
と、前記焦点検出手段の出力と前記モニタ手段の出力と
を受けて、前記対象物体の前記結像光学系の光軸方向へ
の移動がある場合には、それに伴う前記結像面の移動の
影響を補正する量を算出する補正手段(100)と、主
に前記デフォーカス量に応じて駆動する第一駆動モード
と前記補正手段で算出された前記結像面の移動の影響を
補正する量に応じて一様に定速で駆動する第二駆動モー
ドとを有するとともに、前記レンズ駆動手段を前記第一
及び第二駆動モードの少なくとも一方で制御する制御手
段(102)とを有し、該制御手段は、前記光電変換手
段の電荷蓄積中は前記第二駆動モードによる制御を行う
ことを特徴とする。 【0013】また、前記第二駆動モードは前記結像面の
移動に関する量である像面移動速度に基づいて駆動制御
されるようにしている。さらに、前記第一駆動モードで
駆動される量は、前記デフォーカス量に応じた量、もし
くは該デフォーカス量と前記移動の影響を補正する量と
の和に応じた量である。 【0014】以上の構成により、本発明では電荷蓄積動
作は必ず定速駆動中に行われるので、複雑な補正とその
誤差の問題は発生しない。また、従来のいわゆる間欠駆
動制御では、焦点検出手段からデフォーカス量が算出さ
れると、このデフォーカス量に応じたレンズ駆動を行
い、レンズ駆動終了後に電荷蓄積動作を行ってその出力
を用いて焦点検出演算を行ってデフォーカス量を算出し
て再びレンズ駆動を行うようにしていた。 【0015】 【0016】本発明の自動焦点検出装置は、対象物体の
移動がある場合に、常に対象物体の移動に伴う像面移動
速度に基づいた速度で前記結像光学系の焦点整合用光学
系を動かすようにレンズ駆動手段を第二駆動モードで制
御することで、対象物体が静止している場合と等価な状
況を作り出し、デフォーカス量がでたらそれがほぼ平行
な2つの軌跡のかい離分を示している(図21)ので、
主に前記デフォーカス量に依存させて駆動する駆動する
第一駆動モードにより両軌跡の不一致をなくして、正確
な追尾を可能にしている。 【0017】本発明の詳細は主に第7実施例に記載され
ている。 【0018】 【実施例】第1実施例について説明する。この例は蓄積
・演算中はレンズ駆動を全く行わず、追尾のための補正
駆動も一括して演算終了後・蓄積開始前に行うという完
全に間欠駆動を踏襲した駆動の方式である。なお今後物
体の移動を相殺するための補正駆動を追尾駆動と呼ぶこ
とにする。図1は第1実施例の構成を示すブロック図で
あり補正手段100を除いては、従来例の説明に用いた
図26と同一である。 【0019】補正手段100は焦点検出手段101の出
力とモニタ手段103の出力とを受けて、物体移動の有
無を判定し、物体移動があると判定された時は物体を追
尾するための補正駆動量を算出し、これにもとずいて制
御手段は追尾すべくレンズを駆動する。図2は第1実施
例の追尾の様子を示すもので、図27と同様の表現法を
用いている。ここでQが通常の間欠駆動による駆動の様
子を示し、物体像の軌跡Pを後追いしている。又Q' が
第1実施例による追尾駆動の様子を示したもので、軌跡
Pにそって追尾がなされており、常に合焦近傍状態を維
持していることがわかる。このQ' とQの差が前記補正
手段の算出した物体移動補正量に相当している。 【0020】次に前記補正手段100の処理内容につい
て述べる。蓄積・演算時間中はレンズを動かさないので
x1 =x1'=x1 o であり、時刻(t1 +t1')/2に
おけるピント外れ量は点a1 と点b1 の距離差(X1 −
x1 o )となり、演算終了時t1 o に焦点検出手段10
1から算出されるデフォーカス量は検出誤差が無ければ
この値D1 に等しい。今後焦点検出手段100で算出さ
れるn回目のデフォーカス量をDn で表わすものとす
る。 【0021】制御手段102は、時刻t1 o に焦点検出
手段101で算出されたD1 を用いてレンズ駆動手段1
04を制御し、モニタ手段103のフィードバックパル
スを計数しながらレンズによる像面移動量がデフォーカ
ス量D1 と等しくなるまで駆動を行う。前にも述べた通
り、実際には撮影レンズに関するある量の像面移動ΔB
fに対応するレンズの移動量は撮影レンズごとに異な
り、又レンズの移動量を与えるフィードバックパルス数
Δnも撮影レンズにより異なることが多い。そこで像面
移動ΔBfをΔn=KB * ΔBfの関係によりフィード
バックパルス数Δnに換算する換算係数KB をレンズ情
報発生手段105に記憶し、これを用いて実際の駆動制
御を行うことになる。 【0022】像面移動をフィードバックパルス数に変換
するこの操作は本発明の本質とは無関係なので簡単のた
めに省略し、以降の記載はすべて像面移動量に換算した
量で表わすことにする。即わちデフォーカス量Dn は勿
論、後述の補正駆動量Cn とかもすべて像面移動量の尺
度で記述したものであるとする。さて、演算終了時刻t
1 o から蓄積開始時刻t2 にかけての駆動はなるべく高
速であることが応答性の上からも望ましく、一方停止間
ぎわでは次第に速度を下げる必要があるので、高速かつ
非等速の駆動である。先願の追尾方式においてはこの間
に電荷蓄積をオーバラップして行なっていたが、駆動速
度が早い為検出像が等価的にボケた状態になることや、
蓄積開始、速度変更、蓄積終了の各時刻のわずかの検出
誤差で位置決定誤差が大きくなること及び停止近傍で著
しく非等速となること等により、非等速レンズ駆動に伴
うデフォーカス量の補正が正確にできない等の欠点があ
った。従って、本実施例ではこの高速かつ非等速の駆動
がほぼ収束した時刻t2 で蓄積を再開する。時刻t2 o
に2度目のデフォーカス量D2 が算出されるが、これは
蓄積時間t2 〜t2'の中間におけるピント外れ量である
点a2 と点b2 の差に相当する値(X2 −x2 o )に誤
差を除いて等しい。もし物体が動いておらずかつ検出誤
差が十分小さければD2 はD1 に比べて非常に小さい値
となるはずなので、原理的にはこの比の値から物体の移
動の有無が判別できることになる。実際図27の従来例
に示すn≧3でのQの軌跡のような後追い状態において
は、算出された各回のデフォーカス量Dn がいつまでも
零に収束せずほぼ一定値となり、Dn /Dn-1 ≒1であ
ることがわかる。しかしながら図2のQ' のよう通常の
デフォーカス量にもとずく駆動の他に付加的な補正駆動
を行なってしまうと、算出されたデフォーカス量Dn 自
体を用いて上述の識別を行う事は不可能となる。 【0023】そこで、図3のごとく補正手段100の中
に収束不足量算出手段100aを設け、これにより収束
不足を表わす量として(1)式で与えられるPn なる量を
算出し、これをよりどころとする。 Pn =Dn +〔前回駆動量〕−Dn-1 …… ここで(1)式はn回目のデフォーカス量Dn が算出され
た時刻tn o 現在のもので、Dn は焦点検出手段101
により算出された最新のデフォーカス量、Dn-1は1回
前のデフォーカス量である。〔前回駆動量〕は時刻to
n-1 〜tn の間に実際に駆動された値X(n−1)もし
くは時刻to n-1 に算出された結果として前記X(n−
1)だけの駆動を行うよりどころとなった計算値
Dn-1 ′をさす。勿論、誤差のない時に両者は等しい
(Dn ′=X(n))。 【0024】さて、追尾のための補正駆動量をCn とす
ると、駆動量Dn ′は下記のようになり Dn ′=Dn +Cn ……… これを用いて(1)式は、次のように表わす事もできる。 Pn =Dn +Cn-1 ………’ 上記式の定義にそって図2を見ればわかる通り、n≧
3以降においては、収束不足量Pn は点an と点an-1
の距離の差(例えばP4 =D4 +C3 )即わち物体像の
駆動量に他ならない。 【0025】なお、第1回目の演算結果がでる時刻t1
o の時点ではそれ以前の結果が無いので初期条件として
P0 は十分大きな値例えば1000mm程度とし、P1 =
D1になるように決める。従ってこの場合P1 は物体移
動量に対応せず又|P1 /P0 |<0.1となる。そこ
で前記補正手段100の中に図3に示す如く物体移動判
別手段100bを設け、物体移動の有無を判別する。 【0026】次に物体移動判別手段の具体例について述
べる。検出誤差がある程度存在することを前提に、後述
のルーチンに従って移動物体の追尾駆動を図2のQ' の
ごとく行なった結果の収束不足量Pn の変化を表1に示
す。 【0027】 【表1】【0028】この例では最初の収束不足量P1 は10mm
と大きく、n=2、3でPn は急速に収束するが合焦許
容範囲に相当する0.05〜0.15mm以下にまでは到らな
い、そしてn=4〜7ではPn の値はほぼ0.4mm前後
で一定している。即わちn=3〜4以降でもPn の値が
合焦許容範囲内に収束せずほぼ一定値となることが物体
の移動を物語っており、その時のPn の値が1サイクル
における物体移動に伴う像面移動に対応している。 【0029】この事からPn が0.5≦Pn /Pn-1 <
2程度の範囲に入る事をもって、物体が移動していると
判定することができる。物体が静止していれば、通常、
今回のデフォーカス量が前回のデフォーカス量の2,3
割以下となるのが一般的である。実際的には物体移動判
別手段はPn /Pn-1 と所定の定数(閾値)kとの大小
を比較して物体が移動しているか否かを判別する。諸誤
差の影響を考えるとkの実用的な値の範囲は 0.3≦k≦0.8 であり0.4≦k≦0.6が最適と考えられる。そしてP
n /Pn-1 ≧kの時物体移動判別手段100bは物体移
動があるものと判定する。又この時の1サイクルにおけ
る物体移動に対応する像面移動はほぼPn で与えられる
ことがわかる。従って補正手段100にさらに物体移動
補正量算出手段100cを設けこれにより追尾のための
補正駆動量Cn を算出する。つまり前記物体移動判別手
段が物体移動有と判定した時には Cn =Pn 物体移動なしと判定した時には Cn =0 とする。 【0030】次に処理の流れを概念的に示した図4
(a)のフローチャートと第1実施例の処理内容を具体
的に表わした図4(b)のフローチャートを用いて説明
を行う。まずステップ(1)で前述の初期値設定を行
う。ステップ(2)で蓄積開始、ステップ(3)で蓄積
終了となり、焦点検出手段の電荷蓄積型イメージセンサ
の画像出力は焦点検出手段内の焦点検出演算部へと送ら
れる。次いでステップ(4)で焦点検出演算が開始さ
れ、ステップ(5)で演算が終了し、デフォーカス量D
n が算出される。このようにして焦点検出手段からデフ
ォーカス量Dn が出力されると、通常は制御手段102
はこのデータにもとずいてレンズの駆動を行う。しかし
本実施例においてはデフォーカス量Dn はまず補正手段
100により追尾駆動のための処理を受ける。 【0031】ステップ(6)は該補正手段100中の収
束不足量算出手段100aに対応するもので前記収束不
足量Pn を算出する。ステップ(7)は物体移動判別手
段100bに対応するもので、図4(b)ステップ
(7)では|Pn |>k*|Pn-1 |であれば物体が移
動しているものと判定される。ステップ(8)は物体移
動補正量算出手段100cに対応するもので、物体移動
の有無に応じて補正量Cnを算出する。次いでステップ
(9)で駆動量Dn ′が算出される。このDn ′は前に
も述べたごとく像面移動量換算のものであり、制御手段
102はこのDn の値とモニタ手段103からのフィー
ドバックパルスの対応関係を、前述のごとくレンズ情報
発生手段105に記憶された換算係数KB で結びつけて
駆動制御を行う。 【0032】次いでステップ(10b)で次回の演算に
必要な値を記憶し、ステップ(11b)で駆動を開始
し、ステップ(12b)での駆動停止条件を満たすまで
駆動が継続する。停止条件を満たすと再びステップ
(2)にもどって蓄積が再開される。このように第1実
施例は追尾を行う場合でも電荷蓄積、演算、駆動が重複
することなく順次行なわれる間欠型の駆動方式となって
いる。従ってステップ(9)でDn ′=Dn +Cn と記
載したごとく、駆動量Dn ′としてはデフォーカス量D
n と追尾のための補正駆動量Cn の合計として与えられ
ている。もしステップ(11b)(12b)における駆
動の実行により、ステップ(9b)で算出された駆動量
が完全に達成された場合は問題がないが、算出された駆
動量と実際の駆動量に違いの生じる時はステップ(6
b)の収束不足量Pn の算出は' 式では不完全であり
式を用いる必要がある。そしてその場合式における
前回駆動量の値は前回算出のDn-1 ′ではなく、前回実
際に駆動した量X(n−1)をフィードバックパルスの
累算から逆算した値を用いる必要がある。 【0033】この様に第1実施例によれば完全に間欠駆
動を踏襲しており、従って蓄積時間中はレンズが停止し
ている為、特開昭60−214325の場合のように算
出されたデフォーカス量の精度が劣化することがなく、
正確に物体移動の有無が判定でき、正確な追尾駆動が可
能となるという効果を有する。又従来の追尾方式である
特開昭60−214325の場合には、蓄積時間中も演
算時間中も駆動が並列して行なわれる事を前提としてい
るので、マイコンがマルチタスクとなり、イベントカウ
ンタやタイマの数が限られ、演算能力が十分でないマイ
コンを使用するとプログラムが困難となったり、迅速な
処理が行なえなくなるといった欠点が存在していた。 【0034】しかし本実施例での追尾ソフトでは間欠駆
動なのでマルチタスクとなることはなく、かつ全く時間
をモニタしなくても十分効果的な追尾駆動が可能なた
め、プログラムの構築が容易であると同時に、現状駆動
ソフトを走らせているマイコンの能力で十分対応ができ
るという長所がある。又実際にソフトを付加する量も、
従来の間欠駆動のソフトに図4(a)、図4(b)に示
したわずかの演算ステップを付加することで追尾駆動が
できるので、従来ソフトとの適合性が非常に優れてい
る。 【0035】次に第1実施例で説明した物体移動判別手
段100bの処理をさらに高精度化した第2の実施例に
ついて説明する。尚、物体が移動有りとされた場合の補
正駆動量Cn は、前述の如く必ずしも厳密に設定する必
要はなく、例えば収束不足量Pn に1に近いある係数を
乗しても良く、レンズの駆動制御においてオーバランぎ
みの場合には係数を1以下(0.9,0.8,…) に設定した
り、アンダーランぎみの場合には係数を1以上(1.1,1.
2, …) に設定したりしても良い。 〔第2実施例〕第1実施例で説明したごとく、物体移動
判別手段が物体移動があると判定した場合には追尾補正
を含む間欠駆動(追尾駆動)を行ない、物体移動が無い
と判定した場合には通常の間欠駆動(収束駆動)を行
う。しかしもし物体移動判別手段の判定精度が十分でな
く、物体移動が無い場合に誤って物体移動があると判定
した場合には、駆動動作がハンチング気味になるという
問題が生じる。この問題を解決するために、誤った判定
を防止する方法を図5により説明する。図5のフローチ
ャートは第1実施例で述べたステップ(7)に替わるも
のであり、ここではステップ(1001)で今回の収束
不足量Pn と前回の収束不足量Pn-1 が同符号であるか
否かを見て物体が移動しているか否かを判定し、同符号
でない場合には物体が移動していないものと判定し、同
符号の場合には次の判定ステップ(1002)で確かに
物体が移動しているか否かを判定する。即わちステップ
(1001),(1002)の2段階で物体移動の有無
を判定しているのは、|Pn |>k*|Pn-1 | が満
足されてもPn とPn-1 が異符号の時に物体が移動して
いると判定されるのをさける為である。なおステップ
(1001),(1002)の条件をまとめてPn /P
n-1 >kという判定を用いてもよい。 【0036】次に急に物体が焦点検出視野から外れてし
まった場合を考えてみる。この場合でステップ(100
2)の条件を満たす場合が生じると(例えば、Pn /P
n-1≧4になると)、Pn に基づくデフォーカス量でレ
ンズ駆動を行ってしまうので、著しいオーバーランが発
生するという問題点が存在する。この問題点を解決する
為に設けられたのがステップ(1003)の|Pn |<
r*|Pn-1 |による判定でrは1.2≦r≦3程度の
定数である。即わち|Pn |が|Pn-1 |に比べて著し
く大きくなる場合すなわちステップ(1003)が否の
場合には物体が検出視野外に外れたと判定して、物体移
動有と誤って判定される事を防止し、追尾補正のない通
常の間欠駆動(収束駆動)を行うものとする。 【0037】次にステップ(1004)について説明す
る。目的は合焦近傍で物体移動が無いか又はあっても小
さい場合には、収束不足量Pn に含まれるデフォーカス
量検出誤差の相対的割合が増大し、物体移動の有無にか
かわらずステップ(1002)の判定が検出誤差の影響
に左右される可能性を排除し、物体移動が無い場合に駆
動が収束間ぎわでハンチング気味とならないようにする
ためのものである。この目的を実現する為に許容巾δa
を設け|Pn |>δa でない場合は物体移動が無いと判
定する。ここでδa の大きさはデフォーカス量算出誤差
と被写界深度の大きさを反映した値として決定されるが
おおむね0.05〜0.2mm程度の値である。すなわち、
レンズが合焦近傍に近づいており、おおむね合焦近傍と
見做せる範囲にPn が入っているときには、追尾駆動で
ない収束駆動のみを行う。このステップにより物体移動
の小さい時には移動を検出できないことになるが、この
場合には通常の追尾のない間欠駆動(収束駆動)でも著
しい後追いとなることと無いので問題はない。又このス
テップ(1004)はこの位置に限られるものではなく
ステップ(1001)の前にしてもよい。 【0038】以上の様に第2実施例によれば、物体移動
の判定がより完全となるので、追尾ソフトの追加にとも
なう通常動作時のハンチングの問題がなくなり、安定し
た動作が保証される。又第2実施例においても第1実施
例と同様時間の計測は行っていないので非常に簡単なソ
フト処理で対処が可能である。 〔第3実施例〕これまでは焦点検出手段とレンズ駆動手
段の動作特性だけから決まるタイミングを議論していた
が、カメラを前提に考えた場合露光とのタイミングを配
慮する必要がある。第1実施例、第2実施例で説明した
駆動は間欠駆動であり、駆動自体は階段状となる。これ
に対して物体の移動はナメラカに移り変わるので、露光
のタイミングを適切にとってやることが好ましい。逆の
言い方をすれば追尾の駆動が間欠駆動であるために階段
状の追尾になるとしても、露光のタイミングをうまくと
れば撮影された写真に関しては完全にピントの合ったも
のが得られることになる。そのような露光のタイミング
のとり方について以下の第3実施例で説明を行う。な
お、第3実施例における追尾の方式は第1実施例、第2
実施例のものを前提とする。又シャッターレリーズに関
しては焦点検出系の合焦判定の有無とは無関係に露光
(ミラーアップ)を許容する独立モードと、合焦判定の
あった場合に露光を許可する合焦優先モードとが存在す
るが、ここでは合焦優先モードを念頭に話をする。 【0039】第3実施例の具体的説明に入る前に公知の
通常の間欠駆動方式における露光のタイミングのとり方
について図6を用いて説明する。ステップ(5)でデフ
ォーカス量が算出されるとステップ(81)で算出され
たデフォーカス量の大きさが予め定められた合焦範囲δ
と比較され、デフォーカス量の大きさがδより大きい
と、ステップ(82)でレンズを駆動し、ステップ(8
3)で所定の駆動量の駆動が終了したと判定されると、
次の電荷蓄積が開始される。このサイクルが1〜3回程
行なわれて、ステップ(81)における判定でデフォー
カス量の大きさがδより小さいことが分った場合にはス
テップ(84)へ進んで合焦処理を行う。ここでいう合
焦処理とは合焦表示の点灯及びフィルムの露光のための
ミラーアップを許可することを意味し、もしこれ以前に
シャッターのレリースが行なわれていたとしてもこの時
点までは露光が行なわれず、上記露光許可の信号を受け
てミラーアップ及び露光が行なわれる。これが前記合焦
優先モードの骨子である。物体の移動が無い通常の場合
にはこの処理で特に問題は無い。しかし物体が移動して
いる場合には上記通常の処理ではピントの外れた所で露
光をしてしまうことになるという欠点がある。この事を
図7を用いて説明する。 【0040】図7の例では電荷蓄積時間Tint の中点を
像の軌跡Pが通過しているので、演算終了時tn o に算
出されるデフォーカス量Dn は|Dn |<δとなり、図
6ステップ(84)の合焦処理のルーチンに入る。もし
tn o 以前にシャッターのレリーズが行われていればt
n o の時点でステップ(84)による露光許可(ミラー
アップ許可)が発生し、ミラーアップが行なわれてミラ
ーアップに伴う遅延時間Tupの後の時刻texpoにフィル
ムの露光が発生する。しかしこの時点では図から明らか
なごとく、像の軌跡Pは離れてしまっているので、ピン
トの外れた写真が撮られる事になる。即ち|Dn |<δ
は電荷蓄積時間の中点の時刻における合焦を意味してい
るにすぎず、この瞬間から露光までの遅延時間の分だけ
像面は外れてしまう事になる。 【0041】この欠点を解決する為に第3実施例では図
8のごとく前記補正手段100の中に合焦処理遂行手段
100dを設け、ここにおいて追尾駆動時においてはそ
れに最適な合焦処理を行うようにする。この操作は図9
のステップ(10)に相当する。(ステップ(1)〜
(9)は図4(a)と同じ)次にこのステップ(10)
の内容を図10、図11のフローチャートにより説明す
る。 【0042】図10ステップ(1101)で物体移動が
ある場合か否かがステップ(7)の結果に即して判別さ
れ、物体移動が無い場合にはステップ(81)、(8
2)、(83)又は(84)へ進む。これは図6の同一
番号のものと対応しているので説明を省く。ステップ
(1101)で物体移動有とされた場合には、ステップ
(1102)で駆動が開始され、ステップ(1103)
で所定の駆動停止条件IIが満足するとステップ(110
4)へと進み合焦処理IIが行なわれる。ステップ(11
04)の合焦処理IIの内容はステップ(84)の合焦処
理Iの内容と等しく、露光許可と表示点灯であるが、こ
の場合物体が動いているので表示は所定時間経過後は消
灯するのが良い。 【0043】この様にすることで物体移動がある場合で
もピントの合った写真が撮影できる理由を図7で説明す
る。第1実施例、第2実施例における追尾駆動の方法に
よれば、追尾中は電荷蓄積時間Tint の中点に関する瞬
間においてP、Q' の軌跡がほぼ交わるように制御され
ている。 【0044】このことからサイクルタイムが同じであれ
ば次回のP、Q' の交差が生じるのは駆動終了からTin
t /2だけ後である事が予想される。一方ミラーアップ
開始から露光までの遅延をTupとし、両者の時間差をδ
TとするとδT=Tup−Tint /2となる。従って駆動
が終了して蓄積再開を指示することに決めていたタイミ
ングよりδTだけ先んじてミラーアップを行なえば、露
光の瞬間にはほぼPとQ' の交点近傍にいるようにでき
る。 【0045】ちなみにTup≒50m sec のカメラボディ
の場合、Tint /2は物体の明暗に応じて変化するが非
常に暗い場合を除いてほとんどの場合に0〜50m sec
であるので、0≦δT≦50m sec となり、20〜30
m sec だけ蓄積再開予定のタイミングより早目にミラー
アップを行うようにすれば良い。タイミングのとり方の
第1例としては、レンズ駆動停止のためにブレーキをか
けてから完全に停止するまでに約20m sec かかり、そ
の間に像面が50μ程度移動するような場合には、ブレ
ーキをかけるタイミングにミラーアップのタイミングを
合わせ、これから20〜30m sec 後に蓄積再開のタイ
ミングをとるように設定することができる。タイミング
のとり方の第2例としては、駆動残量が像面移動に換算
して150μから50μになるのに20〜30m sec か
かるとすれば、150μ残の時点でミラーアップのタイ
ミングを出し、50μ残の時点でブレーキと蓄積再開の
タイミングを出すようにしても目的を達成できる。 【0046】このうち第2例の場合について図11によ
り説明する。物体移動のある場合はステップ(120
1)からステップ(1202)へいきレンズ駆動が開始
される。駆動残量が像面移動に関してδP からδ0 にな
るまでの時間がほぼδTとなるようにδP 、δ0 の値を
定めてあるものとする。ステップ(1203)で駆動残
量が像面移動に関してδP 以下になるとステップ(12
04)に進んでミラーアップ許可を含む合焦処理を行
う。勿論シャッターレリーズがこの時点までになされて
いなければミラーアップ許可が出されてもミラーアップ
は実行されない。さらに駆動が進んでステップ(120
5)の駆動停止条件を満たせば、即ち駆動残量に相当す
る像面移動量がδ0 以下となるとステップ(1206)
でブレーキがかけられるとともに、ステップ(120
7)でメインミラーがミラーダウン状態にある事が確認
され、ミラーダウン状態の時は図9のステップ(2)に
もどって蓄積が再開される。あらかじめシャッター釦が
レリーズ状態にありステップ(1204)でのミラーア
ップ許可を受けて、実際にミラーアップが行われた時は
ステップ(1207)ではミラーダウン状態にないと判
断されるので露光が終了してミラーダウン状態にもどる
までステップ(1207)に止まり、ミラーダウンとと
もに図11のステップ(1204)に移って蓄積が再開
される。 【0047】ところでステップ(1203)における値
δP は一定値に設定しても良いが、電荷蓄積時間をモニ
タして、それに応じたδTを算出し、δTの値に応じて
δPの値を変更するようにすると完璧である。以上では
δT>0の場合について述べたが、条件によってはδT
<0となる場合も発生する可能性がある。しかしこの場
合はミラーアップのタイミングを駆動終了のタイミング
より遅らせる方向なので、駆動終了のタイミングからδ
T時間だけカウントして遅らせれば良いので簡単であ
る。 【0048】尚、上述の説明ではδTの誤差を補償する
方法を厳密に述べたが、δTが20〜30mmsecとな
ることがほとんどである様な場合には合焦処理(ミラー
アップ許可)と蓄積再開指示のタイミングを意図的にず
らさずとも実質的に問題のない結果が得られる。次にス
テップ(1201)で物体移動が無いとされたときの場
合について説明する。この場合ステップ(1210)で
|Dn ′|とδf の大小が比較される。参考までにこの
ループでは追尾がないのでDn ′=Dn に等しい。ここ
でδf は合焦ゾーンの片側の巾を表わし50〜200μ
程度の大きさの量である。もし|Dn ′|>δfならば
ステップ(1211)で識別フラグIを0にセットしス
テップ(1212)で駆動を開始する。次いでステップ
(1213)での駆動停止条件を満たすステップ(12
14)でブレーキがかかり、ステップ(1207)を通
過してステップ(2)で蓄積が再開される。このように
して再びステップ(1210)にもどり|Dn ′|<δ
f となった場合はステップ(1215)にすすむ。ステ
ップ(1215)では表示点灯、ミラーアップ許可等の
合焦処理を行う。次いでステップ(1216)で識別フ
ラグIに1を加え合焦ゾーンに入った事を記憶する。ス
テップ(1217)では、|Dn ′|<δc (0<δc
<δf )であるかI≠0であるかが調べられ、この条件
を満たす時は駆動を行わずに次の蓄積へ移行する。 【0049】ここでδc は0〜50μ程度の値であり、
レンズを合焦ゾーンの中央付近に停止させる為に設けた
シキイ値である。ステップ(1217)で条件を満たさ
ない場合、即ち、I=0でかつδf >|Dn ′|>δc
の場合にはステップ(1212)で駆動開始され、駆動
停止条件駆動残量<δcとなるまで駆動され、次いでス
テップ(1214)でブレーキがかけられる。 【0050】以上の第3実施例の要点を簡単にまとめる
と次のように表現できる。即ち、合焦逐行手段は、少な
くとも演算された駆動量がある所定値(50μ〜150
μ程度の値)を越える場合について、物体移動が無い場
合には合焦処理を行わないが、物体移動が有ると判定さ
れた場合については、追尾駆動の終了後又は終了間際に
合焦処理を逐行する。 【0051】こうして、第3実施例では追尾駆動のある
場合とない場合で合焦処理即ち合焦表示の点灯及びミラ
ーアップ許可の発生等のタイミングを変える事により、
追尾動作のある場合にも、その最も効果的な瞬間に露光
を行ない得るようにしており、間欠駆動による追尾であ
るにもかかわらず、移動物体に対して完全にピントの合
った写真を撮影することが可能となる。 【0052】また、第3実施例でも時間計測は必ずしも
必要ではなく、使うとしても電荷蓄積時間の値であり、
この値は追尾のない通常の焦点検出装置においても蓄積
時間をソフトウェアで制御する場合には必要不可欠なた
めこれを計測している事が多く、それを流用すれば良い
のでその場合特にソフト上の負担が増大することはな
く、また間欠駆動である事に変わりはないので特開昭6
0−214325の場合のようにマルチタスクとなるこ
とはなく、第1実施例で述べたようなソフト作成の容易
性という特徴を失ってはいない。 〔第4実施例〕以上の第3実施例では露光のタイミング
のとり方について説明した。しかし上述の説明が適合す
るのは第1回目の露光のタイミングだけであり、連写す
る際の2回目以降の露光のタイミングは又違ってくる事
を注意する必要がある。即ち第1回目の露光の前までは
(蓄積・演算・駆動)を1つのサイクルとしてこのくり
返し動作である。従ってそのような前提に立って露光の
タイミングをとれば良かった。そして第1回目の露光の
瞬間と予定蓄積時間の中点を与える瞬間とのタイミング
の合致を考えれば良かった。 【0053】しかし、連写モードにおける2回目以降に
関しては(蓄積・演算・駆動・ミラーアップ期間)を1
サイクルとしたくり返し動作を考える必要があり、露光
の瞬間はミラーアップ期間の中央に存在するので、蓄積
時間の中央時と露光の瞬間とを合致させる事は不可能で
ある。このような場合における追尾方式について以下の
第4実施例として説明を行う。この場合も追尾の基本動
作は第1、第2実施例を前提としている。図12の上段
の図はモータードライブによる連写撮影時の各動作のタ
イミングを示したものである。連写の周期はTであり、
そのうちメインミラーが上がっている期間がTM であ
る。ミラーアップ期間TM はミラー上昇に伴う遅延時間
Tupと露光時間Ts とミラー下降に伴う遅延時間Tdown
から構成される。また、図中破線で示された期間TW 露
光後のフィルム巻上中に相当する期間である。また巻上
終了又は演算終了からミラーアップ開始までの時間がT
D で、この間にレンズ駆動がなされる。ミラーアップ開
始のタイミングは前にも述べたように駆動残量が像面移
動量に換算して一定量(例えば、50μとか150μと
か)となった時とする。 【0054】さて図1の構成の場合にはミラーが上がっ
ている状態では焦点検出はできないのでミラーダウンと
同時に蓄積が開始され、図12に示すように蓄積時間T
int、演算時間Tcal が継過した時点でデフォーカス量
が判明する。フィルム巻上中にレンズ駆動が禁止されて
いる場合には、デフォーカス量が算出されても巻上終了
まではレンズ駆動開始と遅延することになる。 【0055】このような動作モードにある第1回目の露
光終了以降の連写条件下においては、露光のタイミング
と積分時間の中央時点とのタイミングの間にはδT1 =
Tdown+Tint /2の時間のずれが存在する。ところで
前にも述べた通り、第1実施例で述べた追尾駆動の方法
によれば、図12に示すようにPとQ' は蓄積時間の中
点で交差するように追尾のための補正駆動が行われてい
る事になる。しかしこのままでは駆動が間欠的なため
に、露光のタイミングにおいては、δT1 の間に物体像
面が移動した量Δだけ、ピントが狂った写真が撮れる事
になる。 【0056】第4実施例はこのように露光のタイミング
と蓄積時間中点のタイミングとのずれδT1 に基づくピ
ント外れΔを考慮し、これを収束過不足量として補正す
る収束過不足量補正手段100eを図14のごとく前記
補正手段100内に設け、移動する物体を連写する時も
これを追尾しながらピントのあった写真が撮影されるよ
うにするものである。即ち追尾のための補正駆動量をΔ
だけ減ずることにより図13に示したごとく、露光のタ
イミングにおいてPとQ' が重なるように追尾駆動を制
御するものである。 【0057】次にΔの算出方法について述べる。図13
から分る通り Δ=Pn *δT1 /T で与えられるの
でサイクルタイムTと蓄積時間Tint をカウントしてお
けば正確に決定することができる。しかしδT1 もTも
通常とり得る値の範囲は限られているので、α(=δT
1 /T)を適当な定数としてΔ=Pn *αで算出しても
大きな誤差は生じない。この場合δT1 やTをカウント
しなくてすむというメリットがある。 【0058】上記定数αの値は0.1≦α≦0.5の範囲に
あり0.2程度の値となることが多い。また、実際には図
13のPで記した物体像面の軌跡は直線とはならず、物
体が近ずく時にはより傾きが時間とともに増大し、物体
が遠ざかる時には傾きが時間とともに減少する方向に変
化するので、Pn の符号により物体の移動方向を判別し
これによってαの値を変更するのが良い。即ち物体が遠
ざかる時のαをαf 、近ずくときのαをαn とするとα
f >αn のようにする。このようにすれば物体が遠ざか
る時のΔの値が大きめとなり追尾の補正駆動量が減少し
て物体軌跡の傾斜減少と合致させることができる。 【0059】次に具体的に補正手順を図15、図16に
より説明する。図15は概略の流れを示すフローチャー
トで、図9のステップ(8)とステップ(9)の間に収
束過不足量補正手段100eとして収束過不足量Δを算
出し補正するステップ(8)'が含まれている。図16は
このうちステップ(6)からステップ(10)までの部
分をより具体的に示したものである。 【0060】ステップ(6)(7)(8)は第1,第2
実施例で詳述した通りである。ステップ(81)(8
2)(83)が図15ステップ(8)'に対応するもので
あり、まずステップ(81)で、連写中でかつすでに第
1回目の露光が完了しているか否かが調べられる。別の
表現を用いれば、最終のレンズ駆動動作と今回の蓄積演
算サイクルの間にミラーアップダウンがあったか否かが
調べられる。つまり第1回目の露光は第3実施例にもと
ずくタイミングで行われるので、収束過不足量Δの補正
は行わず従ってすぐにステップ(9)に移る。連写中で
は、ステップ(82)で前述の収束過不足量Δが算出さ
れ、ステップ(83)で追尾の補正駆動量Cn に上記Δ
の分がさらに補正された補正駆動量Cn が算出されて、
次のステップ(9)へ移る。これ以降のステップについ
てはすでに説明したものと同等なので省略する。 【0061】以上のように第4実施例によれば、露光の
瞬間と蓄積時間の中点を与える時間の時間差に相当する
物体像面の移動を補正することができるので、連写中で
も移動物体に対して、ピントの合った写真が撮影され
る。又この実施例においても基本的には間欠駆動なの
で、CPUは蓄積演算と駆動の並列処理といったマルチ
タスクを行う必要がほとんどなく、ソフト構築が容易で
ある。 【0062】以上第3、第4実施例で説明したごとく、
モータドライブによる連写の際の第1回目の露光時と第
2回目以降の露光時とでは最適制御条件が異なる。従っ
て補正手段はこの点を識別して最適制御を行う必要があ
る。 〔第5実施例〕以上第3実施例及び第4実施例では合焦
優先モードを前提としていた。即ちシャッターレリーズ
がなされても焦点検出システムから露光許可の信号が出
されるまではミラーアップは行われなかった。即ち追尾
駆動の終了とともに、あるいは終了間際にミラーアップ
許可の信号が出力され、それに伴ってミラーアップが行
われていた。 【0063】しかしながらこれでは必ずしも意図した瞬
間の写真がとれないという欠点がある。そこで多少ピン
ト条件は甘くしてもシャッターレリーズ釦が押された瞬
間にミラーアップがなされ、露光が行われるような独立
モードも考えられる。第5実施例ではこのような独立モ
ードにおいて出来るだけピントが合った写真撮影を可能
とする為の条件を説明する。 【0064】1眼レフカメラのモータドライブにおいて
は最高速で5コマ/秒程度のコマ速となる事がある。そ
のような場合のタイミングを図12上段の図で説明す
る。連写のサイクルタイムTは200m sec であり、こ
のうちミラーアップ時間Tupが50m sec とする露光の
時間を20m sec として、露光の終了後始まるフィルム
巻上時間Tw を100m sec とすると残りの時間TD は
わずか30m sec 程度になる。 【0065】ブレーキをかけてから停止するまでの時間
を10〜20m sec 見込むとすれば、正味の駆動時間は
10〜20m sec となり、実質的にレンズ駆動が不可能
となってしまう。従って出来る限り高速のモータードラ
イブに合焦動作がマッチングできるようにする為には、
ミラー上昇から露光直前までの期間Tupの間もレンズの
駆動を許容するようにするのが良い。もしTup≒50m
sec あるとすれば、レンズ駆動に使える時間はTD +T
up≒80m sec 程度でてくるので、たいていの場合追尾
に必要な駆動量をまかなうことができるようになる。従
って出来る限り高速応答を行う為にはTupの期間もレン
ズ駆動を行うようにすることが重要である。 【0066】さて、合焦優先モードの場合に焦点検出シ
ステムと露光のタイミングが所定の関係にあることは、
その前提から明らかであるが、焦点検出システムの状態
と無関係にシャッターレリーズ釦が押されたのに合わせ
て露光を行う独立モードの場合でも、実は焦点検出シス
テムの動作のタイミングと露光のタイミングの間には一
定の関係が生じてしまう。これにより独立モードでも露
光の瞬間にピント状態がほぼ良好になるように制御する
ことが可能である。即ち上述の一定の関係は、メインミ
ラーが下り切ったと同時に電荷蓄積を開始するという条
件を設ける事で必然的に発生するものである。このよう
に条件づけすることで、第4実施例で説明したのと同一
のパラメータδT1 が意味をもつことになる。即ち、最
終のレンズ駆動動作と、今回の蓄積、演算サイクルの間
にミラーアップ・ダウンが入った場合、露光の瞬間から
今回の蓄積時間の中間時までの時間差がδT1 となる。
この様に考えるとレンズ駆動の時間が大巾にTupの中に
割り込む事を除けば第5実施例においても第4実施例に
おいて述べたのと同一の処理が有効である事がわかる。
そこで次にレンズ駆動の時間が大巾にTupの中に割り込
む事の影響について次に説明する。 【0067】まず駒間でレンズ駆動可能な時間の間にレ
ンズ駆動で移動できる像面移動の量をΔZ1 とすると、
物体像面の移動速度として駒速5コマ/秒の場合は、5
×ΔZ1 /sec 相当の移動物体まで追尾することが可能
であり、この能力を上げる為には上記関係を満たせるよ
うに駆動のパワーを上げる必要がある。図17Q' はち
ょうどこのような臨界条件に相当する場合の例を記した
もので、露光の直前にブレーキがかかって停止してい
る。又上記臨界条件をわずかに越える時はQ''のように
露光中もレンズが移動している状態が発生するが、この
ような場合はそもそも像面が相当早く動いているので、
厳密にレンズを停止させる事に意味はなく、少し位動い
ても問題はない。さらに上記臨界条件をはるかに越える
程の物体移動が大きい時には、追尾は後追いとなるのを
さけられない。 【0068】以上のように第5実施例によれば、ミラー
アップ後もレンズ駆動を許容することで、独立モード、
高速モータドライブの場合でもピントの合った撮影を可
能とすることができる。この場合も収束過不足量補正手
段100eは、第4実施例で説明したのと同等のやり方
でΔを決定し収束過不足量の補正を行うものとする。勿
論第4実施例の合焦優先モードにおいてもδP の値を大
きくとる事で、Tup期間でのレンズ駆動を積極的に行な
い応答性を上げることも可能である。 〔第6実施例〕以上の実施例では時間の計測は必ずしも
必要とせず、必要な場合でも代表値で置き換える事が可
能な追尾駆動方式について説明した。又蓄積時間や演算
時間が毎回ほぼ等しい場合を考えていた。実際追尾の際
は同一物体を追っているので、上記条件はほぼ満足され
る。又シュミレーションによれば少し位バラツキがあっ
てもその分だけ各回ごとにオーバーラン又はアンダーラ
ン気味となるものの、全体としては通常の間欠駆動に比
して十分に有効な追尾駆動を行う事が判明している。 【0069】しかし、時間間隔のバラツキを考慮して追
尾ソフトを構築すれば上記わずかのオーバーラン及びア
ンダーランも除去することが可能であり、以下の第6実
施例において、その様な場合について説明する。これま
での実施例では1周期の間の物体移動補正量Pn をその
まま演算に用いていたが、本実施例では図18参照のご
とくこの間の時間T(n−1)を計測して物体移動の速
度に相当するものを算出し、これによって図19の補正
手段100に含まれる補正不足量逐次補正手段100f
によりキメ細かに追尾駆動の補正を行うものであるが、
蓄積演算中は駆動を行わず本質的に間欠駆動である事に
変わりはない。 【0070】図20のフローチャートを用いて処理の流
れを説明する。ステップ(1)〜(5)はこれまでと同
様である。次のステップ(55)ではイベントカウンタ
ーの値Event又はレジスターの値Regisから駆動量X
(n−1)を算出する。ここで、イベントカウンタには
モニタ手段からの前回駆動に関するフィードバックパル
スの計数結果が入っている。 【0071】ステップ(6)で収束不足量算出手段10
0aは収束不足量Pn を式によりPn =Dn +X(n
−1)−Dn-1 で算出する。ステップ(1)で物体移動
判別手段100bにより物体移動の有無が判別される。
具体的方法は第1、第2実施例で述べた通りである。物
体移動有の場合はステップ(31)に進みフラグIDO
=1とする。ステップ(32)、(33)がこの実施例
における物体移動補正算出手段100cの内容に相当す
るものである。ステップ(32)は演算終了時点での図
18PとQ' の差に相当する量を補正量として下式によ
り算出する。 Cn =Pn *{Tint(n)/2+Tcalc(n)}/T(n−1) ……… ステップ(33)は第3実施例や第4実施例で述べた事
に対応する処理を行うもので、露光のタイミングを最適
化するために、さらに Pn *δT/T(n−1) ……… の補正を行う。ここでδTが露光のタイミングに依存す
る量である。 【0072】ステップ(34)で駆動量Dn ′がデフォ
ーカス量Dn と追尾のための駆動量Cn の和として求め
られる。さてレンズ駆動開始は、駆動量に対応するパル
ス数をレジスターRegisにセットすることにより自動的
に開始され、これに伴ってモニタ手段103から出力さ
れるフィードバックパルスをイベントカウンターでカウ
ントし、このイベントカウンターの累算値が前記レジス
ターRegisにセットした値に等しくなった時点で割込み
(EVC割込)が発生するものとする。ここで駆動の方
向については別途フラグをたて、このフラグでレンズ駆
動モータの回転方向を制御するがフローチャート上は記
述を省略する。 【0073】ステップ(35)でイベントカウンター値
Eventを0にリセットし、レジスターRegisに(|
Dn ′|−δc )に相当するパルス数をセットする。こ
れによりレンズ駆動が自動的に開始する。次いでステッ
プ(36)でEVC割込みを許可し、停止の割込みを待
つ。ステップ(37)は図19補正不足量逐次補正手段
100fに対応するもので、ステップ(32)で算出し
た補正量が演算終了時点のものであったので、演算終了
時点以降の補正量を逐次補正する。 【0074】即ち物体像面の移動量は時間ΔTの間に次
式 ΔPn =Pn *ΔT/T(n−1)…… で与えられるので、ΔT秒おきに|ΔPn |に相当する
パルス数を前記レジスターに加算あるいはレジスターか
ら減算する。加算となるか否かは最初に決めた駆動方向
と物体像面の移動方向との関係即ちDn ′とPn の符号
関係から決まる。ここでΔTを蓄積時間の1/10程度
以下とすれば実質的には蓄積中に定速駆動がなされたと
みなせる。このようにしてレンズ駆動は図18の破線R
を目標に進行し、Q' とRが交わった時点で前記イベン
トカウンター値Eventとレジスター値Regisが等しくな
り、EVC割込みが発生する。ステップ(38)でEV
C割込を不可にセットし、ステップ(39)でレンズ駆
動にショートブレーキをかけて停止させ、これと同時に
ΔPn のレジスターに対する加算も停止する。 【0075】ステップ(40)で物体移動がある場合か
否かを識別し、ある場合にはステップ(41)でミラー
アップ許可、合焦表示所定時間点灯といった合焦処理II
を行う。ステップ(42)では次回で計算に必要な量、
Pn 、Dn 等を記憶しn=n+1とする。ステップ(4
3)ではミラーダウン状態ならそのままステップ(2)
へ、ミラーアップ中ならミラーダウンまで待ってステッ
プ(2)へもどる。 【0076】一方ステップ(7)で物体移動なしとされ
た場合にはステップ(45)以降の通常の処理ルーチン
に入る。ステップ(45)で物体移動のない事を示すフ
ラグをたて、ステップ(46)で駆動量Dn ′としてデ
フォーカス量Dn をそのまま採用する。ステップ(4
7)で|Dn ′|とδc の大小が判別され|Dn ′|≦
δc なら、ステップ(51)で合焦処理I即ち合焦表示
点灯とミラーアップ許可を行う。ついでステップ(5
2)でステップ(42)へとぶ。ステップ(40)で|
Dn ′|>δc の時はステップ(48)で合焦表示が点
灯しているときにはこれを消し、ステップ(49)で駆
動開始しステップ(50)でEVC割込みを許可して駆
動の終了を待つ。 【0077】以上のように本実施例によれば、蓄積時
間、演算時間、巻上時間、駆動時間等が何らかの原因で
多少変動しても、時間経過に応じて追尾の必要駆動量を
変更するので、必ずピントの合った撮影が可能となる。
なお図18の3点鎖線Sは、巻上が長びいてレンズ駆動
開始が遅れた場合を誇張して示したものであるが、レン
ズは目標の破線Rと交わるまで駆動されるので、時間遅
れがあっても問題がない事を示している。 【0078】これまで述べた実施例は蓄積時間中及び演
算時間中は全くレンズ駆動を行わない事を前提としてお
り、その意味で間欠駆動を前提とした追尾駆動方式と言
うことができる。間欠駆動の場合には処理が時系列的な
のでCPUがマルチタスクをする必要がなく、その意味
で非常に勝れていると言える。また、レンズ駆動用の電
源が通常のカメラ作動用の電源と共用されている場合に
は、例えばフィルム巻上時にはレンズ駆動用のモータは
停止しなければならないといった制約が発生する。この
場合レンズ駆動は必然的に間欠とならざるを得ないの
で、このような制約のあるシステムに対してはこれまで
述べた間欠駆動追尾方式が非常に適合性が良い。 〔第7実施例〕しかし、レンズの駆動が常時可能なシス
テムにおいては、物体の移動に対して実質的に連続的に
追尾させる事も可能であり、この方がファインダーを見
た目にも動きがナメラカに感じられる利点がある。次の
第7実施例ではこのような連続的な追尾の方法について
説明する。 【0079】本実施例の要点を簡潔に述べると、基本的
には普通の間欠駆動と同じ駆動形態を前提としており、
デフォーカス量Dn が算出されると、その量だけ駆動し
て(収束駆動と呼ぶことにする)駆動終了とともに蓄積
を開始する。そして物体移動があると判定された時は、
この物体移動に伴う補正の駆動量については蓄積・演算
・駆動の全期間を通じて一様に定速で駆動を行う。従っ
て物体の移動をナメラカに追尾することになる。連続的
に追尾する点に関しては特開昭60−214325と同
様であるが、この先願に含まれていた既述の問題点は解
決されている。即ち、この場合には蓄積期間中もレンズ
移動が行われるのでその分の補正も必要であるが、蓄積
中の移動は定速なので補正は容易である。又追尾のため
だけの駆動(追尾駆動と呼ぶことにする)はそれ程高速
でないので、時間計測誤差の結果への影響も少ない。 【0080】このような主旨にもとずいて追尾を行なっ
た場合のタイムチャートを図21、図22に示す。図2
1はミラーアップ動作のない場合であり、図22は合焦
達成とともに連写が行われる場合を示している。即ち両
者の違いは、収束駆動終了後、すぐに蓄積を開始する
か、ミラーが上がっている期間をおいて蓄積を開始する
かの違いである。本実施例ではどの様な動作状態下でも
追尾駆動は継続しているので、途中でミラーが上がった
状態が入っても、この期間の物体移動分は時々刻々と補
正されていくので、これまでの実施例で述べたような露
光のタイミングを合わせる為の補正がいらないという利
点がある。 【0081】次に同じ内容を表した図22、図23を用
いて、そこに記載のパラメータについて説明する。デフ
ォーカスDn は演算終了のタイミングで判明するが、値
としては蓄積時間の中点におけるPとQ' の距離に対応
している。又n回目の蓄積時間をTint(n)、前回の蓄
積終了から今回の蓄積開始までの時間をT'(n−1)、
前回の蓄積時間の中点から今回の蓄積時間の中点までの
時間をT(n−1)とする。即ち 【0082】 【数1】 【0083】そしてこのそれぞれの時間中に駆動された
量を像面移動換算でそれぞれXint(n)、X'(n−
1)、X(n−1)とする。従って、 【0084】 【数2】 【0085】である。次に図25のフローチャートによ
り動作の流れを説明する。ステップ(1)(2)(3)
(4)(5)は今までと同様である。次のステップ(6
0)では蓄積時間に比べ充分に短い時間間隔ΔTおきに
継続して行なってきたΔPn 相当のパルスのRegisへの
加算を一担中止する、即ち蓄積・演算中にわたって追尾
駆動を行なっていた場合にはこれを停止する。ステップ
(61)で前述の式によりT(n−1)、X(n−1)
を算出する。これが可能な為にはあらかじめ蓄積の開始
及び終了のタイミングにおいてタイマーの値及びイベン
トカウンターの値を読んでおく事が必要であり、これに
より前述の値Tint(n)、T'(n−1)、Xint(n)、
X'(n−1)が算出でき、従ってT(n−1)、X(n
−1)が算出できる。次いでステップ(62)で図24
収束不足量算出手段100aにより、収束不足量Pn が
次式Pn =Dn +X(n−1)−Dn-1 により算出され
る。ステップ(63)は物体移動判別手段100bに対
応し、第1、第2実施例で説明したごとき方法で物体移
動の有無を判別する。物体移動が有る場合にはステップ
(64)で移動有に対応するフラグをIDO=1にセッ
トし、ステップ(65)で単位時間ΔT当りの物体移動
量ΔPn を次式により算出する。ΔPn =Pn *ΔT/
T(n−1) この実施例においてはこのステップ(6
5)が物体移動補正量算出手段100cに対応する。ス
テップ(66)ではイベントカウンターの内容を零とし
(Event=0)、レジスターには|Dn |相当のパルス
数を設定する。この瞬間自動的にレンズ駆動が開始され
るが、レンズの移動方向はDn の正負に応じて別途にフ
ラグをたて、これによって制御される。 【0086】次いでステップ(67)で収束駆動の終了
を条件づけるEVC割込みの許可を行う。ステップ(6
8)ではΔTおきにΔPn 相当のパルス数をRegisに加
算する操作を行ない、この操作は次のサイクルにおける
ステップ(60)に到るまで継続される。即ちステップ
(60)から次のサイクルのステップ(60)までは常
に定速で目標駆動量が増大(減少)していくことにな
る。これにより収束駆動以外の期間即ち蓄積・演算中は
もとより、ミラーアップの期間中も定速でレンズ駆動が
行われる事になる。ステップ(66)から収束駆動が開
始されているが、そのうちモニタ手段からのフィードバ
ックパルスを累算しているイベントカウンターの内容E
ventがレジスター値Regisと等しくなり、EVC割込み
が発生する。これを受けてステップ(70)に移り、こ
れ以後のEVC割込みを不可とする。この後もレジスタ
ー値Regisは一定速度で増えつづけるので、これを追っ
てレンズが定速の追尾駆動を継続しイベントカウンター
の値Eventもこれにならって増大していく、即ちRegis
≒Eventの平衡状態を保ちながら値を増大してゆく。こ
の状態が定速度追尾駆動に対応する。続いてステップ
(71)で物体移動が有(IDO=1)とされ、ステッ
プ(72)でデフォーカス量|Dn |<δq と判定され
るとステップ(73)で合焦処理IIを行う。その内容は
ミラーアップ許可及び一定期間合焦表示点灯等である。 【0087】次いでステップ(74)で時間の演算に必
要なデータを記憶し、n=n+1とする。ステップ(7
5)では現在ミラーダウン状態にあるか否かが判断さ
れ、ミラーダウン状態であれば、ステップ(2)に進み
次の蓄積を開始する。ステップ(63)で物体移動が無
いとされた場合はステップ(76)へ進むがこれ以降は
図20と同等なので説明を省く。 【0088】以上の如く本実施例においては、物体移動
が検出された時には物体移動速度に合わせて、レンズ定
速で駆動し、物体移動による成分を相殺しているので算
出されたデフォーカス量の分だけ演算終了後から高速非
定速の駆動(収束駆動)を行なえば良い。そして収束駆
動の終了とともに次の定速駆動が始まり、同時に蓄積が
再開される。この様な駆動形式なので見た目にも物体の
移動にナメラカに追従する好印象を与えるのみならず、
ミラーアップ等が入って蓄積のタイミングが変化しても
問題なく、常にピントの合った写真撮影が可能となる。 〔第8実施例〕次に再び物体移動の有無を判別するため
の方法について次の第8実施例において説明する。物体
移動判別手段100bの内容については、その最も単純
な形を第1実施例において説明し、さらに精度を高めた
方法を第2実施例で説明した。ここでは時間的要素を加
味することで、さらに正確に物体移動の有無を判別する
方法について説明する。図5のステップ(1005)、
(1006)がそれに相当する。即ちステップ(100
2)を厳密な物体移動の速度におき直したものがステッ
プ(1005)の 【0089】 【数3】 【0090】であり、ステップ(1003)を厳密な速
度の比較に直したのがステップ(1006)の 【0091】 【数4】 【0092】である。ステップ(1002)、(100
5)は主に物体移動の有無を判別し、ステップ(100
3)、(1006)は主に被写体外れの有無を判別して
いる。実際の使用に当っては、ステップ(1002)、
(1003)のかわりにそれぞれステップ(100
5)、(1006)を用いても良いが、図5のようにシ
リーズにして両方用いるようにしても良い。その場合ス
テップ(1002)、(1003)ではステップ(10
05)、(1006)より条件を緩めに設定することに
なり、0<k<k' <1<r' <r となる。 【0093】これらの係数の具体的な値としてはk≒0.
3〜0.5、k' ≒0.5〜0.7、r' ≒1.4〜2、r
≒2〜3程度にするのが良い。以上第8実施例によれ
ば、物体の移動速度をより厳密に求めて比較を行うので
物体移動の有無の判定精度が向上する利点がある。 【0094】 【0095】 【発明の効果】本発明の自動焦点検出装置は、対象物体
の移動がある場合には、常に対象物体の移動に伴う像面
移動速度に基づいた速度で結像光学系の焦点整合用光学
系を制御することで、対象物体が静止している場合と等
価な状況を作り出し、間欠的に検出されるデフォーカス
量で合焦状態にするので、蓄積中の駆動速度変化に伴う
複雑な補正とそれに伴う誤差の問題なく、簡単に連続的
な追尾が達成されてなめらかな動きが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の第1実施例である自動合焦調節装置のブ
ロック図である。 【図2】自動合焦調節装置が被写体を追尾する様子を示
した関係図である。 【図3】自動合焦調節装置の補正手段の詳しいブロック
図である。 【図4】自動合焦調節装置のフローチャート図である。 【図5】本願の第2実施例である自動合焦調節装置のフ
ローチャート図である。 【図6】公知の通常の間欠駆動方式における露光のタイ
ミングを示す説明図である。 【図7】間欠駆動方式における自動合焦調節装置の合焦
動作の様子を示した関係図である。 【図8】本願の第3実施例である自動合焦調節装置の補
正手段のブロック図である。 【図9】自動合焦調節装置のフローチャート図である。 【図10】図9のS10の詳しい説明図を示す。 【図11】図9のS10の詳しい説明図を示す。 【図12】第1実施例の追尾駆動方式による自動合焦調
節装置のモータードライブ装置による連続撮影時のタイ
ミングを示す関係図である。 【図13】本願の第4実施例である自動合焦調節装置の
前記連続撮影時のタイミングを示す関係図である。 【図14】自動合焦調節装置の補正手段のブロック図で
ある。 【図15】自動焦点調節装置のフローチャート図であ
る。 【図16】自動焦点調節装置のフローチャートの詳細図
である。 【図17】本願の第5実施例である自動合焦調節装置の
撮影時のタイミングを示す関係図である。 【図18】本願の第6実施例である自動焦点調節装置の
撮影時のタイミングを示す関係図である。 【図19】自動焦点調節装置の補正手段のブロック図で
ある。 【図20】自動焦点調節装置のフローチャート図を示
す。 【図21】ミラーアップがない場合の自動焦点調節装置
の撮影時のタイミングを示す関係図である。 【図22】ミラーアップがある場合の自動焦点調節装置
の撮影時のタイミングを示す関係図である。 【図23】自動焦点調節装置の撮影時のタイミングを示
す関係図である。 【図24】自動焦点調節装置の補正手段のブロック図で
ある。 【図25】自動焦点調節装置のフローチャート図であ
る。 【図26】従来の自動焦点調節装置のブロック図であ
る。 【図27】自動焦点調節装置の撮影時のタイミングを示
す関係図である。 【符号の説明】 100……補正手段 101……焦点検出手段 102……制御手段 103……モニタ手段 104……レンズ駆動手段 105……レンズ情報発生手段
ロック図である。 【図2】自動合焦調節装置が被写体を追尾する様子を示
した関係図である。 【図3】自動合焦調節装置の補正手段の詳しいブロック
図である。 【図4】自動合焦調節装置のフローチャート図である。 【図5】本願の第2実施例である自動合焦調節装置のフ
ローチャート図である。 【図6】公知の通常の間欠駆動方式における露光のタイ
ミングを示す説明図である。 【図7】間欠駆動方式における自動合焦調節装置の合焦
動作の様子を示した関係図である。 【図8】本願の第3実施例である自動合焦調節装置の補
正手段のブロック図である。 【図9】自動合焦調節装置のフローチャート図である。 【図10】図9のS10の詳しい説明図を示す。 【図11】図9のS10の詳しい説明図を示す。 【図12】第1実施例の追尾駆動方式による自動合焦調
節装置のモータードライブ装置による連続撮影時のタイ
ミングを示す関係図である。 【図13】本願の第4実施例である自動合焦調節装置の
前記連続撮影時のタイミングを示す関係図である。 【図14】自動合焦調節装置の補正手段のブロック図で
ある。 【図15】自動焦点調節装置のフローチャート図であ
る。 【図16】自動焦点調節装置のフローチャートの詳細図
である。 【図17】本願の第5実施例である自動合焦調節装置の
撮影時のタイミングを示す関係図である。 【図18】本願の第6実施例である自動焦点調節装置の
撮影時のタイミングを示す関係図である。 【図19】自動焦点調節装置の補正手段のブロック図で
ある。 【図20】自動焦点調節装置のフローチャート図を示
す。 【図21】ミラーアップがない場合の自動焦点調節装置
の撮影時のタイミングを示す関係図である。 【図22】ミラーアップがある場合の自動焦点調節装置
の撮影時のタイミングを示す関係図である。 【図23】自動焦点調節装置の撮影時のタイミングを示
す関係図である。 【図24】自動焦点調節装置の補正手段のブロック図で
ある。 【図25】自動焦点調節装置のフローチャート図であ
る。 【図26】従来の自動焦点調節装置のブロック図であ
る。 【図27】自動焦点調節装置の撮影時のタイミングを示
す関係図である。 【符号の説明】 100……補正手段 101……焦点検出手段 102……制御手段 103……モニタ手段 104……レンズ駆動手段 105……レンズ情報発生手段
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.対象物体の光像を形成する結像光学系と、 電荷蓄積型の光電変換手段からの出力を用いて、前記光
像の形成された結像面と予め定められた所定結像面との
距離に関するデフォーカス量を出力する焦点検出手段
と、 前記結像光学系の焦点整合用光学系を動かすレンズ駆動
手段と、 前記焦点整合用光学系の移動に関する量を検知するモニ
タ手段と、 前記焦点検出手段の出力と前記モニタ手段の出力とを受
けて、前記対象物体の前記結像光学系の光軸方向への移
動がある場合には、それに伴う前記結像面の移動の影響
を補正する量を算出する補正手段と、 主に前記デフォーカス量に応じて駆動する第一駆動モー
ドと前記補正手段で算出された前記結像面の移動の影響
を補正する量に応じて一様に定速で駆動する第二駆動モ
ードとを有するとともに、前記レンズ駆動手段を前記第
一及び第二駆動モードの少なくとも一方で制御する制御
手段とを有し、 前記焦点検出手段は、前記第一駆動モードの行われてい
ない前記第二駆動モード中に電荷蓄積動作を行うことを
特徴とする自動焦点調節装置。 2.前記第二駆動モードは、前記結像面の移動に関する
量である像面移動速度に基づいて駆動制御されることを
特徴とする請求項1に記載の自動焦点調節装置。 3.前記第一駆動モードで駆動される量は、前記デフォ
ーカス量に応じた量、もしくは該デフォーカス量と前記
移動の影響を補正する量との和に応じた量であることを
特徴とする請求項1に記載の自動焦点調節装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6120680A JP2769604B2 (ja) | 1994-05-09 | 1994-05-09 | 自動焦点調節装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6120680A JP2769604B2 (ja) | 1994-05-09 | 1994-05-09 | 自動焦点調節装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61295888A Division JP2540827B2 (ja) | 1986-12-12 | 1986-12-12 | 自動焦点調節装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07199063A JPH07199063A (ja) | 1995-08-04 |
JP2769604B2 true JP2769604B2 (ja) | 1998-06-25 |
Family
ID=14792293
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6120680A Expired - Lifetime JP2769604B2 (ja) | 1994-05-09 | 1994-05-09 | 自動焦点調節装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2769604B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5483953B2 (ja) * | 2009-08-18 | 2014-05-07 | キヤノン株式会社 | 焦点調節装置、焦点調節方法及びプログラム |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0736055B2 (ja) * | 1984-04-11 | 1995-04-19 | 株式会社ニコン | 自動焦点調節装置 |
JP2511409B2 (ja) * | 1986-03-31 | 1996-06-26 | ミノルタ株式会社 | 自動焦点調節装置 |
-
1994
- 1994-05-09 JP JP6120680A patent/JP2769604B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07199063A (ja) | 1995-08-04 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |