JP2769086B2 - レーザ光の偏光調節方法及びレーザ装置 - Google Patents

レーザ光の偏光調節方法及びレーザ装置

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拓 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光の偏光調節方
法及びレーザ装置に関し、特に、光軸を変化させないで
レーザ光の偏光度が調節可能なレーザ光の偏光調節方法
及びレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光の偏光は、一般に進行方向に垂
直な面内で互いに直角方向に振動する成分が合成された
ものと考えることができ、電場のベクトルの成分がEx
=A1cos(ωt+δ1 ),Ey =A2 cos(ωt
+δ2 )(A1 ,A2 はx,y成分の振幅、ωは光の角
振動数、tは時間、δ1 ,δ2 はx,y成分の初期位
相)のとき、電場ベクトルの終端の軌跡は一般に楕円に
なる。このような光を楕円偏光という。ここで、δ=δ
2 −δ1 =mπ/2(mは奇数の整数)の場合を考える
と、A1 とA2 の比が0又は無限大の場合の軌跡は直線
となり、このような場合を直線偏光といい、この比が1
の場合の軌跡は円になり、このような場合を円偏光とい
う。これら以外の場合は楕円偏光になる。そこで、δ=
mπ/2(mは奇数の整数)の場合について、偏光度を
表現するために、上記の比の正接の逆関数(arcta
n)をとって角度で表現することもある。この表現で
は、0°〜180°で偏光状態が表され、0°と90°
は共に直線偏光だが向きが異なり、45°と135°は
共に円偏光だが回転方向が異なる。
【0003】ところで、回転ラマン散乱を用いた試験、
装置、設備、原子の角運動量選択則を用いた試験、装
置、設備、金属加工を行う試験、装置、設備等において
は、レーザ光の偏光度を調節する必要がある。これら
は、多くが円偏光を必要とするが、回転ラマン散乱を用
いて反ストークス光を発生させる場合等には、楕円偏光
を必要とする。
【0004】従来、レーザから発振されたレーザ光の偏
光度を調節するには、反射型光波位相差板が用いられて
いる。これは、基板の上に高屈折率膜と低屈折率膜を交
互に多層に積層してなる反射多層膜であり(例えば、"A
pplied Optics"Vol.19,No.16(1980)pp.2688-2692参
照)、位相差板の入射面に垂直な成分と平行な成分の間
に所定の位相差が導入され、例えば反射型光波位相差板
に入射するレーザ光を45°回転した直線偏光とし、そ
の位相差板により生じる位相差を波長の4分の1とすれ
ば、円偏光に変換できる。
【0005】このような反射型光波位相差板を用いた従
来の偏光度の調節方法を、図4の斜視図を用いて説明す
ると、図のように座標系を定義して、レーザ発振器1か
ら発振されてz方向に進むたレーザ光2がy軸から右回
りに45°回転した直線偏光であったとする。反射型光
波位相差板3は入射角(法線に対してなす角度)が45
°で、位相差が4分の1波長の場合、位相差板3の入射
面に垂直な入射光成分と平行な入射光成分の強度は同じ
になり、位相差板3で反射後、両者の間に4分の1波長
(90°)の位相差が導入されるので、反射光4は円偏
光になる。なお、導入される位相差は必ずしも4分の1
波長に限られず、また、反射光4も必ずしも円偏光にす
るのではなく、所定の偏光度の楕円偏光又は直線偏光に
変換される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図4のよう
な従来の配置においては、反射光4の偏光度を所望のも
のに調節する場合には、レーザ発振器1からのレーザ光
2の偏光を特定方向の直線偏光又はこれからわずかにず
れた楕円偏光に固定し、反射型光波位相差板3を図4の
z軸の周りで回転調節して行っていた。しかしながら、
このような偏光度の調節方法を採用すると、反射光4
は、図に点線で示したように、位相差板3への入射点を
中心に回転してしまい、以後の光軸が変化してしまう。
したがって、システム全体の光軸調節をやり直すことが
必要になり、煩雑な作業が加わることになる。
【0007】本発明はこのような従来技術の問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、光軸の変化が起
こらないレーザ光の偏光調節方法及びそのためのレーザ
装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のレーザ光の偏光調節方法は、レーザ発振器から発振
されたレーザ光の偏光度を反射型光波位相差板を用いて
調節する方法において、レーザ発振器の発振光路中に反
射型光波位相差板を固定配置し、レーザ発振器から発振
されるレーザ光の偏光を調節することにより、反射型光
波位相差板から反射される光の偏光度を変化させること
を特徴とする方法である。
【0009】この場合、レーザ発振器から発振されるレ
ーザ光の直線偏光方向を調節することにより、反射型光
波位相差板から反射される光の偏光度を変化させること
ができ、また、反射型光波位相差板の位相差を4分の1
とし、反射型光波位相差板から反射される光が円偏光で
あるようにすることもできる。
【0010】また、本発明のレーザ装置は、レーザ発振
器とこれから発振されたレーザ光の光路中に所定角度で
固定配置された所定の位相差を与える反射型光波位相差
板とからなり、レーザ発振器は、レーザ媒質と、共振器
と、共振器中の光路の何れかの位置に配置され、光軸の
周りで回転調節できるように回転調節手段に取り付けら
れた偏光手段とからなることを特徴とするものである。
【0011】この場合、レーザ媒質又は共振器の少なく
とも一方が偏光手段を兼ねるようにすることもできる。
【0012】
【作用】本発明においては、レーザ発振器の発振光路中
に反射型光波位相差板を固定配置し、レーザ発振器から
発振されるレーザ光の偏光を調節することにより、反射
型光波位相差板から反射される光の偏光度を変化させる
ので、偏光度の調節に伴って反射型光波位相差板から反
射される光の光軸が変化することがなく、偏光度調節が
容易に可能になる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照にして本発明のレーザ光の
偏光調節方法とレーザ装置について説明する。図1は、
この発明によるレーザ装置の1実施例の構成を示す光路
図であり、レーザ発振器10とこれから発振されたレー
ザ光2の光路中に所定角度で固定配置された例えば4分
の1の位相差を与える反射型光波位相差板3とからな
り、レーザ発振器10は、レーザ媒質11と、共振器を
構成する反射鏡12及び出力鏡13と、共振器中の光路
の何れかの位置に配置され、光軸の周りで回転調節でき
るように、回転マウント等の回転調節手段15に取り付
けられた偏光プリズムのような偏光素子14とからな
る。
【0014】本発明においては、反射型光波位相差板3
からの反射光4の偏光度を所望のものに調節するのに、
反射型光波位相差板3は固定しておき、この位相差板3
に入射するレーザ発振器10からのレーザ光2の偏光を
調節するようにするものであり、そのために、レーザ発
振器10中に配置された偏光素子14を回転調節手段1
5により光軸の周りで回転調節する。こうすると、レー
ザ発振器10から発振されたレーザ光2の直線偏光の偏
光方向が容易に調節され、位相差板3の入射面に垂直な
入射光成分と平行な入射光成分の強度が変化する。した
がって、反射光4は円偏光に調節されたり楕円偏光に調
節される。しかも、その際、反射型光波位相差板3は固
定されているので、反射光4の光軸が変化することもな
く、従来のように光軸調節をやり直す必要は生じない。
【0015】以上の実施例においては、レーザ発振器1
0からのレーザ光2の偏光を調節するのに、偏光素子1
4を特別に配置している。しかしながら、レーザ媒質1
1の出力窓にブリュスター窓を用いる場合、あるいは、
反射鏡12として波長選択性の反射回折格子を用いる場
合には、出力レーザ光2はそれらの入射面に平行に直線
偏光するので、特別の偏光素子14を配置する必要はな
い。すなわち、図2に示すように、レーザ媒質11の出
力窓16、16をブリュスター窓とするときには、回転
調節手段15をレーザ媒質11に取り付け、この回転調
節手段15により光軸の周りでレーザ媒質11を回転調
節することにより、レーザ光2の偏光度が容易に調節で
きる。また、図3に示すように、共振器を構成する全反
射鏡を波長選択性の反射回折格子17で置き換え、回転
調節手段15をこの反射回折格子17に取り付け、反射
回折格子17の角度を変えないで回転調節手段15によ
り反射回折格子17を光軸の周りで回転調節することに
より、同様にレーザ光2の偏光が調節できる。
【0016】以上、本発明のレーザ光の偏光調節方法及
びレーザ装置を実施例に基づいて説明してきたが、本発
明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能であ
る。なお、レーザ媒質については、気体、液体、固体、
半導体何れでもよく特に限定されない。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のレーザ光の偏光調節方法及びレーザ装置によると、レ
ーザ発振器の発振光路中に反射型光波位相差板を固定配
置し、レーザ発振器から発振されるレーザ光の偏光を調
節することにより、反射型光波位相差板から反射される
光の偏光度を変化させるので、偏光度の調節に伴って反
射型光波位相差板から反射される光の光軸が変化するこ
とがなく、偏光度調節が容易に可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザ装置の1実施例の構成を示
す光路図である。
【図2】変形例の構成を示す光路図である。
【図3】もう1つの変形例の構成を示す光路図である。
【図4】反射型光波位相差板を用いた従来の偏光度の調
節方法を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
2…レーザ光 3…反射型光波位相差板 4…反射光 10…レーザ発振器 11…レーザ媒質 12…反射鏡 13…出力鏡 14…偏光素子 15…回転調節手段 16…ブリュスター窓 17…反射回折格子

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ発振器から発振されたレーザ光の
    偏光度を反射型光波位相差板を用いて調節する方法にお
    いて、レーザ発振器の発振光路中に反射型光波位相差板
    を固定配置し、レーザ発振器から発振されるレーザ光の
    偏光を調節することにより、反射型光波位相差板から反
    射される光の偏光度を変化させることを特徴とするレー
    ザ光の偏光調節方法。
  2. 【請求項2】 レーザ発振器から発振されるレーザ光の
    直線偏光方向を調節することにより、反射型光波位相差
    板から反射される光の偏光度を変化させることを特徴と
    する請求項1記載のレーザ光の偏光調節方法。
  3. 【請求項3】 反射型光波位相差板の位相差が4分の1
    であり、反射型光波位相差板から反射される光が円偏光
    であることを特徴とする請求項2記載のレーザ光の偏光
    調節方法。
  4. 【請求項4】 レーザ発振器とこれから発振されたレー
    ザ光の光路中に所定角度で固定配置された所定の位相差
    を与える反射型光波位相差板とからなり、レーザ発振器
    は、レーザ媒質と、共振器と、共振器中の光路の何れか
    の位置に配置され、光軸の周りで回転調節できるように
    回転調節手段に取り付けられた偏光手段とからなること
    を特徴とするレーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記レーザ媒質又は共振器の少なくとも
    一方が前記偏光手段を兼ねていることを特徴とする請求
    項4記載のレーザ装置。
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