JP2768317B2 - 表面処理装置 - Google Patents

表面処理装置

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JP2768317B2
JP2768317B2 JP7163905A JP16390595A JP2768317B2 JP 2768317 B2 JP2768317 B2 JP 2768317B2 JP 7163905 A JP7163905 A JP 7163905A JP 16390595 A JP16390595 A JP 16390595A JP 2768317 B2 JP2768317 B2 JP 2768317B2
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英治 井川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子デバイス等の製造
プロセスに用いられる被表面処理試料である半導体基板
を処理する表面処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、微細加工に必須なドライエッチン
グ方法では、ドライエッチング後にイオンの物理的損傷
やガスに含まれる成分の基板への混入などによるドライ
エッチング損傷層が残る。しかし、この損傷層は、素子
特性劣化の原因となるためドライエッチング後に除去す
ることが必要となる。そこで、従来は、半導体基板表面
やガラス基板表面の有機物や金属不純物を除去するいわ
ゆるドライ洗浄方法で、表面層に存在するこれら不純物
原子を除去していた。
【0003】上述の表面処理をドライエッチング技術を
用いて処理する方法として特開平4一186619号公
報に開示されている。この方法は、上部電極と遮蔽板と
の間で放電させ、遮蔽板に設けたスリットから下部電極
へプラズマを照射し、下部電極上の被表面処理試料を表
面処理する方法である。さらに、表面処理の均一性を向
上するために下部電極上の被表面処理試料を平行移動し
ている。
【0004】しかしながら、この方法では、被表面処理
試料とプラズマ照射口とが相対的に移動させ見かけ上の
エッチング速度即ち表面処理速度の均一性が得られるも
のの、大量の荷電粒子がスリットを介して局部的に試料
に照射されるので、表面が酸化膜の場合は、電気的な特
性劣化など、いわゆるチャージアップ損傷が発生してし
まう。また、エネルギーをもつイオンが直接入射するた
め、試料の結晶性を破壊するなどの弊害もある。
【0005】一方、荷電粒子によるチャージアップやイ
オンによる物理的損傷等を防止する表面処理方法とし
て、例えば、Horiike.et al:Japan
J−ournal Applied Physics
Supplement:1979年.Vol45.p
13およびH.Nishino.et al:ドライプ
ロセスシンポジウム予稿集(電気学会):1989年.
10月30日,p90〜93に開示されている。
【0006】この方法は、ダウンフロープラズマあるい
はリモートプラズマと呼ばれ、プラズマ発生源と被表面
処理試料とを分離し、距離を隔てて荷電粒子を含まない
中性活性粒子を表面に拡散させ表面処理する方法であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
被表面処理試料である半導体ウェーハはコストの低廉価
のため大口径化し、例えば、その口径が6イチから8イ
ンチへ、8インチから10インチと次第に大きくなって
いる。かかる大きな被表面処理試料をダウンフロープラ
ズマやリモートプラズマ方式の表面処理装置で処理する
ことは現状では技術的に困難である。
【0008】何となれば、この種のプラズマ処理装置
は、一様に中性活性粒子が放出され均一に処理できる面
積に限度(現状では最高で6インチ程度)がある。ま
た、たとえ放出開口面積を大きくしても、放出される中
性活性粒子の密度にむらが生じ被表面処理試料が均一に
処理できない。
【0009】従って、本発明の目的は、荷電粒子による
電気的損傷やエネルギー粒子による物理的損傷を与える
ことなく大きい面積をもつ被表面処理試料の表面を均一
に処理できる表面処理装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、解離種
発生源ガスを導入しながら圧力を一定に減圧維持しガス
解離手段により前記解離種発生源ガスを解離し解離種を
発生させる解離種発生室と、この解離種発生室の空間部
の一側面より低く横長の開口部を有するとともに該開口
部から外方向に伸び前記解離種の荷電粒子のエネルギー
が消滅する程度の経路長さの小室を形成しかつ該小室の
該開口部と反対側に配置されるスリット状開口部を有す
る抽出室と、この抽出室より低い圧力に減圧されその差
圧で前記スリット状開口部から前記解離種の中性活性粒
子を放出させるとともに被表面処理試料を収納する第1
の試料室と、前記スリット状開口部の長手方向と直交す
る方向に前記被表面処理試料と前記抽出室とを相対的に
移動させる第1の移動機構とを備える表面処理装置であ
る。
【0011】また、第1の前記ガス解離手段は、マイク
ロ波を発生するマイクロ波発生器と、前記解離種発生室
の上面に配置され前記マイクロ波を導波管を介してに導
入する誘電体板とを備え、この誘電体板の表面から放出
される前記マイクロ波を石英板を透過させ前記解離種発
生室内に導入し放電させることである。
【0012】第2の前記ガス解離手段は、前記解離種発
生室内に所定の間隔で相対して配設される一対の電極を
備え、これら電極間に直流または高周波電力を印加し前
記解離種発生室内を放電させるかあるいはさらに前記電
極間の電界にほぼ直交する磁界を印加しより放電を促進
させることである。
【0013】第3のガス解離手段は、前記解離種発生室
内に所定の間隔で相対して配設される一対の電極を備
え、これら電極間に直流または高周波電力を印加し前記
解離種発生室内を放電させるかもしくは前記電極間の電
界にほぼ直交する磁界を印加しマグネトロン放電させる
ことである。
【0014】第4の前記ガス解離手段は、前記解離種発
生室の外壁に配設されるコイルを備え、高周波電力を前
記コイルに供給し前記解離種発生室内に高周波誘導放電
を引起すことである。
【0015】第5の前記ガス解離手段は、前記解離種発
生源ガスに紫外線を照射することである。
【0016】さらに、本発明の他の特徴は、異なる解離
種発生源ガスのそれぞれを導入しながら圧力を一定に減
圧維持しそれぞれのガス解離手段により前記解離種源ガ
スのそれぞれを解離し異なる解離種を発生させる第1お
よび第2の解離種発生室と、これら第1および第2の解
離種発生室のそれぞれの空間部の一側面より低く横長の
開口部をそれぞれに有するとともにそれぞれの該開口部
から外方向に伸びそれぞれの前記解離種の荷電粒子のエ
ネルギーが消滅する程度の経路長さのそれぞれの小室を
形成しかつそれぞれの前記小室の該開口部と反対側に配
置されるスリット状開口部をそれぞれもつ第1および第
2の抽出室と、これら第1および第2の抽出室が間隔を
置いて載置されかつ前記第1および第2の抽出室より低
い圧力に減圧されその圧でそれぞれの前記スリット状
開口部から前記解離種の中性活性粒子を内部に導入させ
るとともに被表面処理試料を載置し所定距離の範囲で移
動する第2の移動機構を収納し得る大きさを有する第2
の試料室とを備える表面処理装置である。また、二つの
前記抽出室に対応する前記第2の試料室を仕切るゲート
バルブを備えることが望ましい。
【0017】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。
【0018】図1は本発明の第1の実施例を示す表面処
理装置の部分破断斜視図である。この表面処理装置は、
図1に示すように、解離種発生源ガスを導入口8から導
入しながら圧力を一定に減圧維持しマイクロ波放電によ
り解離種発生源ガスを解離しプラズマを発生させる解離
種発生室2と、この解離種発生室2が形成する空間部の
一側面より低く横長の開口部7を有するとともにこの開
口部7から一方向に伸び解離種の荷電粒子がエネルギー
が消滅する程度の経路長をもつ小室を形成しかつ開口部
7と反対側にスリット状開口部4を有する抽出室3と、
この抽出室3より低い圧力に減圧されその差圧でスリッ
ト状開口部4から解離種の中性活性粒子を放出させると
ともに被表面処理試料であるウェーハ25を収納する試
料室5と、スリット状開口部4の長手方向と直交する矢
印方向にウェーハ25を移動させる移動テーブル6とを
備えている。
【0019】また、プラズマを励起するマイクロ波放電
は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生器11と、解
離種発生室2の上面に配置されマイクロ波を導波管12
を介してに導入するテフロン板である誘電体板13とを
備え、この誘電体板13の表面から放出されるマイクロ
波を石英板14を透過させ解離種発生室2内に導入して
行なわれる。
【0020】ここで、開口部7の高さを低くしスリット
状開口部を引離した理由は、放電がスリット状開口部4
の領域まで達し得ないようにし有効な中性活性粒子のみ
導入するためである。すなわち、10-3Torrから1
-2台に減圧された解離種発生室2内のプラズマの発生
による荷電粒子と中性活性粒子は、スリット状開口部4
のあるところまで到達するには高さの低い抽出室3内を
通らなけばならなうい。しかし、この室の圧力が10-3
Torrから10-2台なのでこれら粒子の平均自由工程
が数cm以下であるので、荷電粒子は高さの低い壁に衝
突したりエネルギーを失ない中性化し放電が持続できな
くなる。一方、中性活性粒子は、衝突で活性力を失ない
ながらも表面処理に必要な活性度を残しより減圧(10
-4Torr程度)された試料室5との圧力差でスリット
状開口部4から放出される。
【0021】この実施例では試みとしてプロトタイプの
表面処理装置を試作してみた。ここで、まず、解離種発
生室2の大きさを奥行き30cm、横幅30cm、高さ
30cm、開口部7の高さ3cmとし、スリット状開口
部4に放電が及ばないようにまた中性活性粒子が表面処
理に必要な活性度を残すように開口部7からスリット状
開口部4まで経路長を5cmにして横方向に延長し抽出
室3を形成した。ちなみに、このスリット状開口部4の
下にディテクタを配置し、解離種発生室2でマイクロ波
放電でプラズマを発生してみた結果、スリット状開口部
4からの荷電粒子は検出されなかった。
【0022】なお、この抽出室3のスリット状開口部4
の大きさについては、長さにおいては、被表面処理試料
の大きさ、すなわち、ウェーハ25の直径で決められ
る。例えば、6インチのウェーハ25であれば、必然的
に200mmとなる。一方、幅についてであるが、放出
される中性活性粒子密度が一定であるとし処理速度をど
の程度にするかて決められる。すなわち、速度を早くす
るならば幅を広くするし、遅ければ狭くすることであ
る。ここでは、上述したプロトタイプの解離種発生室2
の容積から得られる中性活性粒子量と、解離種発生室2
を10-3Torrから10-2に維持しかつ試料室4を1
-4Torから10-3Torrrに維持するためのそれ
ぞれの真空排気系の排気能力を考慮し、この幅は4mm
とした。
【0023】なお、当然ながら、スリット状開口部4は
長方形に限るものではない。もし、ウェーハ25の端の
部分が中性活性粒子密度が薄くなるガス解離源ならば、
スリット状開口部3の形状は両端に向って中心部から幅
を広くなるような形状にする必要がある。また、実用上
この開口幅を調節する絞り機構を設けることが望まし
い。
【0024】ウェーハ25と解離種発生室2を含む抽出
室3との相対的移動機構は、抽出室3を試料室4上にス
ライドシールなど介して気密に塞ぎながら移動する機構
は、試料室4を短くし容積を小さく装置の利点があるも
のの、減圧された試料室4上を抽出室3を移動させるに
は、大気圧による圧力が抽出室3に荷重としてかかるた
め大きな駆動力を必要とする。むしろ、このような機構
は、複数のウェーハを試料室内に並べた場合に適用する
ことが望ましい。
【0025】そこで、この実施例では、試料室5がウェ
ーハ25が移動するだけ長くなるものの、図1に示すよ
うに、試料室4外に配設された直流サーボモータでボー
ルスクリューを回転させ移動テーブル5の下部のボール
ナットを移動させることによって、ウェーハ25を乗せ
た移動テーブル5を矢印に示すように移動できるように
した。移動速度は、20mm/min〜500mm/m
inまで広範囲に設定できるようにした。
【0026】この移動テーブル6の移動速度の設定は表
面処理速度を決める。すなわち、スリット状開口部4か
ら放出される中性活性粒子の量が少ない場合は、移動テ
ーブル6の速度を遅くし、多い場合は移動速度を早くす
る。中性活性粒子の放出量は、概算であるが、試料室4
の圧力が10-4Torr台で、1016個/秒・cm2
である。そのうち被表面処理試料であるウエーハ25の
表面と反応する有効な中性活性粒子量を見積ることは困
難であるが、いま仮に半分が有効と見積ると、典型的な
塩素ガスを用いたドライエッチングでは、シリコンのウ
ェーハ25でエッチング速度は数百オングストローム/
分〜数十オングストローム/分程度が期待である。従っ
て、これを目安に表面処理する材料や除去する不純物、
表面を削る深さを考慮し移動テーブル6の移動速度を決
めれば良い。
【0027】ちなみに、このプロットタイプ処理装置で
6インチのウェーハ25のドライエッチングを試みたと
ころ、ウェーハ25を毎秒2mmの速度のときエッチン
グ深さは予想とあまり変らなく60オングストロームで
あった。また、エッチングの均一性を調べたところ、±
2パーセント以内である良好な結果が得られた。なお、
このときの他の条件は、解離種発生室2の圧力を50m
Torr、試料室5の圧力を10-4Torr台、マイク
ロ波の電力1200W、塩素ガスの供給量は100sc
cmであった。
【0028】図2は本発明の第2の実施例を示す表面処
理装置の部分破断斜視図である。この表面処理装置は、
ガス分子を解離するのにマグネトロン放電プラズマによ
って行なっている。すなわち、図2に示すように、解離
種発生室2a内に配置される円柱状の電極14と、解離
種発生室2aである電極と電極14との間に高周波電力
を印加する高周波電源15とを設けたことである。それ
以外は前述の実施例と同じである。
【0029】また、解離種発生室2aと電極14との間
に印加する電圧は、直流でも良いが、解離種発生室2a
の内壁がスパッタされ表面が損傷し放電効率も低いの
で、ここでは高周波電力を印加した。さらに、よりマグ
ネトロン放電をより促進するために、高周波電界と垂直
方向に磁場を印加する磁石16を解離種発生室2aの外
壁に取付けた。
【0030】この実施例によるプロトタイプの処理装置
は、解離種発生室2aを直径300mm程度、長さ30
0mmの容器にし、容器の中心に同心に位置するように
直径50mmの円筒状の電極14を配置した。また、抽
出室3は、前述の実施例と同様に解離種発生室2aの低
壁をそのまま一方向に5cmm伸ばし高さ3cmの小室
とし、その底部に幅4mm、長さ200mmのスリット
状開口部4を設けた。さらに、電極の径によっても異な
るが、磁場を与える磁石16は100ガウス程度の永久
磁石とした。
【0031】ちなみに、このプロトタイプ表面処理装置
を使用して6インチのシリコン基板であるウェーハ25
をエッチングさてみたところ、毎秒1mmの速度でウェ
ーハ25を移動テーブル6により移動したところウェー
ハ25の表面を約30オングストローム程度削ることが
できた。なお、このときの条件は、高周波電力600
W、塩素ガス流量120SCCM、解離種発生室2aの
圧力40mTorr、そして、試料室5の圧力10-4
orr台であった。
【0032】図3は本発明の第3の実施例を示す表面処
理装置の部分破断斜視図である。この処理装置は、解離
種発生源にコイルによる誘電放電プラズマを用いた場合
である。すなわち、図3に示すように、解離種発生室2
bの上に気密に取付けられた石英板14aに配置された
コイル17と、このコイル17の両端に接続され高周波
電流を供給する高周波電源15aとを設けたことであ
る。それ以外は前述の実施例と同じである。
【0033】また、コイル17は渦巻き状に設置した
が、他の一般的な誘導放電で用いられているコイル形状
が適用できることは言うまでもない。例えば、図に示す
石英板14aを平板でなくドーム状にし、それに沿って
巻いたり、円柱状の石英チューブを設置し、それに数回
コイルを巻いたりすることも可能である。
【0034】この表面処理装置のガラス基板上の有機物
除去効果を調べるために、ガラス基板にレジストが塗布
された試料で実験を行なってみた。その結果、毎秒1m
mの速度でガラス基板を移動したとき、エッチング速度
が約20オングストロームであった。なお、このときの
条件は、高周波電力400W、酸素流量120SCC
M、放電圧力50mTorr、試料室5の圧力10-4
orr台、スリット状開口部4の寸法4mm×200m
mであった。
【0035】図4は本発明の第4の実施例を示す表面処
理装置の部分破断斜視図である。この表面処理装置は、
解離種発生源に光励起を用いている。すなわち、図4に
示すように、石英板14aを介して紫外線を解離種発生
室2c内に紫外線を導入する紫外線発生装置18を設け
たことである。それ以外は、前述の実施例と同じであ
る。
【0036】また、この紫外線発生装置18は、例え
ば、水銀ランプと紫外線を反射する凹面鏡で構成されて
いる。紫外線を透過する石英板14aは、透過率と気密
性を維持する観点から使用されている。その他、例え
ば、サファイア板や長波長の光をカットし紫外光のみ透
過させるフィルタガラスでも適用できる。いずれにして
も紫外線を効率良く透過できる材料が好ましい。さら
に、紫外線を放射する水銀ランプは、200nm近傍か
ら塩素ガスが吸収し易い350nmを中心に紫外線を発
生するランプが望ましい。200nm以下の波長の光を
発生するランプを用いると、解離できるガスの種類も増
すが、この種のランプでは、この短波長での解離に十分
な光強度が得難い。
【0037】一方、この光励起によるガス分子の解離に
は、荷電粒子の発生がないという利点がある。従って、
直接、中性活性粒子の放出口を解離種発生室2cの真下
に設ければ効率的であるが、200nm以下の紫外光の
強度が強くなると、真下に位置するシリコン基板を損傷
する恐れがあるので、抽出室3aを前述の実施例のもの
より短くしスリット状開口部4を解離種発生室2cより
僅かに外れた位置に設けた。
【0038】このような表面処理装置でシリコン基板を
エッチングしてみた。その結果、ウェーハ25を移動テ
ーブル6で毎秒0.5mmで移動させたとき、20オン
グストローム程度削ることができた。なお、このときの
他の条件は、塩素ガスの流量を180SCCM、紫外線
の強度は350nm波長近傍で110mw/cm2 、放
電圧力150mTorr、中性活性粒子放出口であるス
リット状開口部4の大きさは4mm×200mmであっ
た。
【0039】図5は本発明の第5の実施例を示す表面処
理装置の部分破断斜視図である。この表面処理装置は、
図5に示すように、ウェーハ25を移動させる移動ボー
ド19を収納し減圧される試料室4aと、異なるガスを
導入口8a,8bから導入する解離種発生室2d,2e
に付設する抽出室3a,3bのスリット状開口部4a,
4bを試料室5a内に露呈させ一方向に試料室5a上に
並べ配置さる二つの解離種発生源1a,1bと、これら
解離種発生源1a,1bに上述したガス解離手段(図示
せず)のいずれかを備えている。
【0040】また、ウェーハ25を乗せ移動する移動ボ
ート19は、図示していないねじ送り機構により試料室
5a内の底部に配置された複数のローラ21上を走行す
る。さらに、抽出室3aおよび3bに対応する試料室5
aの空間領域を仕切るようにゲートバルブ20を設ける
ことが望ましい。このゲートバルブ20を設けること
は、それぞれの解離種発生室2d,2eに異なったガス
を連続して導入する場合、導入されるガスによっては、
ガスの混合による処理の不安定を起す恐れを解消したも
のである。
【0041】この表面処理装置は、異種のプロセスを連
続して行なうことができる。例えば、解離種発生源1a
からの放出される中性活性粒子でウェーハ25の有機物
の除去を行なった後、移動ボート19によりウェーハ2
5を移動して解離種発生源1bの中性活性粒子で有機物
が除去されて露呈する自然酸化膜を除去するといった工
程を行なうことができる。
【0042】また、導入口8a,8bから導入されるガ
スの解離手段は、前述の第1、第2、第3および第4の
実施例で述べた手段のいずれも適用できるが、後述する
プロセス礼を考慮し、解離種発生源1aには第1の実施
例に述べたマイクロ波放電手段を、解離種発生源1bに
は第3の実施例で述べた誘電放電による手段を具備して
いるものとする。
【0043】次に、この表面処理装置の動作を具体的な
プロセスを挙げて説明する。まず、ゲートバルブ20を
閉じてから、220SCCMの酸素ガスを導入口8aか
ら50SCCMのNF3 を導入口8bから導入しながら
解離種発生室2dおよび抽出室3aとこの抽出室3aに
対応する試料室5aをそれぞれの真空排気系で排気し、
解離種発生室2dの圧力を200mTorrにし試料室
5aを10-3乃至10-4に維持する。
【0044】次に、この状態を維持しながら、マイクロ
波電力を1000W,高周波電力600Wを印加し解離
種発生室2dにプラズマを発生させる。これと同時に移
動ボート19を移動しスリット状開口部4aにウェーハ
25を晒し、スリット状開口部4aより放出される中性
の酸素原子でウェーハ25の有機物が除去される。
【0045】そして、移動ボート19がゲートバルブ2
0に近づくと、マイクロ波の供給と酸素ガスの供給が停
止し、代りに、50SCCMのNF3 を導入口8bから
導入しながら解離種発生室2eおよび抽出室3bとこの
抽出室3bに対応する試料室5aをそれぞれの真空排気
系で排気し、解離種発生室2eの圧力を100mTor
rにし高周波電力600Wを印加させプラズマを発生さ
せる。これと同時にゲートバルブ20が開き、移動ボー
ト19がゲートバルブ20を通過し、ウェーハ25はス
リット状開口部4bに晒され放出される中性活性粒子で
露呈した自然酸化膜が除去される。なお、ウェーハ25
の移動速度は毎秒1mmであった。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、導入され
るガスを解離して解離種を発生する解離種発生室から中
性活性粒子のみを抽出する開口部が低く該開口部から延
在する小さい中性活性粒子の抽出室と、荷電粒子がエネ
ルギが消滅する程度の前記開口部からの長さ位置に該中
性活性粒子が放出される被表面処理試料の幅に対応する
長さのスリット状開口を前記抽出室にもたせ、さらに、
このスリット状開口と該被表面処理試料とを長手方向に
直交する方向に相対的に移動させる手段を設けることに
よって、大きな表面積をもつ被表面処理試料でも荷電粒
子やエネルギーをもつ粒子による損傷を受けること無く
均一に処理できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す表面処理装置の部
分破断斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す表面処理装置の部
分破断斜視図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す表面処理装置の部
分破断斜視図である。
【図4】本発明の第4の実施例を示す表面処理装置の部
分破断斜視図である。
【図5】本発明の第5の実施例を示す表面処理装置の部
分破断斜視図である。
【符号の説明】
1a,1b 解離種発生源 2,2a,2b,2c,2d,2e 解離種発生室 3,3a,3b 抽出室 4,4a,4b スリット状開口部 5,5a 試料室 6 移動テーブル 7 開口部 8,8a,8b 導入口 11 マイクロ波発生器 12 導波管 13 誘電体板 14,14a 石英板 15,15a 高周波電源 16 磁石 17 コイル 18 紫外線発生装置 19 移動ボート 20 ゲートバルブ 21 ローラ 25 ウェーハ

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 解離種発生源ガスを導入しながら圧力を
    一定に減圧維持しガス解離手段により前記解離種発生源
    ガスを解離し解離種を発生させる解離種発生室と、この
    解離種発生室の空間部の一側面より低く横長の開口部を
    有するとともに該開口部から外方向に伸び前記解離種の
    荷電粒子のエネルギーが消滅する程度の経路長さの小室
    を形成しかつ該小室の該開口部と反対側に配置されるス
    リット状開口部を有する抽出室と、この抽出室より低い
    圧力に減圧されその差圧で前記スリット状開口部から前
    記解離種の中性活性粒子を放出させるとともに被表面処
    理試料を収納する第1の試料室と、前記スリット状開口
    部の長手方向と直交する方向に前記被表面処理試料と前
    記抽出室とを相対的に移動させる第1の移動機構とを備
    えることを特徴とする表面処理装置。
  2. 【請求項2】 前記ガス解離手段は、マイクロ波を発生
    するマイクロ波発生器と、前記解離種発生室の上面に配
    置され前記マイクロ波を導波管を介してに導入する誘電
    体板とを備え、この誘電体板の表面から放出される前記
    マイクロ波を石英板を透過させ前記解離種発生室内に導
    入し放電させることを特徴とする請求項1記載の表面処
    理装置。
  3. 【請求項3】 前記ガス解離手段は、前記解離種発生室
    内に所定の間隔で相対して配設される一対の電極を備
    え、これら電極間に直流または高周波電力を印加し前記
    解離種発生室内を放電させるかあるいはさらに前記電極
    間の電界にほぼ直交する磁界を印加しより放電を促進さ
    せることを特徴とする請求項1記載の表面処理装置。
  4. 【請求項4】 前記ガス解離手段は、前記解離種発生室
    の外壁に配設されるコイルを備え、高周波電力を前記コ
    イルに供給し前記解離種発生室内に高周波誘導放電を引
    起すことを特徴とする請求項1記載の表面処理装置。
  5. 【請求項5】 前記ガス解離手段は、前記解離種発生源
    ガスに紫外線を照射することを特徴とする請求項1記載
    の表面処理装置。
  6. 【請求項6】 異なる解離種発生源ガスのそれぞれを導
    入しながら圧力を一定に減圧維持しそれぞれのガス解離
    手段により前記解離種源ガスのそれぞれを解離し異なる
    解離種を発生させる第1および第2の解離種発生室と、
    これら第1および第2の解離種発生室のそれぞれの空間
    部の一側面より低く横長の開口部をそれぞれに有すると
    ともにそれぞれの該開口部から外方向に伸びそれぞれの
    前記解離種の荷電粒子のエネルギーが消滅する程度の経
    路長さのそれぞれの小室を形成しかつそれぞれの前記小
    室の該開口部と反対側に配置されるスリット状開口部を
    それぞれもつ第1および第2の抽出室と、これら第1お
    よび第2の抽出室が間隔を置いて載置されかつ前記第1
    および第2の抽出室より低い圧力に減圧されその圧で
    それぞれの前記スリット状開口部から前記解離種の中性
    活性粒子を内部に導入させるとともに被表面処理試料を
    載置し所定距離の範囲で移動する第2の移動機構を収納
    し得る大きさを有する第2の試料室とを備えることを特
    徴とする表面処理装置。
  7. 【請求項7】二つの前記抽出室に対応する前記第2の試
    料室を仕切るゲートバルブを備えることを特徴とする請
    求項6記載の表面処理装置。
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