JP2768005B2 - 電子写真用キャリヤ - Google Patents
電子写真用キャリヤInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に
おいて、静電潜像の現像に使用する、磁性粒子表面に樹
脂被覆層を形成した磁気ブラシ現像用のキャリヤに関す
る。
おいて、静電潜像の現像に使用する、磁性粒子表面に樹
脂被覆層を形成した磁気ブラシ現像用のキャリヤに関す
る。
（従来の技術） 電子写真法においては、セレンを初めとする光導電性
物質を感光体として用い、種々の方法により電気的潜像
を形成し、この潜像に磁気ブラシ現像法などによりトナ
ーを付着させ、顕像化する方式が一般に採用されてい
る。この現像工程において、トナーに適当量の正又は負
の電気量を付与するためにキャリヤと呼ばれる担体粒子
が使用される。
物質を感光体として用い、種々の方法により電気的潜像
を形成し、この潜像に磁気ブラシ現像法などによりトナ
ーを付着させ、顕像化する方式が一般に採用されてい
る。この現像工程において、トナーに適当量の正又は負
の電気量を付与するためにキャリヤと呼ばれる担体粒子
が使用される。
一般に、キャリヤはコートキャリヤと非コートキャリ
ヤとに大別されるが、現像剤寿命等を考慮するときに
は、コートキャリヤが種々の点で優れている。
ヤとに大別されるが、現像剤寿命等を考慮するときに
は、コートキャリヤが種々の点で優れている。
キャリヤの被覆材料の中でフッ素樹脂は、低表面エネ
ルギーを有するところから、トナーフィルミングを抑制
することができ、耐表面汚染性に選れているが、磁性粒
子に対する密着性が十分でなく、連続的な完全被覆層を
形成することが難しく、また、被覆層が破壊され易い。
その結果、長期ランニングにおいて帯電量に変動を来
し、温湿度の影響を受け易く、カブリの早期発生や機内
汚染を生ずるという問題があった。
ルギーを有するところから、トナーフィルミングを抑制
することができ、耐表面汚染性に選れているが、磁性粒
子に対する密着性が十分でなく、連続的な完全被覆層を
形成することが難しく、また、被覆層が破壊され易い。
その結果、長期ランニングにおいて帯電量に変動を来
し、温湿度の影響を受け易く、カブリの早期発生や機内
汚染を生ずるという問題があった。
（発明が解決しようとする課題） 本発明は、フッ素樹脂被覆層を有するキャリヤの上記
の問題点を解消し、磁性粒子に対して強固なフッ素樹脂
被覆層を形成することにより、帯電上昇速度が高く、経
時安定性、環境安定性に優れた電子写真用キャリヤ及び
その製造方法を提供しようとするものである。
の問題点を解消し、磁性粒子に対して強固なフッ素樹脂
被覆層を形成することにより、帯電上昇速度が高く、経
時安定性、環境安定性に優れた電子写真用キャリヤ及び
その製造方法を提供しようとするものである。
（発明を解決するための手段） 本発明は、（１）磁性粒子表面をフッ素樹脂で被覆し
た、トナーを正帯電されるための電子写真用キャリヤに
おいて、臨界表面張力が比較的小さな第１のフッ素樹脂
で網状に被覆し、更に臨界表面張力が比較的大きな第２
のフッ素樹脂で被覆することにより、磁性粒子表面を２
種のフッ素樹脂で完全被覆したことを特徴とする電子写
真用キャリヤ、及び、（２）溶液濃度５重量％以下の第
１のフッ素樹脂含有溶液で磁性粒子表面を網状に被覆
し、溶媒を除いた後、第１のフッ素樹脂を溶解しない溶
媒に第２のフッ素樹脂を溶解し、この溶液で上記処理ず
み磁性粒子を完全に被覆することを特徴とする上記
（１）の電子写真用キャリヤの製造法である。
た、トナーを正帯電されるための電子写真用キャリヤに
おいて、臨界表面張力が比較的小さな第１のフッ素樹脂
で網状に被覆し、更に臨界表面張力が比較的大きな第２
のフッ素樹脂で被覆することにより、磁性粒子表面を２
種のフッ素樹脂で完全被覆したことを特徴とする電子写
真用キャリヤ、及び、（２）溶液濃度５重量％以下の第
１のフッ素樹脂含有溶液で磁性粒子表面を網状に被覆
し、溶媒を除いた後、第１のフッ素樹脂を溶解しない溶
媒に第２のフッ素樹脂を溶解し、この溶液で上記処理ず
み磁性粒子を完全に被覆することを特徴とする上記
（１）の電子写真用キャリヤの製造法である。
（作用） 本発明は、磁性粒子表面に臨界表面張力の小さなフッ
素樹脂で網状被覆を施し、さらに、未被覆部分に臨界表
面張力の大きなフッ素樹脂で磁性粒子の露出部分を完全
に被覆することにより、連続したフッ素樹脂被覆層を形
成するものである。
素樹脂で網状被覆を施し、さらに、未被覆部分に臨界表
面張力の大きなフッ素樹脂で磁性粒子の露出部分を完全
に被覆することにより、連続したフッ素樹脂被覆層を形
成するものである。
特に、両フッ素樹脂の間に5dyn/cm以上の臨界表面張
力の差を設けることにより、連続した完全被覆層の形成
を確実なものとすることができる。
力の差を設けることにより、連続した完全被覆層の形成
を確実なものとすることができる。
また、２種のフッ素樹脂のうち少なくとも一方にモノ
マーとしてフッ化ビニリデンを有する共重合体を用いる
ことにより、トナーに対して十分な正帯電を付与するこ
とが可能となった。
マーとしてフッ化ビニリデンを有する共重合体を用いる
ことにより、トナーに対して十分な正帯電を付与するこ
とが可能となった。
この他に帯電量の調整や温湿度の影響抑制等の目的に
合わせて、２種のフッ素樹脂を適宜選択することができ
る。
合わせて、２種のフッ素樹脂を適宜選択することができ
る。
本発明のキャリヤ被覆層形成用の第１のフッ素樹脂と
して、フッ化ビニリデン、トリフロロエチレン、テトラ
フロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン等の単独重合
体或はこれらのモノマーを含有する共重合体を用いるこ
とができる。特に、フッ化ビニリデンモノマーを含有す
る代表的な共重合体としては、フッ化ビニリデン−トリ
フロロエチレン、フッ化ビニリデン−テトラフロロエチ
レン、フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレンを用
いることができる。トナーに十分な正帯電性を付与し、
かつ、長期にわたり良好な帯電性を安定して確保するた
めには、フッ化ビニリデンモノマーを重量比で70〜90％
含有することが好ましい。
して、フッ化ビニリデン、トリフロロエチレン、テトラ
フロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン等の単独重合
体或はこれらのモノマーを含有する共重合体を用いるこ
とができる。特に、フッ化ビニリデンモノマーを含有す
る代表的な共重合体としては、フッ化ビニリデン−トリ
フロロエチレン、フッ化ビニリデン−テトラフロロエチ
レン、フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレンを用
いることができる。トナーに十分な正帯電性を付与し、
かつ、長期にわたり良好な帯電性を安定して確保するた
めには、フッ化ビニリデンモノマーを重量比で70〜90％
含有することが好ましい。
また、官能基を有する第２のフッ素樹脂としては、テ
トラフロロエチレン−ビニルエーテル共重合体、モノク
ロロトリフロロエチレン−塩化ビニル共重合体、エチレ
ン−テトラフロロエチレン共重合体、含フッ素エポキシ
樹脂、含フッ素ポリイミド樹脂等を用いることが好まし
い。
トラフロロエチレン−ビニルエーテル共重合体、モノク
ロロトリフロロエチレン−塩化ビニル共重合体、エチレ
ン−テトラフロロエチレン共重合体、含フッ素エポキシ
樹脂、含フッ素ポリイミド樹脂等を用いることが好まし
い。
本発明のキャリヤにおいて、キャリヤコアを構成する
物質として、鉄粉末、酸化鉄粉末、カルボニル鉄粉末、
マグネタイト、ニッケル及び各種フェライト粉末などの
磁性材料を例示することができ、キャリヤコアの平均粒
径は10〜500μｍのものを用いることが好ましい。
物質として、鉄粉末、酸化鉄粉末、カルボニル鉄粉末、
マグネタイト、ニッケル及び各種フェライト粉末などの
磁性材料を例示することができ、キャリヤコアの平均粒
径は10〜500μｍのものを用いることが好ましい。
次に、本発明のキャリヤの製造方法について説明す
る。磁性粒子にフッ素樹脂を塗布する方法は、フッ素樹
脂を溶解した被覆用溶液中に浸漬する方法と、流動化す
る磁性粒子に被覆用溶液を噴霧する方法とがある。
る。磁性粒子にフッ素樹脂を塗布する方法は、フッ素樹
脂を溶解した被覆用溶液中に浸漬する方法と、流動化す
る磁性粒子に被覆用溶液を噴霧する方法とがある。
第１のフッ素樹脂は、相対的に低い臨界表面張力を有
するものを用い、溶液濃度を５重量％以下に調整する。
この溶液を磁性粒子表面に塗布し、溶媒を除いた後、乾
燥することにより、網状の被覆を形成する。
するものを用い、溶液濃度を５重量％以下に調整する。
この溶液を磁性粒子表面に塗布し、溶媒を除いた後、乾
燥することにより、網状の被覆を形成する。
次いで、第２のフッ素樹脂として、相対的に高い臨界
表面張力を用い、第１のフッ素樹脂を溶解しない溶媒に
第２のフッ素樹脂を溶解し、上記の網状被覆の上に、こ
の溶液を塗布し、脱溶媒、乾燥を行って、磁性粒子表面
を完全に覆う被覆層を形成することができる。
表面張力を用い、第１のフッ素樹脂を溶解しない溶媒に
第２のフッ素樹脂を溶解し、上記の網状被覆の上に、こ
の溶液を塗布し、脱溶媒、乾燥を行って、磁性粒子表面
を完全に覆う被覆層を形成することができる。
２種のフッ素樹脂の総被覆量は、磁性粒子に対して0.
5〜3.0重量％とすることが好ましい。
5〜3.0重量％とすることが好ましい。
このように調製する本発明のキャリヤは、トナーと混
合して静電潜像現像用の現像剤として使用される。トナ
ーは、結着樹脂中に着色剤を分散させた正帯電性を有す
るものであれば、何でも使用することができる。
合して静電潜像現像用の現像剤として使用される。トナ
ーは、結着樹脂中に着色剤を分散させた正帯電性を有す
るものであれば、何でも使用することができる。
（実施例） 以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明す
る。しかし、本発明はこれらの実施例になんら制限を受
けるものではない。
る。しかし、本発明はこれらの実施例になんら制限を受
けるものではない。
実施例１ フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体
（80/20,臨界表面張力γｃ＝23.1dyn/cm）４重量部をジ
メチルホルムアミド100重量部に溶解して被覆用溶液を
調製し、平均粒径100μｍの球状酸化鉄粉500重量部を流
動床コーティング装置内で流動化させ、上記の被覆用溶
液を噴霧し、脱溶媒してキャリヤ中間体を得た。この中
間体を走査電子顕微鏡で観察したところ、酸化鉄粉表面
に網状の被覆が形成されていることを確認した。
（80/20,臨界表面張力γｃ＝23.1dyn/cm）４重量部をジ
メチルホルムアミド100重量部に溶解して被覆用溶液を
調製し、平均粒径100μｍの球状酸化鉄粉500重量部を流
動床コーティング装置内で流動化させ、上記の被覆用溶
液を噴霧し、脱溶媒してキャリヤ中間体を得た。この中
間体を走査電子顕微鏡で観察したところ、酸化鉄粉表面
に網状の被覆が形成されていることを確認した。
次いで、テトラフロロエチレン−ビニルエーテル共重
合体（50/50,γｃ＝29.5dyn/cm）５重量部をキシレン50
重量部に溶解し、上記の流動床コーティング装置内でキ
ャリヤ中間体表面に、この被覆用溶液を噴霧し、脱溶
剤、乾燥してキャリヤを得た。このキャリヤを走査電子
顕微鏡で観察したところ、酸化鉄粉表面をフッ素樹脂が
完全に被覆していることが確認された。
合体（50/50,γｃ＝29.5dyn/cm）５重量部をキシレン50
重量部に溶解し、上記の流動床コーティング装置内でキ
ャリヤ中間体表面に、この被覆用溶液を噴霧し、脱溶
剤、乾燥してキャリヤを得た。このキャリヤを走査電子
顕微鏡で観察したところ、酸化鉄粉表面をフッ素樹脂が
完全に被覆していることが確認された。
実施例２ フッ化ビニリデン−トリフロロエチレン共重合体（85
/15,臨界表面張力γｃ＝23.8dyn/cm）５重量部をジメチ
ルホルムアミド150重量部に溶解して被覆用溶液を調製
し、平均粒径80μｍの球状フェライト粉500重量部を流
動床コーティング装置内で流動化させ、上記の被覆用溶
液を噴霧し、脱溶媒し、乾燥してキャリヤ中間体を得
た。この中間体を走査電子顕微鏡で観察したところ、フ
ェライト粉表面に網状の被覆が形成されていることを確
認した。
/15,臨界表面張力γｃ＝23.8dyn/cm）５重量部をジメチ
ルホルムアミド150重量部に溶解して被覆用溶液を調製
し、平均粒径80μｍの球状フェライト粉500重量部を流
動床コーティング装置内で流動化させ、上記の被覆用溶
液を噴霧し、脱溶媒し、乾燥してキャリヤ中間体を得
た。この中間体を走査電子顕微鏡で観察したところ、フ
ェライト粉表面に網状の被覆が形成されていることを確
認した。
次いで、テトラフロロエチレン−ビニルエーテル共重
合体（50/50,γｃ＝29.5dyn/cm）５重量部をキシレン50
重量部に溶解し、上記の流動床コーティング装置内でキ
ャリヤ中間体表面に、この被覆用溶液を噴霧し、脱溶
剤、乾燥してキャリヤを得た。このキャリヤを走査電子
顕微鏡で観察したところ、フェライト粉表面をフッ素樹
脂が完全に被覆していることが確認された。
合体（50/50,γｃ＝29.5dyn/cm）５重量部をキシレン50
重量部に溶解し、上記の流動床コーティング装置内でキ
ャリヤ中間体表面に、この被覆用溶液を噴霧し、脱溶
剤、乾燥してキャリヤを得た。このキャリヤを走査電子
顕微鏡で観察したところ、フェライト粉表面をフッ素樹
脂が完全に被覆していることが確認された。
比較例１ フッ化ビニリデン−トリフロロエチレン共重合体（85
/15,臨界表面張力γｃ＝23.8dyn/cm）５重量部をシクロ
ヘキサノン50重量部に溶解して被覆用溶液を調製し、平
均粒径80μｍの球状フェライト粉500重量部を流動床コ
ーティング装置内で流動化させ、上記の被覆用溶液を噴
霧し、脱溶媒し、乾燥してキャリヤを得た。このキャリ
ヤを走査電子顕微鏡で観察したところ、フェライト粉表
面をほぼ全面に形成されていることが確認された。
/15,臨界表面張力γｃ＝23.8dyn/cm）５重量部をシクロ
ヘキサノン50重量部に溶解して被覆用溶液を調製し、平
均粒径80μｍの球状フェライト粉500重量部を流動床コ
ーティング装置内で流動化させ、上記の被覆用溶液を噴
霧し、脱溶媒し、乾燥してキャリヤを得た。このキャリ
ヤを走査電子顕微鏡で観察したところ、フェライト粉表
面をほぼ全面に形成されていることが確認された。
比較例２ テトラフロロエチレン−ビニルエーテル共重合体（50
/50,γｃ＝29.5dyn/cm）10重量部をキシレン50重量部に
溶解して被覆用溶液を調製し、平均粒径100μｍの球状
酸化鉄粉500重量部を流動床コーティング装置内で流動
化させ、上記の被覆用溶液を噴霧し、脱溶剤、乾燥して
キャリヤを得た。このキャリヤを走査電子顕微鏡で観察
したところ、鉄酸化粉表面をほぼ全面に被覆が形成され
ていることが確認された。
/50,γｃ＝29.5dyn/cm）10重量部をキシレン50重量部に
溶解して被覆用溶液を調製し、平均粒径100μｍの球状
酸化鉄粉500重量部を流動床コーティング装置内で流動
化させ、上記の被覆用溶液を噴霧し、脱溶剤、乾燥して
キャリヤを得た。このキャリヤを走査電子顕微鏡で観察
したところ、鉄酸化粉表面をほぼ全面に被覆が形成され
ていることが確認された。
比較例３ フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体
（80/20,臨界表面張力γｃ＝23.1dyn/cm）４重量部をジ
メチルホルムアミド100重量部に溶解して被覆用溶液を
調製し、平均粒径100μｍの球状酸化鉄粉500重量部を流
動床コーティング装置内で流動化させ、上記の被覆用溶
液を噴霧し、脱溶媒してキャリヤ中間体を得た。この中
間体を走査電子顕微鏡で観察したところ、酸化鉄粉表面
に網状の被覆が形成されていることを確認した。
（80/20,臨界表面張力γｃ＝23.1dyn/cm）４重量部をジ
メチルホルムアミド100重量部に溶解して被覆用溶液を
調製し、平均粒径100μｍの球状酸化鉄粉500重量部を流
動床コーティング装置内で流動化させ、上記の被覆用溶
液を噴霧し、脱溶媒してキャリヤ中間体を得た。この中
間体を走査電子顕微鏡で観察したところ、酸化鉄粉表面
に網状の被覆が形成されていることを確認した。
次いで、パーフロロヘキシルエチルメタアクリレート
（γ＝20dyn/cm）５重量部をトリフロロトリクロロエタ
ン50重量部に溶解し、上記の流動床コーティング装置内
でキャリヤ中間体表面に、この被覆用溶液を噴霧し、脱
溶剤、乾燥してキャリヤを得た。このキャリヤを走査電
子顕微鏡で観察したところ、未被覆部分すなわち酸化鉄
粉表面の部分的露出が確認された。
（γ＝20dyn/cm）５重量部をトリフロロトリクロロエタ
ン50重量部に溶解し、上記の流動床コーティング装置内
でキャリヤ中間体表面に、この被覆用溶液を噴霧し、脱
溶剤、乾燥してキャリヤを得た。このキャリヤを走査電
子顕微鏡で観察したところ、未被覆部分すなわち酸化鉄
粉表面の部分的露出が確認された。
次いで、実施例１、２及び比較例１、２、３のキャリ
ヤ100重量部に対して、正帯電性トナー３重量部［スチ
レン−ブチルアクリレート共重合体（50/50）100重量
部、カーボンブラック10重量部及びニグロシン系電荷調
節剤（オリエント化学社製、ボントロンＮ−04）２重量
部からなる。］を混合して現像剤を調製した。
ヤ100重量部に対して、正帯電性トナー３重量部［スチ
レン−ブチルアクリレート共重合体（50/50）100重量
部、カーボンブラック10重量部及びニグロシン系電荷調
節剤（オリエント化学社製、ボントロンＮ−04）２重量
部からなる。］を混合して現像剤を調製した。
これらの現像剤は富士ゼロックス社製のFX1065（OPC
ベルト搭載複写機）で連続複写試験を行い、次表の結果
を得た。実施例では、初期の帯電量が高く、10万枚コピ
ー後の帯電量も僅かに低下するだけで極めて安定してお
り、かつ、その間温湿度の影響も少なく、機内の汚染も
抑制されているのに対して、磁性粒子にフッ素樹脂を一
層のみ被覆した比較例のキャリヤは、経時安定性、環境
安定性に欠け、機内の汚れも激しく、現像剤の寿命が短
いことが分かる。このことは、比較例では製造直後にフ
ッ素樹脂が磁性粒子表面をほぼ全面被覆していたが、ラ
ンニングの過程で破壊され、被覆層が安定して機能しな
かったものと思われる。
ベルト搭載複写機）で連続複写試験を行い、次表の結果
を得た。実施例では、初期の帯電量が高く、10万枚コピ
ー後の帯電量も僅かに低下するだけで極めて安定してお
り、かつ、その間温湿度の影響も少なく、機内の汚染も
抑制されているのに対して、磁性粒子にフッ素樹脂を一
層のみ被覆した比較例のキャリヤは、経時安定性、環境
安定性に欠け、機内の汚れも激しく、現像剤の寿命が短
いことが分かる。このことは、比較例では製造直後にフ
ッ素樹脂が磁性粒子表面をほぼ全面被覆していたが、ラ
ンニングの過程で破壊され、被覆層が安定して機能しな
かったものと思われる。
（発明の効果） 本発明は、上記の構成を採用することにより、本来密
着性の悪いフッ素樹脂を磁性粒子表面に強固に全面被覆
することができた。その結果、高い帯電上昇速度と優れ
た経時安定性及び環境安定性を確保することができ、か
つ、カブリの早期発生及び機内汚染を抑制することがで
き、キャリヤ若しくは現像剤の寿命を延長させることが
できた。また、２種のフッ素樹脂の組み合わせ及びそれ
ぞれの表面分布比を選定することにより、２種のフッ素
樹脂の特徴を生かして、帯電上昇速度、帯電能、機械的
強度等を適宜制御することが可能となった。
着性の悪いフッ素樹脂を磁性粒子表面に強固に全面被覆
することができた。その結果、高い帯電上昇速度と優れ
た経時安定性及び環境安定性を確保することができ、か
つ、カブリの早期発生及び機内汚染を抑制することがで
き、キャリヤ若しくは現像剤の寿命を延長させることが
できた。また、２種のフッ素樹脂の組み合わせ及びそれ
ぞれの表面分布比を選定することにより、２種のフッ素
樹脂の特徴を生かして、帯電上昇速度、帯電能、機械的
強度等を適宜制御することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) G03G 9/10
Claims (4)
- 【請求項１】磁性粒子表面をフッ素樹脂で被覆した、ト
ナーを正帯電させるための電子写真用キャリヤにおい
て、臨界表面張力が比較的小さな第１のフッ素樹脂で網
状に被覆し、更に臨界表面張力が比較的大きな第２のフ
ッ素樹脂で被覆することにより、磁性粒子表面を２種の
フッ素樹脂で完全被覆したことを特徴とする電子写真用
キャリヤ。 - 【請求項２】２種のフッ素樹脂の臨界表面張力の差を5d
yn/cm以上としたことを特徴とする請求項（１）記載の
電子写真用キャリヤ。 - 【請求項３】２種のフッ素樹脂のうち少なくとも一方
に、モノマーとしてフッ化ビニリデンを有する共重合体
を用いたことを特徴とする請求項（１）記載の電子写真
用キャリヤ。 - 【請求項４】溶液濃度５重量％以下の第１のフッ素樹脂
含有溶液で磁性粒子表面を網状に被覆し、溶媒を除いた
後、第１のフッ素樹脂を溶解しない溶媒に第２のフッ素
樹脂を溶解し、この溶液で上記処理ずみ磁性粒子を完全
に被覆することを特徴とする請求項（１）〜（３）のい
ずれか１項記載の電子写真用キャリヤの製造法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2330632A JP2768005B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 電子写真用キャリヤ |
| US08/221,982 US5665507A (en) | 1990-11-30 | 1994-03-31 | Resin-coated carrier for electrophotographic developer |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Also Published As
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