JP2767585B2 - 配電線搬送信号伝送装置 - Google Patents
配電線搬送信号伝送装置Info
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- Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、配電線を伝送路とし、監視,制御に必要な
情報や計測情報を送受信する配電線搬送信号伝送装置に
関するものである。 (従来の技術) 第7図は、配電線搬送信号伝送システムの一般的な概
念図である。 制御局(変電所)の配電指令卓1より被制御局へ高圧
自動開閉器3の制御指令を出すと、信号注入装置4より
搬送波を変調した信号が高圧配電線に送出され、柱上変
圧器6を経て低圧側に接続された送受信機2に入力され
る。送受信機2では受信信号を解読し、高圧自動開閉器
3を制御する。次に、被制御局は返信(制御の成否,開
閉器の開閉状態)を電流信号として柱上変圧器6を通し
て高圧配電線に送信する。電流信号は大部分がインピー
ダンスが低い変電所の電流変成器7により取出され、受
信機8により情報を再生する。 このシステムにおいて、負荷側より変電所への返信信
号の伝送は、搬送周波数が商用周波数に近づく程、ばら
つきの少ない安定した受信レベルが得られる特性を持っ
ている。そのため、搬送周波数は600Hz以下に選ばれ、
かつレベルの大きな高調波雑音の影響を避けるため、隣
接する高調波雑音の中間の周波数が搬送周波数として選
ばれる。受信装置は上記のように選定された搬送波を変
調した信号を狭帯域ろ波器により抽出して受信するた
め、伝送速度は数ビット/秒と甚だ遅いものである。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記従来技術の問題点を解決しようとする
もので、狭帯域ろ波器を使用しない受信回路を用いて伝
送速度の向上を実現するとともに、特に、高調波雑音成
分を除去し、純粋な信号成分のみを抽出して伝送誤りを
少なくするようにした配電線搬送信号伝送装置を提供す
ることを目的とする。 (問題点を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成するために、配電線を伝送
路とし、必要な情報を送受信する配電線搬送信号伝送装
置において、商用周波数に同期し、2m/商用周波数(但
し、mは正整数)を1ビット時間として搬送波を変調し
た信号を送信する送信手段と、前記送信信号を受信し、
搬送波と同じ周波数のcos波およびsin波を発生し、これ
らのcos波およびsin波と受信信号とをそれぞれ乗算し、
商用周波数に同期した1ビット時間の積分を行ない、両
者積分値の二乗和を求めるフーリエ級数演算により信号
を検出する受信手段とからなり、前記送信手段は、1ビ
ット時間中の前半または後半のみをスペース,マークの
送信データに応じてそれぞれ割り当てられた第1または
第2の搬送周波数で断続し、残りの後半または前半は搬
送波をゼロ振幅に抑圧することにより変調する手段を有
し、前記受信手段は、前記前半の波形を記憶し、これを
前記後半の波形と逆相で加算することにより高調波雑音
成分を除去する差分信号処理手段を有する構成とする。 (作用) 本発明は、送信手段により、商用周波数に同期し、2m
/商用周波数(但し、mは正整数)を送信データの1ビ
ット時間として、1ビット時間中の前半または後半のみ
をスペースとマークの送信データに応じて第1または第
2の搬送周波数で断続し、残りの後半または前半は搬送
波をゼロ振幅に抑圧することで変調して成る送信信号を
伝送し、受信手段は、その伝送された変調信号をフーリ
エ級数演算により復調して信号を検出する。 受信レベルをAとし、第1または第2の搬送波の角周
波数をωとして受信信号をAsinωtとし、受信機内で発
生させる2つの信号をBcos(ωt+φ),Bsin(ωt+
φ)とする。ここで、φは受信信号の搬送波との位相角
である。 信号振幅は下記の式により検出される。 (但し、Taは積分時間で、1ビットの時間幅である) 式(3)の は最終的に求められる数値で、搬送周波数成分があると
きはこの値を出力し、無いときはAが0で出力0とな
る。つまり、送信データがスペースの場合は前記第1の
搬送周波数成分が出力され、送信データがマークの場合
は前記第2の搬送周波数成分が出力される。 受信機は第1および第2の搬送周波数における上記
(1),(2),(3)式の演算を行なう演算回路を持
ち、第1および第2の搬送周波数成分の有無を検出し、
送信パルスコードの再生を行なう。第1図は上記
(1),(2),(3)式を演算する回路の概念を示す
図である。 本発明では、上記の構成により、精度の高い狭帯域ろ
波器を使用する必要がないので、伝送速度を上げること
ができる。 ここで、本発明では、送信手段は、搬送波における1
ビット時間中の前半または後半のみをスペース,マーク
の信号データに応じて第1または第2の周波数で断続
し、残りの後半または前半は搬送波をゼロ振幅に抑圧す
ることにより変調し、受信手段は、送信信号を復調する
際に、前半の波形を記憶し、これを後半の波形と逆相で
加算するようにするので、高調波雑音成分を除去するこ
とができる。 (実施例) 以下、図面を参照して本発明の一実施例を詳細に説明
する。この実施例の信号伝送経路は、第7図に示す従来
構成の伝送経路と同じである。 第3図は、本実施例の被制御局(負荷端)における送
信回路を示したものである。柱上変圧器6の低圧側(22
0V)は変圧器11によりさらに6Vに降圧され(第4図a点
電圧波形)、零クロスパルス発生器121で降圧された商
用周波数のa点電圧波形の零クロスをとることによっ
て、商用周波数に同期した60Hzを発生する(第4図b点
電圧波形)。この60Hzパルスをパルス分周器122で2分
の1の周波数に分周する(第4図c点電圧波形)。30ボ
ーパルスコード発生器13では、入力された情報コードに
従って30Hzクロック発生器12の出力波形の1周期を1ビ
ット長とし、入力情報がマークの時には高レベルの電圧
波形を、スペースの時には低レベル(零レベル)の電圧
波形を生成する(第4図d点電圧波形)。 振幅変調波発生器14は30Hzクロック発生器12の出力す
る情報コードのスペース,マークコードに対応した周波
数f0,f1を1ビット長の後半にc点電圧と同期したかた
ちで発生する(第4図e点電圧波形)。振幅変調波発生
器14の出力は、スイッチングトランジスタ15のベース電
流を制御して、そのコレクタ電流(第4図g点電流波
形)および柱上変圧器6の220V低圧側の電流(第4図h
点電流波形)を制御することにより、信号電流を形成す
る。この信号電流は、柱上変圧器6および高圧配電線を
経て変電所(制御局)へ伝送される。 第5図は、本実施例における返信信号受信のために変
電所に配置される受信装置のブロック構成図である。 第5図において、高圧配電線を伝送路として到着した
信号電流は変電所の高圧母線に流入するが、途中の主電
流変成器21の二次回路の商用周波電流に重畳して変成さ
れる。さらに、二次回路に補助電流変成器23を挿入し、
その二次巻線回路の負荷抵抗24の発生電圧を受信回路に
入力する。この電圧波形は、第6図a点電圧に示すよう
に、商用周波数60Hzの1周期おきに信号が重畳してい
る。 受信回路では零クロス発生器51で商用周波数の零クロ
スを取ることにより、商用周波数に同期した60Hzパルス
を発生する(第6図b点電圧)。復調パルス発生器52
は、その零クロス発生器51の出力を分周して信号の1ビ
ットに同期した差分処理用の同期パルスを発生する(第
6図c点電圧)。 一方、受信ろ波器25では、商用周波数60Hzと主な商用
周波数高調波雑音を除去する。しかし、受信ろ波器25は
高価な狭帯域ろ波器ではないので、高調波雑音成分は完
全には除去できないで残っている(第6図d点電圧)。 同期差分処理器53においては、差分処理用の同期パル
ス波形(第6図c点電圧)の「1」(高レベル),
「0」(低レベル)に同期して、「1」期間はろ波後波
形(第6図d点電圧)を記憶し、「0」期間は記憶波形
を読み出してこれを逆相にして、ろ波後波形に加算す
る、という動作を繰り返すことにより高調波雑音成分を
除去し、純粋な信号成分のみを抽出する(第6図e点電
圧)。 雑音成分が除去された信号の各1ビット期間の後半に
含まれるスペース周波数成分f0およびマーク周波数成分
f1をそれぞれf0フーリエ級数演算回路56およびf1フーリ
エ級数演算回路57の2つの回路を用いてフーリエ級数法
により検出する。30は1ビットの積分時間信号発生器で
ある。 このフーリエ級数演算回路を第2図に示す。同期差分
処理器53の出力信号(第6図e点電圧)は、二つの乗算
器26,27に入力される。乗算器26では基準cos波発生器28
より発生される、f0フーリエ級数演算回路56では第1の
搬送周波数f0の、f1フーリエ級数演算回路57では第2の
搬送周波数f1の周波数の基準cos波と乗算され、信号振
幅のsinφ成分を出力する。また、乗算器27では基準sin
波発生器29より発生される基準sin波と乗算され、信号
振幅のcosφ成分を出力する。 乗算器26の出力は2倍周波の交流と直流成分の合成波
で、商用周波数に同調して積分時間信号発生器30より供
給される信号により、1ビットごとに交互に開閉するア
ナログスイッチ32,33を経て、積分器36,37で1ビット時
間交互に積分されて直流成分のみを出力する。2つの積
分器36,37の出力は、加算器40で加算され、一連のパル
スコード信号波振幅のsinφ成分を出力する。 同様に乗算器27の出力は1ビットごとに交互に開閉す
るアナログスイッチ34,35を経て積分器38,39で1ビット
時間交互に信号振幅のcosφ成分を出力し、加算器41で
加算され、信号波振幅のcosφ成分を出力する。 加算器40から出力されるsinφ成分および加算器41か
ら出力されるcosφ成分は二乗器42,43でそれぞれ二乗さ
れ、加算器44で加算されて信号振幅絶対値の二乗値を出
力する。 このように、f0フーリエ級数演算回路56はf0の搬送周
波数の時、その信号振幅の2乗値を出力し(第6図e1点
電圧)、f1フーリエ級数演算回路57はf1の搬送周波数の
時、その信号振幅の2乗値を出力する(第6図e2点電
圧)。 マーク・スペース判定器54は、スペース周波数f0の成
分であるf0フーリエ級数演算回路56の出力(第6図e1点
電圧)と、マーク周波数f1の成分であるf1フーリエ級数
演算回路57の出力(第6図e2点電圧)とを用いてスペー
ス周波数成分f0とマーク周波数成分f1の大小を比較し、
どちらが多く1ビット内に含まれているかにより、|f0
|>|f1|ならスペース、|f1|>|f0|ならマークと
判定する(第6図f点電圧)。 マーク・スペース判定器54の判定出力は、符号発生器
55においてNRZパルスコードに変換出力する(第6図g
点電圧)。 このように構成された本実施例によれば、搬送波にお
ける1ビット時間中の前半または後半のみをスペース,
マークの信号データに応じて第1または第2の周波数で
断続し、残りの後半または前半は搬送波をゼロ振幅に抑
圧することにより変調し、この送信信号を復調する際
に、前半の波形を記憶し、これを後半の波形と逆相で加
算するようにすることで、高調波雑音成分を除去するこ
とができる。 (発明の効果) 従来、この種の配電線搬送方式は、搬送周波数を伝送
特性上600Hz以下で、かつ、影響の大きい商用周波高調
波雑音を避けて、隣接する高調波の中間の周波数を選ぶ
のが一般的である。受信機では狭帯域ろ波器により受信
信号を抽出する。 従って、伝送速度はろ波器の立上り時間が長くなるた
め、制限されて数ビット毎秒の低速度を余儀無くされて
いた。 前述のように、従来数ビット毎秒程度であった伝送速
度が、本発明では商用周波数の1/2の速度、例えば60Hz
地区では毎秒30ビットの速度まで向上できる。 従って、本発明を適用することにより、開閉器の遠方
制御に、より迅速な対応ができ、より多量の計測データ
や自動検針データの伝送集収に利用範囲を拡大すること
ができる。 特に、本発明によれば、高調波雑音成分を除去し、純
粋な信号成分のみを抽出して伝送誤りを少なくすること
ができる。
情報や計測情報を送受信する配電線搬送信号伝送装置に
関するものである。 (従来の技術) 第7図は、配電線搬送信号伝送システムの一般的な概
念図である。 制御局(変電所)の配電指令卓1より被制御局へ高圧
自動開閉器3の制御指令を出すと、信号注入装置4より
搬送波を変調した信号が高圧配電線に送出され、柱上変
圧器6を経て低圧側に接続された送受信機2に入力され
る。送受信機2では受信信号を解読し、高圧自動開閉器
3を制御する。次に、被制御局は返信(制御の成否,開
閉器の開閉状態)を電流信号として柱上変圧器6を通し
て高圧配電線に送信する。電流信号は大部分がインピー
ダンスが低い変電所の電流変成器7により取出され、受
信機8により情報を再生する。 このシステムにおいて、負荷側より変電所への返信信
号の伝送は、搬送周波数が商用周波数に近づく程、ばら
つきの少ない安定した受信レベルが得られる特性を持っ
ている。そのため、搬送周波数は600Hz以下に選ばれ、
かつレベルの大きな高調波雑音の影響を避けるため、隣
接する高調波雑音の中間の周波数が搬送周波数として選
ばれる。受信装置は上記のように選定された搬送波を変
調した信号を狭帯域ろ波器により抽出して受信するた
め、伝送速度は数ビット/秒と甚だ遅いものである。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記従来技術の問題点を解決しようとする
もので、狭帯域ろ波器を使用しない受信回路を用いて伝
送速度の向上を実現するとともに、特に、高調波雑音成
分を除去し、純粋な信号成分のみを抽出して伝送誤りを
少なくするようにした配電線搬送信号伝送装置を提供す
ることを目的とする。 (問題点を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成するために、配電線を伝送
路とし、必要な情報を送受信する配電線搬送信号伝送装
置において、商用周波数に同期し、2m/商用周波数(但
し、mは正整数)を1ビット時間として搬送波を変調し
た信号を送信する送信手段と、前記送信信号を受信し、
搬送波と同じ周波数のcos波およびsin波を発生し、これ
らのcos波およびsin波と受信信号とをそれぞれ乗算し、
商用周波数に同期した1ビット時間の積分を行ない、両
者積分値の二乗和を求めるフーリエ級数演算により信号
を検出する受信手段とからなり、前記送信手段は、1ビ
ット時間中の前半または後半のみをスペース,マークの
送信データに応じてそれぞれ割り当てられた第1または
第2の搬送周波数で断続し、残りの後半または前半は搬
送波をゼロ振幅に抑圧することにより変調する手段を有
し、前記受信手段は、前記前半の波形を記憶し、これを
前記後半の波形と逆相で加算することにより高調波雑音
成分を除去する差分信号処理手段を有する構成とする。 (作用) 本発明は、送信手段により、商用周波数に同期し、2m
/商用周波数(但し、mは正整数)を送信データの1ビ
ット時間として、1ビット時間中の前半または後半のみ
をスペースとマークの送信データに応じて第1または第
2の搬送周波数で断続し、残りの後半または前半は搬送
波をゼロ振幅に抑圧することで変調して成る送信信号を
伝送し、受信手段は、その伝送された変調信号をフーリ
エ級数演算により復調して信号を検出する。 受信レベルをAとし、第1または第2の搬送波の角周
波数をωとして受信信号をAsinωtとし、受信機内で発
生させる2つの信号をBcos(ωt+φ),Bsin(ωt+
φ)とする。ここで、φは受信信号の搬送波との位相角
である。 信号振幅は下記の式により検出される。 (但し、Taは積分時間で、1ビットの時間幅である) 式(3)の は最終的に求められる数値で、搬送周波数成分があると
きはこの値を出力し、無いときはAが0で出力0とな
る。つまり、送信データがスペースの場合は前記第1の
搬送周波数成分が出力され、送信データがマークの場合
は前記第2の搬送周波数成分が出力される。 受信機は第1および第2の搬送周波数における上記
(1),(2),(3)式の演算を行なう演算回路を持
ち、第1および第2の搬送周波数成分の有無を検出し、
送信パルスコードの再生を行なう。第1図は上記
(1),(2),(3)式を演算する回路の概念を示す
図である。 本発明では、上記の構成により、精度の高い狭帯域ろ
波器を使用する必要がないので、伝送速度を上げること
ができる。 ここで、本発明では、送信手段は、搬送波における1
ビット時間中の前半または後半のみをスペース,マーク
の信号データに応じて第1または第2の周波数で断続
し、残りの後半または前半は搬送波をゼロ振幅に抑圧す
ることにより変調し、受信手段は、送信信号を復調する
際に、前半の波形を記憶し、これを後半の波形と逆相で
加算するようにするので、高調波雑音成分を除去するこ
とができる。 (実施例) 以下、図面を参照して本発明の一実施例を詳細に説明
する。この実施例の信号伝送経路は、第7図に示す従来
構成の伝送経路と同じである。 第3図は、本実施例の被制御局(負荷端)における送
信回路を示したものである。柱上変圧器6の低圧側(22
0V)は変圧器11によりさらに6Vに降圧され(第4図a点
電圧波形)、零クロスパルス発生器121で降圧された商
用周波数のa点電圧波形の零クロスをとることによっ
て、商用周波数に同期した60Hzを発生する(第4図b点
電圧波形)。この60Hzパルスをパルス分周器122で2分
の1の周波数に分周する(第4図c点電圧波形)。30ボ
ーパルスコード発生器13では、入力された情報コードに
従って30Hzクロック発生器12の出力波形の1周期を1ビ
ット長とし、入力情報がマークの時には高レベルの電圧
波形を、スペースの時には低レベル(零レベル)の電圧
波形を生成する(第4図d点電圧波形)。 振幅変調波発生器14は30Hzクロック発生器12の出力す
る情報コードのスペース,マークコードに対応した周波
数f0,f1を1ビット長の後半にc点電圧と同期したかた
ちで発生する(第4図e点電圧波形)。振幅変調波発生
器14の出力は、スイッチングトランジスタ15のベース電
流を制御して、そのコレクタ電流(第4図g点電流波
形)および柱上変圧器6の220V低圧側の電流(第4図h
点電流波形)を制御することにより、信号電流を形成す
る。この信号電流は、柱上変圧器6および高圧配電線を
経て変電所(制御局)へ伝送される。 第5図は、本実施例における返信信号受信のために変
電所に配置される受信装置のブロック構成図である。 第5図において、高圧配電線を伝送路として到着した
信号電流は変電所の高圧母線に流入するが、途中の主電
流変成器21の二次回路の商用周波電流に重畳して変成さ
れる。さらに、二次回路に補助電流変成器23を挿入し、
その二次巻線回路の負荷抵抗24の発生電圧を受信回路に
入力する。この電圧波形は、第6図a点電圧に示すよう
に、商用周波数60Hzの1周期おきに信号が重畳してい
る。 受信回路では零クロス発生器51で商用周波数の零クロ
スを取ることにより、商用周波数に同期した60Hzパルス
を発生する(第6図b点電圧)。復調パルス発生器52
は、その零クロス発生器51の出力を分周して信号の1ビ
ットに同期した差分処理用の同期パルスを発生する(第
6図c点電圧)。 一方、受信ろ波器25では、商用周波数60Hzと主な商用
周波数高調波雑音を除去する。しかし、受信ろ波器25は
高価な狭帯域ろ波器ではないので、高調波雑音成分は完
全には除去できないで残っている(第6図d点電圧)。 同期差分処理器53においては、差分処理用の同期パル
ス波形(第6図c点電圧)の「1」(高レベル),
「0」(低レベル)に同期して、「1」期間はろ波後波
形(第6図d点電圧)を記憶し、「0」期間は記憶波形
を読み出してこれを逆相にして、ろ波後波形に加算す
る、という動作を繰り返すことにより高調波雑音成分を
除去し、純粋な信号成分のみを抽出する(第6図e点電
圧)。 雑音成分が除去された信号の各1ビット期間の後半に
含まれるスペース周波数成分f0およびマーク周波数成分
f1をそれぞれf0フーリエ級数演算回路56およびf1フーリ
エ級数演算回路57の2つの回路を用いてフーリエ級数法
により検出する。30は1ビットの積分時間信号発生器で
ある。 このフーリエ級数演算回路を第2図に示す。同期差分
処理器53の出力信号(第6図e点電圧)は、二つの乗算
器26,27に入力される。乗算器26では基準cos波発生器28
より発生される、f0フーリエ級数演算回路56では第1の
搬送周波数f0の、f1フーリエ級数演算回路57では第2の
搬送周波数f1の周波数の基準cos波と乗算され、信号振
幅のsinφ成分を出力する。また、乗算器27では基準sin
波発生器29より発生される基準sin波と乗算され、信号
振幅のcosφ成分を出力する。 乗算器26の出力は2倍周波の交流と直流成分の合成波
で、商用周波数に同調して積分時間信号発生器30より供
給される信号により、1ビットごとに交互に開閉するア
ナログスイッチ32,33を経て、積分器36,37で1ビット時
間交互に積分されて直流成分のみを出力する。2つの積
分器36,37の出力は、加算器40で加算され、一連のパル
スコード信号波振幅のsinφ成分を出力する。 同様に乗算器27の出力は1ビットごとに交互に開閉す
るアナログスイッチ34,35を経て積分器38,39で1ビット
時間交互に信号振幅のcosφ成分を出力し、加算器41で
加算され、信号波振幅のcosφ成分を出力する。 加算器40から出力されるsinφ成分および加算器41か
ら出力されるcosφ成分は二乗器42,43でそれぞれ二乗さ
れ、加算器44で加算されて信号振幅絶対値の二乗値を出
力する。 このように、f0フーリエ級数演算回路56はf0の搬送周
波数の時、その信号振幅の2乗値を出力し(第6図e1点
電圧)、f1フーリエ級数演算回路57はf1の搬送周波数の
時、その信号振幅の2乗値を出力する(第6図e2点電
圧)。 マーク・スペース判定器54は、スペース周波数f0の成
分であるf0フーリエ級数演算回路56の出力(第6図e1点
電圧)と、マーク周波数f1の成分であるf1フーリエ級数
演算回路57の出力(第6図e2点電圧)とを用いてスペー
ス周波数成分f0とマーク周波数成分f1の大小を比較し、
どちらが多く1ビット内に含まれているかにより、|f0
|>|f1|ならスペース、|f1|>|f0|ならマークと
判定する(第6図f点電圧)。 マーク・スペース判定器54の判定出力は、符号発生器
55においてNRZパルスコードに変換出力する(第6図g
点電圧)。 このように構成された本実施例によれば、搬送波にお
ける1ビット時間中の前半または後半のみをスペース,
マークの信号データに応じて第1または第2の周波数で
断続し、残りの後半または前半は搬送波をゼロ振幅に抑
圧することにより変調し、この送信信号を復調する際
に、前半の波形を記憶し、これを後半の波形と逆相で加
算するようにすることで、高調波雑音成分を除去するこ
とができる。 (発明の効果) 従来、この種の配電線搬送方式は、搬送周波数を伝送
特性上600Hz以下で、かつ、影響の大きい商用周波高調
波雑音を避けて、隣接する高調波の中間の周波数を選ぶ
のが一般的である。受信機では狭帯域ろ波器により受信
信号を抽出する。 従って、伝送速度はろ波器の立上り時間が長くなるた
め、制限されて数ビット毎秒の低速度を余儀無くされて
いた。 前述のように、従来数ビット毎秒程度であった伝送速
度が、本発明では商用周波数の1/2の速度、例えば60Hz
地区では毎秒30ビットの速度まで向上できる。 従って、本発明を適用することにより、開閉器の遠方
制御に、より迅速な対応ができ、より多量の計測データ
や自動検針データの伝送集収に利用範囲を拡大すること
ができる。 特に、本発明によれば、高調波雑音成分を除去し、純
粋な信号成分のみを抽出して伝送誤りを少なくすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における受信信号検出のためのフーリエ
級数演算回路の概念を示す図である。 第2図はフーリエ級数演算回路の詳細なブロック図であ
る。 第3図は本発明の一実施例の送信回路を示すブロック図
である。 第4図は第3図に示す送信回路の各部の波形を示す図で
ある。 第5図は受信回路のブロック図である。 第6図は第5図に示す受信回路の各部の波形を示す図で
ある。 第7図は配電線搬送伝送システムの一般的な概念図であ
る。 6……柱上変圧器、11……変圧器、12……30Hzクロック
発生器、13……30ボーパルスコード発生器、14……振幅
変調波発生器、15……スイッチングトランジスタ、16…
…整流器、21……主電流変成器、23……補助電流変成
器、24……抵抗、25……受信ろ波器、26,27……乗算
器、28……基準cos波発生器、29……基準sin波発生器、
30……積分時間信号発生器、31……インバーター、32〜
35……アナログスイッチ、36〜39……積分器、40,41,44
……加算器、42,43……二乗器、51……零クロス発生
器、52……復調パルス発生器、53……同期差分処理器、
54……マーク・スペース判定器、55……符号発生器、56
……f0フーリエ級数演算回路、57……f1フーリエ級数演
算回路。
級数演算回路の概念を示す図である。 第2図はフーリエ級数演算回路の詳細なブロック図であ
る。 第3図は本発明の一実施例の送信回路を示すブロック図
である。 第4図は第3図に示す送信回路の各部の波形を示す図で
ある。 第5図は受信回路のブロック図である。 第6図は第5図に示す受信回路の各部の波形を示す図で
ある。 第7図は配電線搬送伝送システムの一般的な概念図であ
る。 6……柱上変圧器、11……変圧器、12……30Hzクロック
発生器、13……30ボーパルスコード発生器、14……振幅
変調波発生器、15……スイッチングトランジスタ、16…
…整流器、21……主電流変成器、23……補助電流変成
器、24……抵抗、25……受信ろ波器、26,27……乗算
器、28……基準cos波発生器、29……基準sin波発生器、
30……積分時間信号発生器、31……インバーター、32〜
35……アナログスイッチ、36〜39……積分器、40,41,44
……加算器、42,43……二乗器、51……零クロス発生
器、52……復調パルス発生器、53……同期差分処理器、
54……マーク・スペース判定器、55……符号発生器、56
……f0フーリエ級数演算回路、57……f1フーリエ級数演
算回路。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.配電線を伝送路とし、必要な情報を送受信する配電
線搬送信号伝送装置において、商用周波数に同期し、2m
/商用周波数(但し、mは正整数)を1ビット時間とし
て搬送波を変調した信号を送信する送信手段と、前記送
信信号を受信し、搬送波と同じ周波数のcos波およびsin
波を発生し、これらのcos波およびsin波と受信信号とを
それぞれ乗算し、商用周波数に同期した1ビット時間の
積分を行ない、両者積分値の二乗和を求めるフーリエ級
数演算により信号を検出する受信手段とからなり、 前記送信手段は、1ビット時間中の前半または後半のみ
をスペース、マークの送信データに応じてそれぞれ割り
当てられた第1または第2の搬送周波数で断続し、残り
の後半または前半は搬送波をゼロ振幅に抑圧することに
より変調する手段を有し、 前記受信手段は、前記前半の波形を記憶し、これを前記
後半の波形と逆相で加算することにより高調波雑音成分
を除去する差分信号処理手段を有することを特徴とする
配電線搬送信号伝送装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62278321A JP2767585B2 (ja) | 1986-11-06 | 1987-11-05 | 配電線搬送信号伝送装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26280886 | 1986-11-06 | ||
JP61-262808 | 1986-11-06 | ||
JP62278321A JP2767585B2 (ja) | 1986-11-06 | 1987-11-05 | 配電線搬送信号伝送装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6453638A JPS6453638A (en) | 1989-03-01 |
JP2767585B2 true JP2767585B2 (ja) | 1998-06-18 |
Family
ID=26545723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62278321A Expired - Lifetime JP2767585B2 (ja) | 1986-11-06 | 1987-11-05 | 配電線搬送信号伝送装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2767585B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6226540B2 (ja) * | 2013-03-15 | 2017-11-08 | 東京電力ホールディングス株式会社 | 電力線通信装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61198927A (ja) * | 1985-02-28 | 1986-09-03 | Kyushu Denki Seizo Kk | 疎結合変圧器を利用する周波数偏移変調信号注入装置 |
-
1987
- 1987-11-05 JP JP62278321A patent/JP2767585B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6453638A (en) | 1989-03-01 |
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