JP2767339B2 - 金属板のかしめ接合方法および装置 - Google Patents

金属板のかしめ接合方法および装置

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JP2767339B2
JP2767339B2 JP8632292A JP8632292A JP2767339B2 JP 2767339 B2 JP2767339 B2 JP 2767339B2 JP 8632292 A JP8632292 A JP 8632292A JP 8632292 A JP8632292 A JP 8632292A JP 2767339 B2 JP2767339 B2 JP 2767339B2
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rolls
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,2枚の金属板を接合
するかしめ接合方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より,2枚の金属板を互いに接合す
る方法として,プレス機にセットしたポンチとダイスに
より図16〜図18に示すように,重ね合わされた2枚
の金属板1,2に2本の切り込み線3を入れると同時
に,切り込み線間部分Aを板厚の2倍分以上押し込み,
次いで,切り込み線間部分Aをすえ込み加工(すなわ
ち,材料に圧縮力を加えて展延する塑性変形加工)し
て,その幅bを元の切り込み線間の幅aより広げる方法
が公知である。この接合方法では,単なる凸のポンチと
凹のダイスとによる単純な金型で上記の押し込み幅広げ
加工を行うことはできないので,種々の工夫がなされて
いる。例えば,特公昭63−52998号では,図19
に示すように,ポンチ5は通常の単なる凸型であり,ダ
イス6側は固定端7とその両側に設けた左右に拡開可能
な板ばね8とで構成し,このポンチ5とダイス6とによ
り重ね合わされた2枚の金属板1,2をプレスした時
に,ポンチ5の左右のエッジ5aとダイス6の左右の板
ばね8の対向エッジ8aとで前記の2本の切り込み線3
をいれると同時に,この切り込み線間部分Aを押し込
み,ポンチ5の先端面とダイス6の固定端7とで2枚の
金属板1,2の切り込み線間部分Aをすえ込み加工して
幅を広げるという方法である。このすえ込み加工の際,
左右の板ばね8が左右に逃げることで,前記の切り込み
線間部分Aの幅が広がることを許容し,かつ,幅広げし
た部分Aがダイス穴から抜き出されることを容易にす
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のダイス6側
に拡開可能な板ばね8を設ける方法は,金型の一部が動
くものであるから構造的に複雑であり,また,弾性を持
つ材料を使用しなければならないので,高い硬度が要求
される工具として好ましくなく,耐久性が低いという問
題がある。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で,重ね合わされた2枚の金属板を,ダイス穴側の側壁
を拡開可能にするなどの複雑な機構によらずに,簡単に
かつ能率的に,しかも十分高い強度でかしめ接合する方
法および装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1の発明は,重ね合わされた2枚の金属板をかしめ接
合するかしめ接合方法であって,対向する1対のロール
の外周にそれぞれ設けた先端面が凹面状の突き出し刃と
これに対向する底面が凸面状の受け溝とにより,この1
対のロールの間を通板される重ね合わされた2枚の金属
板に,ほぼ金属板送り方向と同方向をなす適宜の長さの
2本の切り込み線を入れると同時に切り込み線間部分を
板厚2枚分以上押し込み,かつ,切り込み線間部分を前
記突き出し刃の凹面状の先端面と受け溝の凸面状の底面
とですえ込み加工して,切り込み線間部分を断面凹形に
曲げかつ展延する第1工程と,対向する1対のロールの
一方のロールの外周に設けた,前記切り込み線間部分を
押圧可能な突出部と,他方のロールの円筒状外周面とに
より,この1対のロール間を通板される重ね合わされた
2枚の金属板の前記断面凹形の切り込み線間部分をフラ
ットに曲げ戻すと同時に,幅方向中央部近傍がその左右
部分より薄肉化される態様ですえ込み加工する第2工程
とを有することを特徴とする。
【0006】請求項2は,請求項1のかしめ接合方法を
具体的に実施する装置である。
【0007】請求項3の発明は,請求項1のかしめ接合
方法において,切り込み線間部分を断面凹形に曲げかつ
展延する第1工程を,切り込み線間部分を単にフラット
に押し込むだけとしたものである。
【0008】請求項4は,請求項3のかしめ接合方法を
具体的に実施する装置である。
【0009】請求項5は,請求項2または4のかしめ接
合装置における突出部付きロールの突出部の形状を,ロ
ール外周面から突出した台部の上に,先端側に向かって
(すなわちロール半径方向外方に向かって)次第に幅狭
になる先細り形状部を持つ形状としたものである。
【0010】請求項6は,請求項5における突出部の先
細り形状部を,先端面に菱形のフラット面が形成される
形状としたものである。
【0011】
【作用】請求項1において,第1工程で断面凹形に曲げ
られかつすえ込み加工された切り込み線間部分は,幅方
向の展開長さは元の切り込み線間隔寸法より大きくなっ
ている(すなわち幅広げされている)が,断面が凹形で
あるから,この切り込み線間部分の直線的な幅は大きく
ならない。したがって,切り込み線間部分の両側縁が受
け溝の側壁に食い込むことはなく,受け溝から容易に抜
き出される。
【0012】続く第2工程で前記の断面凹形の切り込み
線間部分をフラットに曲げ戻すと,元々この部分は展延
されているので,このフラットにされた切り込み線間部
分の幅が十分広くなる。しかも,フラット曲げ戻しと同
時に幅方向中央部が局所的にすえ込み加工されるので,
切り込み線間部分の幅広がり量はさらに大となる。この
場合,切り込み線間部分の全面を押圧するのでなく局所
的に押圧してすえ込み加工するのであるから,過大な圧
下力を必要とせず,成形機のロールスタンド剛性が許容
できる程度の比較的小さな圧下力による効率的な幅広げ
が実現される。こうして,十分に幅広げされた切り込み
線間部分の両側縁が打ち抜かれた穴部分の側縁に当たる
ので,2枚の金属板が堅固に結合される。
【0013】請求項3において,第1工程では切り込み
線間部分が単にフラットのまま押し込まれる。したがっ
て,すえ込み加工は施されず,請求項1の場合と異なり
実質的な幅も広がらない。しかし,第2工程では,切り
込み線間部分の幅方向中央部近傍が局所的にすえ込み加
工され,この局所的なすえ込み加工により,前述した請
求項1の作用と同じく,効率的な幅広げが実現される。
これにより,請求項1の場合よりかしめ接合強度は弱い
が,用途によっては十分使用に耐える一定のかしめ接合
強度が得られる。
【0014】請求項5においては,第2工程における幅
方向中央部近傍を突出部の先細り形状部で押圧して局所
的にすえ込み加工するので,左右方向に向かう力の成分
が生じて幅広げが効率的に行われる。
【0015】請求項6においては,幅方向中央部近傍を
先端面に菱形のフラット面が形成された先細り形状部で
押圧して局所的にすえ込み加工するので,菱形フラット
面がロールの回転に伴って始めは幅狭,中央で幅広,終
に幅狭と順次変化する態様ですえ込み加工するので,圧
下力が幅広げ加工に有効に利用され,きわめて効率的な
幅広げ加工が実現される。
【0016】
【実施例】以下,本発明の実施例を図1〜図18を参照
して説明する。本発明により得られる最終的なかしめ接
合部の構造自体は,図16〜図18に示した押し込み幅
広げ方式の接合部と同じである。以下の実施例は,帯状
の金属板よりロール成形機で図15に示した断面形状の
成形品10を成形する際に,この成形品10の重ね合わ
せ部11をかしめ接合する場合を示す。なお,この成形
品10は,上面全体を平坦にした鉄筋コンクリート床板
用フラットデッキプレートであり,上面全体を平坦にす
るために図示のように垂直な重ね合わせ部11を持つ断
面形状としている。このフラットデッキプレートの上に
打設したコンクリートが重ね合わせ部11の2枚の間
(矢印(イ))から下部空所に浸入することがないよう
に,この重ね合わせ部11を隙間が生じないように接合
することが要求される。なお,実施例では,ロール成形
機において図15のフラットな上面が下側となるように
上下逆向きで成形される。実施例のかしめ接合装置は,
タンデムに配置された多数段の成形ロールにより重ね合
わせ部11が形成された後,つまり成形ロールの最終段
ロールスタンドの出側,あるいは最終段近傍のロールス
タンド間に配置する。図14において,符号12および
13は最終段の前段および最終段の成形ロールを示し,
図示例では最終段の成形ロール13の出側にかしめ接合
装置14を配置している。なお,図15に示した3山の
フラットデッキプレート(すなわち重ね合わせ部11が
3つあるフラットデッキプレート)の場合,実際には,
上述のように3箇所とも成形ロール最終段階でかしめ接
合するのでなく,中央の山部は中段のロールスタンドで
行い,左右の山部のかしめ接合は最終段のロールスタン
ドの出側で行うことが適切である。このようにすると,
左右の山部の成形の際には中央の山部が開くことを防止
した状態で成形が行われるので,左右の山部の成形が容
易になる。
【0017】請求項1のかしめ接合方法(および請求項
2のかしめ接合装置)の一実施例について説明する。請
求項1および2のかしめ接合装置14は,対向する1対
のロールからなる押し込み・曲げ展延用ロール14A
と,この押し込み・曲げ展延用ロール14Aとタンデム
に配置された同じく1対のロールからなるフラット曲げ
戻し兼局所すえ込みロール14Bとからなっている。
【0018】前記押し込み・曲げ展延用ロール14Aは
第1工程の加工を行うもので,第1工程を示す図1〜図
3および図3の要部を拡大した図5,図6に示すよう
に,成形材10の重ね合わせ部11(つまり重ね合わさ
れた2枚の金属板1,2)を挟んで通板させる突き出し
ロール15と受けロール16との1対のロールからなっ
ている。この1対のロール15,16は成形機の動力を
利用して駆動してもよいが,成形ロールによる材料の駆
動力があるので無駆動でもよい。
【0019】前記突き出しロール15は,図7にも示す
ように両側縁に切断用エッジ17aを持ち先端面17b
が円弧凹面状をなしロール外周15aから突出する突き
出し刃17を備えている。図示例では図1等に示すよう
に180°対向する2箇所にこの突き出し刃17を設け
ている。また,突き出し刃17は摩耗時に交換できるよ
うにロール本体とは別部材で製作しボルトでロール本体
に取り付けて着脱可能にしている。
【0020】前記受けロール16は,前記突き出し刃1
7の左右の切断用エッジ17aに対応する切断用エッジ
18aを持ち,かつ突き出し刃17の円弧凹面状の先端
面17bとの間に金属板の板厚tの2枚分以下のギャッ
プg(すなわち,g〈2t)を形成する円弧凸面状をな
す底面18bを持つ受け溝18を外周に備えている。図
示例の受け溝18は受けロール16の全周にわたって形
成している。しかし,この受け溝は突き出し刃17に対
向する部分のみ凹部となっている形状とすることもでき
る。
【0021】前記フラット曲げ戻し兼局所すえ込みロー
ル14Bは第2工程の加工を行うもので,第2工程を示
す図4および図4の(ロ)の要部を拡大した図8に示す
ように,成形材10の重ね合わせ部11を挟んで通板さ
せる突出部付きロール25と円筒状ロール26との1対
のロールからなっている。この1対のロール25,26
も駆動,無駆動のいずれでもよい。
【0022】前記突出部付きロール25は,第1工程で
形成された切り込み線間部分を押圧可能な突出部27を
備えている。この突出部27は,図9および図12
(イ),(ロ),(ハ)に示すように,ロール外周面2
5aから突出した台部27aの上に,先端側に(ロール
の半径方向外方に)向かって次第に幅狭になる先細り形
状部27bを持つ形状であり,図示例の先細り形状部2
7bは,先端面に菱形のフラット面(ロールの半径方向
から見てフラットであり,中心軸線方向からみれば円弧
状である)27cが形成される形状である。また,前記
円筒状ロール26は単なる円筒状の外周を持つ。
【0023】上記のかしめ接合装置14によるかしめ接
合を第1工程を示す図1〜図3,図5〜図7,図10よ
び第2工程を示す図4,図8,図9,図11を参照して
説明すると,図1は押し込み・曲げ展延用ロール14A
の突き出しロール15と受けロール16との間を成形材
10の重ね合わせ部11(重ね合わされた2枚の金属板
1,2)が両ロール15,16の外周面15a,16a
で挟持されて単に通板されている状態であり,突き出し
刃17は重ね合わせ部11から離れている。
【0024】成形材10が送られ両ロール15,16が
回転すると,図2に示すように突き出し刃17が金属板
に接触し切り込みおよび押し込み変形を開始する。両ロ
ール15,16が金属板1,2の前進とともにさらに回
転すると,突き出し刃17と受け溝18とにより金属板
1,2に2本の平行な切り込み線3(図16参照)が入
れられると同時に,両切り込み線間部分Aが板厚tの2
枚分以上押し込まれ,かつ,図5,図6,図10に拡大
して示すように,両切り込み線間部分Aが突き出し刃1
7の円弧凹面状の先端面17bと受け溝18の円弧凸面
状の底面18bとですえ込み加工されて,切り込み線間
部分Aが断面円弧状に曲げられ,かつ展延される。すな
わち,切り込み線間部分Aの幅方向の展開長さが塑性変
形により元の切り込み線間隔寸法aより長くなる。
【0025】この場合,展延された切り込み線間部分A
の展開長さは長くなっているが,断面が凹形であるか
ら,この切り込み線間部分Aの直線的な幅は大きくなら
ない。したがって,切り込み線間部分Aの両側縁が受け
溝16の側壁に食い込むことはなく,受け溝16から容
易に抜き出される。
【0026】押し込み・曲げ展延用ロール14Aで形成
された断面円弧状の切り込み線間部分Aは,続くフラッ
ト曲げ戻し兼局所すえ込みロール14Bを通過する際
に,打ち抜き穴に嵌入する突出部付きロール25の突出
部27と対向する円筒状ロール26とで挟圧され,図
8,図9,図11に示すように,フラットに曲げ戻され
ると同時に,突出部27の先端の菱形フラット面27c
により菱形の凹み30が生じる態様で局所的にすえ込み
加工される。この場合,切り込み線間部分Aは,先に展
延されているので,このフラットにされた切り込み線間
部分Aの幅は十分広くなる。しかも,フラット曲げ戻し
と同時に,菱形フラット面27cにより幅方向中央部近
傍が局所的にすえ込み加工されるので,切り込み線間部
分Aの幅広がり量は単なるフラット曲げ戻しの場合より
さらに大となる。このように,切り込み線間部分Aの全
面を押圧するのでなく局所的に押圧してすえ込み加工す
るのであるから,過大な圧下力を必要とせず,成形機の
ロールスタンド剛性が許容できる程度の比較的小さな圧
下力による効率的な幅広げが実現される。こうして,十
分に幅広げされた切り込み線間部分Aの両側縁が打ち抜
かれた穴部分の側縁に当たるので,2枚の金属板1,2
が堅固に結合される。こうして最終的な形状としては図
16〜図18で説明した従来のかしめ接合構造と同じ構
造のかしめ接合部が得られる。
【0027】なお,第1工程で曲げる切り込み線間部分
Aの断面形状は,実施例では円弧状であるが,V形状,
台形状等でもよい。要するに,断面がフラットでなく凹
形であれば,切り込み線間部分Aを展延しても両側縁が
受け溝16の側壁にかみ込まないで済むし,かつ展延に
要する圧下力が小さく済む。
【0028】なお,第2工程における突出部付きロール
25の突出部27の形状としては,図9,図12
(イ),(ロ),(ハ)に示した形状に限らず,例えば
図12の(ニ),(ホ),(ヘ)に示すように,幅方向
中央部に前後方向の稜線27c’が形成される山形の先
細り形状部27b’を持つ突出部27’,あるいは,図
12の(ト),(チ),(リ)に示すように,先端面に
矩形状フラット面27c”が形成される先細り形状部2
7b”を持つ突出部27”などを採用することができ
る。要するに,突出部は,切り込み線間部分の幅方向中
央部近傍がその左右部分より薄肉化される態様ですえ込
み加工できるように,先端側に向かって(すなわちロー
ル半径方向外方に向かって)次第に幅狭になる先細り形
状部27b,27b’,27b”を持つ形状であればよ
い。
【0029】次に,請求項3のかしめ接合方法(および
請求項4のかしめ接合装置)の実施例について説明す
る。請求項1のかしめ接合方法では第1工程において切
り込み線間部分Aを例えば円弧状に曲げかつ展延する
(すえ込み加工する)のに対して,請求項3のかしめ接
合方法は,第1工程では,図13に示すように,突き出
しロール15’側のフラットな先端面17b’を持つ突
き出し刃17’と受けロール16’側のフラットな底面
18b’を持つ受け溝18’とにより,切り込み線間部
分Aを単にフラットに押し込むだけとする。すなわち幅
広げを行うすえ込み加工はしない。突き出しロール1
5’と受けロール16’とは押し込みロール14A’を
構成する。そして,第2工程では,請求項1と同じく図
8,図9のように,切り込み線間部分Aを突出部付きロ
ール25側の突出部27と円筒状ロール26の外周面と
により局所的にすえ込み加工して,切り込み線間部分A
の幅広げ加工を行う。なお,この場合の第2工程ではフ
ラット曲げ戻しは無関係なので,突出部付きロール25
と円筒状ロール26とは単なる局所すえ込みロールを構
成する(フラット曲げ戻し兼局所すえ込みロールではな
い)。
【0030】上記のかしめ接合方法によれば,第1工程
では切り込み線間部分Aが単にフラットのまま押し込ま
れる。したがって,すえ込み加工は施されず,円弧状に
曲げかつ展延する場合と異なり実質的な幅も広がらな
い。しかし,第2工程では,切り込み線間部分Aの幅方
向中央部近傍が局所的にすえ込み加工され,この局所的
なすえ込み加工により,切り込み線間部分Aの効率的な
幅広げが実現される。これにより,第1工程で円弧状に
曲げかつ展延する場合よりかしめ接合強度は弱いが,用
途によっては十分使用に耐える一定のかしめ接合強度が
得られる。
【0031】
【発明の効果】請求項1の発明によれば,重ね合わされ
た2枚の金属板を押し込み幅広げ方式で接合するに際し
て,ロールを用いて行うととももに,切り込み線間部分
をすえ込み加工する際にこの部分を一旦断面凹形に曲げ
かつ展延し,続いてこの断面凹形の切り込み線間部分を
フラットに曲げ戻すと同時に局所的にすえ込み加工し
て,幅広げされた切り込み線間部分を形成するようにし
たので,ダイス穴側の側壁を拡開可能にする等の複雑な
機構によらずに,簡単かつ能率的にかしめ接合すること
が可能となった。
【0032】この場合,第1工程では切り込み線間部分
を断面凹形に曲げつつ展延(すえ込み加工)するもので
あるから,単にフラットのままですえ込み加工を行う場
合と比較して小さな圧下力で大きな展延量(幅広げ量)
を確保することができる。また,第2工程では切り込み
線間部分を局所的にすえ込み加工するので,過大な圧下
力を必要とせずに,効率的な幅広げが実現される。この
ように第1工程と第2工程の両方で効率的な幅広げが行
われるので,設備を大掛かりなものとせずに,十分なか
しめ接合強度を確保できる。
【0033】また,従来のダイスの側壁を板ばねで形成
する場合と異なり,十分硬度の高い工具材料を使用する
ことができ,可動部がないことと相まって,十分高い耐
久性が得られる。
【0034】請求項3または請求項4によれば,第1工
程では単に切り込み線間部分を押し込むだけであるか
ら,請求項1または3の方法と比べてかしめ接合強度は
若干落ちるが,突き出し刃および受け溝の構造が簡単な
もので済む。
【0035】請求項6によれば,先細り形状部の先端面
に菱形フラット面を持つ突出部で第2工程の局所すえ込
み加工を行うので,切り込み線間部分の幅広げがきわめ
て効率的に行われ,十分高いかしめ接合強度が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1のかしめ接合方法の一実施例における
第1工程を説明するもので,押し込み・曲げ展延用ロー
ルにおける突き出しロールと受けロールとの間を金属板
の重ね合わせ部が通板される状態を示し,同図(イ)は
平面図,同図(ロ)は要部の正面図である。
【図2】同じく第1工程を説明するもので,図1の突き
出しロールと受けロールとが回転して金属板の重ね合わ
せ部に押し込み幅広げ加工を開始する直前の状態を示
し,同図(イ)は平面図,同図(ロ)は要部の正面図で
ある。
【図3】同じく第1工程を説明するもので,図2の突き
出しロールと受けロールとがさらに回転して金属板の重
ね合わせ部に押し込み幅広げ加工を行っている状態を示
し,同図(イ)は平面図,同図(ロ)は要部の正面図で
ある。
【図4】続く第2工程を説明するもので,フラット曲げ
戻し兼局所すえ込みロールにおける突出部付きロールと
円筒状ロールとの間を金属板の重ね合わせ部が通板され
て,第1工程で形成された押し込み・曲げ展延部が曲げ
戻しされかつ局所すえ込み加工される状態を示し,同図
(イ)は平面図,同図(ロ)は要部の正面図である。
【図5】図3(イ)の要部拡大図である。
【図6】図3(ロ)の要部拡大図である。
【図7】図5等における突き出し刃部分の拡大斜視図で
ある。
【図8】図4(ロ)の要部拡大図である。
【図9】図8の突出部付きロールにおける突出部近傍の
拡大斜視図である。
【図10】第1工程の押し込み・曲げ展延用ロールを通
過した後の切り込み線間部分の中間部切断斜視図であ
る。
【図11】第2工程のフラット曲げ戻し兼局所すえ込み
ロールを通過した後の切り込み線間部分の中間部切断斜
視図である。
【図12】本発明における突出部付きロールの突出部形
状についての各種実施例を示すもので,本図の(イ),
(ロ),(ハ)は図9に示した突出部のそれぞれ平面
図,正面図,側面図,本図の(ニ),(ホ),(ヘ)は
他の実施例を示す突出部のそれぞれ平面図,正面図,側
面図,本図の(ト),(チ),(リ)はさらに他の実施
例を示す突出部のそれぞれ平面図,正面図,側面図であ
る。
【図13】請求項3および請求項4の実施例を示すもの
で,押し込み用ロールによる第1工程を説明する正面図
(図6に相当する図)である。
【図14】ロール成形機に上述のかしめ接合装置を配置
した状態を示す側面図である。
【図15】本発明の実施例において加工対象とする成形
品の断面を示す図である。
【図16】本発明により実現しようとするそれ自体は公
知のかしめ接合構造の平面図である。
【図17】図16におけるX−X線断面図である。
【図18】図16におけるY−Y線断面図である。
【図19】従来のかしめ接合装置を示す要部の斜視図で
ある。
【符号の説明】
1,2 金属板 3 切り込み線 A 切り込み線間部分 10 成形品(フラットデッキプレート) 11 重ね合わせ部 14 かしめ接合装置 14A 押し込み・曲げ展延用ロール 14A’ 押し込み用ロール 14B フラット曲げ戻し兼局所すえ込みロール(局所
すえ込みロール) 15,15’ 突き出しロール 16,16’ 受けロール 17,17’ 突き出し刃 17a,17a’ 切断用エッジ 17b,17b’ 先端面 18,18’ 受け溝 18a,18a’ 切断用エッジ 18b,18b’ 底面 25 突出部付きロール 26 円筒状ロール 27,27’,27” 突出部 27a,27a’,27a” 台部 27b,27b’,27b” 先細り形状部 27c 菱形フラット面 g ギャップ t 金属板の板厚
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−76963(JP,A) 特公 昭63−52998(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21D 39/02 B21D 39/03

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重ね合わされた2枚の金属板をかしめ接
    合するかしめ接合方法であって,対向する1対のロール
    の外周にそれぞれ設けた先端面が凹面状の突き出し刃と
    これに対向する底面が凸面状の受け溝とにより,この1
    対のロールの間を通板される重ね合わされた2枚の金属
    板に,ほぼ金属板送り方向と同方向をなす適宜の長さの
    2本の切り込み線を入れると同時に切り込み線間部分を
    板厚2枚分以上押し込み,かつ,切り込み線間部分を前
    記突き出し刃の凹面状の先端面と受け溝の凸面状の底面
    とですえ込み加工して,切り込み線間部分を断面凹形に
    曲げかつ展延する第1工程と,対向する1対のロールの
    一方のロールの外周に設けた,前記切り込み線間部分を
    押圧可能な突出部と,他方のロールの円筒状外周面とに
    より,この1対のロール間を通板される重ね合わされた
    2枚の金属板の前記断面凹形の切り込み線間部分をフラ
    ットに曲げ戻すと同時に,幅方向中央部近傍がその左右
    部分より薄肉化される態様ですえ込み加工する第2工程
    とを有することを特徴とする金属板のかしめ接合方法。
  2. 【請求項2】 重ね合わされた2枚の金属板をかしめ接
    合するかしめ接合装置であって,重ね合わされた2枚の
    金属板を挟んで通板させる,対向する突き出しロールと
    受けロールとの1対からなる押し込み・曲げ展延用ロー
    ルと,この押し込み・曲げ展延用ロールとタンデムに配
    置されて引き続き前記金属板を通板させる,対向する突
    出部付きロールと円筒状ロールとの1対からなるフラッ
    ト曲げ戻し兼局所すえ込み用ロールとからなり,前記突
    き出しロールは,前記重ね合わされた2枚の金属板にほ
    ぼ金属板送り方向をなす適宜の長さの2本の切り込み線
    を入れ切り込み線間部分を板厚2枚分以上押し込む,両
    側縁に切断用エッジを持ち先端面が凹面状をなす突き出
    し刃を外周に備え,前記受けロールは,前記突き出し刃
    の左右の切断用エッジに対応する切断用エッジを持ち,
    かつ突き出し刃の凹面状の先端面との間に板厚2枚分以
    下のギャップを形成する凸面状の底面を持つ受け溝を外
    周に備え,前記突出部付きロールは,前記切り込み線間
    部分を局所的に押圧して,フラットに曲げ戻すと同時
    に,幅方向中央部近傍がその左右部分より薄肉化される
    態様ですえ込み加工する突出部を備えていることを特徴
    とする金属板のかしめ接合装置。
  3. 【請求項3】重ね合わされた2枚の金属板をかしめ接合
    するかしめ接合方法であって,対向する1対のロールの
    外周にそれぞれ設けた先端面がフラットな突き出し刃と
    これに対向する底面がフラットな受け溝とにより,この
    1対のロールの間を通板される重ね合わされた2枚の金
    属板に,ほぼ金属板送り方向をなす適宜の長さの2本の
    切り込み線を入れると同時に切り込み線間部分を板厚2
    枚分以上押し込む第1工程と,対向する1対のロールの
    一方のロールの外周に設けた,前記切り込み線間部分を
    押圧可能な突出部と,他方のロールの円筒状外周面とに
    より,この1対のロール間を通板される重ね合わされた
    2枚の金属板の前記断面凹形の切り込み線間部分を,幅
    方向中央部近傍がその左右部分より薄肉化される態様で
    すえ込み加工する第2工程とを有することを特徴とする
    金属板のかしめ接合方法。
  4. 【請求項4】重ね合わされた2枚の金属板をかしめ接合
    するかしめ接合装置であって,重ね合わされた2枚の金
    属板を挟んで通板させる,対向する突き出しロールと受
    けロールとの1対からなる押し込み用ロールと,この押
    し込み用ロールとタンデムに配置されて引き続き前記金
    属板を通板させる,対向する突出部付きロールと円筒状
    ロールとの1対からなるすえ込み用ロールとからなり,
    前記突き出しロールは,前記重ね合わされた2枚の金属
    板にほぼ金属板送り方向をなす適宜の長さの2本の切り
    込み線を入れ切り込み線間部分を板厚2枚分以上押し込
    む,両側縁に切断用エッジを持ち先端面がフラットな突
    き出し刃を外周に備え,前記受けロールは,前記突き出
    し刃の左右の切断用エッジに対応する切断用エッジを持
    ち,かつ突き出し刃のフラットな先端面との間に板厚2
    枚分以下のギャップを形成するフラットな底面を持つ受
    け溝を外周に備え,前記突出部付きロールは,前記切り
    込み線間部分を局所的に押圧して,幅方向中央部近傍が
    その左右部分より薄肉化される態様ですえ込み加工する
    突出部を備えていることを特徴とする金属板のかしめ接
    合装置。
  5. 【請求項5】 前記突出部付きロールの突出部の形状
    は,ロール外周面から突出した台部の上に,先端側に向
    かって次第に幅狭になる先細り形状部を持つ形状である
    ことを特徴とする請求項2または4記載の金属板のかし
    め接合装置。
  6. 【請求項6】 前記先細り形状部の形状は,先端面に菱
    形のフラット面が形成される形状であることを特徴とす
    る請求項5記載の金属板のかしめ接合装置。
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