JP2766825B2 - インクジェット式印刷装置 - Google Patents

インクジェット式印刷装置

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JP2766825B2 JP21885794A JP21885794A JP2766825B2 JP 2766825 B2 JP2766825 B2 JP 2766825B2 JP 21885794 A JP21885794 A JP 21885794A JP 21885794 A JP21885794 A JP 21885794A JP 2766825 B2 JP2766825 B2 JP 2766825B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物流搬送システム等に
おいて、例えば包装用のダンボール箱の横腹面に製造
元、包装の内容物、その数量などを表示する文字、数
字、その他のマークや記号を印刷するのに利用されるイ
ンクジェット式の印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からこの種の印刷装置は、大別する
と4つのブロックから構成され、その第1のブロックの
ヘッドブロックは、インクジェット式印字ヘッドを装備
しかつ駆動信号補正基板を実装してあり、第2のブロッ
クは、この印字ヘッドにインクを供給するインクタンク
を内蔵してあるインクタンクユニットであり、第3のブ
ロックの入力ターミナルは、印字内容を入力するための
もので、ディスプレイ装置や入力用のキーボードを具備
し、第4のブロックは、印字ヘッドの駆動を制御するコ
ントロールユニットであって、このユニットには、駆動
信号を生成し印字ヘッドを駆動する信号を発生させる駆
動回路基板や、電源回路基板その他の制御回路基板が実
装してある。そして、このコントロールユニットの駆動
回路基板とヘッドブロック内の駆動信号補正回路基板と
は、フラットケーブルを内部に有する蛇腹状パイプのコ
ンジットにより電気的に接続してあり、この駆動回路に
より生成された駆動信号は、印字ヘッドの特性に対応し
てこの駆動信号補正回路基板によって補正されて印字ヘ
ッドに供給され、この印字ヘッドは駆動されるものであ
る。
【0003】そして、従来からヘッドブロックには、図
11及び図12に示すように、外装カバーaが着脱可能
に設けてあり、この外装カバーaを取り外すと、ヘッド
ブロックの内部のインクジェット式印字ヘッドbや駆動
信号補正回路基板など回路部分cやインクチューブdな
どの全体が露出する構成であった。そして、外装カバー
aを取り外す必要がある場合とは、印字ヘッドbの流路
内に気泡が発生または残留し、そのために印字不能とな
った場合であって、その場合にはヘッドベントキャップ
eを開けて、内部のインクをインクタンクユニットの方
から押し出して気泡を除去するものであった。また、外
装カバーaを取り外さないで、通常のポンプを用いてノ
ズルからインクを押し出すこともあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、外装カバー
aを取り外した状態でヘッドベントキャップeを開け、
内部のインクをインクタンクユニットの方から押し出し
て気泡などを除去する場合には、多量のインクが流れ出
し、露出状態になっている回路基板cをインクで汚すと
いう問題があった。また、外装カバーaを取り外さない
でポンプを用いてノズルからインクを押し出す場合に
は、印字ヘッドbと外装カバーaとの隙間からインクが
ヘッドブロック内に入ってしまうため、頻繁に外装カバ
ーaを取り外し、印字ヘッドbを露出させて清掃作業を
する必要があり、この作業時にインクチューブdに触れ
たり、回路基板部分cを汚したりしてこれが故障の原因
ともなっていた。
【0005】そこで本願発明の目的は、回路基板部分を
インクで汚したり、インクチューブに触れたりすること
のない、信頼性の高いインクジェット式印刷装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の印刷装置は、インク供給用のインクチュー
ブを後部に接続したインクジェット式印字ヘッドを装備
し、かつ印字ヘッドの後方には印字ヘッドの駆動信号を
印字ヘッドの特性に対応して補正して印字ヘッドに供給
する駆動信号補正回路基板を少なくとも装備してあるヘ
ッドブロックを有し、このヘッドブロックには、印字ヘ
ッドのみをそのノズル面を除いて覆う前カバーが着脱可
能に設けてあるとともに、少なくとも駆動信号補正回路
基板とインクチューブとを覆う後カバーが固定して設け
てある。
【0007】上記の前カバーと上記の印字ヘッドとの間
には、ノズル面の周囲に位置するパッキン部材が介在し
てあるのが好ましい。
【0008】
【実施例】図面を参照して本発明の一実施例を説明す
る。図1に概略の構成を示しており、ヘッドブロック1
は支持台2により高さ及び進退方向に位置調整可能に支
持してある。即ち、支持台2に縦柱21がハンドル22
によって上下に移動可能に支持してあり、この縦柱に固
定された取付部材23によって横板24が支持してあ
り、ヘッドブロック1は後端部でこの横板の先端に進退
可能かつ回転可能に支持されている。
【0009】横板24の後端部に固定してあるインクタ
ンクブラケット25上に、図示しないインクタンクを内
蔵するインクタンクユニット3が載置され固定してあ
る。
【0010】支持台2の後方に別に設置された固定台4
は、支持柱41の上端に固定してある。この固定台4上
に、図示しない電源回路基板と制御回路基板を内蔵した
コントロールユニット5が固定してある。
【0011】コントロールユニット5上には、入力ター
ミナル6が設けてあり、印刷内容を入力するためのキー
ボード61と、それを表示するためのディスプレイ装置
62が備わっており、コントロールユニット5内の制御
回路基板に接続してある。
【0012】コントロールユニット5とヘッドブロック
1との間を、フラットケーブル内蔵のコンジット7で連
結してあり、インクタンクユニット3とヘッドブロック
1との間を、インクチューブ内蔵のコンジット8で連結
してある。
【0013】図2及び図3はヘッドブロック1の横断面
図及び縦断面図であり、上面開口の箱型のベース板10
内に、柱11によって駆動回路基板12が支持してあ
る。駆動回路基板12は、後述の印字ヘッド16の駆動
信号を生成する回路を含んでいる。コンジット7はコン
ジットコネクタ71を介してヘッドブロック1に連結し
てあり、内部に有するフラットケーブル72の先端は、
ソケット73を介して駆動回路基板12の後端部に接続
してある。駆動回路基板12の先端部には、カードエッ
ジコネクタ13を介して駆動信号補正回路基板14が接
続してある。この駆動信号補正回路基板14には駆動回
路基板12から駆動信号が供給されると共に、駆動回路
基板12からの駆動信号を後述の印字ヘッド16の特性
に対応して補正して後述の印字ヘッド16に供給するも
のである。またコンジットコネクタ81を介して連結し
てあるコンジット8に内蔵されているインクチューブ8
2は、ベース板10の前板10aを貫通してその前方に
至っている。ベース板10の上面開口には後カバー15
が固定して設けてあり、駆動信号補正回路基板14,駆
動回路基板12及びインクチューブ82を覆っている。
【0014】そして、上記のコントロールユニット5に
内蔵してある制御回路基板は、駆動回路基板12と駆動
信号補正回路基板14を介して後述の印字ヘッド16の
駆動を制御するものである。
【0015】ベース板10の前板10aの前面には、イ
ンクジェット式印字ヘッド16が固着してある。インク
ジェット式印字ヘッド16をそのノズル面のみを除いて
覆う前カバー17は、前板10aに止めねじ17aによ
り着脱可能に連結してある。印字ヘッド16の後方に
は、駆動信号補正回路基板14が装備してあり、電気的
に接続してある。また、インクチューブ82の前端部
は、印字ヘッド16の後部に連結してあり、印字ヘッド
の前面に設けてあるノズル部16aにインクを供給可能
である。ノズル部16aは前カバー17の前面17bに
開口する4角形の窓穴17cに嵌合してそのノズル面1
6bが露出されており、かつノズル部16aを僅かにへ
こませてあり(図8参照)、これによりノズル面16b
と前カバーの前面17bとはほぼ同一レベルに保たれて
いる。
【0016】図4に示すように、前カバーの前面17b
には、窓穴17cの対角的位置関係にある2組のコーナ
ー部のうちの1組のコーナー部近傍(右下と左上の角)
に、それぞれ2個の突部17d…が設けてある。この突
部17d…は、包装用のダンボール箱の横腹面である印
刷面に当接し、印刷時に印刷面との間を所定の間隙に保
つためのものである。
【0017】図2,3及び図8に示すように、窓穴17
cとノズル部16aとの間隙部は、ノズル面16bの周
囲に位置するゴムなどのパッキン部材18が介在してあ
り、ノズルから出たインクが外部から内部に浸入するの
を防止している。印字ヘッド16の側部には、インク流
路内にごみや気泡があるなどによりインク詰りを生じた
時などに、強制的にインクを押し出すためのヘッドベン
トキャップ16cが突出している。
【0018】図3乃至図7はヘッドブロック1を横板2
4に進退可能かつ回転可能に支持する手段9を示してい
る。ヘッドブロック1を回転させることによって、印刷
される文字等の高さを設定することができる。図4及び
図5は正面側から、図6及び図7は背面側から見たもの
で、ベース板10の後端部側には、下方へ向かって回転
支え板91,92が突設してあり、ブラケット93が回
転支え板91,92と摺接可能に設けてある。図4,5
に示すように、ノズル部16aにはノズル16d…が横
1列に整列しており、このノズルの最も右端のノズル1
6d1 に対向する背面位置に、図6に示すように、中心
を一致させて回転中心ねじ94が設けてあり、ヘッドブ
ロック1とブラケット93とは、図6,7に示すよう
に、この回転中心ねじ94により回転可能に連結してあ
る。ブラケット93はヘッドブロック1が進退するよう
に横板24に一定の姿勢でスライド可能に係合してあ
り、ヘッドブロック1がブラケット93に対して回転可
能であるとともに、ヘッドブロック1がブラケット93
と共に進退可能である。回転中心ねじ94をノズル16
dの最も右端のノズル16d1 の中心に一致させたこと
で、ノズル16d1 により印刷される文字等の部分(例
えば下辺位置)を常に一定に保ち、その他のノズル16
dにより印刷される文字等の高さが回転角に応じて変化
することになる。
【0019】この回転角を規制する手段として、図4,
5に示す回転支え板91に、ノズル16d1 を中心とす
る円弧状のガイド溝91aが設けてあり、ノズル16d
が水平に整列する状態の時に、ガイド溝91aの左端部
を貫通しかつガイド溝内を摺動可能な固定ねじ91bを
ブラケット93の前面に螺合させている。また、図6,
7に示すブラケット93の背面に、回転中心ねじ94を
中心とする円弧状のガイド溝93aが設けてあり、ノズ
ル16bが水平に整列する状態の時に、ガイド溝93a
の左端部を貫通しかつガイド溝内を摺動可能な固定ねじ
93bを回転支え板92の背面に螺合させている。
【0020】図4と図6は、固定ねじ91b,93bを
ガイド溝91a,93aの左端に位置させて固定した状
態であって、ノズル16d…は水平に整列している。図
5と図7は、固定ねじ91b,93bをガイド溝91
a,93aの中間部に位置させて固定した状態であっ
て、ノズル16d…は左上り傾斜に整列している。この
傾斜角が大きいと、右端部のノズル16dと左端部のノ
ズル16dとの高低差が大きくなるので、高さの高い文
字を印刷でき、傾斜角が小さいと、高さの低い文字を印
刷でき、ノズルが水平に整列するときには、線または点
の印刷となる。
【0021】傾斜角の設定を容易にするために、図6,
7に示すように、ガイド溝93aに沿って目盛95を付
している。大きい目盛によって5mm刻みで文字等の高さ
を設定でき、最大高さ40mmの文字等の印刷が可能であ
る。小さい目盛は小文字等に通常用いられる高さとし
て、8mmと12mmを表示するものである。
【0022】ヘッドブロック1の保守管理に当たり、日
常的な管理としてノズル16dからインクを強制的に押
し出す動作時には、前カバー17を取り外すことなく行
えば良い。ノズル16dから流れ出たインクは、窓穴1
7cとノズル面16bとの間にパッキン部材18が介在
するので、内部に浸入して印字ヘッド16を汚すことが
ない。
【0023】この印刷装置が長期に亘り放置されたり、
何等かの原因で大きな気泡がインク流路内に入ったりし
た場合には、上記の日常的な保守管理からは外れるの
で、止めねじ17aを緩めて前カバー17を取り外し、
印字ヘッド16を露出させる。この状態を図9に示して
あり、前カバー17を取り外しても駆動信号補正回路基
板14やインクチューブ82などは後カバー15に覆わ
れて保護されている。そこでヘッドベントキャップ16
cを開けて多量のインクをノズルから流出させ、印刷装
置の機能を正常化させる。
【0024】次に印刷の動作について説明する。この印
刷装置は、例えばベルトコンベアによって搬送される包
装用のダンボール箱の横腹面に、搬送を停止することな
く搬送しながら印刷するものであるので、前カバー17
の前面17b及びノズル面16bは、印刷面に対して少
なくとも突起17dの高さに等しい間隙をもって対向可
能になっている。
【0025】そこでまず、所望の高さの文字等が印刷で
きるようにヘッドブロック1を回転させる。先に述べた
ように、図4乃至図7の回転中心ねじ94、固定ねじ9
1b,93bを緩め、ヘッドブロック1を回転させて例
えば図7のように文字等の高さ15mmに固定ねじ93b
を合せ、回転中心ねじ94、固定ねじ91b,93bを
再び締める。これによってノズル16dは図5のように
左上がり傾斜に整列して15mmの高さの文字等を印刷可
能になる。
【0026】そこで電源を入れて、入力ターミナル6の
キーボード61によって印字文字を入力し、それをディ
スプレイ装置62に表示する。コントロールユニット5
に内蔵されている制御回路基板によってデータ変換を行
った印字信号は、フラットケーブル72を通ってヘッド
ブロック1の駆動回路基板12に入力される。ここで印
字信号に応じて印字ヘッド16を駆動する図10に示す
ような駆動パルス信号p1 ,p2 又はp1 のみを生成す
る。この駆動信号は、印字ヘッド16の図示しないそれ
ぞれの圧電素子に伝達されるために、駆動回路基板12
からカードエッジコネクタ13を介して駆動信号補正回
路基板14に供給される。そこで与えられた駆動信号を
印字ヘッド16の特性に対応して補正して印字ヘッド1
6に供給し、この信号により圧電素子が駆動され、イン
ク滴がノズル16dから吐出されて、印字タイミングを
合わせて搬送されてくる箱の印刷面に印刷が行われる。
消費されたインクはインクタンクユニット3からインク
チューブ82を通って印字ヘッド16に供給される。
【0027】
【発明の効果】上に説明したように、本発明のインクジ
ェット式印刷装置は、インクジェット式印字ヘッドのみ
をそのノズル面を除いて覆う前カバーが着脱可能に設け
てあり、駆動信号補正回路基板とインクチューブとを覆
う後カバーが固定して設けてあるので、大きな気泡がイ
ンク流路内に入った場合などの多量のインクをノズルか
ら排出する必要を生じた場合に、前カバーを取り外して
も回路基板やインクチューブなどは後カバーに覆われて
露出しないので、基板部分をインクで汚したりインクチ
ューブに触れて故障する原因となったりすることがな
い。また、日常的な保守の際にノズルからインクを流出
させても、ノズル面の周囲にはパッキン部材を介在させ
てあるので、インクが内部へ浸入することがなく、前カ
バーを頻繁に開けて清掃する作業が不要で、常に信頼性
の高い印刷を行うこことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1のヘッドブロックの拡大横断面図である。
【図3】図1のヘッドブロックの拡大縦断面図である。
【図4】図1のヘッドブロックを揺動させる手段を示す
拡大正面図である。
【図5】図1のヘッドブロックを傾斜させた状態の拡大
正面図である。
【図6】図1のヘッドブロックを揺動させる手段を示す
拡大背面図である。
【図7】図1のヘッドブロックを傾斜させた状態の拡大
背面図である。
【図8】印字ヘッドを前カバーで覆った状態を示す一部
拡大断面図である。
【図9】ヘッドブロックの前カバーを取り外した状態を
示す拡大展開斜視図である。
【図10】印字ヘッドの駆動信号の波形図である。
【図11】従来例を示すヘッドブロックの断面図であ
る。
【図12】同上の外装カバーを取り外したり状態を示す
展開斜視図である。
【符号の説明】
1 ヘッドブロック 14 駆動信号補正回路基板 15 後カバー 16 インクジェット式印字ヘッド 16b ノズル面 17 前カバー 82 インクチューブ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク供給用のインクチューブを後部に
    接続したインクジェット式印字ヘッドを装備し、かつ上
    記印字ヘッドの後方には上記印字ヘッドの駆動信号を上
    記印字ヘッドの特性に対応して補正して上記印字ヘッド
    に供給する駆動信号補正回路基板を少なくとも装備して
    あるヘッドブロックを有し、 上記ヘッドブロックには、上記印字ヘッドのみをそのノ
    ズル面を除いて覆う前カバーが着脱可能に設けてあると
    ともに、少なくとも上記駆動信号補正回路基板と上記イ
    ンクチューブとを覆う後カバーが固定して設けてあるこ
    とを特徴とするインクジェット式印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記前カバーと上記
    印字ヘッドとの間には、上記ノズル面の周囲に位置する
    パッキン部材が介在してあることを特徴とするインクジ
    ェット式印刷装置。
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