JP2765446B2 - パイプラインの漏洩検知方法 - Google Patents
パイプラインの漏洩検知方法Info
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- JP2765446B2 JP2765446B2 JP21274193A JP21274193A JP2765446B2 JP 2765446 B2 JP2765446 B2 JP 2765446B2 JP 21274193 A JP21274193 A JP 21274193A JP 21274193 A JP21274193 A JP 21274193A JP 2765446 B2 JP2765446 B2 JP 2765446B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば石油や天然ガス
等の流体を輸送するパイプラインにおいて、特に輸送時
におけるパイプラインからの流体の漏洩を検知する方法
に関するものである。
等の流体を輸送するパイプラインにおいて、特に輸送時
におけるパイプラインからの流体の漏洩を検知する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にパイプラインの漏洩を検知する方
法としては、例えば被輸送体がガスの場合に、ガス成分
を直接センサで感知するガス検知器等を用いる直接的な
検知方法と、パイプラインの流動シミュレーションによ
る計算値と実際の測定値とを比較する間接的な方法に分
類することができる。本発明に関係する後者の方法にお
いては、従来、例えば入口圧力−出口流量のような1種
類の境界条件でシミュレーションを行い、そのシミュレ
ーション計算結果と、圧力計や流量計の実測値との比較
から漏洩を検知していた。
法としては、例えば被輸送体がガスの場合に、ガス成分
を直接センサで感知するガス検知器等を用いる直接的な
検知方法と、パイプラインの流動シミュレーションによ
る計算値と実際の測定値とを比較する間接的な方法に分
類することができる。本発明に関係する後者の方法にお
いては、従来、例えば入口圧力−出口流量のような1種
類の境界条件でシミュレーションを行い、そのシミュレ
ーション計算結果と、圧力計や流量計の実測値との比較
から漏洩を検知していた。
【0003】このような間接的方法の公知文献として
は、例えば“PIPELINE LEAK DETEC
TION 1988,ASME(米国機械学会)PD−
Vol.19,pp.55−60”に記載されたものが
ある。この文献では、パイプラインの入口側に圧力計と
出口側に流量計が設置され、またパイプラインの途中に
複数個の圧力計がそれぞれ所定間隔で設置されたパイプ
ラインの漏洩検知システムにおいて、前記パイプライン
の入口圧力計と出口流量計の計測値を境界条件として、
漏洩が無い場合のパイプライン内の圧力分布をシミュレ
ーションにより算出し、このシミュレーション結果の圧
力算出値と、実際にパイプラインの途中に設置さたれ各
圧力計の測定値に基づく測定圧力分布との差が基準値よ
り大きいか、小さいかにより漏洩の有無を判別する手法
が開示されている。
は、例えば“PIPELINE LEAK DETEC
TION 1988,ASME(米国機械学会)PD−
Vol.19,pp.55−60”に記載されたものが
ある。この文献では、パイプラインの入口側に圧力計と
出口側に流量計が設置され、またパイプラインの途中に
複数個の圧力計がそれぞれ所定間隔で設置されたパイプ
ラインの漏洩検知システムにおいて、前記パイプライン
の入口圧力計と出口流量計の計測値を境界条件として、
漏洩が無い場合のパイプライン内の圧力分布をシミュレ
ーションにより算出し、このシミュレーション結果の圧
力算出値と、実際にパイプラインの途中に設置さたれ各
圧力計の測定値に基づく測定圧力分布との差が基準値よ
り大きいか、小さいかにより漏洩の有無を判別する手法
が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなパイプラインの漏洩検知方法では、パイプライン
の入口又は出口に近い位置で漏洩が発生した場合には、
漏洩の検知が困難であるという問題点があった。図5は
パイプラインの入口近くで漏洩が発生した場合の圧力分
布の説明図であり、横軸はパイプラインの入口から出口
に向けての距離、s0〜s6は圧力計の設定位置、p0
は漏洩位置、縦軸はパイプライン内の圧力をそれぞれ示
す。また同図の実線は、前記入口圧力−出口流量の境界
条件で、無漏洩の場合のシミュレーションを行った結果
に基づく計算圧力分布曲線で、破線は位置p0に漏洩が
発生した場合の各圧力計の測定値に基づく測定圧力分布
曲線である。
ようなパイプラインの漏洩検知方法では、パイプライン
の入口又は出口に近い位置で漏洩が発生した場合には、
漏洩の検知が困難であるという問題点があった。図5は
パイプラインの入口近くで漏洩が発生した場合の圧力分
布の説明図であり、横軸はパイプラインの入口から出口
に向けての距離、s0〜s6は圧力計の設定位置、p0
は漏洩位置、縦軸はパイプライン内の圧力をそれぞれ示
す。また同図の実線は、前記入口圧力−出口流量の境界
条件で、無漏洩の場合のシミュレーションを行った結果
に基づく計算圧力分布曲線で、破線は位置p0に漏洩が
発生した場合の各圧力計の測定値に基づく測定圧力分布
曲線である。
【0005】図5において、漏洩が無い場合を想定して
シミュレーションを行ない算出したパイプラインの各位
置における圧力の算出値(実線)と、実際に漏洩が発生
したときの各圧力計の測定値(破線)との差は小さいの
で、この差によって漏洩発生を判定することは困難であ
る。この場合に、実質的に漏洩検知に有効なデータとし
ては、入口流量の計算値と測定値との差データのみとな
る。同様に、流動シミュレーションの境界条件を入口流
量−出口圧力とした場合は、出口に近い位置での漏洩検
知に有効なデータは出口流量の計算値と測定値との差デ
ータのみとなる。
シミュレーションを行ない算出したパイプラインの各位
置における圧力の算出値(実線)と、実際に漏洩が発生
したときの各圧力計の測定値(破線)との差は小さいの
で、この差によって漏洩発生を判定することは困難であ
る。この場合に、実質的に漏洩検知に有効なデータとし
ては、入口流量の計算値と測定値との差データのみとな
る。同様に、流動シミュレーションの境界条件を入口流
量−出口圧力とした場合は、出口に近い位置での漏洩検
知に有効なデータは出口流量の計算値と測定値との差デ
ータのみとなる。
【0006】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたもので、パイプラインで流体を輸送する場合に、
パイプラインのどの位置で漏洩が発生しても、その漏洩
位置に関係なしに、確実に漏洩を検知できるパイプライ
ンの漏洩検知方法を得ることを目的とする。
されたもので、パイプラインで流体を輸送する場合に、
パイプラインのどの位置で漏洩が発生しても、その漏洩
位置に関係なしに、確実に漏洩を検知できるパイプライ
ンの漏洩検知方法を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本請求項1に係るパイプ
ラインの漏洩検知方法は、流体を輸送するパイプライン
の入口及び出口付近にそれぞれ圧力計と流量計を設置し
てパイプラインの漏洩を検知する方法において、前記パ
イプラインの入口圧力計と出口流量計の計測値を境界条
件として、無漏洩の場合のパイプライン内の圧力分布及
び流量分布をシミュレートする第1の流動シミュレーシ
ョンを行なう工程と、前記パイプラインの入口流量計と
出口圧力計の計測値を境界条件として、無漏洩の場合の
パイプライン内の圧力分布及び流量分布をシミュレート
する第2の流動シミュレーションを、前記第1の流動シ
ミュレーションと同時にまたは交互に行なう工程と、前
記第1の流動シミュレーションの結果得られた第1の圧
力分布または流量分布と、前記第2の流動シミュレーシ
ョンの結果得られた第2の圧力分布または流量分布との
パイプラインの各位置におけるシミュレーション圧力差
またはシミュレーション流量差を算出し、該シミュレー
ション圧力差またはシミュレーション流量差がパイプラ
インの位置に対応してそれぞれ設定されたしきい値を越
えた場合に漏洩が発生したものと判別する漏洩検知工程
とを含むものである。
ラインの漏洩検知方法は、流体を輸送するパイプライン
の入口及び出口付近にそれぞれ圧力計と流量計を設置し
てパイプラインの漏洩を検知する方法において、前記パ
イプラインの入口圧力計と出口流量計の計測値を境界条
件として、無漏洩の場合のパイプライン内の圧力分布及
び流量分布をシミュレートする第1の流動シミュレーシ
ョンを行なう工程と、前記パイプラインの入口流量計と
出口圧力計の計測値を境界条件として、無漏洩の場合の
パイプライン内の圧力分布及び流量分布をシミュレート
する第2の流動シミュレーションを、前記第1の流動シ
ミュレーションと同時にまたは交互に行なう工程と、前
記第1の流動シミュレーションの結果得られた第1の圧
力分布または流量分布と、前記第2の流動シミュレーシ
ョンの結果得られた第2の圧力分布または流量分布との
パイプラインの各位置におけるシミュレーション圧力差
またはシミュレーション流量差を算出し、該シミュレー
ション圧力差またはシミュレーション流量差がパイプラ
インの位置に対応してそれぞれ設定されたしきい値を越
えた場合に漏洩が発生したものと判別する漏洩検知工程
とを含むものである。
【0008】本請求項2に係るパイプラインの漏洩検知
方法は、流体を輸送するパイプラインの入口及び出口付
近にそれぞれ圧力計と流量計を設置し、またパイプライ
ンの途中にそれぞれ所定間隔で複数の圧力計または流量
計を設置してパイプラインの漏洩を検知する方法におい
て、前記パイプラインの入口圧力計と出口流量計の計測
値を境界条件として、無漏洩の場合のパイプライン内の
圧力分布及び流量分布をシミュレートする第1の流動シ
ミュレーションを行なう工程と、前記パイプラインの入
口流量計と出口圧力計の計測値を境界条件として、無漏
洩の場合のパイプライン内の圧力分布及び流量分布をシ
ミュレートする第2の流動シミュレーションを、前記第
1の流動シミュレーションと同時にまたは交互に行なう
工程と、前記第1の流動シミュレーションの結果得られ
た第1の圧力分布または流量分布と、前記第2の流動シ
ミュレーションの結果得られた第2の圧力分布または流
量分布とのパイプラインの各位置におけるシミュレーシ
ョン圧力平均値またはシミュレーション流量平均値を算
出するシミュレーション平均値算出工程と、前記パイプ
ラインの各位置において算出されたシミュレーション圧
力平均値またはシミュレーション流量平均値と、前記パ
イプラインの途中にそれぞれ所定間隔で設置された複数
の圧力計または流量計の測定値に基づく測定圧力分布ま
たは測定流量分布とのパイプラインの各位置における圧
力差または流量差を算出し、該圧力差または流量差がパ
イプラインの位置に対応してそれぞれ設定されたしきい
値を越えた場合に漏洩が発生したものと判別する漏洩検
知工程とを含むものである。
方法は、流体を輸送するパイプラインの入口及び出口付
近にそれぞれ圧力計と流量計を設置し、またパイプライ
ンの途中にそれぞれ所定間隔で複数の圧力計または流量
計を設置してパイプラインの漏洩を検知する方法におい
て、前記パイプラインの入口圧力計と出口流量計の計測
値を境界条件として、無漏洩の場合のパイプライン内の
圧力分布及び流量分布をシミュレートする第1の流動シ
ミュレーションを行なう工程と、前記パイプラインの入
口流量計と出口圧力計の計測値を境界条件として、無漏
洩の場合のパイプライン内の圧力分布及び流量分布をシ
ミュレートする第2の流動シミュレーションを、前記第
1の流動シミュレーションと同時にまたは交互に行なう
工程と、前記第1の流動シミュレーションの結果得られ
た第1の圧力分布または流量分布と、前記第2の流動シ
ミュレーションの結果得られた第2の圧力分布または流
量分布とのパイプラインの各位置におけるシミュレーシ
ョン圧力平均値またはシミュレーション流量平均値を算
出するシミュレーション平均値算出工程と、前記パイプ
ラインの各位置において算出されたシミュレーション圧
力平均値またはシミュレーション流量平均値と、前記パ
イプラインの途中にそれぞれ所定間隔で設置された複数
の圧力計または流量計の測定値に基づく測定圧力分布ま
たは測定流量分布とのパイプラインの各位置における圧
力差または流量差を算出し、該圧力差または流量差がパ
イプラインの位置に対応してそれぞれ設定されたしきい
値を越えた場合に漏洩が発生したものと判別する漏洩検
知工程とを含むものである。
【0009】本請求項3に係るパイプラインの漏洩検知
方法は、前記請求項2に係る漏洩検知工程が漏洩が発生
したものと判別した場合に、前記圧力差または流量差が
パイプライン内で最大の値となる位置を算出して、該算
出位置を漏洩発生位置と推定する漏洩位置推定工程を前
記請求項2に係るパイプラインの漏洩検知方法に付加し
たものである。
方法は、前記請求項2に係る漏洩検知工程が漏洩が発生
したものと判別した場合に、前記圧力差または流量差が
パイプライン内で最大の値となる位置を算出して、該算
出位置を漏洩発生位置と推定する漏洩位置推定工程を前
記請求項2に係るパイプラインの漏洩検知方法に付加し
たものである。
【0010】
【作用】本請求項1に係る発明においては、流体を輸送
するパイプラインの入口及び出口付近にそれぞれ圧力計
と流量計を設置してパイプラインの漏洩を検知する方法
において、第1の流動シミュレーションを行なう工程に
より、前記パイプラインの入口圧力計と出口流量計の計
測値を境界条件として、無漏洩の場合のパイプライン内
の圧力分布及び流量分布をシミュレートする。また前記
第1の流動シミュレーションと同時にまたは交互に、第
2の流動シミュレーションを行なう工程により、前記パ
イプラインの入口流量計と出口圧力計の計測値を境界条
件として、無漏洩の場合のパイプライン内の圧力分布及
び流量分布をシミュレートする。そして漏洩検知工程に
より、前記第1の流動シミュレーションの結果得られた
第1の圧力分布または流量分布と、前記第2の流動シミ
ュレーションの結果得られた第2の圧力分布または流量
分布とのパイプラインの各位置におけるシミュレーショ
ン圧力差またはシミュレーション流量差を算出し、該シ
ミュレーション圧力差またはシミュレーション流量差が
パイプラインの位置に対応してそれぞれ設定されたしき
い値を越えた場合に漏洩が発生したものと判別する。
するパイプラインの入口及び出口付近にそれぞれ圧力計
と流量計を設置してパイプラインの漏洩を検知する方法
において、第1の流動シミュレーションを行なう工程に
より、前記パイプラインの入口圧力計と出口流量計の計
測値を境界条件として、無漏洩の場合のパイプライン内
の圧力分布及び流量分布をシミュレートする。また前記
第1の流動シミュレーションと同時にまたは交互に、第
2の流動シミュレーションを行なう工程により、前記パ
イプラインの入口流量計と出口圧力計の計測値を境界条
件として、無漏洩の場合のパイプライン内の圧力分布及
び流量分布をシミュレートする。そして漏洩検知工程に
より、前記第1の流動シミュレーションの結果得られた
第1の圧力分布または流量分布と、前記第2の流動シミ
ュレーションの結果得られた第2の圧力分布または流量
分布とのパイプラインの各位置におけるシミュレーショ
ン圧力差またはシミュレーション流量差を算出し、該シ
ミュレーション圧力差またはシミュレーション流量差が
パイプラインの位置に対応してそれぞれ設定されたしき
い値を越えた場合に漏洩が発生したものと判別する。
【0011】本請求項2に係る発明においては、流体を
輸送するパイプラインの入口及び出口付近にそれぞれ圧
力計と流量計を設置し、またパイプラインの途中にそれ
ぞれ所定間隔で複数の圧力計または流量計を設置してパ
イプラインの漏洩を検知する方法において、第1の流動
シミュレーションを行なう工程により、前記パイプライ
ンの入口圧力計と出口流量計の計測値を境界条件とし
て、無漏洩の場合のパイプライン内の圧力分布及び流量
分布をシミュレートする。また前記第1の流動シミュレ
ーションと同時にまたは交互に、第2の流動シミュレー
ションを行なう工程により、前記パイプラインの入口流
量計と出口圧力計の測定値を境界条件として、無漏洩の
場合のパイプライン内の圧力分布及び流量分布をシミュ
レートする。そしてシミュレーション平均値算出工程に
より、前記第1の流動シミュレーションの結果得られた
第1の圧力分布または流量分布と、前記第2の流動シミ
ュレーションの結果得られた第2の圧力分布または流量
分布とのパイプラインの各位置におけるシミュレーショ
ン圧力平均値またはシミュレーション流量平均値を算出
し、漏洩検知工程により、前記パイプラインの各位置に
おいて算出されたシミュレーション圧力平均値またはシ
ミュレーション流量平均値と、前記パイプラインの途中
にそれぞれ所定間隔で設置された複数の圧力計または流
量計の測定値に基づく測定圧力分布または測定流量分布
とのパイプラインの各位置における圧力差または流量差
を算出し、該圧力差または流量差がパイプラインの位置
に対応してそれぞれ設定されたしきい値を越えた場合に
漏洩が発生したものと判別する。
輸送するパイプラインの入口及び出口付近にそれぞれ圧
力計と流量計を設置し、またパイプラインの途中にそれ
ぞれ所定間隔で複数の圧力計または流量計を設置してパ
イプラインの漏洩を検知する方法において、第1の流動
シミュレーションを行なう工程により、前記パイプライ
ンの入口圧力計と出口流量計の計測値を境界条件とし
て、無漏洩の場合のパイプライン内の圧力分布及び流量
分布をシミュレートする。また前記第1の流動シミュレ
ーションと同時にまたは交互に、第2の流動シミュレー
ションを行なう工程により、前記パイプラインの入口流
量計と出口圧力計の測定値を境界条件として、無漏洩の
場合のパイプライン内の圧力分布及び流量分布をシミュ
レートする。そしてシミュレーション平均値算出工程に
より、前記第1の流動シミュレーションの結果得られた
第1の圧力分布または流量分布と、前記第2の流動シミ
ュレーションの結果得られた第2の圧力分布または流量
分布とのパイプラインの各位置におけるシミュレーショ
ン圧力平均値またはシミュレーション流量平均値を算出
し、漏洩検知工程により、前記パイプラインの各位置に
おいて算出されたシミュレーション圧力平均値またはシ
ミュレーション流量平均値と、前記パイプラインの途中
にそれぞれ所定間隔で設置された複数の圧力計または流
量計の測定値に基づく測定圧力分布または測定流量分布
とのパイプラインの各位置における圧力差または流量差
を算出し、該圧力差または流量差がパイプラインの位置
に対応してそれぞれ設定されたしきい値を越えた場合に
漏洩が発生したものと判別する。
【0012】本請求項3に係る発明においては、前記請
求項2に係る発明に付加された漏洩位置推定工程によ
り、前記請求項2に係る漏洩検知工程が漏洩が発生した
ものと判別した場合に、前記圧力差または流量差がパイ
プライン内で最大の値となる位置を算出して、該算出位
置を漏洩発生位置と推定する。
求項2に係る発明に付加された漏洩位置推定工程によ
り、前記請求項2に係る漏洩検知工程が漏洩が発生した
ものと判別した場合に、前記圧力差または流量差がパイ
プライン内で最大の値となる位置を算出して、該算出位
置を漏洩発生位置と推定する。
【0013】
【実施例】図3は本発明の一実施例による圧力計と流量
計を設置したパイプラインの例を示す概念図である。図
3において、1は例えば天然ガス等の流体を輸送するた
めに配設されたパイプラインであり、その入口2付近に
は圧力計10と流量計20が、出口3付近には圧力計1
6と流量計26が設置されている。また、パイプライン
1の途中には、それぞれ所定間隔で圧力計11〜15が
設置されている。そして圧力計10〜16及び流量計2
0,26の各出力信号は、この図では省略されている
が、テレメータリング装置等を通じて同一のコンピュー
タに取り込まれている。
計を設置したパイプラインの例を示す概念図である。図
3において、1は例えば天然ガス等の流体を輸送するた
めに配設されたパイプラインであり、その入口2付近に
は圧力計10と流量計20が、出口3付近には圧力計1
6と流量計26が設置されている。また、パイプライン
1の途中には、それぞれ所定間隔で圧力計11〜15が
設置されている。そして圧力計10〜16及び流量計2
0,26の各出力信号は、この図では省略されている
が、テレメータリング装置等を通じて同一のコンピュー
タに取り込まれている。
【0014】図4は無漏洩の場合のガスパイプラインの
圧力分布の一例を示す図である。図4において、横軸は
パイプライン1の入口2から出口3に向けての距離、s
0〜s6は圧力計10〜16の設定位置、縦軸はパイプ
ライン1の内圧、a0は圧力計10〜16の各測定値に
基づいた測定圧力分布を表す曲線である。この測定圧力
分布曲線a0により、パイプライン1に漏洩が無い場合
おける圧力は、入口の高圧側から出口の低圧側の間で滑
らかに湾曲する曲線を描くことが把握できる。また無漏
洩の場合の流動シミュレーションが正確に計算されれ
ば、その境界条件の採り方に関係なく、シミュレーショ
ンにより計算されるパイプライン内の計算圧力分布は、
パイプラインに実際に設置された各圧力計の測定値に基
づく測定圧力分布a0と誤差範囲内で一致する計算結果
を得ることができる。
圧力分布の一例を示す図である。図4において、横軸は
パイプライン1の入口2から出口3に向けての距離、s
0〜s6は圧力計10〜16の設定位置、縦軸はパイプ
ライン1の内圧、a0は圧力計10〜16の各測定値に
基づいた測定圧力分布を表す曲線である。この測定圧力
分布曲線a0により、パイプライン1に漏洩が無い場合
おける圧力は、入口の高圧側から出口の低圧側の間で滑
らかに湾曲する曲線を描くことが把握できる。また無漏
洩の場合の流動シミュレーションが正確に計算されれ
ば、その境界条件の採り方に関係なく、シミュレーショ
ンにより計算されるパイプライン内の計算圧力分布は、
パイプラインに実際に設置された各圧力計の測定値に基
づく測定圧力分布a0と誤差範囲内で一致する計算結果
を得ることができる。
【0015】図1は本発明の第1の実施例を示すパイプ
ラインの漏洩検知方法の説明図であり、同図の(a)は
パイプラインの入口に近い位置p1で、また同図の
(b)はパイプラインの出口に近いp2で、それぞれ漏
洩が発生した場合の計算及び測定に基づく圧力分布を示
している。図1により本発明の第1の実施例を説明す
る。図1の(a)において、破線のa1はパイプライン
の入口に近い位置p1で漏洩が発生している場合の、圧
力計10〜16の各測定値に基づいた測定圧力分布を表
す曲線である。このとき、入口圧力計10と出口流量計
26の各測定値を境界条件とする無漏洩の場合の流動シ
ミュレーション(以下第1の流動シミュレーションとい
う)により計算された計算圧力分布は実線のb1のよう
になる。一方、入口流量計20と出口圧力計16の各測
定値を境界条件とする無漏洩の場合の流動シミュレーシ
ョン(以下第2の流動シミュレーションという)により
計算された計算圧力分布は実線のc1のようになる。こ
の例の場合、計算圧力分布b1と測定圧力分布a1の差
は小さいが、代わりに、計算圧力分布c1と測定圧力分
布a1の差は大きくなっている。
ラインの漏洩検知方法の説明図であり、同図の(a)は
パイプラインの入口に近い位置p1で、また同図の
(b)はパイプラインの出口に近いp2で、それぞれ漏
洩が発生した場合の計算及び測定に基づく圧力分布を示
している。図1により本発明の第1の実施例を説明す
る。図1の(a)において、破線のa1はパイプライン
の入口に近い位置p1で漏洩が発生している場合の、圧
力計10〜16の各測定値に基づいた測定圧力分布を表
す曲線である。このとき、入口圧力計10と出口流量計
26の各測定値を境界条件とする無漏洩の場合の流動シ
ミュレーション(以下第1の流動シミュレーションとい
う)により計算された計算圧力分布は実線のb1のよう
になる。一方、入口流量計20と出口圧力計16の各測
定値を境界条件とする無漏洩の場合の流動シミュレーシ
ョン(以下第2の流動シミュレーションという)により
計算された計算圧力分布は実線のc1のようになる。こ
の例の場合、計算圧力分布b1と測定圧力分布a1の差
は小さいが、代わりに、計算圧力分布c1と測定圧力分
布a1の差は大きくなっている。
【0016】図1の(b)は、パイプライン1の出口に
近い位置p2で漏洩が発生した場合に、圧力計10〜1
6の各測定値に基づく測定圧力分布を破線のa2、前記
第1の流動シミュレーションに基づく計算圧力分布を実
線のb2、前記第2の流動シミュレーションに基づく計
算圧力分布を実線のc2としてそれぞれ示している。従
って図1の(b)のa2,b2,c2は、それぞれ図1
の(a)のa1,b1,c1に対応している。この例の
場合は、前記漏洩位置がp1の場合とは逆に、計算圧力
分布b2と測定圧力分布a2の差は大きく、計算圧力分
布c2と測定圧力分布a2の差は小さくなっている。
近い位置p2で漏洩が発生した場合に、圧力計10〜1
6の各測定値に基づく測定圧力分布を破線のa2、前記
第1の流動シミュレーションに基づく計算圧力分布を実
線のb2、前記第2の流動シミュレーションに基づく計
算圧力分布を実線のc2としてそれぞれ示している。従
って図1の(b)のa2,b2,c2は、それぞれ図1
の(a)のa1,b1,c1に対応している。この例の
場合は、前記漏洩位置がp1の場合とは逆に、計算圧力
分布b2と測定圧力分布a2の差は大きく、計算圧力分
布c2と測定圧力分布a2の差は小さくなっている。
【0017】そこで、前記2つの流動シミュレーション
のうちのいずれか一方のみを行って、その計算圧力分布
を実際の測定圧力分布と比較する従来方法に代えて、本
発明においては、前記境界条件の異なる2種類の流動シ
ミュレーションを、同時にまたは交互に行なって、前記
2つの流動シミュレーションの結果として得られた2つ
の計算圧力分布の間のパイプラインの各位置における圧
力差(シミュレーション圧力差)を求める。そして、パ
イプラインの位置に対応してそれぞれ設定されたしきい
値と前記シミュレーション圧力差とを比較し、シミュレ
ーション圧力差がしきい値を越えた場合に、漏洩が発生
したものとして検知する。ここで前記しきい値は、パイ
プラインの位置に対応してそれぞれ値の異なる複数のし
きい値を設定するようにしているが、これは前記シミュ
レーション圧力差がパイプラインの漏洩位置により異な
ること及びパイプライン内の圧力変動も入口と出口の間
の位置によって異なっているので、これに対応して設定
するためである。即ち圧力変動の大きい位置では、しき
い値をやや大きな値に設定しているので、圧力変動を誤
って漏洩発生として検知することはない。
のうちのいずれか一方のみを行って、その計算圧力分布
を実際の測定圧力分布と比較する従来方法に代えて、本
発明においては、前記境界条件の異なる2種類の流動シ
ミュレーションを、同時にまたは交互に行なって、前記
2つの流動シミュレーションの結果として得られた2つ
の計算圧力分布の間のパイプラインの各位置における圧
力差(シミュレーション圧力差)を求める。そして、パ
イプラインの位置に対応してそれぞれ設定されたしきい
値と前記シミュレーション圧力差とを比較し、シミュレ
ーション圧力差がしきい値を越えた場合に、漏洩が発生
したものとして検知する。ここで前記しきい値は、パイ
プラインの位置に対応してそれぞれ値の異なる複数のし
きい値を設定するようにしているが、これは前記シミュ
レーション圧力差がパイプラインの漏洩位置により異な
ること及びパイプライン内の圧力変動も入口と出口の間
の位置によって異なっているので、これに対応して設定
するためである。即ち圧力変動の大きい位置では、しき
い値をやや大きな値に設定しているので、圧力変動を誤
って漏洩発生として検知することはない。
【0018】本発明は上記の漏洩検知方法により、従来
方法における圧力の計算値と測定値の差よりも、大きな
シミュレーション圧力差を用いて漏洩を検知するので、
パイプラインのどの位置に漏洩が発生しても、ほぼ同一
の精度で検知が可能となり、従来よりも漏洩検知能力が
向上した。さらにこの方法によれば、パイプラインの途
中の圧力測定値を使用しなくともよいので、パイプライ
ン1の途中に圧力計11〜15を設置しなくとも、入口
側と出口側にそれぞれ圧力計と流量計を設置するのみ
で、漏洩検知を行うことができる。従って計測設備費が
少くてすむという利点もある。
方法における圧力の計算値と測定値の差よりも、大きな
シミュレーション圧力差を用いて漏洩を検知するので、
パイプラインのどの位置に漏洩が発生しても、ほぼ同一
の精度で検知が可能となり、従来よりも漏洩検知能力が
向上した。さらにこの方法によれば、パイプラインの途
中の圧力測定値を使用しなくともよいので、パイプライ
ン1の途中に圧力計11〜15を設置しなくとも、入口
側と出口側にそれぞれ圧力計と流量計を設置するのみ
で、漏洩検知を行うことができる。従って計測設備費が
少くてすむという利点もある。
【0019】図2は本発明の第2の実施例を示すパイプ
ラインの漏洩検知方法及び漏洩位置推定方法の説明図で
あり、同図により本発明の第2の実施例を説明する。図
2の(a)はパイプライン1の途中の位置p3で漏洩が
発生した場合の計算及び測定に基づく圧力分布を示して
いる。同図において、a3は圧力計10〜16の各測定
値に基づく測定圧力分布、b3は前記第1のシミュレー
ションに基づく計算圧力分布、c3は前記第2の流動シ
ミュレーションに基づく計算圧力分布をそれぞれ示して
おり、それぞれ図1の(a)のa1,b1,c1に対応
している。ここで前記2つの流動シミュレーションに基
づく計算圧力分布b3とc3のパイプラインの各位置に
おける圧力の平均値(シミュレーション圧力の平均値)
を求めると、図の一点鎖線で示す曲線d3を得る。本発
明ではこのd3を、計算平均圧力分布またはシミュレー
ション平均圧力分布という。
ラインの漏洩検知方法及び漏洩位置推定方法の説明図で
あり、同図により本発明の第2の実施例を説明する。図
2の(a)はパイプライン1の途中の位置p3で漏洩が
発生した場合の計算及び測定に基づく圧力分布を示して
いる。同図において、a3は圧力計10〜16の各測定
値に基づく測定圧力分布、b3は前記第1のシミュレー
ションに基づく計算圧力分布、c3は前記第2の流動シ
ミュレーションに基づく計算圧力分布をそれぞれ示して
おり、それぞれ図1の(a)のa1,b1,c1に対応
している。ここで前記2つの流動シミュレーションに基
づく計算圧力分布b3とc3のパイプラインの各位置に
おける圧力の平均値(シミュレーション圧力の平均値)
を求めると、図の一点鎖線で示す曲線d3を得る。本発
明ではこのd3を、計算平均圧力分布またはシミュレー
ション平均圧力分布という。
【0020】図2の(b)により、第2の実施例の漏洩
検知方法及び漏洩位置推定方法を説明する。同図におい
て、破線の曲線e3は、前記シミュレーション平均圧力
分布d3と各圧力計の測定値に基づく測定圧力分布a3
との圧力差を、パイプライン1の入口から出口に向けて
の距離に対して描いたものである。そして上記手順によ
って得られた前記圧力差を示す曲線e3と、漏洩判定の
ためパイプラインの位置に対応してそれぞれ設定された
しきい値とをパイプラインの位置毎に比較し、曲線e3
のいずれかの部分が前記しきい値を越えた場合に、漏洩
が発生したものと判別することができる。図2の(b)
の例では、曲線e3は、位置s2とs3の間に設定され
たしきい値を示す直線f3を越えているので、漏洩が発
生したものと判別される。
検知方法及び漏洩位置推定方法を説明する。同図におい
て、破線の曲線e3は、前記シミュレーション平均圧力
分布d3と各圧力計の測定値に基づく測定圧力分布a3
との圧力差を、パイプライン1の入口から出口に向けて
の距離に対して描いたものである。そして上記手順によ
って得られた前記圧力差を示す曲線e3と、漏洩判定の
ためパイプラインの位置に対応してそれぞれ設定された
しきい値とをパイプラインの位置毎に比較し、曲線e3
のいずれかの部分が前記しきい値を越えた場合に、漏洩
が発生したものと判別することができる。図2の(b)
の例では、曲線e3は、位置s2とs3の間に設定され
たしきい値を示す直線f3を越えているので、漏洩が発
生したものと判別される。
【0021】ここで前記しきい値は、パイプラインの位
置に対応してそれぞれ値の異なる複数のしきい値を設定
するようにしているが、これはパイプラインに沿って設
置される圧力計10〜16には異なる機種の計器が混在
する場合があり、この場合には機種により応答速度や計
測精度等が異なること、及びパイプライン内の圧力変動
も入口と出口の間の位置によって異なっているので、こ
れらに対応して設定するためである。その結果、圧力変
動の大きい位置においても、圧力変動を誤って漏洩発生
として検知することはない。
置に対応してそれぞれ値の異なる複数のしきい値を設定
するようにしているが、これはパイプラインに沿って設
置される圧力計10〜16には異なる機種の計器が混在
する場合があり、この場合には機種により応答速度や計
測精度等が異なること、及びパイプライン内の圧力変動
も入口と出口の間の位置によって異なっているので、こ
れらに対応して設定するためである。その結果、圧力変
動の大きい位置においても、圧力変動を誤って漏洩発生
として検知することはない。
【0022】次に前記圧力差を示す曲線e3の形状と漏
洩発生位置p3との関係を考察すると、曲線e3は漏洩
発生位置p3において最大値を有する山形となることが
わかる。従って前記手順によって曲線e3を算出した後
に、パイプライン内で曲線e3の値が最大値となる位置
を算出して、この算出位置を漏洩発生位置として推定す
ることができる。なお、圧力測定位置s0〜s6は、所
定間隔毎に設定された離散位置であるので、曲線e3も
離散的にしか求まらないが、この曲線上の限られた点か
ら通常の補間手法を用いて曲線の最大値の位置を求める
ことは容易に可能である。
洩発生位置p3との関係を考察すると、曲線e3は漏洩
発生位置p3において最大値を有する山形となることが
わかる。従って前記手順によって曲線e3を算出した後
に、パイプライン内で曲線e3の値が最大値となる位置
を算出して、この算出位置を漏洩発生位置として推定す
ることができる。なお、圧力測定位置s0〜s6は、所
定間隔毎に設定された離散位置であるので、曲線e3も
離散的にしか求まらないが、この曲線上の限られた点か
ら通常の補間手法を用いて曲線の最大値の位置を求める
ことは容易に可能である。
【0023】なお前記第1及び第2の流動シミュレーシ
ョンにおいては、入口及び出口計測値の境界条件に基づ
き、無漏洩の場合のパイプライン内の圧力分布のみを算
出するように説明したが、これは通常パイプラインの途
中に複数個設置される計器は圧力計の場合が多いので、
この圧力計の測定値とシミュレーション値との比較がで
きるという説明上の都合である。実際にパイプライン内
の圧力分布を算出する過程では、当然に流量分布も算出
されることになる。また輸送する流体が気体の場合に
は、その圧縮性のため、無漏洩の場合でも、入口流量と
出口流量とは等しくないとか、時間遅れがある等の現象
を伴うので、この場合にはパイプライン内の流量分布は
重要な意味をもつ。
ョンにおいては、入口及び出口計測値の境界条件に基づ
き、無漏洩の場合のパイプライン内の圧力分布のみを算
出するように説明したが、これは通常パイプラインの途
中に複数個設置される計器は圧力計の場合が多いので、
この圧力計の測定値とシミュレーション値との比較がで
きるという説明上の都合である。実際にパイプライン内
の圧力分布を算出する過程では、当然に流量分布も算出
されることになる。また輸送する流体が気体の場合に
は、その圧縮性のため、無漏洩の場合でも、入口流量と
出口流量とは等しくないとか、時間遅れがある等の現象
を伴うので、この場合にはパイプライン内の流量分布は
重要な意味をもつ。
【0024】従って図1で説明した第1の実施例におい
て、シミュレーション圧力差に代えてシミュレーション
流量差をしきい値と比較して漏洩検知を行なうようにし
てもよい。またパイプラインの途中に、前記複数の圧力
計に代えて複数の流量計が設置されるか、または複数の
圧力計と共に、複数の流量計が設置される場合には、図
2で説明した第2の実施例において、圧力差e3に代え
て流量差を流量しきい値と比較して漏洩検知を行なうよ
うにしてもよく、さらに、圧力差e3と圧力しきい値と
の比較と、流量差と流量しきい値との比較を共に行な
い、両方の判別結果が共に漏洩発生を示す場合に、はじ
めて漏洩検知を行ない誤動作を防止するようにしてもよ
い。
て、シミュレーション圧力差に代えてシミュレーション
流量差をしきい値と比較して漏洩検知を行なうようにし
てもよい。またパイプラインの途中に、前記複数の圧力
計に代えて複数の流量計が設置されるか、または複数の
圧力計と共に、複数の流量計が設置される場合には、図
2で説明した第2の実施例において、圧力差e3に代え
て流量差を流量しきい値と比較して漏洩検知を行なうよ
うにしてもよく、さらに、圧力差e3と圧力しきい値と
の比較と、流量差と流量しきい値との比較を共に行な
い、両方の判別結果が共に漏洩発生を示す場合に、はじ
めて漏洩検知を行ない誤動作を防止するようにしてもよ
い。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、流体を輸
送するパイプラインの入口及び出口付近にそれぞれ圧力
計と流量計を設置して、パイプラインの漏洩を検知する
方法において、前記パイプラインの入口圧力計と出口流
量計の計測値を境界条件とする第1の流動シミュレーシ
ョン、及びパイプラインの入口流量計と出口圧力計の計
測値を境界条件とする第2の流動シミュレーションを行
ない、それぞれ無漏洩の場合のパイプライン内の圧力分
布及び流量分布を算出し、この算出された2つの圧力分
布または流量分布の差をパイプラインの位置に対応した
しきい値と比較して漏洩を検知するようにしたので、パ
イプラインの途中に圧力計や流量計を設置しなくとも、
パイプラインのいずれの位置の漏洩も、その位置には関
係なく、ほぼ同一精度で漏洩検知が可能となり、従来よ
りも漏洩検知能力が向上した。
送するパイプラインの入口及び出口付近にそれぞれ圧力
計と流量計を設置して、パイプラインの漏洩を検知する
方法において、前記パイプラインの入口圧力計と出口流
量計の計測値を境界条件とする第1の流動シミュレーシ
ョン、及びパイプラインの入口流量計と出口圧力計の計
測値を境界条件とする第2の流動シミュレーションを行
ない、それぞれ無漏洩の場合のパイプライン内の圧力分
布及び流量分布を算出し、この算出された2つの圧力分
布または流量分布の差をパイプラインの位置に対応した
しきい値と比較して漏洩を検知するようにしたので、パ
イプラインの途中に圧力計や流量計を設置しなくとも、
パイプラインのいずれの位置の漏洩も、その位置には関
係なく、ほぼ同一精度で漏洩検知が可能となり、従来よ
りも漏洩検知能力が向上した。
【0026】また本発明によれば、流体を輸送するパイ
プラインの入口及び出口付近にそれぞれ圧力計と流量計
を設置し、またパイプラインの途中にそれぞれ所定間隔
で複数の圧力計または流量計を設置してパイプラインの
漏洩を検知する方法において、前記第1の流動シミュレ
ーション及び第2の流動シミュレーションを行ない、そ
の結果得られるパイプライン内における2つの圧力分布
間の平均値と実際の計測値に基づく測定圧力との圧力
差、またはパイプライン内における2つの流量分布間の
流量平均値と実際の計測値に基づく測定流量との流量差
を算出し、この圧力差と圧力しきい値と比較するか、ま
たは流量差と流量しきい値と比較して漏洩を検知するよ
うにしたので、パイプラインのどの場所で漏洩が発生し
ても、確実に漏洩を検知できると共に、前記圧力差また
は流量差が最大値となる位置を求めることにより漏洩発
生位置を推定することができる。
プラインの入口及び出口付近にそれぞれ圧力計と流量計
を設置し、またパイプラインの途中にそれぞれ所定間隔
で複数の圧力計または流量計を設置してパイプラインの
漏洩を検知する方法において、前記第1の流動シミュレ
ーション及び第2の流動シミュレーションを行ない、そ
の結果得られるパイプライン内における2つの圧力分布
間の平均値と実際の計測値に基づく測定圧力との圧力
差、またはパイプライン内における2つの流量分布間の
流量平均値と実際の計測値に基づく測定流量との流量差
を算出し、この圧力差と圧力しきい値と比較するか、ま
たは流量差と流量しきい値と比較して漏洩を検知するよ
うにしたので、パイプラインのどの場所で漏洩が発生し
ても、確実に漏洩を検知できると共に、前記圧力差また
は流量差が最大値となる位置を求めることにより漏洩発
生位置を推定することができる。
【図1】本発明の第1の実施例を示すパイプラインの漏
洩検知方法の説明図である。
洩検知方法の説明図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示すパイプラインの漏
洩検知方法及び漏洩位置推定方法の説明図である。
洩検知方法及び漏洩位置推定方法の説明図である。
【図3】本発明の一実施例による圧力計と流量計を設置
したパイプラインの例を示す概念図である。
したパイプラインの例を示す概念図である。
【図4】無漏洩の場合のガスパイプラインの圧力分布の
一例を示す図である。
一例を示す図である。
【図5】パイプラインの入口近くで漏洩が発生した場合
の圧力分布の説明図である。
の圧力分布の説明図である。
1 パイプライン 2 パイプラインの入口 3 パイプラインの出口 10〜16 圧力計 20,26 流量計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 嘉章 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−153100(JP,A) 特開 昭50−22684(JP,A) 特開 昭62−161035(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01M 3/28 F17D 5/02
Claims (3)
- 【請求項1】 流体を輸送するパイプラインの入口及び
出口付近にそれぞれ圧力計と流量計を設置してパイプラ
インの漏洩を検知する方法において、 前記パイプラインの入口圧力計と出口流量計の計測値を
境界条件として、無漏洩の場合のパイプライン内の圧力
分布及び流量分布をシミュレートする第1の流動シミュ
レーションを行なう工程と、 前記パイプラインの入口流量計と出口圧力計の計測値を
境界条件として、無漏洩の場合のパイプライン内の圧力
分布及び流量分布をシミュレートする第2の流動シミュ
レーションを、前記第1の流動シミュレーションと同時
にまたは交互に行なう工程と、 前記第1の流動シミュレーションの結果得られた第1の
圧力分布または流量分布と、前記第2の流動シミュレー
ションの結果得られた第2の圧力分布または流量分布と
のパイプラインの各位置におけるシミュレーション圧力
差またはシミュレーション流量差を算出し、該シミュレ
ーション圧力差またはシミュレーション流量差がパイプ
ラインの位置に対応してそれぞれ設定されたしきい値を
越えた場合に漏洩が発生したものと判別する漏洩検知工
程とを含むことを特徴とするパイプラインの漏洩検知方
法。 - 【請求項2】 流体を輸送するパイプラインの入口及び
出口付近にそれぞれ圧力計と流量計を設置し、またパイ
プラインの途中にそれぞれ所定間隔で複数の圧力計また
は流量計を設置してパイプラインの漏洩を検知する方法
において、 前記パイプラインの入口圧力計と出口流量計の計測値を
境界条件として、無漏洩の場合のパイプライン内の圧力
分布及び流量分布をシミュレートする第1の流動シミュ
レーションを行なう工程と、 前記パイプラインの入口流量計と出口圧力計の計測値を
境界条件として、無漏洩の場合のパイプライン内の圧力
分布及び流量分布をシミュレートする第2の流動シミュ
レーションを、前記第1の流動シミュレーションと同時
にまたは交互に行なう工程と、 前記第1の流動シミュレーションの結果得られた第1の
圧力分布または流量分布と、前記第2の流動シミュレー
ションの結果得られた第2の圧力分布または流量分布と
のパイプラインの各位置におけるシミュレーション圧力
平均値またはシミュレーション流量平均値を算出するシ
ミュレーション平均値算出工程と、 前記パイプラインの各位置において算出されたシミュレ
ーション圧力平均値またはシミュレーション流量平均値
と、前記パイプラインの途中にそれぞれ所定間隔で設置
された複数の圧力計または流量計の測定値に基づく測定
圧力分布または測定流量分布とのパイプラインの各位置
における圧力差または流量差を算出し、該圧力差または
流量差がパイプラインの位置に対応してそれぞれ設定さ
れたしきい値を越えた場合に漏洩が発生したものと判別
する漏洩検知工程とを含むことを特徴とするパイプライ
ンの漏洩検知方法。 - 【請求項3】 前記請求項2の漏洩検知工程が漏洩が発
生したものと判別した場合に、前記圧力差または流量差
がパイプライン内で最大の値となる位置を算出して、該
算出位置を漏洩発生位置と推定する漏洩位置推定工程を
付加した請求項2記載のパイプラインの漏洩検知方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21274193A JP2765446B2 (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | パイプラインの漏洩検知方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21274193A JP2765446B2 (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | パイプラインの漏洩検知方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0763637A JPH0763637A (ja) | 1995-03-10 |
JP2765446B2 true JP2765446B2 (ja) | 1998-06-18 |
Family
ID=16627665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21274193A Expired - Fee Related JP2765446B2 (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | パイプラインの漏洩検知方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2765446B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5235556B2 (ja) * | 2008-08-07 | 2013-07-10 | Ckd株式会社 | 液体供給システム |
US20190195722A1 (en) * | 2016-08-18 | 2019-06-27 | Hitachi Industrial Equipment Systems Co., Ltd. | Piping Network Leak Detection System, as Well as Leak Detection Device and Leak Detection Method Used in Said System |
JP6859169B2 (ja) * | 2017-04-12 | 2021-04-14 | 三菱重工業株式会社 | 漏洩箇所特定装置、流体供給システム、船舶、および、漏洩箇所特定方法 |
CN107463737B (zh) * | 2017-07-25 | 2019-12-06 | 中国石油大学(北京) | 一种液体管道泄漏量的计算方法及装置 |
CN107559596B (zh) * | 2017-10-18 | 2023-08-08 | 常州港华燃气有限公司 | 一种管道气体流速检测装置以及输气管道检修系统 |
JP7139458B2 (ja) * | 2018-05-30 | 2022-09-20 | コリア・インスティテュート・オブ・マシナリー・アンド・マテリアルズ | 配管損傷検出装置、これを用いた配管損傷検出システム、及びこれを用いた配管損傷検出方法 |
CN111828845A (zh) * | 2020-07-23 | 2020-10-27 | 成都信息工程大学 | 基于人工智能的管道自动检漏方法 |
CN114025251B (zh) * | 2021-11-03 | 2024-07-23 | 国家石油天然气管网集团有限公司华南分公司 | 一种仪表异常的报警方法、装置以及介质 |
CN114811448B (zh) * | 2022-04-13 | 2023-09-22 | 中南大学 | 一种流动条件下管道泄漏检测、泄露流速估计与泄露定位的方法 |
-
1993
- 1993-08-27 JP JP21274193A patent/JP2765446B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0763637A (ja) | 1995-03-10 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |