JP2764621B2 - α―(3―アミノフェニル)エチルアミンの製造方法 - Google Patents

α―(3―アミノフェニル)エチルアミンの製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、α−(3−アミノフェニル)エチルアミン
の製造方法に関する。
本発明で製造されるジアミン化合物は、式(I)で示
される構造式を有するα−(3−アミノフェニル)エチ
ルアミンである。
この化合物は、エポキシ樹脂の硬化剤、ポリウレタン
樹脂又はポリウレア樹脂の硬化剤として特徴ある性能が
期待され、又、これをホスゲン化することにより、アミ
ノ基がイソシアナート基に変換したジイソシアナートを
提供することができる。かつ、α−(3−アミノフェニ
ル)エチルアミンを有する二個のアミノ基のうち、一つ
はベンゼン環に直結し、他のアミノ基は、メチル基でヒ
ンダードされた形で二級炭素についているため、両者が
異なる反応性を有し、それにより、この物質およびこれ
から誘導されるジイソシアナートが特徴ある性能を持つ
ことが期待される。
また、本発明によるα−(3−アミノフェニル)エチ
ルアミンの製造の中間段階で反応液の一部または全量を
取り出し、簡単な精製を行なうことで式(III)で表さ
れる化合物m−アミノアセトフェノンを得ることができ
る。
この化合物は農薬、医薬等の原料となるなど産業用有
用な化学品である。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕 式(I)で示されるα−(3−アミノフェニル)エチ
ルアミンを製造する方法としては、式(II) で表されるm−ニトロアセトフェノンを出発物質として
アンモニアの存在下に接触還元することにより、一段で
ジアミノ化を行なう方法がある。この方法は、一段反応
である点で有利であるが、式(IV)に示すα−(3−ア
ミノフェニル)エチルアルコールの副生が防止できな
い。
又、一段反応ではα−(3−アミノフェニル)エチル
アミンと同様に有用な物質であるm−アミノアセトフェ
ノンを取り出すことはできない。
本発明の方法は、α−(3−アミノフェニル)エチル
アミンを製造する際、m−アミノアセトフェノンを経由
する二段反応を同一溶媒中で行ない、特定の触媒および
添加剤を用いることにより、選択性よく目的物を製造す
ることができ、かつその一段目の反応生成物からそれ自
体有用な物質であるm−アミノアセトフェノンを取り出
すことも可能な製造方法を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、第一段反応として、次の式(V)によりm
−アミノアセトフェノンを製造し、次いで式(VI)によ
りα−(3−アミノフェニル)エチルアミンを製造する
方法である。
この方法によれば、α−(3−アミノフェニル)エチ
ルアミンのみを製造する場合には、式(V)の反応が終
了してから溶媒はそのままにして、触媒のみを除去し、
新たに第2段反応の触媒および弱酸又は弱酸のアンモニ
ウム塩をアルコール化抑制剤として添加したのち、アン
モニアおよび水素を圧入することにより式(VI)に示す
反応を行い、目的物を得ることができる。また一部をm
−アミノアセトフェノンとして取り出したい場合には、
式(V)の反応が終了してから、反応液の一部を取り出
し後処理することにより、m−アミノアセトフェノンを
得ることができる。
本発明の方法では、式(V)の反応は工業的にきわめ
て有利な低温低圧の条件で行なうことができ、またこの
条件では反応(V)で副生物となるα−(3−アミノフ
ェニル)エチルアルコール(式(IV)の化合物)の生成
を極小に抑制し得る。さらに、式(VI)の反応でα−
(3−アミノフェニル)エチルアルコールの副生防止の
ためには少量の弱酸又は弱酸のアンモニウム塩を添加す
ることが極めて有効であることを見出して、本発明を完
成した。
式(V)の反応に用いる触媒としては、白金、パラジ
ウム、ロジウム等の貴金属触媒が挙げられる。又、反応
の温度は15℃から40℃、望ましくは20℃から35℃、圧力
は0kg/cm2Gから5kg/cm2G、望ましくは1kg/cm2Gから4kg/
cm2Gである。m−アミノアセトフェノンを得たい場合に
は、式(V)の反応液の一部又は全部をオートクレーブ
から取り出し、触媒を濾別し、溶媒を蒸留して除いた
後、精留することによりm−アミノアセトフェノンを得
ることができる。
次に、α−(3−アミノフェニル)エチルアミンの製
造方法としては、式(V)の反応液から触媒のみを濾別
したのち、新たに還元アミノ化用触媒およびアルコール
化反応抑制剤を装入し、アンモニアおよび水素を圧入し
て、温度80℃から120℃、望ましくは90℃から100℃、圧
力20kg/cm2Gから100kg/cm2G、望ましくは30kg/cm2Gから
50kg/cm2Gとして反応(VI)を行なうことにより、目的
物(I)を得る。反応(VI)の触媒としては、ラネーニ
ッケル、ラネーコバルト、ニッケル−ケイソウ土が適し
ている。アルコール化反応抑制剤としては、炭酸、リン
酸、酢酸、ホウ酸などの弱酸又は炭酸水素アンモニウ
ム、リン酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウム、ホウ
酸アンモニウムなどのアンモニウム塩がよい。とくに反
応後の後処理が容易なことから炭酸ガスが最も適してい
る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明す
る。
実施例1 m−ニトロアセトフェノンからm−アミノアセトフェノ
ンの製造 内容積400mlの撹拌機付SUS316L製オートクレーブに、
m−ニトロアセトフェノン33.0g(0.2モル)、溶媒とし
てメタノールを132g、及び5%パラジウム−カーボン触
媒0.1gを仕込んだ後、窒素で置換する。次いで、窒素を
水素で置換するため、水素を4kg/cm2Gまで圧入してある
3000mlの水素ホルダーに連結し、水素を圧入する。撹拌
を始めると水素の吸収が起こり、反応熱のため内温度が
徐々に上昇した。水素を約13.41Nl吸収したところで水
素の吸収が殆ど停止したので、撹拌を停止した。所要時
間は約4時間で、この間オートクレーブ内温は19℃から
29℃に上昇した。圧力は4kg/cm2Gから1kg/cm2Gの範囲で
行なった。オートクレーブ内液を室温まで放冷した後、
反応液を取り出して触媒を濾過した。濾液の一部をガス
クロマトグラフィーで分析すると、m−アミノアセトフ
ェノン99.3%、α−(3−アミノフェニル)エチルアル
コール0.3%、その他0.3%であった。濾液から溶媒のメ
タノールを減圧蒸留して除き、淡黄色結晶27.0gを得
た。融点は96〜98℃であった。
実施例2 m−アミノアセトフェノンからα−(3−アミノフェニ
ル)エチルアミンの製造 実施例1の反応液から触媒を除去した濾液の大部分を
再び実施例1と同様な400mlのオートクレーブに入れ、
ニッケル−ケイソウ土触媒3.3g、添加剤として固体炭酸
2.2gを仕込み、窒素で置換してしばらく撹拌する。
次いで、オートクレーブを氷水で冷却しながら液体ア
ンモニア約18gを導入した。引続き、水素を圧入して5kg
/cm2Gとした後、昇温して86℃とし、再び水素を圧入し
て50kg/cm2Gに合わせた。5時間反応をつづけ、水素の
吸収が停止したところで反応を終了した。室温まで放冷
した後、反応液を取り出して触媒を濾別した。濾液を減
圧蒸留してアンモニア及び溶媒を除去し、5〜6mmHgの
圧力で真空蒸留して留出温度120〜122℃の留分25.1gを
得た。(m−ニトロアセトフェノンからの通算収率91.6
%) この液体は無色透明であり、元素分析値、GC−MSスペ
クトル、IRスペクトル、H−NMRスペクトルの分析値を
しらべたところ、下記のデータが得られたことからα−
(3−アミノフェニル)エチルアミンであると同定し
た。ガスクロマトグラフィーによる純度は99.3%であっ
た。
(1)IRスペクトル(岩塩板、液膜法)cm-1:第1図にI
Rスペクトル図を示す。
3400、3340、3190、2940、1600、1485、 1455、1360、1310、1160 (2)1H−NMRスペクトル(100MHz、DMSO−d6) 第2図に1H−NMRスペクトル図を示す。
δppm: 1.0〜1.5:−CH3プロトン 3H 6.1〜7.2:ベンゼン環プロトン 4H (3)GC−MSスペクトル EI−MSスペクトル (M+)=136 (注;α−(3−アミノフェニル)エチルアミンの分子
量C8H12N2=136.2) (4)元素分析値(C8H12N2として) C H N 計算値(%) 70.48 8.81 20.56 実測値(%) 70.56 8.73 20.41 実施例3 実施例1と同様に、1オートクレーブにm−ニトロ
アセトフェノン66.0g(0.40モル)、溶媒としてメタノ
ール264g、5%パラジウム−カーボン触媒0.2gを仕込ん
だ後、窒素で置換する。次いで、水素を5kg/cm2Gまで圧
入し、撹拌を始めると水素の吸収が起こる。水素を約2
6.9Nl吸収したところで、水素の吸収が殆ど停止したの
で反応を終了した。所要時間は約4時間で、この間オー
トクレーブ内温は19℃から41℃に上昇し、圧力は5kg/cm
2Gから1kg/cm2Gの範囲で行なった。オートクレーブ内反
応液を室温まで冷却した後、反応液を取り出して触媒を
濾過した。
この濾液318gの半量を実施例1と同様の400mlオート
クレーブに入れ、ニッケル−ケイソウ土触媒3.3g、添加
剤として酢酸アンモニウム7.7gを入れた後、窒素で置換
してしばらく撹拌する。オートクレーブを氷水で冷却し
ながら、液体アンモニア約9gを導入した後昇温し、内温
94℃の時点でさらに水素を圧入してオートクレーブ内圧
を50kg/cm2Gとした。3.5時間反応をつづけ、水素の吸収
が停止したところで反応を終了した。室温まで放冷した
後、反応液を取り出して触媒を濾過し、濾液を真空蒸留
してメタノールを除去した。脱メタノール後の反応生成
物として27.2gが得られた。この物をガスクロマトグラ
フィーにより分析すると、α−(3−アミノフェニル)
エチルアミンが97.2%、α−(3−アミノフェニル)エ
チルアルコールが2.8%であった。
比較例1 m−ニトロアセトフェノンからm−アミノアセトフェノ
ンの製造 内容積1000mlの撹拌機付SUS316L製オートクレーブ
に、m−ニトロアセトフェノン66.0g(0.4モル)、溶媒
としてメタノール264gおよび5%パラジウム−カーボン
触媒0.2g(固形分換算)を仕込んだ後、窒素で置換し
た。次いで、窒素を水素で置換した後、水素を8kg/cm2G
まで圧入してから撹拌を始めた。
まもなく水素の吸収が起こり、反応熱のため内温が徐
々に上昇した。水素を約26.9Nl吸収したところで水素の
吸収が殆ど停止したので、撹拌を停止した。所要時間は
約2時間で、この間オートクレーブ内温は20℃から65℃
にて上昇した。圧力は8kg/cm2Gから1kg/cm2Gの範囲で行
なった。オートクレーブ内液を室温まで放冷した後、反
応液を取り出して濾過した。濾液の一部をガスクロマト
グラフィーで分析すると、m−アミノアセトフェノン9
5.53%、α−(3−アミノフェニル)エチルアルコール
4.47%であった。
比較例2 実施例3の第一段反応で得られた濾液318gの半量を40
0mlオートクレーブに入れ、ニッケル−ケイソウ土触媒
3.3gを入れた後、窒素で置換してしばらく撹拌する。オ
ートクレーブを氷水で冷却しながら、液体アンモニア約
16gを導入した後昇温し、内温が105℃になってから水素
を圧入して、オートクレーブ内圧を50kg/cm2Gとした。
内温105℃〜115℃で4時間反応させ、水素の吸収が停止
したところで撹拌を停止した。室温まで放冷した後、反
応液を取り出して濾過し、濾液を真空蒸留して脱メタノ
ールした。脱メタノール後の反応生成物として27.2gが
得られた。この物をガスクロマトグラフィーにより分析
すると、α−(3−アミノフェニル)エチルアミンが7
6.2%、α−(3−アミノフェニル)エチルアルコール
が23.8%であった。
このように、弱酸又は弱酸のアンモニウム塩を添加し
ないと、α−(3−アミノフェニル)エチルアルコール
が大量に副生する。
【図面の簡単な説明】
第1図はα−(3−アミノフェニル)エチルアミンのIR
スベクトルを示す図、第2図は同物質のNMRスペクトル
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 211/49 C07C 209/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) で示されるα−(3−アミノフェニル)エチルアミンの
    製造において、式(II) で表されるm−ニトロアセトフェノンを (a)触媒および溶媒の存在下に接触水素還元し、式
    (III) で表されるm−アミノアセトフェノンとして、 (b)(a)で得られたm−アミノアセトフェノンを
    (a)の反応における溶媒をそのまま使用して、触媒お
    よび少量の弱酸又は弱酸のアンモニウム塩の存在下、水
    素およびアンモニアにより、アミノ化して選択的にα−
    (3−アミノフェニル)エチルアミンを製造する方法。
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