JP2764554B2 - 共役ジエン系樹脂ラテックス - Google Patents

共役ジエン系樹脂ラテックス

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JP2764554B2
JP2764554B2 JP10024595A JP10024595A JP2764554B2 JP 2764554 B2 JP2764554 B2 JP 2764554B2 JP 10024595 A JP10024595 A JP 10024595A JP 10024595 A JP10024595 A JP 10024595A JP 2764554 B2 JP2764554 B2 JP 2764554B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、共役ジエン系樹脂ラテ
ックスに関し、さらに詳しくは、耐水性、耐湿性、密着
性に優れた皮膜を形成し得、とくに繊維加工あるいは紙
塗工用のバインダーとして用いた場合に優れた耐水強
度、耐湿強度等を与える共役ジエン系樹脂ラテックスに
関する。
【0002】
【従来の技術】共役ジエン系樹脂ラテックスは一般に、
乳化剤を含む水性媒体中で共役ジエン単量体および必要
により他の共重合性単量体を乳化重合して製造される。
しかしながら、使用される乳化剤は水溶性であり、ラテ
ックス中に残存して、形成皮膜の耐水性や密着性に悪影
響を与える欠点がある。このため、皮膜の耐水性や密着
性を向上させた樹脂ラテックスの製造方法として、ラジ
カル重合性基を有する反応性乳化剤である、アリルスル
ホコハク酸塩及びスチレンスルホン酸塩を乳化剤として
用いてエチレン性不飽和単量体混合物を乳化重合する重
合体ラテックスの製造方法(特公平2−50121号公
報)が提案されている。また、皮膜の耐水性を向上させ
るために、加水分解性シリル基含有単量体を含む特定組
成の単量体混合物を乳化剤を用いて乳化重合した共重合
体分散液(特公昭63−6680号公報)が提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
方法を、共役ジエン単量体および加水分解性シリル基含
有ビニル系単量体を含有する単量体混合物の乳化重合に
適用した場合、許容できない程多量の凝集物が発生する
という問題がある。さらに、乳化重合における共役ジエ
ン単量体の消費速度が遅いという問題もある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
を解決する加水分解性シリル基含有共役ジエン系ラテッ
クスについて鋭意検討した結果、アミンイミド基を有す
る水溶性高分子の存在下に、共役ジエン単量体および加
水分解性シリル基含有ビニル系単量体を含有する単量体
混合物を共重合することよって、前記課題が解決できる
ことを見いだし本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、水性媒体中において、
共役ジエン単量体(a)10〜80重量%、芳香族系ラ
ジカル重合性単量体(b)10〜80重量%、加水分解
性シリル基含有ビニル系単量体(c)1〜50重量%お
よび必要によりその他のラジカル重合性単量体(d)0
〜50重量%からなる単量体混合物(A)を、アミンイ
ミド基を含有するビニル系単量体(e)の1種以上の
(共)重合体又は該(e)とアミンイミド基を含有しな
いビニル系単量体との共重合体からなる水溶性高分子
(B)の存在下で乳化共重合させてなる共役ジエン系樹
脂ラテックスである。
【0006】本発明における単量体混合物(A)を構成
する共役ジエン単量体(a)としては、ブタジエン、イ
ソプレン、クロロプレン、2−メチル−1,3−ブタジ
エン等が挙げられる。これらのうち特に好ましいものは
ブタジエンである。
【0007】単量体混合物(A)中の(a)の含有量
は、通常10〜80重量%、好ましくは20〜60重量
%である。10重量%未満では、樹脂ラテックスを繊維
等のバインダーに用いた場合の接着強度が不十分にな
り、80重量%を越えると形成皮膜の耐水性が劣る。
【0008】芳香族系ラジカル重合性単量体(b)とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げら
れる。これらのうち特に好ましいものはスチレンであ
る。
【0009】単量体混合物(A)中の(b)の含有量
は、通常10〜80重量%、好ましくは20〜60重量
%である。10重量%未満では、樹脂ラテックスの形成
皮膜の耐水性が不十分になり、80重量%を越えると樹
脂ラテックスを繊維等のバインダーに用いた場合の接着
強度が劣る。
【0010】加水分解性シリル基含有ビニル系単量体
(c)における加水分解性シリル基としては、ハロゲノ
シリル基、アシロキシシリル基、アミドシリル基、アミ
ノキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アミノシ
リル基、オキシムシリル基、アルコキシシリル基、チオ
アルコキシシリル基等が挙げられ、とくに好ましいもの
はアルコキシシリル基である。
【0011】該(c)の具体例としては、ビニルシラン
類[ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(βーメトキシエトキシ)シラン等]、(メタ)アクリ
ロキシアルキルシラン類[γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエ
トキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン等]等特開平5−25354号公報に記載のもの
が挙げられる。これらのうち(メタ)アクリロキシアル
キルシラン類がとくに好ましい。
【0012】単量体混合物(A)中の(c)の含有量
は、通常1〜50重量%、好ましくは2〜20重量%で
ある。0.2重量%未満では、樹脂ラテックスの形成皮
膜の耐水性が不十分となり、50重量%を越えると乳化
重合中に凝集物が多く発生する。
【0013】必要によって用いるその他のラジカル重合
性単量体(d)としては、ラジカル重合性不飽和カルボ
ン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸等及びこれらの無水物または半エ
ステル等]、(メタ)アクリル酸エステル類[メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ω−メチルポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、ω−ブチルポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ω−フェ
ニルポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート
等]、水酸基含有単量体[(メタ)アクリル酸−2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ
プロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピ
ル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート
等]、(メタ)アクリルアミド類[(メタ)アクリルア
ミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド等]、シアン化ビニル類[(メタ)
アクリロニトリル等]、架橋性単量体[ジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキ
サメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート等]等が挙
げられる。これらのうち、重合性不飽和カルボン酸、
(メタ)アクリル酸エステル類およびびシアン化ビニル
類が好ましい。
【0014】単量体混合物(A)中の(d)の含有量
は、通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下で
ある。50重量%を越えると樹脂ラテックスを繊維等の
バインダーに用いた場合の接着強度が劣る。
【0015】本発明に用いられる水溶性高分子(B)と
しては、アミンイミド基を含有するビニル系単量体
(e)の1種以上の(共)重合体および該(e)とアミ
ンイミド基を有しないビニル系単量体との共重合体が挙
げられる。該(B)の重量平均分子量は通常1,000
〜100,000、好ましくは3,000〜50,00
0である。(B)は公知のラジカル重合法で製造するこ
とができる。
【0016】(B)を構成するアミンイミド基を有する
ビニル系単量体(e)としては、例えば1,1,1−ト
リメチルアミンメタクリルイミド、1,1−ジメチル−
1−エチルアミンメタクリルイミド、1,1−ジメチル
−1−(2−ヒドロキシプロピル)アミンメタクリルイ
ミド、1,1−ジメチル−1−(2’−フェニル−2’
−ヒドロキシエチル)アミンメタクリルイミド、1,1
−ジメチル−1−(2’−ヒドロキシ−3’−フェノキ
シプロピル)アミンメタクリルイミド、1,1,1−ト
リメチルアミンアクリルイミド等の特開平5−2535
4号公報に記載のものが挙げられる。これらのうち好ま
しいものは1,1,1−トリメチルアミンメタクリルイ
ミドおよび1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプ
ロピル)アミンメタクリルイミドである。
【0017】アミンイミド基を有しないビニル系単量体
としては、前記(a)、(b)、(c)または(d)と
して例示したもののうちの1種以上が使用できる。これ
らのうち、(d)として例示したものが好ましく、
(d)のうちのラジカル重合性不飽和カルボン酸と水酸
基含有単量体との組合せが、重合安定性の点から特に好
ましい。
【0018】(B)における該アミンイミド基を有しな
いビニル系単量体の量はアミンイミド基を有するビニル
系単量体(e)1重量部に対し、通常0〜50重量部、
好ましくは0〜40重量部である。
【0019】アミンイミド基を有するビニル系単量体1
重量部に対してアミンイミド基を有しないビニル系単量
体の量が50重量部を越えると、樹脂ラテックスの保存
安定性が低下する。
【0020】本発明に用いられる(B)の量は、(A)
と(B)の合計仕込み重量に基づいて、通常0.5〜5
0重量%、好ましくは2〜30重量%である。(B)の
量が0.5重量%未満では樹脂ラテックス中の凝集物量
が多大となり、50重量%を超えると形成皮膜の耐水性
が不良となる。
【0021】本発明において、水性媒体としては、水単
独、水と水溶性溶媒(メタノール、イソプロパノール、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール。メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、
アセトン、メチルエチルケトン等)との混合物等が挙げ
られる。
【0022】本発明の実施には、通常の乳化重合法が採
用できる。この重合に用いられる重合開始剤としては、
公知のラジカル重合開始剤が使用される。該重合開始剤
としては、有機系重合開始剤[パーオキシド類(クメン
ハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイド
ロパーオキシド、パラメンタンハイドロパーオキシド、
ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド
等)、アゾ化合物類(アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビスイソバレロニトリル、アゾビスアミジノプロパン
−2塩酸塩、アゾビスシアノ吉草酸等)、無機系重合開
始剤[過硫酸塩(過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム等)等]等が挙げられる。重合開始
剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して通常
0.01〜5重量部である。
【0023】本発明において、樹脂の分子量、ラテック
ス中のゲル含有量等を調整する目的で公知の連鎖移動剤
を用いることができる。連鎖移動剤としては、α−メチ
ルスチレンダイマー(2,4−ジフェニル−4−メチル
−1−ペンテン等)、ターピノーレン、テルピネン、ジ
ペンテン、炭素数8〜18のアルキルメルカプタン、炭
素数8〜18のアルキレンジチオール、チオグリコール
酸アルキル、ジアルキルキサントゲンジスルフィド、テ
トラアルキルチウラムジスルフィド、四塩化炭素等が挙
げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて
使用できる。連鎖移動剤の使用量は、単量体混合物10
0重量部に対して、通常0〜15重量部である。
【0024】また、本発明の目的を損なわない限りにお
いて、(B)と共に公知の乳化剤を使用してもよい。こ
のような乳化剤としては、アニオン性乳化剤(ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸エステル
ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸
ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
エステルナトリウム等);ノニオン性乳化剤(ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールエチ
レンオキシド付加物等);カチオン性乳化剤(ステアリ
ルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリ
ルベンジルジメチルアンモニウムクロリド等);重合性
乳化剤(アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム、
(メタ)アクリロイルポリオキシアルキレン硫酸エステ
ルナトリウム等)等が挙げられる。これらは2種以上を
併用してもよい。
【0025】なお、還元剤[ピロ重亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、
グルコース、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレ
ート、L−アスコルビン酸(塩)]、キレート剤(グリ
シン、アラニン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム
等)、pH緩衝剤(トリポリリン酸ナトリウム、テトラ
ポリリン酸カリウム等)等の公知の添加剤を乳化重合中
に含有させてもよい。
【0026】本発明の樹脂ラテックスは、塗布後常温も
しくは加熱乾燥等により媒体が揮発する共に粒子が融着
して塗膜を形成し、さらに重合体中のシリル基が縮合反
応して、架橋された塗膜を生成する。この架橋された塗
膜の生成を促進するために、必要に応じて硬化触媒を使
用してもよい。このような触媒としては、有機チタネー
ト化合物[イソプロピルトリイソステアロイルチタネー
ト、イソプロピルトリ(ジオクチルピロホスフェート)
チタネート、テトライソプロピルジ(ラウリルホスファ
イト)チタネート等]、有機アルミニウム系化合物(ア
セトアルコキシアルミニウムジイソプロピネート等)、
カルボン酸型錫化合物(ジオクチル酸錫、ジブチル錫ジ
ラウレート、ジブチル錫マレート等)、含硫黄系有機錫
化合物(ジブチル錫スルフィド等)、ジアルキル錫オキ
シド(ジブチル錫オキシド、ジオクチル錫オキシド
等)、その他カルボン酸塩(酢酸ナトリウム、カプロン
酸亜鉛、オクチル酸鉛、ナフテン酸コバルト等)、酸性
リン酸エステル(モノメチル酸性リン酸エステル、ジエ
チル酸性リン酸エステル、モノブチル酸性リン酸エステ
ル等)、カルボン酸及びその酸無水物(アジピン酸、マ
レイン酸、クエン酸、イタコン酸、コハク酸、フタル
酸、フタル酸、トリメリット酸、無水マレイン酸、無水
フタル酸等)、アミンもしくはその塩(トリエチルアミ
ン、ジブチルアミン−2−ヘキソエート、環式アミジン
等及びこれらの塩等)、第4級アンモニウム塩(テトラ
ブチルアンモニウムヒドロキシド等)等が挙げられる。
該触媒の使用量は(A)と(B)との合計量100重量
部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは
0.05〜5重量部である。
【0027】本発明の樹脂ラテックスには、必要により
公知の他の樹脂エマルション(アクリル樹脂エマルショ
ン、ウレタン樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルシ
ョン、SBRラテックス、NBRラテックス、酢ビエマ
ルション、コロイダルシリカ等)や水溶性樹脂(水溶性
アクリル樹脂、水溶性アルキッド樹脂等)を混合するこ
とができる。
【0028】本発明の樹脂ラテックスは、特に塗工紙用
バインダーおよびカーペットバッキングバインダーに好
適である。その他、塗料、接着剤等の用途に用いること
もできる
【0029】本発明の樹脂ラテックスを用いて塗工紙用
塗工カラーを得るには、従来より知られている通常の方
法によればよく、該樹脂ラテックスに、各種クレー、カ
オリン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫
酸カルシウム、タルク、プラスチックピグメント(ポリ
スチレン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/
アクリル共重合体等のビーズ)等の塗工カラーに使用さ
れる公知の顔料、カチオン化デンプン、酸化デンプン、
カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白、ポリビニルアルコー
ル、無水マレイン酸系樹脂等の水溶性バインダー等を適
宜配合すればよい。さらに必要に応じて、顔料分散剤
[ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ピロリン酸ナト
リウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等]、消泡剤(鉱
物油系消泡剤、シリコン系消泡剤等)、その他の添加剤
[潤滑剤、pH調整剤、防腐剤、耐水化剤、印刷適性向
上剤等]なども配合することもできる。
【0030】このようにして得られる塗工カラーを用い
て塗工紙を製造するには、従来から知られる通常の方法
によればよく、例えば、ロールコーター(サイズプレ
ス、ゲートロールコーター等)、両面同時塗工型コータ
ー(ビルブレードコーター、ツインブレードコーター
等)、各種ブレードコーター(ベンチ式ブレードコータ
ー、ヘリコーター等)、エアナイフコーター、ロッドコ
ーター、ブラシコーター、カーテンコーター、チャンプ
レックスコーター、バーコーター、グラビアコーター等
を設けたオンマシンあるいはオフマシンコーター等の塗
工機を用いて、塗工用原紙(上質紙、中質紙、下級紙)
に塗工し、ドライヤーで乾燥した後、平滑化仕上げして
得られる。
【0031】本発明の樹脂ラテックスを用いてカーペッ
トバッキングバインダーを得るには、従来より知られて
いる通常の方法によればよく、例えば、本発明の樹脂ラ
テックスに、充填剤(炭酸カルシウム、クレー、タル
ク、水酸化アルミニウム等)を適宜配合すればよい。さ
らに、必要に応じて、顔料分散剤、酸化防止剤等の添加
剤、増粘剤などを配合することもできる。
【0032】このようにして得られるカーペットバッキ
ングバインダーを用いてカーペットを製造するには、従
来から知られる通常の方法によればよく、例えば、該バ
インダーを、繊維シート(ポリエステル、ナイロン、ポ
リプロピレン、レーヨン等の繊維から得られるシート)
に通常の方法(スプレー方式、フォーミング方式、プリ
ント方式など)で付与し、乾燥装置で加熱(40〜15
0℃)乾燥して得られる。カーペットとしては、タフテ
ッドカーペット、フックドラグ、ニードルパンチカーペ
ット、人工芝など、ラテックスが接着剤として使用され
るあらゆる種類のカーペットが挙げられる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中
の部は重量部、%は重量%である。
【0034】製造例1 攪拌機、滴下ロート、窒素ガス導入管、温度計、還流冷
却器を備えた反応容器に水881部および過硫酸ナトリ
ウム4.4部を仕込み、攪拌下、系内を窒素ガスで置換
し、100℃に昇温した。同温度にて、1,1−ジメチ
ル−1−(2−ヒドロキシプロピル)アミンメタクリル
イミド(AI)17部、アクリル酸34部およびアクリ
ル酸2ーヒドロキシエチル7(HEA)2部の混合物を
1時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。水溶液
を30℃に冷却し、25%アンモニア水でpH8.5に
調整することによって、アミンイミド基含有水溶性高分
子水溶液[1](固形分11.5%)を得た。
【0035】製造例2 製造例1と同様の反応容器中に、水883部およびアゾ
ビスアミジノプロパン−2塩酸塩5.1部を仕込み、攪
拌下、系内を窒素ガスで置換し、100℃に昇温した。
同温度にて、AI28部、メタクリル酸14部およびH
EA70部の混合物を1時間かけて滴下し、さらに1時
間反応させた。水溶液を30℃に冷却し、25%アンモ
ニア水でpH8.5に調整することによって、アミンイ
ミド基含有水溶性高分子水溶液[2](固形分11.0
%)を得た。
【0036】実施例1〜4、比較例1〜3 攪拌機、滴下ボンベ、窒素ガス導入管、温度計を備えた
加圧反応容器に、製造例1で得た水溶性高分子水溶液
[1]206部、水419部および過硫酸ナトリウム
2.5部を仕込み、攪拌下、系内を窒素ガスで置換し、
75℃に昇温した。同温度にて、表1に示す単量体混合
物混合物を10時間かけて滴下し、さらに同温度で3時
間反応させた。減圧下、未反応単量体を留去した後、2
5%水酸化ナトリウム水溶液でpH8.5に調整、水で
固形分濃度を調整することによって、各共役ジエン系樹
脂ラテックス(固形分40%)を得た。得られた樹脂ラ
テックス100gを200メッシュ金網で濾過し、濾別
物を130℃で90分乾燥して、生成した凝集物量を測
定した。その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1中の記号の意味は下記のとおりであ
る。 ASCS(乳化剤);アリルスルホコハク酸ナトリウム BD;ブタジエン、St;スチレン、MPS;γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、MMA;メタ
クリル酸メチル、AA;アクリル酸
【0039】使用例1 実施例1で得られた樹脂ラテックス(SBR1)を用い
て下記の方法で塗工紙用塗工カラーを作成した。すなわ
ち、水25部、分散剤[サンノプコ(株)製SNディス
パーサント5040]0.3部、水酸化ナトリウム0.
1部、消泡剤[サンノプコ(株)製ノプコDF122]
0.1部、クレー35部および炭酸カルシウム15部を
ディスパー(2000回転)で30分間分散し、これ
に、α化リン酸化デンプン(30%水溶液)を8.3部
およびびSBR1を14部加え均一混合した後、水を加
え固形分濃度60%の塗工カラー[1]を得た。
【0040】使用例2 使用例1のSBR1に代えて、実施例2で得られた樹脂
ラテックスを用いた以外は使用例1と同様の操作をし
て、塗工カラー[2]を得た。
【0041】比較使用例1 使用例1のSBR1に代えて、比較例1で得られた樹脂
ラテックスを用いた以外は使用例1と同様の操作をし
て、塗工カラー[3]を得た。
【0042】性能試験例1 上記塗工カラー1〜3を、それぞれ58g/m2の中質
紙にドライ塗工量約15g/m2となるようにバーコー
ターを用いて片面塗工し、150℃の循風乾燥機中で1
分間乾燥後、裁断した。その後、ミニスーパーカレンダ
ーで処理(温度60℃、ニップ圧90kg/cm、通紙
2回)して塗工紙[1]〜[3]をそれぞれ作成し、各
塗工紙の諸物性を測定した。その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】ドライピック ;明製作所(株)製RI印
刷機でピッキングテスト用インクによって印刷し、印刷
面のピッキングの程度を目視判定した。5段階の相対評
価で5が最も良い水準。 ウエットピック;明製作所(株)製RI印刷機でピッキ
ングテスト用インクによって、湿し水を施した塗工紙に
印刷し、印刷面のピッキングの程度を目視判定した。5
段階の相対評価で5が最も良い水準。
【0045】使用例3 実施例3で得た樹脂ラテックス(SBR3)95部に重
質炭酸カルシウム400部、テトラポリリン酸カリウム
0.5部、フェノール系酸化防止剤0.5部およびポリ
アクリル酸ナトリウム水溶液1部と適量の水を配合し
て、固形分濃度70%のバインダー組成物[1]を得
た。
【0046】使用例4 使用例3のSBR3に代えて、実施例4で得た樹脂ラテ
ックスを用いた以外は使用例4と同様の操作を行い、バ
インダー組成物[2]を得た。
【0047】比較使用例2 使用例3のSBR3に代えて、比較例2で得た樹脂ラテ
ックスを用いた以外は使用例3と同様の操作を行い、バ
インダー組成物[3]を得た。
【0048】性能試験例2 一次基布がポリプロピレン、パイルがナイロンのタフテ
ッドカーペットに前記バインダー組成物[1]〜[3]
を各々固形分当り900g/m2となるように塗布し、
ジュートの2次基布を貼り合わせて、125℃で30分
間乾燥することによってカーペット試料[1]〜[3]
をそれぞれ得た。得られたカーペット試料について接着
強度(剥離強度)をJIS L−1021に従って測定
した。その結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】常態強度;カーペット試料を、25℃,湿
度60%の雰囲気中に24時間静置後の測定値。 耐水強度;カーペット試料を、60℃の水中に1時間浸
漬後の測定値。
【0051】
【発明の効果】本発明の共役ジエン系樹脂ラテックス
は、以下の効果を有する。 (1)従来の方法で得られるものに比べ、重合中の凝集
物の生成が極めて少なく、濾過工程等が簡略化できる。 (2)耐水性、耐湿性、密着性に優れた皮膜を形成す
る。 上記効果を奏することから、本発明の共役ジエン系樹脂
ラテックスは、とくに塗工紙を製造するための塗工カラ
ーに用いるバインダーならびにカーペットを製造するた
めのカーペットバッキングバインダーとして特に好適に
用いることができる。また、防湿コーティング用バイン
ダー、耐水コーティング用樹脂、塗料、各種接着剤等の
用途にも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 2/00 - 2/60 C08F 236/00 - 236/22 C08F 265/00 - 265/10 D06M 15/21 - 15/356,15/693 D21H 19/36 - 19/60 C09D 109/00 - 121/02 C09J 109/00 - 121/02 C08L 9/00 - 21/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体中において、共役ジエン単量体
    (a)10〜80重量%、芳香族系ラジカル重合性単量
    体(b)10〜80重量%、加水分解性シリル基含有ビ
    ニル系単量体(c)1〜50重量%および必要によりそ
    の他のラジカル重合性単量体(d)0〜50重量%から
    なる単量体混合物(A)を、アミンイミド基を含有する
    ビニル系単量体(e)の1種以上の(共)重合体又は該
    (e)とアミンイミド基を含有しないビニル系単量体と
    の共重合体からなる水溶性高分子(B)の存在下で乳化
    共重合させてなる共役ジエン系樹脂ラテックス。
  2. 【請求項2】 (B)の量が、(A)と(B)の合計
    込み重量に基づいて0.5〜50重量%である請求項1
    記載のラテックス。
  3. 【請求項3】 共役ジエン系樹脂ラテックスが、カーペ
    ットバッキング用バインダーである請求項1または2記
    載のラテックス。
  4. 【請求項4】 共役ジエン系樹脂ラテックスが、紙塗工
    用バインダーである請求項1または2記載のラテック
    ス。
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