JP2764048B2 - 流体伝播ae検出法及びその装置 - Google Patents

流体伝播ae検出法及びその装置

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JP2764048B2
JP2764048B2 JP2067968A JP6796890A JP2764048B2 JP 2764048 B2 JP2764048 B2 JP 2764048B2 JP 2067968 A JP2067968 A JP 2067968A JP 6796890 A JP6796890 A JP 6796890A JP 2764048 B2 JP2764048 B2 JP 2764048B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明はアコースティックエミッション(以下AEと呼
ぶ)が液体中を超高速で伝播し、そのAEは液体媒体では
縦波のみが伝達される性質があることを利用し、そのAE
縦波による摩耗・損傷状態を正確に検出するための方法
及び装置に使用するために、AEを発生させる工具または
被削体に液体Lを掛け続けてAE縦波のみ得る流体伝播AE
検出法及びその装置に関する。
(従来技術) これまでに、本発明者は安定したAEを得るために縦波
型の液体伝播検出AEセンサーを出願中(特願平1−1903
08)であり、これは液体中をAEが縦波のみ伝播すること
に着眼し、横波とノイズの進入を防ぎ、工具の寿命判定
に必要なAE縦波の情報のみを効果的に得ようとする目的
で用いるものである。
この液体伝播検出AEセンサーは、液体を満たした容器
内に固体型のAEセンサーの受波体を貫入させたものであ
り、ノイズを含まず且つ減衰されていないAEを効果的に
得るために、容器外面を工具または被削体に接着剤で直
に接触固着するものであった。
しかし、このAEセンサーでは回転体、微小物体、線等
にはAEセンサーの前記容器外面部分の固着ができず、こ
のためAEの検出が不可能であった。またAEの発生位置が
変化する場合、いままでのように位置を固定した装置で
は安定したより多くのAEが得られない難点があった。
他方、工具またはワークに直に接触固着できない回転
体などにおいて、ワークを加工中に加工状態を確認する
ための情報としてのAEを検出するにあたって、回転する
ワークに直接接触させずにより多くのAEを得ようとする
液体を伝達媒体に利用した検出装置(実開昭63−186547
号)が提案されている。
しかし、この検出装置においては、AE波を伝達媒体と
して利用する構成を取っているものの、AE縦波のみを感
知・検出することを目的としているものでなく(その目
的の主眼はテーブル回転によるAEセンサーの接続コード
の巻き付き防止にある)、伝達媒体として液体媒体と固
体媒体を組合せた構造になっているものである。この考
案はAEセンサー7が検出バー11に取り付けられた構成と
することにより、その明細書本文(第5頁7行目〜8行
目)に記載のようにAE波は最終的に固体である検出バー
11に伝わり、AE波はAEセンサー7により検出される。言
換えるとAE波は最終的に固体伝播(縦波と横波)に変っ
てしまう。
これを要するに積極的にAE横波を排除してAE縦波のみ
を感知・検出しようとする考えがなく、AEセンサーが検
出バーに取り付けられていて、AEはワークから液体へ、
その液体から検出バー(固体)へと間接的に伝達する構
造になっている。即ち液体伝播(縦波)から固体伝播
(縦及び横波)を経て(縦及び横波が)AEセンサーに達
することになり、そのまま工具の寿命判定するために摩
耗・損傷状態を正確に検出するための方法及び装置に使
用することはできない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明はかかる実情に鑑みてなされたもので、AEが液
体中を超高速で伝播することを利用してAEを発生させる
工具または被削体等に液体を注ぎ続けることでこの液体
と接触させたAEセンサーによって至近距離で目的のAEの
縦波のみを効果的に取り込み、工具の寿命判定するため
に摩耗・損傷状態を正確に且つ即時に検出するための方
法及び装置に使用できる手段を提供するものである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために、本発明は、AE発生体に連
続的に液体を注ぎ、その液体の流れの中間にAE縦波感知
部2aを直接臨ませたAEセンサーを設け、前記液体中を超
高速で伝播するAE縦波を固体媒体なしに液体媒体のみで
前記AE縦波感知部2aに伝達させることを特等とする流体
伝播AE検出法である。
また、液体Lを導くパイプ1と、AE発生体5に無接触
で該AE発生体5に向けて液体Lを注ぐノズル3との間
に、両者の連通流路を有し且つその連通流路中にA縦波
感知部2aを突出状態に直接臨ませて成るAEセンサー2を
設け、前記ノズル3からAE発生体5に切れ目なく注がれ
る液体L中を伝播するAE縦波を固体媒体なしに液体媒体
のみで感知することを特徴とする流体伝播AE検出装置で
ある。
さらに、上記装置構成において、前記ノズル3を、フ
レキシブルパイプノズル4にしたものである。
(作用) 本発明は、調べようとするAE発生体5に力が加わり弾
性変形破壊が生じるとそこからAEが発生し、このAE発生
体5にノズル3で導かれ途切れなく連続的に注がれる液
体Lに前記AEが伝わり一瞬の早さでAE縦波のみ(液体中
では横波の伝達はない)が伝播する。
その液体Lの連通流路に感知部2aを液体L中に臨ませ
液体Lに接触させて設けたAEセンサー2は、AE縦波感知
部2aを突出状態にすることでAE縦波感知部2aの支持部分
からの固体伝播が遠ざかり直接縦波のみを有効に感知す
る。
ノズル3をフレキシブルパイプ4とすればAEセンサー
2を接近させにくい部分であってもノズル口を可能な限
りAE発生体5に近づけて設けることができ、そうすれば
AEも減衰しないうちに感知することができる。
(実施例) 本発明を図の実施例で説明すると、第1図においてビ
ニールパイプ1先端にノズル3を設け、このノズル3の
基端とビニールパイプ1先端との連通流路の中間にAEセ
ンサー2のAE縦波感知部2aを突出状態にして液体Lに接
触させて設ける。
AEセンサー4で感知したAE縦波を電気信号に変換し、
この電気信号をコード2cにて分析装置に送る。
このノズル3は自在に曲げたままにできるフレキシブ
ルパイプ4(第2図に示す)とすれば、液体Lを注ぎに
くい狭い部位においても自在に使用できる。
AEセンサー2とノズル3の取付けは、工具取付側の作
業に支障のない位置にアームで支持固定しても良いし、
パイプに硬質ビニールパイプ1を使用しこのパイプ1を
支持固定させてAEセンサー2とノズル3の位置決めする
こともできる。
AEセンサー2にエアージャケット2bを被せれば判定の
妨げとなる飛沫ノイズのAE縦波感知部2aへの侵入を防止
できる。
(実験例) ボールエンドミル加工における検出を試みた結果下記
の高成績を得た。
リアルタイム分析は本発明者が出願中の方法(特願平
1−190308)を用い、AEセンサーに本発明の流体伝播検
出装置を使用した。
第3図は流体伝播によるAE縦波の検出と流体伝播を用
いない被削材からの固体伝播の検出によるAE計算値(第
1表に示す)の比較グラフ化したものである。
サンプリング時間0〜67secにおいて計算値があまり
差がないのに8442〜8509secにおいて倍近い差が出て、
明確な効果が表われている。
この計算値の根拠が第4図に示す流体伝播による検出
と第5図に示す流体伝播を用いない被削材からの検出に
よるイベント数とオシレーション数である。
[発明の効果] 以上のように本発明は、従来のAEセンサーのように、
AEの縦波及び横波を同時に感知するものではなく、AEの
縦波のみをAE縦波感知部2aで感知するものなので、AE縦
波により工具の摩耗・損傷状態を即時に判定するために
は欠くべからざるものであり、またAE発生体5に直接に
固着するのではなく、AE発生体5に液体を注ぐことで感
知できるので、これまで摩耗・損傷状態を判定できなか
った加工工具に対して、至近距離でAE縦波を感知するこ
とが可能となった。そして、以下のように使用可能範囲
が大幅に拡大される。
第一は、液体がかかっても良いならば何でも検出可能
である。
第二は、従来は不可能とされていた線や微小な物体で
あっても検出可能である。
第三は、工具の方からでも被削体の方からでもどちら
でも検出可能である。
具体的には、旋盤、フライス盤等の加工機具はもちろ
ん、従来不可能であったボール盤の回転工具、材料破壊
試験検出装置、微小精密加工機等のAEが検出可能とな
る。
この結果、前記機械加工の自動化に重要な役割を果た
すリアルタイムのインプロセス監視ができるようになり
加工精度の向上、総合生産システムの確立に多大な貢献
となる。
さらにノズルをフレキシブルパイプとすれば、流体を
かけにくい狭い部位に自在に使用できる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の流体伝播AE検出法にに直接使用する装置
の実施例を示し、第1図は本発明の縦断側面図、第2図
はフレキシブルパイプノズル態様の縦断側面図、第3図
は流体伝播による検出と流体伝播を用いない被削材から
の検出によるAE計算値の比較のグラフ、第4図は流体伝
播による検出によるイベント数とオシレーション数のグ
ラフ、第5図は流体伝播を用いない被削材からの検出に
よるイベント数とオシレーション数のグラフ。 1……パイプ、2……AE波形検出部(AEセンサー)、2a
……AE縦波感知部、2b……エアージャケット、2c……コ
ード、3……ノズル、4……フレキシブルパイプノズ
ル、5……AE発生体、6……被削材、7……切削工具把
持部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−133334(JP,A) 特開 昭62−133351(JP,A) 実開 昭63−186547(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】AE発生体に連続的に液体を注ぎ、その液体
    の流れの中間にAE縦波感知部を直接臨ませたAEセンサー
    を設け、前記液体中を超高速で伝播するAE縦波を固体媒
    体なしに液体媒体のみで前記AE縦波感知部に伝達させる
    ことを特徴とする流体伝播AE検出法。
  2. 【請求項2】液体Lを導くパイプ(1)と、AE発生体
    (5)に無接触で該AE発生体(5)に向けて液体(L)
    を注ぐノズル(3)との間に、両者の連通流路を有し且
    つその連通流路中にAE縦波感知部(2a)を突出状態に直
    接臨ませて成るAEセンサー(2)を設け、前記ノズル
    (3)からAE発生体(5)に切れ目なく注がれる液体
    (L)中を伝播するAE縦波を固体媒体なしに液体媒体の
    みで感知することを特徴とする流体伝播AE検出装置。
  3. 【請求項3】ノズル(3)がフレキシブルパイプノズル
    (4)である特許請求の範囲第2項記載の流体伝播AE検
    出装置。
JP2067968A 1990-03-16 1990-03-16 流体伝播ae検出法及びその装置 Expired - Lifetime JP2764048B2 (ja)

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