JP2763999B2 - 収納部用昇降支持ユニットとこれを用いた収納装置 - Google Patents

収納部用昇降支持ユニットとこれを用いた収納装置

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JP2763999B2
JP2763999B2 JP5300288A JP30028893A JP2763999B2 JP 2763999 B2 JP2763999 B2 JP 2763999B2 JP 5300288 A JP5300288 A JP 5300288A JP 30028893 A JP30028893 A JP 30028893A JP 2763999 B2 JP2763999 B2 JP 2763999B2
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元春 村上
良平 村上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は厨房等で各種の物を収納
しておくのに利用する収納部用の昇降支持ユニットとこ
れを利用した収納装置に関し、詳しくは平行リンクを利
用して収納部を昇降できるようにした収納部用昇降支持
ユニットとこれを利用した収納装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】このような収納装置は、特開昭60−7
808号公報や特開昭61−154610号公報等
で知られている。
【0003】これらに記載のものは、収納ボードの両側
内面に個別に枢支した両側の平行リンクの自由端部間に
収納部を支持し、収納部を収納ボードへの格納位置と収
納ボードの前部下方に引出し下降させた取出し位置との
間で昇降できるようにしている。また、に記載のもの
はリンクと固定部との間に引っ張りばねを働かせて平行
リンクが収納部を低速度で下降させられるようにし、使
用の安全を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のよ
うな構成では、両側の平行リンクは双方の自由端部間に
支持した収納部を介して連動するだけで、収納部を線材
を用いたかご形式のような簡易な剛性の低いものとする
と、これのよじれを伴って両側の平行リンクどうしの支
持状態や動作にずれが生じたり、全体に揺れやすくなっ
たりして、使用者に不安を与えたるし耐久性にも乏しい
ものとなる。収納部を頑強なものにすると重量が増大
し、これの昇降支持構造に負担がかかり大型で高価なも
のになる。
【0005】しかも両側の平行リンクは、それぞれ別個
に取付けるものであるため、1つの収納ボードに装備す
るにも、両側の位置合わせが煩わしく、作業に手間が掛
かる。収納ボード等の既設の設置物の間の空間や、既設
の設置物とこれを設置している部屋の壁との間の空間等
に収納部を昇降できるように設けようとする場合は、取
付け位置の目安となるものが何もないので特に不便であ
る。
【0006】またリンクと固定部との間に引っ張りばね
を働かせて収納部の下降速度を制限する構造のため、収
納部とこれに収納する物との重量が大きければ、強力な
ばねを用いないと十分なダンパー機能を発揮できないの
で、支持構造部の大型化を招く。しかも前記両側の平行
リンクが独立している構造上、片方の平行リンクにのみ
ダンパーを働かせると前記の捩れの問題が大きくなる。
両側の平行リンクにダンパーを働かせるとさらに構造が
複雑化し大型化する上、左右の支持および動作のバラン
スは取りにくい。
【0007】本発明は、このような問題を解消すること
を課題とし、支持構造部がコンパクトで支持剛性が高く
取付けに便利な収納部用昇降支持ユニットと、これを利
用した収納装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の収納部用昇降支
持ユニットは、上記のような目的を達成するために、
由端部間で収納部を昇降できるように基端部側を左右の
取付け基台に枢支された両側の平行リンクと、前記取付
け基台と平行リンクとの間に架設したバネと、前記両側
の平行リンクの対向し合うリンク同志を連結する軸とを
備え、上記連結軸は前記平行リンクの基端部側の対向し
合う前側のリンク同志のみを連結した構成としたもので
ある。
【0009】また、基端部側を取付け基台に枢支する枢
軸を備え、連結軸は前記枢軸部分で 対向し合うリンク同
志を連結一体化した構成としてある。 更に、上記枢軸と
取付け基台との間に平行リンクの収納部を下降させる速
度を制限するダンパーを働かせた構成としてある。
た、上記ダンパーは、枢軸の回転をンパー側に増速し
て伝達する増速ギヤを介して働かせた構成としてある。
更に、上記連結軸は長さの異なるものと交換して取付け
基台間の距離を種々に設定できるようにした構成として
ある。
【0010】本発明の収納装置は、収納ボード内に上記
のような各種の収納部用昇降支持ユニットを収容して、
これの各取付け基台を収納ボードの両側内面に取付ける
とともに、両側の平行リンクの自由端部間に収納部を支
持したことを第1の特徴とするものである。
【0011】収納ボードは、収納部を支持した収納部用
昇降支持ユニットの全高よりも高い収納空間を有し、両
側壁の内面に取付け基台を取付ける取付け穴を多段に設
けたものとするのが好適である。
【0012】本発明の収納装置は、収納ボード等の各種
設置物同志の間の空間や各種設置物とこれを設置してい
る部屋の壁との間の空間に、上記のような各種の収納部
用昇降支持ユニットを収容し、これの各取付け基台を前
記空間の両側の対向面に取付けるとともに、両側の平行
リンクの自由端部間に収納部を支持したことを第2の特
徴とするものである。
【0013】上記各収納装置で、収納部の側板の前縁外
面に、収納部用昇降支持ユニットの平行リンクおよびこ
れの支持構造部を覆い隠すカバーを取り付けるのが好適
である。
【0014】
【作用】本発明の収納部用昇降支持ユニットの上記構成
では、自由端部間で収納部を昇降できるように支持する
両側の平行リンクを、従来通りに左右の取付け基台に個
別に枢支するが、両側の平行リンクの対向し合うリンク
同志を連結軸で連結するので、全体がユニット化して1
つのもとして取り扱い、各取付け基台を収納ボードの
両側内面等の対向し合う面への取付け作業を容易かつ迅
速に行える。また、前記連結一体化によって両側の平行
リンクが連動するようになるので、両側の平行リンクに
よる収納部の支持や動きに差が生じることはなく、両側
の平行リンクの自由端部間で支持する収納部がかご形式
のような簡易な剛性の低いのものであっても、十分な支
持剛性を発揮して収納部によじれや揺れが生じるのを防
止することができる。その際、上記リンク同志の連結一
体化は基端部側を取付け基台に枢支する枢軸部分で行う
ようにすると効果的である。また、枢軸と取付け基台と
の間に平行リンクの収納部を下降させる速度を制限する
ダンパーを設けて、リンクの同体回転する枢軸と取付け
基台との間に働かせてあるので、収納部の下降を円滑な
ものとすることができると共に、該ダンパーはリンクと
は切り離したリンクの支持構造部に装備し、枢軸の回転
動作を利用してコンパクトに設けることができる。
【0015】この際、枢軸の回転をンパー側に増速し
て伝達する増速ギヤを介しダンパーを働かせることによ
り、ダンパー力を増大してリンクに働かせ、ダンパー容
量が小さくコンパクトなダンパー源にて十分に対応する
ことができる。また枢軸の連結部を長さの異なるものを
選択使用し、または交換して取付け基台間の距離を種々
に設定し、対向し合う対向面間の距離が種々に異なって
も容易に対応することができる。
【0016】本発明の収納装置の第1の特徴の上記構成
では、収納ボード内に上記のような各種の収納部用昇降
支持ユニットを収容して、これの各取付け基台を収納ボ
ードの両側内面に取付け、両側の平行リンクの自由端部
間に収納部を支持する簡単な組み立て作業だけで、通常
時は収納部を収納ボードに格納された状態とし、収納部
に物品を出し入れするときに収納部を収納ボードの前方
下部に引出し下降させた取出し位置とする昇降式の収納
ボードとすることができる。
【0017】この際、収納ボードが、収納部を支持した
収納部用昇降支持ユニットの全高よりも高い収納空間を
有し、両側壁の内面に取付け基台を取付ける取付け穴を
多段に設けたものとすることにより、収納した収納部用
昇降支持ユニットを使用者の背の高さ等に応じて取付け
位置を変えるようなことに容易に対応できる。
【0018】本発明の収納装置の第2の特徴の上記構成
では、収納ボード等の各種設置物どうしの間の空間や各
種設置物とこれを設置している部屋の壁との間の空間
に、上記のような各種の収納部用昇降支持ユニットを収
容し、これの各取付け基台を前記空間の両側の対向面に
取付けるとともに、両側の平行リンクの自由端部間に収
納部を支持する簡単な組み立て作業にて、前記各種設置
物どうしの間や各種設置物とこれを設置した部屋の壁と
の間の空間を利用して昇降式の収納部を設けることがで
きる。
【0019】上記各収納装置で、収納部の側板の前縁外
面に、収納部用昇降支持ユニットの平行リンクおよびこ
れの支持構造部を覆い隠すカバーを取り付けると、平行
リンクおよびこれの支持構造部が前部側に露出しない体
裁のよいものとし、かつ使用者が触れたりする危険を回
避することができる。
【0020】
【実施例】以下本発明の収納部用昇降支持ユニットおよ
びこれを用いた収納装置について、図1〜図7を参照し
ながら説明する。
【0021】図1〜図6は本発明の第1の実施例を示し
ている。本実施例は図1〜図3に示すように収納部用昇
降支持ユニットAを、収納ボードBに収容して、かご形
式の収納部Cを昇降できるように支持した収納装置の場
合を示している。
【0022】収納部用昇降支持ユニットAは、図4〜図
6に示すように、自由端部間で収納部Cを支持する両側
の平行リンク1、2を左右の取付け基台3、4に個別に
枢支し、両側の平行リンク1、2の対向し合う前部側の
リンク1a、2aを枢支しかつこれに同体回転する枢軸
5、6同志を連結軸17により連結一体化してある。こ
れにより各取り付け基台3、4を一体化するとともに両
側の平行リンク1、2が連動するようになる。
【0023】したがって、各取付け基台3、4に枢支し
た両側の平行リンク1、2はユニット化した収納部用昇
降支持ユニットAを構成するので、これの全体を1つの
ものとして取扱い、各取付け基台3、4を収納ボードB
の両側の内面に双方間の特別な位置合わせ作業を必要と
せずに、ねじ10等により容易に取付けることができ
る。奥側のリンク1b、2bの枢軸7、8同志をも連結
一体化すると、各取付け基台3、4の一体化の剛性およ
び両側の平行リンク1、2の連動剛性をさらに高めるこ
とができる。
【0024】平行リンク1、2は、それぞれの前後のリ
ンク1aと1bの自由端部間、およびリンク2aと2b
の自由端部間が、収納部Cを取付ける取付け座1c、2
cにより連結されて、収納部Cを支持していない状態
で、収納部用昇降支持ユニットA側の完結した平行リン
クをなすようにしてある。したがって、平行リンク1、
2の自由端部間に収納部Cを支持するには、この取付け
座1c、2cを収納部Cの両側板9にねじ10等により
取り付ければよい。
【0025】このような組み立て構造上、収納部用昇降
支持ユニットAを収納ボードBに収容して収納部Cを昇
降できるように支持した本実施例の収納装置は作業工数
少なく容易かつ迅速に組み立てることができる。収納ボ
ードB内の収納部用昇降支持ユニットAによって支持し
た収納部Cは、両側の平行リンク1、2が各取付け基台
3、4上で枢軸5〜8を中心として起伏することによ
り、収納ボードB内に図1、図2に示すように位置した
格納位置と、収納ボードBの前方下部に図3に示すよう
に引出し下降させた取出し位置との間で昇降される。
【0026】また、両側の平行リンク1、2が連動する
ことにより、両側の平行リンク1、2による収納部Cの
支持や動きに差が生じることはなく、両側の平行リンク
1、2の自由端部間で支持する収納部Cが図示するかご
形式のような簡易な剛性の低いのものであっても、十分
な支持剛性を発揮して収納部Cによじれや揺れが生じる
のを防止し、全体を軽量かつ小型なものとすることがで
きる。
【0027】一方、平行リンク1、2の後部側のリンク
1b、2bを枢支しかつこれに同体回転する枢軸7、8
と取付け基台3、4との間には、平行リンク1、2の収
納部Cを取出し位置に下降させる速度を制限するダンパ
ー機構11、12を働かせてある。このダンパー機構1
1、12は前記枢軸7、8の一方にのみ働かせても、両
側の平行リンク1、2が連動するものであることによ
り、双方に均等に働かせることができるし、本実施例の
ように2つのダンパー機構11、12を双方に分担して
働かせても、これらが同種のものかどうかに係わりな
く、両側の平行リンク1、2に均等に働かせることがで
きる。
【0028】ダンパー機構11、12は、取付け基台
3、4の両端部が外側に向け折曲げられた取付け座3a
間、および4a間の空間部に収容して働かせてあり、取
付け座3a間、および4a間に渡して溶接付け等して取
付けた取付け板20を利用し装備してある。
【0029】ダンパー機構11、12は枢軸7、8の回
転を利用して働かせてあり、リンク1a〜2bとは切り
離してリンク1a〜2bの支持構造部に装備し、枢軸5
〜8の回転動作を利用してコンパクトに設けることがで
きる。
【0030】具体的には、一方のダンパー機構11は蔓
巻きばね21とロータリ式のオイルダンパ22とを働か
せ、他方のダンパー機構12は蔓巻きばね31のみを働
かせてある。
【0031】ダンパー機構11の蔓巻きばね21は、枢
軸7の取付け板20の内側に突出した部分のまわりに巻
回され、図4、図5に示すように一方の端部21aが、
取付け板20の内側面に溶接付けした係止部材25によ
って受止められ、他方の端部21bが、取付け板20と
取付け基台3との間で枢軸5に同体回転するように装着
した大径のギヤ26上の複数の取付け穴23のいずれか
に取り付けた押動ピン24と遊びSを持って対向してい
る。
【0032】これによって、平行リンク1、2が図4に
示す矢印の方向に伏倒して収納部Cを収納ボードBから
引出し下降させる動作にギヤ26が連動して回転する
と、押動ピン24は最初前記蔓巻きばね21の端部21
bに近づくだけであるが、平行リンク1、2の傾きが大
きくなって収納部Cの重量が下動速度を増速させるよう
になる所定の途中位置にて前記遊びSがなくなり、以降
端部21bを押動していって係止部材25により受止め
られている一方の端部21aとの間で蔓巻きばね21を
次第にチャージしていき、収納部Cの重量が下降速度を
増速するように影響しても、前記チャージ動作時の抵抗
によって前記影響を緩和し、平行リンク1、2が低速で
下降できるようにする。
【0033】オイルダンパ22は取付け板20の内面に
取付けられ、これの図6に示す回転軸20aに装着した
ピニオンギヤ27がギヤ26に噛み合い、平行リンク
1、2が伏倒するときの枢軸7の回転が増速して回転軸
22aに伝達されるようにしている。
【0034】したがって、回転軸22aに取り付けた回
転羽根22bと、オイルダンパ22内の制動羽根22c
との相対速度が増大され、オイルダンパ22内に封入し
てあるオイルによる回転羽根22bの回転抵抗を大きく
する。これにより平行リンク1、2が起立状態から伏倒
し始めて前記蔓巻きばね21が働き始める位置までの引
き出し速度を、小さなダンパー容量のものにて十分に制
限することができる。
【0035】他方のダンパー機構12の蔓巻きばね31
は、枢軸8とこれに装着した前記ギヤ26に代わる回転
盤32とによって、前記蔓巻きばね21とほぼ同様に設
けられている。蔓巻きばね31の一方の端部31aを取
付け板20に螺合させた係止ボルト33によって受止め
た点が、蔓巻きばね21の場合と異なっている。
【0036】係止ボルト33はこれを回転させることに
よって、前記端部32aと対向する位置に進出したり、
この対向位置から後退させたりすることができる。係止
ボルト33を後退位置としておくことにより、蔓巻きば
ね31の他方の端部31bが回転盤32上の押動ピン2
4によって、一方の端部31aの側に押動されてもこの
端部31aを係止ボルト33が受止めないので、蔓巻き
ばね31は枢軸8のまわりに空回りされるだけで、平行
リンク1、2にダンパー機能を及ぼさない。しかし、係
止ボルト33を進出位置としておくことにより、蔓巻き
ばね31の端部31bが押動ピン24によって端部31
aの側に押動されると、この端部31aを係止ボルト3
3が受け止めて逃がさないので、蔓巻きばね31が両端
部31a、31b間でチャージされ、蔓巻きばね21と
同様に平行リンク1、2にダンパー機能を及ぼす。
【0037】これにより、係止ボルト33を進退させて
ダンパー機構12を働かせたり、働かせなかったりする
と、収納部Cに収納するものの重量に合わせて、ダンパ
ー機能を高めたり、弱めたりすることができる。もっと
もこのような複数の蔓巻きばねを同一の枢軸に装着し
て、選択的に働かせることもできる。
【0038】ギヤ26には円弧状の長穴26aが設けら
れ、これに取付け基台3および取付け板20間に確固に
取り付けたストッパーピン34が通るようにしてある。
収納部Cが取出し位置まで下降する平行リンク1、2の
伏倒位置にて、長穴26aの端部がストッパーピン34
に当接し平行リンク1、2がそれ以上下方に回動しない
ようにする。これによって、収納部Cが前記所定の取出
し位置を越えて過剰に下降されるようなことがないよう
にしている。
【0039】枢軸5、6を連結した連結軸17は、例え
ば図に示すようなパイプ部材とし、枢軸5、6の取付け
基台3、4から突出している端部5a、6aに嵌め合わ
せてねじ35により固定してあり、異なった長さの連結
軸17を選択して使用し、あるいは取り替えられるよう
にしてある。これにより収納ボードBの横サイズの異な
るものに対応し、この収納ボードBに適した大きさの収
納部Cを昇降できるように支持することができる。収納
部Cの両側板9の前部下間には、昇降動作用の把手9a
が取付けられている。
【0040】収納ボードBの両側内面には、各取付け基
台3、4を取付けるためのねじ穴36を多段に設けてあ
り、収納ボードBの高さに対して収納部用昇降支持ユニ
ットAの収納部Cを支持した状態の全高よりも高い場合
に、収納部用昇降支持ユニットAを使用者の背の高さに
応じて収納ボードBへの取付け高さを自由に変えられる
ようにしてある。
【0041】図7(a)、(b)は本発明の第2の実施
例としての収納装置を示している。
【0042】本実施例は2つの収納ボードBの間の空間
Dに収納部用昇降支持ユニットAを収容してそれらの対
向し合う面41、41に取付け、この収納部用昇降支持
ユニットAにより収納部Cを支持することにより、収納
部Cを前記のような空間Dへの格納状態と、この空間D
の前方下部に引出し下降させた取出し位置との間で昇降
させるようにしてある。
【0043】これにより、特別な収納ボードBがなくて
も昇降自在な収納部Cを持った収納装置を形成すること
ができるが、組み立ては前記第1の実施例で説明した場
合同様に容易にかつ迅速に行うことができ、特に前記の
ような2つの収納ボードBが既設されているような場合
に便利である。あるいは収納ボードBとこれを設置した
部屋の壁との間に前記のような空間Dがある場合も同様
に利用できる。
【0044】これらの場合、図に示すように収納部Cの
側板9の前縁外面に、収納部用昇降支持ユニットA部を
覆い隠すカバー42をねじ43等により取り付けておく
と、収納部用昇降支持ユニットA部に手を触れるような
危険を回避することができるし、収納ボードBに格納し
ない形態でも体裁のよいものとなる。もっともこのよう
なカバー42は前記第1の実施例のものに適用しても有
効である。
【0045】
【発明の効果】本発明の収納部用昇降支持ユニットによ
れば、両側の平行リンクを個別に枢支する左右の取付け
基台が、両側の平行リンクの対向し合うリンク同志を連
結軸で連結して全体がユニット化するので、全体を1つ
のもとして取り扱えるし、各取付け基台を収納ボード
等の対向し合う面への取付け作業を容易かつ迅速に行え
る。また、前記連結一体化による両側の平行リンクの連
動にて、両側の平行リンクによる収納部の支持や動きに
差が生じず、収納部がかご形式のような簡易な剛性の低
いのものでも、十分な支持剛性および連動剛性を発揮し
て収納部によじれや揺れが生じるのを防止し、使用者に
不安を与えないし、長寿命化する。また、枢軸と取付け
基台との間に平行リンクの収納部を下降させる速度を制
限するダンパーを設けて、該ダンパーをリンクの同体回
転する枢軸と取付け基台との間に働かせることにより、
収納部の下降を円滑なものとすることができると共に、
ダンパーはリンクとは切り離したリンクの支持構造部
に装備し、枢軸の回転動作を利用してコンパクトに設け
ることができる。
【0046】更に、上記枢軸の回転をダンパー側に増速
して伝達する増速ギヤを介しダンパーを働かせることに
より、リンクに働くダンパー力を増大させ、ダンパー源
の必要ダンパー容量を小さくコンパクト化を図れる。ま
た枢軸の連結部を長さの異なるものを選択使用し、また
は交換することにより取付け基台間の距離を種々に設定
して、対向し合う対向面間の距離が種々に異なっても容
易に対応することができる。
【0047】本発明の収納装置の第1の特徴によれば、
収納ボード内に上記のような各種の収納部用昇降支持ユ
ニットを収容し、各取付け基台を収納ボードの両側内面
に取付け、両側の平行リンクの自由端部間に収納部を支
持するだけの簡単な組み立て作業にて、通常時は収納部
を収納ボードに格納された状態とし、収納部に物品を出
し入れするときに収納部を収納ボードの前方下部に引出
し下降させた取出し位置とする昇降式の収納ボードが得
られる。
【0048】この際、収納ボードが、収納部を支持した
収納部用昇降支持ユニットの全高よりも高い収納空間を
有し、両側壁の内面に取付け基台を取付ける取付け穴を
多段に設けたものとすることにより、収納した収納部用
昇降支持ユニットを使用者の背の高さ等に応じて取付け
位置を変えるようなことが容易に行える。
【0049】本発明の収納装置の第2の特徴によれば、
収納ボード等の各種設置物同志の間の空間や各種設置物
とこれを設置している部屋の壁との間の空間に、上記の
ような各種の収納部用昇降支持ユニットを収容し、各取
付け基台を前記空間の両側の対向面に取付け、両側の平
行リンクの自由端部間に収納部を支持するだけの簡単な
組み立て作業にて、前記各種設置物同志の間や各種設置
物とこれを設置した部屋の壁との間の空間を利用して昇
降式の収納部を設けることができる。
【0050】上記各収納装置で、収納部の側板の前縁外
面に、収納部用昇降支持ユニットの平行リンクと取付
基台との間に架設したバネを覆い隠すカバーを取り付け
ると、これが前部側に露出しない体裁のよいものとし、
かつ使用者が触れたりする危険を回避することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての収納装置を示す正面
図である。
【図2】図1の収納装置の断面図である。
【図3】図1の収納装置の収納部を収納ボードから引出
し下降させた状態を示す縦断面図である。
【図4】図1の収納装置に利用した収納部用昇降支持ユ
ニットを示す斜視図である。
【図5】図1の収納部用昇降支持ユニットの一方の平行
リンクの枢支構造とダンパー機構とを示す側面図であ
る。
【図6】図5のダンパー機構部の横断面図である。
【図7】本発明の第2の実施例としての収納装置を示す
正面図である。
【符号の説明】
A 収納部用昇降支持ユニット B 収納ボード C 収納部 D 空間 1、2 平行リンク 1a〜2b リンク 3、4 取付け基台 5〜8 枢軸 10、35、43 ねじ 11、12 ダンパー機構 17 連結軸 26、27 増速ギヤ 42 カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47B 51/00 A47B 77/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自由端部間で収納部を昇降できるように
    基端部側を左右の取付け基台に枢支された両側の平行リ
    ンクと、前記取付け基台と平行リンクとの間に架設した
    バネと、前記両側の平行リンクの対向し合うリンク同志
    を連結する軸とを備え、上記連結軸は前記平行リンクの
    基端部側の対向し合う前側のリンク同志のみを連結した
    収納部用昇降支持ユニット。
  2. 【請求項2】 基端部側を取付け基台に枢支する枢軸を
    備え、連結軸は前記枢軸部分で対向し合うリンク同志を
    連結一体化した請求項1記載の収納部用昇降支持ユニッ
    ト。
  3. 【請求項3】 枢軸と取付け基台との間に平行リンクの
    収納部を下降させる速度を制限するダンパーを働かせた
    請求項2記載の収納部用昇降支持ユニット。
  4. 【請求項4】ダンパーは、枢軸の回転をンパー側に増
    速して伝達する増速ギヤを介して働かせた請求項3記載
    の収納部用昇降支持ユニット。
  5. 【請求項5】 連結軸は長さの異なるものと交換して取
    付け基台間の距離を種々に設定できるようにした請求項
    1ないし4のいずれか1項記載の収納部用昇降支持ユニ
    ット。
  6. 【請求項6】 収納ボード内に請求項1ないし5のいず
    れかに記載の収納部用昇降支持ユニットを収容して、こ
    れの各取付け基台を収納ボードの両側内面に取付けると
    ともに、両側の平行リンクの自由端部間に収納部を支持
    したことを特徴とする収納装置。
  7. 【請求項7】 収納ボードは、収納部を支持した収納部
    用昇降支持ユニットの全高よりも高い収納空間を有し、
    両側壁の内面に取付け基台を取付ける取付け穴を多段に
    設けている請求項6に記載の収納装置。
  8. 【請求項8】 収納ボード等の各種設置物同志の間の空
    間や各種設置物とこれを設置している部屋の壁との間の
    空間に、請求項1ないし5のいずれかに記載の収納部用
    昇降支持ユニットを収容し、これの各取付け基台を前記
    空間の両側の対向面に取付けるとともに、両側の平行リ
    ンクの自由端部間に収納部を支持したことを特徴とする
    収納装置。
  9. 【請求項9】 収納部の側板の前縁外面に、収納部用昇
    降支持ユニットの平行リンクおよびこれの支持構造部を
    覆い隠すカバーを取り付けた請求項6ないし8のいずれ
    かに記載の収納装置。
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