JP2763941B2 - 合成パルプの製造方法 - Google Patents

合成パルプの製造方法

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JP2763941B2 JP1314763A JP31476389A JP2763941B2 JP 2763941 B2 JP2763941 B2 JP 2763941B2 JP 1314763 A JP1314763 A JP 1314763A JP 31476389 A JP31476389 A JP 31476389A JP 2763941 B2 JP2763941 B2 JP 2763941B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、合成パルプの製造方法に関し、さらに詳し
くは、いわゆるエマルジョン・フラッシュ紡糸法による
ポリオレフィン系合成パルプの製造方法に関する。
発明の技術的背景 ポリオレフィン系合成パルプは、電池用セパレータ
ー、絶縁紙等の電気用紙、紙おむつ等の衛生材料、耐水
段ボール、耐水紙、ファイバーセメント板、ヒートシー
ル紙などの用途に広く用いられている。
しかしながら、従来のポリオレフィン系合成パルプ
は、電池用セパレーター、ファイバーセメント板などの
ある種の用途では、保水性が必ずしも充分でなかった。
従って、保水性に優れたポリオレフィン系合成パルプ
の出現が従来より望まれていた。
ところで、従来公知のポリオレフィン系合成パルプの
一製造方法として、高温高圧下にある乳化ないし懸濁し
た状態のポリオレフィン系重合体溶液を、低温低圧状態
にある受槽に噴出(フラッシュ)して、ポリオレフィン
系重合体を水中で分散した繊維状物として回収し(いわ
ゆるエマルジョン・フラッシュ紡糸法の一種)、次い
で、この繊維状物をリファイナーなどで叩解してポリオ
レフィン系合成パルプを得る方法がある。
例えば、特公昭53−12604号公報には、水の沸点より
も低い沸点の脂肪族炭化水素および脂環族炭化水素より
選ばれる溶媒、溶媒の15重量%以下のポリオレフィン、
ポリビニルアルコールおよび溶媒の2容量倍以下の量の
水、さらには界面活性剤を含む混合物からなり、かつ高
温で乳化ないし懸濁した状態の重合体溶液を低圧域に噴
出(フラッシュ)して、ポリオレフィンを水中で分散し
た繊維状物として回収する方法が開示されている。同公
報によれば、このような方法により得られた繊維状物
を、リファイナー、ビーターを用いて叩解すれば容易に
フィブリル化したパルプが得られるとされている。な
お、同公報には、繊維状物から得られる合成パルプの保
水性については何ら記載されていない。
特公昭51−30606号公報には、ポリオレフィンなどの
疎水性合成高分子物の溶媒溶液と、ポリビニルアルコー
ルなどの親水性高分子物の水溶液とからなる油中水滴型
の乳濁液をオリフィスから低圧域に噴射して合成高分子
繊維構造物を製造する方法が開示されている。また同公
報によれば、このような方法により得られた繊維構造物
は、ステープル状のものはそのまま、フィラメント状の
ものは適当に切断して水中に懸濁させて叩解すれば、極
めて容易に割繊、フィブリル化されて製紙用等として極
めて優れた性質を有する合成パルプが得られるとされて
いる。なお、同公報には、上記のような方法で得られた
合成高分子繊維構造物が適度の親水性を有する旨の記載
はあるものの、合成高分子繊維構造物を叩解して得られ
た合成パルプの保水性については何ら記載されていな
い。
特開昭53−24410号公報には、高められた温度および
圧力を有する、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂の有
機溶媒とポリビニルアルコールなど親水性樹脂の水溶液
を含む液を、平均滞留時間が5分以下となるべき内容積
を有する連続式乳化器により混合して乳化液とし、この
乳化液をフラッシュ紡糸する方法が開示されている。同
公報によれば、このような乳化液紡糸法により、ミクロ
フィブリル化の進んだ、不透明度の高い、かつ易叩解性
の合成パルプを安定して得ることができるとされてい
る。なお、同公報には、上記の易叩解性合成パルプを叩
解して得られた合成パルプの保水性については何ら記載
されていない。
発明の目的 本発明は、幹繊維および分岐繊維の繊維全体の平均繊
維径が1μm以下と極細で、従来のポリオレフィン系合
成パルプの特性を保持するとともに、保水性に優れたポ
リオレフィン系合成パルプの製造方法を提供することを
目的としている。
発明の概要 本発明に係る第1の合成パルプの製造方法は、水の沸
点よりも低い沸点の溶媒、ポリオレフィン、水およびポ
リビニルアルコールを含み、かつ 該ポリオレフィンの溶媒に対する濃度(常温)が0.1
〜30g/の範囲内にあり、 該水の溶媒に対する容積比(常温)が1/10〜10/1の範
囲内にある混合物からなる、乳化ないし懸濁した状態に
ある水中油滴型の重合体溶液を、高速撹拌機を用いて、
回転数400〜10,000rpmの条件で撹拌した後、該重合体溶
液をフラッシュ紡糸して、ポリオレフィンを水中で分散
した繊維状物として回収し、次いで、該ポリオレフィン
繊維状物を叩解することにより、幹繊維および分岐繊維
の繊維全体の平均繊維径が1μm以下であり、保水度が
30〜80倍である合成パルプを得ることを特徴としてい
る。
本発明に係る第2の合成パルプの製造方法は、水の沸
点よりも低い沸点の溶媒、ポリオレフィン、水、ポリビ
ニルアルコールおよび界面活性剤を含み、かつ 該ポリオレフィンの溶媒に対する濃度(常温)が0.1
〜30g/の範囲内にあり、 該水の溶媒に対する容積比(常温)が1/10〜10/1の範
囲内にあり、 該ポリビニルアルコールのポリオレフィンに対する重
量比が0.1〜100〜30/100の範囲内にあり、 該ポリビニルアルコールの界面活性剤に対する重量比
が1/0.7〜1/20の範囲内にある混合物からなる、乳化な
いし懸濁した状態にある水中油滴型の重合体溶液を、高
速撹拌機を用いて、回転数400〜10,000rpmの条件で攪拌
した後、該重合体溶液をフラッシュ紡糸して、ポリオレ
フィンを水中で分散した繊維状物として回収し、次い
で、該ポリオレフィン繊維状物を叩解することにより、
幹繊維および分岐繊維の繊維全体の平均繊維径が1μm
以下であり、保水度が30〜80倍である合成パルプを得る
ことを特徴としている。
発明の具体的説明 以下、本発明に係る合成パルプの製造方法について具
体的に説明する。
まず、乳化ないし懸濁した状態にある水中油滴型の重
合体溶液を調製する。
本発明で用いられる乳化ないし懸濁した状態にある重
合体溶液は、水中油滴型のエマルジョンであって、溶
媒、ポリオレフィン、水およびポリビニルアルコール、
またはこれらの成分および界面活性剤を含んで構成され
ている。
本発明で用いられるポリオレフィンは、ポリオレフィ
ンを溶解する溶媒があり、かつポリオレフィンが分子配
向するようなものであれば、その種類は問わない。本発
明で用いられるポリオレフィンとしては、具体的には、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ
4−メチルペンテン−1などのα−オレフィン、あるい
はこれらの共重合体などが挙げられる。中でも、ポリエ
チレン、ポリプロピレンが好ましい。特に、粘度平均分
子量が10,000以上のポリエチレンと、分子量が50,000以
上のポリプロピレンが好ましい。
本発明においては、ポリオレフィンの溶媒に対する濃
度(常温)は、0.1〜30g/、好ましくは1〜10g/の
範囲内にある。本発明において、ポリオレフィンの溶媒
に対する濃度(常温)を上記のような範囲に設定して重
合体溶液をエマルジョン・フラッシュ紡糸すれば、連続
した紐状物を生成することなく径の細い短繊維状物を得
ることができる。このように、径の細い短繊維状物が得
られるのは、上記のようなポリオレフィン濃度(常温)
では、重合体溶液中の油滴粒子(ポリオレフィン粒子)
の表面張力が小さいため、油滴粒子が再凝集することな
く微粒状態でエマルジョン・フラッシュされることによ
ると推察される。
本発明で用いられる溶媒は、水の沸点よりも低い沸点
の溶媒であり、通常、炭化水素系溶媒が用いられる。例
えばポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフ
ィンに対して用いられる炭化水素系溶媒としては、具体
的には、ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、ヘプ
タン、ヘキセン、ペンテン等の脂肪族炭化水素類、シク
ロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環
族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素類、四塩化炭素、クロルベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素類などが挙げられ、中でも、n−ヘキサ
ン、イソヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどが好
ましく用いられる。
本発明においては、水を用いるが、水の溶媒に対する
容積比(水/溶媒、常温)は、1/10〜10/1、好ましくは
1/5〜5/1の範囲内にある。
本発明においては、ポリオレフィンの溶媒に対する濃
度(常温)および水の溶媒に対する容積比(常温)を、
それぞれ上記のような範囲内にすることによって、幹繊
維および分岐繊維の繊維全体の平均繊維径が1μm以下
と極細で、従来のポリオレフィン系合成パルプの特性を
保持するとともに、保水性に優れたポリオレフィン系合
成パルプが得られる。
本発明においては、ポリビニルアルコールは、通常、
ポリビニルアルコールのポリオレフィンに対する重量比
(ポリビニルアルコール/ポリオレフィン)で0.1/100
〜30/100、好ましくは0.3/100〜10/100の範囲内の量で
用いられる。
ポリビニルアルコールは、合成パルプに親水性を付与
するとともに、合成パルプに水分散性を付与する効果が
ある。
本発明においては、重合体溶液の構成成分として、溶
媒、ポリオレフィン、水およびポリビニルアルコールに
加えて、界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性
剤は、ポリオレフィンおよび溶媒の種類、溶媒と水との
量的関係により適宜選択される。
本発明で用いられる界面活性剤としては、具体的に
は、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ア
ニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ポリアクリル
酸、ゼラチンなどが挙げられるが、中でもアニオン系界
面活性剤が好ましい。
本発明においては、界面活性剤は、通常ポリビニルア
ルコールの界面活性剤に対する重量比(ポリビニルアル
コール/界面活性剤)で1/0.7〜1/20、好ましくは1/1〜
1/10の範囲内の量で用いられる。
本発明において、界面活性剤を上記のような量で用い
ることによって、重合体溶液のエマルジョン安定性が一
層向上し、フラッシュ紡糸により径の細い短繊維状物を
回収することができるため、幹繊維および分岐繊維の繊
維全体の平均繊維径が1μm以下のより極細のポリオレ
フィン系合成パルプが得られる。
また、本発明においては、必要に応じて、炭酸ナトリ
ウムなどの中和剤を、本発明の目的を損なわない範囲で
用いることができる。
本発明で用いられる乳化ないし懸濁した状態にある水
中油滴型の重合体溶液は、上記のような成分で構成され
るが、その調製方法として、具体的には、予め別個に調
製したポリオレフィンを溶媒に溶解させたポリオレフィ
ン溶液とポリビニルアルコール水溶液とを攪拌混合する
方法、溶媒、ポリオレフィン、水およびポリビニルアル
コール、さらには界面活性剤を同時に攪拌混合する方法
などが挙げられる。
次に、上記の乳化ないし懸濁した状態にある重合体溶
液をフラッシュ紡糸して、ポリオレフィンを水中で分散
した繊維状物として回収する。
上記のフラッシュ紡糸の方法としては、例えば本願出
願人に係る特公昭53−12604号公報に開示されているよ
うな方法が挙げられる。すなわち、この方法では、130
〜160℃の温度で乳化ないし懸濁した状態にある水中油
滴型の重合体溶液を、自生圧力ないし15kg/cm2(ゲージ
圧)の圧力域から低圧域に噴出(フラッシュ)すること
によって、溶媒全部および水の一部をフラッシュ蒸発さ
せるとともに、ポリオレフィンを水中で分散したポリオ
レフィン繊維状物として回収する。
本発明においては、上記の重合体溶液をフラッシュ紡
糸する直前に、高速撹拌機を用いて、回転数400〜10,00
0rpm、好ましくは2,000〜10,000rpmの条件で攪拌する。
最後に、上記のようにして回収した水中で分散してい
るポリオレフィン繊維状物を叩解して合成パルプを得
る。
上記の叩解は、従来公知の叩解機、例えばリファイナ
ー、ビーターなどを用いて行なうことができる。また、
本発明においては、ポリオレフィン繊維状物の濃度(常
温)を通常、1〜100g/、好ましくは5〜50g/に調
整して、ポリオレフィン繊維状物を叩解する。
本発明では、溶媒、ポリオレフィン、水およびポリビ
ニルアルコール、さらには界面活性剤を特定の割合で含
んで構成されている、乳化ないし懸濁した状態にある水
中油滴型の重合体溶液を、フラッシュ紡糸または高速攪
拌してフラッシュ紡糸しているので、易叩解性の、径の
細い短繊維状物が得られ、さらに、このような短繊維状
物を叩解するので、分岐繊維の平均繊維径が1μm以下
と極細で、毛管作用が極めて強く、保水性に優れたポリ
オレフィン系合成パルプが得られる。
発明の効果 本発明によれば、幹繊維および分岐繊維の繊維全体の
平均繊維径が1μm以下と極細で、従来のポリオレフィ
ン系合成パルプの特性を保持するとともに、保水性に優
れたポリオレフィン系合成パルプが得られる。たとえば
後述する実施例では、保水度が30〜80倍の合成パルプが
得られている。本発明の上記のような効果は、界面活性
剤を重合体溶液の構成成分として用いた方が大きい。
本発明により得られるポリオレフィン系合成パルプ
は、幹繊維および分岐繊維の繊維全体の平均繊維径が1
μm以下と極細で、しかも、保水性に優れているので、
電池用セパレーター、ファイバーセメント製品、塗料の
チクソトロピー付与剤、気体用フィルター、液体用フィ
ルター、ティーバッグ用紙、マスク、セラミックスペー
パー、水、油、溶剤、尿などを吸収する吸収シートもし
くは吸水マット、シーラー用添加剤、シーラント用添加
剤、コーキング材用添加剤、接着剤用添加剤、電線ケー
ブル被覆材、絶縁紙、ブックカバー、ラベル紙、耐水
紙、紙皿などの成形板紙、滅菌バッグ紙、ヒートシール
紙、ティッシュペーパー、タオルペーパー、ワイプ、壁
紙、クッションフロアーの裏打ち材、壁材の補強用繊
維、タイルグラウト、濾過助剤などの用途に利用するこ
とができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、
これら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における合成パルプの幹繊
維および分岐繊維の繊維全体の平均繊維径および合成パ
ルプの保水度は、下記の方法により測定する。
[測定法] (1)幹繊維および分岐繊維の繊維全体の平均繊維径 走査型電子顕微鏡を用いて平均繊維径を測定する。
(2)合成パルプの保水度 まず、底部に金網を取付けた内径50mmφの円筒内に、
合成パルプ濃度を5g/500ml(水温20±2℃)に調整した
合成パルプの水スラリー500mlを入れる。
次いで、円筒の底部より水を抜いて金網上に残った、
水を含んだ状態の合成パルプを取り出して、その重量を
測定し、次式により、合成パルプの保水度を算出する。
本発明では、3回測定して求めた保水度の平均値をも
って、合成パルプの保水度とする。
実施例1 じゃま板を具備した30容量の撹拌機付オートクレー
ブ中に、n−ヘキサン10(23℃)、水10(23℃)、
2.5重量%濃度の炭酸ナトリウム水溶液0.8ml、および高
密度ポリエチレン[メルトフローレート(ASTM D 12
38−86):6g/10分、密度:0.968g/cm3]100gを投入して
攪拌混合し、さらに、ポバール[PVA、ケン化度:99%、
4%水溶液粘度(20℃):5.0cps、商品名ゴーセノール
NL−05、日本合成化学工業(株)製]3gを投入して回
転数900rpmで攪拌しながら、混合液の液温が140℃にな
るまで昇温する。そして、混合液の液温を140℃に保持
して、さらに、30分間攪拌を続け、懸濁液を得る。
次いで、この懸濁液を、オートクレーブに取り付けら
れた直径3mmのノズルよりパイプを経て、窒素雰囲気
下、かつ大気圧未満の圧力下にあるドラム内に噴出(フ
ラッシュ)させて繊維状物を得る。
次いで、繊維状物を受容器内で10g/濃度の水スラリ
ーとした後、直径12インチのディスク型リファイナーで
叩解し、パルプ状物を得る。
このようにして得られる合成パルプは、幹繊維および
分岐繊維の繊維全体の平均繊維径が0.5μmであり、ま
た合成パルプの保水度が35倍である。
実施例2 じゃま板を具備した30容量の撹拌機付オートクレー
ブ中に、n−ヘキサン14(23℃)、水7(23℃)、
ポリプロピレン[メルトフローレート(ASTM D1238−8
6):11g/10分、密度:0.91g/cm3]200gおよびポバール
[PVA、ケン化度:88%、4%水溶液粘度(20℃):18cp
s、商品名ゴーセノールGM−14L、日本合成化学工業
(株)製]3gを投入して回転数900rpmで攪拌しながら、
混合液の液温が150℃になるまで昇温する。
そして、混合液の液温を150℃に保持して、さらに、2
0分間攪拌を続け、懸濁液を得る。
次いで、この懸濁液を、オートクレーブに取り付けら
れた直径2mmのノズルよりパイプを経て、窒素雰囲気
下、かつ大気圧未満の圧力下にあるドラム内に噴出(フ
ラッシュ)させて繊維状物を得る。
次いで、繊維状物を受容器内で10g/濃度の水スラリ
ーとした後、直径12インチのディスク型リファイナーで
叩解し、パルプ状物を得る。
このようにして得られる合成パルプは、幹繊維および
分岐繊維の繊維全体の平均繊維径が0.6μmであり、ま
た合成パルプの保水度が30倍である。
実施例3 実施例1において、じゃま板を具備した30容量の撹
拌機付オートクレーブ中に、n−ヘキサン10(23
℃)、水10(23℃)、高密度ポリエチレン[メルトフ
ローレート(ASTM D 1238−86):6g/10分、密度:0.9
68g/cm3]100g、ポバール[PVA、ケン化度:99%、4%
水溶液粘度(20℃):5.0cps、商品名ゴーセノール NL
−05、日本合成化学工業(株)製]3gおよびアニオン界
面活性剤としてアルキルスルホン酸ソーダ[商品名 ラ
テムルPS、花王(株)製]を投入する以外は、実施例1
と同様にして、パルプ状物を得る。
このようにして得られる合成パルプは、幹繊維および
分岐繊維の繊維全体の平均繊維径が0.1μmであり、ま
た合成パルプの保水度が50倍である。
実施例4 実施例1において、実施例1の懸濁液を、オートクレ
ーブから流速8/分の条件でパイプ内を通過させて、
回転数4,000rpmの高速攪拌機[商品名 TK ホモミック
ラインフロー、特殊機化工業社製、容量:13、ロータ
ーの直径:11cm、ローターとステーターとの間隙:0.5m
m]へ移送し、高速撹拌機の出口に取り付けられた直径3
mmのノズルよりパイプを経て、窒素雰囲気下、かつ大気
圧未満の圧力下にあるドラム内に噴出(フラッシュ)さ
せる以外は、実施例1と同様にして、パルプ状物を得
る。
このようにして得られる合成パルプは、幹繊維および
分岐繊維の繊維全体の平均繊維径が0.2μmであり、ま
た合成パルプの保水度が45倍である。
実施例5 実施例4において、実施例1の懸濁液の代わりに、実
施例3の懸濁液を用いる以外は、実施例4と同様にし
て、パルプ状物を得る。
このようにして得られる合成パルプは、幹繊維および
分岐繊維の繊維全体の平均繊維径が0.05μmであり、ま
た合成パルプの保水度が80倍である。
比較例1 実施例1において、高密度ポリエチレンおよびポバー
ルの配合量をそれぞれ500g、15gとする以外は、実施例
1と同様にして、パルプ状物を得る。
このようにして得られる合成パルプは、幹繊維および
分岐繊維の繊維全体の平均繊維径が12μmであり、また
合成パルプの保水度が20倍である。
比較例2 実施例4において、高密度ポリエチレンおよびポバー
ルの配合量をそれぞれ1,000g、20gとする以外は、実施
例4と同様にして、懸濁液を噴出(フラッシュ)させ
る。
このようにして得られる噴出物は、連続した紐状物で
あり、そのままではリファイナーにかけることができな
いので、この連続した紐状物を短く切断した後リファイ
ナーで叩解してパルプ状物を得る。
このようにして得られる合成パルプは、幹繊維および
分解繊維の平均繊維径が15μmであり、また合成パルプ
の保水度が17倍である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D21H 13/14 D21H 5/20 B (72)発明者 江崎 元幸 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 三井石油化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−24410(JP,A) 特開 昭52−132119(JP,A) 特公 昭53−12604(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 6/00 - 6/96 D01D 1/00 - 13/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水の沸点よりも低い沸点の溶媒、ポリオレ
    フィン、水およびポリビニルアルコールを含み、かつ 該ポリオレフィンの溶媒に対する濃度が0.1〜30g/lの範
    囲内にあり、 該水の溶媒に対する容積比が1/10〜10/1の範囲内にある
    混合物からなる、乳化ないし懸濁した状態にある水中油
    滴型の重合体溶液を、高速撹拌機を用いて、回転数400
    〜10,000rpmの条件で撹拌した液、該重合体溶液をフラ
    ッシュ紡糸して、ポリオレフィンを水中で分散した繊維
    状物として回収し、 次いで、該ポリオレフィン繊維状物を叩解することによ
    り、幹繊維および分岐繊維の繊維全体の平均繊維径が1
    μm以下であり、保水度が30〜80倍である合成パルプを
    得ることを特徴とする合成パルプの製造方法。
  2. 【請求項2】水の沸点よりも低い沸点の溶媒、ポリオレ
    フィン、水、ポリビニルアルコールおよび界面活性剤を
    含み、かつ 該ポリオレフィンの溶媒に対する濃度が0.1〜30g/lの範
    囲内にあり、 該水の溶媒に対する容積比が1/10〜10/1の範囲内にあ
    り、 該ポリビニルアルコールのポリオレフィンに対する重量
    比が0.1/100〜30/100の範囲内にあり、 該ポリビニルアルコールの界面活性剤に対する重量比が
    1/0.7〜1/20の範囲内にある混合物からなる、乳化ない
    し懸濁した状態にある水中油滴型の重合体溶液を、高速
    撹拌機を用いて、回転数400〜10,000rpmの条件で撹拌し
    た後、該重合体溶液をフラッシュ紡糸して、ポリオレフ
    ィンを水中で分散した繊維状物として回収し、 次いで、該ポリオレフィン繊維状物を叩解することによ
    り、幹繊維および分岐繊維の繊維全体の平均繊維径が1
    μm以下であり、保水度が30〜80倍である合成パルプを
    得ることを特徴とする合成パルプの製造方法。
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