JP2763658B2 - 金属薄膜形成法 - Google Patents

金属薄膜形成法

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JP2763658B2 JP2177554A JP17755490A JP2763658B2 JP 2763658 B2 JP2763658 B2 JP 2763658B2 JP 2177554 A JP2177554 A JP 2177554A JP 17755490 A JP17755490 A JP 17755490A JP 2763658 B2 JP2763658 B2 JP 2763658B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属薄膜形成法に関し、特に、半導体集積
回路装置等の配線に好ましく適用できるAl薄膜形成法に
関するものである。
〔従来の技術〕
従来、半導体を用いた電子デバイスや集積回路(LS
I)において、電極や配線にはおもにアルミニウム(A
l)もしくはAl−Si等が用いられてきた。Alは、廉価で
電気伝導度が高く、また表面に緻密な酸化膜が形成され
るので、内部が化学的に保護されて安定化することや、
Siとの密着性が良好であることなど、多くの利点を有し
ている。
ところで、超LSIなどの集積度が増大し、配線の微細
化や多層配線化などが近年特に必要とされてきた。Al膜
の堆積方法として、段差部で配線切れが生じないように
ステップカバレッジに優れた堆積方法が必要である。ま
た、微細なコンタクト穴やスルーホールなどのビアホー
ルへもステップカバレッジ良く、あるいはビアホールへ
選択的に堆積できる方法が必要である。さらに、エレク
トロマイグレーション、ストレスマイグレーション耐性
に優れた高信頼性配線であることが必要である。
従来のLSIでは、段差部にテーパを設けて段差部での
ステップカバレッジの劣化を防いでいたが、微細化と共
に段差部にテーパを設けることができず、垂直な段差と
なってきた。スパッタ法は、真空中の粒子の直線運動を
基礎とするため、垂直な段差部での膜厚は、どうしても
段差部以外の場所よりも薄くなってしまい、良好なステ
ップカバレッジを維持することができない。また、ビア
ホール箇所においても、ビアホールを完全に埋めること
はできず、ビアホール内に巣などが生じてしまい良好な
コンタクトを形成することができない。
Alを含んだガスを基体の置かれた空間に輸送し、原料
ガスの基体表面での吸着と反応を用いて所望の堆積膜を
形成する化学的気相成長法(以下CVD法と略する)によ
ってAl,Al−Siを堆積することができる。CVD法では、原
料ガスの基体表面上での吸着と反応を利用するために、
段差部でのステップカバレッジに優れる特徴がある。ま
た、基体表面の種類によって選択堆積も可能である。Al
CVDには、一般に原料ガスとしてトリメチルアルミニウ
ム((CH36Al2以下TMA)、トリイソブチルアルミニウ
ム((iC4H93Al、以下TIBA)、ジメチルアルミニウム
ハイドライド((CH32HAl、以下DMAH)などの有機金
属原料が用いられている。よく知られているようにAl C
VD法で堆積されるAl膜は、スパッタ法に比較してステッ
プカバレッジに優れている。また、Al CVDでは、SiO2
形成されたSi基体表面上においてSiの露出した部分のみ
に選択的に堆積することも可能である。
DMAHと水素を用いたCVD法(坪内他:「日経マイクロ
デバイス」1990年6月1日号,p96〜p102)によれば、Si
や金属などの導電性基体上のみへAlもしくはAl−Siの選
択成長が可能であり、かつSi基体上に選択的に堆積した
Alは単結晶である。
Si上に選択成長したAl領域は、単結晶であることか
ら、熱処理時にSi界面でエロージョンやスパイクの発生
もなく、コンタクト抵抗の劣化がない。更に、Alをビア
ホール中に選択的に堆積した後、基体表面全面に堆積す
ることができ、ビアホールを完全に平坦化してAlもしく
はAl−Siを堆積させることが可能である。従って微細化
の進んでいる超LSIにおいて段差部やコンタクト部、ビ
アホール部での配線切れの生じない良好な配線を形成す
ることができる。
エレクトロマイグレーション(以下EMと略す)は、配
線に電流を流し続けた際に、配線切れを生ずる現象であ
る。配線切れは、Al配線の結晶粒界で生ずるといわれて
いる。また、ストレスマイグレーション(以下SMと略
す)は、Al配線上に形成されたSiOやSiNなどの絶縁膜に
よりAl配線に応力(ストレス)が生じ、Al配線の断線を
引き起す現象である。一般にAlもしくは、Al−Siは結晶
学的には多結晶である。多結晶とは、微視的に見ると単
結晶である粒が集った状態であり、ひとつひとつの単結
晶領域を結晶粒、結晶粒と結晶粒の境を結晶粒界と言
う。一般に超LSIにおいて結晶粒の大きさは、μmオー
ダである。EM,SMはAlもしくはAl−Si配線の信頼性を損
う大きな原因であり、EM及びSM耐性を向上させることが
超LSIの配線金属の信頼性を向上させるための必須の課
題である。
EM,SM耐性向上のために、AlもしくはAl−SiにCuやTi
を微量添加するといった方法、更に、Al以外のW,Mo,Cu
等の金属を用いる方法が検討されているが、SiO2との密
着性,ボンディング性や微細加工の容易さ等全ての条件
を満すとなるとAlもしくはAl−Si以外選択の余地がな
い。
米国電気電子学会(IEEE)の1989年12月開催のIEDM
(International Electron Devices Meeting)のダイジ
ェストp.677〜p.681にはAlが単結晶であれば、EM,SM耐
性共に格段に向上することが報告されている。
即ち、AlもしくはAl−Siであっても、従来の様に多結
晶ではなく、単結晶で配線を形成できるならば、密着
性,ボンディング性,微細加工の容易さ、を満し、且つ
EM,SMによる断線の生じない高信頼配線を実現すること
ができる。しかし、超LSIにおいて単結晶Alもしくは、A
l−Si配線は、以下に述べる様に、実現されていなかっ
た。
単結晶Al薄膜が実現されたとの報告があるが、これら
は全てSi単結晶基板上において実現されたものである。
EM,SM耐性が、単結晶Alにすると向上するという報告(1
989年IEDMダイジェスト,前出)もSi基板上にCVD法で形
成したAl膜を用いて測定した結果である。超LSIにおけ
るAlもしくはAl−Si配線の大部分は、SiO2等の絶縁体上
に形成されている。SiO2上などの絶縁体上ではスパッタ
法,CVD法,ICB(イオンクラスタービーム)法いずれの方
法においても粒径μmオーダの結晶粒から成る多結晶で
ある。
坪内他(前掲)によれば、ビアホールのみへまず単結
晶Al(第1のAl)を選択的に堆積した後、ウェハ全面
に、第2のAlを基体表面全面に堆積可能である。しか
し、第2のAlは、単結晶であるが、第2のAlはやはりμ
mオーダの結晶粒からなる多結晶である。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、
SiO2等の絶縁体上のAl膜であっても、下層部分に単結晶
Alが存在すると、絶縁体上のAlであっても熱処理によっ
て単結晶化し得るという事実の発見にもとづくものであ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上の様に、近年、より微細化による高集積化、高速
化が望まれている半導体の技術分野において、高集積化
されかつ高性能化された半導体装置の信頼性を向上させ
るためには、改善すべき余地が多く存在していた。
本発明は、上述した技術的課題に鑑みなされたもので
あり、非単結晶金属薄膜、特にAlまたはAl−Si配線層を
単結晶化し、それによって配線の耐マイグレーション特
性を向上させる方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
このような目的を達成するために、本発明による金属
薄膜形成法は、アルミニウムまたはアルミニウムを主成
分とする合金からなる金属膜を少なくともその一部にお
いてアルキルアルミニウムハイドライドのガスと水素と
を用いた化学的気相成長法によって得られたアルミニウ
ムまたはアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金
からなる単結晶金属に接して形成する工程と、前記金属
膜を加熱して少なくともその一部分を単結晶化する工程
とを有することを特徴とする。
さらに本発明による半導体装置における金属薄膜形成
法は、基体の表面上に絶縁膜を形成する工程と、該絶縁
膜に開口部を設けて前記基体の表面の一部を露出させる
工程と、アルキルアルミニウムハイドライドのガスと水
素とを用いたCVD法によりアルミニウムまたはアルミニ
ウムを主成分とするアルミニウム合金からなる第1の金
属を堆積させ、前記開口部内に該第1の金属からなる単
結晶を配する工程と、前記第1の金属からなる単結晶上
および前記絶縁膜上にアルミニウムまたはアルミニウム
を主成分とするアルミニウム合金からなる第2の金属の
薄膜を形成する工程と、該第1の金属からなる単結晶を
種結晶とし前記第2の金属の薄膜を加熱して少なくとも
その一部を単結晶化する工程とを有することを特徴とす
ることを特徴とする。
〔作用〕
本発明によれば、単結晶金属と接している非単結晶金
属薄膜を加熱することによって、単結晶金属を種結晶し
て非単結晶金属薄膜を単結晶化できる。このような単結
晶薄膜を半導体装置の配線層とすることによってマイグ
レーション耐性を向上させることができる。
〔実施例〕
本発明の好適な実施態様例は、単結晶Alと非結晶Alと
の少なくとも一部が接して設けられたAl膜に熱処理を施
すことにより非単結晶Alを単結晶化するものである。
この時にシード(種結晶)となる単結晶Alを形成する
方法としては、ジメチルアルミニウムハイドライド(Al
(CH32H)、モノメチルアルミニウムハイドライド(A
l(CH3)H2)、トリイソブチルアルミニウム(Al(iC4H
9)を原料ガスとして用いたCVD法を用いて単結晶Si
上にAlを堆積させて単結晶Alを形成する方法が好まし
い。
一方、非単結晶Alを形成する方法としては、上記ガス
を用いたCVD法により単結晶Al以外の材料からなる表面
上にAlを堆積させて多結晶Alを形成する方法や、スパッ
タリングにより多結晶Alを形成する方法,トリメチルア
ルミニウム(Al(CH3)やジエチルアルミニウムク
ロライド(Al(C2H52Cl)を用いたCVD法により多結晶
Alを形成する方法等がある。
単結晶Alシードは単結晶化すべき非単結晶Alと少なく
とも一部が接するように設けられればよい。例えばシー
ドと絶縁膜とが格子状に形成されていてもよいし、シー
ドが絶縁膜に形成されたビアホールパターン内に堆積さ
れ、あるいはシードと絶縁膜とがラインアンドスペース
パターンを構成していてもよい。
本発明のもう1つの好適な実施態様例は絶縁膜に形成
された開孔部(ビアホール)内に形成された単結晶Alを
シード(種結晶)としてそれ以外の部分の非単結晶Alを
加熱して単結晶化するものである。とりわけ、ビアホー
ル内に選択的にAlを堆積させて単結晶Alを形成した後、
絶縁膜の上にも非選択的にAlを堆積させる。そして、熱
処理を施して絶縁膜上のAlを単結晶化させることが好ま
しい。このような手法を用いればビアホール上のAlに凹
部が形成されることなく平坦なAl膜を形成することがで
きる。
シードとなる単結晶Alを形成する方法としては、アル
キルアルミニウムハイドライドと水素とを利用したCVD
法(Al−CVD法)が好ましい。このCVD法を利用すれば、
単結晶Siのような電子供与性の表面上に選択的にAlを堆
積させることができる。
アルキルアルミニウムハイドライドとはジメチルアル
ミニウムハイドライド(Al(CH32H)やモノメチルア
ルミニウムハイドライド(AlCH3H2)である。単結晶化
される前の非単結晶Alを形成する方法としては、通常の
スパッタリング法やCVD法である。CVD法を用いる場合の
原料ガスとしてはトリメチルアルミニウム(Al(CH3
)やトリイソブチルアルミニウムAl(iC4H9、ジ
エチルアルミニウムクロライドAl(C2H52Clがある。
このような方法を用いれば半導体装置に好適な配線を形
成することができるのである。
以下図面を用いて本実施態様例について詳述する。
第1図は本発明による単結晶化法を配線の形成に利用
した例を説明する為の模式的断面図である。
第1図(a)において1は単結晶Si等からなる基体、
2は酸化シリコン等からなる絶縁膜、3はシードとなる
単結晶Al、4は後述する単結晶化法により単結晶化され
るAl、である。
まず、基体1上に絶縁膜2を形成する。
そして、反応性イオンエッチング等によりビアホール
を形成し基体1の表面を一部露出させる。ここで絶縁膜
としてはNSG,PSG,BSG,BPSG等の酸化シリコン膜や窒化シ
リコン膜或いは酸化窒化シリコン膜等である。これらの
膜は周知の熱酸化法,CVD法,スパッタリング法等により
形成できる。
次いで、ビアホール内に単結晶Al(第1のAl)3を形
成する。この場合に上述したAl−CVD法を利用すればビ
アホール内に選択性よく単結晶Alを形成することができ
る。この時の基体表面温度としてはアルキルアルミニウ
ムハイドライドの分解温度以上〜450℃以下、より好ま
しくは260℃以上440℃以下、最適には270℃以上350℃以
下である。
こうして形成された単結晶Alは下地のSiとの界面も良
好で且つ表面性にも優れている。
ビアホール内に単結晶Al3を形成した後、単結晶Al3と
絶縁膜2との上に非単結晶Al(第2のAl)4を形成す
る。この場合には上記Al−CVD法以外に周知の堆積法を
用いることができる。また、Al−CVD法を用いる場合に
は非電子供与性の表面である絶縁膜2にプラズマによっ
てイオンや電子を供給したり、プラズマダメージやイオ
ン注入等を用いた表面改質工程を付与し実質的に電子供
与性とすればよい。このように表面改質工程を導入すれ
ば非単結晶Alを絶縁膜2上にも形成することができるの
である(第1図(a))。
その後、後述する熱処理を行い非単結晶Alを単結晶化
することができる。この熱処理はこの時点で施してもよ
いし、その後絶縁膜5を形成した後に施してもよい。
また、熱処理は単結晶化すべき非単結晶Alを所望の配
線形状にパターニングしてから施してもよいし、単結晶
化後にパターニングしてもよい。
第1図(b)に示すようにAl4をパターニングした後
絶縁膜5を形成する。この絶縁膜5は絶縁膜2と同様に
してCVD法やスパッタリング法等により形成できる。
以上のようにして単結晶Al配線を形成することができ
るのである。
多層配線を形成する為には再び同じ工程を繰り返すこ
とにより第1図(c)に示すような単結晶Alの2層配線
構造を得ることができる。更に同じ工程を繰り返せば3
層,4層といった多層配線構造も得られる。
第1図(c)において、符号5は層間絶縁膜、6は選
択堆積した単結晶Al、7は単結晶化されたAl、8は保護
絶縁膜である。
以上は純Alの場合について述べたが、これ以外にもSi
を例えば1%程度に微量含有したAl(Al−Si)をも単結
晶化することができる。この場合には上記Al−CVD法を
適用する場合にアルキルアルミニウムハイドライドのガ
スと水素ガスと共にSiH4,Si2H6等のSiを含む化合物のガ
スを導入して成膜を行えば単結晶Al−Siシードを形成で
きる。
第2図に単結晶Alシードの配置例を示す。第2図
(a)は半導体基体、例えばSiの表面に形成された絶縁
体11に、1辺L1の開口部がチェッカーパターンに設けら
れ、単結晶Alが開口部内に選択的に堆積された例であ
る。図示しない非単結晶Al膜が絶縁体11および開口部12
内の単結晶Alを覆って形成され、加熱されることによっ
て単結晶Alをシードとして単結晶化する。第2図(b)
は一片L2の開口部が間隔L3でビアホールパターンに形成
された例を示し、第2図(c)は幅L5の絶縁体11と幅L4
の開口部12とがライン&スペースパターンに形成された
例を示している。いずれの場合も開口部内に単結晶Alが
選択的に堆積され、図示しない非単結晶Al膜が単結晶Al
と絶縁体とを覆って形成されている。非単結晶Al膜は加
熱により、単結晶Alをシードとして単結晶化する。
次に、AlもしくはAl−Siを単結晶化するための熱処理
の手法について述べる。
基本的手順は以下の通りである。第1図(a),
(b)の様な断面を持つ試料を作製し、加熱を行う。加
熱処理の前後においてX線回折法、従来RHEED観察、走
査型μ−RHEED顕微鏡観察を行った。
加熱により、堆積した状態では多結晶である第2のAl
が単結晶化するのは、Al原子が流動しやすくなり、原子
の再配列が生じたためと考えられる。従来、絶縁体薄膜
上のSi,GaAsなどの共有結合を有する半導体が熱処理に
より単結晶化することは公知であった。絶縁体薄膜上の
上のAl、もしくはAl−Si薄膜が略450℃の熱処理によっ
て数μm程度の粒径の結晶粒に成長することは知られて
いたが、本発明ではAlもしくはAl−Siの下層部に単結晶
Al領域が存在すると10μm以上の大きな範囲にわたって
絶縁体上のAlもしくはAl−Siでも単結晶化することを見
いだしたものである。
試料の加熱方法としては、通常のH2,N2,Arやこれらガ
スの混合雰囲気における電気炉による加熱処理、真空中
での加熱のほか、瞬間加熱炉(以下RTAと略す)による
加熱,レーザ加熱,カーボンヒーターなどの線状ヒータ
ーを用いた加熱,高周波加熱,ランプ加熱,電子ビーム
加熱等の方法が可能である。
一般に、LSIにおいて、Si上に形成されたAl、もしく
はAl−Si薄膜は、加熱によりSiと反応して、例えばSi基
体の侵食や、Al、もしくはAl−Si下層に形成されたSi p
−n接合のリークを生じてしまう。従って、加熱処理は
できるだけ低温で行われることが望ましい。しかしなが
ら、AlもしくはAl−Siが加熱により単結晶化するために
は、Al原子が熱エネルギーにより流動する程度にならな
ければならない。加熱方法としては、できるだけAlもし
くはAl−Siのみが加熱され、AlもしくはAl−Si下層のSi
基体が加熱されない方が望ましい。
真空中の加熱は、第3図の走査形μ−RHEED顕微鏡内
で基体の裏面のヒーターによっておこなうことができ
る。
真空中での熱処理の場合、Al表面の酸化を抑えるため
高真空である方が望ましい。略1×10-6Torr以下の高真
空であることが望ましい。第3図において、20は電子
銃、21は電子ビーム、22は回折電子線、23は蛍光板、2
4,24′および24″は光ファイバ、25,25′および25″は
光電子増倍管、26,26′および26″は電気信号に変換さ
れた回折斑点強度信号、27は走査信号、28はCRT、29は
二次電子信号、30は二次電子検出器、31は試料、34は真
空チャンバー、35は排気装置である。
第1図(a)に示した様な試料を真空チャンバー34へ
装填し、試料31の裏面よりヒータ32で加熱する。試料31
の温度は試料裏面より熱電対33で測定する。加熱方法
は、ヒータ加熱以外のランプ加熱,レーザ加熱でも良
い。真空チャンバ34は排気装置35により真空排気されて
いる。試料加熱前の真空チャンバー34の真空度は、略5
×10-10Torr,加熱中の真空度は、略5×10-9〜5×10-8
Torrである。真空度は、高真空程好ましいが、上記真空
度より悪くても熱処理による単結晶化は可能である。
熱電対32で測定した温度が略550℃以上であるときAl
は単結晶化する。
本発明の適用可能であった瞬間加熱炉(以下RTAと略
す)について説明する。
RTAでは、ウェハ表面のみを短時間で加熱し、Alもし
くはAl−SiとSi基板との反応をできるだけ軽減すること
ができる。
RTA装置の構成例を第4図に示す。
200は、基体であり、201は基体支持台である。基体支
持台は、石英製であり第4図に示されるツメ205の上に
基体200が載せられている。202は石英管である。石英管
202の断面は、矩形であっても円形であっても良い。ま
たステンレスの様な金属に石英製の窓を取りつけたもの
であっても良い。203はランプで線状をしている。ラン
プ203からの光は反射板204で反射され基体200に照射さ
れる。基体200のAl堆積面がランプ側を向いている。ラ
ンプにはハロゲンランプ,タングステンランプ,Xeラン
プ,Xe−Hgランプを用いることができる。RTA装置では加
熱速度の早いハロゲンランプを用いた。
加熱時の石英反応管内圧力は減圧下、大気圧下いずれ
でも良い。また、雰囲気ガスとしてH2,Ar,N2またはこれ
らの混合ガスを用いることができる。
水分、酸素不純物の最も少ない高純度ガスが入手でき
るのでH2雰囲気が最も望ましい。
上記構成のRTA装置において、略550℃以上の温度で加
熱するとAlの単結晶化が生じた。室温から熱処理温度ま
で昇温は略5ないし30秒である。熱処理時間は略10秒な
いし1分である。上記昇温時間,熱処理時間範囲内では
単結晶化領域等に差はなかった。
加熱温度が略550℃以上であることが単結晶化に必要
であった。なお、基体温度はPbSを検出器に用いた放射
温度計で基体表面から測定した。
次に、本発明の適用可能であったレーザ加熱について
説明する。
レーザ加熱においても基体表面のみを加熱することが
可能であり、また、単結晶化領域がRTA装置より低いと
いう特徴がある。
レーザとしては、出力 数W〜略20Wのアルゴンイオ
ンレーザ(以下Arレーザと略す),クリプレンイオンレ
ーザ(以下Krレーザ),He−Neレーザ,CO2レーザ,YAGレ
ーザ,ArFもしくはKrF,もしくはXeFもしくはXeCl等のエ
シキマレーザを用いることができる。発振周波数として
は連続発振,略10〜100Hzのパルス発振であっても良
い。
レーザを用いた加熱の特徴は、レーザを試料上で走査
し単結晶化領域を拡大することができる点である。レー
ザ走査による単結晶化領域の拡大について説明する。
第5図(a)もしくは(b),第6図(a)もしくは
(b),もしくは第7図(a)もしくは(b)の様に半
導体基板61上に第1のAl62が幅L10で形成され、かつ第
2のAl63が基体上全面に形成されている試料を用いる。
第2のAl63上には第5図(b)もしくは第6図(b)の
様に絶縁膜65が全面に形成されていても良い。または、
第7図(a),(b)の様に絶縁膜66が第1のAl62のラ
インにほぼ直交する様にストライプ状に形成されていて
も良い。
上述試料にレーザビーム67を第5図(a),(b)も
しくは第7図(a)に線68で示される様に繰返し走査
し、もしくは、第6図(a),(b)もしくは第7図
(b)に矢印69で示される様に一方向走査する。第5図
(a),(b)もしくは第7図(a)のレーザビームは
連続発振Arレーザもしくはパルス発振XeClエキシマレー
ザを略20〜100μmに集光する。
第6図(a),(b)もしくは第7図(b)の場合
は、例えば、シリンドリカルレンズを用いた光学系70で
円形に集光されているレーザビームを平行ビーム71にす
る。
レーザビームもしくは平行レーザビームの走査方向は
第5図(a)もしくは(b),もしくは第6図(a)も
しくは(b),もしくは第7図(a)もしくは(b)の
様に、第1のAl62のラインにほぼ直角方向に走査する。
Si基板上に約7000Åの熱酸化SiO2を形成し第1のAl62
用のライン幅L10が略10μm、第2のAl63の厚さ略5000
Åの第6図(a)の様な試料においてArレーザを平行ビ
ーム71にして試料上を一方向(69)に略1cm/秒の速度で
走査する。試料裏面は、加熱しない。
Arレーザの出力は略20〜50Wであり試料裏面上でのレ
ーザパワー密度は略50〜200KW/cm2である。レーザ加熱
雰囲気はH2ガス雰囲気、1気圧である。
なお基体温度は、レーザ照射部温度をPbS検出器に用
いた放射温度計で測定する。基体温度が略500℃以上の
時第1絶縁膜上のAlを単結晶化することができる。
次に本発明の適用可能であった線状ヒーターによる加
熱方法について説明する。
第8図は、線状ヒーターを用いた加熱方法を説明する
ための図である。加熱基体82は、加熱基体支持台81上に
置かれる。加熱支持台81は、カーボン製である。加熱基
体82上に線状ヒーター83が配置される。線状ヒーター83
もカーボン製であり、電源84から通電される。加熱支持
台81の加熱支持台裏面に取り付けられたヒーター(図示
せず)により加熱される。また、線状ヒーター83は矢印
85の方向へ移動する。
加熱雰囲気圧力は、大気圧から真空まで圧力によらな
い。Al表面の酸化を防ぐためにH2,N2,Arもしくはそれら
の混合ガス雰囲気が望ましい。真空下でも単結晶化する
が、大気圧下の方が装置構成が容易である。
線状ヒーターの直下の部分で第2のAlの単結晶化が生
じる。このような線状ヒーター加熱により、線状ヒータ
ー直下の基体温度が略500℃以上の基体温度で第2のAl
が単結晶化する。なお、基体温度は、PbSを用いた放射
温度計で測定する。
線状ヒーターを用いた加熱方式の特徴はレーザを用い
た加熱と同様、加熱領域を走査して、単結晶化領域を拡
大できる点である。
次に本発明の適用可能であったランプによる加熱方法
について説明する。
第9図は、ランプを用いた加熱方法を説明するための
図である。加熱基体92は、加熱基体支持台91上に置かれ
る。加熱支持台91は、カーボン製である。ランプ93は、
水銀ランプ,Hg−Xeランプ,Xeランプ,Xeフラッシュラン
プ等を用いることができる。ランプは線状の構造をして
いる方が好ましい。ランプ93からの光は、反射ミラー93
で基体表面上で線状になる様に集光される。加熱支持台
91も加熱支持台裏面に取り付けられたヒーター(図示せ
ず)により加熱される。また、加熱領域95は、ランプの
移動により加熱基体上を矢印96の方向に移動する。加熱
雰囲気圧力は、大気圧から真空まで圧力によらない。Al
表面の酸化を防ぐためにH2,N2,Arもしくはそれらの混合
ガス雰囲気が望ましい。真空下でも単結晶化するが、大
気圧下の方が装置構成が容易である。
線状に加熱された領域で第2のAlの単結晶化が生じ、
加熱領域95における温度が略550℃以上の基体温度で第
2のAlが単結晶化する。なお、基体温度は、PbSを用い
た放射温度計で測定する。
次に本発明の適用可能であった高周波加熱による加熱
方法について説明する。
第10図は、高周波加熱を用いた加熱方法を説明するた
めの図である。加熱基体103は、加熱基体支持台上に置
かれる。101は、カーボン製の支持台である。また、102
は間隔をあけて配設された石英製の板である。第10図の
様に基体の置かれた加熱支持台を周囲に設けられた高周
波コイル(図示せず)により加熱する。石英の板102
は、高周波により加熱されないので基体上の一部104の
部分が最も高温に加熱される。
ウェハが、矢印105で示される方向に移動することに
より、高温に加熱される領域104もウェハ上を移動す
る。加熱雰囲気圧力は、大気圧からた真空まで圧力によ
らなかった。Al表面の酸化を防ぐためにH2,N2,Arもしく
はそれらの混合ガス雰囲気が望ましい。真空下でも単結
晶化するが、大気圧下の方が装置構成が容易である。以
下の実施例では、雰囲気圧力は大気圧である。
線状に加熱された領域104で第2のAlの単結晶化が生
じ、加熱領域104の基体温度が略550℃以上の基体温度で
第2のAlを単結晶化できる。なお、基体温度は、PbSを
用いた放射温度計で測定する。
本発明の適用可能であった電子ビームを用いた加熱方
法について説明する。
第11図は、電子ビームを用いた加熱方法を説明するた
めの図である。フィラメント112からの電子ビーム113
は、集束コイル115、走査コイル、偏向板115′により加
熱基体111上で線状に集束する。基体上では、114の部分
が線状に高温に加熱される。ウェハが、矢印116で示さ
れる方向に移動することにより、高温に加熱される領域
114もウェハ上を移動する。
Al表面の酸化を抑えるために加熱雰囲気圧力は、高真
空であることが望ましい。略10-6Torr以下の真空度でAl
は単結晶化する。基体の移動速度は、毎分略0.5〜10cm
である。加熱領域の基体表面温度は、PbSを用いた放射
温度計で測定し、略450℃以上のAlを単結晶化すること
ができる。
第3図に示した走査型μ−RHEED顕微鏡による単結晶
領域の観察手法について説明する。
走査型μ−RHEED顕微鏡は、Extended Abstracts of t
he 21th Conference on Solid State Devices and Mate
rials(1989) p.217およびJapanese Journal of Appli
ed Physics vol.28.No.11(1989) L2075.で開示された
手法である。従来のRHEED(Reflection High Energy El
ectron Diffraction、反射高速電子線回折)法では、電
子ビームを試料表面に2〜3゜の浅い角度で入射させ回
折電子線により生じる回折パターンから試料表面の結晶
性を評価するものであった。しかし、電子ビーム径が、
100μm〜数百μmもあるため、試料表面の平均的な情
報しか得ることができなかった。第3図に示した走査型
μ−RHEED顕微鏡は,電子銃20からの電子ビーム径を0.1
μmまで絞って試料表面の特定微小領域からの電子線回
折パターンを蛍光板23上で観測することができる。ま
た、電子ビーム21を試料表面上で二次元的に走査し、回
折電子線22を蛍光板23に導き、回折パターン上の任意の
回折斑点強度変化を画像信号26,26′,26″として用い
て、回折斑点強度変化による試料表面の二次元的映像
(走査μ−RHEED像)をCRT28上に得ることができる。こ
の時、第12図のように回折パターン上の異なる回折斑点
AおよびCを用いた走査μ−RHEED像を観察すると、試
料表面に平行な格子面が、例えば、(100)にそろって
いても面内では回転している結晶粒界を区別して映像化
することができる。ここで、回折斑点Aは、回折パター
ンの生じる面と入射電子線の作るサジタル面とが直交す
る線上(線l)の回折斑点であり、回折斑点Cは、線l
上にはない回折斑点である。第13図のように、試料表面
に平行な格子面が、例えば(100)ではあるが、結晶粒
xとyでは互いに面内で回転している場合、回折斑点A
を用いた走査μ−RHEED像では、結晶粒xもyも共に強
度の強い領域として表示される。一方、回折斑点Cを用
いた走査μ−RHEED像では、結晶粒xのみが、強度の強
い領域として表示される。従って、第12図に示されるよ
うな回線斑点AとCを用いた走査μ−RHEED像を観察す
ると観察領域の結晶が面内回転を含んだ多結晶である
か、単結晶であるかを識別することができる。
次に、熱処理によりSiO2上のAlの単結晶化の例につい
て説明する。
試料について説明する。
単結晶シードパターンは前述した第2図のようなもの
である。即ち第2図(a)のようなチェッカーパターン
の場合にはL1の大きさを0.5μmないし20μmとしたも
の、第2図(b)のようなビアホールパターンの場合に
はL3を20μm以下としたもの、第2図(c)のようなラ
イン&スペースパターンの場合にはL5が20μm以下とし
たものである。そして、このような単結晶シードパター
ン上に非単結晶Alを形成したものを試料として用意し
た。
この試料を、X線回折法で評価したところ、Al(11
1)ピークのみが観測された。また電子ビーム径100μm
ないし1mmφの従来のRHEED装置で電子線回折パターンを
観測したところ、第14図(a)に示すリング状パターン
が観測された。従って全面に堆積したAlは(111)配向
の多結晶であることがわかった。
しかし、上記X線回折及び従来RHEED観察では、多結
晶であることが確認されるが、結晶粒の大きさは不明で
ある。走査形μ−RHEED顕微鏡で0.1μmφまで絞った電
子線を用いて電子線回折パターンを観察したところ、強
度は弱いながら第14図(b)に示す様なスポットパター
ンが観察された。スポット状回折パターン上の回折斑点
強度を用いて走査μ−RHEED像を観察した結果が、第15
図(a)である。斜線部が回折斑点強度の強い領域、白
い部分は回折斑点強度の弱い領域である。
斜線部領域の大きさから結晶粒の大きさが略々数〜10
μmオーダであることがわかる。
同一試料を走査型μ−RHEED顕微鏡中で550℃、15分加
熱した後、電子線回折パターン及び走査μ−RHEED像を
観測した。電子線回折パターンは、加熱前よりも強度が
強い第14図(b)の様なスポットパターンが観察され
た。第14図(b)の回折パターンは回折斑点の出現する
位置からAl(111)面に〔101〕方向から電子線を入射さ
せた時に生ずる回折パターンであることがわかった。第
14図(b)の回折パターン上の回折斑点A(111回折斑
点)及び回折斑点C(202回折斑点)の強度を用いて走
査μ−RHEED像を観察した結果が、第15図(b)及び
(c)である。試料表面上のどの位置においても回折斑
点A及びCは共に強く、観察領域が全て単結晶になって
いることが確認された。すなわち、SiO2上のAl薄膜であ
ってもAl下層に単結晶Alが存在すると熱処理によって単
結晶化することが確認された。熱処理後の試料をX線回
折装置で評価したところAl(111)ピークのみが観測さ
れ、また従来のRHEED装置で電子線回折パターンを観察
したところ第14図(b)の様に単結晶を示すスポットパ
ターンが観測された。
次に別の試料を用いて単結晶化を観測した。この試料
は第16図(a)に示されるようにSi基体上に熱酸化法に
より1μm厚の酸化シリコン膜が形成されたものであ
り、この酸化シリコン膜にはドライエッチングによりSi
表面が露出した開口(Si開口部)が開けられている。
第16図(a)の領域(I)内には、第2図(a),
(b),(c)に示される様なチェッカーパターン、も
しくはビアホールパターンもしくはライン&スペースが
形成されている。領域(II)では、上記チェッカーパタ
ーン、もしくはビアホールパターンもしくはライン&ス
ペースの形成されていない領域、すなわち全面SiO2であ
る領域である。第16図(a)に示す様にSiO2のパターニ
ングされた基体上に、DMAHとH2を用いたCVD法でまずSi
開口部のみに選択的に第1のAlを堆積し、表面改質工程
の後、第2のAlを基体全面に堆積した。
Alを堆積後、X線回折法で評価したところ、Al(11
1)ピークのみが観測された。また、電子ビーム径が100
μm〜1mmφの従来RHEED装置で電子線回折パターンを観
測したところ第14図(a)に示すようなリング状パター
ンが観測された。従って、全面に堆積したAlが(111)
配向の多結晶であることが確認された。ついで、走査型
μ−RHEED顕微鏡で0.1μmまで電子線を絞った電子線を
用いて電子線回折パターンを観測したところ、強度は弱
いながら第14図(b)に示すようなスポットパターンが
観測された。スポット状回折パターン上の回折斑点強度
を用いて走査μ−RHEED像を観察したことろ第15図
(a)の様に、数〜10μmの結晶粒からなる多結晶であ
った。
この試料を、走査μ−RHEED顕微鏡内で645℃、15分加
熱した後、電子線回折パターン、及び走査μ−RHEED像
を観察した。電子線回折パターンは加熱前よりも強度の
強い、第14図(b)に示すようなスポットパターンが観
察された。第14図(b)の回折パターンは、回折斑点の
出現する位置からAl(111)面に〔101〕方向から電子線
を入射させたときに生じる回折パターンであることがわ
かった。第14図(b)の回折パターン上の回折斑点A
(111回折斑点)及び回折斑点C(202回折斑点)の強度
を用いて走査μ−RHEED像を観察した結果が第16図
(b)及び(c)である。第16図(b)および(c)に
おいて斜線部が回折斑点強度の強い領域である。第16図
(b),(c)共に強度の強い領域は(111)単結晶で
ある。第16図(b)及び(c)から単結晶化した領域が
Si開口部の形成された領域(I)から略10μmであるこ
とがわかった。すなわち熱処理によって、Al下層部にSi
露出部がなくともパターンの形成された領域(I)から
略10μmの距離の部分まで単結晶化することが確認され
た。
領域(I)に形成したパターンは、第2図の(a)チ
ェッカーパターン、(b)ビアホールパターン、(c)
ライン&スペースパターンのいずれの場合も、領域
(I)から略10μmの範囲にわたって単結晶化した。
SiO2厚さが500Å〜1μmの時、SiO2厚さによらず、
熱処理によって単結晶化する領域は、第16図(b)及び
(c)と同様であった。また、SiO2上に全面に堆積する
Al膜厚が500Å〜1μmであっても単結晶化する領域は
第16図(b)及び(c)と同様であった。
レーザによる加熱,線状ヒーターによる加熱,高周波
加熱,電子ビーム加熱の様に基体上の加熱領域が移動す
る様な加熱方法の場合の単結晶化領域は、以下の様にし
て測定した。
第17図(a)の領域(III)には、第16図(a)の領
域(I)と同様チェッカーパターン,ビアホールパター
ン,ライン&スペースパターンが形成されており、第17
図(a)の領域(IV)には第1絶縁膜が形成されてい
る。この様な基体に第1のAlおよび第2のAlが形成され
ている。
第2のAlは堆積した状態では、粒径数ないし10μmの
多結晶である。
第5図の様なレーザビームでは、第17図(a)のχ方
向に走査する。また第6図の様な平形平行レーザを用い
た場合、ランプ加熱,RF加熱,電子ビーム加熱において
はχ方向に加熱領域を移動する。
加熱処理後の走査μ−RHEED顕微鏡による観察結果を
第17図(b),(c)に示す。走査型μ−RHEED顕微鏡
による電子線回折パターンは、加熱前よりも強度の強
い、第14図(b)に示すようなスポットパターンが観察
された。第14図(b)の回折パターン上の回折斑点A
(111回折斑点)および回折斑点C(202回折斑点)の強
度を用いて走査μ−RHEED像を観察したところ、例えば
第17図(b)、および(c)に示す走査μ−RHEED像が
観察された。斜線部が回折斑点強度の強い領域を示して
いる。回折斑点AとCの両方が強い領域が(111)単結
晶領域である。
第17図(c)において、L8の距離を測定すれば、加熱
により単結晶化した領域を知ることができる。
なお、第17図(a)は、第17図(b)および(c)と
同一個所に形成された絶縁膜のパターンで、上記試料で
は領域(III)には第1のAlが1本だけ存在している。
また加熱領域の移動方向は第17図(a)のχ方向であ
る。第17図(c)ではL8は略10μmの様に示してあるが
レーザアニール,線状ヒータ加熱,ランプ加熱,RF加
熱,電子ビーム加熱をおこなった試料ではL8は略1cmに
達した。
すなわち、熱処理によってAl下層部にSi露出部がなく
ともパターンの形成された領域から略1cmの距離の部分
まで単結晶化することが確認された。
単結晶化したSiO2上のAlについてエレクトロマイグレ
ーション耐性を測定した。従来のスパッタ法によるAlも
しくはAl−Si配線では、250℃、1×106A/cm2の通電試
験下で、配線断面積が1μm2の場合、1×102〜103時間
程度の平均配線寿命が得られていた。これに対し本発明
に基づく単結晶Al配線は、上記試験において断面積1μ
m2の配線で104〜105時間の配線寿命が得られた。また、
配線幅0.8μm、配線厚さ0.3μmの配線においても上記
試験で、103〜104時間の平均配線寿命が得られた。
また、単結晶化したAlを略1μmの幅に加工しプラズ
マCVD法によるシリコン窒化膜を堆積し、雰囲気温度150
℃、1000時間のストレスを加えて、断線の生じる割合を
測定した。長さ1mmの配線において、従来スパッタAlで
は、1000本のラインの断線率10〜20%であるのに対し、
本発明による単結晶Alでは、1000本のラインにおいて断
線は生じなかった。
すなわち、単結晶Al配線により、EM,SM耐性を格段に
向上させることが可能であった。
(実施例1) まず、測定した試料の作製方法は以下の通りである。
試料の断面形状を第1図(a)に示す。
Siウェハ上を水素燃焼方式(H2:4/min、O2:2/mi
n)により1000℃の温度で熱酸化を行った。Siウェハの
面方位は(100)及び(111)を用いた。このSiウェハ全
体にフォトレジストを塗布し、露光機により所望のパタ
ーンを焼き付けた。フォトレジストを現像後、反応性イ
オンエッチング(RIE)などでフォトレジストをマスク
として下地のSiO2をエッチングし、部分的にSi表面を露
出させた。
次に、上記Siウェハに減圧CVD法によりAl膜を堆積し
た。原料ガスにはジメチルアルミニウムハイドライドと
水素を用いた。堆積温度は、略270℃、堆積時の反応管
内圧力は、略1.5Torrである。まずSi表面の露出した表
面のみにAl(第1のAl)を選択的に堆積し、Al膜厚がSi
O2膜厚と同じになったところで表面改質工程を行い、そ
の後、Al(第2のAl)をSiウェア全面に堆積した。表面
改質工程として、減圧CVD装置内にプラズマを発生させ
た。
測定した試料に形成されたSiO2パターン形状、Al膜厚
は、以下の通りである。SiO2膜厚は、1000Å,2500Å,50
00Å,7500Å,10000Åの5種類である。Siウェハ上に形
成されたパターンは第2図(a)に示すチェッカーパタ
ーンである。チェッカーのサイズL1は、0.25,0.5,1,2,
3,5,10,20μmの8種類である。ウェハ全面に堆積したA
l(第1図の第2のAl、4)の厚さは、1000Å,2500Å,5
000Å,7500Å,10000Åの5種類である。上記の工程を経
て作製した試料を第3図に示した走査型μ−RHEED顕微
鏡に装填し、電子線回折パターン観察、走査μ−RHEED
像観察をおこなった。ついで、ヒーターに通電して、試
料を加熱し、再度電子線回折パターン、走査μ−RHEED
像を観察した。走査型μ−RHEED顕微鏡で加熱した条件
は、(1)550℃、6時間、(2)600℃、2時間、
(3)645℃、15分間、(4)670℃、5分間、(5)70
0℃、5分間の5水準である。
Alを堆積後、走査μ−RHEED顕微鏡へ装填する前にX
線回折法で評価したところ、SiO2膜厚、チェッカーサイ
ズ、第2のAlの膜厚によらずいずれの試料もAl(111)
ピークのみが観測された。また、電子ビーム径が100μ
m〜1mmφの従来RHEED装置で電子線回折パターンを観測
したところ、いずれの試料も第14図(a)に示すような
リング状パターンが観察された。従って、全面に堆積し
たAlが(111)配向の多結晶であることが確認された。
走査型μ−RHEED顕微鏡に試料を装填し、0.1μmまで
電子線を絞った電子線を用いて電子線回折パターンを観
察したところ、強度は弱いながら第14図(b)に示すよ
うなスポットパターンが観察された。スポット状回折パ
ターン上の回折斑点強度を用いて走査μ−RHEED像を観
察したところ第15図(a)の様に、数〜10μmの結晶粒
からなる多結晶であった。
次いで、走査μ−RHEED顕微鏡内で、先に示した5水
準の熱処理を行った後、電子線回折パターン、及び走査
μ−RHEED像を観察した。Siウェハの面方位、SiO2
厚、チェッカーサイズ、第2のAlの膜厚によらず、いず
れの試料も電子線回折パターンは加熱前よりも強度の強
い、第14図(b)に示すようなスポットパターンが観察
された。第14図(b)の回折パターンは、回折斑点の出
現する位置からAl(111)面に〔101〕方向から電子線を
入射させたときに生じる回折パターンであった。第14図
(b)の回折パターン上の回折斑点A(111回折斑点)
及び回折斑点C(202回折斑点)の強度を用いて走査μ
−RHEED像を観察した結果は第15図(b)及び(c)と
同様であった。第15図(b)および(c)において斜線
部が回折斑点強度の強い領域である。観察したチェッカ
ーパターンの形成された上に堆積したAl膜では回折斑点
AもCも共に強く、熱処理によって単結晶化したことが
確認された。熱処理後の試料を従来のRHEED装置で電子
線回折パターンを観察したところ、いずれの試料におい
ても第14図(b)の様な単結晶を示すスポットパターン
が観察された。
670℃、5分間及び700℃、5分間の2条件の熱処理で
は、SiO2上のAl膜は単結晶化したが、熱処理後Al膜の膜
厚に不均一が生じていた。また、熱処理後、光電子分光
法(ESCA)、オージェ電子分光法(AES)による深さ方
向分布を測定したところ、SiO2と第2のAlの界面でAlと
Si、Oの解け出しが観察された。また、500℃、6時間
の熱処理では、単結晶化を生じなかった。
(実施例2) 実施例1と同様の手順で第1図(a)に示すような断
面を有する試料を作製し、走査型μ−RHEED顕微鏡に試
料を装填し、熱処理をおこなった。
実施例1と異なるのは、Siウェハ上に形成したパター
ン形状である。Siウェハ上のパターンは、第2図(b)
に示すビアホールパターンである。ビアホールのサイズ
L2は、0.25,0.5,1,2,5μmの5種類、L3は、1,2,5,10,2
0μmの5種類である。L2,L3の組合せでできる25種類の
ビアホールパターンを形成した。SiO2膜厚、ウェハ全面
に堆積したAl(第1図の第2のAl,4)の厚さは、実施例
1と同様である。
上記の工程を経て作製した試料を実施例1と同様の手
順で試料の熱処理及び観察を行った。試料の熱処理条件
も実施例1と同様である。
実施例1と同様、試料熱処理前のX線回折、従来RHEE
D装置による電子線回折パターン観察、走査μ−RHEED顕
微鏡による電子線回折パターン及び走査μ−RHEED像観
察から、全面に堆積したAl(第2のAl)は、いずれの試
料においても、数〜10μm程度の結晶粒からなる(11
1)配向多結晶であった。
次いで、走査μ−RHEED顕微鏡内で、先に示した5水
準の熱処理を行った後、電子線回折パターン、及び走査
μ−RHEED像を観察したところ、実施例1と同様、Siウ
ェハの面方位、SiO2膜厚、ビアホール寸法、第2のAlの
膜厚によらず、いずれの試料も電子線回折パターンは加
熱前よりも強度の強い、第14図(b)に示すようなスポ
ットパターンが観察された。第14図(b)の回折パター
ン上の回折斑点A(111回折斑点)及び回折斑点C(202
回折斑点)の強度を用いて走査μ−RHEED像を観察した
ところ、実施例1と同様、第15図(b)及び(c)と同
様の走査μ−RHEED像が観察された。すなわち、ビアホ
ールパターンの形成された上に堆積したAl膜では回折斑
点AもCも共に強く、熱処理によって単結晶化したこと
が確認された。
実施例1と同様、670℃、5分間及び700℃、5分間の
2の条件の熱処理では、SiO2上のAl膜は単結晶化した
が、熱処理後Al膜の膜厚に不均一が生じていた。また、
熱処理後、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法
(AES)による深さ方向分布を測定したところ、SiO2
第2のAlの界面でAlとSi、Oの解け出しが観察された。
また、500℃、6時間の熱処理では、単結晶化を生じな
かった。
(実施例3) 実施例1と同様の手順で第1図(a)に示すような断
面を有する試料を作製し、走査型μ−RHEED顕微鏡に試
料を装填し、熱処理をおこなった。
実施例1と異なるのは、Siウェハ上に形成したパター
ン形状である。Siウェハ上のパターンは、第2図(c)
に示すライン&スペースパターンである。ライン&スペ
ースのサイズL4は、0.25,0.5,1,2,5μmの5種類、L
5は、1,2,5,10,20μmの5種類である。L4,L5の組合せ
でできる25種類のライン&スペースパターンを形成し
た。SiO2膜厚、ウェハ全面に堆積したAl(第1図の第2
のAl、4)の厚さは、実施例1と同様である。上記の工
程を経て作製した試料を実施例1と同様の手順で試料の
熱処理及び観察を行った。試料の熱処理条件も実施例1
と同様である。
実施例1と同様、試料熱処理前のX線回折、従来RHEE
D装置による電子線回折パターン観察、走査μ−RHEED顕
微鏡による電子線回折パターン及び走査μ−RHEED像観
察から、全面に堆積したAl(第2のAl)は、いずれの試
料においても、数〜10μm程度の結晶粒からなる(11
1)配向多結晶であった。
次いで、走査μ−RHEED顕微鏡内で、先に示した5水
準の熱処理を行った後、電子線回折パターン、及び走査
μ−RHEED像を観察したところ、実施例1と同様、Siウ
ェハの面方位、SiO2膜厚、ライン&スペース寸法、第2
のAlの膜厚によらず、いずれの試料も電子線回折パター
ンは加熱前よりも強度の強い、第14図(b)に示すよう
なスポットパターンが観察された。第14図(b)の回折
パターン上の回折斑点A(111回折斑点)及び回折斑点
C(202回折斑点)の強度を用いて走査μ−RHEED像を観
察したところ、実施例2と同様、第15図(b)及び
(c)の様な走査μ−RHEED像が観察された。すなわ
ち、ライン&スペースパターンの形成された上に堆積し
たAl膜では回折斑点AもCも共に強く、熱処理によって
単結晶化したことが確認された。
実施例1と同様、670℃、5分間及び700℃、5分間の
2条件の熱処理では、SiO2上のAl膜は単結晶化したが、
熱処理後Al膜の膜厚に不均一が生じていた。また、熱処
理後、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(AE
S)による深さ方向分布を測定したところ、SiO2と第2
のAlの界面でAlとSiとOの解け出しが観察された。ま
た、500℃、6時間の熱処理では、単結晶化を生じなか
った。
(実施例4) 実施例1と同様の手順で第1図(a)に示すような断
面を有する試料を作製し、走査型μ−RHEED顕微鏡に試
料を装填し、熱処理をおこなった。
実施例1と異なるのは、Siウェハ上に形成したパター
ン形状である。Siウェハ上のパターンについて説明す
る。第16図(a)に示されるように領域(I)ではSiO2
に開口部が形成されているが、領域(II)には、Si開口
部がなくSiO2が全面に形成されている。領域(I)に形
成されているパターンは第2図(a),(b),(c)
に示されるチェッカーパターン,ビアホールパターン,
ライン&スペースパターンである。チェッカーの寸法L1
は、0.25,0.5,1,2,3,5μmの6種類である。ビアホール
のサイズL2は、0.25,0.5,1,2,5μmの5種類、L3は、1,
2,5μmの3種類である。L2,L3の組合せでできる15種類
のビアホールパターンを形成した。ライン&スペースの
サイズL4は、0.25,0.5,1,2μmの4種類、L5は1,2,5μ
mの3種類である。L4,L5の組合せでできる12種類のラ
イン&スペースパターンを形成した。SiO2膜厚、ウェハ
全面に堆積したAl(第1図(a)の第2のAl、4)の厚
さは、実施例1と同様である。上記の工程を経て作製し
た試料を実施例1と同様の手順で試料の熱処理及び観察
を行った。試料の熱処理条件も実施例1と同様である。
実施例1と同様、試料熱処理前のX線回折、従来RHEE
D装置による電子線回折パターン観察、走査μ−RHEED顕
微鏡による電子線回折パターン及び走査μ−RHEED像観
察から、全面に堆積したAl(第2のAl)は、いずれの試
料においても、数〜10μm程度の結晶粒からなる(11
1)配向多結晶であった。
次いで、走査μ−RHEED顕微鏡内で、先に示した5水
準の熱処理を行った後、電子線回折パターン、及び走査
μ−RHEED像を観察したところ、実施例1と同様、Siウ
ェハの面方位、SiO2膜厚、領域(I)に形成されたパタ
ーンの形状及び寸法、第2のAlの膜厚によらず、いずれ
の試料も電子線回折パターンは加熱前よりも強度の強
い、第14図(b)に示すようなスポットパターンが観察
された。第14図(b)の回折パターン上の回折斑点A
(111回折斑点)及び回折斑点C(202回折斑点)の強度
を用いて走査μ−RHEED像を観察したところ、第16図
(b)、および(c)と同様の走査μ−RHEED像が観察
された。斜線部が回折斑点強度の強い領域を示してい
る。回折斑点AもCも両方強い領域が(111)単結晶領
域である。第16図(b)及び(c)と同様に単結晶化し
た領域がSi開口部の形成された領域(I)から略10μm
(第16図(c)では、L6で示される領域)であることが
わかった。すなわち、熱処理によってAl下層部にSi露出
部がなくともパターンの形成された領域(I)から略10
μmの距離の部分まで単結晶化することが確認された。
実施例1と同様、670℃、5分間及び700℃、5分間の
2条件の熱処理では、SiO2上のAl膜は単結晶化したが、
熱処理後Al膜の膜厚に不均一が生じていた。また、熱処
理後、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(AE
S)による深さ方向分布を測定したところ、SiO2と第2
のAlの界面でAlとSiとOの解け出しが観察された。ま
た、500℃、6時間の熱処理では、単結晶化を生じなか
った。
(実施例5) 実施例1,2,3および4においては絶縁膜として熱酸化
法によるSiO2を用いた。本実施例では、絶縁膜として常
圧CVDによって成膜したSiO2(以下CVD SiO2と略す)、
常圧CVD法によって成膜したボロンドープした酸化膜
(以下BSGと略す)、常圧CVD法によって成膜したリンド
ープした酸化膜(以下PSGと略す)、常圧CVD法によって
成膜したボロンおよびリンドープした酸化膜(以下BPSG
と略す)、プラズマCVD法によって成膜した窒化膜(以
下P−SiNと略す)、熱窒化膜(以下T−SiNと略す)、
減圧CVD法によって成膜した熱窒化膜(以下LP−SiNと略
す)、ECR装置によって成膜した窒化膜(以下ECR−SiN
と略す)を用いて、実施例1,2,3,4と同様の試料を作製
し、X線回折、従来RHEED装置による電子線回折パター
ン観察、走査型μ−RHEED顕微鏡に装填して、熱処理を
行い、電子線回折パターンおよび走査μ−RHEED像観察
を行った。絶縁膜の厚さは、略5000Åとした。なお、熱
窒化膜(T−SiN)の厚さは略100Åとした。第2のAlの
膜厚は、略7500Åとした。形成したパターン形状は、実
施例1,2,3,4と同様である。
得られた結果は、実施例1,2,3,4と同様であった。
(実施例6) 実施例1,2,3,4,5において、第1のAlおよび第2のAl
は共に減圧CVD法によるCVD Al膜であった。本実施例で
は、第2のAlをスパッタ法で形成した。第2のAl以外の
条件を実施例1,2,3,4,5と同様にしてAl膜を熱処理し
た。
得られた結果は、実施例1,2,3,4,5と同様であった。
(実施例7) 実施例1,2,3,4,5,6において、第1のAlおよび第2のA
l共に純Alであった。本実施例では、純Alに替わって、A
l−Siを用いた。膜中のSi含有量は、0.2,0.5および1.0
%である。
得られた結果は、実施例1,2,3,4,5,6と同様であっ
た。
(実施例A1) 実施例1と同様の試料を用意した。
実施例1と同様、試料熱処理前のX線回折、従来RHEE
D装置による電子線回折パターン観察、走査μ−RHEED顕
微鏡による電子線回折パターンおよび走査μ−RHEED像
観察から、全面に堆積したAl(第2のAl)は、いずれの
試料においても、数〜10μm程度の結晶粒からなる(11
1)配向多結晶であった。
上述の試料を第4図に示したRTA装置に装填し、熱処
理をおこなった。基体温度は、PbSを用いた放射温度計
で測定して450℃,500℃,550℃,600℃,650℃の5水準で
ある。熱処理温度までの昇温時間は10秒,熱処理時間
は、10秒,20秒,40秒,60秒とした。
次いで、第3図の走査μ−RHEED顕微鏡内で、熱処理
を行った試料の電子線回折パターンおよび走査μ−RHEE
D像を観察した。Siウェハの面方位、SiO2膜厚、チェッ
カーサイズ、第2のAlの膜厚によらず、いずれの試料も
電子線回折パターンは加熱前よりも強度の強い、第14図
(b)に示すようなスポットパターンが観察された。第
14図(b)の回折パターンは、回折斑点の出現する位置
からAl(111)面に〔101〕方向から電子線を入射させた
ときに生じる回折パターンであった。第14図(b)の回
折パターン上の回折斑点A(111回折斑点)および回折
斑点C(202回折斑点)の強度を用いて走査μ−RHEED像
を観察した結果は第15図(b)及び(c)と同様であっ
た。第15図(b)および(c)において斜線部が回折斑
点強度の強い領域である。観察したチェッカーパターン
の形成された上に堆積したAl膜では回折斑点AもCも共
に強く、熱処理によって単結晶化したことが確認され
た。熱処理後の試料を従来のRHEED装置で電子線回折パ
ターンを観察したところ、いずれの試料においても第14
図(b)の様な単結晶を示すスポットパターンが観察さ
れた。
650℃の熱処理では、SiO2上のAl膜は単結晶化した
が、熱処理後Al膜の膜厚に不均一が生じていた。また、
650℃の熱処理後の試料において光電子分光法(ESC
A)、オージェ電子分光法(AES)による深さ方向分布を
測定したところ、SiO2と第2のAlの界面でAlとSiとOの
解け出しが観察された。また、500℃以下の熱処理で
は、単結晶化を生じなかった。
(実施例A2) 実施例2と同様に第2図(b)のビアホールパターン
を有する試料を作製し、RTA装置による熱処理をおこな
った。ビアホールサイズは実施例2と同じである。
上記の工程を経て作製した試料を実施例A1と同様の手
順で試料の熱処理及び観察を行った。試料の熱処理条件
も実施例A1と同様である。
実施例A1と同様、試料熱処理前のX線回折、従来RHEE
D装置による電子線回折パターン観察、走査μ−RHEED顕
微鏡による電子線回折パターン及び走査μ−RHEED像観
察から、全面に堆積したAl(第2のAl)は、いずれの試
料においても、数〜10μm程度の結晶粒からなる(11
1)配向多結晶であった。
次いで、RTA装置で熱処理を行なった後、電子線回折
パターン、および走査μ−RHEED像を観察したところ、
実施例1と同様、Siウェハの面方位、SiO2膜厚、ビアホ
ール寸法、第2のAlの膜厚によらず、いずれの試料も電
子線回折パターンは加熱前よりも強度の強い、第14図
(b)に示すようなスポットパターンが観察された。第
14図(b)の回折パターン上の回折斑点A(111回折斑
点)および回折斑点C(202回折斑点)の強度を用いて
走査μ−RHEED像を観察したところ、実施例A1と同様、
第15図(b)及び(c)と同様の走査μ−RHEED像が観
察された。すなわち、ビアホールパターンの形成された
上に堆積したAl膜では回折斑点AもCも共に強く、熱処
理によって単結晶化したことが確認された。
実施例A1と同様、650℃の熱処理では、SiO2上のAl膜
は単結晶化したが、熱処理後Al膜の膜厚に不均一が生じ
ていた。また、650℃の熱処理後の試料では、光電子分
光法(ESCA)、オージェ電子分光法(AES)による深さ
方向分布を測定したところ、SiO2と第2のAlの界面でAl
とSiとOの解け出しが観察された。また、500℃の熱処
理では、単結晶化を生じなかった。
(実施例A3) 実施例3と同様のライン&スペースパターンを有する
試料を準備し、RTA装置で熱処理をおこなった。
実施例A1と同様の手順で試料の熱処理及び観察を行っ
た。試料の熱処理条件も実施例A1と同様である。
実施例A1と同様、試料熱処理前のX線回折、従来RHEE
D装置による電子線回折パターン観察、走査μ−RHEED顕
微鏡による電子線回折パターンおよび走査μ−RHEED像
観察から、全面に堆積したAl(第2のAl)は、いずれの
試料においても、数〜10μm程度の結晶粒からなる(11
1)配向多結晶であった。
次いで、走査μ−RHEED顕微鏡内で、先に示した5水
準の熱処理を行った後、電子線回折パターン、および走
査μ−RHEED像を観察したところ、実施例A1と同様、Si
ウェハの面方位、SiO2膜厚、ライン&スペース寸法、第
2のAlの膜厚によらず、いずれの試料も電子線回折パタ
ーンは加熱前よりも強度の強い、第14図(b)に示すよ
うなスポットパターンが観察された。第14図(b)の回
折パターン上の回折斑点A(111回折斑点)及び回折斑
点C(202回折斑点)の強度を用いて走査μ−RHEED像を
観察したところ、実施例A1と同様、第15図(b)および
(c)と同様の走査μ−RHEED像が観察された。すなわ
ち、ライン&スペースパターンの形成された上に堆積し
たAl膜では回折斑点AもCも共に強く、熱処理によって
単結晶化したことが確認された。
実施例A1と同様、650℃熱処理では、SiO2上のAl膜は
単結晶化したが、熱処理後Al膜の膜厚に不均一が生じて
いた。また、650℃の熱処理後の試料では光電子分光法
(ESCA)、オージェ電子分光法(AES)による深さ方向
分布を測定したところ、SiO2と第2のAlの界面でAlとSi
とOの解け出しが観察された。また、500℃、熱処理で
は単結晶化を生じなかった。
(実施例A4) 実施例1または実施例A1と同様の手順で第1図(a)
に示すような断面を有する試料を作製し、走査型μ−RH
EED顕微鏡に試料を装填し、熱処理をおこなった。
実施例A1と異なるのは、Siウェハ上に形成したパター
ン形状である。Siウェハ上のパターンについて説明す
る。第16図(a)に示されるように領域(I)ではSiO2
に開口部が形成されているが、領域(II)には、Si開口
部がなくSiO2が全面に形成されている。領域(I)に形
成されているパターンは第2図(a),(b),(c)
に示されるチェッカーパターン,ビアホールパターン,
ライン&スペースパターンである。チェッカーの寸法L1
は、0.25,0.5,1,2,3,5μmの6種類である。ビアホール
のサイズL2は、0.25,0.5,1,2,5μmの5種類、L3は、1,
2,5μmの3種類である。L2,L3の組合せでできる15種類
のビアホールパターンを形成した。ライン&スペースの
サイズL4は、0.25,0.5,1,2μmの4種類、L5は1,2,5μ
mの3種類である。L4,L5の組合せでできる12種類のラ
イン&スペースパターンを形成した。SiO2膜厚、ウェハ
全面に堆積したAl(第1図(a)の第2のAl、4)の厚
さは、実施例A1と同様である。上記の工程を経て作製し
た試料を実施例A1と同様の手順で試料の熱処理及び観察
を行った。試料の熱処理条件も実施例A1と同様である。
実施例A1と同様、試料熱処理前のX線回折、従来RHEE
D装置による電子線回折パターン観察、走査μ−RHEED顕
微鏡による電子線回折パターンおよび走査μ−RHEED像
観察から、全面に堆積したAl(第2のAl)は、いずれの
試料においても、数〜10μm程度の結晶粒からなる(11
1)配向多結晶であった。
次いで、RTA装置で熱処理を行なった後、電子線回折
パターン、及び走査μ−RHEED像を観察したところ、実
施例A1と同様、Siウェハの面方位、SiO2膜厚、領域
(I)に形成されたパターンの形状及び寸法、第2のAl
の膜厚によらず、いずれの試料も電子線回折パターンは
加熱前よりも強度の強い、第14図(b)に示すようなス
ポットパターンが観察された。第14図(b)の回折パタ
ーン上の回折斑点A(111回折斑点)および回折斑点C
(202回折斑点)の強度を用いて走査μ−RHEED像を観察
したところ、第16図(b),および(c)と同様の走査
μ−RHEED像が観察された。斜線部が回折斑点強度の強
い領域を示している。回折斑点AもCも両方強い領域が
(111)単結晶領域である。第16図(b)及び(c)と
同様に単結晶化した領域がSi開口部の形成された領域
(I)から略10μm(第16図(c)では、L6で示される
領域)であることがわかった。すなわち、熱処理によっ
てAl下層部にSi露出部がなくともパターンの形成された
領域(I)から略10μmの距離の部分まで単結晶化する
ことが確認された。
実施例1と同様、650℃の熱処理では、SiO2上のAl膜
は単結晶化したが、熱処理後Al膜の膜厚に不均一が生じ
ていた。また、650℃の熱処理後の試料では、光電子分
光法(ESCA)、オージェ電子分光法(AES)による深さ
方向分布を測定したところ、SiO2と第2のAlの界面でAl
とSiとOの解け出しが観察された。また、500℃の熱処
理では、単結晶化を生じなかった。
(実施例A5) 実施例A1,A2,A3,A4,において第1絶縁膜として熱酸化
法によるSiO2を用いた。本実施例では、第1絶縁膜とし
て常圧CVDによって成膜したSiO2(以下CVD SiO2と略
す)、常圧CVD法によって成膜したボロンドープした酸
化膜(以下BSGと略す)、常圧CVD法によって成膜したリ
ンドープした酸化膜(以下PSGと略す)、常圧CVD法によ
って成膜したボロンおよびリンドープした酸化膜(以下
BPSGと略す)、プラズマCVD法によって成膜した窒化膜
(以下P−SiNと略す)、熱窒化膜(以下T−SiNと略
す)、減圧CVD法によって成膜した熱窒化膜(以下LP−S
iNと略す)、ECR装置によって成膜した窒化膜(以下ECR
−SiNと略す)を用いて、実施例A1,A2,A3,A4,と同様の
試料を作製し、X線回折、従来RHEEDによる電子線回折
パターン観察、走査型μ−RHEED顕微鏡に装填して、熱
処理を行い、電子線回折パターン及び走査μ−RHEED像
観察を行った。第1絶縁膜の厚さは、略5000Åとした。
なお、熱窒化膜(T−SiN)の厚さは略100Åとした。第
2のAlの膜厚は、略7500Åとした。形成したパターン形
状は、実施例A1,A2,A3,A4,と同様である。
得られた結果は、実施例A1,A2,A3,A4,と同様であっ
た。
(実施例A6) 実施例A1,A2,A3,A4,A5において、第1のAlおよび第2
のAlは共に減圧CVD法によるAl膜であった。本実施例で
は、第2のAlをスパッタ法で形成した。第2のAl以外の
条件を実施例A1,A2,A3,A4,A5,と同様にしてAl膜を熱処
理した。
得られた結果は、実施例A1,A2,A3,A4,A5,と同様であ
った。
(実施例A7) 実施例A1,A2,A3,A4,A5,A6において、第1のAlおよび
第2のAlは共に純Alであった。本実施例では、純Alに替
わって、Al−Siを用いた。膜中のSi含有量は、0.2,0.5,
1.0%である。
得られた結果は、実施例A1,A2,A3,A4,A5,A6と同様で
あった。
(実施例A8) 実施例A1〜A7において試料の断面構造は、第1図
(a)の様であった。実施例A1〜A8において第1のAlお
よび第2のAl堆積後、第1図(b)に示す様に第2絶縁
膜5を形成した後、RTA装置で熱処理をおこなった。断
面構造以外の条件は、実施例A1〜A7と同じである。熱処
理後の第2のAlの結晶性は第2の絶縁膜5を取り除いて
従来RHEED装置,走査μ−RHEED顕微鏡による確察をおこ
なった。
第1図(b)の絶縁膜5としては、常圧CVDによるSiO
2,PSG,BSG,BPSG,プラズマCVD法によるシリコン窒化膜,E
CR装置によるシリコン窒化膜の6種類を用いた。膜厚
は、いずれの膜についても1000Å、3000Å、5000Å,1μ
mとした。
得られた結果は、実施例A1〜A7と同様であった。
(実施例B1) 実施例1と同様の試料を準備した。
実施例1と同様、試料熱処理前のX線回折、従来RHEE
D装置による電子線回折パターン観察、走査μ−RHEED顕
微鏡による電子線回折パターンおよび走査μ−RHEED像
観察から、全面に堆積したAl(第2のAl)は、いずれの
試料においても、数〜10μm程度の結晶粒からなる(11
1)配向多結晶であった。
上述の試料を以下の方法でレーザ加熱をおこなった。
レーザには、連続発振Arレーザ(発振波長略488nmおよ
び514.5nm、発振出力最大20W)を用いた。試料上でのビ
ーム径は、略20μm,30μm,70μm,100μm,である。走査
方向は、第5図(a)に示す様に、一方向に繰り返しを
行って走査した。ビーム走査の繰り返し幅は、ビーム系
とほぼ同じ、大きさとした。レーザビームの走査速度
は、毎分略0.5,1,2,5,10cmである。基体表面温度は、Pb
Sを用いた放射温度計で測定し、略450℃,550℃,600℃,6
50℃,700℃である。
基体表面での温度は、レーザビーム径、レーザ出力、
レーザビーム走査速度によって変化した。以下の結果
は、レーザビーム径、レーザビーム走査速度、走査間隔
を与えた時に、表面温度が上記略450℃,550℃,600℃,65
0℃,700℃になるようにレーザ出力を変化させた。
レーザ加熱は、水素ガス雰囲気、大気圧で行った。
上述の各試料を、上記レーザ加熱条件で熱処理を行っ
た後、走査μ−RHEED顕微鏡内で、電子線回折パターン
および走査μ−RHEED像を観察した。Siウェハの面方
位、SiO2膜厚、チェッカーサイズ、第2のAlの膜厚によ
らずいずれの試料も、レーザビーム径、走査速度、ビー
ム繰り返し幅によらず、試料表面温度が550℃以上の場
合、電子線回折パターンは加熱前よりも強度の強い、第
14図(b)に示すようなスポットパターンが観察され
た。第14図(b)の回折パターンは回折斑点の出現する
位置からAl(111)面に〔101〕方向から電子線を入射さ
せたときに生じる回折パターンであった。第14図(b)
の回折パターン上の回折斑点A(111回折斑点)及び回
折斑点C(202回折斑点)の強度を用いて走査μ−RHEED
像を観察した結果は第15図(b)及び(c)と同様であ
った。第15図(b)および(c)において斜線部が回折
斑点強度の強い領域である。観察チェッカーパターンの
形成された上に堆積したAl膜では回折斑点AもCも共に
強く、熱処理によって単結晶化したことが確認された。
熱処理後の試料を従来のRHEED装置で電子線回折パター
ンを観察したところ、いずれの試料においても第14図
(b)の様な単結晶を示すスポットパターンが観察され
た。
すなわち、レーザ加熱により、堆積した状態では単結
晶であったAlが、単結晶化した。なお、基体表面温度が
650℃以上の時、オージェ電子分光法、もしくは二次イ
オン質量分析法による深さ方向分布を測定すると、基体
表面上の絶縁膜と第2のAlの界面においてSiおよびAlの
溶け出しが観察された。
(実施例B2) 実施例2と同様の手順でチェッカーパターンを有する
試料を準備して、SiO2膜厚、ウェハ全面に堆積したAl
(第1図の第2の第2、4)の厚さは、実施例1と同様
である。上記の工程を経て作製した試料を実施例B1と同
様の手順で試料の熱処理及び観察を行った。試料の熱処
理条件も実施例B1と同様である。
実施例B1と同様、試料熱処理前のX線回折、従来RHEE
D装置による電子線回折パターン観察、走査μ−RHEED顕
微鏡による電子線回折パターンおよび走査μ−RHEED像
観察から、全面に堆積したAl(第2のAl)は、いずれの
試料においても、数〜10μm程度の結晶粒からなる(11
1)配向多結晶であった。
次いで、実施例B1と同様の条件でレーザビーム照射熱
処理を行い、走査型μ−RHEED顕微鏡で電子線回折パタ
ーンおよび走査μ−RHEED像を観察したところ、実施例B
1と同様、Siウェハの面方位、SiO2膜厚、チェッカーサ
イズ、第2のAlの膜厚によらずいずれの試料も、レーザ
ビーム径、走査速度、ビーム繰り返し幅によらず、試料
表面温度が、550℃以上の場合、走査μ−RHEED像観察か
ら単結晶化したことが確認された。また、実施例1と同
様、基体表面温度が650℃以上の時、オージェ電子分
光、もしくは二次イオン質量分析法による深さ方向分布
を測定すると、基体表面上の絶縁膜と第2のAlの界面に
おいてSi及びAlの溶け出しが観察された。
(実施例B3) 実施例B1と同様の手順で第1図(a)に示すような断
面を有する試料を作製し、レーザ加熱による熱処理を行
った。
実施例B1と異なるのは、Siウェハ上に形成したパター
ン形状である。Siウェハ上のパターンは、第2図(c)
に示すライン&スペースパターンである。ライン&スペ
ースのサイズL4,L5は、実施例3と同じである。
上記の工程を経て作製した試料を実施例B1と同様の手
順で試料の熱処理及び観察を行った。試料の熱処理条件
も実施例B1と同様である。
実施例B1と同様、試料熱処理前のX線回折、従来RHEE
D装置による電子線回折パターン観察、走査μ−RHEED顕
微鏡による電子線回折パターンおよび走査μ−RHEED像
観察から、全面に堆積したAl(第2のAl)は、いずれの
試料においても、数〜10μm程度の結晶粒からなる(11
1)配向多結晶であった。
次いで、実施例B1と同様の条件でレーザビーム照射熱
処理を行い、走査型μ−RHEED顕微鏡で電子線回折パタ
ーン、および走査μ−RHEED像を観察したところ、実施
例B1と同様、Siウェハの面方位、SiO2膜厚、ライン&ス
ペースサイズ、第2のAlの膜厚によらずいずれの試料
も、レーザビーム径、走査速度、ビーム繰り返し幅によ
らず、試料表面温度が550℃以上の場合、走査μ−RHEED
像観察から単結晶化したことが確認された。また、実施
例1と同様、基体表面温度が650℃以上の時、オージェ
電子分光、もしくは二次イオン質量分析法による深さ方
向分布を測定すると、基体表面上の絶縁膜と第2のAlの
界面においてSiおよびAlの溶け出しが観察された。
(実施例B4) 実施例B1,B2,B3と同様の試料を作製した。実施例B1,B
2,B3と異なるのは、レーザビームの形状および走査方法
である。
上述の試料を以下の方法でレーザ加熱をおこなった。
レーザには、連続発振Arレーザ(発振波長略488nmおよ
び514.5nm)を用いた。試料上でのビーム形状は、第6
図(a)に示す様な平形平行ビームである。シリンドリ
カルレンズを用いた光学系70により円形ビーム67を平行
ビーム71に形成した。平行ビームの形状は、略20μm×
1cm,50μm×1cm,100μm×1cmである。走査方向は、第
6図(a)に示す様に、一方向に走査した。レーザビー
ムの走査速度は、毎分略0.5,1,2,5,10cmである。基体表
面温度は、PbSを用いた放射温度計で測定し、略450℃,5
50℃,600℃,650℃,700℃である。
基体表面での温度は、レーザビーム形状、レーザ出
力、レーザビーム走査速度によって変化した。以下の結
果は、レーザビーム径、レーザビーム走査速度を与えた
時に、表面温度が上記略450℃,550℃,600℃,650℃,700
℃になるようにレーザ出力を変化させた。レーザ加熱
は、水素ガス雰囲気、大気圧で行った。
レーザビームによる加熱処理後、走査型μ−RHEED顕
微鏡、X線回折法、従来RHEED観察によって得られた結
果は、実施例B1,B2,B3と同じく、基体表面温度が、略50
0℃以上の時、第2のAlは単結晶化した。
また、実施例B1,B2,B3と同様、基体表面温度が650℃
以上の時、オージェ電子分光、もしくは二次イオン質量
分析法による深さ方向分布を測定すると、基体表面上の
絶縁膜と第2のAlの界面においてSiおよびAlの溶け出し
が観察された。
(実施例B5) 実施例B1,B2,B3では、試料断面構造は第1図(a)に
示す様に試料表面は、第2のAlが全面に形成されてい
た。本実施例では、実施例B1,B2,B3において、第2のAl
の上に第1図(b)に示すように絶縁膜5を形成して、
実施例B1,B2,B3と同様の手順でレーザによる加熱熱処理
を行った。第2のAlの上の絶縁膜として常圧CVDによっ
て成膜したSiO2(以下CVD SiO2と略す)、常圧CVD法に
よって成膜したボロンドープした酸化膜(以下BSGと略
す)、常圧CVD法によって成膜したリンドープした酸化
膜(以下PSGと略す)、常圧CVD法によって成膜したボロ
ン及びリンドープした酸化膜(以下BPSGと略す)、プラ
ズマCVD法によって成膜した窒化膜(以下P−SiNと略
す)、ECR装置によって成膜した窒化膜(以下ECR−SiN
と略す)を用いた。以下第2のAl上の絶縁膜を第2絶縁
膜とする。第2絶縁膜の厚さとしては、1000Å,2000Å,
5000Å,1μmとした。レーザ加熱条件は、実施例1,2,3
と同様である。レーザ加熱後第2絶縁膜をエッチングに
より取り除いて、実施例B1,B2,B3と同様、走査μ−RHEE
D顕微鏡で電子線回折パターン、走査μ−RHEED像を観測
した。得られた結果は、実施例B1,B2,B3と同様、基体温
度が550℃以上の時、第2のAlは単結晶化した。また、
実施例B1,B2,B3と同様、基体表面温度が650℃以上の
時、オージェ電子分光、もしくは二次イオン質量分析法
による深さ方向分布を測定すると、基体表面上の絶縁膜
と第2のAlの界面においてSiおよびAlの溶け出しが観察
された。
(実施例B6) 実施例B4では、試料断面構造は第1図(a)に示す様
に試料表面は第2Alが全面に形成されていた。本実施例
では、実施例B4において、第2のAlの上に第1図(b)
に示すように絶縁膜を形成して、実施例B4と同様の手順
でレーザによる加熱熱処理を行った。第2のAlの上の絶
縁膜としてCVD SiO2,BSG,PSG,BPSG,P−SiN,ECR SiNを用
いた。以下第2のAl上の絶縁膜を第2絶縁膜とする。第
2絶縁膜の厚さとしては、1000Å,2000Å,5000Å,1μm
とした。レーザ加熱条件は、実施例B4と同様である。レ
ーザ加熱後第2絶縁膜をエッチングにより取り除いて、
実施例B4と同様、走査μ−RHEED顕微鏡で電子線回折パ
ターン、走査μ−RHEED像を観測した。得られた結果
は、実施例4と同様、基体温度が550℃以上の時、第2
のAlは単結晶化した。また、実施例4と同様、基体表面
温度が650℃以上の時、オージェ電子分光、もしくは二
次イオン質量分析法による深さ方向分布を測定すると、
基体表面上の絶縁膜と第2のAlの界面においてSiおよび
Alの溶け出しが観察された。
(実施例B7) 実施例B1,B2,B3,B4では、第1図(a)のSi基体上に
形成された絶縁膜は、熱酸化法によるSiO2であった。本
実施例では、Si基体上の絶縁膜としてCVD SiO2膜,BSG,P
SG,BPSG,P−SiN,T−SiN,LP−SiN,ECR−SiNを用いた。こ
れら絶縁膜の厚さは、1000Å,2500Å,5000Å,7500Å,10
000Åの5種類である。
第1のAl膜、第2のAl膜の厚さ、レーザ加熱条件は、
実施例B1,B2,B3,B4と同様であった。
実施例B1,B2,B3,B4と同様、基体温度が550℃以上の
時、第2のAlは単結晶化した。また、実施例B1,B2,B3,B
4と同様、基体表面温度が650℃以上の時、オージェ電子
分光、もしくは二次イオン質量分析法による深さ方向分
布を測定すると、基体表面上の絶縁膜と第2のAlの界面
においてSiおよびAlの溶け出しが観察された。
(実施例B8) 実施例B7では、試料断面構造は第1図(a)に示す様
に試料表面は、第2のAlが全面に形成されていた。本実
施例では、実施例B7において第2のAlの上に第1図
(b)に示すように絶縁膜を形成して、実施例B7同様の
手順でレーザによる加熱熱処理を行った。第2のAlの上
の絶縁膜としてCVD SiO2膜,BSG,PSG,BPSG,P−SiN,T−Si
N,LP−SiN,ECR−SiNを用いた。これら絶縁膜の厚さは、
1000Å,2500Å,5000Å,7500Å,10000Åの5種類であ
る。
第1のAl膜、第2のAl膜の厚さ、レーザ加熱条件は、
実施例B1,B2,B3,B4と同様であった。実施例B7と同様、
基体温度が550℃以上の時、第2のAlは単結晶化した。
また、実施例B7と同様、基体表面温度が650℃以上の
時、オージェ電子分光、もしくは二次イオン質量分析法
による深さ方向分布を測定すると、基体表面上の絶縁膜
と第2のAlの界面においてSiおよびAlの溶け出しが観察
された。
(実施例B9) レーザ加熱による第2のAlの単結晶化領域を測定し
た。試料形状の模式図を第5図(a)に示す。断面構造
は、第1図(a)と同様である。Si基体上の絶縁膜には
幅L10のラインが形成されている。ラインの幅L10は、0.
5μm,1μm,2μm,5μm,10μm,20μm,の6種類である。Si
ウェハの面方位は(100)および(111)を用いた。絶縁
膜として熱酸化法によるSiO2を用いた。SiO2膜厚は、10
00Å,2500Å,5000Å,7500Å,10000Åの5種類である。
ウェハ全面に堆積したAl(第1図(a)の第2のAl、
4、もしくは第5図(a)の第2のAl63)の厚さは、10
00Å,2500Å,5000Å,7500Å,10000Åの5種類である。S
i基体の面方位、SiO2厚さ、第1のAlの幅L10、第2のAl
の厚さの4条件の組合せでできる2×5×8×6=480
種の試料を用意した。
第2のAlの結晶性は、X線回折法、従来RHEED装置に
よる電子線回折パターン観察、走査μ−RHEED顕微鏡に
よる電子線回折パターンおよび走査μ−RHEED像観察か
ら、実施例1と同様、数〜10μmの結晶粒からなる多結
晶であった。
加熱用のレーザには、連続発振Arレーザ(発振波長略
488nm及び514.5nm発振出力最大20W)を用いた。試料上
でのビーム径は、略20μm,30μm,70μm,100μmであ
る。走査方向は、第5図(a)に示す様に、一方向に繰
り返しを行って走査した。ビーム走査の繰り返し幅は、
ビーム系とほぼ同じ、大きさとした。レーザビームの走
査速度は、毎分略0.5,1,2,5,10cmである。基体表面温度
は、PbSを用いた放射温度計で測定し、略450℃,550℃,5
00℃,650℃,700℃である。基体表面での温度は、レーザ
ビーム径、レーザ出力、レーザビーム走査速度によって
変化した。以下の結果は、レーザビーム径、レーザビー
ム走査速度、走査間隔を与えた時に、表面温度が上記略
450℃,500℃,550℃,650℃,700℃になるようにレーザ出
力を変化させた。レーザ加熱は、水素ガス雰囲気、大気
圧で行った。
レーザによる加熱処理後、走査型μ−RHEED顕微鏡に
おいて、電子線回折パターン及び走査μ−RHEED像を観
察したところ、電子線回折パターンは、実施例B1と同
様、加熱処理前よりも強度の強いスポットパターンが観
察された(第14図(b))。111回折斑点、202回折斑点
を用いて測定した走査μ−RHEED像は第17図(b)およ
び(c)と同様であった。ここで第1のAlの方向(ライ
ン方向)は、第17図(a)のy方向に平行である。また
レーザの走査方向はx方向に平行である。第17図(c)
のL8を測定することにより単結晶化した領域の長さを知
ることができる。第17図(c)では、L8があたかも10〜
20μm程度のように示してあるが、基体温度550℃以上
の時、L8は、略1cmであった。すなわち、単結晶である
第1のAlを核としてSiO2上の第2のAlが長さ1cmにわた
って単結晶化した。また、実施例B1,B2,B3,B4と同様、
基体表面温度が650℃以上の時オージェ電子分光、もし
くは二次イオン質量分析法による深さ方向分布を測定す
ると、基体表面上の絶縁膜と第2のAlの界面においてSi
およびAlの溶け出しが観察された。
(実施例B10) 実施例B9と同様の手順で試料を製作し、レーザにより
加熱処理を行った。
実施例B9と異なるのは、試料断面構造である。実施例
B9では、試料断面構造は第1図(a)、または第5図
(a)に示す様に試料表面は、第2のAlが全面に形成さ
れていた。本実施例では、第2のAlの上に第1図
(b)、または第5図(b)に示すように絶縁膜を形成
して、実施例B9と同様の手順でレーザによる加熱熱処理
を行った。第2のAlの上の絶縁膜として、CVD SiO2,PS
G,BSG,BPSG,P−SiN,ECR−SiNを用いた。以下第2のAl上
の絶縁膜を第2絶縁膜とする。第2絶縁膜の厚さとして
は、1000Å,2000Å,5000Å,1μmとした。レーザ加熱条
件は、実施例B1,B2,B3と同様である。レーザ加熱後第2
絶縁膜をエッチングにより取り除いて、実施例B9と同
様、走査μ−RHEED顕微鏡で電子線回折パターン、走査
μ−RHEED像を観測した。得られた結果は、実施例B9と
同様、基体温度が550℃以上の時、第2のAlは単結晶化
した。実施例B9と同様単結晶化した領域を走査μ−RHEE
D像によって観測したところ、第17図(b)および
(c)と同様であった。L8は略1cmであった。実施例9
と同様、基体表面温度が650℃以上の時、オージェ電子
分光、もしくは二次イオン質量分析法による深さ方向分
布を測定すると、基体表面上の絶縁膜と第2のAlの界面
においてSiおよびAlの溶け出しが観測された。
(実施例B11) レーザ加熱による第2のAlの単結晶化領域を測定し
た。試料形状の模式図を第6図(a)に示す。断面構造
は、第1図(a)と同様である。Si基体上の絶縁膜には
幅L10のラインが形成されている。試料形状は実施例B9
と同様である。第2のAlの結晶性は、X線回折法、従来
RHEED装置による電子線回折パターン観察、走査μ−RHE
ED顕微鏡による電子線回折パターンおよび走査μ−RHEE
D像観察から、実施例9と同様、数〜10μmの結晶粒か
らなる多結晶であった。
上述の試料を以下の方法でレーザ加熱をおこなった。
レーザには、連続発振Arレーザ(発振波長略488nm及び5
14.5nm)を用いた。試料上でのビーム形状は、第6図
(a)に示す様な平形平行ビームである。シリンドリカ
ルレンズを用いた光学系70により円形ビームを平行ビー
ムに形成した。平行ビームの形状は、略20μm×1cm,50
μm×1cm,100μm×1cm,である。走査方向は、第6図
(a)に示す様に、一方向に走査した。レーザビーム走
査速度は、毎分略0.5,1,2,5,10cmである。基体表面温度
は、PbSを用いた放射温度計で測定し、略450℃,550℃,6
00℃,650℃,700℃である。
基体表面での温度は、レーザビーム形状、レーザ出
力、レーザビーム走査速度によって変化した。以下の結
果は、レーザビーム径、レーザビーム走査速度を与えた
時に、表面温度が上記略450℃,550℃,600℃,650℃,700
℃になるようにレーザ出力を変化させた。レーザ加熱
は、水素ガス雰囲気、大気圧で行った。
レーザによる加熱処理後、走査型μ−RHEED顕微鏡に
おいて、電子線回折パターン及び走査μ−RHEED像を観
察したところ、電子線回折パターンは、実施例B9と同
様、加熱処理前よりも強度の強いスポットパターンが観
察された(第14図(b))。111回折斑点、202回折斑点
を用いて測定した走査μ−RHEED像は第17図(b)およ
び(c)と同様であった。ここで第1のAlの方向(ライ
ン方向)は、第17図(a)のy方向に平行である。また
レーザの走査方向はx方向に平行である。第17図(c)
のL8を測定することにより単結晶化した領域の長さを知
ることができる。第17図(c)では、L8があたかも10〜
20μm程度のように示してあるが、基体温度550℃以上
の時、L8は、略1cmであった。すなわち、単結晶である
第1のAlを核としてSiO2上の第2のAlが長さ1cmにわた
って単結晶化した。また、実施例B1,B2,B3,B4と同様、
基体表面温度が650℃以上の時、オージェ電子分光、も
しくは二次イオン質量分析法による深さ方向分布を測定
すると、基体表面上の絶縁膜と第2のAlの界面において
SiおよびAlの溶け出しが観察された。
(実施例B12) 実施例B11と同様の手順で試料を製作し、レーザによ
り加熱処理を行った。実施例B11と異なるのは、試料断
面構造である。実施例B11では、試料断面構造は第1図
(a)、または第5図(a)に示す様に試料表面は、第
2のAlが全面に形成されていた。本実施例では、第2の
Alの上に第1図(b)、または第5図(b)に示すよう
に絶縁膜を形成して、実施例B11と同様の手順で平行レ
ーザビームによる加熱熱処理を行った。第2のAlの上の
絶縁膜として、CVD SiO2,PSG,BSG,BPSG,P−SiN,ECR−Si
Nを用いた。以下第2のAl上の絶縁膜を第2絶縁膜とす
る。第2絶縁膜の厚さとしては、1000Å,2000Å,5000
Å,1μmとした。レーザ加熱後第2絶縁膜をエッチング
により取り除いて、実施例B11と同様、走査μ−RHEED顕
微鏡で電子線回折パターン、走査μ−RHEED像を観測し
た。得られた結果は、実施例B11と同様、基体温度が550
℃以上の時、第2のAlは単結晶化した。実施例B11と同
様単結晶化した領域を走査μ−RHEED像によって観察し
たところ、第17図(b)及び(c)と同様であった。L8
は略1cmであった。実施例B11と同様、基体表面温度が65
0℃以上の時、オージェ電子分光、もしくは二次イオン
質量分析法による深さ方向分布を測定すると、基体表面
上の絶縁膜と第2のAlの界面においてSi及びAlの溶け出
しが観察された。
(実施例B13) 実施例B9,B10と同様の方法、手順でレーザ加熱処理を
行った。実施例B9,B10と異なるのは、試料形状である。
試料形状を第7図(a)に示す。実施例B10では、第2
のAl上の絶縁膜(第2絶縁膜)は、試料表面に均一に形
成されていたが、本実施例では、第7図(a)に示す様
に第1のAlの方向(ライン方向)とほぼ直行した方向に
ストライプ上に形成した。第2絶縁膜として、CVD Si
O2,PSG,BSG,BPSG,P−SiN,ECR−SiNを用いた。第2絶縁
膜の厚さとしては、1000Å,2000Å,5000Å,1μmとし
た。第2絶縁膜のストライプ寸法は、L14として、1,2,
5,10μm、L15として1,2,5,10μmの各4種類の組合せ
からなる16種類のストライプを形成した。レーザ加熱条
件は、実施例B1,B2,B3と同様である。レーザ加熱後第2
絶縁膜をエッチングにより取り除いて、実施例B9と同
様、走査μ−RHEED顕微鏡で電子線回折パターン、走査
μ−RHEED像を観測した。
得られた結果は、実施例B9と同様、基体温度が550℃
以上の時、第2のAlは単結晶化した。実施例B9と同様単
結晶化した領域を走査μ−RHEED像によって観察したと
ころ、第17図(b)及び(c)と同様であった。L8は略
1cmであった。実施例9と同様、基体表面温度が650℃以
上の時、オージェ電子分光、もしくは二次イオン質量分
析法による深さ方向分布を測定すると、基体表面上の絶
縁膜と第2のAlの界面においてSiおよびAlの溶け出しが
観察された。
(実施例B14) 実施例B13と同様の試料を製作し、レーザーによる加
熱処理を行った。実施例B14と異なるのは、レーザの走
査方法である。レーザの走査方法は、第10図(b)に示
すような平行ビームを用いた。レーザには、連続発振Ar
レーザ(発振波長略488.5nm及び514.5nm)を用いた。試
料上でのビーム形状は、第7図(b)に示す様な平形平
行ビームである。シリンドリカルレンズを用いた光学系
70により円形ビームを平行ビームに形成した。平行ビー
ムの形状は、略20μm×1cm,50μm×1cm,100μm×1cm
である。走査方向は、第7図(b)に示す様に、一方向
に走査した。
レーザビーム走査速度は、毎分略0.5,1,2,5,10cmであ
る。基体表面温度は、PbSを用いた放射温度計で測定
し、略450℃,550℃,600℃,650℃,700℃である。基体表
面での温度は、レーザビーム形状、レーザ出力、レーザ
ビーム走査速度によって変化した。以下の結果は、レー
ザビーム径、レーザビーム走査速度を与えた時に、表面
温度が上記略450℃,550℃,600℃,650℃,700℃になるよ
うにレーザ出力を変化させた。レーザ加熱は、水素ガス
雰囲気、大気圧で行った。
得られた結果は、実施例B13と同様、基体温度が550℃
以上の時、第2のAlは単結晶化した。実施例B13と同様
単結晶化した領域を走査μ−RHEED像によって観察した
ところ、第17図(b)及び(c)と同様であった。L8
略1cmであった。実施例13と同様、基体表面温度が650℃
以上の時オージェ電子分光、もしくは二次イオン質量分
析法による深さ方向分布を測定すると、基体表面上の絶
縁膜と第2のAlの界面においてSiおよびAlの溶け出しが
観察された。
(実施例B15) 実施例B9,B10,B11,B12,B13,B14では、例えば第5図
(a)及び(b)、第6図(a)及び(b)、第7図
(a)及び(b)についてSi基体上に形成された絶縁膜
は、熱酸化法によるSiO2であった。本実施例では、Si基
体上の絶縁膜として、CVD SiO2膜,BSG,PSG,BPSG,P−Si
N,T−Sin,LP−SiN,ECR−SiNを用いた。これら絶縁膜の
厚さは、1000Å,2500Å,5000Å,7500Å,10000Åの5種
類である。第1のAl膜および第2のAl膜の厚さは、実施
例B1,B2,B3,B4と同様であった。
実施例B9,B10,B11,B12,B13,B14と同様、基体温度が55
0℃以上の時第2のAlは単結晶化した。また、実施例B9,
B10,B11,B12,B13,B14と同様、基体表面温度が650℃以上
の時、オージェ電子分光、もしくは二次イオン質量分析
法による深さ方向分布を測定すると、基体表面上の絶縁
膜と第2のAlの界面においてSiおよびAlの溶け出しが観
察された。
(実施例B16) 実施例B1〜B15では、第1のAlおよび第2のAlはとも
にDMAH(ジメチルアルミニウムハイドライド)と水素と
を用いたLP−CVD法により純Alを用いた。本実施例で
は、純Alに替わってAl−Siを用いた。DMAHと水素を用い
たLP−CVDにおいて、Si2H6を添加してAl−Siを堆積し
た。第1のAl−Si及び第2のAl−Si膜中のSi含有量は、
0.2,0.5,1.0%である。
実施例B1〜B15において、AlをAl−Siに替えて、実施
例B1〜B15と同様の熱処理を行った。
得られた結果は、実施例B1〜B15と同様であった。
(実施例B17) 実施例B1〜B15において、第1のAlおよび第2のAlは
ともにDMAHと水素とを用いたLP−CVDを用いて形成し
た。熱処理によって第2のAlが単結晶化するためには、
第1のAlが単結晶である必要がある。LP−CVD法では、
第1のAlおよび第2Alを同一装置内で連続的に堆積でき
る利点があるが、第2のAlは、多結晶もしくは非晶質で
あればCVD法によるAl膜である必要はない。
本実施例では、実施例B1〜B15において第2のAlのみ
スパッタ法で形成した。第2のAlをX線回折法、従来RH
EED装置による電子線回折パターン測定、走査型μ−RHE
ED顕微鏡による電子線回折パターンおよび走査μ−RHEE
D像観察を行ったところ、堆積した状態では、粒径略1
μm以下の多結晶であった。
実施例B1〜B15と同様の条件で加熱処理したところ、
得られた結果は、実施例B1〜B15と同様、基体温度が550
℃以上の時、第2のAlは単結晶化した。但し、実施例B9
〜B14と同様の手順で測定したL8の単結晶化領域は、第2
AlにCVD Alを用いた1cmより、短く略0.8cmであった。ま
た、実施例B1〜B15と同様、基体表面温度が650℃以上の
時、オージェ電子分光、もしくは二次イオン質量分析法
による深さ方向分布を測定すると、基体表面上の絶縁膜
と第2のAlの界面においてSiおよびAlの溶け出しが観察
された。
(実施例B18) 実施例B1〜B15と同様の試料形状、加熱条件で、第1
のAlには、DMAHと水素とSi2H6を用いたLP−CVD法による
Al−Si、第2のAlには、DMAHと水素を用いたLP−CVD法
による純Alを用いた。
第1のAl−Si中のSi含有量は、0.2,0.5,1.0%であ
る。
得られた結果は、実施例B1〜B15と同様であった。
(実施例B19) 実施例B1〜B15と同様の試料形状、加熱条件で、第1
のAlには、DMAHと水素とSi2H6を用いたLP−CVD法による
Al−Si、第2のAlには、スパッタ法によるAl−Siを用い
た。第1のAl−Si中のSi含有量は、0.2,0.5,1.0%であ
る。
得られた結果は、実施例B1〜B15と同様であった。但
し、実施例B9〜B14と同様の手順で測定したL8の単結晶
化領域は、第2のAlにCVD Alを用いた1cmより、短く略
0.8cmであった。
(実施例B20) 実施例B1〜B19では、試料加熱を試料表面からレーザ
ビームを照射した。実施例1〜19と異なるのは、試料加
熱において表面からのレーザによる加熱に加えて試料裏
面からの加熱を行った。試料裏面からの加熱は、試料を
載せる台(図示せず)を抵抗加熱した。試料裏面の温度
は略250℃,300℃,350℃とした。レーザ照射条件は、実
施例B1〜B19と同様である。
得られた結果は、実施例B1〜B19と同様であった。単
結晶化温度は、実施例B1〜B19では、550℃であったが、
本実施例では、基体表面の温度が略500℃で単結晶化し
た。単結晶化温度が実施例B1〜B19より低下したのは、
裏面から試料を加熱したため、表面の第2のAlもしく
は、第2のAl−Siがより小さい照射エネルギーでAl原子
の流動が促進されたためと考えられる。
(実施例C1) 実施例1,2,3に示される方法で、第1のAlおよび第2
のAlの堆積した試料を用意し、線状ヒーターを用いて加
熱を行った。第1絶縁膜のパターンは、第2図(a),
(b),(c)に示されるチェッカーパターン,ビアホ
ールパターン,ライン&スペースパターンである。第2
図に示されるパターン寸法L1〜L5は、実施例B1〜B3と同
様である。また、Si基体の面方位、第1絶縁膜の厚さ、
第2のAlの厚さも実施例B1〜B3とと同様である。
第1のAlおよび第2のAlを堆積後、X線回折法で評価
したところ、SiO2膜厚、チェッカーサイズ、第2のAlの
膜厚によらずいずれの試料もAl(111)ピークのみが観
測された。また、電子ビーム径が100μm〜1mmφの従来
RHEED装置で電子線回折パターンを観察したところ、い
ずれの試料も第14図(a)に示すようなリング状パター
ンが観察された。従って、全面に堆積したAlが(111)
配向の多結晶であることが確認された。さらに、走査型
μ−RHEED顕微鏡に試料を装填し、0.1μmまで電子線を
絞った電子線を用いて電子線回折パターンを観察したと
ころ、強度は弱いながら、第14図(b)に示すようなス
ポットパターンが観察された。スポット状回折パターン
上の回折斑点強度を用いて走査μ−RHEED像を観察した
ところ第15図(a)の様に、数〜10μmの結晶粒からな
る多結晶であった。
上述の試料を以下の方法で線状ヒーターを用いて加熱
をおこなった。
第8図に、線状ヒーターを用いた加熱方法を示す。加
熱支持台81は、加熱基体支持台81上に置かれる。加熱支
持台81は、カーボン製である。加熱基体82上に線状ヒー
ター83が配置される。線状ヒーター83もカーボン製であ
り、電源84から通電される。加熱支持台81も加熱支持台
裏面に取り付けられたヒーター(図示せず)により加熱
される。また、線状ヒーター83は、85の方向へ移動す
る。加熱は、水素雰囲気、大気圧下で行った。
線状ヒーター83は、矢印85の方向に移動させた。移動
速度は、毎分略0.5,1,2,5,10cmである。線状ヒーター83
直下の基体表面温度は、PbSを用いた放射温度計で測定
し、略450℃,500℃,600℃,650℃,700℃である。
上記加熱条件で熱処理を行った後,走査μ−RHEED顕
微鏡内で、電子線回折パターン、及び走査μ−RHEED像
を観察した。Siウェハの面方位、SiO2膜厚(第1絶縁膜
厚)、パターン形状・寸法、第2のAlの膜厚によらずい
ずれの試料も、線状ヒーター83直下の基体表面温度が55
0℃以上の場合、電子線回折パターンは加熱前よりも強
度の強い、第14図(b)に示すようなスポットパターン
が観察された。第14図(b)の回折パターンは、回折斑
点の出現する位置からAl(111)面に〔101〕方向から電
子線を入射させたときに生じる回折パターンであった。
第14図(b)の回折パターン上の回折斑点A(111回折
斑点)及び回折斑点C(202回折斑点)の強度を用いて
走査μ−RHEED像を観察した結果は第15図(b)及び
(c)と同様であった。第15図(b)および(c)にお
いて斜線部が回折斑点強度の強い領域である。チェッカ
ーパターン、ビアホールパターン、ライン&スペースパ
ターンの形成された上に堆積したAl膜(第2のAl膜)で
は回折斑点AもCも共に強く、熱処理によって単結晶化
したことが確認された。熱処理後の試料を従来のRHEED
装置で電子線回折パターンを観察したところ、いずれの
試料においても第14図(b)の様な単結晶を示すスポッ
トパターンが観察された。
すなわち、加熱により、堆積した状態では多結晶であ
ったAlが、単結晶化した。なお、基体表面温度が650℃
以上の時、オージェ電子分光法(AES)による深さ方向
分布を測定したところ、SiO2と第2のAlの界面でAlとSi
とOの解け出しが観察された。また、500℃、6時間の
熱処理では、単結晶化を生じなかった。
(実施例C2) 実施例C1では、試料断面構造は第1図(a)に示す様
に試料表面は、第2のAlが全面に形成されていた。本実
施例では、第2のAlの上に第1図(b)に示すように絶
縁膜を形成して、実施例C1と同様の手順で線状ヒーター
による加熱熱処理を行った。第2のAlの上の絶縁膜とし
て常圧CVDによって成膜したSiO2(以下CVD SiO2と略
す)、常圧CVD法によって成膜したボロンドープした酸
化膜(以下BSGと略す)、常圧CVD法によって成膜したリ
ンドープした酸化膜(以下PSGと略す)、常圧CVD法によ
って成膜したボロンおよびリンドープした酸化膜(以下
BPSGと略す)、プラズマCVD法によって成膜した窒化膜
(以下P−SiNと略す)、ECR装置によって成膜した熱窒
化膜(以下ECR−SiNと略す)を用いた。以下第2のAl上
の絶縁膜を第2絶縁膜とする。第2絶縁膜の厚さとして
は、1000Å,2000Å,5000Å,1μmとした。加熱条件は、
実施例C1と同様である。加熱後、第2絶縁膜をエッチン
グにより取り除いて、実施例C1と同様、走査型μ−RHEE
D顕微鏡で電子線回折パターン、走査μ−RHEED像を観測
した。得られた結果は、実施例C1と同様、基体温度が55
0℃以上の時、第2のAlは単結晶化した。また、実施例C
1と同様、基体表面温度が650℃以上の時、オージェ電子
分、もしくは二次イオン質量分析法による深さ方向分布
を測定すると、基体表面上の絶縁膜と第2のAlの界面に
おいてSiおよびAlの溶け出しが観察された。
(実施例C3) 実施例C1では、第1図(a)のSi基体上に形成された
第1絶縁膜は、熱酸化法によるSiO2であった。本実施例
では、Si基体上の第1絶縁膜として、CVD SiO2膜,BSG,P
SG,BPSG,P−SiN,T−SiN,LP−SiN,ECR−SiNを用いた。こ
れら絶縁膜の厚さは、1000Å,2500Å,5000Å,7500Å,10
000Åの5種類である。
Si基体の面方位、第1のAl膜、第2のAl膜の厚さ、線
状ヒーターによる加熱条件は、実施例C1と同様であっ
た。
実施例C1と同様、基体温度が550℃以上の時、第2のA
lは単結晶化した。また、実施例C1と同様、基体表面温
度が650℃以上の時、オージェ電子分光、もしくは二次
イオン質量分析法による深さ方向分布を測定すると、基
体表面上の絶縁膜と第2のAlの界面においてSiおよびAl
の溶け出しが観察された。
(実施例C4) 実施例C3では、試料断面構造は第1図(a)に示す様
に試料表面は、第2のAlが全面に形成されていた。本実
施例では、第2のAlの上に第1図(b)に示すように絶
縁膜を形成して、実施例C1と同様の手順で線状ヒーター
による加熱熱処理を行った。第2のAl上の絶縁膜として
CVD SiO2膜,BSG,PSG,BPSG,P−SiN,LP−SiN,ECR−SiNを
用いた。これら絶縁膜の厚さは、1000Å,2500Å,5000
Å,7500Å,10000Åの5種類である。
Si基体の面方位、第1のAl膜、第2のAl膜の厚さ、線
状ヒーターによる加熱条件は、実施例C3と同様であっ
た。実施例C3と同様、基体温度が550℃以上の時、第2
のAlは単結晶化した。また、実施例C3と同様、基体表面
温度が650℃以上の時、オージェ電子分光、もしくは二
次イオン質量分析法による深さ方向分布を測定すると、
基体表面上の絶縁膜と第2のAlの界面においてSiおよび
Alの溶け出しが観察された。
(実施例C5) 線状ヒーター加熱による第2のAlの単結晶化領域を測
定した。試料形状は、実施例B9のレーザ加熱の場合に示
した第5図(a)と同じである。断面構造は、第1図
(a)と同様である。Si基体上の絶縁膜には幅L10のラ
インが形成されている。ラインの幅L10は、0.5μm,1μ
m,2μm,5μm,10μm,20μm,の6種類である。Siウェハの
面方位は(100)及び(111)を用いた。絶縁膜として熱
酸化法によるSiO2を用いた。SiO2膜厚は、1000Å,2500
Å,5000Å,7500Å,10000Åの5種類である。ウェハ全面
に堆積したAl(第1図の第2のAl、4、もしくは第5図
(a)の第2のAl63)の)の厚さは、1000Å,2500Å,50
00Å,7500Å,10000Åの5種類である。Si基体の面方
位、SiO2厚さ、第1のAlの幅L10、第2のAlの厚さの4
条件の組合せでできる2×5×8×6×=480種の試料
を用意した。
第2のAlの結晶性はX線回折法、従来RHEED装置によ
る電子線回折パターン観察、走査μ−RHEED顕微鏡によ
る電子線回折パターンおよび走査μ−RHEED像観察か
ら、実施例B1,C1と同様、数〜10μmの結晶粒からなる
多結晶であった。
加熱は、実施例C1と同様の方法で行った。移動速度
は、毎分略0.5,1,2,5,10cmである。線状ヒーター83直下
の基体表面温度は、PbSを用いた放射温度計で測定し、
略450℃,550℃,600℃,650℃,700℃である。加熱は、水
素ガス雰囲気,大気圧で行った。
加熱処理後、走査型μ−RHEED顕微鏡において、電子
線回折パターン及び走査μ−RHEED像を観察したとこ
ろ、電子線回折パターンは、実施例C1と同様、加熱処理
前よりも強度の強いスポットパターンが観察された(第
14図(b))。111回折斑点、202回折斑点を用いて測定
した走査μ−RHEED像は第17図(b)および(c)と同
様であった。ここで第1のAlの方向(ライン方向)は、
第17図(a)のy方向に平行である。またヒーターの走
査方向はx方向に平行である。第17図(c)のL8を測定
することにより単結晶化した領域の長さを知ることがで
きる。第17図(c)では、L8があたかも10〜20μm程度
のようにして示してあるが、基体温度550℃以上の時、L
8は、略1cm出会った。すなわち、単結晶である第1のAl
を各としてSiO2上の第2Alが長さ1cmにわたって単結晶化
した。また、実施例C1と同様、基体表面温度が650℃以
上の時、オージェ電子分光、もしくは二次イオン質量分
析法による深さ方向分布を測定すると、基体表面上の絶
縁膜と第2のAlの界面においてSiおよびAlの溶け出しが
観察された。
(実施例C6) 実施例C5と同様の手順で試料を制作し、線状ヒーター
により加熱処理を行った。実施例C5と異なるのは、試料
断面構造である。実施例C5では、試料断面構造は第1図
(a)、または第5図(a)に示す様に試料表面には、
第2のAlが全面に形成されていた。本実施例では、第2
のAlの上に第1図(b)または第5図(b)に示すよう
に絶縁膜を形成して、実施例C5と同様の手順で線状ヒー
ターによる加熱熱処理を行った。第2のAlの上の絶縁膜
としてCVD SiO2,PSG,BSG,BPSG,P−SiN,ECR−SiNを用い
た。以下第2のAl上の絶縁膜を第2絶縁膜とする。第2
絶縁膜の厚さとしては、1000Å,2000Å,5000Å,1μmと
した。線状ヒーターによる加熱条件は、実施例C1と同様
である。加熱後、第2絶縁膜をエッチングにより取り除
いて、実施例C5と同様、走査μ−RHEED顕微鏡で電子線
回折パターン、走査μ−RHEED像を観測した。得られた
結果は、実施例C5と同様、基体温度が550℃以上の時、
第2のAlは単結晶化した。実施例C5と同様、第17図
(b)および(c)と同様の走査μ−RHEED像が得ら
れ、単結晶化した領域L8は略1cmであった。実施例C5と
同様、基体表面温度が650℃以上の時、オージェ電子分
光、もしくは二次イオン質量分析法による深さ方向分布
を測定すると、基体表面上の絶縁膜と第2のAlの界面に
おいてSiおよびAlの溶け出しが観察された。
(実施例C7) 実施例C5,C6では、例えば第5図(a)および(b)
においてSi基体上に形成された絶縁膜は、熱酸化法によ
るSiO2であった。本実施例では、Si基体上の絶縁膜とし
て、CVD SiO2膜,BSG,PSG,BPSG,P−SiN,T−SiN,LP−SiN,
ECR−SiNを用いた。これら絶縁膜の厚さは、1000Å,250
0Å,5000Å,7500Å,10000Åの5種類である。Si基体の
面方位、第1のAl膜、第2のAl膜の厚さ、線状ヒーター
による加熱条件は、実施例C1と同様であった。
実施例C5,C6と同様、基体温度が550℃以上の時、第2
のAlは単結晶化した。実施例C5,C6と同様、第17図
(b)および(c)と同様の走査μ−RHEED像が得ら
れ、単結晶化した領域L8は略1cmであった。実施例C5,C6
と同様、基体表面温度が650℃以上の時、オージェ電子
分光、もしくは二次イオン質量分析法による深さ方向分
布を測定すると、基体表面上の絶縁膜と第2のAlの界面
においてSiおよびAlの溶け出しが観察された。
(実施例C8) 実施例C1〜C7では、第1のAlおよび第2のAlはともに
DMAHと水素を用いたLP−CVD法により純Alを用いた。
本実施例では、純Alに替わってAl−Siを用いた。DMAH
と水素を用いたLP−CVDにおいて、Si2H6を添加してAl−
Siを堆積した。第1のAl−Siおよび第2のAl−Si膜中の
Si含有量は、0.2,0.5,1.0%である。実施例C1〜C7と同
様の熱処理を行った。
得られた結果は、実施例C1〜C7と同様であった。
(実施例C9) 実施例C1〜C7において、第1のAlおよび第2のAlはと
もにDMAHと水素を用いたLP−CVDを用いて形成した。熱
処理によって第2のAlが単結晶化するためには、第1の
Alが単結晶である必要がある。LP−CVD法では、第1のA
lおよび第2のAlを同一装置内で連続的に堆積できる利
点があるが、第2のAlは、多結晶もしくは非晶質であれ
ばCVD法によるAl膜である必要はない。
本実施例では、実施例C1〜C7と同様の試料、加熱処理
条件で、第2のAlのみスパッタ法で形成した。第2のAl
をX線回折法、従来RHEED装置による電子線回折パター
ン測定、走査型μ−RHEED顕微鏡による電子線回折パタ
ーン及び走査μ−RHEED像観察を行ったところ、堆積し
た状態では、粒径略1μm以下の多結晶であった。
実施例C1〜C7と同様の条件で加熱処理したところ、得
られた結果は、実施例C1〜C7と同様、基体温度が550℃
以上の時、第2のAlは単結晶化した。但し、実施例C5〜
C7と同様の手順で測定したL8の単結晶化領域は、第2の
AlにCVD Alを用いた1cmより、短く略0.8cmであった。ま
た、実施例C1〜C7と同様、基体表面温度が650℃以上の
時、オージェ電子分光、もしくは二次イオン質量分析法
による深さ方向分布を測定すると、基体表面上の絶縁膜
と第2のAlの界面においてSiおよびAlの溶け出しが観察
された。
(実施例C10) 実施例C1〜C7と同様の試料形状、加熱条件で、第1の
Alには、DMAHと水素とSi2H6を用いたLP−CVD法によるAl
−Si、第2のAlには、DMAHと水素を用いたLP−CVD法に
よる純Alを用いた。
第1のAl−Si中のSi含有量は、0.2,0.5,1.0%であ
る。
得られた結果は、実施例C1〜C7と同様であった。
(実施例C11) 実施例C1〜C7と同様の試料形状、加熱条件で、第1の
Alには、DMAHと水素とSi2H6を用いたLP−CVD法によるAl
−Si、第2のAlには、スパッタ法によるAl−Siを用い
た。第1のAl−Si中のSi含有量は、0.2,0.5,1.0%であ
る。
得られた結果は、実施例C1〜C7と同様であった。但
し、実施例C5〜C7と同様の手順で測定したL8の単結晶化
領域は、第2のAlにCVD Alを用いた1cmより、短く略0.8
cmであった。
(実施例D1) 実施例C1〜C11でそれぞれ示した試料と同様の試料を
用意し、ランプを用いて加熱を行った。
第9図に、ランプを用いた加熱方法を示す。
加熱基体92は、加熱基体支持台91上に置かれる。加熱
支持台91は、カーボン製である。ランプ93には、線状の
Xeランプを用いた。ランプ93からの光は、反射ミラー94
で基体表面上で線状になる用の集光される。加熱支持台
91も加熱支持台裏面に取り付けられたヒーター(図示せ
ず)により加熱される。また、加熱領域95は、ランプの
移動により加熱基体上を移動させた。加熱は、水素雰囲
気、大気圧で行った。
基体支持台91を移動することにより加熱領域を矢印96
の方向に移動させた。移動速度は、毎分略0.5,1,2,5,10
cmである。
加熱領域95の基体表面温度は、PbSを用いた放射温度
計で測定し、略450℃,550℃,600℃,650℃,700℃であ
る。
以上に示した方法で加熱したところ、得られた結果
は、実施例C1〜C11と同様であった。
(実施例E1) 実施例C1〜C11でそれぞれ示した試料と同様の試料を
用意し高周波を用いて加熱を行った。
第10図に、高周波加熱による加熱方法について説明す
る。
加熱基体103は、加熱基体支持台上に置かれる。101
は、カーボン製の支持台である。また、102は、石英製
の板である。第10図の様に基体の置かれた加熱支持台を
周囲に設けられた高周波コイル(図示せず)により加熱
した。石英の板102は、高周波により加熱されないので
基体上の一部104の部分が最も高温に加熱される。
ウェハを、矢印105で示される方向に移動させること
により、高温に加熱される領域104もウェハ上を移動す
る。加熱は、水素雰囲気、大気圧下で行った。移動速度
は、毎分略0.5,1,2,5,10cmである。加熱領域104の基体
表面温度は、PbSを用いた放射温度計で測定し、略450
℃,550℃,600℃,650℃,700℃である。
以上に示した方法で加熱したところ、得られた結果
は、実施例C1〜C11と同様であった。
(実施例F1) 実施例C1〜C11でそれぞれ示した試料と同様の試料を
用意し、電子ビームを用いて加熱を行った。
第11図に、電子ビームを用いた加熱方法を示す。
フィラメント112からの電子ビーム113は、集束コイル
および走査コイル115,偏向板115′により加熱基体114上
で線状に集束する。基体上では、111の部分が線状に高
温に加熱される。ウェハが、矢印116で示される方向に
移動することにより、高温に加熱される領域114もウェ
ハ上を移動する。加熱雰囲気圧力は、10-8Torr以下の真
空雰囲気で行った。
基体の移動速度は、毎分略0.5,1,2,5,10cmである。加
熱領域の基体表面温度は、PbSを用いた放射温度計で測
定し、略450℃,550℃,600℃,650℃,700℃である。
以上に示した方法で加熱したところ、得られた結果
は、実施例C1〜C11と同様であった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、あらゆる下地
材料からなる下地表面上にも単結晶Alを形成することが
できる。
また表面性,耐マイグレーション性,下地Siとの界面
性等、半導体装置の配線材料として好ましい特性をもつ
Al配線を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による単結晶化方法及びそれを利用した
配線形成方法を説明する為の模式的断面図、 第2図(a),(b),(c)は、本発明に適用可能な
単結晶Alシードパターンを説明するための模式的上面
図、 第3図は、走査型μ−RHEED顕微鏡を説明する模式図、 第4図は、瞬間加熱(RTA)装置を説明する模式図、 第5図(a),(b)は、本発明に適用可能な試料形状
とレーザビーム照射方法を説明するための模式図、 第6図(a),(b)は、本発明に適用可能な試料形状
とレーザビーム照射方法を説明するための模式図、 第7図(a),(b)は、本発明に適用可能な試料形状
とレーザビーム照射方法を説明するための模式図、 第8図は、線状ヒーターによる加熱方法を説明するため
の模式図、 第9図は、ランプを用いた加熱方法を説明するための模
式図、 第10図は、高周波加熱法を用いた加熱方法を説明するた
めの模式図、 第11図は、電子ビームを用いた加熱方法を説明するため
の模式図、 第12図は、走査μ−RHEEDの原理を説明するための模式
図、 第13図は、走査μ−RHEED顕微鏡観察の原理を説明する
ための模式図、 第14図は、電子線回折パターンを示す図、 第15〜17図は、試料全面に堆積したAl膜の結晶粒界を示
す走査μ−RHEED像の一例を示す図であり、それぞれ、 (a)試料加熱前、 (b)試料加熱後(検出回折斑点111)、 (c)試料加熱後(検出回折斑点202)、を示す。 1……Si基体、 2……第1絶縁膜、 3……第1のAl、 4……第2のAl、 5……第2絶縁膜、 6……第3のAl(選択成長Al)、 7……第4のAl、 8……第3絶縁膜、 11……絶縁体部、 12……開口部、 20……電子銃、 21……電子ビーム、 22……回折電子線、 23……蛍光板、 24,24′,24″……光ファイバ、 25,25′,25″……光電子増倍管、 26,26′,26″……電気信号に変換された回折斑点強度、 27……走査信号、 28……CRT、 29……二次電子信号、 30……二次電子検出器、 31……試料、 34……真空チャンバー、 35……排気装置、 61……Si基体、 62……第1のAl、 63……第2のAl、 64……第1絶縁膜、 65……第2絶縁膜(第2のAl上の絶縁膜)、 66……第2のAl上のストライプ上絶縁膜、 67……レーザビーム、 68……繰り返しレーザ走査方向、 69……レーザ走査方向、 70……レーザビームを平行にするための光学系、 71……平行レーザビーム、 81……基体支持台、 82……加熱基体、 83……線状ヒーター、 84……電源、 85……線状ヒーター走査方向、 91……基体支持台、 92……加熱基体、 93……線状ランプ、 94……反射ミラー、 95……加熱領域、 96……光の走査方向、 101……カーボン製基体支持台、 102……石英製基体支持台、 103……加熱基体、 104……加熱領域、 105……加熱基体移動方向、 111……加熱基体、 112……フィラメント、 113……電子ビーム、 114……線状化された電子ビーム、 115,115′……集束レンズおよび偏向レンズ、 116……加熱基体移動方向、 200……基体、 201……石英製基体支持台、 202……石英管、 203……ランプ、 204……反射板。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムまたはアルミニウムを主成分
    とする合金からなる金属膜を少なくともその一部におい
    てアルキルアルミニウムハイドライドのガスの水素とを
    用いた化学的気相成長法によって得られたアルミニウム
    またはアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金か
    らなる単結晶金属に接して形成する工程と、 前記金属膜を加熱して少なくともその一部分を単結晶化
    する工程と を有することを特徴とする金属薄膜形成法。
  2. 【請求項2】基体の表面上に絶縁膜を形成する工程と、 該絶縁膜に開口部を設けて前記基体の表面の一部を露出
    させる工程と、 アルキルアルミニウムハイドライドのガスと水素とを用
    いたCVD法によりアルミニウムまたはアルミニウムを主
    成分とするアルミニウム合金からなる第1の金属を堆積
    させ、前記開口部内に該第1の金属からなる単結晶を配
    する工程と、 前記第1の金属からなる単結晶上および前記絶縁膜上に
    アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とするアルミ
    ニウム合金からなる第2の金属の薄膜を形成する工程
    と、 該第1の金属からなる単結晶を種結晶とし前記第2の金
    属の薄膜を加熱して少なくともその一部を単結晶化する
    工程と を有することを特徴とする半導体装置における金属薄膜
    形成法。
  3. 【請求項3】ジメチルアルミニウムハイドライドのガス
    と水素ガスを用いたCVD法によってアルミニウム単結晶
    を前記開口部内に選択的に堆積させることを特徴とする
    請求項2に記載の金属薄膜形成法。
  4. 【請求項4】前記第2の金属の薄膜上にさらに第2の絶
    縁膜を形成した後に、前記加熱を行うことを特徴とする
    請求項2または3に記載の金属薄膜形成法。
  5. 【請求項5】前記第2の金属の薄膜を550℃以上に加熱
    することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載
    の金属薄膜形成法。
  6. 【請求項6】前記第2の金属の薄膜を抵抗加熱法によっ
    て加熱することを特徴とする請求項5に記載の金属薄膜
    形成法。
  7. 【請求項7】前記第2の金属の薄膜を輻射加熱法によっ
    て加熱することを特徴とする請求項5に記載の金属薄膜
    形成法。
  8. 【請求項8】前記第2の金属の薄膜をレーザビーム加熱
    法によって加熱することを特徴とする請求項5に記載の
    金属薄膜形成法。
  9. 【請求項9】前記第2の金属の薄膜を電子ビーム加熱法
    によって加熱することを特徴とする請求項5に記載の金
    属薄膜形成法。
  10. 【請求項10】前記第2の金属の薄膜を誘導加熱法によ
    って加熱することを特徴とする請求項5に記載の金属薄
    膜形成法。
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