JP2763283B2

JP2763283B2 - 中空容器用穴明け装置

Info

Publication number: JP2763283B2
Application number: JP8000288A
Authority: JP
Inventors: 正晴春日; 信坂田; 詔三宮崎; 保一小野; 浩文大塚
Original assignee: NAGANO KEIKI KK
Current assignee: NAGANO KEIKI KK
Priority date: 1996-01-05
Filing date: 1996-01-05
Publication date: 1998-06-11
Anticipated expiration: 2016-01-05
Also published as: JPH09192894A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、中空容器用穴明け
装置に係り、例えばＰＥＴボトル等の中空容器の処分お
よび再利用を図る際等に利用できる。

【０００２】

【背景技術】近年、ＰＥＴボトル等の中空容器の生産
量、使用量が増えている。これに伴い、自治体等からの
要請もあり、そのボトルの使用後の処分および再利用が
図れるように、ボトルを潰すための種々のプレス装置が
開発されている。このようなプレス装置によれば、ボト
ルを潰した後、このボトルに穴明けパンチにより穴明け
を行っている。これにより、取扱いが容易な小さな塊
（以下、ベールという）にすることができ、このベール
は、一台の収集車に多数積載することができるため、収
集車による輸送効率を向上させることができる。

【０００３】ところで、ＰＥＴボトル等を再処理して再
利用する場合には、その再処理工程中に、ＰＥＴボトル
内部を洗浄液により洗浄してきれいにしてから次工程に
送ることが必要である。これは、洗浄しないままで再処
理すれば、ＰＥＴボトル等の色彩が元のＰＥＴボトル等
に比べ悪くなるという理由によるものである。そこで、
穴明けパンチを使用して、潰したＰＥＴボトルのそれぞ
れに数カ所の穴を明けることが行われている。

【０００４】ところが、何本ものＰＥＴボトルを潰した
後は、プラスチック等の樹脂性の板が幾重にも重ねられ
た形状となっている。そのため、従来の穴明けパンチを
備えた穴明け装置では、穴明けをした穴明けパンチを引
き抜くとき、幾重ものプラスチック板が穴明けパンチに
まとわりついてしまうため、引き抜きにくく、次の作業
がスムーズに行われないという問題があった。そこで、
本出願人は、このような問題点を解決するために、圧縮
した中空容器に突き刺した穴明けパンチを、容易に引き
抜くことができ、作業がスムーズに行えるようになる中
空容器用穴明け装置を提案した（特願平７−１７３３３
２号）。

【０００５】この中空容器用穴明け装置は、プレス室の
上部に設けられ、ホッパ−に対して前後動可能な台座に
取り付けたプレス用シリンダを備え、このプレス用シリ
ンダのロッド先端には押さえ板が設けられ、この押さえ
板に２個のストリッパ用シリンダが取り付けられてい
る。そして、ストリッパ用シリンダのロッド先端に穴明
きストリッパが連結され、ストリッパの貫通穴内を穴明
けパンチが挿通可能となっている。穴明け作業後は、ス
トリッパ用シリンダの作用により穴明きストリッパを下
降させることにより、ＰＥＴボトルに突き刺した穴明け
パンチを引き抜くようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記中空容器
用穴明け装置では、プレス用シリンダとストリッパ用シ
リンダとが一体に組み込まれているため、構造が複雑と
なっている。また、これらのシリンダは一体で移動する
ため、配管等のレイアウトが困難であり、メンテナンス
等も困難であるという問題が生じていた。

【０００７】本発明の目的は、構造が簡単となり、圧縮
した中空容器に突き刺した穴明けパンチを容易に引き抜
くことができて、作業がスムーズに行えるようになり、
かつ、メンテナンスも容易となる中空容器用穴明け装置
を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係る中空容器用
プレス装置は、プレス室内に投入された中空容器を、第
１の駆動手段を有する圧縮手段で圧縮し、かつ、穴明け
する中空容器用穴明け装置において、前記圧縮手段の先
端に設けられ、この圧縮手段によって圧縮した前記中空
容器に穴明けをする複数の穴明けパンチと、前記圧縮手
段の先端に設けられ、前記穴明けパンチを通過可能とす
る貫通穴を有する穴明きストリッパと、前記プレス室の
側面に設けられ、前記穴明きストリッパと係合し、か
つ、前記穴明けパンチの上方向への移動により前記穴明
きストリッパを前記穴明けパンチに対して相対スライド
させる第２の駆動手段とを有することを特徴とするもの
である。

【０００９】以上において、中空容器は、例えば清涼飲
料水や醤油等を収容するＰＥＴボトル等である。また、
第１の駆動手段と第２の駆動手段は、油圧あるいは空圧
のシリンダーで形成してもよい。また、穴明けパンチの
形状は丸棒に限らず、断面楕円形状部材を使用してもよ
い。

【００１０】このような中空容器用プレス装置によれ
ば、複数の穴明けパンチで中空容器に穴明けをした後、
第２駆動手段と穴明きストリッパとを係合させた状態で
圧縮手段を上方に移動させれば、穴明きストリッパが中
空容器を押さえることになって穴明けパンチを容易に引
き抜くことができる。そのため、次の作業にも容易に着
手でき、作業がスムーズに行えるようになる。また、圧
縮手段を駆動させる第１駆動手段と、穴明きストリッパ
を駆動させる第２駆動手段とが、異なる位置に設けられ
ているので、構造が簡単化されるとともに、配管のレイ
アウトも容易となり、メンテナンスも容易となる。

【００１１】この中空容器用穴明け装置において、穴明
けパンチの先端を、片側にのみ斜めに切断した片切り状
としてもよい。以上において、斜めの切断角度は限定さ
れない。最も刺し込みやすく、かつ、破損しにくい角度
であればよい。このような中空容器用穴明け装置によれ
ば、穴明けパンチの斜めに切断した部位には、穴明け時
に中空容器を押し広げる力は生じるが、切断されない垂
直な部位には中空容器を押し広げる力は生じないので、
例えば先端が円錐状となった穴明けパンチに比べて、比
較的小さい力で穴明けができるとともに、切れ味がよく
なってきれいな穴を加工できるため、再処理工程での洗
浄も容易となる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を図
面に基づいて説明する。図１，２に示すように、本実施
の形態の中空容器プレス装置（以下、単に装置という）
１は、中空容器である例えばＰＥＴボトル１００（図３
等参照）を潰すとともに、潰したものに穴明けを行って
所定の大きさに減容したベール１０１（図６参照）を形
成し、さらにこのベール１０１を結束するものである。
なお、図１において右方を前方、左方を後方とする。

【００１３】装置１は縦型となっており基台２を備えて
いる。基台２の上面かつ前方寄りには、図３等にも示す
ように、ＰＥＴボトル１００を圧縮して潰すプレス室３
が設けられている。このプレス室３の上部前方側面に
は、上方かつ前方に突出したホッパー４が設けられ、こ
のホッパー４内に、例えばベルトコンベア１４で搬入さ
れた所定量のＰＥＴボトル１００が投入されるようにな
っている。

【００１４】プレス室３の上端部には、プレス室３に対
向して第１の駆動手段であるプレス用シリンダ４０が配
置されている。このプレス用シリンダ４０は、プレス室
３内でＰＥＴボトル１００を圧縮、穴明けする圧縮手段
６を構成している。また、基台２の前方には、プレス室
３から排出ガイド５４を介して送り出されたベール１０
１を結束する自動結束機８が配置され、この結束機８の
前方には、結束されたベール１０１を載置するベール受
け台９が設けられている。さらに、基台２の後方側に
は、圧縮手段６のプレス用シリンダ４０等を制御する電
磁弁１０を備えた油圧ユニット１１、モータ１２および
装置１全体を制御する制御ボックス１３が配置されてい
る。

【００１５】以上のような装置１の一部を断面した図３
〜６に示すように、基台２の上面には板部材２０が設け
られてており、この板部材２０は、前記プレス室３の下
部の部位ではプレス室３の底面となっている。プレス室
３は、本体部２１を備え、この本体部２１の外周には、
例えば角パイプ材や縦横のリブ等からなる補強部材２２
が取り付けられており、幅（図１において左右方向であ
る前後方向）寸法が奥行き寸法（図１の紙面直交方向）
よりも大きく形成されている。このようなプレス室３の
上部は開口しており、この開口はＰＥＴボトル１００投
入用の開口部３Ａ（図５等参照）となっている。また、
プレス室３の内部空間Ｓ内にＰＥＴボトル１００が投入
され、かつ、このボトル１００が圧縮されるようになっ
ている。

【００１６】図３等に示すように、プレス室３の上部に
おいて前後方向側面には、プレス室３の上端面からＬ寸
法下がった位置に、補強用の角パイプ材２２Ａが設けら
れている。この角パイプ材２２Ａとプレス室３の上端面
との間では、本体部２１の前後方向の側板はなく、２枚
の奥行き方向の側板のみが設けられている。従って、プ
レス室３の上部には、プレス室３の奥行き寸法とＬ寸法
との大きさとなった２つの上部側面開口部Ａ，Ｂが形成
されていることになる。なお、上部側面開口部Ａの大き
さは、圧縮手段６の先端およびこの先端に取り付けられ
た穴明け装置４６の高さ寸法より大きく形成され、これ
により、圧縮手段６とともに穴明け装置４６等が前後方
向に移動できるようになっている。

【００１７】また、プレス室３の下部には、上部側面開
口部Ａ，Ｂと同じ向きに下部側面開口部Ｃ，Ｄが形成さ
れている。なお、プレス室３の上部所定位置には、プレ
ス室３内のボトル１００の量を検出するプレス室投入量
検出センサ２８（図４，５等参照）が設けられている。

【００１８】図１，２に示すように、前記ホッパー４
は、側面ほぼ三角形状、正面ほぼ漏斗状となっており、
上部は平面ほぼ正四角形の開口部となっている。このよ
うな、ホッパー４は、前後方向に対向する前面板２３と
後面板２４と、これら２３，２４の両端に結合される２
枚の側面板２５とを備えている。前面板２３は、その前
方上部から垂直に下方に延びた垂直面部２３Ａと、その
一端部から前記補強用角パイプ２２Ａ（図３参照）にわ
たって設けられた傾斜面部２３Ｂとを有し、また、後面
板２４は、上記垂直面部２３Ａよりわずかに上下方向に
短い垂直面部のみで形成されている。

【００１９】２枚の側面板２５は、図２に示すように、
上部側面開口部から内側に向けて傾斜する側面傾斜面部
２５Ａと、そこから垂直に下方に延びた垂直側面部２５
Ｂとを有している。これら２枚の垂直側面部２５Ｂ間の
間隔は、プレス室３の奥行き寸法とほぼ同一寸法となっ
ており、しかも、後面板２４には前面板２３の傾斜面部
２３Ｂに対向する面部がないので、垂直側面部２５Ｂの
上端から傾斜面部２３Ｂの先端に至る間には、図３等に
示すように、プレス室３の奥行き寸法とほぼ同一の幅寸
法を有する大きな投入口Ｅが形成されていることにな
る。

【００２０】また、図１等に示すように、この垂直側面
部２５Ｂのプレス室３側の端部には、垂直側面部２５Ｂ
の上端からプレス室３の上端面近傍に至る縦長形状の延
長側面部２５Ｃが設けられている。これらの延長側面部
２５Ｃは、ホッパー４内のＰＥＴボトル１００をプレス
室３に落下させるとき、プレス室３の外側にこぼれない
ようにするガイドとなっている。なお、以上のようなホ
ッパー４の一方の垂直側面部２５Ｂには、ホッパー４内
に投入されたＰＥＴボトル１００の適正な量を検出する
ためのボトル検出センサ２６が設けられ、ホッパー４内
に所定量のＰＥＴボトル１００が投入されたとき、信号
が送られるようになっている。

【００２１】プレス室３の上部には、その奥行き方向両
側に２本のガイド５が設けられ、これらのガイド５間に
は、図３等に示すように、平面長方形の台座３１が水平
方向移動可能に配置され、この台座３１に前記プレス用
シリンダ４０が取り付けられている。また、台座３１の
後方側端部には、投入口開閉シリンダ７のロッド７Ａが
接続されており、この投入口開閉シリンダ７は、ガイド
５の後方側端部に取り付けられている。従って、シリン
ダ７を作動させてそのロッド７Ａを伸縮させることによ
り、台座３１、言い換えればプレス用シリンダ４０がガ
イド５に沿って前後方向に移動できることとなる。

【００２２】また、台座３１の前方側端部には、長方形
状の蓋３３が台座３１と直交して上下方向に取り付けら
れている。この蓋３３は、ホッパー４の前記投入口Ｅと
ほぼ同じ大きさとなっているとともに、台座３１と結合
されている。そのため、台座３１と連動して水平方向に
移動し、プレス室３の前記開口部３Ａから外れた位置に
まで移動でき、これにより、投入口Ｅを塞いだり開いた
りできる。

【００２３】このような台座３１には、前述のように、
プレス用シリンダ４０がプレス室３に対向して立設さ
れ、このプレス用シリンダ４０は、プレス室３内でＰＥ
Ｔボトル１００を圧縮する圧縮手段６を構成している。
そして、そのロッド４０Ａは、プレス室３の上端から下
端まで伸びるストロークを有している。

【００２４】圧縮手段６は、図７に詳細を示すように、
プレス用シリンダ４０のロッド４０Ａと結合された水平
な押さえ板４１を備えている。押さえ板４１の平面大き
さは、プレス室３の平面大きさよりわずかに小さな平面
矩形状に形成され、ロッド４０Ａの伸縮に連れて、プレ
ス室３の内部を上下方向に移動可能となっている。

【００２５】押さえ板４１の裏面には、図９にも示すよ
うに、例えば縦横均等間隔で複数本の穴明けパンチ４４
が取り付けられている。これらの穴明けパンチ４４は、
ＰＥＴボトル１００を圧縮すると同時に穴明けを行うも
のであり、これにより、ベール１０１が形成される。穴
明けパンチ４４は、例えば丸棒等の中実部材で形成さ
れ、その先端４４Ａは、図８に示すように、注射針の先
端と同様に斜めカットされた片切り状態となっている。
このカットの角度（先端角）α°は、例えば３０°とさ
れている。そして、この穴明けパンチ４４は、前記下部
側面開口部Ｃ，Ｄの上下方向の高さ寸法とほぼ同じ長さ
寸法を有している。また、穴明けパンチ４４によってＰ
ＥＴボトル１００の口金（蓋）も切断される。

【００２６】ここで、ＰＥＴボトル１００を潰し、さら
に、これを再利用する場合には、その再処理工程中にボ
トル１００の内部洗浄作業が取り入れられる。このと
き、潰したボトル１００のそれぞに必ず１か所以上の穴
が明いていると、そこから洗浄水が入り込むため洗浄効
果が大きい。そして、この効果をより確実とするために
は、ボトル１００を、いわゆる提灯潰し（縦方向に潰
す）ではなく、するめ状に潰す（長手方向に潰す）こと
が望ましい。本実施の形態では、ホッパー４の投入口Ｅ
が大きく、また、ホッパー４が傾斜面部２３Ｂを有し、
ボトル１００をプレス室３のほぼ真上から落下させる構
造となっているので、順次投入されたボトル１００は横
向きに積み重ねられる。従って、これを圧縮すると、い
わゆるするめ状に潰せることになる。

【００２７】前記押さえ板４１の下方には、図７〜９に
示すように、この押さえ板４１とほぼ同一平面大きさの
穴明きストリッパ４３が設けられている。すなわち、穴
明きストリッパ４３には、対角線上に配置された２本の
ガイド軸４５が立設され、このガイド軸４５は、押さえ
板４１に明けられたガイド穴４１Ａに挿通され、かつ、
ガイド穴４１Ａから抜けないようになっている。従っ
て、穴明きストリッパ４３は常時押さえ板４１に吊るさ
れた状態となっており、かつ、押さえ板４１に対してス
ライド自在である。また、この穴明きストリッパ４３に
は、前記多数の穴明けパンチ４４が挿通可能な大きさの
貫通穴であるパンチ用穴４３Ａが明けられている。その
ため、穴明きストリッパ４３の移動時に、多数の穴明け
パンチ４４は、それぞれパンチ用穴４３Ａに挿通され
る。

【００２８】このような穴明きストリッパ４３は、プレ
ス室３の内部に投入されたＰＥＴボトル１００と直接当
接し、かつ、圧縮するための部材である。また、穴明け
パンチ４４でベール１０１に穴明けした後、穴明けパン
チ４４を引き抜く際に、ベール１０１から容易に抜き出
せるようにベール１０１を押さえ付けるための部材でも
ある。さらに、所定の大きさとなったベール１０１をプ
レス室３の内部から外部に送り出す際のガイドの役割り
も果たしている。

【００２９】図７，９に示すように、押さえ板４１の奥
行き方向の側面には、押さえ板４１を上下に貫通する角
形の切欠部４１Ｂがそれぞれ形成されている。これらの
切欠部４１Ｂは、第２の駆動源であるストリッパ用シリ
ンダ４２のロッド４２Ａが挿通可能な大きさとなってい
る。

【００３０】ストリッパ用シリンダ４２は、図１，７に
示すように、そのロッド４２Ａの駆動方向が水平となる
ように、プレス室３における本体部２１の奥行き方向の
側面に座板３８を介して取り付けられている。この座板
３８は所定の厚さ寸法を有するとともに、その中央には
ロッド４２Ａが挿通する貫通穴が明けられている。そし
て、ロッド４２Ａが最大限後退したとき、その先端面が
プレス室３の内面と同じ位置、あるいはプレス室３の内
面からわずかに没した位置となり、ロッド４２Ａが最大
限前進したとき、その先端面が前記切欠部４１Ｂ内に収
まるようにシリンダ４２の設置位置が決められている。
また、ロッド４２Ａと穴明きストリッパ４３とが係合し
て穴明きストリッパ４３が押さえ板４１に対して最大限
下方にあるとき、この穴明きストリッパ４３が、前記下
側の開口部Ｃ，Ｄの上端近傍に位置するように、シリン
ダ４２の設置位置が決められている。

【００３１】穴明けパンチ４４の先端は、穴明きストリ
ッパ４３のパンチ用穴４３Ａを挿通するとともに、前記
板部材２０をも貫通できるようになっている。従って、
板部材２０には、図７に示すように、貫通穴２０Ａが明
けられている。そのため、ＰＥＴボトル１００内の水分
は、貫通穴２０Ａから外部に排出される。また、穴明け
パンチ４４で切断されたボトル１００の口金も貫通穴２
０Ａから排出されるようになっている。なお、板部材２
０の下方に、例えば排水溝を形成すれば、排出された水
等は排水溝に排出されるので、周囲の環境を汚さない。

【００３２】また、押さえ板４１の上面には、図３，
７，９等に示すように、２本のガイドポスト３５が対角
線状に配置されて立設されている。これらのガイドポス
ト３５は、前記台座３１に明けられている貫通穴内に挿
通されるとともに、プレス用シリンダ４０に取り付けら
れた筒状部材３６内をスライドできるようになってい
る。そして、ガイドポスト３５は、穴明け装置４６が下
方に最大限移動したときでも、その先端は台座３１の貫
通穴から外れないような長さ寸法を有しており、プレス
用シリンダ４０のロッド４０Ａの上下方向移動は、この
ガイドポスト３５で補助されるので安定した状態で行わ
れる。

【００３３】以上のようなプレス用シリンダ４０と押さ
え板４１とには、図１０〜１３に示すように、ＰＥＴボ
トル１００の圧縮、穴明けを開始および終了させる作動
手段６０が設けられている。この作動手段６０は、プレ
ス用シリンダ４０の本体下部に上下２段に取り付けら
れ、ストリッパ用シリンダ４２のロッド４２Ａを後退さ
せる後退用スイッチ６１と、ＰＥＴボトル１００の圧
縮、穴明けを開始するプレス位置スイッチ６２と、これ
らのスイッチ６１，６２と係合するカム６３とを備えて
いる。このカム６３はスライド管６４の外周に取り付け
られ、スライド管６４は、その一端が押さえ板４１に固
着されるとともに、他端はガイド棒６５に挿通されて上
下方向にスライド自在となっている。そして、このガイ
ド棒６５の一端は、プレス用シリンダ４０の上端に取り
付けられたブラケット６６に固着され、他端はプレス室
３の上端部近傍まで延出しており、スライド管６４が下
方に最大限移動したときでも、このスライド管６４の他
端がガイド棒６５の他端から外れないような長さ寸法を
有している。

【００３４】ここにおいて、前記台座３１、プレス用シ
リンダ４０、押さえ板４１、穴明きストリッパ４３、作
動手段６０等を含んで、前記圧縮手段６が構成され、ま
た、ストリッパ用シリンダ４２、穴明きストリッパ４
３、穴明けパンチ４４等で前記穴明け装置４６が構成さ
れている。

【００３５】図６等に示すように、プレス室３の前記下
部側面開口Ｃには、この開口Ｃを塞ぐとともに、プレス
室３で形成したベール１０１を送り出すための蓋部材４
８が設けられている。この蓋部材４８は、送り出しシリ
ンダ５０のロッド５０Ａの先端に取り付けられており、
送り出しシリンダ５０は、基台２上にブラケット４９を
介して水平に設けられている。従って、送り出しシリン
ダ５０を作動させてそのロッド５０Ａを伸ばせば、蓋部
材４８は前方に送り出されるようになっている。

【００３６】また、プレス室３の前記下部側面開口Ｄに
は、この開口Ｄを開閉自在に塞ぐための排出側蓋部材５
１が設けられている。この排出側蓋部材５１は、ブラケ
ット５２を介して排出口開閉シリンダ５３のロッド５３
Ａに取り付けられており、この排出口開閉シリンダ５３
は、プレス室３の補強部材２２の外側に上下方向に取り
付けられている。このような排出側蓋部材５１は、本体
部２１の側板の外表面に沿って上下方向にスライドする
ようになっている。

【００３７】プレス室３の外側、かつ、下部側面開口Ｄ
の前方には前記排出ガイド５４が設けられ、この排出ガ
イド５４は、開口Ｄとほぼ同じ大きさの内部を有する角
筒状に形成されている。従って、プレス室３で形成され
たベール１０１がプレス室３の外部に送り出されると
き、ベール１０１は排出ガイド５４内を通過するため、
形状がばらけずに送り出されることになる。なお、排出
ガイド５４の上面板部には、排出口開閉シリンダ５３の
ロッド５３Ａが通過するための切り欠き（図略）が形成
されている。

【００３８】また、前記自動結束機８は一般的に使用さ
れるものであり、例えばＰＰ（ポリプロピレン）バンド
でベール１０１を強固に結束できるようになっている。

【００３９】次に、図３〜６および図１０〜１３に基づ
いて、本実施形態の作用を説明する。まず、図３に示す
ように、ホッパー４内に、ホッパー投入量検出センサ２
６が信号を出すまでＰＥＴボトル１００を投入する。こ
のとき、ホッパー４の投入口Ｅは、台座３１を投入口開
閉シリンダ７を作動させてそのロッド７Ａを前進させる
ことにより、台座３１に取り付けた蓋３３で塞いでお
く。また、プレス室３の下部側面開口Ｃは、送り出しシ
リンダ５０のロッド５０Ａを後退させて蓋部材４８で塞
ぎ、下部側面開口Ｄは、排出口開閉シリンダ５３のロッ
ド５３Ａを伸ばして排出側蓋部材５１で塞いでおく。

【００４０】次いで、プレス用シリンダ４０を作動さ
せ、そのロッド４０Ａを後退させることにより、穴明け
装置４６および圧縮手段６の先端部をプレス室３の上端
まで引き上げる。この後、図４に示すように、投入口開
閉シリンダ７を作動させてそのロッド７Ａを後退させ、
プレス用シリンダ４０を含む圧縮手段６等が取り付けら
れた台座３１を、ガイド５に沿ってプレス室３の開口部
３Ａから外れる方向に水平移動させる。そうすると、台
座３１に取り付けられた蓋３３も台座３１とともに移動
し、これにより、ホッパー４の投入口Ｅが開かれ、ホッ
パー４内にストックされていたＰＥＴボトル１００が、
傾斜面部２３Ｂに沿って、かつ、延長側面部２５Ｃで外
側へのこぼれを防止されながら、プレス室３内にスムー
ズに、かつ、短時間で落下する。

【００４１】図５に示すように、プレス室３内に、プレ
ス室投入量検出センサ２８でＰＥＴボトル１００の所定
量を検出するまで、ホッパー４内にさらにＰＥＴボトル
１００を投入し、センサ２８による信号が発せられた
後、投入口開閉シリンダ７を作動させて台座３１を矢印
方向に前進させる。圧縮手段６等がプレス室３の上方か
つ正常位置に配置されたことの確認後、図１０に示す状
態から、図６，１１に示すように、プレス用シリンダ４
０を作動させてそのロッド４０Ａを延ばし、穴明け装置
４６と圧縮手段６の先端部とを下降させる。そうする
と、ロッド４０Ａに連れてスライド管６４がスライド
し、カム６３がプレス位置スイッチ６２と接触し、ここ
からＰＥＴボトル１００の圧縮作業と穴明け作業とが開
始される。このとき、ストリッパ用シリンダ４２のロッ
ド４２Ａは後退している。

【００４２】圧縮、穴明け作業に際しては、プレス用シ
リンダ４０のロッド４２Ａを前進させて穴明きストリッ
パ４３を積まれたＰＥＴボトル１００に押し付けると、
穴明きストリッパ４３が上方向にスライドすることによ
り、穴明けパンチ４４が突出してその先端４４ＡがＰＥ
Ｔボトル１００に突き刺さり穴明けが行われる。引き続
き、穴明きストリッパ４３を押し付けると同時に穴明け
パンチ４４で穴明けを行い、これにより、減容されたベ
ール１０１を形成する。なお、口金（蓋）がされたまま
の中空容器でも、穴明けパンチ４４で穴を明けることに
よって空気抜きを行い圧縮を容易にできる。

【００４３】図１１に示すように、穴明け装置４６等に
よる圧縮、穴明け作業中に、ストリッパ用シリンダ４２
を作動させ、そのロッド４２Ａを前進させておく。一回
の圧縮、穴明け作業工程が終了したら、穴明けパンチ４
４をベール１０１から抜き出すために、プレス用シリン
ダ４０のロッド４０Ａを後退させる。このとき、図１２
に示すように、押さえ板４１は、その切欠き部４１Ｂが
ストリッパ用シリンダ４２を通過するので上方に移動す
るが、穴明きストリッパ４３の上面は、ロッド４２Ａに
突き当たってしまう。しかし、押さえ板４１のさらに上
方への移動で、穴明きストリッパ４３が相対的に移動す
ることとなり、これにより、穴明けパンチ４４に絡み付
いているＰＥＴボトル１００を、穴明きストリッパ４３
ではぎとる。

【００４４】その後、図１３に示すように、押さえ板４
１を所定位置まで上昇させると、カム６３が後退用スイ
ッチ６１と接触し、ストリッパ用シリンダ４２を作動さ
せ、そのロッド４２Ａを後退させる。以上の手順をベー
ル１０１が所定高さ寸法、つまり、下部側面開口Ｃ，Ｄ
および排出ガイド５４の高さ寸法に達するまで繰り返
す。

【００４５】この後、図６に示すように、穴明きストリ
ッパ４３の下面を、下部側面開口Ｃ、Ｄの上部高さと同
じ高さ位置に維持しておくとともに、排出口開閉シリン
ダ５３により排出側蓋部材５１を引き上げておく。次
に、送り出しシリンダ５０を作動させてそのロッド５０
Ａを前進させ、その先端の蓋部材４８でベール１０１を
排出ガイド５４を通してプレス室３外に送り出す。この
とき、送りは、例えば１５０mm程度ずつ３段階で行い、
最初の送りを停止したとき、ベール１０１の先端側を自
動結束機８によりＰＰバンド等で結束する。引き続き、
２度目、３度目の送りごとにベール１０１の中央、後端
側を自動結束機８によりＰＰバンド等で結束し、型崩れ
のない完璧なベール１０１を形成する。

【００４６】このように、３か所結束が行われたベール
１０１は、最終的に、送り出しシリンダ５０のロッド５
０Ａのストロークエンドによりベール受け台９に送ら
れ、これによって、一工程が完了する。これ以降は、以
上の工程を繰り返すことになり、これにより、型崩れ等
のない完璧なベールを連続的に形成することができる。

【００４７】前述のような本実施の形態によれば次のよ
うな効果がある。穴明け装置４６を構成する穴明きストリッパ４３は、
プレス室３の側面に設けられたストリッパ用シリンダ４
２のロッド４２Ａで上方向への移動を押さえられるが、
押さえ板４１に対してスライド自在であるため、相対移
動することになり、穴明けパンチ４４をＰＥＴボトル１
００に射し込んだ後、潰されたボトル１００が絡みつい
ても、穴明きストリッパ４３でそのボトル１００をはが
すことができ、これにより、容易に穴明けパンチ４４を
ＰＥＴボトル１００から抜き出すことができる。

【００４８】ストリッパ用シリンダ４２はプレス室３
の側面に設けられ、プレス用シリンダ４０とは別個に設
けられているので、両者４２，４０が一体的に取り付け
られている場合と比べて構造が簡単となって、メンテナ
ンスが容易となり、また、プレス用シリンダ４０は移動
しないので、配管も固定して行え、これにより、ストリ
ッパ用シリンダ４２とプレス用シリンダ４０との配管の
レイアウトも容易となった。

【００４９】押え板４１にはガイドポスト３５が立設
され、このガイドポスト３５は、プレス用シリンダ４０
の本体に取り付けられた筒状部材３６内をスライド自在
となっているので、シリンダ４０のロッド４０Ａが上下
動する際、ガイドポスト３５で補助され、これにより、
ロッド４０Ａの上下動が安定し、かつ、穴明け装置４６
等が安定した姿勢で上下動できる。

【００５０】穴明け装置４６における穴明けパンチ４
４の先端４４Ａは、注射針状の片切り形状となってお
り、穴明けパンチ４４をベール１０１に射し込んだと
き、垂直部では押し広げ力がなく、片切り側だけに押し
広げ力が発生するため、例えば、全周方向に押し広げ力
が働く円錐形状の先端のパンチに比べて切れ味がよく、
これにより、穴明け作業が容易となるとともに、きれい
な穴加工ができるので、再処理時の洗浄作業が容易とな
る。

【００５１】穴明け装置４６のメンテナンスを行う場
合には、穴明け装置４６と圧縮手段６等が後方に移動し
てプレス室３の外部にそっくり出るため、押さえ板４１
およびストリッパ４３等をプレス室３に邪魔されずに取
り外すことができ、メンテナンスが容易となる。

【００５２】なお、本発明は前述の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲であ
れば次に示すような変形の形態を含むものである。例え
ば、前記実施形態では、穴明け装置４６の穴明けパンチ
４４は、押さえ板４１に縦横等間隔で取り付けられてい
るが、これに限らず、例えば千鳥掛け状に配置してもよ
い。この場合、穴明きストリッパ４３に明けられるパン
チ用穴４３Ａ、および底板となる板部材２０に明けられ
る貫通穴２０Ａは、千鳥掛け状に対応するようにすれば
よい。

【００５３】

【発明の効果】以上で説明したように、本発明の中空容
器用穴明け装置によれば、複数の穴明けパンチで中空容
器に穴明けをした後、プレス室の側面に設けた第２の駆
動手段により、穴明きストリッパと穴明けパンチとを相
対移動させ、穴明きストリッパで中空容器を押さえれ
ば、穴明けパンチを中空容器から容易に引き抜くことが
できるとともに、次の作業にも容易に着手でき、作業が
スムーズに行えるようになる。また、圧縮手段を駆動さ
せる第１駆動手段と、穴明きストリッパを駆動させる第
２駆動手段とが、異なる位置に設けられているので、構
造が簡単化されるとともに、配管のレイアウトも容易と
なり、メンテナンスも容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る中空容器プレス装置
を示す全体側面図である。

【図２】本実施形態の中空容器プレス装置を示す全体正
面図である。

【図３】本実施形態の加工工程の途中図であり、ホッパ
ー内部にＰＥＴボトルが投入された状態を示す一部断面
の全体図である。

【図４】本実施形態の加工工程の途中図であり、ホッパ
ー内部からプレス室内にＰＥＴボトルが落下している状
態を示す一部断面の全体図である。

【図５】本実施形態の加工工程の途中図であり、ホッパ
ー内部にＰＥＴボトルが収容され、圧縮加工にかかる前
の状態を示す一部断面の全体図である。

【図６】本実施形態の加工工程の途中図であり、ホッパ
ー内部で圧縮加工済みのＰＥＴボトルを外部に送り出す
状態を示す一部断面の全体図である。

【図７】本実施形態の要部を示す断面図である。

【図８】本実施形態の穴明けパンチの先端を示す図であ
る。

【図９】図７における平面図である。

【図１０】本実施形態の穴明け装置と作動手段との関連
を示す概略図である。

【図１１】本実施形態の穴明け装置と作動手段との関連
を示す概略図である。

【図１２】本実施形態の穴明け装置と作動手段との関連
を示す概略図である。

【図１３】本実施形態の穴明け装置と作動手段との関連
を示す概略図である。

【符号の説明】

１中空容器プレス装置３プレス室４ホッパー６圧縮手段７投入口開閉シリンダ８自動結束機３３ホッパー開口用蓋４０第１の駆動手段としてのプレス用シリンダ４２第２の駆動手段としてのストリッパ用シリンダ４３穴明きストリッパ４４穴明けパンチ４４Ａ片切り状のパンチ先端部４６穴明け装置５４排出ガイド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者小野保一東京都大田区東馬込１−30−４株式会社長野計器製作所内 (72)発明者大塚浩文東京都大田区東馬込１−30−４株式会社長野計器製作所内 (56)参考文献特開平９−24493（ＪＰ，Ａ) 特開平９−24494（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B30B 9/32 B09B 3/00 B30B 9/30

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】プレス室内に投入された中空容器を、第
１の駆動手段を有する圧縮手段で圧縮し、かつ、穴明け
する中空容器用穴明け装置において、前記圧縮手段の先
端に設けられ、この圧縮手段によって圧縮した前記中空
容器に穴明けをする複数の穴明けパンチと、前記圧縮手
段の先端に設けられ、前記穴明けパンチを通過可能とす
る貫通穴を有する穴明きストリッパと、前記プレス室の
側面に設けられ、前記穴明きストリッパと係合し、か
つ、前記穴明けパンチの上方向への移動により前記穴明
きストリッパを前記穴明けパンチに対して相対スライド
させる第２の駆動手段とを有することを特徴とする中空
容器用穴明け装置。
【請求項２】請求項１に記載の中空容器用穴明け装置
において、前記穴明けパンチは、その先端が片側にのみ
斜めに切断された片切り状となっていることを特徴とす
る中空容器用穴明け装置。