JP2763277B2 - Dna分子索引法 - Google Patents

Dna分子索引法

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JP2763277B2 JP7184006A JP18400695A JP2763277B2 JP 2763277 B2 JP2763277 B2 JP 2763277B2 JP 7184006 A JP7184006 A JP 7184006A JP 18400695 A JP18400695 A JP 18400695A JP 2763277 B2 JP2763277 B2 JP 2763277B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、癌その他の疾病の
診断、医薬品となる可能性がある生理活性物質の遺伝
子、遺伝病の原因遺伝子の探索・単離、農作物の改良に
役立つ遺伝子の単離等に適用できるDNA分子索引法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、二種類の組織の遺伝子発現の
差をみるのに、任意の短いプライマーで、発現している
遺伝子集団の一部(約50-200個)をPCR(= Polymera
se Chain Reaction)法で増幅し、ポリアクリルアミド電
気泳動で分離することが記載される [P. Liang & A. B.
Pardee, Differential display of eukaryotic messen
ger RNA by means of the polymerase chain reactio
n., Science 257 : 967-971 (1992)] 。しかしながら、
このようなPCR法によるDifferential displayでは、
原理的に全遺伝子集団の中で一部分しか増幅されず、ま
た同一の遺伝子から複数のバンドが出る。その上アーチ
ファクトが多く、技術的に未完成である。そのため、か
け離れていない二つの組織や細胞の遺伝子発現の差しか
みられず、個々の遺伝子の発現を記録することはできな
いという問題がある。
【0003】さらに、組織や細胞における特定の遺伝子
の発現量を、mRNAをノーザンブロットハイブリダイ
ゼーション法によって測定することにより、組織や細胞
中の変異を解析することできるが、本方法においても目
的とする遺伝子がクローン化されていないもの、塩基配
列が不明のものには使用できず、また大量の遺伝子の検
査には不向きであった。例えばある細胞で発現している
遺伝子は、約10,000種類と考えられているので、ノーザ
ンブロットハイブリダイゼーション法を1週間に100 個
の遺伝子に対して行うとしても、約2年かかることにな
り、実用に供するものではない。
【0004】一方、Class IIS に属する制限酵素(以
下、Class IIS 制限酵素) は、認識部位とは離れた部位
を切断する機能を有する制限酵素であり、切断断片は一
定の配列ではない数個の塩基の付着末端を有することを
特徴としている。Class IIS 制限酵素には、これまでFo
k I, Bsm FI, Bsm AI, Bbv I, Sfa NI, Hga I 等の30種
類以上が知られている。Brenner らは、高等動物の染色
体の制限酵素地図をつくる際、認識部位と切断部位が一
致する通常の制限酵素に加えてClass IIS 制限酵素でで
きる4塩基の配列を利用してより複雑なゲノムの地図を
つくる方法を紹介している〔S. Brenner & K. J. Liva
k, DNA fingerprinting by sampled sequencing., Pro
c. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 86 : 8902-6 (198
9)] 。また、Class IIS 制限酵素でできる4塩基付着末
端に相補的なアダプターを使ってファージまたはコスミ
ド由来の一部分の制限酵素断片を増幅する方法がある
[D. R. Smith, Ligation-mediated PCR of restriction
fragments from large DNA molecules., PCR Methods
Appl. 2: 21-27 (1992) 、Unrau, P. and Deugau, K.
V. (1994) Gene, 145, 163-169] 。しかしながら、これ
らはいずれもClass IIS の制限酵素を、その切断により
できる4塩基末端を利用してゲノムの構造解析の手段と
して使用しているものの、本願発明のように、特定の組
織や細胞の遺伝子発現の記録を目的としているのではな
い。
【0005】本発明者は、Class IIS 制限酵素を利用し
て、RNAを短期間にかつ重複なくサブ集団に分類(索
引)する方法を提案している(特願平7-069695号) 。か
かる方法によれば、DNAのサブ集団数が少なくてすむ
ので、Class IIS 制限酵素の切断部位を持つ遺伝子(全
体の97% と推定される)の組織における発現状況を短期
間に調べることが可能であり、また、一つの遺伝子から
増幅される遺伝子の断片が、原理的には一つだけである
ため、遺伝子を重複なくサブ集団に分類(索引)するこ
とができる。しかしながら、本方法では、PCR増幅に
用いるプライマーとして、分析対象の3’末端ポリAに
対するオリゴ(dT)プライマーを使用するために、分
析対象がRNAに限られ、クローン化されたDNAやゲ
ノムDNAには応用できないという欠点があった。ま
た、PCR増幅部位が非コード領域であり、蛋白質の一
次構造を知るためには、新たに上流領域をクローニング
する必要があった。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、組
織や細胞における遺伝子の発現状況あるいは変異による
欠損を大量の遺伝子について短期間にしかも簡便に分析
できる方法、さらには蛋白質コード領域の迅速な単離、
クローン化されたDNAやゲノムDNAの制限酵素切断
断片の増幅にも応用できる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を達成するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、 Class II制限酵
素とClass IIS 制限酵素を利用して、短期間にサブ集団
に分類(索引)できることを見出し、本発明を完成し
た。すなわち、本発明は、(1) 組織または細胞由来
の、RNAから逆転写したcDNAまたはDNAをClas
s II制限酵素にて切断し、(2) 切断断片の付着末端に
対応する配列を含むアダプターを上記cDNAまたはD
NAにライゲートし、(3) 上記cDNAまたはDNA
をClass IIS 制限酵素にてさらに切断し、
【0008】(4) 切断断片の付着末端に対応する配列
を含むビオチニル化アダプターを上記cDNAまたはD
NAにライゲートし、(5) ストレプトアビジン被覆常
磁気ビーズでライゲートサンプルを回収後、ライゲート
サンプルよりビオチニル化アダプターに相補なオリゴヌ
クレオチドを除去し、(6) アダプタープライマーを用
いて上記cDNAまたはDNAをPCR法にて増幅し、
(7) 増幅産物を変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動
によって分離し、断片のサイズを記録することを含むD
NA分子索引法である。
【0009】本発明の方法、ならびに作用、効果を図1
に基づき説明する。 (1) まず、細胞または組織のDNAを Class II 制限酵
素(ここではEcoRI)を用いて切断する。 (2) 5’(または3’)突出付着末端になるヌクレオチ
ド塩基が、上記(1) の切断断片の付着末端と相補的であ
るオリゴヌクレオチドと、該オリゴヌクレオチドと相補
的でかつ付着末端の塩基数だけ短いオリゴヌクレオチド
からなるアダプター(当該アダプターは、付着末端を形
成する側の5’端がリン酸化されていなければならな
い)をT4DNAリガーゼを用いて上記のDNAにライ
ゲートする。
【0010】(3) 次に、DNAをClass IIS 制限酵素
(ここではBsm AI) にてさらに切断する。 (4) 5’付着末端になる4つのヌクレオチドの最外側の
塩基が、A,C,G,およびTの混合物で、その内側3
塩基がすべての可能な配列(64種類) であるオリゴヌク
レオチドと、該オリゴヌクレオチドと相補的でかつ4塩
基短く、5’末端がビオチニル化されたオリゴヌクレオ
チドからなる相補的であるオリゴヌクレオチドと、該オ
リゴヌクレオチドと相補的でかつ付着末端の塩基数だけ
短い、5’末端がビオチニル化されたオリゴヌクレオチ
ドからなるアダプター(当該アダプターは、付着末端を
形成する側の5’端がリン酸化されていてはならない)
をE.coli DNAリガーゼを用いて上記のDNAにライゲー
トする。ここで切断断片が64個のサブ集団に分類され
る。
【0011】(5) 続いてライゲーションサンプルをスト
レプトアビジンでコートした常磁性ビーズで回収し、D
NAを希アルカリ溶液で処理する。本操作により、PC
R反応に対するインヒビターとなるアダプタープライマ
ーに相補的なオリゴヌクレオチドが除去される。 (6) PCR増幅を、アダプタープライマーを用いて行
う。アダプタープライマーとは、上記アダプター、なら
びにビオチニル化アダプターを構成するオリゴヌクレオ
チドの中で、3’末端がcDNAまたはDNAを結合す
るものと共通の配列を持つ2種のオリゴヌクレオチド
(それぞれ便宜上アダプタープライマー1、2と称す
る)を用いて行う。 (7) 増幅産物を変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動に
よって分離し、断片のサイズをシーケンサーで自動的に
記録する。
【0012】以上の操作において、Class II制限酵素、
Class IIS 制限酵素、64種のアダプターを用いることに
より、使用したClass II制限酵素とClass IIS 制限酵素
とでできたDNA断片を分離表示できる。本発明の分析
対象としてRNAから逆転写したcDNAを用いる場
合、例えばRNAを骨髄、末梢血、リンパ球等の造血組
織等の体組織または体液中の細胞からグアニジンチオシ
アネート法、フェノール−クロロホルム抽出法等の常套
的な方法により単離精製し、逆転写酵素およびデオキシ
リボヌクレオシドトリホスフェート類と共にインキュベ
ートすることによってcDNAに転換し、これを試料と
する。
【0013】また、本発明の分析対象としてDNAを用
いることもできる。例えばDNAを骨髄、末梢血、リン
パ球等の造血組織等の体組織または体液中の細胞の懸濁
液をポリトロン等で粉砕後、proteinase Kを加えてイン
キュベートし、タンパク質を分解する。次にフェノール
抽出を行い、水層に2倍量のエタノールを加えて沈殿さ
せ、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)を含まないリボ
ヌクレアーゼ(RNase)で処理することによってRNAを
除去し、これを試料として用いる。
【0014】本発明に用いるClass II制限酵素として
は、特定の塩基配列を認識し、その部位を特異的に切断
して付着末端を生成するものあれば、特に限定されない
が、具体的にはEcoRI 、BamHI 、HindIII 、BclII 、Bg
lII 、SalI、XhoI、AccI、AvaI、Sau3A 、TaqI、NotI
(以上5'突出付着末端を生成するもの) 、PstI、SacI、K
pnI、EcoRV 、HaeII (以上3'突出付着末端を生成する
もの) 等が挙げられる。
【0015】特に、ゲノムDNAの解析にはNotI等の8
塩基認識の制限酵素が好適に使用される。本発明に用い
るClass IIS 制限酵素としては、4塩基の5’突出付着
末端を生成するものあれば、特に限定されないが、具体
的には市販のFok I 〔宝酒造製〕, Bsm AI, Bsm FI, Sf
aNI, BbvI 〔バイオラボ製〕が挙げられる。
【0016】また、Class IIS 制限酵素は、2つまたは
3つを組み合わせて用い、サブ集団の数を増やすことも
できる。本発明において、Class II制限酵素の切断断片
の付着末端に対応する配列を含むアダプターとは、5’
(または3’)突出付着末端になるヌクレオチド塩基配
列が、上記の切断断片の付着末端と相補的である20〜30
個のオリゴヌクレオチドと、該オリゴヌクレオチドと相
補的でかつ付着末端の塩基数だけ短いものをいう。
【0017】当該アダプターは、突出付着末端を形成す
る側の5’端を、ストレプトアビジン被覆ビーズで回収
される方のDNA鎖にアダプターのオリゴヌクレオチド
を結合させるためにリン酸化を行う。本発明において
Class IIS 制限酵素の切断断片の付着末端に対応する配
列を含むビオチニル化アダプターとは、5’付着末端に
なる4つのヌクレオチドの最外側の塩基が、A,C,
G,およびTの混合物で、その内側3塩基がすべての可
能な配列(64種類) である24〜27個のオリゴヌクレオチ
ドと、該オリゴヌクレオチドと相補的でかつ4塩基短
く、5’末端がビオチニル化されたオリゴヌクレオチド
からなるものをいう。
【0018】当該アダプターは、結合部位に隣接したc
DNAまたはDNAの3塩基を大腸菌DNAリガーゼに
識別させるために、突出付着末端を形成する側の5’端
のリン酸化は行わない。本発明においてPCRに用いる
2つのプライマーの一つは、上記のアダプターを構成す
るオリゴヌクレオチドの中で、3’末端がcDNAまた
はDNAと結合するものと共通の配列を持つオリゴヌク
レオチドである(=アダプタープライマー1)。
【0019】本発明においてPCRに用いるもう一つの
プライマーは、上記のビオチニル化アダプターを構成す
るオリゴヌクレオチドの中で、3’末端がcDNAまた
はDNAと結合するものと共通の配列を持つオリゴヌク
レオチドである(=アダプタープライマー2)。該アダ
プタープライマーを標識するマーカーとしては、常法の
分析において使用するものが用いられ、例えば蛍光色
素、放射性物質、酵素等を挙げることができる。
【0020】これらは市販の核酸合成機を用いて合成す
ることができる。本発明のDNA分子索引法を用いて診
断できる可能性のある対象としては、例えば脳腫瘍、胃
癌、肝臓癌、大腸癌、乳癌、子宮癌、皮膚癌、前立腺
癌、悪性黒色腫等の悪性腫瘍疾患、ヘルペス群感染症、
慢性肝炎、サイトメガロウイルス感染症、後天性免疫不
全症候群(AIDS)等のウイルス感染症、糖尿病、高
血圧症等多因子遺伝疾患等が挙げられる。
【0021】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。これらの実施例は説明のためのものであり、本
発明の範囲を限定するものではない。 〔実施例1〕 cDNAの調製 (1) 超遠心によるRNAの精製 ドライアイスまたは液体窒素中で凍結乾燥させたマウス
の肝臓をホモジナイザーを用いて粉砕した。室温にて粉
砕物に5倍量のGuCNS 溶液を加え、ボルテックスを用い
て攪拌し、10mlポリアロマーチューブに5.7M CsCl/0.1M
EDTA 溶液 3.5mlを加え、その上にサンプル6mlを重層
した。ベックマンL70 を用い、15℃、32000rpmにて一晩
遠心した。
【0022】(2) 超遠心後のRNAの回収 ローターからチューブを取り出し、すべての上清を捨
て、チューブ管壁をぬぐい乾かした後、TE緩衝液300 μ
l に沈殿を溶解した。 (3) エタノール沈殿 水層に1/10量の3M 酢酸カリウム(pH5.0) を加え、静か
に混合して氷中に置き、2.5 倍量の氷冷100%エタノール
を加え、静かに混合した。−80℃にて数時間放置し、4
℃にて5分間遠心してRNAを沈殿させ、エタノールを
捨てた。RNAの沈殿を氷冷70% エタノールにて洗浄
し、再度遠心して沈殿させ、エタノールを除去後、沈殿
RNAを乾燥させた。このとき、組織細胞1gあたり約
100μl の滅菌蒸留水に沈殿を溶解し、RNA溶液とし
た(RNA濃度=約 5μg/μl)。
【0023】(4) cDNA templeteの調製 (4-1) 一本鎖cDNAの調製 まず、RNAとオリゴ(dT)プライマーのみで、70℃で2
〜3分加熱、その後他の試薬を加えて37℃で1時間保温
し、cDNAを合成した。 *反応液の組成 5 ×逆転写酵素緩衝液 (ギブコ-BRL製) 4μl 2mM dNTP(ファルマシア製) 4μl 0.1M DTT 2μl 10 pmol/μl 5'-amino (dT)18 1μl 全 RNA (3 μg)及び蒸留水 7.5μl RNase インヒビター*1) (40 u/μl)(東洋紡製) 0.5μl 200 u/μl M-MLV 逆転写酵素酵素 *2) (ギブコ-BRL製) 1μl *1) ヒト胎盤由来 *2) Molony Murine Leukemia Virus (モロニーマウス白血球ウイルス)
【0024】(4-2) 二本鎖cDNA合成 下記の反応液を、そのまま一本鎖cDNA反応液に加え、16
℃で2時間保ち、二本鎖cDNAとした。反応終了後0.25M
EDTA (pH 7.5) 3μl 、5 M NaCl 2μl を加えた後、フ
ェノール抽出、エタノール沈殿を行い、蒸留水 240μl
に溶かした。 *反応液の組成 10 mM MgCl2 70μl 1 M Tris-Cl (pH 7.5) 10μl 1 M (NH4)2SO4 1.5μl RNase H (東洋紡製) (1 u/μl) 1.5μl E. coli DNA ポリメラーゼI (東洋紡製) (10 u/μl) 4.5μl
【0025】〔実施例2〕 DNA分子索引法による分
析 (1) Class II 制限酵素による切断 cDNAを下記の反応液で所定の条件下保温することに
より、制限酵素による切断を行った。 *反応液の組成(EcoRI) 10×high salt buffer (酵素に添付されているもの) 5μl cDNAサンプル 45μl EcoRI (東洋紡績または宝酒造製) 5units 37℃で1時間保温 反応終了後、フェノール抽出、エタノール沈殿を行い、
全量を次の反応に用いた。
【0026】(2) アダプターの付加 (1)で処理したcDNAに下記の配列からなるアダプタ
ー:
【0027】
【化1】5'-P- AATTCTTAACCAGGCTGAACTTGCTC-3' 5'-OH-GAGCAAGTTCAGCCTGGTTAAG-3'
【0028】を、下記の反応液中で16℃で16時間以上保
温することにより、結合させた。 *反応液の組成 10×ligation buffer (東洋紡に準拠) 2μl 2.5pmol/μl EcoRI アダプター 2μl T4 DNAリガーゼ 150 units 全量 20μl 反応終了後、フェノール抽出、エタノール沈殿を行い、
全量を次の反応に用いた。
【0029】(3) Class IIS制限酵素による切断 (2) で処理したcDNAを下記の反応液で所定の条件下
保温することにより、制限酵素による切断を行った。 *反応液の組成(Bsm AI) 10× buffer for Bsm AI(NEB) 10 μl 0.1 % BSA 10 μl cDNAサンプル 80 μl Bsm AI (バイオラボ社製) (5u/μl) 0.5 μl 65℃で50分ないし1時間保温 反応終了後、フェノール抽出、エタノール沈殿を行い、
精製水30mlに溶解した。
【0030】(4) ビオチニル化アダプターーの付加 (3)で処理したcDNAに下記の配列からなるアダプタ
ー:
【0031】
【化2】 C1T アダプター: 5'-B-GTACATATTGTCGTTAGAACGCT-3' 5'-OH-NXYZAGCGTTCTAACGACAATATGTAC-3' C1G アダプター: 5'-B-GTACATATTGTCGTTAGAACGCG-3' 5'-OH-NXYZCGCGTTCTAACGACAATATGTAC-3' 〔式中、B はビオチン、N は4種の塩基のミックス、XY
Z はとり得る64通りの配列のいずれかをそれぞれ表す。
Y 及びZ がA またはT であとき、C1G 配列を用い、他の
場合はC1T を用いた。〕を、下記の反応液中で16℃で一
晩保温することにより、結合させた。
【0032】* 反応液の組成 10×E. coli DNA リガーゼバッファー 1μl 100 mM (NH4)2SO4 1μl 1 pmol/μl アダプター溶液 1 μl Class IIS 切断cDNA 1μl E. coli DNA リガーゼ 3 units 蒸留水で 10μl に調製する。(XYZの配列に、GとCを含
まない場合、 5 pmol/μl アダプター溶液、6 unitsE.
coli DNA リガーゼを使用)
【0033】(5) PCR による増幅 (5-1) 常磁性ビーズによるアダプター分子の回収 使用直前にストレプトアビジン被覆常磁性ビーズを、PB
S 0.1% BSA で2回、1×B&W buffer (10 mM Tris-Cl p
H 7.5, 1 M NaCl, 1 mM EDTA) で1回洗浄し、等量の 1
×B&W bufferに懸濁した。
【0034】サンプルに、5 M NaCl 15 μl, 常磁性ビ
ーズ5 μl を添加し、15分間静置した後、1 ×B&W buff
erで一回洗浄した。次に、0.1 M NaOH 10 μl を加え、
5 分間静置した後、0.1 M NaOH 50 μl で1回、1 ×B&
W bufferで1回、さらに蒸留水で2回洗浄した。
【0035】(5-2) PCR反応 下記の組成からなる反応液をエッペンドルフチューブに
入れ、96℃で1分温め、反応が迅速に開始するようにし
た。次に、94℃にて30秒、 50 ℃にて1分、72℃1分の
熱サイクルを25 - 35 回繰り返し、72℃にて20分間の伸
長工程後、反応液を室温まで冷却した。
【0036】 *反応液の組成(1サンプルあたり) 酵素反応液 10× PCR buffer for Stoffel fragment 1μl 2 mM dNTP 1μl 25 mM MgCl2 1.2μl 蒸留水 4.3μl 10 u/ μl Stoffel fragment *1) 0.05μl *1) AmpliTaq DNA ポリメラーゼfragmentの一部 (パーキンエルマー製) プライマー反応液 10 pmol/μl fluorescent-C1S プライマー 0.5μl 10 pmol/μl ラムダ gt10 フォワードプライマー 0.5μl プライマーは、下記の配列:
【0037】
【化3】 5'-OH-GTACATATTGTCGTTAGAACGC-3'(C1プライマー) 5'-OH-GAGCAAGTTCAGCCTGGTTAAG-3'(ラムダ gt10 フォワ
ードプライマー) を有する2種のプライマーを組み合わせて用いる。
【0038】(5-3) 電気泳動用サンプルの調製 反応物より3 μl とり、下記の組成から成るT4 DPase s
olution 5 μl を加え、37℃40分反応させた。 * T4 DPase solution の組成(1サンプルあたり) 10 ×M buffer 0.5μl 2 mM dNTP 0.5μl 蒸留水 4μl T4 DNA ポリメラーゼ (東洋紡製) 1 unit
【0039】反応液をエタノール沈殿した後、試料(沈
殿物)に3.5 μl の緩衝液(80% ホルムアルデヒド10mM
EDTA 6mg/mlブルーデキストラン) を加え、4 分間 95
℃で加熱し、試料溝にすばやく加え、ABI 373A (パーキ
ンエルマー製) を用いて電気泳動を行った(30W 定電力
で 13 時間)。図2に得られた電気泳動パターンの一例
を示す。
【0040】
【発明の効果】本発明の方法によれば、DNAのサブ集
団数が少なくてすむので、Class II制限酵素の切断部位
を持つ遺伝子の組織における発現状況を一人1〜2週間
の実験で調べることが可能である。本発明の方法を用い
て、検体の細胞や組織に発現している遺伝子の分析パタ
ーンを正常な遺伝子の分析パターンと比較することによ
り、腫瘍などの変異を容易に正確かつ迅速に診断するこ
とができる。また、医薬品となる可能性がある生理活性
物質の遺伝子、遺伝病の原因遺伝子の探索ならびに単
離、農作物の改良に役立つ遺伝子の単離等にも応用でき
る。また、本発明の方法によれば、cDNAのみなら
ず、コスミドDNAやゲノムDNAの制限酵素断片の増
幅も可能であり、これらのマッピングに応用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の原理説明図を示す。
【図2】本発明方法により得られたマウス肝臓RNAか
らの増幅産物のポリアクリルアミド電気泳動パターンの
一例を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程: (1) 組織または細胞由来の、RNAから逆転写したc
    DNAまたはDNAをClass II制限酵素にて切断し、
    (2) 切断断片の付着末端に対応する配列を含むアダプ
    ターを上記cDNAまたはDNAにライゲートし、(3)
    上記cDNAまたはDNAをClass IIS 制限酵素にて
    さらに切断し、(4) 切断断片の付着末端に対応する配
    列を含むビオチニル化アダプターを上記cDNAまたは
    DNAにライゲートし、(5) ストレプトアビジン被覆
    常磁気ビーズでライゲートサンプルを回収後、ライゲー
    トサンプルよりビオチニル化アダプターに相補なオリゴ
    ヌクレオチドを除去し、(6) アダプタープライマーを
    用いて上記cDNAまたはDNAをPCR法にて増幅
    し、(7) 増幅産物を変性ポリアクリルアミドゲル電気
    泳動によって分離し、断片のサイズを記録することを含
    むDNA分子索引法。
  2. 【請求項2】 Class IIS 制限酵素が、Fok I, Bsm AI,
    Bsm FI, Sfa NI, Bbv Iのいずれかである請求項1記載
    の方法。
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