JP2762787B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JP2762787B2 JP21780391A JP21780391A JP2762787B2 JP 2762787 B2 JP2762787 B2 JP 2762787B2 JP 21780391 A JP21780391 A JP 21780391A JP 21780391 A JP21780391 A JP 21780391A JP 2762787 B2 JP2762787 B2 JP 2762787B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機の変
速制御装置に関し、特に、吸入空気量および車速に基づ
く変速線から成る変速線図に基づいて変速点を決定し、
実際の車速が該変速点を通過したことを以てギヤ段を切
り換える形式の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の吸入空気量Qを機関回転速度
Nで除算した値Q/Nはその機関の出力トルクによく対
応していることから、この単位回転速度当たりの吸入空
気量Q/Nを表す軸を従来のスロットル弁開度TAを表
す軸に替えた変速線図を用いて、車両用自動変速機の変
速制御をする技術が提案されている。たとえば、特開昭
60−34563号公報に記載された自動変速制御装置
がそれである。このような装置によれば、可変バルブタ
イミング機構、スワールコントロール弁機構、アイドル
アップ機構などが設けられる内燃機関においては、スロ
ットル弁開度TAよりも機関の出力トルクに応じたパラ
メータであるQ/Nが用いられるので、短期間にシフト
が繰り返されるビジーシフトや変速の際のトルクショッ
クの発生が好適に解消される特長がある。また、上記の
ようにQ/N軸および車速軸に基づく変速線から成る変
速線図のみで車両用自動変速機のギヤ段を決定しようと
する装置では、スロットル弁開度が50%〜60%程度
となると吸入吸気量Qが飽和して内燃機関の出力トルク
が90%程度となることから、それ以上アクセルペダル
を踏み込んで加速を要求しても内燃機関の出力トルクが
要求通り増加しないため、加速走行に頭打ち感が発生し
て、走行が運転者の意図に沿わないものとなる。
【0003】これに対し、そのような不都合を防止する
ため、たとえばスロットル弁開度が所定の判断基準値以
下では前記Q/N軸および車速軸に基づく変速線から成
る変速線図を自動変速機の変速制御のために用いるが、
スロットル弁開度が所定の判断基準値を超えると、従来
と同様のスロットル弁開度軸および車速軸に基づく変速
線から成る変速線図を変速制御のために用いるようにし
た変速制御装置が提案されている。たとえば、本出願人
が先に出願した特願平3−133050号の明細書に記
載されたものがそれである。
【0004】
【発明が解決すべき課題】ところで、上記のように、単
位回転当たりの吸入空気量および車速に基づく変速線か
ら成る第1変速線図に基づいて変速点を決定し、実際の
車速がその変速点を通過したことを以てギヤ段を切り換
える形式の車両用自動変速機の変速制御装置において
は、ターボチャージャや、前記可変バルブタイミング機
構、スワールコントロール弁機構など装置が内燃機関に
設けられた場合に、アクセルペダルの踏み込みやスロッ
トル弁開度の増加と連動しない機関出力トルクの変化、
すなわち単位回転当たりの吸入空気量の変化が発生する
ため、車両の加速要求操作をしていない状態でも運転者
の意に反して自動変速機のシフトダウンが発生する不都
合があった。たとえば、ターボチャージャを備えた車両
においては、アクセルペダルの踏み込みによる加速操作
からかなりの時間が経過してから、ターボチャージャの
作用によって単位回転当たりの吸入空気量および機関出
力トルクが急速に増大するが、そのときにはアクセルペ
ダルの踏み込み量はたとえば一定に保持されて加速要求
をしない状態となっており、上記単位回転当たりの吸入
空気量の増大によって、車両が減速していないのに拘わ
らず意に反したシフトダウンが発生してしまうのであ
る。本発明は以上の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは、運転者の加速要求がなく
しかも車両の減速走行でもないのに機関出力トルクが増
加する場合には自動変速機のシフトダウンを禁止する車
両用自動変速機の変速制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、図1のクレーム対応
図に示すように、単位回転当たりの吸入空気量および車
速に基づく変速線から成る変速線図に基づいて変速点を
決定し、実際の車速がその変速点を通過したことを以て
ギヤ段を切り換える形式の車両用自動変速機の変速制御
装置であって、(a) 運転者の定速走行要求状態或いは減
速走行要求状態であることを判定する定速減速走行要求
状態判定手段と、(b)車両の実際の走行が定速走行或い
は加速走行であることを判定する定速加速走行判定手段
と、(c) 前記単位回転当たりの吸入空気量が増加中であ
ることを判定する単位回転当たりの吸入空気量増加状態
判定手段と、(d) 運転者の定速走行要求状態或いは減速
走行要求状態であり、車両の実際の走行が定速走行或い
は加速走行であり、しかも前記単位回転当たりの吸入空
気量が増加中である場合には、前記自動変速機のシフト
ダウンを禁止する変速制御手段とを、含むことにある。
【0006】
【作用】このようにすれば、運転者の定速走行要求状態
或いは減速走行要求状態であり、車両の実際の走行が定
速走行或いは加速走行であり、しかも単位回転当たりの
吸入空気量が増加中であると判定された場合には、変速
制御手段によって前記自動変速機のシフトダウンが禁止
される。
【0007】
【発明の効果】ここで、上記運転者の定速走行要求状態
或いは減速走行要求状態とは、運転者の加速要求のない
状態であり、上記単位回転当たりの吸入空気量が増加中
とは、機関出力トルクが増加中であることを意味するも
のであるから、運転者の加速要求がなくしかも車両の減
速走行でもないのに機関出力トルクが増加する場合には
上記変速制御手段によって自動変速機のシフトダウンが
禁止される。このため、ターボチャージャや、前記可変
バルブタイミング機構、スワールコントロール弁機構な
どの装置が内燃機関に設けられた場合に、アクセルペダ
ルの踏み込みやスロットル弁開度の増加と連動しない機
関出力トルク、すなわち単位回転当たりの吸入空気量の
変化に起因して車両の加速要求状態でもないのに運転者
の意に反した自動変速機のシフトダウンが発生すること
が好適に解消される。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図2は、ターボチャージャー付6気筒火
花点火式内燃機関10および自動変速機12を備えた車
両の機械的構成および電気的構成の要部を示すブロック
線図である。自動変速機12は、たとえば特開昭60−
34577号公報に記載されているように、複数の油圧
式摩擦係合装置の作動の組み合わせによって複数の前進
ギヤ段および後進ギヤ段のうちの1つが成立させられる
遊星歯車式の有段変速機であり、上記油圧式摩擦係合装
置の作動を制御する電磁弁によりギヤ段が切り換えられ
るようになっている。
【0009】図2において、内燃機関10は、ピストン
14が嵌合されシリンダブロック16およびシリンダヘ
ッド18により囲まれ、且つ吸気弁20および排気弁2
2によって開閉される燃焼室24を備え、その燃焼室2
4内の混合気が点火プラグ26によって点火されるよう
になっている。
【0010】上記内燃機関10の吸気路には、エヤクリ
ーナ28、エヤフローメータ30、ターボチャージャ3
2、スロットル弁34、サージタンク36、燃料噴射弁
38を有するインテークマニホルド40が順次設けられ
ている。これにより、エヤクリーナ28から吸入された
空気は、ターボチャージャ32のコンプレッサホイール
42の回転によって圧縮されるとともに、燃料噴射弁3
8から噴射された燃料と混合されてから前記燃焼室24
内へ供給されるようになっている。また、上記内燃機関
10の排気路には、エキゾーストマニホルド44、ター
ボチャージャ32、排気ウエイスト装置46、および触
媒コンバータ48が順次設けられている。これにより、
燃焼室24から排出される排気流は、前記ターボチャー
ジャ32のタービンホイール50を回転駆動するととも
に、触媒コンバータ48によって浄化される。
【0011】なお、上記排気ウエイスト装置46は、過
給圧が過大とならないように制御する装置であって、タ
ーボチャージャ32のタービンホイール50と並列に設
けられたバイパス通路を開閉するウエイスト弁52と、
通路54を通して導かれた吸気圧(過給圧)に基づいて
ウエイスト弁52を駆動するアクチュエータ56とを備
え、過給圧が設定値を超えるまではウエイスト弁52を
閉弁状態に保持するが、設定値を超えた範囲では過給圧
が大きくなるほどウエイスト弁52を開くことにより過
給圧の上昇を抑制する。また、前記スロットル弁34
は、ケーブルなどのよく知られた連結手段を介してアク
セルペダル58と作動的に連結されている。
【0012】上記内燃機関10およびその周辺には種々
のセンサが配設されており、それらのセンサによって検
出された信号がエンジン用電子制御装置60に供給され
るようになっている。すなわち、内燃機関10の排気路
に設けられた酸素センサ62からは酸素濃度を表す信号
が、エヤーフローメータ30に設けられた吸入空気量セ
ンサ64からは吸入空気量Qを表す信号が、内燃機関1
0の吸気路に設けられた気温センサ66からは吸入空気
の温度Taを表す信号が、ディストリビュータ68に設
けられたエンジン回転センサ70からはエンジン回転速
度NEを表す信号が、スロットル弁34に設けられたア
イドルスイッチ72からはスロットル弁34がアイドル
位置にあることを示すアイドルスイッチON信号が、ス
ロットル弁34に設けられたスロットルセンサ74から
はスロットル弁34の開度TAを表す信号が、シリンダ
ブロック16に設けられた水温センサ76からはエンジ
ン冷却水温を表す信号がTw それぞれ供給される。
【0013】エンジン用電子制御装置60は、CPU7
8、ROM80、RAM82を含み、入力インターフェ
ース回路84或いはA/D変換器86を介して入力され
た入力信号を、予めROM80に記憶されたプログラム
に従って処理し、点火時期を指令する信号および燃料噴
射時期および噴射量を指令する信号を出力インターフェ
ース回路88を介してイグナイタ89および燃料噴射弁
38へ出力する。上記エンジン用電子制御装置60で
は、吸入空気量Qおよびエンジン回転速度NEから単位
回転当たりの吸入空気量Q/Nが算出される一方、理論
空燃比が得られるようにその値Q/Nに基づいて燃料噴
射時間(噴射量)を制御する燃料噴射制御(EFI)が
実行される。また、上記エンジン用電子制御装置60で
は、よく知られた点火時期制御(ESA)およびアイド
ル回転制御なども実行される。なお、上記エンジン用電
子制御装置60において算出された単位回転当たりの吸
入空気量Q/Nを表す信号は、通信用インターフェース
回路90を介して変速用電子制御装置96へ出力され
る。
【0014】また、自動変速機12に設けられたシフト
位置センサ92および車速センサ94からは、自動変速
機12の実際の変速位置(ギヤ段)を表す信号および車
速SPDを表す信号が変速用電子制御装置96へ供給さ
れる。また、前記アイドルスイッチON信号およびスロ
ットル弁34の開度TAを表す信号も変速用電子制御装
置96へ供給される。
【0015】変速用電子制御装置96は、CPU98、
ROM100、RAM102を含み、入力インターフェ
ース回路104或いはA/D変換器106を介して入力
された入力信号を、予めROM100に記憶されたプロ
グラムに従って処理し、シフト位置を指令する信号を出
力インターフェース回路108を介して出力するととも
に、所定のパラメータを表す信号を通信用インターフェ
ース回路110を介してエンジン用電子制御装置60へ
出力する。上記変速用電子制御装置96は、予め知られ
たROM100に記憶された2種類の変速線図、すなわ
ち、吸入空気量Q/Nおよび車速SPDに基づく変速線
から成る第1変速線図、およびアクセルペダル踏み込み
量(=スロットル弁開度)TAおよび車速SPDに基づ
く変速線から成る第2変速線図の一方を吸入空気量Qに
基づいて選択し、選択された変速線図から実際の吸入空
気量Q/N或いはアクセルペダル踏み込み量TAと車速
SPDとに基づいて変速点を決定し、その変速点を実際
の車速SPDが通過したことを以て自動変速機12に新
たなギヤ段への切り換えを指令する。
【0016】上記第1変速線図は図3および図4の実線
に示す各変速線から構成されるものであり、上記第2変
速線図は図3および図4の1点鎖線に示す各変速線から
構成されるものである。それら第1変速線図および第2
変速線図は、それらの変速線を特定する各データポイン
トを示すためのデータ群から成るデータマップの形態で
ROM100に予め記憶されている。本実施例のように
各変速線が直線の組み合わせにより折れ線状に構成され
ている場合には、1つの変速線についてそれを構成する
各直線の端を特定する特定点を表すデータポイントがそ
れぞれ記憶され、その特定点の中間位置では補完計算に
よって変速点が求められる。上記図3は、高速側ギヤ段
からそれよりも1段低速側のギヤ段へシフトダウンさせ
る変速点の連なりであるシフトダウン用変速線を、上記
第1変速線図および第2変速線図について共通の車速軸
(横軸)上にそれぞれ示したものである。また、上記図
4は、低速側ギヤ段からそれよりも1段高速側のギヤ段
へシフトアップさせる変速点の連なりであるシフトアッ
プ用変速線を、上記第1変速線図および第2変速線図に
ついて共通の車速軸(横軸)上にそれぞれ示したもので
ある。
【0017】なお、以下において、上記第1変速線図を
Q/Nマップと称し、第2変速線図をTAマップと称す
る。また、上記図3および図4においては、スロットル
弁開度TAが50%である状態を境としてそれらQ/N
マップおよびTAマップが切り換えられたときの相対位
置関係が示されている。
【0018】次に、上記変速用電子制御装置96の制御
作動を、図5のフローチャートを用いて詳細に説明す
る。図5のステップS1においては、スロットル弁開度
TA、車速SPD、エンジン回転速度NE、および吸入
空気量Qなどが各センサおよびエンジン用電子制御装置
60からの入力信号に基づいて読み込まれるとともに、
単位回転当たりの吸入空気量Q/Nなどが算出される。
また、ステップS2では、自動変速機12の実際のギヤ
段がいずれにあるかがシフト位置センサ92からの信号
に基づいて読み込まれる。
【0019】続くステップS3では、自動変速機12の
変速制御のための制御領域がTA制御領域であるか否か
が、たとえば図6に示す予めROM100に記憶された
関係から実際のスロットル弁開度TAおよびエンジン回
転速度NEに基づいて判定される。たとえば、図6に示
す関係から実際のエンジン回転速度NEに基づいて判断
基準値(判断基準スロットル弁開度)を決定し、実際の
スロットル弁開度TAがその判断基準値を上まわるか否
かに従って上記制御領域が決定される。上記Q/N制御
領域とは、変速判断に際して前記Q/Nマップを用いる
領域であり、上記TA制御領域は、変速判断に際して前
記TAマップを用いる領域である。
【0020】上記ステップS3の判断が肯定された場合
には、ステップS4において、図4のTAマップに含ま
れる変速線のうち自動変速機12の実際のギヤ段に対応
したものが選択され、その変速線から実際のスロットル
弁開度TAに基づいてシフトアップ変速点が算出され
る。すなわち、たとえば自動変速機12の実際のギヤ段
が第2速ギヤ段であるとすると、第3速ギヤ段へのシフ
トアップを判断するためのシフトアップ変速線が図4中
の実線に示すTAマップから選択されるとともに、その
シフトアップ変速線から実際のスロットル弁開度TAに
基づいてシフトアップを判断するためのシフトアップ変
速点(車速値)SPDTAup 2-3 が決定される。
【0021】続くステップS5では、実際の車速SPD
が上記シフトアップ変速点SPDTAup 2-3 を超えたか否
かに基づいてシフトアップが判断される。このステップ
S5の判断が肯定された場合には、ステップS8におい
て自動変速機12のギヤ段を第3速ギヤ段とするための
シフト指令信号が変速用電子制御装置96から出力さ
れ、自動変速機12がステップS5の判断に従ってアッ
プシフトされる。しかし、上記ステップS5の判断が否
定された場合には、ステップS6において、図3のTA
マップに含まれる変速線のうち自動変速機12の実際の
ギヤ段に対応したものが選択され、その変速線から実際
のスロットル弁開度TAに基づいて変速点が算出され
る。すなわち、たとえば自動変速機12の実際のギヤ段
が第2速ギヤ段であるとすると、第1速ギヤ段へのシフ
トダウンを判断するためのシフトダウン変速線が図3中
の実線に示すTAマップから選択されるとともに、その
シフトダウン変速線から実際のスロットル弁開度TAに
基づいてシフトダウンを判断するためのシフトダウン変
速点(車速値)SPDTAdown 2-1 が決定される。
【0022】続くステップS7では、実際の車速SPD
が上記シフトダウン変速点SPDTAdown 2-1 を下まわっ
たか否かに基づいてシフトダウンが判断される。このス
テップS7の判断が肯定された場合には、ステップS8
において自動変速機12のギヤ段を第1速ギヤ段とする
ためのシフト指令信号が変速用電子制御装置96から出
力され、自動変速機12がステップS7の判断に従って
ダウンシフトされる。しかし、上記ステップS7の判断
が否定された場合にはステップS8が実行されないの
で、変速段が維持されるとともに、次の制御サイクルが
開始され、前記ステップS1以下が繰り返し実行され
る。
【0023】前記ステップS3においてその判断が否定
された場合、すなわちQ/N制御領域であると判断され
た場合には、ステップS9において、図4のQ/Nマッ
プに含まれる変速線のうち自動変速機12の実際のギヤ
段に対応したものが選択され、その変速線から実際の単
位回転当たりの吸入空気量Q/Nに基づいてシフトアッ
プ変速点が算出される。すなわち、たとえば自動変速機
12の実際のギヤ段が前記と同様に第2速ギヤ段である
とすると、第3速ギヤ段へのシフトアップを判断するた
めのシフトアップ変速線が図4中の1点鎖線に示すQ/
Nマップから選択されるとともに、そのシフトアップ変
速線から実際の単位回転当たりの吸入空気量Q/Nに基
づいてシフトアップを判断するためのシフトアップ変速
点SPDQNup 2-3 が決定される。
【0024】続くステップS10では、実際の車速SP
Dが上記シフトアップ変速点SPDQNup 2-3 を超えたか
否かに基づいてシフトアップが判断される。このステッ
プS10の判断が肯定された場合には、前記ステップS
8において自動変速機12のギヤ段を第3速ギヤ段とす
るためのシフト指令信号が変速用電子制御装置96から
出力され、自動変速機12がステップS10の判断に従
ってアップシフトされる。しかし、上記ステップS10
の判断が否定された場合には、ステップS11におい
て、シフトダウン禁止フラグFsの内容が「1」である
か否かが判断される。
【0025】通常は、そのステップS11の判断が否定
されるので、続くステップS12において図3のQ/N
マップに含まれる変速線のうち自動変速機12の実際の
ギヤ段に対応したものが選択され、その変速線から実際
の単位回転当たりの吸入空気量Q/Nに基づいて変速点
が決定される。すなわち、前記と同様に自動変速機12
の実際のギヤ段が第2速ギヤ段であるとすると、第1速
ギヤ段へのシフトダウンを判断するためのシフトダウン
変速線が図3中の1点鎖線に示すQ/Nマップから選択
されるとともに、そのシフトダウン変速線から実際の単
位回転当たりの吸入空気量Q/Nに基づいてシフトダウ
ンを判断するためのシフトダウン変速点SPDQNdown
2-1 が決定される。
【0026】そしてステップS13では、実際の車速S
PDが上記シフトダウン変速点SPDQNdown 2-1 を下ま
わったか否かに基づいてシフトダウンが判断される。こ
のステップS13の判断が肯定された場合には、ステッ
プS8において自動変速機12のギヤ段を第1速ギヤ段
とするためのシフト指令信号が変速用電子制御装置96
から出力され、自動変速機12がステップS13の判断
に従ってダウンシフトされる。しかし、上記ステップS
13の判断が否定された場合にはステップS8が実行さ
れることなく、次の制御サイクルが開始され、前記ステ
ップS1以下が繰り返し実行される。すなわち、シフト
指令信号が出力されないので、自動変速機12のギヤ段
はそのままに保持される。
【0027】上記ステップS11においてシフトダウン
禁止フラグFs の内容が「1」であると判断された場合
には、前記ステップS12以下のシフトダウンのための
動作が実行されることなく、図5のルーチンが終了させ
られる。このシフトダウン禁止フラグFs は、たとえば
数ミリ秒乃至数十ミリ秒程度の所定の時間間隔毎に実行
される図7の割込ルーチンによって、運転者の加速要求
がなく、車両の減速中でもなく、しかもエンジン10の
出力トルク上昇中であるときにセットされ、それ以外の
ときにリセットされる。すなわち、図7のステップSS
1では、スロットル弁開度の変化率ΔTA、車速の変化
率ΔSPD、および単位回転当たりの吸入空気量の変化
率ΔQ/Nがそれぞれ算出される。それらの値ΔTA、
ΔSPD、およびΔQ/Nは、上記割込ルーチンの実行
毎に読み込まれたスロットル弁開度TA、車速SPD、
および単位回転当たりの吸入空気量Q/Nの各差分値で
ある。
【0028】続くステップSS2では、上記スロットル
弁開度の変化率ΔTAが零以下であるか否か、換言すれ
ば運転者の定速走行要求状態或いは減速走行要求状態で
あるか否かが判断される。また、その判断が肯定された
場合に続くステップSS3では、前記車速の変化率ΔS
PDが零以上であるか否か、換言すれば車両の実際の走
行が定速走行或いは加速走行状態であるか否かが判断さ
れる。また、その判断が肯定された場合に続くステップ
SS4では、前記単位回転当たりの吸入空気量の変化率
ΔQ/Nが零よりも大であるか否か、換言すればエンジ
ン10の出力トルクが上昇中であるか否かが判断され
る。
【0029】そして、上記のステップSS2、SS3、
SS4の判断がすべて肯定された場合には、ステップS
S5においてダウンシフト禁止フラグFs の内容が
「1」にセットされる。しかし、上記ステップSS2、
SS3、SS4の判断のいずれかが否定された場合に
は、ステップSS6においてダウンシフト禁止フラグF
s の内容が「0」にリセットされる。
【0030】ここで、上記運転者の定速走行要求状態或
いは減速走行要求状態(ΔTA≦0)とは、運転者の加
速要求のない状態を意味するものであるから、本実施例
では、上記のステップが繰り返し実行されることによ
り、定速減速走行要求状態判定手段に対応するステップ
SS2、定速加速走行判定手段に対応するステップSS
3、単位回転当たりの吸入空気量増加状態判定手段に対
応するステップSS4により、運転者の加速要求がなく
しかも車両の減速走行でもないのにエンジン10の出力
トルクが増加する状態であると判断された場合には、変
速制御手段に対応するステップS11により自動変速機
12のシフトダウンが禁止され、これにより、ターボチ
ャージャや、前記可変バルブタイミング機構、スワール
コントロール弁機構などの装置が内燃機関に設けられた
場合に、アクセルペダルの踏み込みやスロットル弁開度
の増加と連動しない機関出力トルク、すなわち単位回転
当たりの吸入空気量の変化に起因して車両の加速要求状
態でもないのに運転者の意に反した自動変速機のシフト
ダウンが発生することが好適に解消される。
【0031】図8は、本実施例の車両においてアクセル
ペダル58の踏み込み操作に関連して発生する自動変速
機12の変速状態を説明するタイムチャートである。ア
クセルペダル58の踏み込み操作に関連して、スロット
ル弁開度TAが図中のA時点から立ち上がると、それに
同期して単位回転当たりの吸入空気量Q/Nも急速に一
旦立ち上がり、その後に僅かに低下するが、それからは
ターボチャージャ32の効果により所定のターボラグ時
間Ttuに至るまで連続的に増加した後、略平坦の値とな
る。また、前記図3のQ/Nマップのシフトダウン変速
線は、図8の破線に示され得、図4のQ/Nマップのシ
フトアップ変速線は、図8中の2点鎖線に示される得る
ので、それらの変速線と単位回転当たりの吸入空気量Q
/Nを示す曲線との交点がシフト実行点となる。図8か
ら明らかなように、上記単位回転当たりの吸入空気量Q
/Nは、A時点において4→3シフトダウン変速線を上
まわるので、それまで第4速ギヤ段で走行していた車両
の自動変速機12は第3速ギヤ段へダウンシフトされ
る。次いで、ターボチャージャ32の効果により上記単
位回転当たりの吸入空気量Q/Nが上昇すると、3→2
シフトダウン変速線を上まわるので、B時点において自
動変速機12が第3速ギヤ段から第2速ギヤ段へさらに
ダウンシフトされる。そして、車速SPDの増大に関連
して変速線が時間経過とともに上昇するので、上記単位
回転当たりの吸入空気量Q/Nは2→3シフトアップ変
速線を下まわり、図中のC時点において自動変速機12
が第2速ギヤ段から第3速ギヤ段へアップシフトされ
る。しかし、本実施例では、前述のように、運転者の加
速要求がなくしかも車両の減速走行でもないのにエンジ
ン10の出力トルクが増加する状態では、シフトダウン
が禁止されるので、図8の1点鎖線に示すように、ター
ボチャージャ32の効果に関連した単位回転当たりの吸
入空気量Q/Nの上昇に起因する自動変速機12の第2
速ギヤ段へのシフトダウンは発生しないのである。
【0032】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。たとえば、前述の実施例では、ターボチャージャ3
2を備えた車両について説明されたいたが、可変バルブ
タイミング機構、スワールコントロール弁機構などの装
置が備えられた車両についても、本発明が適用され得
る。
【0033】また、前述の実施例では、Q/Nマップお
よびTAマップが切り換えて用いられる形式の変速制御
装置について説明されていたが、Q/Nマップのみが変
速制御に用いられる形式の変速制御装置であってもよい
のである。
【0034】また、前述の実施例では、Q/Nマップと
TAマップとの切り換えが図6に示すエンジン回転速度
NEの関数である判定条件に基づいて実行されている
が、その判定条件は一定値であってもよいのである。
【0035】また、前述の実施例の図6の横軸はエンジ
ン回転速度NEであったが、車速SPDであっても差し
支えない。
【0036】また、図4に示すTAマップのアップシフ
ト線は必要に応じて除去されてもよい。
【0037】また、前述の実施例の自動変速機12は、
複数の油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせによって
複数の前進ギヤ段および後進ギヤ段のうちの1つが成立
させられる遊星歯車式の有段変速機であったが、3位置
油圧アクチュエータによりシフトロッドが駆動されるこ
とによりギヤ段が成立させられる平行2軸常時噛合式の
有段変速機などであってもよい。
【0038】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明のクレーム対応図であ
る。
【図2】本発明が適用された車両および制御装置の要部
構成を示すブロック線図である。
【図3】図2の変速用電子制御装置に予め記憶されたシ
フトダウン用変速線図である。
【図4】図2の変速用電子制御装置に予め記憶されたシ
フトアップ用変速線図である。
【図5】図2の変速用電子制御装置の作動の要部を説明
するフローチャートである。
【図6】図5において変速線図を切り換えるために用い
られる関係を示す図である。
【図7】図5に示す作動において所定の時間間隔で割り
込んで実行される割り込みルーチンの作動を説明する図
である。
【図8】図5および図7に示す作動により得られる自動
変速機の作動を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
12 自動変速機 ステップSS2 定速減速走行要求状態判定手段 ステップSS3 定速加速走行判定手段 ステップSS4 単位回転当たりの吸収空気増加状態判
定手段 ステップS11 変速制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 B60K 41/00 - 41/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単位回転当たりの吸入空気量および車速
    に基づく変速線から成る変速線図に基づいて変速点を決
    定し、実際の車速が該変速点を通過したことを以てギヤ
    段を切り換える形式の車両用自動変速機の変速制御装置
    であって、 運転者の定速走行要求状態或いは減速走行要求状態であ
    ることを判定する定速減速走行要求状態判定手段と、 車両の実際の走行が定速走行或いは加速走行であること
    を判定する定速加速走行判定手段と、 前記単位回転当たりの吸入空気量が増加中であることを
    判定する単位回転当たりの吸入空気量増加状態判定手段
    と、 運転者の定速走行要求状態或いは減速走行要求状態であ
    り、車両の実際の走行が定速走行或いは加速走行であ
    り、しかも前記単位回転当たりの吸入空気量が増加中で
    ある場合には、前記自動変速機のシフトダウンを禁止す
    る変速制御手段と、 を含むことを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装
    置。
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