JP2762616B2 - 摩擦多板式差動制限装置 - Google Patents
摩擦多板式差動制限装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車用の差動制限装置に係り、より詳し
くはディファレンシャルケースの内面と左・右サイドギ
ヤの背面との間に多板クラッチを組込んだ摩擦多板式差
動制限装置に関する。
くはディファレンシャルケースの内面と左・右サイドギ
ヤの背面との間に多板クラッチを組込んだ摩擦多板式差
動制限装置に関する。
(従来の技術) この種の差動制限装置において、多板クラッチは、デ
ィファレンシャルケースに支持させた摩擦板とサイドギ
ヤに支持させた摩擦板とを交互に配した構成とされてい
る。そして差動制限装置の差動制限作用は、この多板ク
ラッチの摩擦トルクに依存し、したがって摩擦トルクを
一定に維持することが重要となる。ところで、この摩擦
トルクは多板クラッチを構成する摩擦板の摩耗の進行に
応じて変化し、したがって摩擦板の耐摩耗性を高めるこ
とが、差動制限作用を安定させる上で、きわめて重要な
課題となる。またこの種の差動制限装置においては、異
音発生が多きな問題となっているが、摩耗粉が摩擦板相
互の間に介在して異音発生を助長し、したがってこの異
音を抑える意味でも耐摩耗性を高める必要がある。
ィファレンシャルケースに支持させた摩擦板とサイドギ
ヤに支持させた摩擦板とを交互に配した構成とされてい
る。そして差動制限装置の差動制限作用は、この多板ク
ラッチの摩擦トルクに依存し、したがって摩擦トルクを
一定に維持することが重要となる。ところで、この摩擦
トルクは多板クラッチを構成する摩擦板の摩耗の進行に
応じて変化し、したがって摩擦板の耐摩耗性を高めるこ
とが、差動制限作用を安定させる上で、きわめて重要な
課題となる。またこの種の差動制限装置においては、異
音発生が多きな問題となっているが、摩耗粉が摩擦板相
互の間に介在して異音発生を助長し、したがってこの異
音を抑える意味でも耐摩耗性を高める必要がある。
このために従来、例えば実開昭57−130039号公報に示
される差動制限装置では、互いに接触する摩擦板の一方
の摩擦面に二硫化モリブデン、グラファイト等の自己潤
滑性を有する被覆層を設ける対策を採っていた。かゝる
対策によれば、摩擦板の耐摩耗性が向上し、摩擦トルク
が安定するばかりか、異音の発生も抑制されるようにな
る。
される差動制限装置では、互いに接触する摩擦板の一方
の摩擦面に二硫化モリブデン、グラファイト等の自己潤
滑性を有する被覆層を設ける対策を採っていた。かゝる
対策によれば、摩擦板の耐摩耗性が向上し、摩擦トルク
が安定するばかりか、異音の発生も抑制されるようにな
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記摩擦板に自己潤滑性を有する被覆
層を設ける対策によれば、耐摩耗性がいま一つ不足して
摩擦トルクの安定化に寄与する効果が小さく、特に最近
のエンジンの高出力化に対しては、耐摩耗性が不十分で
摩擦トルクが不安定になり易いという問題があった。ま
た同対策によれば、なじみ性が不十分なため、使用初期
に摩擦トルクが比較的大きく現われ、スティックスリッ
プ現象による異音(チャタ音)発生が避けられないとい
う問題もあった。
層を設ける対策によれば、耐摩耗性がいま一つ不足して
摩擦トルクの安定化に寄与する効果が小さく、特に最近
のエンジンの高出力化に対しては、耐摩耗性が不十分で
摩擦トルクが不安定になり易いという問題があった。ま
た同対策によれば、なじみ性が不十分なため、使用初期
に摩擦トルクが比較的大きく現われ、スティックスリッ
プ現象による異音(チャタ音)発生が避けられないとい
う問題もあった。
本発明は、上記従来の問題を解決することを課題とし
てなされたもので、その目的とするところは、摩擦板の
耐摩耗性を可及的に向上させることにより摩擦トルクの
安定化と異音発生の抑制とに寄与し、もって耐久信頼性
に富む摩擦多板式差動制限装置を提供することにある。
てなされたもので、その目的とするところは、摩擦板の
耐摩耗性を可及的に向上させることにより摩擦トルクの
安定化と異音発生の抑制とに寄与し、もって耐久信頼性
に富む摩擦多板式差動制限装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成するため、多板クラッチを
構成する摩擦板の相互の摩擦面の少なくとも一方に、固
体潤滑剤と、摩擦調整剤と樹脂バインダとを含む複合材
料から成る第1被覆層を設けると共に、この第1被覆層
上に前記複合材料より摩擦係数の低い潤滑材料から成る
第2被覆層を設け、かつ前記第1被覆層の表面粗さを5
〜30μm Rzとしたことを特徴とする。
構成する摩擦板の相互の摩擦面の少なくとも一方に、固
体潤滑剤と、摩擦調整剤と樹脂バインダとを含む複合材
料から成る第1被覆層を設けると共に、この第1被覆層
上に前記複合材料より摩擦係数の低い潤滑材料から成る
第2被覆層を設け、かつ前記第1被覆層の表面粗さを5
〜30μm Rzとしたことを特徴とする。
本発明において、上記複合材料を構成する各要素は、
特にその種類を限定するものでないが、固体潤滑剤とし
て、例えば二硫化モリブデン(MoS2),ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)またはそれらの混合物を、摩擦調
整剤として、例えば炭素繊維,シリカ(SiO2),アルミ
ナ(Al2O3),チタン酸カリ繊維等から選択した1種ま
たは2種以上を、樹脂バインダとして、例えばエポキシ
樹脂,アミノ系樹脂またはそれらの混合物をそれぞれ選
択することができる。またこれら固体潤滑剤、摩擦調整
剤および樹脂バインダの配合比は、固体潤滑剤40〜50wt
%,摩擦調整剤2〜45wt%好ましくは5〜30wt%,残部
樹脂バインダとするのが良い。摩擦調整剤の含有量を2
〜45wt%好ましくは5〜30wt%としたのは、2%未満で
は耐摩耗性の向上に寄与する効果が小さく、45%を越す
と樹脂バインダによる結合力が弱まって同じく耐摩耗性
の向上に寄与する効果が小さくなるためである。また本
発明において、上記第2被覆層を構成する潤滑性材料
は、前記複合材料より摩擦係数が低ければ、特にその種
類を限定するものでなく、例えばポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)、二硫化モリブデン等を選択することが
できる。
特にその種類を限定するものでないが、固体潤滑剤とし
て、例えば二硫化モリブデン(MoS2),ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)またはそれらの混合物を、摩擦調
整剤として、例えば炭素繊維,シリカ(SiO2),アルミ
ナ(Al2O3),チタン酸カリ繊維等から選択した1種ま
たは2種以上を、樹脂バインダとして、例えばエポキシ
樹脂,アミノ系樹脂またはそれらの混合物をそれぞれ選
択することができる。またこれら固体潤滑剤、摩擦調整
剤および樹脂バインダの配合比は、固体潤滑剤40〜50wt
%,摩擦調整剤2〜45wt%好ましくは5〜30wt%,残部
樹脂バインダとするのが良い。摩擦調整剤の含有量を2
〜45wt%好ましくは5〜30wt%としたのは、2%未満で
は耐摩耗性の向上に寄与する効果が小さく、45%を越す
と樹脂バインダによる結合力が弱まって同じく耐摩耗性
の向上に寄与する効果が小さくなるためである。また本
発明において、上記第2被覆層を構成する潤滑性材料
は、前記複合材料より摩擦係数が低ければ、特にその種
類を限定するものでなく、例えばポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)、二硫化モリブデン等を選択することが
できる。
本発明において、第1被覆層の表面粗さを5〜30μm
Rzとしたのは、5μm Rzより細かすぎると前記第1、第
2被覆層の有効な共存状態が得られないばかりか、摩擦
トルクも小さくなり、逆に30μm Rzより粗すぎると早期
に突起部分が摩耗して摩擦トルクが不安定になるためで
ある。なお、この第1被覆層の表面粗さは、所望により
10〜20μm Rzの範囲に抑えるようにして良い。また、相
手側摩擦板の表面粗さは、あまり細かいとアブレッシブ
な作用により被覆層の摩耗が進むので、0.8μm Rz以下
に抑えるのが望ましい。
Rzとしたのは、5μm Rzより細かすぎると前記第1、第
2被覆層の有効な共存状態が得られないばかりか、摩擦
トルクも小さくなり、逆に30μm Rzより粗すぎると早期
に突起部分が摩耗して摩擦トルクが不安定になるためで
ある。なお、この第1被覆層の表面粗さは、所望により
10〜20μm Rzの範囲に抑えるようにして良い。また、相
手側摩擦板の表面粗さは、あまり細かいとアブレッシブ
な作用により被覆層の摩耗が進むので、0.8μm Rz以下
に抑えるのが望ましい。
本発明において、上記第1被覆層の厚さを15〜35μm
とし、第2被覆層はこの第1被覆層の厚さより薄くする
のが望ましい。第1被覆層の厚さを15〜35μmとするの
は、あまり薄いと所望の耐摩耗性を確保するのが困難と
なり、逆に厚すぎると摩擦板の熱伝導性が悪化しかつそ
の密着性も悪化する理由による。
とし、第2被覆層はこの第1被覆層の厚さより薄くする
のが望ましい。第1被覆層の厚さを15〜35μmとするの
は、あまり薄いと所望の耐摩耗性を確保するのが困難と
なり、逆に厚すぎると摩擦板の熱伝導性が悪化しかつそ
の密着性も悪化する理由による。
(作用) 上記のように構成した摩擦多板式差動制限装置におい
ては、使用初期には比較的摩擦係数の小さい第2被覆層
が相手側に接触するので、摩擦トルクの増大が抑えら
れ、スティックスリップ現象による異音の発生が抑制さ
れる。また被覆層の突起部が摩滅する使用中期から後期
にかけては、高摩擦係数の第1被覆層と低摩擦係数の第
2被覆層とが摩擦面に共存し、摩耗の進行が抑えられて
摩擦トルクは安定的に推移する。
ては、使用初期には比較的摩擦係数の小さい第2被覆層
が相手側に接触するので、摩擦トルクの増大が抑えら
れ、スティックスリップ現象による異音の発生が抑制さ
れる。また被覆層の突起部が摩滅する使用中期から後期
にかけては、高摩擦係数の第1被覆層と低摩擦係数の第
2被覆層とが摩擦面に共存し、摩耗の進行が抑えられて
摩擦トルクは安定的に推移する。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。
る。
第1図は、本発明にかゝる摩擦多板式差動制限装置の
基本構造を示したものである。同図において、1はディ
ファレンシャルケースで、左・右ケース本体1a,1aをボ
ルト2にて一体に結合して成っている。各ケース本体1a
の中央にはスリーブ部1b,1bが設けられており、各スリ
ーブ部1bは前記一体化状態において同心に配されるよう
になっている。ディファレンシャルケース1は、前記ス
リーブ部1b,1bがディファレンシャルキャリヤ(図示
略)に回動自在に支持されることにより、その外周フラ
ンジ1cに取付けたリングギヤ(図示略)と一体に両スリ
ーブ部1b,1bを挿通する軸心を中心に回転するようにな
っている。
基本構造を示したものである。同図において、1はディ
ファレンシャルケースで、左・右ケース本体1a,1aをボ
ルト2にて一体に結合して成っている。各ケース本体1a
の中央にはスリーブ部1b,1bが設けられており、各スリ
ーブ部1bは前記一体化状態において同心に配されるよう
になっている。ディファレンシャルケース1は、前記ス
リーブ部1b,1bがディファレンシャルキャリヤ(図示
略)に回動自在に支持されることにより、その外周フラ
ンジ1cに取付けたリングギヤ(図示略)と一体に両スリ
ーブ部1b,1bを挿通する軸心を中心に回転するようにな
っている。
ディファレンシャルケース1内には、その回転軸心に
沿って一対のサイドギヤ3が配置されると共に、該回転
軸心と直交するように一対の(または二対の)ピニオン
ギヤ4が配置されている。ピニオンギヤ4は、ディファ
レンシャルケース1に両端が支持されたピニオンシャフ
ト5に回転自在に取付けられ、それぞれ一対のサイドギ
ヤ3に噛み合わされている。また一対のサイドギヤ3に
は、左・右駆動車輪に連結したアクスルシャフト(図示
略)がセレーション嵌合により連結される。そして、左
・右駆動車輪にかかる抵抗が異なると、ピニオンギヤ4
はピニオンシャフト5上を自転しながらサイドギヤ3上
を公転し、これにより左・右アクスルシャフトに回転差
が生じる。
沿って一対のサイドギヤ3が配置されると共に、該回転
軸心と直交するように一対の(または二対の)ピニオン
ギヤ4が配置されている。ピニオンギヤ4は、ディファ
レンシャルケース1に両端が支持されたピニオンシャフ
ト5に回転自在に取付けられ、それぞれ一対のサイドギ
ヤ3に噛み合わされている。また一対のサイドギヤ3に
は、左・右駆動車輪に連結したアクスルシャフト(図示
略)がセレーション嵌合により連結される。そして、左
・右駆動車輪にかかる抵抗が異なると、ピニオンギヤ4
はピニオンシャフト5上を自転しながらサイドギヤ3上
を公転し、これにより左・右アクスルシャフトに回転差
が生じる。
また、ディファレンシャルケース1の両側内面と各サ
イドギヤ3の背面との間には多板クラッチ6,6が組込ま
れている。この多板クラッチ6は、ディファレンシャル
ケース1に支持された第1摩擦板7とサイドギヤ3に支
持された第2摩擦板8とを交互に配して成っている。こ
のうち、第1摩擦板7は、一例として第2図に示すよう
に外周の4箇所に突起7aを有し、この突起7aをディファ
レンシャルケース1内の溝1dに係合させることにより該
ディファレンシャルケースに回転不能に取付けられてい
る。また第2摩擦板8は、円板状に形成されて、例えば
セレーション嵌合によりサイドギヤ3の軸部に取付けら
れている。かゝる多板クラッチ6によりディファレンシ
ャルケース1とサイドギヤ3との間に摩擦抵抗力が発生
し、差動が制限されるようになる。なお第1摩擦板7に
は格子状に油溝9が形成されている。
イドギヤ3の背面との間には多板クラッチ6,6が組込ま
れている。この多板クラッチ6は、ディファレンシャル
ケース1に支持された第1摩擦板7とサイドギヤ3に支
持された第2摩擦板8とを交互に配して成っている。こ
のうち、第1摩擦板7は、一例として第2図に示すよう
に外周の4箇所に突起7aを有し、この突起7aをディファ
レンシャルケース1内の溝1dに係合させることにより該
ディファレンシャルケースに回転不能に取付けられてい
る。また第2摩擦板8は、円板状に形成されて、例えば
セレーション嵌合によりサイドギヤ3の軸部に取付けら
れている。かゝる多板クラッチ6によりディファレンシ
ャルケース1とサイドギヤ3との間に摩擦抵抗力が発生
し、差動が制限されるようになる。なお第1摩擦板7に
は格子状に油溝9が形成されている。
しかして、本実施例においては、第1、第2摩擦板7,
8の本体部分を鋼板から形成し、第2摩擦板8は研摩に
よってその摩擦面(図示略)を仕上げ、一方第1摩擦板
7は、第3図に示すように、その本体10の摩擦面11に第
1被覆層12と第2被覆層13とを積層形成している。第1
被覆層12は、固体潤滑剤と、摩擦調整剤と樹脂バインダ
とを含む複合材料から成るもので、こゝでは、固体潤滑
剤としてMoS2とPTFEとの混合物を、摩擦調整剤として炭
素繊維,SiO2,Al2O3,チタン酸カリ繊維等から選択し
た1種を、樹脂バインダとしてエポキシ樹脂とアミノ系
樹脂との混合物をそれぞれ選択している。また第2被覆
層13として前記複合材料よりも摩擦係数の小さいPTFEを
選択している。かゝる第1、第2被覆層12,13の存在に
より、使用初期には比較的摩擦係数の小さい第2被覆層
が相手側である第2摩擦板8に接触するので、摩擦トル
クの増大が抑えられ、スティックスリップ現象による異
音の発生が抑制される。また被覆層の突起部が摩滅する
使用中期から後期にかけては、高摩擦係数の第1被覆層
と低摩擦係数の第2被覆層とが摩擦面に共存し、摩耗の
進行が抑えられて摩擦トルクは安定的に推移するように
なる。
8の本体部分を鋼板から形成し、第2摩擦板8は研摩に
よってその摩擦面(図示略)を仕上げ、一方第1摩擦板
7は、第3図に示すように、その本体10の摩擦面11に第
1被覆層12と第2被覆層13とを積層形成している。第1
被覆層12は、固体潤滑剤と、摩擦調整剤と樹脂バインダ
とを含む複合材料から成るもので、こゝでは、固体潤滑
剤としてMoS2とPTFEとの混合物を、摩擦調整剤として炭
素繊維,SiO2,Al2O3,チタン酸カリ繊維等から選択し
た1種を、樹脂バインダとしてエポキシ樹脂とアミノ系
樹脂との混合物をそれぞれ選択している。また第2被覆
層13として前記複合材料よりも摩擦係数の小さいPTFEを
選択している。かゝる第1、第2被覆層12,13の存在に
より、使用初期には比較的摩擦係数の小さい第2被覆層
が相手側である第2摩擦板8に接触するので、摩擦トル
クの増大が抑えられ、スティックスリップ現象による異
音の発生が抑制される。また被覆層の突起部が摩滅する
使用中期から後期にかけては、高摩擦係数の第1被覆層
と低摩擦係数の第2被覆層とが摩擦面に共存し、摩耗の
進行が抑えられて摩擦トルクは安定的に推移するように
なる。
以下、本発明の実施例をより具体的に説明する。
第1被覆層12の形成原料として、MoS2:クリマックス
モリブデニウム(Climax Molybdenum)社製−テクニカ
ルグレード,PTFE:旭碍子社製−フルオンL169,炭素繊
維:呉羽化学工業社製−クレカチョップM−1009S 15μ
m径×90μm長さ,SiO2:12μm径,Al2O3:60μm径,
チタン酸カリ繊維:0.5μm径×10μm長さ,エポキシ樹
脂:大日本インキ化学工業社製−エピクロン7050,アミ
ノ系樹脂:大日本インキ化学工業社製ベッカミンP−13
8をそれぞれ選択し、これら原料を下表に示す割合で配
合し、その100部に対して100〜200部の溶剤(キシレン
系)を加え、ボールミルにて約3時間攪拌、粉砕を行っ
た後、これをエアスプレーにて前記第1摩擦板7の摩擦
面11(第3図)に吹付け、その後、200℃で30分間過熱
して硬化させ、厚さ約20μmの第1被覆層12を形成し
た。なお第1摩擦板7の摩擦面11には、下地処理として
予めリン酸マンガン処理を施した。
モリブデニウム(Climax Molybdenum)社製−テクニカ
ルグレード,PTFE:旭碍子社製−フルオンL169,炭素繊
維:呉羽化学工業社製−クレカチョップM−1009S 15μ
m径×90μm長さ,SiO2:12μm径,Al2O3:60μm径,
チタン酸カリ繊維:0.5μm径×10μm長さ,エポキシ樹
脂:大日本インキ化学工業社製−エピクロン7050,アミ
ノ系樹脂:大日本インキ化学工業社製ベッカミンP−13
8をそれぞれ選択し、これら原料を下表に示す割合で配
合し、その100部に対して100〜200部の溶剤(キシレン
系)を加え、ボールミルにて約3時間攪拌、粉砕を行っ
た後、これをエアスプレーにて前記第1摩擦板7の摩擦
面11(第3図)に吹付け、その後、200℃で30分間過熱
して硬化させ、厚さ約20μmの第1被覆層12を形成し
た。なお第1摩擦板7の摩擦面11には、下地処理として
予めリン酸マンガン処理を施した。
一方、第2被覆層13については、原料としてポリ四ふ
っ化エチレン(テフロン)を選択し、その100部に対し
て100〜200部の溶剤を加えて攪拌し、これをエアスプレ
ーにて第2摩擦板8の摩擦面に吹付け、その後、180℃
で60分間加熱して硬化させ、厚さ2〜5μmの第2被覆
層13を形成した。このようにして種々の第1摩擦板12を
完成させ、それぞれ実施例1〜8として、これらを後述
する摩擦試験と摩耗試験に供した。なお、第2摩擦板8
については、これを共通とし、JIS SK5 1.8mm厚さの鋼
板を素材として用い、これから外形200mm,内径100mmの
大きさを有する本体部分を打抜き、これに焼入れ焼戻し
の熱処理を施し(硬さHv450)、さらに研摩加工を施し
て摩擦面の粗さを0.5μm Rzに仕上げた。また比較のた
め、上表に示すように、第1被覆層12のみを有する第1
摩擦板および第2被覆層13のみを有する第1摩擦板を製
作し、それぞれ比較例1、2として前記同様の試験に供
した。
っ化エチレン(テフロン)を選択し、その100部に対し
て100〜200部の溶剤を加えて攪拌し、これをエアスプレ
ーにて第2摩擦板8の摩擦面に吹付け、その後、180℃
で60分間加熱して硬化させ、厚さ2〜5μmの第2被覆
層13を形成した。このようにして種々の第1摩擦板12を
完成させ、それぞれ実施例1〜8として、これらを後述
する摩擦試験と摩耗試験に供した。なお、第2摩擦板8
については、これを共通とし、JIS SK5 1.8mm厚さの鋼
板を素材として用い、これから外形200mm,内径100mmの
大きさを有する本体部分を打抜き、これに焼入れ焼戻し
の熱処理を施し(硬さHv450)、さらに研摩加工を施し
て摩擦面の粗さを0.5μm Rzに仕上げた。また比較のた
め、上表に示すように、第1被覆層12のみを有する第1
摩擦板および第2被覆層13のみを有する第1摩擦板を製
作し、それぞれ比較例1、2として前記同様の試験に供
した。
摩擦試験は、上記のように製作した第1、第2摩擦板
7,8をスラスト試験機に組込み、LSDオイル中で、第1摩
擦板7に対して第2摩擦板8を荷重400kgfで押付けた状
態で、第2摩擦板8を約5rpmで回転させ、経時的な摩擦
トルクを測定し、これを動摩擦係数μdに換算する方法
によった。
7,8をスラスト試験機に組込み、LSDオイル中で、第1摩
擦板7に対して第2摩擦板8を荷重400kgfで押付けた状
態で、第2摩擦板8を約5rpmで回転させ、経時的な摩擦
トルクを測定し、これを動摩擦係数μdに換算する方法
によった。
また摩耗試験は、上記摩擦試験と同じスラスト試験機
を用い、LSDオイル中で、約50rpmで回転している第2摩
擦板8に対して第1摩擦板7を荷重500kgfで押付け、20
0時間後の摩耗量(摩耗深さ)を測定する方法によっ
た。
を用い、LSDオイル中で、約50rpmで回転している第2摩
擦板8に対して第1摩擦板7を荷重500kgfで押付け、20
0時間後の摩耗量(摩耗深さ)を測定する方法によっ
た。
第4図は、摩擦試験の結果を示したものである。これ
より、第1被覆層12のみを有する比較例1では、動摩擦
係数μdのレベルは高いものの、高摩擦係数(高静摩擦
係数)を有する第1被覆層のみの存在により初期のμd
が高く現れ、スティックスリップ現象による異音の発生
が避けられないことが明らかになった。またこの比較例
1では、時間の経過とともにμdが直線的に低下し、摩
擦トルクが不安定であることが明らかとなった。これ
は、第1被覆層12の摩耗が経時的に進行したためと推定
される。一方、第2被覆層13のみが存在する比較例2で
は、初期の動摩擦係数μdが低くしかも試験時間の経過
とともに急激にμdが増大することが明らかになった。
これは、第2被覆層の摩擦係数が低く、かつこの第2被
覆層の摩耗が急激に進行して下地が露出したためで、そ
の差動制限装置への適用はきわめて困難であるといえ
る。
より、第1被覆層12のみを有する比較例1では、動摩擦
係数μdのレベルは高いものの、高摩擦係数(高静摩擦
係数)を有する第1被覆層のみの存在により初期のμd
が高く現れ、スティックスリップ現象による異音の発生
が避けられないことが明らかになった。またこの比較例
1では、時間の経過とともにμdが直線的に低下し、摩
擦トルクが不安定であることが明らかとなった。これ
は、第1被覆層12の摩耗が経時的に進行したためと推定
される。一方、第2被覆層13のみが存在する比較例2で
は、初期の動摩擦係数μdが低くしかも試験時間の経過
とともに急激にμdが増大することが明らかになった。
これは、第2被覆層の摩擦係数が低く、かつこの第2被
覆層の摩耗が急激に進行して下地が露出したためで、そ
の差動制限装置への適用はきわめて困難であるといえ
る。
これに対して、本発明にかゝる実施例1〜8では、何
れも初期の動摩擦係数μdが適度のレベルにあり、ステ
ィックスリップ現象による異音の発生を抑制できること
が明らかになった。これは、初期段階には比較的摩擦係
数の小さい第2被覆層が第2摩擦板8に接触し、摩擦ト
ルクの増大が抑えられたためである。また実施例1〜8
では、何れもμdが初期段階から安定して推移してお
り、摩擦トルクがきわめて安定していることが確認でき
た。これは高摩擦係数の第1被覆層12と低摩擦係数の第
2被覆層13とが摩擦面に共存し、摩耗の進行が抑えられ
たためと推定される。なお摩擦調整剤(こゝでは炭素繊
維)の含有量を変えた実施例1〜5の結果、および摩擦
調整剤の種類を変えた実施例4、7および8の結果よ
り、摩擦調整剤の量が増すにしたがってμdが高値にな
ること、およびチタン酸カリ繊維よりAl2O3の方が、Al2
O3よりSiO2炭素繊維の方がそれぞれμdを増加させる度
合がわずか大きくなっていることが確認できた。
れも初期の動摩擦係数μdが適度のレベルにあり、ステ
ィックスリップ現象による異音の発生を抑制できること
が明らかになった。これは、初期段階には比較的摩擦係
数の小さい第2被覆層が第2摩擦板8に接触し、摩擦ト
ルクの増大が抑えられたためである。また実施例1〜8
では、何れもμdが初期段階から安定して推移してお
り、摩擦トルクがきわめて安定していることが確認でき
た。これは高摩擦係数の第1被覆層12と低摩擦係数の第
2被覆層13とが摩擦面に共存し、摩耗の進行が抑えられ
たためと推定される。なお摩擦調整剤(こゝでは炭素繊
維)の含有量を変えた実施例1〜5の結果、および摩擦
調整剤の種類を変えた実施例4、7および8の結果よ
り、摩擦調整剤の量が増すにしたがってμdが高値にな
ること、およびチタン酸カリ繊維よりAl2O3の方が、Al2
O3よりSiO2炭素繊維の方がそれぞれμdを増加させる度
合がわずか大きくなっていることが確認できた。
第5図は、摩耗試験の結果を示したものである。これ
より、第1被覆層12のみを有する比較例1では、摩耗深
さが著しく大きく、下地のリン酸マンガン処理皮膜が露
出していた。これは、第1被覆層が樹脂層のみから成っ
て耐摩耗性に劣るためである。これに対して本実施例1
〜8は、比較例1に比べれば著しく摩耗深さが小さくな
っている。これは、特に摩擦調整剤が被覆層の強化に役
立って被覆層の耐摩耗性を向上させたためである。な
お、実施例の比較では、摩擦調整剤の含有量の少ない実
施例1と摩擦調整剤の含有量が特に多い実施例5とが他
に比して摩耗深さが大きくなっている。これは、実施例
1では被覆層の強化程度が小さく、実施例5では樹脂バ
インダの量が相対的に減じて結合力が弱められたためで
ある。
より、第1被覆層12のみを有する比較例1では、摩耗深
さが著しく大きく、下地のリン酸マンガン処理皮膜が露
出していた。これは、第1被覆層が樹脂層のみから成っ
て耐摩耗性に劣るためである。これに対して本実施例1
〜8は、比較例1に比べれば著しく摩耗深さが小さくな
っている。これは、特に摩擦調整剤が被覆層の強化に役
立って被覆層の耐摩耗性を向上させたためである。な
お、実施例の比較では、摩擦調整剤の含有量の少ない実
施例1と摩擦調整剤の含有量が特に多い実施例5とが他
に比して摩耗深さが大きくなっている。これは、実施例
1では被覆層の強化程度が小さく、実施例5では樹脂バ
インダの量が相対的に減じて結合力が弱められたためで
ある。
(発明の効果) 以上、詳細に説明したように、本発明にかゝる摩擦多
板式差動制限装置によれば、摩擦板の著しく耐摩耗性が
向上して摩擦トルクが長期間にわたって安定し、その
上、初期の摩擦トルクの増大を抑えてスティックスリッ
プ現象による異音発生の抑制が可能になり、総じて耐久
信頼性が大幅に向上する効果が得られた。
板式差動制限装置によれば、摩擦板の著しく耐摩耗性が
向上して摩擦トルクが長期間にわたって安定し、その
上、初期の摩擦トルクの増大を抑えてスティックスリッ
プ現象による異音発生の抑制が可能になり、総じて耐久
信頼性が大幅に向上する効果が得られた。
第1図は本発明にかゝる摩擦多板式差動制限装置の構造
を示す断面図、第2図はその一部である摩擦板の形状を
示す平面図、第3図はその摩擦板の表層部の状態を示す
断面図、第4図は摩擦試験結果を示すグラフ、第5図は
摩耗試験結果を示すグラフである。 1……ディファレンシャルケース 3……サイドギヤ 4……ピニオンギヤ 5……ピニオンシャフト 6……多板クラッチ 7……第1摩擦板 8……第2摩擦板 11……摩擦面 12……第1被覆層 13……第2被覆層
を示す断面図、第2図はその一部である摩擦板の形状を
示す平面図、第3図はその摩擦板の表層部の状態を示す
断面図、第4図は摩擦試験結果を示すグラフ、第5図は
摩耗試験結果を示すグラフである。 1……ディファレンシャルケース 3……サイドギヤ 4……ピニオンギヤ 5……ピニオンシャフト 6……多板クラッチ 7……第1摩擦板 8……第2摩擦板 11……摩擦面 12……第1被覆層 13……第2被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−164048(JP,A) 特開 昭49−125756(JP,A) 特開 平1−238927(JP,A) 実開 昭57−130039(JP,U) 実開 昭52−108468(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 48/22 F16D 13/62 F16D 65/12 F16D 69/00
Claims (1)
- 【請求項1】ディファレンシャルケースの内面と左・右
サイドギヤの背面との間に、前記ディファレンシャルケ
ースに支持させた摩擦板と前記サイドギヤに支持させた
摩擦板とを交互に配して成る多板クラッチを組込んだ摩
擦多板式差動制限装置において、前記各摩擦板の相互の
摩擦面の少なくとも一方に、固体潤滑剤と、摩擦調整剤
と樹脂バインダとを含む複合材料から成る第1被覆層を
設けると共に、この第1被覆層上に前記複合材料より摩
擦係数の低い潤滑性材料から成る第2被覆層を設け、か
つ前記第1被覆層の表面粗さを5〜30μm Rzとしたこと
を特徴とする摩擦多板式差動制限装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26370489A JP2762616B2 (ja) | 1989-10-09 | 1989-10-09 | 摩擦多板式差動制限装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26370489A JP2762616B2 (ja) | 1989-10-09 | 1989-10-09 | 摩擦多板式差動制限装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03125038A JPH03125038A (ja) | 1991-05-28 |
JP2762616B2 true JP2762616B2 (ja) | 1998-06-04 |
Family
ID=17393167
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26370489A Expired - Fee Related JP2762616B2 (ja) | 1989-10-09 | 1989-10-09 | 摩擦多板式差動制限装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2762616B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2542807C2 (ru) * | 2009-06-12 | 2015-02-27 | Итон Корпорейшн | Дифференциал повышенного трения, использующий цилиндроконические зубчатые передачи и корпус дифференциала |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5482742A (en) * | 1993-07-22 | 1996-01-09 | Akebono Brake Systems Engineering Center, Inc. | Method for reducing green roughness of a brake system during wear-in period |
US7537835B2 (en) | 2001-09-27 | 2009-05-26 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | High friction sliding member |
JP2004211728A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Nsk Warner Kk | 湿式多板クラッチ用のセパレータプレートならびにそれを備えた湿式多板クラッチ |
US7717241B2 (en) * | 2006-05-01 | 2010-05-18 | American Precision Industries, Inc. | Braking or clutching device |
JP5188763B2 (ja) * | 2006-09-04 | 2013-04-24 | オキツモ株式会社 | 耐摩耗性の低摩擦抵抗電着塗膜 |
-
1989
- 1989-10-09 JP JP26370489A patent/JP2762616B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2542807C2 (ru) * | 2009-06-12 | 2015-02-27 | Итон Корпорейшн | Дифференциал повышенного трения, использующий цилиндроконические зубчатые передачи и корпус дифференциала |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03125038A (ja) | 1991-05-28 |
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