JP2762324B2 - 多管式熱交換器チューブの表面温度測定法とその装置 - Google Patents

多管式熱交換器チューブの表面温度測定法とその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多管式熱交換器を構成
するチューブ表面温度を測定するための方法および装置
に係り、とくにナフサ熱分解炉に装備されている多管式
熱交換器のチューブ表面の熱画像を計測して温度異常を
監視する目的に有用な多管式熱交換器チューブの表面温
度測定法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ナフサ熱分解炉は外熱式の熱分解炉で、
図6に示すように炉1内に装備された多管式熱交換器2
のチューブ3にブタン等の原料ガスを流しながら外部か
らバーナー加熱して700 〜800 ℃の温度で熱分解させる
機構となっている。最近の傾向として、より反応効率を
高めるために細径のチューブ3を多数並列に接続して伝
熱面積を広くとり、さらに分解温度を高めるために材質
の許容限界に近い温度にまで加熱する方式が普及してき
ている。
【0003】しかしながら、このような条件で熱分解を
続けているとチューブ内部にカーボンが析出して反応ガ
スが通り難くなる現象が生じる。その結果としてチュー
ブ表面温度が異常に上昇して変形が起こり、最悪の場合
にはチューブが溶損して分解ガスが炉内に噴出し、爆発
の危険に曝される事態を招くこともある。したがって、
熱交換チューブの表面温度を一定温度以下に制御するこ
とが操業上重要な管理項目となる。
【0004】従来、チューブ表面温度が一定温度以上に
上昇した場合には炉操業を停止させて全体の系から分離
し、チューブ内に空気およびスチームを流通して800 ℃
程度に加熱してチューブ内壁に付着したカーボンを燃焼
除去するデコーキング作業がおこなわれている。カーボ
ンの付着は、分解温度が高くなったり、原料ガスの種類
が増えると発生し易くなり、またチューブ径が細くなる
と僅かなカーボンの析出でも問題となる。
【0005】前記の事態に対応するため、これまでのナ
フサ熱分解操業においては熱交換チューブの表面温度を
炉外から放射温度計で測定して一定温度に達したらデコ
ーキングをおこなうか、温度測定せずに定期的にデコー
キングを施すか、あるいは反応温度を下げて余裕をみた
操業をおこなうといった方策が採られてきたが、いずれ
も効果的な方法とはいえず、一層確実なチューブ表面温
度の管理体制が要望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ナフサ熱分解炉におけ
る従来の放射温度計による多管式熱交換器チューブの表
面温度測定は、図7に示すように炉壁4に設けられた測
定孔5の外部に放射温度計6をセットし、バーナ7で加
熱された多管式熱交換器チューブ3の表面放射8を測定
する方法でおこなわれている。この方法の問題点は、
(1) チューブ表面の放射率が正確に判らないこと、(2)
炉壁からの反射光9が重畳して外乱になること、等の原
因により正確な測温が困難になることである。加えて、
ポイント測定である関係で、常時すべてのチューブ表面
温度を監視することができないため、間欠的に且つ局所
的に測定せざるを得ない欠点もある。
【0007】このうち、基本的な問題点となる(1) およ
び(2) について具体的に説明すると次のようになる。図
6において、チューブ3表面のi点については(1) 式に
示す熱放射の式が成り立つ。 P(Tai) =εs P(Tsi) +εw (1−εs ) P(Tw ) =εs P(Tsi) +Δn (1) 上式において、P(T) は温度T における黒体 (=放射率
1.0) からの放射強度、 Taiは放射温度計で測定される
見掛けの温度、εs はチューブの放射率、 Tsiはチュー
ブの温度、εw は炉内壁の放射率、 Tw は炉内壁の温度
である。そして、右辺第一項はチューブ表面からの放射
強度、第二項は炉内壁からの反射光である。ここではこ
れらを一括してΔn で表している。P(T) は放射温度計
やCCDカメラの出力電圧に比例し、周知のように放射
温度計やCCD素子について予め黒体炉を用いて TとP
(T) の関係を求めておけばP(T) を測定することで温度
Tが求まる。
【0008】上記(1) 式から判るように、放射温度計に
よる測定の欠点はεs が1.0 でないことやΔn が0でな
いために、Taiが Tsiと一致せずに正しい測温ができな
い点にある。
【0009】本発明は、従来の放射温度計に代えて工業
用テレビ(ITV)、サーマルカメラ等の熱画像測定装
置を用いて画像処理をおこなうことによって放射温度計
での測温操作では困難とされていたチューブの異常昇温
を速やかに検知することを可能にしたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明により
提供される多管式熱交換器チューブの表面温度測定法
は、多管式熱交換器チューブ表面の熱画像を工業用テレ
ビ(ITV)カメラまたはサーマルカメラで一定時刻毎
に測定して熱画像の差画像を演算し、得られた差画像に
空間微分処理を施して熱画像のなかで温度が時間的かつ
空間的に変化する場所のみを検出し、検出された場所の
温度の変化度合からチューブ表面温度を監視することを
構成上の特徴とする。
【0011】上記の測定をおこなうための本発明に係る
多管式熱交換器チューブの表面温度測定装置は、一台乃
至複数台の工業用テレビ(ITV)カメラまたはサーマ
ルカメラからなる熱画像測定装置と、前記画像測定装置
を切り換えるビデオスイッチャーおよび熱画像を一定時
刻毎に測定して熱画像の差画像を演算し、得られた差画
像に空間微分処理を施したのち、該熱画像のなかで温度
が時間的かつ空間的に変化する場所をリアルタイムで演
算する処理回路を備えた画像処理装置から構成されてな
るものである。
【0012】本発明における画像処理は、測定信号をA
D変換してデイジタル信号に変換することによりおこな
われる。CCDカメラを用いて測定する場合には、チュ
ーブの輝度分布は8ビットの濃度分布として記録され
る。通常、CCDカメラの画素数は20〜30万画素あっ
て、画像演算には時間がかかるが、本発明のようにチュ
ーブ表面温度を監視する方式には精密な画像処理はかえ
って不適当で、寧ろ画面の局部的平均化をおこなってデ
ータを圧縮する方が好ましい。
【0013】このためには、画像の視野内にあるm本の
チューブを各チューブの長手方向にn区分に分割し、各
区分におけるチューブの温度平均値を計算して代表温度
とし、得られたm×n点の放射濃度値の中で隣接する2
本のチューブの代表点について一定時刻毎に放射強度を
測定し、その差画像を(9)式にて演算してチューブの
放射率を補正し、また炉壁からの反射光に対応した放射
濃度を(12)式にて演算して環境反射光の影響を除去
したのちに、時間的かつ空間的に温度変化する場所を検
出し、その場所の温度変化量を求める方法を採ることが
好適である。
【0014】例えば、一画面にm本のチューブが測定さ
れているとすれば、各チューブをn等分し、各区分の濃
度を平均して代表値とする。したがって、1画面でm×
n点の濃度値が得られる。このような局部的な平均化を
おこなうと、細かいノイズが消えて精度が向上するのみ
ならず、大幅にデータが圧縮されて演算速度が早くな
る。この際、m×n点の濃度値の中で隣接する2本のチ
ューブの代表点i,jについては以下の関係が成り立
つ。
【0015】i点の時刻tにおける測定値とt+dtに
おける測定値をそれぞれ (2)式および(3) 式で表す。 Pt (Tai) =εs t (Tsi) +Δnt (2) Pt+dt(Tai) =εs t+dt(Tsi) +Δnt+dt (3) 両者の差画像演算をおこなうと、i点に関する濃度値は
(4) 式のようになる。 DPi =Pt+dt(Tai) −Pt (Tai) =εs ( Pt+dt(Tsi)-Pt (Tsi)) +( Δnt+dt−Δnt ) (4)
【0016】チューブの放射率は、表面が一旦酸化され
ると経時的には余り変化しない。これに対し、反射光Δ
nは操作条件や燃焼状態が変わると時間とともに大幅に
変化するが、その影響範囲は比較的広い範囲に亘って一
様に生じるために隣接するチューブからの反射光量は等
しい。すなわち、j点でのチューブの放射率と反射光量
はi点と等しくなる。このような特性を考慮すると、j
点については(5) 式が得られる。 P(Taj) =εs P(Tsj) +Δn (5) j点の差分濃度に関しては、(6) 式が得られる。 DPj (dt)=Pt+dt(Taj) −Pt (Taj) =εs ( Pt+dt(Tsj) −Pt (Tsj))+ (Δnt+dt−Δnt ) (6)
【0017】i点とj点の濃度差は(7) 式のようにな
る。 D2 P(dt)=εs {(Pt+dt(Tsi) −Pt (Tsi)) −(Pt+dt(Tsj) −Pt (Tsj))} (7) 上式において反射光の影響が除去されている。dtの間で
i点の温度がΔT だけ上昇すると、P(T) をWienの式で
近似すれば(7) 式は次の(8) 式のようになる。 D2 P(dt)≒εs k(1-ΔT/ Tsi )×exp(-C2/λ Tsi) (8) これを変形すると次式が得られる。 ΔT={1-D2 P/(εs k ×exp(-C2/λ Tsi))}× Tsi (9)
【0018】上式でk、C2は定数、λは測定波長であ
る。 Tsiは通常1000℃前後の値で操業されている。ま
た、チューブの材質はNi−Cr系合金であるがその放
射率は0.7 〜0.8 程度である。これらの値を上式に代入
するとほぼ正確に温度変化ΔTを求めることができる。
チューブの表面温度を正確に計算するには (1)式におい
て反射光量を見積もる必要がある。熱画像の中に一部炉
壁を取込めば、炉壁放射に対応した濃度をPw として反
射光量Δnは(10)式となる。 Δn=(1−εs ) εw P(Tw ) =(1−εs ) Pw (10) したがって、(1) 式から(11)式が導かれ、P(T)をWien
の式で表すと(12)式となりTSiが求まる。 P(Tsi) ={(P(Tai) −(1−εs ) Pw }/εs (11) Tsi=A1exp(-C2/ λT)+A2 (12) A1 =k/εs λ、A2 =(1−εs ) Pw /εs
【0019】
【作用】本発明によれば、従来技術で使用されていた放
射温度計に代えて工業用テレビ(ITV)カメラまたは
サーマルカメラなどの熱画像測定装置を用い、多管式熱
交換器チューブ表面の熱画像を一定時刻毎に測定してそ
の差画像を演算したのち、差画像を空間微分処理して熱
画像のなかで温度が時間的かつ空間的に変化する場所の
みを検出し、温度変化の度合いからチューブ表面温度を
監視する機構で測温操作がおこなわれるから、多数本の
チューブを連続して同時に監視しながらチューブ表面温
度をいち早く検出することが可能となる。
【0020】とくに、画像視野内にあるm本のチューブ
を各チューブの長手方向にn区分に分割したうえで各区
分におけるチューブの温度平均値を計算して代表温度と
し、得られたm×n点の放射濃度値の中で隣接する2本
のチューブの代表点について一定時刻毎に放射強度を測
定し、その差画像を(9)式により演算してチューブの
放射率を補正する。ついで炉壁からの反射光による放射
濃度を(12)式にて演算して環境反射光の影響を除去
したのちに、時間的かつ空間的に温度変化する場所を検
出し、その場所の温度変化量を求める方法により反射光
の影響を最大5℃以下に抑制することができ、僅かなチ
ューブ表面の温度上昇も正確に測定することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。なお、本例はナフサ熱分解炉に装備された多管
式熱交換器のチューブ表面温度についての測温操作を示
しているが、本発明の測温対象はこれに限られるもので
はない。
【0022】実施例 図1は本発明を用いてナフサ熱分解炉に装着された多管
式熱交換器のチューブ表面温度を測定する場合の全体構
成図、図2はその部分拡大略図である。ナフサ熱分解用
の炉1の四方に設けられた測定孔5の炉外にSi−CC
D素子を組込んだ4台の工業用テレビ(CCDカメラ)
10を設置する。CCDカメラ10に可視光線をカットする
フィルターを取り付けると、500 ℃を越える高温物体用
の熱画像測定装置が構成できる。CCDカメラ10から出
力される信号はビデオスイッチャー11を経て熱画像処理
装置12に送られる。4台のカメラは常時一定間隔で切換
えられて画面上のチューブの温度変化を監視する。温度
変化がキャッチされると警報ランプ13が点灯し、CRT
上にチューブ測温位置(i,j) 、温度上昇値ΔT、表面温
度Tsを表示する。オペレータはこの指示を確認し、必要
に応じて操業変更を行なうことができる。
【0023】図3は、本発明による画像演算を示すブロ
ックダイヤグラムである。CCDカメラ10から出力され
るビデオ信号はAD変換器を通してデジタル信号に変換
され、一定時刻間隔δt 毎に熱画像をフレームメモリに
記録される。予めルックアップテーブルに書込まれてい
るチューブの位置とチューブ内区分を示す座標を参照し
て微小部分の濃度値を平均してm×n点の代表値に変換
する。この濃度計算値をPm n で示す。従ってδt 間
隔でPm n が記録される。次いで差信号D2 P(dt)を
計算する。この場合の時間間隔dtをあまり小さくとると
差信号が小さくなり精度が低下し、逆にあまりを大きく
とると温度差が必要以上に大きくなって危険な状態を招
く虞れが生じる。またチューブの温度は分解炉の操業が
連続して長期にわたる場合には、ある時期まではゆっく
り変化するが、ある期間を過ぎると比較的短時間に大き
く変るようになり必ずしも一定していない。そこで過去
の経験から図4に示すように、k=1〜kとしてk点の
時間差 kδt に対応した差信号ΔTm , n (k) を各サン
プリング時刻毎に計算する。画面上で(i,j)点のチュー
ブ温度が上昇を開始したとすると、図5のように時間間
隔に対応して温度差ΔTが増加する関係図が得られる。
この値が予め設定した閾値ΔTsを超えた場合に警報を発
する。
【0024】 ΔTi , j (k) >ΔTs (13) 警報が発せられたならば上(13)式から特定された場所の
温度を計算してその場所の温度Ti , j と温度変化ΔT
i , jを出力する。
【0025】CCDカメラを用いて炉温や分解ガス量が
変化した場合のチューブ表面温度の変化を測定した結果
を表1に示す。この場合のチューブ表面の放射率は0.7
、炉壁の放射率は0.95である。また、サンプリング間
隔δt は1時間で、k=1として差信号も1時間毎に計
算している。表1において温度誤差はCCDカメラで測
定したデータを演算して求めたチューブ表面温度の誤差
である。変化誤差は1時間毎のチューブ温度変化量の計
算誤差で、CCDカメラによる測定がチューブの温度上
昇をどこまで正確に追従できるかを示している。この結
果から分かるように反射光の影響は最大5℃以下に抑制
され、僅かなチューブの温度上昇もほぼ正確に検出され
ている。
【0026】
【表1】
【0027】比較例 図7の構成により放射温度計を用いてナフサ熱分解炉に
装備した多管式熱交換器のチューブ表面温度を測定し、
その測温結果を表2に示した。チューブ表面の放射率は
0.7 、炉壁の放射率は0.95である。誤差を評価するた
め、チューブ表面と炉壁には熱電対を埋め込んで正確な
温度を測定するように配慮した。
【0028】
【表2】
【0029】放射温度計の放射率設定値は、可及的に測
温誤差を小さくするように選ぶと1.43になる。通常は1.
0 を越えることはないが、反射光が重畳するために見掛
け上このような高い値となる。この方式では反射光の影
響を除去することができず、チューブ温度が変化しなく
ても炉温が変動すると最大21℃の誤差を生じ、チューブ
温度が変化した場合にも反射光があるために見掛け上温
度変化が小さく測定されてしまい、変化量で最大12℃の
誤差を生じる。この例から判るように、放射温度計によ
る測定ではチューブ管理のうえから問題となるカーボン
析出による温度上昇を的確に捉えることができない。
【0030】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば多管式熱
交換器のチューブ表面温度を常に迅速かつ精度よく測温
することができる測定方法および測定装置が提供され
る。したがって、とくにナフサ熱分解炉に装備される多
管式熱交換器のチューブ表面温度の変動を監視する目的
に有用性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例によるナフサ熱分解炉に装備した多管式
熱交換器チューブ表面温度の測定システムを示した全体
構成図である。
【図2】図1の部分を拡大して示した断面略図である。
【図3】本発明による画像演算を示したブロックダイヤ
グラムである。
【図4】実施例における時間差信号の求め方を示した説
明グラフである。
【図5】実施例による温度差の推移を示したグラフであ
る。
【図6】ナフサ熱分解炉を示した部分切欠斜視図であ
る。
【図7】従来の放射温度計を用いて多管式熱交換器のチ
ューブ表面温度を測定する構成を示した断面略図であ
る。
【符号の説明】
1 炉 2 多管式熱交換器 3 チューブ 4 炉壁 5 測定孔 6 放射温度計 7 バーナ 8 表面放射 9 炉壁からの反射光 10 工業用テレビ(CCDカメラ) 11 ビデオスイッチャー 12 熱画像測定装置 13 警報ランプ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多管式熱交換器チューブ表面の熱画像を
    工業用テレビ(ITV)カメラまたはサーマルカメラで
    一定時刻毎に測定して熱画像の差画像を演算し、得られ
    た差画像に空間微分処理を施して熱画像のなかで温度が
    時間的かつ空間的に変化する場所のみを検出し、検出さ
    れた場所の温度の変化度合からチューブ表面温度を監視
    することを特徴とする多管式熱交換器チューブの表面温
    度測定法。
  2. 【請求項2】 画像の視野内にあるm本のチューブを各
    チューブの長手方向にn区分に分割し、各区分における
    チューブの温度平均値を計算して代表温度とし、得られ
    たm×n点の放射濃度値の中で隣接する2本のチューブ
    の代表点について一定時刻毎に放射強度を測定し、その
    差画像を下記(9)式にて演算してチューブの放射率を
    補正し、また炉壁からの反射光に対応した放射濃度を下
    記(12)式にて演算して環境反射光の影響を除去した
    のちに、時間的かつ空間的に温度変化する場所を検出
    し、その場所の温度変化量を求める請求項1記載の多管
    式熱交換器チューブの表面温度測定法。 (9)式:ΔT={1−DP/(εk×exp(−C/λTsi))}× Tsi 但し、ΔT;温度変化、DP;放射濃度差、ε;チ
    ューブの放射率、k、C;定数、λ;測定波長、T
    si;チューブの温度である。 (12)式:Tsi=Aexp(−C/λT)+A 但し、A=k/ελ、A=(1−ε)P/ε
    、P;炉壁放射濃度である。
  3. 【請求項3】 チューブ表面と炉壁からの放射を同時に
    測定し、炉壁からの放射がチューブ表面で反射して迷光
    として測定される反射光量Δnを下記(10)式にて演
    算し、算出した炉壁からの反射光量Δnを(1)式に代
    入して導かれた下記(11)式により迷光として測定さ
    れる量を補正して、チューブ表面からの放射のみを検知
    する請求項1又は2記載の多管式熱交換器チューブの表
    面温度測定法。(10)式:Δn=(1−ε )ε P(T )=(1−ε )P 但し、Δn;炉壁からの反射光量、ε ;チューブの放
    射率、ε ;炉内壁 の放射率、T ;炉内壁の温度、P
    ;炉壁放射濃度、である。 (11)式:P(T si )={P(T ai )−(1−ε )P }/ε 但し、T si ;チューブの温度、T ai ;放射温度計で
    測定される見掛けの 温度である。
  4. 【請求項4】 一台乃至複数台の工業用テレビ(IT
    V)カメラまたはサーマルカメラからなる熱画像測定装
    置と、前記画像測定装置を切り換えるビデオスイッチャ
    ーおよび熱画像を一定時刻毎に測定して熱画像の差画像
    を演算し、得られた差画像に空間微分処理を施したの
    ち、該熱画像のなかで温度が時間的かつ空間的に変化す
    る場所をリアルタイムで演算する処理回路を備えた画像
    処理装置から構成されてなる多管式熱交換器チューブの
    表面温度測定装置。
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