JP2002090224A - 温度計の異常検知方法および異常検知装置 - Google Patents

温度計の異常検知方法および異常検知装置

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JP2002090224A
JP2002090224A JP2000285336A JP2000285336A JP2002090224A JP 2002090224 A JP2002090224 A JP 2002090224A JP 2000285336 A JP2000285336 A JP 2000285336A JP 2000285336 A JP2000285336 A JP 2000285336A JP 2002090224 A JP2002090224 A JP 2002090224A
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temperature
radiation thermometer
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thermometer
temperature measurement
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JP2000285336A
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Manabu Kuroda
学 黒田
Satoshi Fujii
聡 藤井
Hiroyuki Shimamoto
拓幸 島本
Shigeyuki Doi
茂行 土井
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】炉内ガス温度などの温度計測に用いられる放射
温度計の異常を迅速に検知することができる温度計の異
常検知方法および異常検知装置を提供する。 【解決手段】放射温度計と該放射温度計に隣接して設置
した熱電対により連続的に計測される温度計測結果を取
り込む温度取込ステップと、該温度取込ステップで取り
込まれた前記放射温度計による温度計測結果の内で少な
くとも最新の温度計測結果を含む1以上の計測値群と、
該少なくとも最新の温度計測結果を含む1以上の計測値
群を含まない1以上の計測値群とに基づき放射温度計の
異常判定を行う突発異常判定ステップと、前記温度取込
ステップで取り込まれた前記放射温度計による温度計測
結果と前記熱電対による温度計測結果に基づき放射温度
計の異常判定を行う経時異常判定ステップとを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、温度計を
用いてガス温度を計測する化石燃料や廃棄物等の燃焼物
を燃焼させる炉に好適な温度計の異常検知方法および異
常検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】化石燃料や廃棄物等の燃焼物を燃焼させ
る動力炉、焼却炉、或いは溶融炉等における燃焼制御
は、多くの場合、経済性を重視する観点から熱電対によ
る温度計測に基づいて行われている。しかし、接触型の
温度計測法である熱電対による温度計測では、燃焼ガス
の温度が著しく高温の場合には溶融スラグ等によって熱
電対の保護管が激しく腐食及び摩耗されるため保護管等
を頻繁に交換しなければならず、ランニングコストが嵩
むと言った問題がある。また、燃焼炉が冷却壁構造を有
している場合等、炉内壁の温度が燃焼ガス温度よりも低
い場合には、熱電対が炉内壁による放射冷却の影響を受
け真の燃焼ガス温度よりも低い温度を表示し、誤った温
度計測値に基づき燃焼制御を行ったり、炉の正確な熱収
支計算ができなくなると言った問題がある。さらに、熱
電対による温度計測は、温度変化に対する応答性が高く
ないため、ダイオキシン類の低減に必要な正確な計測温
度に基づくリアルタイムの燃焼制御には問題を有してい
た。
【0003】上記のような問題を解決する方法として、
被測定物からの赤外線放射エネルギーを検出する、いわ
ゆる非接触型の温度計測法である放射温度計を用いた温
度の計測方法がある。放射温度計による燃焼ガスの温度
計測は、非接触の温度計測法であるため温度計本体を炉
の内部に設置する必要がないため燃焼ガス等による温度
計の腐食及び摩耗と言った問題がなく、さらに、熱電対
による温度計測に比べて遙かに温度変化に対する応答性
がよい。そのため、迅速な応答が要求される動力炉、焼
却炉、或いは溶融炉等の制御に対して利用価値が高い。
【0004】例えば、特開平6−117619号公報に
は、都市ごみ用の焼却炉において、被焼却物の乾燥を行
う乾燥帯に二つの放射温度計を設置し、一つは水分によ
る吸収率の高い波長域(7〜8μm)の放射エネルギー
を計測し、もう一つは水分による吸収率の低い波長域
(9μm以上)の放射エネルギーを計測し、その相対比較
により乾燥帯における被燃焼物の乾燥度合いを検出して
燃焼制御を行う方法が開示されている。
【0005】一般に放射温度計を燃焼ガス温度の計測に
用いる場合、放射温度計は炉体より突出させた計測ノズ
ルの外側に設置されるが、これは、放射温度計の視野を
確保すると共に覗き窓の曝される温度を低く保つためで
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、放射温度計に
よる温度計測においては、以下の要因により正確なガス
温度の計測が困難となることがある。
【0007】1)放射温度計の電気的トラブル或いは本
体の故障 放射温度計に接続する導線の断線、或いは放射温度計が
チョッパモーターを用いた検出方式のものである場合に
チョッパモーターの寿命による故障で突発的に異常な温
度を表示する。
【0008】2)外乱により計測視野が覆われる場合 燃焼の際に発生する灰などが放射温度計のレンズの直前
を横切ることにより、突発的に計測温度が低下する。更
に放射温度計のレンズに灰が徐々に付着することによ
り、経時的に温度が実際よりも低い計測値になってしま
う。また、炉壁に付着したクリンカが成長することによ
り、計測ノズル表面、つまり放射温度計のレンズの計測
視野を徐々に覆い、経時的に温度が実際よりも低い計測
値になってしまう。
【0009】以上のような原因により、放射温度計によ
る計測温度が実際のガス温度と異なる場合、異なった温
度に基づき燃焼状態の制御を行うこととなり、炉内燃焼
状態の制御が正確に行えないと言った問題があった。
【0010】本発明は以上の問題点を解決し、炉内ガス
温度などの温度計測に用いられる放射温度計の異常を迅
速に検知することができる温度計の異常検知方法および
異常検知装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】放射温度計を用いた場
合、放射温度計による計測温度が実際のガス温度と異な
る場合の温度挙動の現れ方としては、主に次の2通りの
場合が考えられる。
【0012】一つは突発的に温度が低下する場合であ
り、以下、この異常を「突発異常」と言う。具体的に
は、例えば、放射温度計本体に内蔵しているチョッパモ
ーターの停止等に起因する温度表示異常、或いは炉体よ
り突出している計測ノズル内の圧力変化等により燃焼の
際に発生する灰などが計測ノズルまで入り込み、放射温
度計のレンズの視野を横切ることによる温度表示異常で
ある。この場合、温度表示は瞬時に200〜300℃程
度、あるいはそれ以上温度の表示値が低下する。
【0013】もう一つは、経時的に温度が平均レベルで
緩やかに低下する場合であり、以下、この異常を「経時
異常」と言う。具体的には、例えば、放射温度計のレン
ズ(あるいは放射温度計直前の硝子)へ灰が付着・蓄積
し、或いは炉壁に発生したクリンカが成長して放射温度
計のレンズの視野を徐々に覆うことによる温度表示異常
である。この場合、経時的に温度の計測値が徐々に低下
する。
【0014】前記突発異常については、放射温度計によ
り計測される温度の所定時間毎の平均値を現在と過去の
値で比較することにより燃焼状態の変化に起因する温度
変化と放射温度計の突発異常に起因する温度変化とを区
別できる。また、前記経時異常については、放射温度計
と熱電対を隣接して設置し、放射温度計と熱電対のそれ
ぞれで計測した温度の所定時間毎の平均値を比較するこ
とにより燃焼状態の変化に起因する温度変化と放射温度
計の経時異常に起因する温度変化とを区別できる。
【0015】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、以下のような特徴を有する温度計の異常検知方
法および異常検知装置である。 [1]放射温度計により連続的に計測される温度計測結
果を取り込む温度取込ステップと、該温度取込ステップ
で取り込まれた温度計測結果の内で少なくとも最新の温
度計測結果を含む1以上の計測値群と、該少なくとも最
新の温度計測結果を含む1以上の計測値群を含まない1
以上の計測値群とに基づき放射温度計の異常判定を行う
突発異常判定ステップとを有することを特徴とする温度
計の異常検知方法。 [2]放射温度計により一定の時間間隔で計測される温
度計測結果を取り込む温度取込ステップと、該温度取込
ステップで取り込まれた温度計測結果の所定時間毎の平
均値を算出し、該算出した平均値の最新の値と過去に算
出した平均値との差分値に基づき放射温度計の異常判定
を行う突発異常判定ステップとを有することを特徴とす
る温度計の異常検知方法。 [3]放射温度計と該放射温度計に隣接して設置した熱
電対により連続的に計測される温度計測結果を取り込む
温度取込ステップと、該温度取込ステップで取り込まれ
た前記放射温度計による温度計測結果と前記熱電対によ
る温度計測結果とに基づき放射温度計の異常判定を行う
経時異常判定ステップとを有することを特徴とする温度
計の異常検知方法。 [4]放射温度計と該放射温度計に隣接して設置した熱
電対により一定の時間間隔で計測される温度計測結果を
取り込む温度取込ステップと、該温度取込ステップで取
り込まれた前記放射温度計による温度計測結果の所定時
間毎の平均値と前記熱電対による温度計測結果の所定時
間毎の平均値との温度差に基づき放射温度計の異常判定
を行う経時異常判定ステップとを有することを特徴とす
る温度計の異常検知方法。 [5]放射温度計と該放射温度計に隣接して設置した熱
電対により連続的に計測される温度計測結果を取り込む
温度取込ステップと、該温度取込ステップで取り込まれ
た前記放射温度計による温度計測結果の内で少なくとも
最新の温度計測結果を含む1以上の計測値群と、該少な
くとも最新の温度計測結果を含む1以上の計測値群を含
まない1以上の計測値群とに基づき放射温度計の異常判
定を行う突発異常判定ステップと、前記温度取込ステッ
プで取り込まれた前記放射温度計による温度計測結果と
前記熱電対による温度計測結果に基づき放射温度計の異
常判定を行う経時異常判定ステップとを有することを特
徴とする温度計の異常検知方法。 [6]上記[1]乃至[5]のうちいずれかに記載の温
度計の異常検知方法により放射温度計の異常を検知した
場合に、異常を検知した放射温度計の計測温度に基づく
燃焼制御を中止することを特徴とする炉の操業方法。 [7]放射温度計と、該放射温度計で計測した温度計測
結果を取り込む温度取込部と、該温度取込部で取り込ん
だ温度計測結果の内で少なくとも最新の温度計測結果を
含む1以上の計測値群と、該少なくとも最新の温度計測
結果を含む1以上の計測値群を含まない1以上の計測値
群とに基づき放射温度計の異常判定を行う突発異常判定
部とを有することを特徴とする温度計の異常検知装置。 [8]放射温度計と、該放射温度計に隣接して設置した
熱電対と、前記放射温度計及び熱電対で計測した温度計
測結果を取り込む温度取込部と、該温度取込部で取り込
まれた前記放射温度計による温度計測結果と前記熱電対
による温度計測結果に基づき放射温度計の異常判定を行
う経時異常判定部とを有することを特徴とする温度計の
異常検知装置。 [9]放射温度計と、該放射温度計に隣接して設置した
熱電対と、前記放射温度計及び熱電対で計測した温度計
測結果を取り込む温度取込部と、該温度取込部で取り込
まれた前記放射温度計による温度計測結果と前記熱電対
による温度計測結果に基づき放射温度計の異常判定を行
う突発異常判定部及び経時異常判定部とを有することを
特徴とする温度計の異常検知装置。 [10]上記[7]乃至[9]のうちいずれかにおい
て、温度計の異常原因をガイダンスにて表示するガイダ
ンス表示部を有することを特徴とする温度計の異常検知
装置。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る温度計の異
常検知装置の一例を示す概略構成図である。
【0017】図1に示す温度計の異常検知装置は、燃焼
炉内1のガス温度を非接触で計測する放射温度計4と、
該放射温度計4に隣接して設置し燃焼炉内1のガス温度
を計測する熱電対5と、前記放射温度計4及び熱電対5
で計測される温度計測結果を取り込み、この取り込まれ
た温度計測結果に基づき放射温度計4の突発異常及び/
又は経時異常の判定を行い、異常と判定された場合に所
定の異常信号を出力する異常判定部6と、該異常判定部
6から出力された所定の異常信号に基づき所定の異常表
示を行うガイダンス表示部7とを有する。
【0018】なお、異常判定部6は、例えば放射温度計
4及び熱電対5で計測される温度計測結果を取り込む部
分を温度取込部、取り込まれた温度計測結果に基づき放
射温度計4の突発異常の判定を行う部分を突発異常判定
部、取り込まれた温度計測結果に基づき放射温度計4の
経時異常の判定を行う部分を経時異常判定部として構成
しても良い。
【0019】ここで、放射温度計4は、炉壁2の外側に
設けられ、内部が燃焼炉内1に連通した筒状の計測ノズ
ル3aの先端部にフランジ9aを介して取り付けられて
いる。なお、燃焼の際に発生する灰による放射温度計の
視界遮断や放射温度計のレンズへの灰の付着を極力防止
するために、計測ノズル3aの内にはパージエアを供給
することが望ましい。
【0020】また、放射温度計4は、燃焼炉内1の特定
成分の吸収波長帯における放射エネルギーを検知するこ
とにより温度を計測する方式のものを用いることが好ま
しい。なお、前記特定成分としては、CO或いはCO2
を用いることが好ましい。CO或いはCO2は燃焼炉内
に大量に存在し、他の成分、例えばN2と比較して吸収
波長帯における放射エネルギーが大きいため正確な温度
の計測が可能となるからである。
【0021】また、熱電対5は、計測ノズル3aに隣接
して設けた計測ノズル3b内をフランジ9bを介して導
入し、燃焼炉内1に熱電対5の先端部が出るように挿入
されている。ここで、熱電対5は保護管付の熱電対とす
ることが好ましい。
【0022】本発明に係る温度計の異常検知方法の一例
は、放射温度計4及び熱電対5により計測される燃焼炉
内のガス温度を異常判定部6に取り込み、該異常判定部
6において所定の処理を行い、放射温度計4及び/又は
熱電対5の異常判定を行うものである。
【0023】なお、異常判定部6において放射温度計4
及び/又は熱電対5が異常と判定された場合には、異常
判定部6は所定の異常信号を出力する。この異常判定部
6から出力された所定の異常信号に基づき、ガイダンス
表示部7で所定の異常表示を行う。
【0024】図2は、前記異常判定部6での異常判定方
法の一例を説明するためのフロー図である。図2に示す
異常判定部6での異常判定方法は、放射温度計及び熱電
対による温度計測結果の取り込みを行う温度取込ステッ
プと、上述した突発異常の判定を行う突発異常判定ステ
ップと、経時異常の判定を行う経時異常判定ステップと
を有する。以下、その内容を図2のフロー図を用いて説
明する。
【0025】(1)温度取込ステップ(S01) まず、S01の温度取込ステップでは放射温度計4及び
保護管付の熱電対5によりそれぞれ一定の時間間隔、例
えば、10秒程度の時間間隔で計測される燃焼炉内のガ
ス温度の取り込みを行う。なお、本実施形態においては
前記時間間隔は10秒とした。
【0026】この放射温度計4及び保護管付の熱電対5
から一定の時間間隔で取り込まれたそれぞれの燃焼炉内
のガス温度の温度計測結果は記録され、以下の処理が行
われる。
【0027】(2)突発異常判定ステップ(S02〜S
06) 突発異常判定ステップは、前記(1)の温度取込ステッ
プで取り込まれた放射温度計4による温度計測結果の所
定時間毎の平均値を算出し、該算出した平均値の最新の
値と、前記算出した平均値の最新の値と過去に算出した
平均値との差分値とに基づき放射温度計の異常判定を行
うものである。
【0028】S02のステップでは、突発異常の判定に
必要な所定時間が経過したか否かの判断を行う。ここ
で、突発異常の判定に必要な所定時間としては、例えば
30秒〜1分程度の比較的短時間とすることが好まし
い。なお、本実施形態においては前記所定時間を1分と
した。
【0029】S02のステップでの判断で所定時間が経
過した場合には次のS03のステップに進み、所定時間
が経過していない場合は後述する経時異常判定ステップ
に進む。
【0030】S02のステップで突発異常の判定に必要
な所定時間が経過したと判断された場合には、S03の
ステップで前記所定時間内に計測した燃焼炉内のガス温
度の平均値を算出し、算出結果を記録する。つまり、本
実施形態においては、10秒間隔で計測した燃焼炉内の
ガス温度の1分間、つまり6ポイントの温度の平均値を
算出し、平均値の最新の値TI1として記録する。
【0031】次に、S04のステップでは、S03のス
テップで算出したTI1の値と、過去に算出した平均
値、本実施形態においてはTI1を算出した1分間の直
前の1分間に計測した温度から算出した平均値TI1P
により、以下の2つの判定式を共に満たすか否かの判定
を行う。
【0032】判別式1 TI1≦PL1 判別式2 TI1−TI1P≦PL2 ここで、PL1(温度下限パラメータ)とPL2(温度
差下限パラメータ)は予め設定される所定の温度であ
る。
【0033】上記判別式の1と2を共に満たす場合に
は、S06のステップに進む。上記判別式の1と2を共
に満たす場合以外は、S05のステップでTI1の値を
TI1Pに置き換えて記憶し、後述する経時異常判定ス
テップに進む。
【0034】S04のステップで上記判別式の1と2を
共に満たすと判断された場合には、突発異常が発生した
として、S06のステップにおいて突発異常の異常信号
の出力を行う。
【0035】また、上記判別式2のみにより判断し、上
記判別式2を満たすと判断された場合に突発異常が発生
したとして、S06のステップにおいて突発異常の異常
信号の出力を行うこととしても本発明の目的を達成する
ことが可能であるが、判別式1を併せ用いることによ
り、炉内の温度が急激に下がるような場合でもより正確
な判定が可能である。
【0036】S06のステップで異常判定部6から出力
された突発異常の異常信号はガイダンス表示部7に入力
され突発異常の発生を表示する。ガイダンス表示部7に
よる突発異常表示の一例を図3に示す。表示は、例えば
異常を検知した時間、異常を起こした温度計の表示、異
常の種類、及び予想される異常の原因等を表示する。
【0037】また、前記突発異常表示をすると共に、異
常判定部6から出力された突発異常の異常信号は、燃焼
炉の燃焼制御を行っている自動燃焼制御装置8に送信す
ることが好ましい。前記自動燃焼制御装置8は、燃焼炉
内の各種状態量の計測値から炉内の燃焼状態を把握し、
炉内の燃焼状態を最適化するための制御を行っている。
前記放射温度計4による温度計測値も状態量の一つとし
て前記自動燃焼制御装置8に入力され、炉内燃焼状態の
制御に用いられている。そのため、異常判定部6から出
力された突発異常の異常信号を自動燃焼制御装置8に送
信することにより、異常を起こした温度計からの入力信
号に基づく燃焼制御を中止することが可能となり、誤っ
た温度計測結果に基づく炉内燃焼状態の悪化を最小限に
抑えることができる。
【0038】(3)経時異常判定ステップ(S12〜S
17) 経時異常判定ステップは、前記(1)の温度取込ステッ
プで取り込まれた放射温度計4による温度計測結果の所
定時間毎の平均値と熱電対5による温度計測結果の所定
時間毎の平均値との温度差に基づき放射温度計の異常判
定を行うものである。
【0039】S12のステップでは、経時異常の判定に
必要な所定時間が経過したか否かの判断を行う。ここ
で、経時異常の判定に必要な所定時間としては、例えば
10〜30分程度の時間とすることが好ましい。なお、
本実施形態においては前記所定時間を10分とした。
【0040】経時異常の判定に必要な所定時間を突発異
常の判定に必要な所定時間よりも長時間とするのは、放
射温度計と保護管付の熱電対の間で通常2〜3分あると
される応答時間の差の影響を受けないようにするためで
ある。
【0041】S12のステップでの判断で所定時間が経
過した場合には次のS13のステップに進み、所定時間
が経過していない場合はS01のステップに戻り処理を
繰り返す。
【0042】S12のステップで経時異常の判定に必要
な所定時間が経過したと判断された場合には、S13の
ステップで前記所定時間内に放射温度計4で計測した燃
焼炉内のガス温度と保護管付き熱電対5で計測した燃焼
炉内のガス温度の平均値をそれぞれ算出し、算出結果を
それぞれTI2,TT2として記録する。つまり、本実
施形態においては、10秒間隔で計測した放射温度計4
と保護管付き熱電対5の10分間、つまり60ポイント
の温度の平均値を算出し、TI2とTT2として記録す
る。
【0043】次に、S14のステップでは、保護管付き
熱電対5で計測した温度から算出した平均値TT2の値
が異常か否かの判断を行う。これは、放射温度計4の経
時異常を判断する際に、保護管付き熱電対5で計測した
温度に異常があると正確な異常判定が行えなくなるから
である。ここで、保護管付き熱電対5で計測した温度が
異常な場合とは、熱電対の特性上、熱電対の断線による
表示異常の場合である。なお、この場合は、熱電対の仕
様により異なるが温度計測値が無限大或いはゼロ等の極
限値となるため、所定のしきい値を設けることにより容
易に熱電対の異常を判断することができる。
【0044】S14での判断が異常となった場合には、
保護管付き熱電対5の異常が発生したとして、S16の
ステップにおいて熱電対異常の異常信号の出力を行う。
【0045】S16のステップで異常判定部6から出力
された熱電対異常の異常信号はガイダンス表示部7に入
力され熱電対異常の発生を表示する。ガイダンス表示部
7による熱電対異常表示の一例を図4に示す。表示は、
例えば異常を検知した時間、異常を起こした熱電対の表
示、異常の種類、及び予想される異常の原因等を表示す
る。
【0046】また、前記熱電対異常表示をすると共に、
異常判定部6から出力された熱電対異常の異常信号は、
燃焼炉の燃焼制御を行っている自動燃焼制御装置8に送
信することが好ましい。前記自動燃焼制御装置8には、
前記保護管付き熱電対5による温度計測値も炉内の燃焼
状態を把握する状態量の一つとして入力され、炉内燃焼
状態の制御に用いられている。そのため、異常判定部6
から出力された熱電対異常の異常信号を自動燃焼制御装
置8に送信することにより、異常を起こした熱電対から
の入力信号に基づく燃焼制御を中止することが可能とな
り、誤った温度計測結果に基づく炉内燃焼状態の悪化を
最小限に抑えることができる。
【0047】S14での判断が異常でないとなった場合
には、S15のステップにおいてS13のステップで算
出したTI2とTT2により、以下の判定式3を満たす
か否かの判定を行う。
【0048】判別式3 TI2−TT2≦PL3 ここで、PL3(温度差下限パラメータ)は予め設定さ
れる所定の温度である。
【0049】上記判別式3を満たす場合には、S17の
ステップに進む。上記判別式3を満たさない場合は、S
01のステップに戻り上述した一連の処理を繰り返す。
【0050】S15のステップで上記判別式3を満たす
と判断された場合には、経時異常が発生したとしてS1
7のステップにおいて経時異常の異常信号の出力を行
う。
【0051】S17のステップで異常判定部6から出力
された経時異常の異常信号はガイダンス表示部7に入力
され経時異常の発生を表示する。ガイダンス表示部7に
よる経時異常表示の一例を図5に示す。表示は、例えば
異常を検知した時間、異常を起こした温度計の表示、異
常の種類、及び予想される異常の原因等を表示する。
【0052】また、前記経時異常表示をすると共に、異
常判定部6から出力された経時異常の異常信号は、燃焼
炉の燃焼制御を行っている自動燃焼制御装置8に送信す
ることが好ましい。前記自動燃焼制御装置8には、前記
放射温度計4及び熱電対5による温度計測値も炉内の燃
焼状態を把握する状態量の一つとして入力され、炉内燃
焼状態の制御に用いられている。そのため、異常判定部
6から出力された経時異常の異常信号を自動燃焼制御装
置8に送信することにより、異常を起こした温度計から
の入力信号に基づく燃焼制御を中止することが可能とな
り、誤った温度計測結果に基づく炉内燃焼状態の悪化を
最小限に抑えることができる。
【0053】以上、本実施形態においては、異常判定部
6において突発異常判定ステップ及び経時異常判定ステ
ップの双方の処理を行い放射温度計4の異常判定を行っ
ているが、異常判定部6において突発異常判定ステップ
又は経時異常判定ステップを単独で行う構成としても本
発明の目的を達成することができることは言うまでもな
い。なお、突発異常判定ステップを単独で行う場合に
は、前記S01の温度取込ステップでは、放射温度計4
による温度計測結果のみを取り込むようにすることが好
ましい。
【0054】また、本実施形態においては、異常判定部
6とガイダンス表示部7を別々の構成としているが、ガ
イダンス表示部7を異常判定部6に組み込んだ構成とし
ても良い。さらに、本実施形態においては、自動燃焼制
御装置8を本発明に係る異常検知装置と別に設けている
が、異常判定部6とガイダンス表示部7を自動燃焼制御
装置8に組み込んだ構成としても良い。
【0055】なお、本発明を、例えばごみ焼却炉、動力
炉、或いは溶融炉に適応した場合には、正確な計測温度
に基づくリアルタイムの燃焼制御が可能となり、ダイオ
キシン類の低減に効果を有する。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、炉
内ガス温度などの温度計測に用いられる放射温度計の異
常を迅速に検知し、異常を検知した場合に放射温度計を
参照入力とした制御を停止することで炉内燃焼状態の悪
化を最小限に抑え、さらに、異常の原因を運転員へ通知
することで計測異常の原因解消を迅速に行うことができ
る温度計の異常検知方法および異常検知装置を提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温度計の異常検知装置の一例を示
す概略構成図である。
【図2】異常判定部6での異常判定方法の一例を説明す
るためのフロー図である。
【図3】ガイダンス表示部による突発異常表示の一例を
示す図である。
【図4】ガイダンス表示部による熱電対異常表示の一例
を示す図である。
【図5】ガイダンス表示部による経時異常表示の一例を
示す図である。
【符号の説明】
1 燃焼炉 2 炉壁 3a,3b 計測ノズル 4 放射温度計 5 保護管付き熱電対 6 異常判定部 7 ガイダンス表示部 8 自動燃焼制御装置 9a,9b フランジ
フロントページの続き (72)発明者 島本 拓幸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 土井 茂行 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2G066 AC01 AC14 BA08 BA09 BA34 BB15 BC01 BC02 CA04 CA15 CB05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射温度計により連続的に計測される温度
    計測結果を取り込む温度取込ステップと、該温度取込ス
    テップで取り込まれた温度計測結果の内で少なくとも最
    新の温度計測結果を含む1以上の計測値群と、該少なく
    とも最新の温度計測結果を含む1以上の計測値群を含ま
    ない1以上の計測値群とに基づき放射温度計の異常判定
    を行う突発異常判定ステップとを有することを特徴とす
    る温度計の異常検知方法。
  2. 【請求項2】放射温度計により一定の時間間隔で計測さ
    れる温度計測結果を取り込む温度取込ステップと、該温
    度取込ステップで取り込まれた温度計測結果の所定時間
    毎の平均値を算出し、該算出した平均値の最新の値と過
    去に算出した平均値との差分値に基づき放射温度計の異
    常判定を行う突発異常判定ステップとを有することを特
    徴とする温度計の異常検知方法。
  3. 【請求項3】放射温度計と該放射温度計に隣接して設置
    した熱電対により連続的に計測される温度計測結果を取
    り込む温度取込ステップと、該温度取込ステップで取り
    込まれた前記放射温度計による温度計測結果と前記熱電
    対による温度計測結果とに基づき放射温度計の異常判定
    を行う経時異常判定ステップとを有することを特徴とす
    る温度計の異常検知方法。
  4. 【請求項4】放射温度計と該放射温度計に隣接して設置
    した熱電対により一定の時間間隔で計測される温度計測
    結果を取り込む温度取込ステップと、該温度取込ステッ
    プで取り込まれた前記放射温度計による温度計測結果の
    所定時間毎の平均値と前記熱電対による温度計測結果の
    所定時間毎の平均値との温度差に基づき放射温度計の異
    常判定を行う経時異常判定ステップとを有することを特
    徴とする温度計の異常検知方法。
  5. 【請求項5】放射温度計と該放射温度計に隣接して設置
    した熱電対により連続的に計測される温度計測結果を取
    り込む温度取込ステップと、該温度取込ステップで取り
    込まれた前記放射温度計による温度計測結果の内で少な
    くとも最新の温度計測結果を含む1以上の計測値群と、
    該少なくとも最新の温度計測結果を含む1以上の計測値
    群を含まない1以上の計測値群とに基づき放射温度計の
    異常判定を行う突発異常判定ステップと、前記温度取込
    ステップで取り込まれた前記放射温度計による温度計測
    結果と前記熱電対による温度計測結果に基づき放射温度
    計の異常判定を行う経時異常判定ステップとを有するこ
    とを特徴とする温度計の異常検知方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5のうちいずれかに記
    載の温度計の異常検知方法により放射温度計の異常を検
    知した場合に、異常を検知した放射温度計の計測温度に
    基づく燃焼制御を中止することを特徴とする炉の操業方
    法。
  7. 【請求項7】放射温度計と、該放射温度計で計測した温
    度計測結果を取り込む温度取込部と、該温度取込部で取
    り込んだ温度計測結果の内で少なくとも最新の温度計測
    結果を含む1以上の計測値群と、該少なくとも最新の温
    度計測結果を含む1以上の計測値群を含まない1以上の
    計測値群とに基づき放射温度計の異常判定を行う突発異
    常判定部とを有することを特徴とする温度計の異常検知
    装置。
  8. 【請求項8】放射温度計と、該放射温度計に隣接して設
    置した熱電対と、前記放射温度計及び熱電対で計測した
    温度計測結果を取り込む温度取込部と、該温度取込部で
    取り込まれた前記放射温度計による温度計測結果と前記
    熱電対による温度計測結果に基づき放射温度計の異常判
    定を行う経時異常判定部とを有することを特徴とする温
    度計の異常検知装置。
  9. 【請求項9】放射温度計と、該放射温度計に隣接して設
    置した熱電対と、前記放射温度計及び熱電対で計測した
    温度計測結果を取り込む温度取込部と、該温度取込部で
    取り込まれた前記放射温度計による温度計測結果と前記
    熱電対による温度計測結果に基づき放射温度計の異常判
    定を行う突発異常判定部及び経時異常判定部とを有する
    ことを特徴とする温度計の異常検知装置。
  10. 【請求項10】温度計の異常原因をガイダンスにて表示
    するガイダンス表示部を有することを特徴とする請求項
    7乃至請求項9のうちいずれかに記載の温度計の異常検
    知装置。
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