JP2761944B2 - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

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JP2761944B2
JP2761944B2 JP1256208A JP25620889A JP2761944B2 JP 2761944 B2 JP2761944 B2 JP 2761944B2 JP 1256208 A JP1256208 A JP 1256208A JP 25620889 A JP25620889 A JP 25620889A JP 2761944 B2 JP2761944 B2 JP 2761944B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、建設機械や産業機械のシリンダロッドの位
置、自動車のピストンの位置、あるいは磁気スケールの
スケーラの位置等を磁気的に検出する位置検出装置に関
する。
〔従来の技術〕
建設機械や産業機械のシリンダロッドの位置を検出す
る場合、シリンダロッドやシリンダロッドに接続した検
出ロッドの長手方向に、透磁率の異なった部分や磁石を
所定間隔で設けてロッドの磁気的特性を異ならせ、この
磁気的特性の相違を検出して変位置等を求める位置検出
装置がしばしば用いられる。そして、このような位置検
出装置の中に、磁気的特性の相違を検出する手段として
マクスウエルブリッジ回路を利用したものがある。
マクスウエルブリッジは、第2図に示したように、ブ
リッジ回路を構成する4辺の一辺に標準となるインダク
タンスL1を有するコイル12を挿入し、他の一辺に未知の
インダクタンスL3のコイル14を挿入して、出力端子a、
b間の出力電圧を零とすることにより、インダクタンス
L3を求めることができるようになっている。
一方、マクスウエルブリッジを用いた位置検出装置
は、第3図に示したように、磁束を透過させる金属から
なる検出ロッド20の軸方向に、所定の間隔で検出ロッド
20より透磁率が大きい部分、または透磁率が小さい部分
(透磁率変化部)22を複数設け、この検出ロッド20をマ
クスウエルブリッジのインダクタンスL3のコイル14に挿
通してある。そして、検出ロッド20が紬方向に移動して
透磁率変化部22がコイル14を通過すると、コイルの自己
インダクタンスL3が変化してインダクタンスL1側の電圧
と位相が異なり、この位相差に基づく交流電圧を出力端
子a、bから取り出して、交流電圧のゼロクロスを求め
て検出ロッド20の移動量、すなわち位置を検出するよう
になっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、検出ロッド20の変位がないときには、マク
スウエルブリッジの出力端子a、b間電圧が零であるべ
きなのに、センサの感度や検出ロッド20の取り付け状
態、検出ロッド20の透磁率のバラツキ、回路素子のバラ
ツキ、そして使用中における温度変化等の各種の原因に
より、出力端子a、b間に電圧が発生し、零点がずれ
る。このため、検出ロッド20が軸方向に移動したときに
マクスウエルブリッジの出力電圧は、透磁率変化部22が
コイルを通過することによって生ずる交流電圧と、セン
サの感度や素子のバラツキ等に基づく零点ズレによる直
流電圧(オフセット電圧)とが重畳したものになる。従
って、マクスウエルブリッジの交流出力電圧のゼロクロ
スを検出して検出ロッド20の位置検出や変位量を求める
場合、マクスウエルブリッジの出力電圧からオフセット
電圧を除去する必要がある。
従来、上記のオフセット電圧を除去する方法として
は、コンデンサを用いたACカップリング法とトリマ抵抗
を用いた電圧調整法とがある。
ACカップリング法は、マクスウエルブリッジの出力電
圧をコンデンサを介して取り出し、コンデンサによって
オフセット電圧である直流分を除去する方法である。し
かし、ACカップリング法は、コンデンサにおける充放電
を利用するため、位相遅れが発生することと、周波数に
対する追従性が悪いため、交流電圧のゼロクロスが遅れ
たり、マクスウエルブリッジの出力する電圧が、例えば
数Hz以下の場合、交流分を取り出すことができない欠点
がある。
一方、トリマ抵抗による電圧調整法は、マクスウエル
ブリッジの出力電圧のせん頭値を計測してその中心値を
求め、ブリッジ回路または比較器の電圧調整用のトリマ
抵抗によって電圧レベルの調整を行うことにより、オフ
セット電圧の影響を取り除くようにしている。しかし、
この方法は、マクスウエルブリッジの出力電圧の周波数
が変化したり、オフセット電圧が変動して振幅中心が変
化する場合、電圧調整が煩雑となる。特に、検出ロッド
20がシリンダロッドであるような場合、使用中における
検出ロッド20の温度変動についてオフセット電圧も変動
し、電圧の調整をするのが容易でない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、特に、検出
した交流電圧に含まれるノイズを、低周波であっても正
確に除去でき、もって高精度の位置検出を行える位置検
出装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明に係わる位置検出装
置は、例えば第1図を参照して説明すれば、ロッドの軸
方向に沿って周期的に変化させた磁気的特性を検出し、
磁気的特性に応じた電圧を出力する検出回路32と、この
検出回路32の出力電圧の平均値を求める平均値演算回路
42と、この平均値演算回路42の出力電圧を一時的に保持
する電圧保持回路56と、この電圧保持回路56で保持した
電圧を基準電圧として入力し、この基準電圧と前記検出
回路32の出力電圧とを比較する比較回路46とを有する位
置検出装置において、前記検出回路32の出力電圧と前記
平均値演算回路42の出力電圧とを比較し、両出力電圧が
一致時に、前記電圧保持回路56で保持した基準電圧を更
新させる信号を前記電圧保持回路56に入力する電圧保持
タイミング発生回路44を設けたことを特徴としている。
〔作用〕
上記の如く構成した本発明は、ロッドが軸方向に移動
すると、検出回路32がロッドに設けた周期的な磁気的特
性の変化に応じた電圧を出力する。この検出回路32が出
力する電圧は、一般に回路素子や温度の変化等に伴う直
流分(オフセット電圧)を含んだ交流となっており、平
均値演算回路42によってこの交流の平均電圧、すなわち
直流分が求められる。そして、平均値演算回路42が出力
する平均電圧と検出回路32が出力する検出電圧とは、電
圧保持タイミング発生回路44において比較される。
電圧保持タイミング発生回路44は、両電圧を比較し
て、両電圧が一致する、いわゆるゼロクロス(交流成分
のせん頭値の中心値)において保持更新信号を電圧保持
回路56に送出する。この電圧保持回路56には、平均値演
算回路42が出力した平均電圧が入力しており、電圧保持
タイミング発生回路44から保持更新信号が入力してくる
と、この時の平均電圧を次の保持更新信号が入力するま
で記憶し、保持する。また、電圧保持回路56は、保持し
ている平均電圧を比較回路46に基準電圧として入力す
る。そして、比較回路46は、電圧保持回路56からの平均
電圧と検出回路32の出力電圧とを比較し、例えば出力電
圧の交流分のゼロクロス時に1つのパルスを出力する。
すなわち、比較回路は、ロッドに設けた磁気的特性の変
化に対応してパルスを出力する。従って、比較回路が出
力するパルスの数を計数することにより、検出回路32が
検出したロッドに周期的に設けた磁気的特性の数を知る
ことができ、ロツドの移動量を検出することができる。
このように、本発明においては、回路素子や温度変化
等による検出回路32の出力電圧Q直流分(オフセット電
圧)を自動的に求め、この直流分を比較回路46の基準電
圧としているため、トリマ抵抗による電圧調整をする必
要がなく、位置検出を迅速かつ正確に行うことができ
る。そして、本発明においては、平均値演算回路42が出
力した直流分を電圧保持回路56に保持させ、この保持さ
せた電圧を比較回路46の基準電圧としているため、ロッ
ドが一定位置に停止して検出回路32が一定の電圧を出力
する場合であっても、比較回路46の出力にチャタリング
が生じて、位置検出が不能になったりすることがない。
〔実施例〕
本発明に係る位置検出装置の好ましい実施例を、添付
図面に従って説明する。
第1図は、本発明の実施例に係る位置検出装置の回路
ブロック図であって、検出ロッドが前進したことを検出
するA相の回路ブロック図である。
第1図において、交流電源である発信器30の出力側に
は、検出回路32が接続してある。検出回路32は、マクス
ウエルブリッジ34と位相検波器36とを有している。そし
て、発信器30は、例えば60kHzの高周波電圧を出力し、
この電圧をマクスウエルブリッジ34に印加するととも
に、位相検波器36に入力している。
マクスウエルブリッジ34は、例えば自己インダクタン
スLが100μH、直流抵抗値が50Ωからなるコイル12、1
4と50Ωの固定抵抗R2、R4とから構成してある。また、
コイル14は、前記した透磁率変化部22を軸方向に一定の
間隔で設けた検出ロッド20が挿通しており、自己インダ
クタンスL3が検出ロッド20の軸方向移動に伴って変化す
るようになっている。なお、検出ロッド20に設けた透磁
率変化部22は、検出ロッド20の部分的な焼入れや焼なま
し、または永久磁石を装着することなどにより形成して
ある。そして、インダクタンスL3の変化に基づいて生じ
た出力端子a、b間の電圧は、差動増幅器38によって増
幅され、発信器30の出力電圧とともに位相検波器36に入
力するようになっている。
位相検波器36は、発信器30の出力電圧と差動増幅器38
の出力電圧との位相差を求め、そのズレ量に応じて電圧
に置き換える復調器(図示せず)を有している。そし
て、位相検波器36の出力電圧は、図示しないバッファ回
路を介して2分され、出力電圧のノイズを除去するノイ
ズフィルタ40と平均値演算回路としての詳細を後述する
ローパスフィルタ平滑回路42に入力するようになってい
る。
ノイズフィルタ40を透過した位相検波器36の出力電圧
は、電圧保持タイミング発生回路44と比較回路46とに入
力される。電圧保持タイミング発生回路44は、ノイズフ
ィルタ40の出力とローバスフィルタ平滑回路42の出力と
が入力する差動増幅器48と、この差動増幅器パ8の出力
電圧をトリマ抵抗50によって調整した基準電圧と比較
し、パルスを発生する比較器52、および比較器52からの
パルスが入力することによりワンショットパルスを発生
するワンショット回路(単安定マルチバイブレータ)54
とからなっている。
ワンショット回路54が出力するワンショットパルス
は、ローパスフィルタ平滑回路42の出力側に接続した電
圧保持回路56に入力するようになっている。電圧保持回
路56は、アナログメモリからなり、ワンショット回路54
からパルスを受けると、その時にローパスフィルタ平滑
回路42が出力する平均電圧を記憶し、次のワンショット
回路54からのパルスが入力するまでその値を保持すると
ともに、保持している平均電圧を比較回路46に基準電圧
として与える。そして、比較回路46は、電圧保持回路56
から入力してくる平均電圧とノイズフィルタ40を透過し
た検出回路32の検出電圧とを比較し、例えば検出電圧が
平均電圧より大きくなったときにパルスを発生し、アッ
プダウンカウンタ58に入力する。アップダウンカウンタ
58は、比較回路46からパルスを受けるごとに計数値をカ
ウントアップする。
なお、アップダウンカウンタ58には、検出ロッド20が
後退したときにカウントダウン用のパルスをアップダウ
ンカウンタ58に入力する、第1図と同様の検出回路、パ
ルス発生回路からなるB相が接続してある(図示せ
ず)。
上記の如く構成した実施例の作用は、次のとおりであ
る。
発信器30は、例えば振幅がせん頭値で10V、周波数が6
0kHz程度の正弦波電圧を出力し、検出回路32のマクスウ
エルブリッジ34に供給するとともに、位相検波器36に入
力している。マクスウエルプリッジ34は、第1図に図示
しない検出ロッド20が基準位置、すなわち零点にある場
合、出力端子a、bの電圧は本来等じく、出力端子a、
b間の出力電圧が零となる。しかし、前記したように回
路素子のバラツキ、周囲温度の変化によるコイル12、14
の抵抗値の変化等に伴い、出力端子a、b間に電位差が
生じて零とならなず、オフセット電圧が生ずる。
一方、検出ロッド20が軸方向に移動すると、検出ロッ
ド20に設けた透磁率変化部22がコイル14を通過するごと
にコイル14の自己インダクタンスL3が変化し、マクスウ
エルブリッリ34の出力端子bに現れる電圧の位相が出力
端子aに現れる電圧の位相と異なる。このため、出力端
子a、b間には、先のオフセット電圧(直流電圧)と、
コイル12、14の両端の電圧の位相差に基づく電圧(交流
電圧)とが重畳して出力される。この直流成分を含んだ
交流電圧は、差動増幅器38によって増幅された後、位相
検波器36に入力される。位相検波器36は、図示しない復
調器が差動増幅器38の出力電圧と発信器30の出力電圧と
の位相を比較し、両者の位相差を検波して位相差に応じ
た電圧を検出電圧として出力する。
位相検波器36が出力する直流成分を含んだ交流電圧
は、±1V〜±10Vに変化するように増幅された後、バッ
ファ(図示せず)を介してノイズフィルタ40とローパス
フィルタ平滑回路42とに出力される。
ローパスフィルタ平滑回路42は、例えば平均化フィル
タと演算増幅器とからなり、位相検波器36の出力した電
圧の平均値、すなわち位相検波器36が出力した電圧の直
流分を平均電圧として出力し、電圧保持タイミング発生
回路44の差動増幅器48の非反転入力端子と電圧保持回路
56とに入力する。
差動増幅器48は、反転入力端子にノイズフィルタ40を
透過した位相検波器36の出力電圧(検出電圧)が入力し
ており、検出電圧と平均電圧との差に比例した電圧、す
なわち位相検波器36が出力する検出電圧から直流分を除
去した交流電圧を増幅して比較器52に入力する。比較器
52は、トリマ抵抗50によって非反転入力端子に入力「る
基準電圧を変え、パルスの発生タイミングを調整できる
ようになっており、差動増幅器48の出力が負から正に変
わったときに(検出回路32の検出電圧の交流成分のゼロ
クロス時)、ワンショット回路54にパルスを送出する。
ワンショット回路54は、比較器52からパルスが入力して
くると、そのパルスの立ち上がりまたは立ち下がりにお
いて、例えばパルス幅が100msec前後のワンショットパ
ルスを電圧保持回路56に出力する。
電圧保持回路56は、ワンショット回路54からパルスが
入力してくると、この時いローパスフィルタ平滑回路42
が出力している平均電圧を記憶し、次のワンショットパ
ルスが入力するまで保持する。また、電圧保持回路56
は、保持している平均電圧を比較回路46の一方の入力端
子に基準電圧として入力する。そして、比較回路46は、
他方の入力端子に入力しているノイズフィルタ40を透過
した位相検波器36の出力電圧を平均電圧と比較し、位相
検波器36の出力電圧が平均電圧より大きくなった時に1
つのパルスを発生し、アップダウンカウンタ58に入力す
る。アップダウンカウンタ58は、比較回路46からパルス
が入力するたびに計数値をカウントアップする。
検出ロッド20が後退したときは、上記と同様にしてB
相からアップダウンカウンタ58にカウントダウン用のパ
ルスが入力し、アップダウンカウンタ58がパルスの入力
があるごとに計数値をカウントダウンする。
上記のように、実施例においては、ローパスフィルタ
平滑回路42が位相検波器36の出力電圧を平均して直流成
分の値を平均電圧として出力し、この平均電圧を比較回
路46の基準電圧としているため、回路素子のびラツキや
センサの感度、検出ロッド20の取り付け方法の相違など
によってオフセット電圧が発生しても、トリマ抵抗等に
よる電圧調整が不要となり、検出ロッド20の位置検出、
変位量を容易、迅速に求めることができる。しかも、位
相検波器36の出力電圧の直流分は、ローバスフィルタ平
滑回路42が自動的に求めるため、使用中における周囲温
度や検出ロッド20の温度が変化してオフセット電圧が変
動しても、オフセット電圧分を自動的に除去することが
でき、電圧調整が不要となって正確な位置検出が可能と
なる。
また、透磁率変化部22を焼入れや焼なましによって形
成する場合、透磁率変化部22やその周囲の透磁率にバラ
ツキを生ずることが多く、これによる出力電圧の変動も
自動的に補正することができる。そして、コンデンサを
用いて直流分を除去するのと異なり、出力電圧の位相遅
れがなく、位置検出の精度が向上する。さらに、検出ロ
ッド20が一定位置に停止して、位相検波器36が一定の電
圧を出力し続ける場合であっても、比較回路46に入力す
る基準電圧は、電圧保持回路56が保持している交流成分
のゼロクロス時のオフセット電圧値であるため、比較回
路46の出力がチャタリングするなどの不安定な状態を避
けることができ、アップダウンカウンタ58から正確な位
置信号を出力することができる。
なお、前記実施例においては、検出ロッド20の磁気的
特性の変化を検出するのに、マクスウエルブリッジ34を
用いた場合について説明したが、磁気抵抗素子やホール
素子等の惑磁性素子を用いた検出回路のオフセット電圧
の除去にも適用することができることは勿論である。そ
して、前記実施例においては、電圧保持回路56としてア
ナログメモリを用いた場合について説明したが、電圧保
持回路56としてディジタルメモリを用い、アナログメモ
リーディジタル変換器を介してディジタル値で記憶し、
ディジタル−アナログメモリ変換器を介してアナログ値
で出力するようにしてもよい。また、前記実施例におい
ては、検出ロッド20を用いた場合にフいて説明したが、
シリンダロッド等を検出ロッドとしてよいことは勿論で
ある。さらに、前記実施例は、被測定物に所定の間隔で
着磁し、この着磁位置を検出する着磁式長さ計にも適用
することができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の位置検出装置は、要す
れば、特許請求の範囲に記載の手段を講じたものであ
り、上記説明から明らかなように、次のような効果を奏
する。順を追って詳説する。
(1)本発明で取り扱う電圧は正弦波のアナログ量であ
る。しかも、ロッドをゆっくりと(例えば1秒に数ミ
リ)伸縮又は移動させる場合が多々ある。そしてこの場
合における前記正弦波は、数Hz以下の低周波となる。
(2)ところで、仮に、「ロッドの軸方向に沿って周期
的に変化させた磁気的特性を検出し、磁気的特性に応じ
た電圧を出力する検出回路と、この検出回路の出力電圧
の平均値を求める平均値演算回路と、この平均値演算回
路の電圧を基準電圧として入力し、この基準電圧と前記
検出回路の出力電圧とを比較する比較回路とを有する従
来の位置検出装置」では、検出回路が上記低周波電圧を
平均値演算回路に入力すると次のような不都合が生ず
る。
(3)平均値演算回路は、山の波高値(尖塔値)と、谷
の波高値とのおおよその平均値を求める。ところが検出
回路からの出力電圧が、低周波であると、山の波高値が
いつまで経っても現れなくなる。そこで山でも谷でもな
い波高値を山や谷の波高値が現れるまで、順次読替えて
ゆく。ところで低周波では正弦波が非常になだらかであ
るため、山や谷の波高値を発見すること自体も困難であ
る。即ち、低周波では、真の平均値を求めることが難し
く、従ってノイズを的確に除去した位置検出を行うこと
が不能となっている。
(4)ところで平均値演算回路が平均値を求めてその電
圧を出力している限り、検出回路の出力電圧が正弦波で
あるから、平均値演算回路の出力電圧と検出回路の出力
電圧とが一致(ゼロクロス)する機会が半周期毎に必ず
1回現れる。そしてこのときの平均値演算回路の出力電
圧が山の波高値と、谷の波高値との略真の平均値と見做
せる。そして一旦得られた平均値が、さらに検出回路の
出力電圧の周波数によって影響されないことも明らかで
ある。
(5)この原理に基づく構成が本願発明である。即ち、
電圧保持タイミング発生回路は、低周波時、電圧保持回
路に平均値演算回路から入力する山でも谷でもない波高
値に基づく出力電圧(誤った平均値)の中から略真の平
均値を見つけ出すために、平均値演算回路から出力電圧
を入力すると共に検出回路から出力電圧を入力して比較
し、両出力電圧の一致時、その時の平均値演算回路の出
力電圧(前述の通り、この出力電圧が略真の平均値とな
る)を電圧保持回路に保持させるための信号を電圧保持
回路に入力させる。即ち、前記信号が電圧保持タイミン
グ発生回路から電圧保持回路に入力される毎に、時系列
的に略真の平均値が更新される。
(6)以上によりロッドの移動速度が係わりなく(即
ち、周波数に係わりなく)、ノイズが除去された正確な
位置検出を行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る位置検出装置の回路ブロ
ック図、第2図はマクスウエルブリッジの説明図、第3
図は検出ロッドの一例を示す図である。 30……発信器、32……検出回路、34……マクスウエルブ
リッジ、42……平均値演算回路(ローパスフィルタ平滑
回路)、44……電圧保持タイミング発生回路、56……電
圧保持回路、46……比較回路、58……アップダウンカウ
ンタ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロッドの軸方向に沿って周期的に変化させ
    た磁気的特性を検出し、磁気的特性に応じた電圧を出力
    する検出回路(32)と、この検出回路(32)の出力電圧
    の平均値を求める平均値演算回路(42)と、この平均値
    演算回路(42)の出力電圧を一時的に保持する電圧保持
    回路(56)と、この電圧保持回路(56)で保持した電圧
    を基準電圧として入力し、この基準電圧と前記検出回路
    (32)の出力電圧とを比較する比較回路(46)とを有す
    る位置検出装置において、前記検出回路(32)の出力電
    圧と前記平均値演算回路(42)の出力電圧とを比較し、
    両出力電圧が一致時に、前記電圧保持回路(56)で保持
    した基準電圧を更新させる信号を前記電圧保持回路(5
    6)に入力する電圧保持タイミング発生回路(44)を設
    けたことを特徴とする位置検出装置。
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JPH03118418A (ja) 1991-05-21

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