JP2761645B2 - 白煙の発生方法及びその装置 - Google Patents

白煙の発生方法及びその装置

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JP2761645B2 JP1066696A JP6669689A JP2761645B2 JP 2761645 B2 JP2761645 B2 JP 2761645B2 JP 1066696 A JP1066696 A JP 1066696A JP 6669689 A JP6669689 A JP 6669689A JP 2761645 B2 JP2761645 B2 JP 2761645B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、低温液化ガスを用いた白煙の発生方法及び
その装置に関し、詳しくは、各種舞台装置,遊戯施設,
ディスプレー,映画等の撮影現場,その他の設備等にお
いて、演出効果,装飾効果等を得るために用いるイベン
ト用の白煙を所望の圧力で発生する方法及び白煙を容易
に発生させることのできる装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来から、各種演劇や宴会等のイベントにおいて、白
煙を用いて演出効果を得ることが行われている。従来の
この種の白煙は、ドライアイスを水に浸漬して水と接触
させ、ドライアイスを急速に気化させることにより得て
いた。例えば、特開昭52−115771号公報や特開昭53−53
580号公報には、上記白煙の発生及び停止や白煙の量を
制御することのできる白煙発生装置の提案がなされてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、ドライアイスと水とを接触させる方法
では、発生する白煙自体が略大気圧状態で生成されるた
め、この白煙を用いて、例えば滝を水が流れ落ちるよう
なダイナミックな状態を演出しようとすると圧力不足と
なり、別途送風機を用いて白煙を圧送する必要があっ
た。また、このように大量の白煙を用いる場合には大量
のドライアイスと大量の水を用意しなければならず、上
記送風機も含めて設備が大掛かりになり、設置面積も大
きくなるため、その費用も多大なものとなる。
さらに、白煙を長時間発生させる場合には、ドライア
イスの減少に伴い白煙の発生量も減少するため、ドライ
アイスを頻繁に補充しなければならず、その補充作業が
面倒であるだけでなく、補充作業中は白煙の発生を中断
させる必要があった。
また、上記公報記載の白煙発生装置では、水の温度を
制御したり、水槽を上下させてドライアイスと水との接
触量を調節することにより、白煙の発生量等を制御して
いるが、これらの装置は、両公報の実施例に記載されて
いるごとく、宴会用の大食器やウェディングケーキの受
台等に好適なものであって、大きな舞台装置での使用や
大量の白煙を必要とする場合には、その適用が困難であ
った。
またドライアイスは、白煙を必要としない待機中も、
自然蒸発により僅かずつ減少するため、無駄が多く利用
効率も低かった。
本発明は、上記各種の問題点を解消して、大量の白煙
を容易にかつ圧力をもって発生させることができ、しか
も白煙の発生源の補給が容易で、白煙の発生,停止及び
発生量の自動制御も容易に行うことのできる白煙の発生
方法及びその装置を提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記した目的を達成するために、本発明の白煙の発生
方法は、低温液化ガス、好ましくは液化炭酸ガス,液化
窒素,液化空気等を、白煙導出口を有する気密性をもっ
た水槽内の水面上方位置から水面に向けて噴出させて、
該水槽内の水に接触させて気化膨脹させることにより所
望圧力のある白煙を得ることを特徴とし、好ましくは、
前記液化ガスを気液分離機能を有する補助タンクに供給
して気液分離し、分離液を前記水槽内で噴出させるとと
もに、前記補助タンクで気液分離された分離ガスを、設
定圧力を前記補助タンクへの液化ガスの供給圧力より低
くセットした減圧弁を介して前記水槽の水面上方位置に
排気することを特徴としている。
また、本発明の白煙の発生装置は、低温液化ガスを貯
蔵する液化ガス容器と、白煙導出口を有して密閉状態に
形成された水槽と、前記液化ガス容器内の低温液化ガス
を該水槽内の水面に向けて水面上方位置から噴出させる
噴出口を有する液化ガス導出管とを備え、該液化ガス導
出管に、低温液化ガスの噴出量を調節する導出弁を設け
たことを特徴とし、好ましくは、前記液化ガス導出管を
気液分離機能を有する補助タンクの液相部に接続すると
もに、前記液化ガス容器と該補助タンクとを液化ガス導
入管を介して接続し、前記補助タンクの気相部と前記水
槽の水面上方位置とを減圧管を介して接続し、該減圧管
に、前記液化ガス容器の圧力より低い所定の圧力にセッ
トされる減圧弁を設けたことを特徴としている。
上記のごとく、本発明は、低温液化ガス、例えば液化
炭酸ガスや液化空気等を気密性をもった水槽内の水に上
方位置から噴出させて接触させるものであって、水と接
触した低温液化ガスは、瞬時に気化して体積が数百倍以
上、例えば、約28mlの液化空気は、約22.4の気体空気
に、即ち約770倍に膨張するので、この際に多量の水分
を同伴するとともに、導入する低温液化ガスに応じた所
望の圧力の白煙を得ることができる。尚、液化ガス容器
内の液化空気を該容器の容器弁から大気放出すると、大
気中の水分が液化空気の冷気(−194℃)によって凝縮
し、白煙として見えるが、本発明は、低温液化ガスの冷
気を利用するものとは異なり、気密性空間内での低温液
化ガスの膨脹と、膨脹の際の水との接触とによって白煙
を得るものである。
この白煙生成のプロセスの相違により、低温液化ガス
単体での白煙が短時間で消失するのに対し、本発明によ
る有圧白煙は、水分を多量に含むので、濃厚かつ多量の
白煙状態を長時間保持させることができる。そして、通
常、低温液化ガスは、高圧で液化ガス容器(ボンベ等)
に貯蔵されて市場に流通しているので、入手が容易で、
また、複数の液化ガス容器を適宜な配管で接続し、切換
え使用するように構成することにより、長時間に亙って
連続的に白煙を発生させることができる。さらに、低温
液化ガスの噴出量は、弁等の簡単な手段で調節すること
ができるから、白煙の発生量の調節も容易であり、間欠
的あるいは瞬間的に白煙を発生させることも容易に行う
ことができ、所定のプログラムにより自動的に白煙を発
生させたり、その量を増減させたりすることもできる。
また、待機中には、液化ガス容器の弁あるいは上記噴出
量を調節する弁等を閉じておけば、自然蒸発による減少
を防止することができ、低温液化ガスの使用効率も高く
できる。
本発明に用いる低温液化ガスとしては、水素や酸素,
その他の危険なガスや有毒なガスを除いて、通常用いら
れている低温液化ガスのほとんどを用いることが可能で
あり、液化炭酸ガス,液化空気,液化窒素,液化アルゴ
ン,液化ヘリウム等任意の低温液化ガスを使用すること
ができる。
特に、液化炭酸ガスを用いた場合には、これを用いて
ドライアイスを得、更にこのドライアイスを用いて白煙
を発生させていた従来頬に比べ、液化炭酸ガスの利用効
率を高め、従来より遥かに安価に白煙を発生することが
できる。
また、液化窒素を用いた場合には、液化窒素は市場価
格が安価なので安価な白煙が得られるだけでなく、液化
窒素が気化した窒素ガスは空気とほぼ同一の比重なの
で、液化窒素による白煙を水平方向に流した場合、略平
行状態を維持して流れ、ドライアイスまたは液化炭酸ガ
スの気化による炭酸ガスの白煙が短時間で床面上に垂れ
下がるのとは対象的である。従って、液化窒素による白
煙が床面から所定の高さを維持する特性を利用して、例
えば床面から所定高さに舞台用の飛行機を配置して、雲
の中を飛行機で飛ぶ状況等、従来にない新たな演出に用
いることができる。
さらに、液化空気を用いた場合には、液化窒素と同様
の比重の白煙が得られるだけでなく、気化すれば大気に
戻るので、狭い室内で用いる場合、多量の白煙を使う演
出を行なう場合に安全性が高く、特別な換器装置を設備
することなく白煙を発生使用でき極めて有益である。
次に、低温液化ガスを水と接触させて多量の白煙を発
生させるには、様々な手段により行うことができるが、
水中で低温液化ガスを噴出させて水をバブリングした場
合は、低温液化ガスに多量の水分を同伴させ、多量の白
煙を発生できるが、水滴も同伴され易く、白煙の使用場
所に水が出てくる虞があるので、噴出圧力や水槽の大き
さ等を適宜設計したり、白煙使用場所に配慮しなければ
ならず、また、水中で低温液化ガスを噴出させると、水
槽内の水温が急激に低くなり、水槽を加熱していても凍
結することがあり、白煙の発生量が著しく低減し、白煙
の良好な発生が得られなくなる。
これに対し、本発明のごとく、水面の上方から低温液
化ガスを噴出させると、噴出する液化ガスが当たる水面
部分が凹状面になって波立つことにより、該凹状面に接
触した液化ガスが水滴を同伴することがあるが、水面に
向けて噴出された液化ガスの一部が気化して水面に圧力
をかけるので水滴の同伴は抑えられ、白煙の使用場所へ
の水の付着を極力防止でき、良好な白煙を形成すること
ができる。
尚、このように水面の上方から低温液化ガスを噴出す
るに際しては、低温液化ガスの種類や噴出口の形状,噴
出圧力等に応じて適当な距離,方向に設定する。特に、
低温液化ガスとして液化炭酸ガスを用いる場合、水面か
ら離れた位置から単に液化炭酸ガスを噴出すると、噴出
された液化炭酸ガスが粉雪状の固体、いわゆるスノウと
なることがあり、このスノウが水面上に浮かんで熱交換
が緩慢になり、気化して白煙が発生するまでに時間が掛
ったり、液化炭酸ガスの噴出を停止しても水面上のスノ
ウが徐々に水と反応して白煙を形成することがある。従
って、気化炭酸ガスを用いる場合には、噴出口から噴出
された液化炭酸ガスがスノウを形成する前に水と接触で
きるような距離,及び噴出圧力に設定する必要がある。
例えば、液化炭酸ガスの圧力が20kg/cm2のときは、水面
と噴出口との距離を150mm以下とすることが好ましい。
また、水槽内の水は、低温液化ガスが水面上方から噴
出されて接触するので、水中で低温液化ガスを噴出させ
て水をバブリングする場合に比べて、水槽内の水温の低
下が緩慢であるから、低温液化ガスの気化能力を長時間
維持でき、かつ、水が凍結し難いが、低温液化ガスの気
化能力の低下や水の凍結が生じる心配のある長時間の使
用の場合は、必要に応じて加熱したり、または、外部に
別置した貯水槽との間で水を循環させる等を行ない、水
温を所定以上、好ましくは30℃以上に保持する。このよ
うに、水温を保持することにより、凍結や気化能力の低
下を防止して大量の白煙を連続して発生させることが可
能である。
さらに、本発明において、液化ガスを気液分離機能を
有する補助タンクに供給して気液分離し、分離液を水槽
内で噴出させるとともに、補助タンクで気液分離された
分離ガスを、設定圧力を補助タンクへの液化ガスの供給
圧力より低くセットした減圧弁を介して水槽の水面上方
位置に排気するようにすると、液化ガスを補助タンクへ
安定して供給できるとともに、分離液を短時間で水槽内
に噴出でき、さらに大量の有圧白煙を瞬時に得ることが
できる。
〔実施例〕
次に、本発明の白煙の発生方法及び装置の一実施例を
図面に基づいて説明する。
この白煙発生装置1は、低温液化ガスGを貯蔵する液
化ガス容器2と、該液化ガス容器2に液化ガス導入管3
を介して接続する本体部4とから構成されている。この
本体部4には、貯水部5と水切り部6とを有して気密に
形成された水槽7と、気液分離機能を有する補助タンク
8と、制御電源部9とが収納されており、補助タンク8
と水槽7との間には、導出弁10を有する液化ガス導出管
11が設けられ、底部には移動用の車輪12,12が取付けら
れている。
上記水槽7の下部に配置される貯水部5には、水温を
保持するためのヒータ13と水温計14、及び水量を保持す
るための給水管15と液面計16とが設けられており、その
上方、水切り部6の頂部には白煙導出口19が設けられて
いる。この水切り部6の下方に挿入された前記液化ガス
導出管11の先端には、下方水面方向を向いた噴出口17が
設けられている。
また水切り部6は、上記貯水部5の表面から発生する
白煙中に含まれる余剰の水分,水滴を捕捉して白煙中に
同伴されるのを防止するもので、その内部には適当な間
隔で複数の邪魔板18,18が配置されている。尚、水切り
部6には前記邪魔板18のほか、多数の小孔を有する多孔
板を交互に配設するなどを行なっても良い。
上記補助タンク8は、液化ガス容器2から供給される
低温液化ガスGを気液分離して、分離ガスを気相部K
に、分離液を液相部Lに所定量貯留するもので、頭部に
は前記液化ガス導入管3と内圧を制御する減圧管20とが
設けられるとともに、底部には液化ガス導出管11が設け
られ、さらにその内部には液相部Lの液面を検出するフ
ロート式液面計21が設けられている。
また、上記制御電源部9は、各部に必要な電力を供給
するとともに、白煙Sの発生開始あるいは停止の信号、
及び白煙の発生に伴う補助タンク8と貯水部5内の液面
の変化に基づいて各種の制御を行う回路を組み込んだも
のである。
以下、上記白煙発生装置1の使用状態に基づいて、本
発明の方法及び装置をさらに詳細に説明する。
まず、使用にあたっては、水槽7の白煙導出口19に適
宜な白煙案内管22を接続し、制御電源部9を作動させる
とともに、補助タンク8の気相部Kと水槽6の水面上方
位置とを接続する減圧管20に設けた排気弁28を設け、該
減圧管20に設けた減圧弁23の設定圧力を、液化ガス容器
2の圧力、すなわち補助タンク8への液化ガスの供給圧
力より低い所定の圧力にセットし、給水管15の元栓(図
示せず)と液化ガス容器2のバルブ25を開放する。
これにより、貯水部5内には液面計16からの信号によ
り給水管15の給水弁26が開いて所定量の水が導入され、
また補助タンク8内にはフロート式液面計21からの信号
により液化ガス導入管3のガス導入弁27が開いて液相部
Lが所定の液位になるまで低温液化ガスGが導入され
る。また、貯水部5内の水Wは、水温が低い場合には、
水温計14からの信号によりヒータ13が加熱状態となり所
定の温度に加熱される。尚、補助タンク8内への低温液
化ガスGの導入に伴って分離した気化ガスは、排気弁28
及び減圧弁23を通して前記水切り部6の上部に排気され
るので、補助タンク8と液化ガス容器2との圧力差は維
持され安定して低温液化ガスGが導入される。
白煙Sを発生させる際には、前記液化ガス導出管11に
設けた導出弁10を開いて、補助タンク8の液相部Lに貯
留している分離液を導出し、液化ガス導出管11先端の噴
出口17から貯水部5内の水Wに向けて噴出させる。これ
により、貯水部5の水に分離液が接触して気化膨脹する
ことにより白煙が形成され、水切り部6を上昇し、邪魔
板18,18により水滴等が分離された後に白煙導出口19か
ら外部に導出され、白煙案内管22から白煙Sとして噴出
する。
この白煙Sは、前述のごとく低温液化ガスGの気化膨
張の際の圧力を伴うため、様々な流れを形成することが
可能であり、送風機等を用いずにダイナミックな演出効
果を得ることができる。また導出弁10の開閉や開度を制
御することにより、白煙Sの発生及び停止とともに、白
煙の量と圧力を任意に調節することができる。
この導出弁10の制御は、あらかじめ上記制御電源部9
にプログラムを組み込んでおくことにより、例えば舞台
の進行や変化等に応じて自動的に行うことが可能であ
り、繰返し所定量の白煙を発生させることもできる。
上記白煙Sの発生に伴う補助タンク8内の液面及び貯
水部5内の水面と水温は、前記の如く自動的に保たれ
る。尚、各弁の操作やヒータの作動は、手動により行う
こともでき、水槽の大きさ、または使用場所によっては
水切り部を省略することもできる。また、補助タンク8
に設ける液面計としては、上記フロート式のほか、液位
を静電容量により検知する静電容量式液面計、または、
液位を圧力差で検知する差圧式液面計等公知の液面計を
用いることができる。さらに、補助タンク8を設けずに
液化ガス容器から直接低温液化ガスを水槽内に導入して
も白煙を形成することができ、さらには前記導出弁10を
設けずに液化ガス容器2のバルブ25を用いて良好な白煙
を得ることもできる。
尚、低温液化ガスは、液化ガス容器から水槽内に導入
される間には、初期の段階では気化する。この気化ガス
は、高圧の液化ガス容器から流れるので圧力を有し、か
つ、水と接触して水分を取り込むので圧力を有する白煙
となるが、この白煙は低温液化ガスによる白煙より量的
には少ない。従って、前記実施例の如き補助タンクを用
いない場合、白煙の発生は次第に増加してくるので、大
量の白煙を瞬時に用いるイベント等では前記補助タンク
を用いる。
次に、この白煙発生装置1を用いるとともに、低温液
化ガスとして液化炭酸ガスを用いて白煙を発生させる実
験を行い、参考として液化炭酸ガスをそのまま気化させ
て白煙を発生させ、両者を目視により比較した。実験項
目は、白煙の大きさと白煙の保持時間である。尚、白煙
の保持時間は、生成された白煙が白煙として目視できる
時間を計測した。
実験は、温度20℃、湿度50%で無風の実験室内にて行
った。実験に供した白煙発生装置1の水槽7は、一辺が
40cm,高さが100cmの直方体で、この中に水を40cmの水位
(水量としては60)にして使用した。
また、白煙導出口19には、フレキシブルパイプを介し
て内径100mmの塩化ビニール製のパイプ30を接続し、こ
のパイプ30を鉛直方向に向け、白煙Sを該パイプ30の開
口端から下向きに噴出させた。また第2図及び第3図に
示すように、パイプ30の下方には、噴出する白煙を鮮明
に目視することができるように、黒地のプラスチック板
に白色の等間隔の目盛り用罫線を引いた1m角の目視板31
を配置した。
実験は、上記白煙発生装置1の補助タンク8に所定量
の液化炭酸ガスを貯液し、導出弁10を開いた時に、直ち
に液化炭酸ガスが水槽7内に導入されるようにした。ま
た液化炭酸ガスの圧力は20kg/cm2,水面と噴出口との距
離は100mmとした。さらに、本発明方法の実験を行う際
には、貯水部5内の水をヒータ13で50℃に加温し、液化
炭酸ガスを水と接触させない場合、即ち、液化炭酸ガス
単体の場合には、貯水部5内の水を排除して貯水部5内
を空にし、ヒータ13を作動して水槽7内を50℃にした。
そして、導出弁10を5秒間隔で数回繰り返して開閉
し、間欠的に白煙を発生させて目視によりその状態を観
察した。尚、白煙発生時の水槽7内の最大圧力は、いず
れの場合も0.5kg/cm2だった。
その結果、液化炭酸ガス単体の場合の白煙は、導出弁
10を開けると直ちに形成され、約1秒後には安定した白
煙になった。このときの白煙の状態を第2図に示す。こ
の液化炭酸ガス単体による白煙は、白煙が噴出した当初
から白煙中に小さな粒状のスノウを含み、このスノウは
床面に達した後、僅かであるが白煙を形成した。また、
白煙噴出回数が増加するに従い白煙の大きさは次第に小
さくなり、導出弁10を閉止した後も白煙は僅かに出てき
て白煙の切れが悪かった。実験終了後、水槽7の内部を
観察したところ、底部にスノウが形成されており、ゆっ
くりと白煙が立ち上っていた。このことから、ヒータを
作動させて水槽7内の雰囲気を加温しても、完全に気化
できずイベント用としては実用的でないことが判る。
次に、本発明の方法で得られる白煙は、上記と同様に
導出弁10を開いた後、直ちに形成され、短時間で安定し
た白煙になった。このときの白煙の状態で第3図に示
す。この本発明の白煙は、白煙中にスノウを全く含ま
ず、また、白煙の導出回数によらず常に安定した白煙が
維持された。また、白煙の大きさは、第2図及び第3図
から明らかなとおり、液化炭酸ガス単体の白煙より大き
く形成された。また、本発明の白煙は、液化炭酸ガス単
体の白煙より濃く形成された。さらに、導出弁10を閉止
すると直ちに白煙の噴出は止まった。実験終了後の水槽
7内を観察したが、スノウは全く観察されなかった。こ
のことから、本発明の白煙では、導入した液化炭酸ガス
が全て気化して効率よく白煙を形成していることが判
る。
さらに、液化炭酸ガスの供給を停止した後も黒色の目
視板上に白煙が目視できるので、この時間を計測して保
持時間とし、白煙の寸法(噴出長さ及び幅)とともに下
表に示す。
表から明らかなように、本発明の白煙は液化炭酸ガス
単体の白煙より大きく、また、保持時間も長かった。こ
れは、本発明に係る白煙が十分な水分を含んでいるため
である。
尚、上記実験例は、液化炭酸ガスを用いた場合である
が、液化窒素,液化空気等の低温液化ガスを用いて実験
条件を適宜変更して行った結果、上記同様の結果が得ら
れた。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の白煙の発生方法及び装
置は、低温液化ガスを、白煙導出口を有する気密性をも
った水槽内の水面上方位置から水面に向けて噴出させ
て、該水槽内の水に接触させて気化膨脹させることによ
り白煙を得るものであるので、水中で低温液化ガスを噴
出させて水をバブリングする場合に比べて、水槽内の水
温の低下が緩慢であるから、低温液化ガスの気化能力を
長時間維持でき、かつ水が凍結し難く、また、水面に向
けて噴出された液化ガスの一部が気化して水面に圧力を
かけるので水滴の同伴を抑え、白煙の使用場所への水の
付着を極力防止でき、比較的長時間安定して良好な白煙
の大量な発生が得られ、特にイベント用として様々な演
出効果を図ることができる。
さらに、本発明の白煙の発生装置は、低温液化ガスを
噴出させる液化ガス導出管に、低温液化ガスの噴出量を
調節する導出弁を設けたから、上記本発明の方法を容易
に実施できるとともに、導出弁を制御することにより白
煙の発生開始や停止,発生量や発生圧力の調節等を容易
に行うことができる。
また、本発明において、液化ガスを気液分離機能を有
する補助タンクに供給して気液分離し、分離液を水槽内
で噴出させるとともに、補助タンクで気液分離された分
離ガスを、設定圧力を補助タンクへの液化ガスの供給圧
力より低くセットした減圧弁を介して水槽の水面上方位
置に排気するようにしたことにより、液化ガスを補助タ
ンクへ安定して供給できるとともに、分離液を短時間で
水槽内に噴出でき、さらに大量の有圧白煙を瞬時に得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は白煙発生装置の一実施例を示す概略図、第2図
及び第3図はそれぞれ実験結果を示すもので、第2図は
液化炭酸ガス単体で生成した白煙の状態を示す図、第3
図は液化炭酸ガスを水と接触させて生成した白煙の状態
を示す図である。 1……白煙発生装置、2……液化ガス容器 3……液化ガス導入管、4……本体部、5……貯水部、
7……水槽、8……補助タンク、10……導出弁、11……
液化ガス導出管、13……ヒータ、17……噴出口、19……
白煙導出口、G……低温液化ガス、L……低温液化ガス
の液相部、S……白煙、W……水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 伸 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本 酸素株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−168529(JP,A) 特開 昭61−48413(JP,A) 実開 昭62−29000(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低温液化ガスを、白煙導出口を有する気密
    性をもった水槽内の水面上方位置から水面に向けて噴出
    させて、該水槽内の水に接触させて気化膨脹させること
    により所望圧力のある白煙を得ることを特徴とする白煙
    の発生方法。
  2. 【請求項2】前記液化ガスを気液分離機能を有する補助
    タンクに供給して気液分離し、分離液を前記水槽内で噴
    出させるとともに、前記補助タンクで気液分離された分
    離ガスを、設定圧力を前記補助タンクへの液化ガスの供
    給圧力より低くセットした減圧弁を介して前記水槽の水
    面上方位置に排気することを特徴とする請求項1記載の
    白煙の発生方法。
  3. 【請求項3】低温液化ガスを貯蔵する液化ガス容器と、
    白煙導出口を有して密閉状態に形成された水槽と、前記
    液化ガス容器内の低温液化ガスを該水槽内の水面に向け
    て水面上方位置から噴出させる噴出口を有する液化ガス
    導出管とを備え、該液化ガス導出管に、低温液化ガスの
    噴出量を調節する導出弁を設けたことを特徴とする白煙
    の発生装置。
  4. 【請求項4】前記液化ガス導出管を気液分離機能を有す
    る補助タンクの液相部に接続するとともに、前記液化ガ
    ス容器と該補助タンクとを液化ガス導入管を介して接続
    し、前記補助タンクの気相部と前記水槽の水面上方位置
    とを減圧管を介して接続し、該減圧管に、前記液化ガス
    容器の圧力より低い所定の圧力にセットされる減圧弁を
    設けたことを特徴とする請求項3記載の白煙の発生装
    置。
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