JPS646389B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は従来の冷媒式冷凍方法と組みあわせて
行う新しい冷凍方法に関する。

従来、冷凍庫内において食品等を冷凍し、その
まま貯蔵したり、冷凍機例えば液化ガス噴射によ
る超急速冷凍機を用いて食品の生体組織を破壊せ
ずに冷凍したものを冷凍庫内に所望の温度下に貯
蔵する方法が一般にとられてきた。

しかし上記冷凍において用いられる冷媒式冷凍
方法においては、冷凍庫内の空気の冷却を通して
おこなわれるため、エネルギーの消費効率がわる
いこと、大きい冷凍庫の場合には、設備的には大
きい冷凍機、広い設置面積を要し、その上、冷凍
庫内で冷凍する場合は前記の通り、空気の冷却を
通して行われるため緩慢冷凍となり食品の生体組
織を破壊し易いので利用上多くの問題点とされて
きた。

これに対し、最近、冷却効率をあげるため従来
の冷媒式冷凍方式と液化ガス式冷凍方式の組みあ
わせからなる冷凍食品の冷凍方法なる技術が開示
された（特開昭56−1876）。この技術によれば、
冷凍庫に冷媒式冷凍機と液化ガス式冷凍機とを付
設し、液化ガス式冷凍機は液化ガス源から液化ガ
スを導出して放冷器内で吸熱気化させ、気化排ガ
スを放冷器外に排出するように構成し、冷凍開始
後の冷凍庫内の温度引下げ工程では液化ガス式冷
凍機を運転するとともに、冷媒式冷凍機を停止
し、これに続く保冷工程では、冷媒式冷凍機を運
転することにある。

しかし、この先行技術によれば、液化ガスの冷
熱を放冷器を介して間接的に利用するもので、従
来の冷媒式冷凍方式の冷媒の圧縮などの工程を要
しないのみの差であり放熱器、気化排ガス排出設
備等を要し、冷却効率もさほど良くなく、根本的
解決はされていない。

また、液体窒素をノズルより小室内に噴射させ
その中にある食品類を気化熱により急速に冷凍す
るいわゆる超急速冷凍機を用いて製造した食品類
を冷凍庫内に貯蔵し、その冷凍庫内に液体窒素を
噴射させて低温に保つ方法も考えられるが作業員
に窒息性雰囲気を与える可能性があり採用し難
い。

本発明者等はこれらの諸問題点について鋭意研
究をした結果、冷凍効率がよく、また大規模な設
備を要することなく、更に内部で作業する作業員
にも窒息性雰囲気など危険な雰囲気を与えない冷
凍方法を見出すことに成功し、本発明を完成する
に到つた。

以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。

第１図は、本発明に係る方法を実施するための
装置、配管等の一実施例を示すフロー図である。

冷凍庫２には従来の冷媒式冷凍システム１がく
みこまれていて、使用冷媒は圧縮機５で圧縮され
空冷コンデンサー３で液化され、冷凍庫２内にあ
る蒸発器４で気化蒸発されて冷凍庫２内は冷却さ
れる。蒸発器４にはフアンF₁によつて冷凍庫内
の空気が吹きつけられて冷凍庫内は空気が流動さ
れつつ冷却されて行くが、冷凍庫内温度は温度セ
ンサー６により検知され冷媒式冷凍システム１に
組みこまれている自動調節弁７に連結されて液化
された冷媒の流量の調節がされる。

以上は従来用いられてきた冷媒式冷凍システム
による冷却、冷凍方式であるが、本発明は、上記
冷媒式冷凍システム以外に更に非窒息性液化ガス
タンク８から冷凍庫２内に排出ノズル１４を通し
て非窒息性液化ガスが排出され、また吹きつけノ
ズル１５を通じて被冷凍品の貯蔵物２０に吹きつ
けられる非窒息性液化ガス噴霧式冷凍システム１
１を組みこむ冷凍方法であり、上記のごとく気化
された非窒息性液化ガスはフアンF₂，F₃により
効率よく分散されるが、冷凍庫内空気圧上昇分は
排気口１６からの排気により調節される。また冷
凍庫２内の温度は温度センサー１２により検知さ
れ、非窒息性液化ガス噴霧冷凍システム１１に組
みこまれている自動調節弁１３に連結されて液化
ガス排出量が規制される。冷凍庫２内への排出に
あたつては安全弁１９を持つ通路を通り操作弁１
７，１８の操作のもとに分割され、かつ噴霧ノズ
ル１４，１５からの排出量が加減される。

なお、本発明においては非窒息性液化ガスが用
いられることが必須条件としているが、該ガスは
窒素及び酸素からなる液化ガスもしくはそれを主
成分とするものが最も好ましく用いられ、被冷凍
品の貯蔵物２０の酸化防止も考慮すれば、窒素と
酸素の割合は窒素82〜65モル％、酸素18〜35モル
％の範囲がもつとも好ましい。窒素は酸素に比べ
て気化しやすいため非窒息性液化ガスタンク８内
は酸素分が多くなり易いため必要に応じ、窒素供
給源１０をとりつけてこれを補うことができる。

本発明の実施方法についてのべると冷凍された
またはまだ冷凍されていない貯蔵物２０を冷凍庫
２内におき、まづ、非窒息性液化ガス噴霧冷凍シ
ステム１１により冷凍庫２内を所望の温度に冷却
して後、冷媒式冷凍システム１によりその温度を
維持するが、もしくは両システムを同時に稼動さ
せつつ所望の温度に速く到達させ、次に非窒息性
液化ガス噴霧冷凍システムを停止させる方法がと
られる。

以上本発明について実施例を用いて説明した
が、本発明の要旨は、冷媒式冷凍方法により冷凍
庫内の貯蔵物を冷凍する場合もしくは、冷凍状態
に維持する場合に、冷媒式冷凍を行うまえもしく
はそれを並行して非窒息性液化ガス噴霧冷凍を行
う冷凍方法にある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法の実施をするための装
置、配管等の一実施例を示すフロー図である。 図面に用いられた主な符号を説明する。１……
冷媒式冷凍システム、２……冷凍庫、４……蒸発
器、８……非窒息性液化ガスタンク、９……同上
タンクの圧力計、１１……非窒息性液化ガス噴霧
冷凍システム、１４，１５……噴霧ノズル、１６
……排気口、２０……貯蔵物。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 冷媒式冷凍方法により冷凍庫内の貯蔵物を冷
   凍する場合もしくは冷凍状態に維持する場合に、
   冷媒式冷凍を行う前もしくはそれと並行して非窒
   息性液化ガス噴霧式冷凍を行うことを特徴とする
   冷凍方法。 ２ 非窒息性液化ガスが82〜65モル％の窒素と18
   〜35モル％の酸素からなる混合物もしくは該混合
   物を主成分とする液化ガスである特許請求の範囲
   第１項記載の冷凍方法。