JP2761427B2 - ピッチ誤差補正方式 - Google Patents

ピッチ誤差補正方式

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JP2761427B2 JP2111551A JP11155190A JP2761427B2 JP 2761427 B2 JP2761427 B2 JP 2761427B2 JP 2111551 A JP2111551 A JP 2111551A JP 11155190 A JP11155190 A JP 11155190A JP 2761427 B2 JP2761427 B2 JP 2761427B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は数値制御工作機械におけるボールネジのピッ
チ誤差の補正を行うピッチ誤差補正方式に関し、特に精
密加工に適したピッチ誤差補正方式に関する。
〔従来の技術〕
数値制御工作機械の可動部を制御するボールネジ等
は、精密にピッチが一定ではなく、数値制御装置によっ
て、ピッチ誤差補正を行って、位置決め精度を上げてい
る。一般のピッチ誤差補正方式では、各軸のストローク
を適当に分割し、各区間毎にピッチ誤差補正量を計測
し、この区間毎のピッチ誤差補正量を不揮発性メモリに
格納して、軸が移動する毎に、軸の現在値に対応するピ
ッチ誤差補正量を読み出して、補間パルスに加算あるい
は減算することにより、ピッチ誤差補正を行っている。
第6図は従来のピッチ誤差補正方式のピッチ誤差補正
パルスの例を示す図である。第1の区間P0−P1間ではピ
ッチ誤差補正量はε1であり、第2の区間P1−P2間では
ピッチ誤差補正量はε2であり、第3の区間P2−P3のピ
ッチ誤差補正量はε3である。なお、lはピッチ誤差補
正区間である。このようなピッチ誤差補正量は、各区間
の中点で、ピッチ誤差補正パルスとして出力して、補間
パルスに加えられていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、このようにピッチ誤差補正量を一度に補正パ
ルスとして出力すると、ピッチ誤差補正量が大きいと、
一度に補正パルスが出力されることとなり、位置決め精
度上も望ましくない。さらに、精密な加工の場合は補正
パルスによって切削面の品質を低下させることとなる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
機械の動きをスムーズにするピッチ誤差補正方式を提供
することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明では上記課題を解決するために、数値制御工作
機械におけるボールネジのピッチ誤差の補正を行うピッ
チ誤差補正方式において、ピッチ誤差補正データを格納
するメモリと、補間手段の出力パルスを積算して、現在
値を格納する現在値レジスタと、前記現在値を読み取
り、前記現在値の区間に対応したピッチ誤差補正量を読
み出し、前記ピッチ誤差補正量を前記現在値の区間内で
等間隔に出力するピッチ誤差計算手段と、前記補間手段
からの補間パルスと、前記ピッチ誤差補正量とを加算し
て軸制御回路に出力する加算器と、を有することを特徴
とするピッチ誤差補正方式が、提供される。
〔作用〕
ピッチ誤差計算手段は、現在値を読み、該当する区間
のピッチ誤差補正データを読みだし、このピッチ誤差補
正量を区間内で等間隔でピッチ誤差補正パルスとして出
力する。このピッチ誤差補正パルスは補間パルスに加え
られる。従って、ピッチ誤差補正量は一度に出力されな
いので、機械の動きがスムーズになり、切削面が改善さ
れる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明のピッチ誤差補正方式の概略のブロッ
ク図である。なお、図では簡単のために1軸分のみを表
している。
加工プログラム14aは前処理手段1によって読み取ら
れ、解読されてパルス補間可能なデータに変換されて、
補間手段2に送られる。補間手段2はこのデータから補
間を行い、補間パルスIPを加算器5に出力する。また、
補間パルスIPは現在置レジスタ3に送られ、現在値レジ
スタは補間パルスIPを積算して、現在値を保存する。ピ
ッチ誤差補正データ14bは、各軸のストロークを等分割
し、各区間毎のピッチ誤差補正量εnと、現在値の最初
の点までの累積ピッチ誤差補正量εpnを有する。
一方、ピッチ誤差計算手段4は一定周期で、現在値レ
ジスタ3からその軸の現在値を読み、現在値の区間に対
応する各区間毎のピッチ誤差補正量εnと、現在値の最
初の点までの累積ピッチ誤差補正量εpnを読み出す。こ
のデータから、ピッチ誤差補正パルスCPを等間隔で加算
器5へ出力する。加算器5は補間パルスIPとピッチ誤差
補正パルスCPを加算して出力パルスを軸制御回路18に出
力する。軸制御回路18はこの出力パルスによって、後述
のサーボモータを制御する。
ここで、ピッチ誤差計算手段4は区間内のピッチ誤差
補正量を等間隔で出力する。その詳細は以下に述べる。
第2図は本発明を実施するための数値制御装置(CN
C)のハードウェアのブロック図である。プロセッサ11
はROM12に格納されたシステムプログラムに従って、数
値制御装置全体を制御する。ROM12にはEPROMあるいはEE
PROMが使用される。RAM13はSRAMが使用され、各種のデ
ータが格納される。不揮発性メモリ14は加工プログラム
14a、ピッチ誤差補正データ14b、パラメータ等が記憶さ
れ、バッテリバックアップされたCMOS等が使用されるの
で、数値制御装置の電源切断後もその内容が保持され
る。
グラフィック制御回路16は各軸の現在位置、移動量等
のRAM13に格納されたデータを表示信号に変換し、表示
装置15に送り、表示装置15はこれを表示する。表示装置
15はCRT、液晶表示装置等が使用される。キーボード17
は各種のデータを入力するのに使用される。
軸制御回路18はプロセッサ11から位置指令、すなわち
第1図で説明した、補間パルスIPとピッチ誤差補正パル
スCPを加算した出力パルスを受けて、サーボモータ20を
制御するための速度指令信号をサーボアンプ19に出力す
る。サーボアンプ19はこの速度指令信号を増幅し、サー
ボモータ20を駆動する。サーボモータ20には位置帰還信
号を出力するパルスコーダ21が結合されている。パルス
コーダ21は位置帰還パルスを軸制御回路18にフィードバ
ックする。パルスコーダ21の他にリニアスケール等の位
置検出器を使用する場合もある。
サーボモータ20にはボールネジ31が結合されており、
テーブル33に固定されたナット32によって、テーブル33
の移動を制御する。ここで、ボールネジ31のピッチ誤差
がピッチ誤差補正パルスCPによって補正され、テーブル
33の位置決め精度は改善される。また、本発明では、ピ
ッチ誤差補正パルスCPは等間隔で出力されるので、テー
ブル33はスムーズに動き、ワークの切削面が改善され
る。これらの要素は軸数分だけ必要であるが、各要素の
構成は同じであるので、ここでは1軸分のみ表してあ
る。
図では、PMC(プログラマブル・マシン・コントロー
ラ)及びこれに結合される入出力回路、スピンドルを制
御するためのスピンドル制御回路、スピンドルアンプ、
スピンドルモータ等は省略してある。
また、ここではプロセッサは1個であるが、システム
に応じて複数のプロセッサを使用したマルチ・プロセッ
サシステムにすることもできる。
第3図はピッチ誤差補正パルスの出力状態を示す図で
ある。ここで、各区間のピッチ誤差補正量εnは以下の
通りとする。通常は1パルスは1μmである。ただし、
1パルスが10μmであったり、また角度の単位であるこ
ともある。lはピッチ誤差補正区間の長さである。
P0−P1間 4パルス P1−P2間 2パルス P2−P3間 3パルス 従って、第1図に示すピッチ誤差計算手段4は現在値
の区間に対応したピッチ誤差補正量(上記の例では4パ
ルス、2パルス、3パルス)を読み出し、第3図に示す
ように等間隔で出力する。
第4図はピッチ誤差計算手段のピッチ誤差補正パルス
の計算を説明するための図である。ここでは、機械原点
をP0、現在値ABSM、現在値ABSMの区間の最初の点をPn
点Pnの座標値をABSPn、区間の終わりをPn+1とする。ま
た、この区間のピッチ誤差補正量をεnとする。lはピ
ッチ誤差補正区間の長さである。
第5図はピッチ誤差補正計算手段の処理のフローチャ
ートである。図において、Sに続く数値はステップ番号
を示す。
〔S1〕現在値レジスタ3を参照して、現在値ABSMを求め
る。
〔S2〕点Pnまでの累積ピッチ誤差補正量(機械原点P0
ら点Pnまでのピッチ誤差補正量の累積値)εpnと、区間
Pn−Pn+1のピッチ誤差補正量εn、前回の累積ピッチ誤
差補正量PAm-1を、ピッチ誤差補正データ14b内から読み
取る。
〔S3〕現在値ABSMでの累積ピッチ誤差補正量PAmを求め
る。この計算は点Pnまでの累積ピッチ誤差補正量εpn
に、区間内で現在値までの等間隔で出力すべきピッチ誤
差補正パルスを加算して求める。後者は以下の式で求め
られる。
εn・(ABSM−ABSPn)/l=εn・(la/l) すなわち、その区間のピッチ誤差補正量εnをピッチ
誤差区間lと距離laに比例配分した値を意味する。な
お、laは点Pnと現在値ABSMとの距離である。
〔S4〕前回の処理時の累積ピッチ誤差補正量PAm-1との
差分からピッチ誤差補正パルスCPを求める。また、累積
ピッチ誤差補正量PAm-1を新しい累積ピッチ誤差補正量P
Amに置き換える。この累積ピッチ誤差補正量PAmはピッ
チ誤差補正データ14bに保存される。
〔S5〕ピッチ誤差補正パルスCPの値が1以上になったら
1パルス分のパルスを出力する。
このような処理により、ピッチ誤差補正計算手段4は
ピッチ誤差補正パルスを等間隔で出力することができ
る。ただし、移動速度が極めて速いときは、ピッチ誤差
補正パルスが1以上になる場合があるが、通常の状態で
はピッチ誤差補正パルスは1パルスづつ出力される。
上記の説明で、累積ピッチ誤差補正量を使用したの
は、ピッチ誤差補正計算手段4の計算周期が必ずしも、
ピッチ誤差補正区間と一致するとは限らないためであ
る。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明では、ピッチ誤差補正パル
スを区間内で等間隔で出力するようにしたので、機械の
動きがスムーズになり、切削面も向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のピッチ誤差補正方式の概略のブロック
図、 第2図は本発明を実施するための数値制御装置(CNC)
のハードウェアのブロック図、 第3図はピッチ誤差補正パルスの出力状態を示す図、 第4図はピッチ誤差計算手段のピッチ誤差補正パルスの
計算を説明するための図、 第5図はピッチ誤差補正計算手段の処理のフローチャー
ト、 第6図は従来のピッチ誤差補正方式のピッチ誤差補正パ
ルスの例を示す図である。 1……前処理手段 2……補間手段 3……現在値レジスタ 4……ピッチ誤差計算手段 5……加算器 11……プロセッサ 12……ROM 13……RAM 14……不揮発性メモリ 14a……加工プログラム 15……表示装置 17……キーボード 18……軸制御回路 19……サーボアンプ 20……サーボモータ 21……パルスコーダ 25……バス 31……ボールネジ 32……ナット 33……テーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大槻 俊明 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580 番地 ファナック株式会社商品開発研究 所内 (72)発明者 江口 亮二 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580 番地 ファナック株式会社商品開発研究 所内 (56)参考文献 特開 昭62−198902(JP,A) 特開 昭56−110105(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G05B 19/18 - 19/31

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数値制御工作機械におけるボールネジのピ
    ッチ誤差の補正を行うピッチ誤差補正方式において、 ピッチ誤差補正データを格納するメモリと、 補間手段の出力パルスを積算して、現在値を格納する現
    在値レジスタと、 前記現在値を読み取り、前記現在値の区間に対応したピ
    ッチ誤差補正量を読み出し、前記ピッチ誤差補正量を前
    記現在値の区間内で等間隔に出力するピッチ誤差計算手
    段と、 前記補間手段からの補間パルスと、前記ピッチ誤差補正
    量とを加算して軸制御回路に出力する加算器と、 を有することを特徴とするピッチ誤差補正方式。
  2. 【請求項2】前記ピッチ誤差計算手段は、機械原点から
    前記現在値の区間の最初の点までの累積ピッチ誤差量
    と、前記点から現在値までに出力すべきピッチ誤差補正
    パルスを加算して、現在値の累積ピッチ誤差補正量を求
    め、前記累積ピッチ誤差補正量と前回の計算時の累積ピ
    ッチ誤差補正量との差からピッチ誤差補正パルスを求め
    ることを特徴とする請求項1記載のピッチ誤差補正方
    式。
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