JP2761148B2 - カズノコの処理方法及びそのための処理剤 - Google Patents

カズノコの処理方法及びそのための処理剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カズノコの処理方法及
びそのための処理剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、以下に述べるような手順によっ
て、原料カズノコから塩カズノコや調味カズノコが製造
されている。
【0003】先ず、ニシンから取り出された生の原料カ
ズノコに、その3倍量のボーメ5°〜6°の食塩水を加
え、適宜同塩水で換水して血抜きを行う。この血抜きカ
ズノコに食塩をふりかけた後、これを飽和食塩水中に2
4時間〜48時間浸漬し、カズノコの身締めを行う。こ
の身締め(固化)カズノコに前記食塩水にて充分洗浄し
た後、水切りを行う。そして、予め0.5%〜1.0%
の過酸化水素を含むボーメ9°〜11°の食塩水を用意
しておき、この水切りカズノコにその3倍量の前記水溶
液を加えて72時間〜120時間浸漬する(脱色、漂白
処理)。こうして得られるカズノコは過水カズノコと呼
ばれている。
【0004】この過水カズノコを前記ボーメ5°〜6°
の食塩水を用いて繰り返し洗浄することにより、カズノ
コの表面に付着している過酸化水素を除去する。次い
で、別途調整しておいた所要量のカタラーゼ(中和剤)
を含むボーメ9°〜11°の食塩水中に、前記洗浄カズ
ノコを48時間〜96時間浸漬する。尚、前記処理中、
必要に応じて所要量のカタラーゼ希釈液を前記食塩水中
に追加する。
【0005】カタラーゼ処理が施されたカズノコをボー
メ5°〜6°の食塩水で洗浄した後、前記カズノコをそ
の3倍量の飽和食塩水に24時間〜96時間浸漬して、
塩固めを行う。このような一連の手順によって塩カズノ
コが得られると共に、この塩カズノコを脱塩した後、醤
油、糖、アミノ酸等の調味料を添加することによって調
味カズノコが得られている。そして、生の原料カズノコ
を用いた前記方法の他に、冷凍カズノコや塩蔵カズノコ
を用いる方法も従来より同じく実施されている。
【0006】そして、これらの製造方法では、カズノコ
に対して充分に脱色、漂白、血抜き処理を行っておくこ
とが、品質の良い製品を得るうえで必要不可欠とされて
いる。尚、過酸化水素を用いた前記方法によると、比較
的本来の色調(レモン色)を備えた過水カズノコが得ら
れることが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の方法
では、使用時に過酸化水素水溶液が作業者の皮膚を侵し
たり、作業者の喉、頭髪を傷めたりする等という欠点が
あり、安全に取扱うことが極めて困難であった。
【0008】また、過酸化水素は、経口した場合に人体
に癌を誘発させることが認められている。そのため、カ
ズノコの処理に過酸化水素を使用した後には、カタラー
ゼを用いて過酸化水素を中和分解することが行政指導に
よって義務付けられている。
【0009】しかし、生体由来の酵素であるカタラーゼ
は高価なため、結果的にコスト増が避けられないという
問題があった。上述した過酸化水素を処理する方法のほ
か、例えば次亜塩素酸類、オゾン等のような他の酸化剤
を処理する方法も従来より幾つか提唱されている。
【0010】特開平4−40877号公報に開示された
方法によると、例えば、カズノコに酸化剤としてのオゾ
ンを処理した後、還元剤としての次亜硫酸ナトリウム水
溶液を処理して、カズノコ中のオゾンを中和分解させて
いる。
【0011】ところが、この方法では還元剤がカズノコ
中に残留し、カズノコ本来の味や臭いが損なわれため、
前記方法よりも更に好適な処理方法及びそのための処理
剤が求められていた。
【0012】また、次亜塩素酸類のみを単独で処理する
方法では、カズノコ本来の色調が損なわれ、品質の優れ
た製品が得られない等という問題があった。更に、カズ
ノコの内部まで確実に処理するためには、処理剤を高濃
度にせざるを得なく、その結果カズノコが薬剤臭くな
り、蛋白質も変性するという問題も指摘されていた。
【0013】上記事情に鑑み発明者らが鋭意研究を重ね
たところ、特定の酸化剤を組み合わせて使用することに
より、カズノコの品質劣化を伴うことなく、確実にカズ
ノコに漂白、脱色、血抜き等の処理を施すことができる
という結果を得た。更にこの場合、酸化剤処理の後の還
元剤処理が不要になるという結果をも得た。
【0014】しかも、所定濃度のオゾンと、所定濃度の
次亜ハロゲン酸またはその塩とを含む処理剤を用いてカ
ズノコを処理することにより、特に好適な結果が得られ
ることを知見した。そこで、本発明者らはこの知見に基
づき本発明を完成させた。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】そこで、本発明
では、カズノコを血抜きしかつ身締めした後に、オゾン
と、次亜ハロゲン酸(HXO,但しXはハロゲン)また
はその塩(MeXO,但しMeは金属)とを含有する水
溶液を前記カズノコに含ませる処理を施すこととしてい
る。
【0016】また、カズノコのための処理剤に、オゾン
と、次亜ハロゲン酸(HXO,但しXはハロゲン)また
はその塩(MeXO,但しMeは金属)とを含有させて
いる。
【0017】本発明によると、上記処理剤中の薬剤(酸
化剤)に由来するであろう発生期の酸素によって、カズ
ノコ中の血液及び脂肪等の不純物が酸化・除去される。
その結果、カズノコの漂白、脱色、脱臭、殺菌、腐敗防
止、変色防止等が確実に行われる。この場合、両酸化剤
間における何らかの化学的相互作用によって、カズノコ
の色調の悪化というような品質の劣化が防止される。
【0018】このように、本発明によれば、安全性等に
問題がある過酸化水素を用いなくとも、同等またはそれ
以上の処理効果が得られるという利点がある。また、本
発明の処理剤によると、還元剤処理による酸化剤の中和
が不要になるため、従来に比して工程全体が簡便にな
る。
【0019】尚、本発明のような処理剤は、合成殺菌料
または合成殺菌剤と称される範疇に属するものである。
そして、本発明の処理方法及び処理剤は、生カズノコ、
冷凍カズノコ及び塩蔵カズノコの何れのものにも適用す
ることができる。ここで、生カズノコとは生または冷凍
ニシンから取り出されたカズノコ(原料卵)をいう。冷
凍カズノコとは、前記原料卵を食塩水に浸漬した後、冷
凍保存したものである。塩蔵カズノコとは、前記原料卵
を血抜きした後、飽和食塩水を処理し、身締め(固化)
した状態で保存したものである。
【0020】以下に、本発明のカズノコの処理方法及び
そのための処理剤について更に詳細に説明する。前記処
理剤にはオゾンと、次亜ハロゲン酸(HXO,但しXは
ハロゲン)またはその塩(MeXO,但しMeは金属)
とが含まれている。
【0021】オゾンは、水に可溶でかつ極めて強い酸化
力を有する気体であり、例えば乾燥した酸素中で放電を
行うことによって得られる。また、前記次亜ハロゲン酸
とは、次亜塩素酸(HClO)、次亜臭素酸(HBr
O)、次亜ヨウ素酸(HIO)等をいい、次亜ハロゲン
酸塩とは、それらの金属化合物をいうものである。前記
次亜ハロゲン酸塩を構成する金属Meとしては、例えば
K,Na等のようなアルカリ金属、Ca,Sr,Ba等
のようなアルカリ土類金属等がある。
【0022】例えば、この種のものの代表例である次亜
塩素酸(HClO)は、水溶液としてのみ存在し、その
水溶液は強い酸化作用を有している。前記次亜塩素酸
は、例えば酸化水銀を四塩化炭素に懸濁し、塩素を通じ
てから水で処理することによって得られる。また、その
カルシウム塩である次亜塩素酸カルシウムは、極めて強
い漂白作用及び殺菌作用を有し、一般にはさらし粉の主
成分として知られている。
【0023】前記各物質はイオンを多く含まない水(軟
水)に溶解されることが好ましく、更には脱イオン水に
溶解されることが良い。これは、水に含まれる各種イオ
ンによる影響を少なくするためである。
【0024】そして、この処理剤の水溶液中には、0.
05ppm〜50ppmのオゾンと、100ppm〜1
0000ppmの次亜ハロゲン酸またはその塩とが含有
されることが望ましい。
【0025】これらの物質の含有量が前記範囲未満であ
ると、カズノコに対し充分に漂白、脱色処理等を施すこ
とができない。一方、前記範囲を越えると、処理剤のコ
ストが高くなり好適でない。尚、次亜ハロゲン酸または
その塩の含有量とは、例えば前記ハロゲンが塩素である
とき、正確には有効塩素濃度をいうものである。
【0026】前記水溶液をカズノコに含ませるような処
理を行う場合、カズノコを水溶液に一定時間浸漬した
り、カズノコに水溶液を一定時間噴霧する等の方法が可
能である。
【0027】水溶液処理時における液温は、0℃〜30
℃の範囲内であることが望ましい。液温が0℃より低い
と、処理時間が長くなってしまう。一方、液温が30℃
より高いと、カズノコ中の蛋白質等が変性し易くなる。
【0028】前記処理剤への浸漬時間は1時間〜120
時間の範囲内であることが好ましい。浸漬時間が1時間
より少ないと、充分な処理効果を得ることができない。
一方、浸漬時間が120時間より多くしたとしても、処
理効果に顕著な差が生じるわけではない。
【0029】更に、水溶液のpHは、処理を通じて4.
0〜9.0の範囲内に設定されることが好ましい。その
理由は、pHが4.0未満になるとカズノコが変質し易
くなり、pHが9.0を越えるとカズノコを処理した場
合に処理ムラが発生し易くなるからである。
【0030】
【実施例】以下、本発明を具体化した各実施例及びそれ
らに対する各比較例について詳細に説明する。
【0031】実施例としてアラスカ産冷凍ニシン(ブリ
ュストル)に対して所定の処理を行った後、塩カズノコ
を製造した。その手順について次に述べる。完全に解凍
した冷凍ニシンから生カズノコを取り出し、この生カズ
ノコをその3倍量のボーメ5°〜6°の食塩水に浸漬し
た。生カズノコの浸漬時間は48時間とし、浸漬中同食
塩水を4回交換することにより、カズノコの血抜きを行
った。この血抜きカズノコにその10%の食塩を添加し
た後、飽和食塩水中に前記カズノコを48時間浸漬し
て、身締め(固化)カズノコを得た。そして、この固化
カズノコに対し、各種処理剤の水溶液を用いて12通り
の処理を行った。以下、これらの処理について詳しく説
明する。
【0032】先ず、実施例1〜4にて用いる処理剤の水
溶液として、以下の4種のものを作成した。 (1):オゾン及び次亜塩素酸ナトリウムを含む処理剤
(三慶株式会社製,商品名:パワフルピュアエース)を
使用し、この処理剤を所定量の脱イオン水で希釈した。
そして、表1に示すように、0.1ppmのオゾンと、
約2400ppmの次亜塩素酸ナトリウムとを含む水溶
液に調整した。 (2):オゾン及び次亜塩素酸ナトリウムを含む処理剤
(三慶株式会社製,商品名:パワフルピュアエース)を
使用し、この処理剤を所定量の脱イオン水で希釈した。
そして、表1に示すように、0.25ppmのオゾン
と、約6000ppmの次亜塩素酸ナトリウムとを含む
水溶液に調整した。尚、この水溶液は前記(1)の水溶
液に比して、オゾン及び次亜塩素酸ナトリウムの濃度が
共に約2.5倍ほど高い。 (3):オゾン及び次亜塩素酸カルシウムを含む処理剤
(三慶株式会社製,商品名:ニュービューティフルピュ
アエース)を使用し、この処理剤を所定量の脱イオン水
で希釈した。そして、表1に示すような0.1ppmの
オゾンと約2400ppmの次亜塩素酸カルシウムとを
含む水溶液に調整した。 (4):オゾン及び次亜塩素酸カルシウムを含む処理剤
(三慶株式会社製,商品名:ニュービューティフルピュ
アエース)を使用し、この処理剤を所定量の脱イオン水
で希釈した。そして、表1に示すような0.25ppm
のオゾンと約6000ppmの次亜塩素酸カルシウムと
を含む水溶液に調整した。
【0033】そして、前記(1)〜(4)の水溶液を1
5リットルずつ用意し、各々の中に5kgの固化カズノ
コを96時間浸漬した。また、この浸漬処理の間、水溶
液が15℃±3℃になるような温度管理を行うと共に、
pHが4.5〜6.5程度になるようなpH調節を行っ
た。浸漬処理の終了後、前記カズノコを15リットルの
飽和食塩水中に72時間浸漬して、前記カズノコを塩締
めした。このようにして得られた塩カズノコをそれぞれ
実施例1〜実施例4とした。
【0034】次いで、比較例1〜8にて用いる処理剤の
水溶液として、以下の7種のものを作成した。 (1):オゾン水製造装置(新日本技研工業株式会社
製,商品名:パルゾンエース D.0-40 AOC-30F )を使用
して、表1に示すような0.1ppmのオゾンを含む水
溶液を作成した。 (2):オゾン水製造装置(新日本技研工業株式会社
製,商品名:パルゾンエース D.0-40 AOC-30F )を使用
して、表1に示すような0.25ppmのオゾンを含む
水溶液を作成した。 (3):次亜塩素酸ナトリウム液(旭硝子株式会社製,
商品名:アサヒラック)を脱イオン水に溶解して、表1
に示すような約2400ppmの次亜塩素酸ナトリウム
を含む水溶液を作成した。 (4):次亜塩素酸ナトリウム液(旭硝子株式会社製,
商品名:アサヒラック)を脱イオン水に溶解して、表1
に示すような約6000ppmの次亜塩素酸ナトリウム
を含む水溶液を作成した。 (5):次亜塩素酸カルシウム液(日本曹達株式会社
製,高度さらし粉,有効塩素60%以上品,商品名:日
曹ハイクロン)を脱イオン水に溶解して、表1に示すよ
うな約2400ppmの次亜塩素酸カルシウムを含む水
溶液を作成した。 (6):次亜塩素酸カルシウム液(日本曹達株式会社
製,高度さらし粉,有効塩素60%以上品,商品名:日
曹ハイクロン)を脱イオン水に溶解して、表1に示すよ
うな約6000ppmの次亜塩素酸カルシウムを含む水
溶液を作成した。 (7):35%〜36%の過酸化水素水液(三菱瓦斯化
学株式会社製)を脱イオン水で希釈して、表1に示すよ
うな約15000ppmの過酸化水素を含む水溶液を作
成した。
【0035】そして、前記(1)〜(7)の水溶液を1
5リットルずつ用意した後、前記実施例1〜4の手順に
従って5kgの固化カズノコを浸漬処理した。次いで、
そのカズノコを15リットルの飽和食塩水中に72時間
浸漬して、前記カズノコを塩締めした。このようにして
得られた塩カズノコをそれぞれ比較例1〜比較例7とし
た。更に、脱イオン水のみを用いて同様の処理を行い、
得られた塩カズノコを比較例8(コントロール)とし
た。
【0036】以下、前記12種の塩カズノコを用いて官
能試験を行った。本官能試験においては、(a)色調、
(b)塩素臭の有無、(c)蛋白質変性、(d)中心部
における血液の凝固の各項目について評価した。それら
の結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示されるように、実施例1〜4で
は、塩カズノコの表面は自然な黄色に仕上がり、極めて
品質の良いものとなった。また、何れの塩カズノコにも
蛋白質の変性は認められず、塩素臭の残留もなかった。
そして、塩カズノコ中心部における血液の凝固は、何れ
の実施例においても全くといって良いほど確認されなか
った。中でも特に比較的高濃度にて処理を行った実施例
2及び実施例4について、より自然な色調に仕上がると
いう好適な結果が得られた。
【0039】このように、前記実施例1〜4について
は、極めて品質の良い塩カズノコが得られることが証明
された。一方、比較例3〜6では、塩カズノコの表面は
黒赤色で全体的にくすんだ色調となり、塩カズノコにや
や蛋白質の変性が生じているようであった。また、塩カ
ズノコ中心部において血液が凝固していることが確認さ
れた。更に、この塩カズノコでは、次亜塩素酸ナトリウ
ムに由来する塩素が製品に残留し、製品に塩素特有の不
快な刺激臭がした。
【0040】比較例1,2では、塩カズノコの表面は灰
白色で全体的にくすんだ色調となった。また、塩カズノ
コ中心部において血液が凝固していることが確認され
た。比較例7については、前記実施例1〜4とほぼ同様
の結果を示し、得られた塩カズノコは大変品質の良いも
のであった。また、塩カズノコの色調は不自然ではある
が鋭い強烈な黄色に仕上がった。
【0041】コントロール区としての比較例8では、塩
カズノコに蛋白質の変性は生じていなかったものの、そ
の中心部において血液が凝固していることが確認され
た。また、塩カズノコの表面は変化がなかった。
【0042】上記の各実施例1〜4の結果を勘案する
と、本発明の処理方法及び処理剤が次亜塩素酸塩やオゾ
ンを用いた処理に比して極めて優れており、かつ過酸化
水素を用いた処理とほぼ同程度の効果が得られるという
結論に達する。しかしながら、本発明によると、カタラ
ーゼによる中和分解処理が不要であることから、過酸化
水素処理よりも有効であると考えられる。しかも、より
自然で、人体に害を与えることもないカズノコが得られ
るという優れた点も見出した。
【0043】尚、本発明は上記実施例に限定されること
はなく、以下に示すように変更することが可能である。
例えば、カズノコを処理剤に浸漬する際には、例えば処
理剤を攪拌したり、両者に超音波振動等を与えたりして
も良い。
【0044】その理由は、上述のような物理的処理を併
せて行うことにより、処理時間を短縮できるからであ
る。また、処理濃度を低くしても、処理ムラが生じ難く
なるという利点もある。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のカズノコ
の処理方法及びそのための処理剤によれば、カズノコの
色調悪化というような品質の劣化を伴うことなく、確実
に漂白、脱血、脱臭、殺菌、腐敗防止、変色防止等を行
うことができるという優れた効果を奏する。そのため、
従来のように安全性等に問題がある過酸化水素を用いな
くとも、同等またはそれ以上の処理効果を得ることがで
きる。また、本発明によると、還元剤処理による酸化剤
の中和が不要になるため、従来に比して工程全体が簡便
になるという優れた効果をも奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/328 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カズノコを血抜きしかつ身締めした後に、
    オゾンと、次亜ハロゲン酸(HXO,但しXはハロゲ
    ン)またはその塩(MeXO,但しMeは金属)とを含
    有する水溶液を前記カズノコに含ませる処理を施すこと
    を特徴とするカズノコの処理方法。
  2. 【請求項2】前記水溶液中には、0.05ppm〜50
    ppmのオゾンと、100ppm〜10000ppmの
    次亜ハロゲン酸またはその塩とが含有されることを特徴
    とする請求項1に記載のカズノコの処理方法。
  3. 【請求項3】オゾンと、次亜ハロゲン酸(HXO,但し
    Xはハロゲン)またはその塩(MeXO,但しMeは金
    属)とを含有するカズノコのための処理剤。
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