JP2760936B2 - 制御方法 - Google Patents

制御方法

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JP2760936B2
JP2760936B2 JP17968693A JP17968693A JP2760936B2 JP 2760936 B2 JP2760936 B2 JP 2760936B2 JP 17968693 A JP17968693 A JP 17968693A JP 17968693 A JP17968693 A JP 17968693A JP 2760936 B2 JP2760936 B2 JP 2760936B2
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秀之 五十井
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  • Feedback Control In General (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,制御方法に係り,例え
ば元ホッパから複数バンカへの石炭等の補給対象物の補
給方法に用いられる制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉への微粉炭吹き込みでは,トラック
等により輸送されてくる石炭を,製鉄所内の複数の打ち
込みバンカに銘柄毎に分けて受入れ,順次切り出して粉
砕の上,微粉炭となして使用している。それ故,銘柄の
異なる石炭を同時に使用することがあり,この場合,高
炉の安定操業のため,銘柄の異なる石炭を出来るだけ均
等に混合させるようにし,単位時間当たりのカロリー変
動を一定にする事が重要である。そこで,上記単位時間
当たりのカロリー変動を一定にするために複数の銘柄の
石炭を複数の補給先に決められた割合で供給すること
が,種々の方法により行われていた。図13はこのよう
な石炭の補給に用いられる従来の制御装置20廻りの一
例に於ける概略構成を示す模式図,図14は従来の制御
装置31廻りの一例に於ける概略構成を示す模式図であ
る。以下は理解をしやすくするため3銘柄の石炭を対象
に説明する。図13においては,3銘柄の石炭A,B,
Cは,銘柄毎に各打ち込みホッパ11,12,13に受
け入れられ,4基のバンカ14〜17へは,予め定めら
れた単位時間当たりのカロリーになるように各打ち込み
ホッパ11,12,13から同時に定量が切り出され,
搬送コンペア群18を介して補給される。各バンカ14
〜17には,レベル測定器19が設けられ,高炉への微
粉炭吹き込み中は,これらレベル測定器19からの石炭
のレベルにより制御装置20を介して搬送コンベア群1
8を制御し,消費した石炭の補給がレベルの低い順に行
われる。また,図14においては,打ち込みホッパ2
1,22,23の後に混合用ホッパ24が設置されてお
り,銘柄毎に各打ち込みホッパ21,22,23に受け
入れられている3銘柄の石炭A,B,Cは,予め定めら
れた単位時間当たりのカロリーになるように各打ち込み
ホッパ21,22,23から同時に定量が切り出され,
一旦混合用ホッパ24に投入され混合状態にされた後,
4基のバンカ25〜28へ搬送コンベア群29を介して
補給される。各バンカ25〜28には,上記と同様にレ
ベル測定器30が設けられ,高炉への微粉炭吹き込み中
は,これらレベル測定器30からの石炭のレベルにより
制御装置31を介して搬送コンベア群29を制御し,消
費した石炭の補給がレベルの低い順に行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術で
は,銘柄毎に打ち込みホッパを必要とし,さらには必要
に応じて混合用ホッパを必要としていたため,設備が大
掛かりになると共に設備コストのアップとなり,延いて
は高炉で生産される熔銑のコストアップとなる。このた
め,打込みホッパを1基とし,この1基の打込みホッパ
に順次銘柄の異なる石炭を補給することが考えられる。
しかし,この場合,各バンカ内の石炭の補給状態は,銘
柄毎に分離した層状態となる。また,高炉への微粉炭吹
き込み中における各バンカの石炭の消費量は,バンカが
接続されている高炉の吹き込み位置及び/又は高炉の炉
况等によって大小がある。このため,極端な場合,図1
5(1)に示すように石炭のレベルは同一でも消費側の
層の銘柄がバンカ毎に異なることがあり得る。従って,
単純に打込みホッパを1基としても,各バンカに補給さ
れる石炭は予め定められた単位時間当たりのカロリーを
常に一定に確保できるとは限らない。上記単位時間当た
りのカロリーを常に一定に確保するためには,図15
(2)に示すように各バンカの石炭の消費量の大小に対
応させて層厚をバンカ毎に変えればよい。しかし,消費
した石炭の補給を,上述した各バンカの石炭のレベルを
レベル測定器で測定し,レベルの低いものから順に補給
する従来の制御方法では,上記消費量の大小に対応させ
た補給制御が困難であった。更に,高炉の微粉炭吹き込
み設備は,常に連続運転であり,補給されているはずの
バンカ内の石炭が空になると下流側に悪影響をおよぼ
す。このため,石炭のレベルがある程度低くなると,急
いで石炭を補給しなければならない。この急ぐ度合いは
例えばバンカの形状等によっても異なり,このためバン
カ毎に優先順位が異なる。従って,このような各種判断
要素を考慮に入れたきめの細かい制御を行う必要があっ
た。上記のような問題点を解決するために後記する本件
第1の発明のようにファジィ理論を用いる制御が考えら
れるが,かかる一般のファジィ制御においては専用のフ
ァジィコントローラが必要で装置が大型化する問題点が
ある。本発明は,上記の問題点に鑑みてなされたもので
あって,その第1の目的は上記元ホッパから複数バンカ
への補給対象物の補給の仕方に一般的ファジィ理論を適
用することで,1基の打ち込みホッパ(元ホッパ)を使
用し,且つこの1基の元ホッパに順次銘柄の異なる補給
対象物をきめ細かく制御して補給する,元ホッパから複
数バンカへの補給対象物の補給方法に適用できるファジ
ィ理論による制御方法を提供することである。また第2
の目的は一般分野へも応用出来,かつファジィ専用コン
トローラを必要としない特別のファジィ理論(以下要素
ファジィ理論とよぶ)による制御方法を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本出願の第1の発明は,元ホッパに順次受ける補給
対象物を複数のバンカに補給する方法において,バンカ
毎に各バンカの優先順位,補給対象物のレベル及び単位
時間当たりの補給対象物の消費量を含む入力データと,
該バンカへの補給順及び補給量を求めるための出力デー
タとについて,それぞれの特性を表すメンバシップ関数
を作成すると共に,上記入出力データ間の関係を表すフ
ァジィルールを適当数作成し,上記入力データを設定も
しくは測定し,上記設定もしくは測定された入力データ
を,該入力データに対応するメンバシップ関数及び上記
ファジィルールに適用することにより,上記ファジィル
ール毎に上記出力データに対応するメンバシップ関数を
修正し,上記修正されたメンバシップ関数の全ファジィ
ルール分の総和に基づいてバンカ毎に出力データを求
め,上記求められた出力データに基づいて上記各バンカ
への補給順位及び補給量を決定してなることを特徴とす
る制御方法として構成されている。本第1の発明により
上記第1の目的が達成される。更には,第2の発明は,
複数の制御対象の制約条件及び/又は制御状態量からな
る入力データについて,それぞれの特性を表すメンバシ
ップ関数を作成してそれぞれに重み付けし,上記入力デ
ータを入力し,上記入力された入力データを,上記重み
付けされたメンバシップ関数に適用して該メンバシップ
関数の制御対象毎の総和である出力データを求め,上記
求められた出力データに基づいて上記制御対象を制御し
てなる制御方法である。これにより上記第2の目的が達
成される。更には,第3の発明は,元ホッパに順次受け
る補給対象物を複数のバンカに補給する方法において,
バンカ毎に各バンカの優先順位,補給対象物のレベル及
び単位時間当たりの補給対象物の消費量を含む入力デー
タについて,それぞれの特性を表すメンバシップ関数を
作成してそれぞれに重み付けし,上記入力データを設定
もしくは測定し,上記設定もしくは測定された入力デー
タを,上記重み付けされたメンバシップ関数に適用して
該メンバシップ関数のバンカ毎の総和である出力データ
を求め,上記求められた出力データに基づいて上記各バ
ンカへの補給順位及び補給量を決定してなることを特徴
とする制御方法である。これにより第2の発明にかかる
制御方法が元ホッパから複数バンカへの供給方法に適用
される。更には,第4の発明は,元ホッパに順次受ける
補給対象物を複数のバンカに補給する方法において,バ
ンカ毎に優先順位を定量化して重み付けするとともに,
各バンカの補給対象物のレベルおよび単位時間当たりの
補給対象物の消費量を測定し,その実測値の大小に応じ
て各バンカの補給対象物のレベルおよび単位時間当たり
の補給対象物の消費量をそれぞれ重み付けし,次いでこ
れら優先順位,補給対象物のレベル,単位時間当たりの
補給対象物の消費量の各重みのバンカ毎の和を求め,こ
の重みの和の総和を求めると同時にこの総和に対する各
バンカの和の比率を求めその比率に応じて補給対象物の
補給量を各バンカに配分して補給することを特徴とする
制御方法である。第4の発明は第3の発明をより具体化
したものと認識される。
【0005】
【作用】第1の発明によれば,元ホッパに順次受ける補
給対象物を複数のバンカに補給するに際し,バンカ毎に
各バンカの優先順位,補給対象物のレベル及び単位時間
当たりの補給対象物の消費量を含む入力データと,該バ
ンカへの補給順及び補給量を求めるための出力データと
について,それぞれの特性を表すメンバシップ関数が作
成されると共に,上記入出力データ間の関係を表すファ
ジィルールが適当数作成される。上記入力データが設定
もしくは測定される。上記設定もしくは測定された入力
データを,該入力データに対応するメンバシップ関数及
び上記ファジィルールに適用することにより,上記ファ
ジィルール毎に上記出力データに対応するメンバシップ
関数が修正される。上記修正されたメンバシップ関数の
全ファジィルール分の総和に基づいてバンカ毎に出力デ
ータが求められる。上記求められた出力データに基づい
て上記各バンカへの補給順位及び補給量が決定される。
このように,補給対象物のレベル以外に補給対象物の消
費量等を判断要素として採用し,その判断にファジィ理
論を適用することにより常に変動する各バンカの持つ固
有の条件を基にしてきめの細かい補給制御をすることが
できる。上記求められたバンカ毎の出力データの大きさ
順に上記各バンカへの補給順位を決定してもよい。更
に,上記求められたバンカ毎の出力データの,所定数の
バンカについての合計値に対する比率に基づいて上記各
バンカへの補給量を決定することもできる。このよう
に,上記ファジィ理論による判断結果を基にしてより最
適な補給量及び補給順の決定を行うことができる。又,
第2の発明によれば,複数の制御対象の制約条件及び/
又は制御状態量からなる入力データについて,それぞれ
の特性を表すメンバシップ関数が作成され,それぞれに
重み付けされる。上記入力データが入力される。上記入
力された入力データを,上記重み付けされたメンバシッ
プ関数に適用して該メンバシップ関数の制御対象毎の総
和である出力データが求められる。上記求められた出力
データに基づいて上記制御対象が制御される。このよう
に上記ファジィ理論におけるファジィルールを用いない
要素ファジィ理論を適用することによってもきめの細か
い制御を行うことができる。この要素ファジィ理論によ
る制御方法は,次の第3の発明におけるようなバンカへ
の補給対象物の補給方法への適用はもちろん,それ以外
の一般分野の制御方法にも適用することができ,かつフ
ァジィ専用コントローラを必要としない。更に,この要
素ファジィ理論による制御方法は,例えば入出力特性が
ひんぱんに変わるようなシステムに適用した場合でも,
メンバシップ関数は変えることなく,重み付けのみを適
宜変更することにより対処できる可能性があるため,そ
の応用先は幅広いものとなる。
【0006】第3の発明によれば,元ホッパに順次受け
る補給対象物を複数のバンカに補給するに際し,バンカ
毎に各バンカの優先順位,補給対象物のレベル及び単位
時間当たりの補給対象物の消費量を含む入力データにつ
いて,それぞれの特性を表すメンバシップ関数が作成さ
れ,それぞれに重み付けされる。上記入力データが設定
もしくは測定される。上記設定もしくは測定された入力
データを,上記重み付けされたメンバシップ関数に適用
して該メンバシップ関数のバンカ毎の総和である出力デ
ータが求められる。上記求められた出力データに基づい
て上記各バンカへの補給順位及び補給量が決定される。
このように,要素ファジィ理論による制御方法によって
もきめの細かい補給制御を行うことができる。上記求め
られたバンカ毎の出力データの大きさ順に上記各バンカ
への補給順位を決定してもよい。更に,上記求められた
バンカ毎の出力データの,所定数のバンカについての合
計値に対する比率に基づいて上記各バンカへの補給量を
設定することも可能である。このように,上記要素ファ
ジィ理論による制御方法によっても,より最適な補給順
位及び補給量を決定することができる。又,第4の発明
によれば,元ホッパに順次受ける補給対象物を複数のバ
ンカに補給するに際し,バンカ毎に優先順位が定量化さ
れ重み付けされると共に,各バンカの補給対象物のレベ
ル及び単位時間当たりの補給対象物の消費量が測定され
る。その実測値の大小に応じて各バンカの補給対象物の
レベル及び単位時間当たりの補給対象物の消費量がそれ
ぞれ重み付けされる。次いでこれら優先順位,補給対象
物のレベル,単位時間当たりの補給対象物の消費量の各
重みのバンカ毎の和が求められる。この重みの和の総和
が求められると同時にこの総和に対する各バンカの和の
比率が求められその比率に応じて補給対象物の補給量が
各バンカに配分され補給される。このように,更に簡易
な方法によっても,きめの細かい制御を行うことがで
き,最適な補給順位及び補給量を求めることができる。
この方法は前記要素ファジィ理論による制御方法におけ
るメンバシップ関数と重み付けとを一体化した重みを用
いるため,入出力特性をあまりひんぱんに変更しないよ
うなシステムに好適である。更に,上記各重みの各バン
カ毎の和を求めるに際し,バンカ毎の重みの大きいもの
から順に複数選択してその重みの総和を求め,選択され
たバンカのみ,その総和に対する各バンカの和の比率を
求め,その比率に応じて補給対象物の補給量を各バンカ
に配分・補給することもできる。このように,例えば稼
働中の任意の数のバンカについて補給順位及び補給量を
求めることができる。その結果,1基の打ち込みホッパ
(元ホッパ)を使用し,且つこの1基の元ホッパに順次
銘柄の異なる補給対象物をきめ細かく制御して補給す
る,元ホッパから複数バンカへの補給対象物の補給方法
に適用できるファジィ理論による制御方法と,一般分野
へも応用でき,かつファジィ専用コントローラを必要と
しない要素ファジィ理論による制御方法とが得られる。
【0007】
【実施例】以下,添付図面を参照して,本発明を具体化
して実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,
以下の実施例は,本発明を具体化した一例であって,本
発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に,図1は本発明(第1〜第4の発明)の一実施例に係
る制御装置4(4′),(4″)廻りの概略構成を示す
模式図,図2は制御装置4の入出力関係を示すブロック
図,図3は制御装置4によるファジィ理論による推論処
理の流れを示すブロック図,図4は制御装置4にファジ
ィ理論を適用した時のメンバシップ関数を示す図,図5
はファジィ理論による処理状態を示す図,図6は制御装
置4′による要素ファジィ理論による理論処理の流れを
示すブロック図,図7は制御装置4′に要素ファジィ理
論を適用した時のメンバシップ関数を示す図,図8は要
素ファジィ理論による場合(要素ファジィ制御)の石炭
のレベルの変化を示す図,図9は要素ファジィ理論によ
らない場合(マニュアル操作)の石炭のレベルの変化を
示す図,図10は要素ファジィ理論による制御結果を示
す図,図11は要素ファジィ理論を一般分野に適用した
場合のメンバシップ関数を示す図,図12は制御装置
4″に適用しうるその他の関数の例を示す図である。図
1に示す如く,第1の発明の一実施例に係わる制御方法
は,打ち込みホッパ1(元ホッパに相当)に,順次石炭
(補給対象物に相当)を複数のバンカ3a〜3fからな
るバンカ群3に補給するに際し,バンカ毎に各バンカ3
a〜3fの優先順位X3,石炭のレベルX1(補給対象
物のレベルに相当)及び単位時間当たりの石炭消費量X
2(単位時間当たりの補給対象物の消費量に相当)を含
む入力データと,バンカ3a〜3fへの補給順及び補給
量を求めるためのポイントYで表す出力データとについ
て,それぞれの特性を表すメンバシップ関数を作成する
と共に,上記入出力データ間の関係を表すルール(ファ
ジィルールに相当)を適当数作成し,上記入力データを
設定もしくは測定し,上記設定もしくは測定された入力
データを,この入力データに対応するメンバシップ関数
及びルールに適用することにより,ルール毎の出力デー
タに対応するメンバシップ関数を修正する。修正された
メンバシップ関数の全ルール分の総和に基づいてバンカ
毎に出力データを求め,この求められた出力データの値
であるポイントYの数値に基づいて各バンカ3a〜3f
への補給順位および補給量を決定するように構成されて
おり,所謂ファジィ理論を適用したものである。そし
て,制御装置4により上記方法が具現化されるが,まず
この制御装置4廻りについてその動作を含めて説明す
る。
【0008】打ち込みホッパ1には,消費量に合わせて
トラック輸送されてくる石炭が順次受け入れられると共
に,搬送コンベア群2へ切り出される。搬送コンベア群
2は,5台の正逆回転可能な搬送コンベア2a〜2eで
構成され,上記打ち込みホッパ1から切り出されてくる
石炭を次の如くしてバンカ群3へ補給する。即ち,搬送
コンベア2aでは,コンベア2aが逆回転するとバンカ
3aに石炭が補給され,正回転すると搬送コンベア2b
上へ石炭が輸送される。以下同様に,搬送コンベア2b
ではコンベア2bが逆回転するとバンカ3bに石炭が補
給され,正回転すると搬送コンベア2c上へ石炭が搬送
される。搬送コンベア2cでは,コンベア2cが逆回転
するとバンカ3cに石炭が補給され,正回転すると搬送
コンベア2d上へ石炭が搬送される。搬送コンベア2d
では,コンベア2dが逆回転するとバンカ3dに石炭が
補給され,正回転すると搬送コンベア2e上へ石炭が搬
送される。そして,搬送コンベア2eでは,コンベア2
eが逆回転するとバンカ3eに石炭が補給され,正回転
するとバンカ3fに石炭が補給される。尚,この搬送コ
ンベア2a〜2eの正又は逆回転は制御装置4により制
御され,正回転は石炭が図1の右方向に移送される場
合,逆回転は石炭が図1の左方向に移送される場合であ
る。バンカ群3は,6基のバンカ3a〜3fからなり,
各バンカ3a〜3fには,バンカ内の石炭のレベルを測
定するレベル測定器5a〜5fと,石炭の単位時間当た
りの消費量を求める計測手段(例えばロードセル)6a
〜6fとが装備されている。又,各測定器5a〜5fと
各計測手段6a〜6fとによる測定信号は制御装置4に
入力される。そして,高炉への微粉炭吹き込み中は,別
に入力される各バンカ3a〜3fの優先順位の設定信号
が制御装置4に入力され,制御装置4により搬送コンベ
ア2a〜2eが制御されて各バンカ3a〜3fへの石炭
の補給の制御が行われる。以下,この制御装置4に適用
される上記ファジィ理論による制御方法(以下ファジィ
制御と略す)について図2〜図5を用いて説明する。図
2は制御装置4における論理動作部を示すものであり,
ここでのファジィ制御に用いる入力条件及び操作量を各
バンカ3a〜3f毎に以下のように設定する。即ち入力
条件としては,バンカの石炭のレベルX1,バンカの単
位時間当たりの石炭消費量X2,及びバンカの優先順位
X3を用い,操作量としては補給順位及び補給量を決定
する為にポイントYを用いる。
【0009】次に予め作成されるN数のルールについて
説明する(ここでは,N=2とする)。ここでIFは条
件部を示し,THENは結論部を示すものである。例え
ばルール(1)として,石炭のレベルが高く,消費量が
やや大きく,優先順位が低ければ,ポイントは小である
とする。 (IF X1=L AND X2=M AND X3=
S THEN Y=S) ルール(2)として,石炭のレベルがやや高く,消費量
が大きく且つ優先順位がやや高ければ,ポイントは中で
あるとする。 (IF X1=M AND X2=L AND X3=
M THEN Y=M) 上記ルール(1),(2)に用いた条件部,結論部に対
してそれぞれ図4(1)〜(4)に示すようなメンバシ
ップ関数を予め作成しておく。ここで,あるバンカにつ
いて,石炭のレベルX1=80%,消費量X2=50T
/H,優先順位X3=5がそれぞれ測定もしくは設定さ
れたとする。この時上記ルール(1),(2)とメンバ
シップ関数とによりファジィ理論による結論が以下の如
く導出される。即ち,図5(1),(2)に示すように
先ず測定された石炭のレベルX1及び消費量X2並びに
設定された優先順位X3をそれぞれに対応するメンバシ
ップ関数に適用し,そして,ルール(1)についてそれ
らの論理積(例えばMIN)をとることにより結論部の
メンバシップ関数を修正する。ルール(2)についても
同様にして結論部のメンバシップ関数を修正する。図5
(3)に示すように,上記修正された結論部のメンバシ
ップ関数の全ての論理和により,結論として操作量(ポ
イント)を決定する。ここではルール(1)及びルール
(2)の論理和を用いる。この論理和によって得られた
関数の重心計算により,ある確定値を得る。これが,ポ
イントに当てはまる。このようにファジィ理論の適用に
より,補給先の各バンカ毎の補給量及び補給先を決定す
るためのポイントを算出する。今,補給先が3つに限定
される場合について以下に示す。即ち,バンカ3a〜3
fの内ポイントの多い上位3つが,No.1バンカ,N
o.2バンカ,No.3バンカであり,このようなポイ
ントがX,Y,Zであるとする。このポイントの大きさ
に応じて補給順を決定する。そして,トラック1台分が
例えば60トンの時,それぞれの補給量は,以下の計算
式により求める。
【0010】 No.1バンカ補給量:60トン×X/(X+Y+Z) No.2バンカ補給量:60トン×Y/(X+Y+Z) No.3バンカ補給量:60トン×Z/(X+Y+Z) つまり,各ポイントの比率により60トンを配分し,各
バンカへの補給量とする。図3は上記一連のファジィ理
論による推論処理フローの一例を示すものであり,マム
ダニ法といわれる手法である。このように,石炭のレベ
ル以外に単位時間当たりの石炭消費量等を判断材料とし
てファジィ制御を採用することにより,常に変動する各
バンカa〜3fの持つ固有の条件を基にきめ細かな補給
制御を行うことができ,より最適な補給量及び補給順位
を決定することができる。このようなファジィ制御では
比較的手間のかかるN数のルール作りが不可欠であるた
め,さらに本発明者らはこのルール作りを省略すること
により上記ファジィ制御を改良した所謂要素ファジィ制
御(要素ファジィ理論による制御)を開発した(第2〜
第4の発明)。即ち,出力量は,各入力要素毎の論理演
算(和,積等)で表せることに着目し,全く新しいファ
ジィ理論を発明した(要素ファジィ理論)。要素ファジ
ィ理論を用いれば,従来のファジィ理論に比較して手間
がかからずかつ十分な制御が行える。以下,これらの要
素ファジィ制御(第2〜第4の発明)について述べる。
まず,第2の発明の一実施例に係る要素ファジィ制御
は,複数の制御対象の制御条件及び/又は制御状態量か
らなる入力データについて,それぞれの特性を表すメン
バシップ関数を作成してそれぞれ重み付けし,入力デー
タを入力し,この入力された入力データを上記重み付け
されたメンバシップ関数に適用してこのメンバシップ関
数の制御対象毎の総和である出力データを求め,この求
められた出力データに基づいて制御対象を制御するよう
に構成されている。図6は要素ファジィ制御における理
論処理の流れを示すものであり,図中M数の要素が上記
入出力データに対応する。このように,要素ファジィ制
御では,上記ファジィ制御に用いられるファジィルール
を用いることがないため,上記ファジィ制御に比べてソ
フフトウエア構築の手間が減少し,膨大且つ複雑な制御
ロジックを処理するためのファジィ専用コントローラ等
が不要となる。この要素ファジィ制御によっても制御条
件及び/又は制御状態量といった複数の判断要素を用い
て上記したようなきめの細かい補給制御を行うことがで
きる。
【0011】次に,この要素ファジィ制御を,上記ファ
ジィ制御に適用したのと同様の石炭の補給制御に適用し
た場合(第3の発明)について図1,図6〜図10を参
照して説明する。図1に示す如く,第3の発明の一実施
例に係わる制御方法は,打ち込みホッパ1(元ホッパに
相当)に順次受ける石炭(補給対象物に相当)を複数の
バンカ3a〜3fからなるバンカ群3に補給するに際
し,各バンカ3a〜3fの優先順位,石炭のレベル(補
給対象物のレベルに相当)及び単位時間当たりの石炭消
費量(単位時間当たりの補給対象物の消費量に相当)を
含む入力データについて,それぞれの特性を表すメンバ
シップ関数を作成してそれぞれに重み付けし,入力デー
タを設定もしくは測定し,この設定もしくは測定された
入力データを上記重み付けされたメンバシップ関数に適
用してこのメンバシップ関数のバンカ毎の総和である出
力データであるポイントYの合計値を求め,この求めら
れたポイントYの合計値に基づいて各バンカ3a〜3f
への補給順位及び補給量を決定するように構成されてい
る。この一連の制御は図中の制御装置4′により実行さ
れる。制御装置4′の廻りについては上記ファジィ制御
における実施例と同様である。以下,この制御装置4′
に適用される要素ファジィ制御について述べる。この要
素ファジィ制御では,ファジィルールを用いることな
く,入出力データに対応して予めそれぞれメンバシップ
関数を作成しておく。例えば,メンバシップ関数とし
て,図7(1)〜(3)に示すようなレベルポイント関
数(Z型),消費量ポイント関数(S型)及び優先ポイ
ント関数を作成する。これら作成された各メンバシップ
関数についてそれぞれの重要度に応じて重み付けを行
う。次に,入力データの入力を行う。ここでは一例とし
て以下の入力データを用いてシミュレーションを行って
このシステムを評価する。シミュレーションの前提条件
は以下の通りである。但し,シミュレーション上のN
o.1′〜No6′バンカは上記各バンカ3a〜3fに
相当する。 〔シミュレーション〕 (1)60トンのトラックが,10分毎に打ち込みホッ
パ1に到着する。 (2)各バンカのシミュレーション開始時の石炭のレベ
ルは,図7(4)の通りとする。 (3)各バンカの消費量は,図7(5)の通りとする。
但し,No.3′バンカにおいては,石炭のレベルが4
0%を超えて初めて消費が始まるものとする。 (4)打ち込みホッパ1に投入された石炭は,合計6基
あるバンカの内,3基のバンカに搬送されるものとす
る。又,銘柄パターンはA,B,Cの3パターンである
とする。
【0012】上記前提条件における石炭のレベル及び消
費量の値を各メンバシップ関数に適用してその入力デー
タに対するポイント数を算出する。このポイント数に重
み付けをした値を各入力データについてのポイント数と
する。そして,各入力データ毎に得られたポイント数
(重み付けを考慮したポイント数)の合計を求め,その
値の大きさ順に各バンカの補給順位を決定する。次に,
上記ポイント数の全入力データ分(上記3基のバンカ
分)についての総和に対する比率を求め,その比率によ
りトラック1台分の石炭量60トンを按分し各バンカの
補給量とする。このシミュレーション結果を図10に示
す。この図より以下のことがわかる。 〔評価〕 (1)図10のNo.3′バンカでは約1.5時間で石
炭のレベルが40%に達している。 (2)優先ポイントの影響は以下の通りである。 No.2′バンカとNo.6′バンカとの消費量は同じ
(100%)であるが,No.2′バンカの優先ポイン
トが10,また約6時間経過時に石炭のレベルが50〜
60%であったのに対し,No.6′バンカの優先ポイ
ントが5,また約6時間経過時に石炭のレベルが40〜
55%であった。このことから優先ポイントで5ポイン
トの差が石炭のレベルで約5〜10%の差に相当するこ
とがわかる。次に消費量ポイントの影響は,次の通りで
ある。即ちNo.4′バンカとNo.6′バンカとの優
先ポイントは同じであるが,No.4′バンカの消費量
が40%で,石炭のレベルが40〜50%であるのに対
し,No.6′バンカの消費量が100%で,石炭のレ
ベルが45〜55%である。このことから,消費量ポイ
ントで60%の差が石炭のレベルで5%の差に相当する
ことがわかる。即ち,所望の偏差を保ったままの制御を
行うことができることがわかる。次に,この要素ファジ
ィ制御の効果を調べるため,人の判断に基づくマニュア
ル操作による石炭のレベル変化との比較を行ったのが図
8(要素ファジィ制御)及び図9(マニュアルの操作)
である。これらの図から要素ファジィ制御による石炭の
レベルの変化はマニュアル操作による石炭のレベルの変
化に比較して良好な制御状態を保ち,特に要素ファジィ
制御によれば50%以下のレベルになるバンカがなくな
ることがわかる。この要素ファジィ制御は上記のよう
な,石炭の補給量制御に限られるものではなく,例えば
次のような一般分野への応用を図ることができる。ここ
では,倒立振子に,上記の要素ファジィ制御を適用した
場合について説明する。
【0013】まず,倒立振子を制御するために,以下の
制御要素を考慮する。即ち倒立振子の傾きの角度θ,及
び角速度θ′である。この2つの制御要素を用いて以下
の手順で制御を行う。まず,出力は,各要素の総和であ
るという考えに基づき,各要素毎にメンバシップ関数を
導入する。図11(1)は角度θと出力とのメンバシッ
プ関数を示す。ここで角度θが図中の右に充分に傾いて
おれば結果として出力は1に近い値となり,右に一定の
動きをかなり早くする。ここで,一定の動きとは人間が
判断する場合人手により倒立振子を制御すると想定した
ものである。又,図11(2)は角速度θ′と出力との
メンバシップ関数である。図中右への角速度θ′が充分
に早ければ,結果として出力は1に近い値となり,右に
対して手の動きをかなり遅くすることになる。次に,各
入力値に対する各出力,即ちポイントを求める。この例
では,図11(1)から角度ポイントは0.4であり,
図11(2)から角速度ポイントは0.7であることが
わかる。次に,各ポイントに対し重み付けを行う。この
例では図11(1)に対しては2,図11(2)に対し
ては4である。次に,重み付け後の各ポイントに対して
和を求める。この例では,(0.4×2)+(−0.7
×4)=−2.0である。そして,求める解は,右に対
して−2.0に見合う(左に対して2.0に見合う)早
さで手を動かすことである。具体的には−2.0がどの
早さかは実験にて求めていくことになる。このように,
この要素ファジィ制御は一般分野の制御方法に適用する
ことができる。更に,この要素ファジィ制御は,例えば
入出力特性がひんぱんに変わるようなシステムに適用し
た場合でも,メンバシップ関数は変えることなく重み付
けのみを適宜変更することにより対処できる可能性があ
るため,その応用先は幅広いものとなる。逆に,入出力
特性がひんぱんに変わらないようなシステムについて
は,上記要素ファジィ制御におけるメンバシップ関数と
重み付けとを一体化することにより更に簡易な制御を行
うことができる。次に示す第4の発明はこの点に着目し
たもので,上記要素ファジィ制御の変形例にあたる。
【0014】引き続いてこの変形例を上記ファジィ制御
及び上記要素ファジィ制御を適用したのと同様の石炭の
補給制御に適用した場合(第4の実施例)について図
1,図12(1),(2)を用いて説明する。図1に示
す如く,第4の発明の一実施例に係る制御方法は打ち込
みホッパ1(元ホッパに相当)に順次受ける石炭(補給
対象物に相当)を複数のバンカ3a〜3fからなるバン
カ群3に補給するに際し,バンカ毎に優先順位を定量化
して重み付けすると共に,各バンカ3a〜3fの石炭の
レベル(補給対象物のレベルに相当)及び単位時間当た
りの石炭消費量(単位時間当たりの補給対象物の消費量
に相当)を測定し,その実測値の大小に応じて各バンカ
3a〜3fの石炭のレベル及び単位時間当たりの石炭消
費量をそれぞれ重み付けし,次いでこれら優先順位,石
炭のレベル,単位時間当たりの石炭消費量の各重みのバ
ンカ毎の和を求め,この重みの和の総和を求めると同時
にこの総和に対する各バンカ3a〜3fの和の比率を求
め,その比率に応じて石炭の補給量を各バンカ3a〜3
fに配分して補給するように構成されている。又,上記
各重みの各バンカ毎の和を求めるに際し,バンカ毎の重
みの大きいものから順に複数選択して,その重みの総和
を求め,選択されたバンカのみ,その総和に対する各バ
ンカの和の比率を求めその比率に応じて石炭の補給量を
各バンカに配分して補給するようにしてもよい。上記一
連の制御は,制御装置4″にて実行される。この制御装
置4″廻りの構成は前記ファジィ制御及び要素ファジィ
制御を用いた実施例と同様である。以下この制御装置
4″に適用される要素ファジィ制御の変形例について述
べる。ここでは,図12(1),(2)に示すように前
記要素ファジィ制御におけるメンバシップ関数の代わり
に石炭のレベルと重み付けのポイントとの関係を示す関
数及び単位時間当たりの石炭消費量と重み付けのポイン
トとの関係を示す関数を利用する。図12(1),
(2)から明らかなように,石炭のレベルについてはレ
ベルが高いバンカはポイントが小さく,石炭が消費され
レベルが低くなったバンカはポイントが大きくなるよう
に関数を定めている。一方単位時間当たりの石炭消費量
については,消費量が小さいバンカはポイントが小さ
く,消費量が大きいバンカはポイントが大きくなるよう
に関数を定めている。尚,前記関数は,例えば石炭のレ
ベルの場合,レベルLが0〜100%の間全てを図12
(1)に実線で示すような式(ポイントP=−aL+
b),あるいは例えば0≦L≦20:P=一定,20<
L≦70:P=−a′L+b′20,70<L≦10
0:P=一定(図12(1)に破線表示)のように適宜
石炭の消費の状況に応じて定めることができる。又,単
位時間当たりの石炭消費量の場合の関数も同様にして定
める。上記関数は予め制御装置4″に入力され,各バン
カ3a〜3fの石炭のレベル及び単位時間当たりの石炭
消費量の測定値をもとに,各バンカ3a〜3f毎に重み
付け(ポイント)を演算する。次いで,制御装置4″で
は,別に入力される各バンカ3a〜3fの優先順位の重
み付けのポイントと併わせ,バンカ3a〜3f毎の合計
ポイントPa〜Pfを求めると共に,それらの合計ポイ
ントPa〜Pfの総和ポイントPtを求め,更にこの総
和ポイントPtに対する各合計ポイントPa〜Pfとの
比率(例えばバンカ3aの比率Pa/Pt)求める。
【0015】次に,上記で求めた各バンカ3a〜3fの
比率Pa/Pt〜Pf/Ptを元に打ち込みホッパ1か
らの総補給量を按分し,その按分した補給量を合計ポイ
ントPa〜Pfの大きいバンカ3a〜3fから順に補給
する。このような補給を輸送トラック毎或いは一定時間
毎に計算して行うことにより,消費量の大きいバンカに
は常に多量の補給が行われるため,各バンカ3a〜3f
の石炭のレベルLは,高炉への微粉炭の吹き込み開始時
にばらつきがあっても吹き込み中にほぼ平準化され,又
同時に,各バンカ3a〜3fにおける銘柄の異なる石炭
の補給比率は,ほぼ一定に制御されることになり,1基
の打ち込みホッパ1により,各バンカ3a〜3fへ石炭
を制御して補給することができる。又,各バンカ3a〜
3fの優先順位のポイントは,別に設定して制御装置
4″に入力するので,高炉への微粉炭の吹き込み前に吹
き込み状況を勘案して設定することができ,きめ細かい
且つ精度の高い制御が簡単なロジックで行うことができ
る。尚,上記実施例では,バンカ3a〜3fへの補給を
例に説明したが,本発明はこの実施例に限定されるもの
ではなく,上記合計ポイントPa〜Pfの内,より大き
いポイントを有する3バンカ,例えば3a,3c,3d
を対象として,上記と同様に,この3バンカの合計ポイ
ントPa,Pc,Pdの総和,更にこの総和に対する比
率を求め,その比率で総補給量を按分し,その按分した
補給量の合計ポイントPa,Pc,Pdの大きいバンカ
3a,3c,3dから順に補給するようにしてもよい。
以上のようにこの要素ファジィ制御方法の変形例によっ
てもきめ細かい補給量の制御を行うことができる。この
変形例では前記要素ファジィの実施例におけるメンバシ
ップ関数と重み付けとを一体化した重みであるポイント
を用いているため,入出力特性をあまりひんぱんに変更
しないようなシステムに好適である。又,この変形例も
上記要素ファジィ制御と同様に一般分野への適用が可能
である。以上のように,本発明(第1〜第4の発明)に
よれば,1基の打ち込みホッパ(元ホッパ)を使用し,
且つこの1基のホッパに順次銘柄の異なる石炭を補給し
た場合において,各バンカへ石炭をきめ細かく制御して
補給する,元ホッパから複数バンカへの補給対象物の補
給方法に適用できるファジィ理論による制御方法と一般
分野へも応用でき,かつファジィ専用コントローラを必
要としない要素ファジィ理論による制御方法とを得るこ
とができる。その結果,トラック1台が搬送してきた石
炭を有効に使用することができ,且つ無人化運転が可能
なことから,運転員の負荷を削減することができると共
に,更に応用の範囲の広い制御方法を得ることができ
る。又,要素ファジィ理論による制御方法及びその変形
例によれば,分散制御システム(DCS)上での稼働も
可能となり,適用装置のコストダウンを図ることができ
る。尚,上記ファジィ理論による制御方法及び要素ファ
ジィ理論による制御方法ではまず,特定の分野であるバ
ンカへの石炭の補給方法について例示したが,実使用に
際しては石炭に限らずセメント,砂等の粉体,粒体の搬
送設備にも適用できる。また,上記要素ファジィ理論に
よる制御方法の一般分野への応用例として倒立振子を例
示したが,実使用に際しては,本方法はこれ以外のファ
ジィ理論が適用可能なあらゆる分野に適用できる。又,
変形例についても同様である。
【0016】
【発明の効果】第1の発明に係わる制御方法は,上記し
たように構成されているため,補給対象物のレベル以外
に補給対象物の消費量等を判断要素として採用し,その
判断にファジィ理論を適用することにより常に変動する
各バンカの持つ固有の条件を基にしてきめの細かい補給
制御をすることができる。更に,上記ファジィ理論によ
る判断結果を基にしてより最適な補給量及び補給順の決
定を行うことができる。又,第2の発明に係る制御方法
では,上記ファジィ理論におけるファジィルールを用い
ない,要素ファジィ理論を適用することによって,上記
ファジィ理論による制御と同様にきめの細かい制御を行
うことができる。この要素ファジィ理論による制御方法
は次の第3の発明に係るバンカへの補給対象物の補給方
法への適用はもちろん,それ以外の一般分野の制御方法
にも適用することができ,かつファジィ専用コントロー
ラを必要としない。更に,この要素ファジィ理論による
制御方法は例えば入出力特性がひんぱんに変わるような
システムに適用した場合でも,メンバシップ関数は変え
ることなくその重み付けのみを適宜変更することにより
対処できる可能性があるため,その応用先は幅広いもの
となる。第3の発明に係る制御方法は,要素ファジィ理
論による制御方法をバンカへの補給対象物の補給方法へ
適用した場合であるが,この場合もきめの細かい制御を
行うことができる他,より最適な補給順位及び補給量を
求めることができる。更に,第4の発明の制御方法は,
上記要素ファジィ理論による制御方法におけるメンバシ
ップ関数とその重み付けとを一体化した重みを用いる
が,この場合,入出力特性をあまりひんぱんに変えない
ようなシステムについて上記要素ファジィ理論による制
御方法と同様,きめの細かい制御を行うことができる。
更に,例えば稼働中の任意の数のバンカについて補給順
位及び補給量を求めることができる。その結果,本発明
(第1〜第4の発明)によれば,1基の打ち込みホッパ
(元ホッパ)を使用し,且つこの1基の元ホッパに順次
銘柄の異なる補給対象物を補給した場合において各バン
カへ補給対象物をきめ細かく制御して補給する,元ホッ
パから複数のバンカへの補給対象物の補給方法に適用で
きるファジィ理論による制御方法と,一般分野へも応用
でき,かつファジィ専用コントローラを必要としない要
素ファジィ理論による制御方法とが得られる。更に,第
2〜第4の発明に係る要素ファジィ理論によれば,分散
制御システム(DCS)上での稼働も可能となり,適用
装置のコストダウンを図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る制御装置4(4′)
(4″)廻りの概略構成を示す模式図。
【図2】 制御装置4の入出力関係を示すブロック図。
【図3】 制御装置4によるファジィ理論による推論処
理の流れを示すブロック図。
【図4】 制御装置4にファジィ理論を適用した時のメ
ンバシップ関数を示す図。
【図5】 ファジィ理論による処理状態を示す図。
【図6】 制御装置4′による要素ファジィ理論による
処理の流れを示すブロック図。
【図7】 制御装置4′に要素ファジィ理論を適用した
時のメンバシップ関数を示す図。
【図8】 要素ファジィ理論による場合(要素ファジィ
制御)の石炭のレベルの変化を示す図。
【図9】 要素ファジィ理論によらない場合(マニュア
ル操作)の石炭のレベルの変化を示す図。
【図10】 要素ファジィ理論による制御結果を示す
図。
【図11】 要素ファジィ理論を一般分野に適用した場
合のメンバシップ関数を示す図。
【図12】 制御装置4″に適用しうるその他の関数の
例を示す図。
【図13】 従来の制御装置20廻りの一例における概
略構成を示す模式図。
【図14】 従来の制御装置31廻りの一例における概
略構成を示す模式図。
【図15】 各バンカへの補給状態を示す模式図
【符号の説明】
1…打ち込みホッパ(元ホッパに相当) 2…搬送コンベア群 2a〜2e…搬送コンベア 3…バンカ群 3a〜3f…バンカ 4,4′,4″…制御装置 5a〜5f…レベル測定器 6a〜6f…単位時間当たりの石炭消費量を求める計測
手段 X1…石炭のレベル(補給対象物のレベルに相当)(入
力データにも相当) X2…単位時間当たりの石炭消費量(単位時間当たりの
補給対象物の消費量に相当)(入力データにも相当) X3…優先順位(入力データに相当) Y…ポイント(出力データに相当)
フロントページの続き (72)発明者 楢崎 博司 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21B 5/00 B65G 65/30 C21B 7/18 306

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 元ホッパに順次受ける補給対象物を複数
    のバンカに補給する方法において,バンカ毎に各バンカ
    の優先順位,補給対象物のレベル及び単位時間当たりの
    補給対象物の消費量を含む入力データと,該バンカへの
    補給順及び補給量を求めるための出力データとについ
    て,それぞれの特性を表すメンバシップ関数を作成する
    と共に,上記入出力データ間の関係を表すファジィルー
    ルを適当数作成し,上記入力データを設定もしくは測定
    し,上記設定もしくは測定された入力データを,該入力
    データに対応するメンバシップ関数及び上記ファジィル
    ールに適用することにより,上記ファジィルール毎に上
    記出力データに対応するメンバシップ関数を修正し,上
    記修正されたメンバシップ関数の全ファジィルール分の
    総和に基づいてバンカ毎に出力データを求め,上記求め
    られた出力データに基づいて上記各バンカへの補給順位
    及び補給量を決定してなることを特徴とする制御方法。
  2. 【請求項2】 上記求められたバンカ毎の出力データの
    大きさ順に上記各バンカへの補給順位を決定する請求項
    1記載の制御方法。
  3. 【請求項3】 上記求められたバンカ毎の出力データ
    の,所定数のバンカについての合計値に対する比率に基
    づいて上記各バンカへの補給量を決定する請求項1記載
    の制御方法。
  4. 【請求項4】 複数の制御対象の制約条件及び/又は制
    御状態量からなる入力データについて,それぞれの特性
    を表すメンバシップ関数を作成してそれぞれに重み付け
    し,上記入力データを入力し,上記入力された入力デー
    タを,上記重み付けされたメンバシップ関数に適用して
    該メンバシップ関数の制御対象毎の総和である出力デー
    タを求め,上記求められた出力データに基づいて上記制
    御対象を制御してなる制御方法。
  5. 【請求項5】 元ホッパに順次受ける補給対象物を複数
    のバンカに補給する方法において,バンカ毎に各バンカ
    の優先順位,補給対象物のレベル及び単位時間当たりの
    補給対象物の消費量を含む入力データについて,それぞ
    れの特性を表すメンバシップ関数を作成してそれぞれに
    重み付けし,上記入力データを設定もしくは測定し,上
    記設定もしくは測定された入力データを,上記重み付け
    されたメンバシップ関数に適用して該メンバシップ関数
    のバンカ毎の総和である出力データを求め,上記求めら
    れた出力データに基づいて上記各バンカへの補給順位及
    び補給量を決定してなることを特徴とする制御方法。
  6. 【請求項6】 上記求められたバンカ毎の出力データの
    大きさ順に上記各バンカへの補給順位を決定する請求項
    5記載の制御方法。
  7. 【請求項7】 上記求められたバンカ毎の出力データ
    の,所定数のバンカについての合計値に対する比率に基
    づいて,上記各バンカへの補給量を決定する請求項5記
    載の制御方法。
  8. 【請求項8】 元ホッパに順次受ける補給対象物を複数
    のバンカに補給する方法において,バンカ毎に優先順位
    を定量化して重み付けするとともに,各バンカの補給対
    象物のレベルおよび単位時間当たりの補給対象物の消費
    量を測定し,その実測値の大小に応じて各バンカの補給
    対象物のレベルおよび単位時間当たりの補給対象物の消
    費量をそれぞれ重み付けし,次いでこれら優先順位,補
    給対象物のレベル,単位時間当たりの補給対象物の消費
    量の各重みのバンカ毎の和を求め,この重みの和の総和
    を求めると同時にこの総和に対する各バンカの和の比率
    を求めその比率に応じて補給対象物の補給量を各バンカ
    に配分して補給することを特徴とする制御方法。
  9. 【請求項9】 上記各重みのバンカ毎の和を求めるに際
    し,バンカ毎の重みの大きいものから順に複数選択して
    その重みの総和を求め,選択されたバンカのみ,その総
    和に対する各バンカの和の比率を求めその比率に応じて
    補給対象物の補給量を各バンカに配分して補給する請求
    項8記載の制御方法。
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