JP2759652B2 - 蛋白質、蛋白質の抽出方法、ワクチンおよび反芻動物を免疫する方法 - Google Patents

蛋白質、蛋白質の抽出方法、ワクチンおよび反芻動物を免疫する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は蛋白質、蛋白質の抽出方法、潜在的な駆虫剤
としておよび感染防御抗原としてのワクチンおよび反芻
動物を免疫する方法に関する。 線虫(nematode)は農場動物および人に見られる寄生
虫であり、そして農場動物および人の疾病の原因であ
る。ヘモンカス症(Haemonchosis)は、血液摂取線虫ヘ
モンカス(Haemonchus)の胃腸管内での存在に起因する
反芻動物の疾病である。世界的に、ヘモンカス症は家畜
の体重増加の獲得減少、生産高の損失および無乳症(ag
alactia)から死亡に至るまでの範囲の影響を有する経
済的に極めて重要なものである。オステルタジア症(Os
tertagiasis)関連する線虫オステルジア(Ostertagi
a)によって引き起こされ、そして同様な影響を有す
る。両疾病共重い感染に関連して1部は食欲不振によっ
て徐々に衰弱することが特徴である。ヒツジおよびウシ
では、オステルタジアは冬期降雨地域で最も重要である
が、一方ヘモンカスは夏期降雨地域で一層重要である。
オーストラリアでは、例えば、この国の3億頭のヒツジ
約1/3がヘモンカスに感染しているらしいと推定されて
いる。 線虫ヘモンカスの雌成虫は長さ3cm巾約1mmまでであ
り、赤と白の斜め縞模様の外観を有している。この理由
により、ヘモンカスは時には床屋看板柱虫として知られ
ている。赤所は寄生虫の腸内に宿主血液が存在するため
である。寄生段階の虫は宿主動物、例えばヒツジ、ヤギ
または雌牛の胃壁に付着して生きており、寄生虫は血液
を摂取するのに加えて血液の損失を生じさせて宿主動物
に被害を与える。害虫がはびこっている牧草地で生草を
食べると動物は感染性幼虫を摂取して感染状態となる。
こぶ胃で脱皮し、しわ胃に入り、そこで幼虫は発育し、
胃壁に付着しそして血液を摂取し始める。その後の7日
位に亘って寄生虫は成虫し続け、次いで脱皮して若い成
虫段階になる。感染後約18〜21日で、寄生虫は性的に成
熟し交尾するようになる。卵は宿主のふん便と共に体外
に排出され自由生活幼虫にふ化し、感染性の幼虫に発育
する。 オステルタジアは、宿主動物の血液ではなくて血漿で
生きている点でヘモンカスとは異なっている。オステル
タジアはヘモンカスより小さな腸を有している。 ヘモンカスやオステルタジアのような線虫の抑制はヒ
ツジおよびウシで駆虫薬を投与して達成されるが、この
試みは、1団のヒツジまたは一群のウシにおける感染を
完全に抑制する程度までに到達するためには投与を繰り
返すことが必要であるので、満足からは程遠いものであ
る。 ヘモンカスおよびオステルタジアのワクチンを開発す
るために、弱毒にした生存虫および虫抽出物の使用を含
めて多くの試みがなされてきた。しかし乍ら、今までの
ところ商業的に成功したワクチンは未だ製造されていな
い。ヘモンカスまたはオステルタジアから製造した種々
の抽出物の注射はある場合には寄生虫に対する抗体の発
生をもたらすが、このような抗体は自然感染によって形
成されたものと類似していると思われ、寄生虫に対する
天然の抵抗性を増強するとは思われない。 本発明者は以前に、「ティシューアンドセル(Tissue
&Cell)」1977年、9(1)、23〜34頁にヘモンカスコ
ントルタス(contortus)の腸管細胞の内腔表面に結合
しているらせん型ポリマー状細胞外蛋白質の存在を報告
した。第4段階の幼虫および成虫線虫(寄生虫段階)
で、ヘモンカスコントルタスの腸管細胞上の微絨毛(mi
crovilli)は直径約400オングストロームでピッチ可変
のらせん形状のフィラメントと結合している。これらフ
ィラメントは本質的には本発明者がコントルチン(cont
rotin)と称した蛋白質であることが証明された。更に
研究すると、コントルチンのらせん状フィラメントはネ
ガティブ染色調製物で見られる概ね長さ40オングストロ
ーム、幅25オングストロームの腕を有するY−形の構造
を有する単量体形態の横方向の重合によって形成される
と思われることが示された。コントルチンの更に詳しい
記載は「プロシーディングス オブ ザ シックス ヨ
ーロピアン コングレス オン エレクトロン マイク
ロスコーピー(Proceedings of the Sixth European Co
ngress on Electron Microscopy)」、II巻、515および
516頁に見られた。オステルタジアサーカムシンクタ(C
ircumcincta)もまたその腸管に微絨毛に結合したコン
トルチン様物質を有している。 コントルチンが抗原性であるかどうか、またヒツジの
ワクチンとして作用するかどうかを試験する目的でコン
トルチンに対する抗体がウサギに生じたという簡単な報
告は、1976年6月の動物生理学に関する農業研究諮問委
員会(Agricultural Reseach Council Institute of An
imal Physiology)の「1974〜75年報告書」、バブラハ
ム(Babraham)中に見られた。1978年に発行された対応
する「1976〜77年報告書」中で、本発明者による更に詳
しい研究の結果が94頁に要約されており、その中で本発
明者は、コントルチンに富む分別部(fraction)の幼若
子ヒツジへの筋肉内注射が、引き続いてヘモンカスコン
トルタスの幼虫で免疫テストをするとき、ヘモンカス症
に対する感染防御の実質的手段をもたらすことを示し
た。ヘモンカス防御用のコントルチンに富む製剤の使用
に関する本研究は「パラサイトロジー(Parasitolog
y)」、94、385〜397頁で発表されている。 コントルチンに富む分別部はヘモンカスコントルタス
による感染に対して子ヒツジを防御するために使用でき
るが、適当な免疫応答を動物に生じさせるためには一般
に大量のこのような物別部を注射する必要があるので、
このような分別部は商業的には役にたたない。その上、
コントルチンの抗原特性の更に詳しい研究を促進するた
めに、より純粋な形態で十分な量のコントルチンの重合
体か単量体のいづれかを得ることは困難である。 「ティシューアンドセル」および「パラサイトロジ
ー」中の前記論文に記載された方法によってコントルチ
ンが得られる上澄液中には、主として蛋白質であり、約
61,000の分子量を有しそしてコントルチンに対する抗体
と反応するもう一つの物質も存在している。この蛋白質
を本発明はプレーコントルチン(Pre−contortin)と命
名した。 ヒツジ、ウシおよびヒトでの線虫感染に対するワクチ
ンの基礎となる感染防御抗原として使用できる蛋白質お
よびその抽出方法を提供する必要がある。また、ヒツ
ジ、ウシおよびヒトでの線虫感染に対し駆虫および感染
防御抗原としてのワクチンを提供し、さらに、農場動物
を線虫の感染から守るために、農場動物を免疫する必要
がある。 従って、本願発明は、このような線虫感染に対する感
染防御抗原としての能力を有する線虫から得られる新規
な蛋白質、蛋白質の抽出方法、潜在的な駆虫剤としてお
よび感染防御抗原としてのワクチンおよび農場動物を免
疫する方法を提供しようとするものである。 本願発明は、ヘモンカスコントルタスの微絨毛に存在
する膜結合蛋白質物質(membrane associated Protein
material)が、コントルチンに富む分別部を使用してヒ
ツジに生じさせた抗体と強力な抗体反応を示すという驚
くべき発見に基づいている。この物質は、ヘモンカスコ
ントルタス微絨毛の非イオン性界面活性剤溶液抽出で得
られた蛋白質分別部のSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(electrophoresi
s)で二重バンドとして現れる。既知分子量の蛋白質の
可動性と比較することによって、この二重バンドの見か
け上の分子量は約110キロダルトンである。 本発明者はこの蛋白質ダブレット(doblet)にH110D
の名称を与えた。 本願発明の1つの特徴は、本発明者が蛋白質ダブレッ
トH110Dを提供することにある。このような蛋白質に
は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に付すとき
に認められる2つのバンドの内のより大きい分子量を有
する蛋白質ダブレット中に存在する蛋白質およびより低
い見かけ上の分子量を有するもう1つの蛋白質の両方が
含まれる。 本発明は更に、液体担体中で線虫を均質化し、得られ
た均質化物を遠心して懸濁している細胞破壊細片(Cell
debris)を分離し、この分離した細胞破壊細片を非イ
オン性界面活性剤溶液で抽出して膜蛋白質物質を溶解さ
せ、抽出された細胞破壊細片を最初の上澄液から分離
し、得られた最初の上澄液を超遠心分離にかけ、沈殿し
た物質を分離し、膜結合蛋白質を含有する第2の上澄液
を回収し、そしてこの第2の上澄液から、ドデシル硫酸
ナトリウムの存在下、ポリアクリルアミドゲル電気泳動
に付したとき約110kdの見かけ上の分子量を有する1つ
または複数の蛋白質を分離することからなる膜結合蛋白
質を抽出する方法を提供する。この方法で抽出された1
つまたは複数の蛋白質は、コントルチンに富む分別部の
注射によってヒツジに生じた抗体と試験管中で(in vit
ro)強い陽性反応を示す。使用した線虫がヘモンカスコ
ントルタスであるとき、蛋白質ダブレットH110Dはゲル
電気泳動、等電点集束法(iso−electric focussin
g)、ゲル排除クロマトグラフィー(gel exclusion chr
omatography)イオン交換クロマトグラフィー(ion exc
hange chromatography)および疎水性に基づく方法のよ
うな慣用の方法によって超遠心工程で得た上澄液から単
離することができる。H110DはSDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動により約110kdの分子量に相当する二重バ
ンドとして固定することができる。 蛋白質ダブレットH110Dはまた、ヘモンカスコントル
タスの均質化物から得たコントルチンに富むフラクショ
ンの注射によってヒツジに生成した抗体と試験管中で強
い陽性反応が存在することにより特徴づけられる。この
抗体応答の強さは蛋白質ダブレットH110Dまたはその成
分の1つが、ヘモンカスに対するそしてまた多分オステ
ルタジアのような他の線虫に対するワクチンの基礎とな
る有益な感染防御抗原であることを示している。本発明
者は、1部精製した製剤および高度に精製した製剤の両
者を子ヒツジに注射することによって感染防御抗原とし
てのH110D製剤の価値を証明した。その際子ヒツジは特
定の抗体生成により応答し、次いで、引き続いてヘモン
カスコントルタスの幼虫の挑戦をうけた時にはヘモンカ
ス症に対しきわめて実質的に防御された。 ヘモンカスコントルタスの腸管壁の微絨毛は比較的長
い。その電子顕微鏡観察により各微絨毛が軸芯(axial
core)(これは内部管(endotube)と呼ばれる繊維層を
接合するように微絨毛の基部下に延びている)、原形質
膜(plasma membrne)、軸芯を原形質膜に接合させてい
る交差結合蛋白質(cross linker protein)および膜の
外表面に隣接するらせん型コイル状のコントルチン分子
を有することが明らかにされる。微絨毛が付着している
内部管は腸管の残りの基部細胞質から分離することがで
きる。微絨毛は適切な巧みな操作技術によってヘモンカ
スコントルタスの内部管から分離することができる。1
つの方法は内部管およびそれに付着した微絨毛をジチオ
トレイトール(dithiothreitol)液と接触させること、
並びに顕微鏡下で内部管表面を観察し乍ら探針で内部管
から微絨毛を注意深くかき取ることに係わるものであ
る。熟練した読者には明白であるようにこの技術は手間
がかかり、本方法である程度の量の物質を得るには幾分
時間がかかる。このような微絨毛調製物を分析すると3
つの主要な蛋白質、即ちコントルチン、アクチンおよび
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で約110kdの見か
け上の分子量を持つダブレットバンドとして現れこれま
で同定されていない物質の存在が示された。哺乳類およ
び鳥種類から得た微絨毛との類似性によって、この未同
定蛋白質物質は、1つまたは複数と交差結合蛋白質に相
当すると思われた。しかし乍ら、更に研究すると、驚い
たことには、これが当てはまらないことが示される。そ
の代りに本発明者がH110Dと呼称した110kdダブレットバ
ンドは、膜結合の蛋白質物質であることが証明される。 このことは、非イオン性界面活性剤溶液、特に1w/v%
のトリトンX−100(Triton X−100)、テジット(Thes
it)、チャップス(CHAPS)(即ち3−[(3−コラミ
ドプロピル)ジメチル−アンモニオ]プロパンスルホネ
ート)、またはプロテアーゼ抑制剤を含有するn−オク
チルグルコシド溶液のいずれかを用いて試料を抽出する
ことによって示すことができる(「トリトン」および
「テジット」の語は商標である)。この抽出工程は高塩
溶液およびトウィーン20(Tween 20)溶液で予備抽出し
てまたは予備抽出しないで実施することができる(「ト
ウィーン」の語は商標である)。これは膜蛋白質物質を
溶かすが、電子顕微鏡で見られるように、交差結合蛋白
質および軸芯(多分アクチン)はそのままである。 ネガティブ染色技術を使用して電子顕微鏡でヘモンカ
スコントルタスの微絨毛を綿密に調査することによっ
て、らせん型コイル状コントルチン分子のすぐ近くにあ
る膜表面上の粒子が明らかにされる。これらの粒子がダ
ブレットH110Dの蛋白質物質に相当すると思われる。 蛋白質ダブレットH110Dの別の抽出方法では、ヘモン
カスコントルタスを他の線虫、例えばヘモンカスのもう
1つの種またはオステルタジアの1つ若しくはそれ以上
の種あるいは幾つかの他の線虫に置き代え、次いで均質
化、抽出、遠心およびヘモンカスコントルタスからドデ
シル硫酸ナトリウムの存在下、ポリアクリルアミドゲル
電気泳動に付したとき約110Kdの見かけの分子量を有す
る2つのバンドとして認められる1つまたは複数の蛋白
質を抽出するために上記で概略した他の工程に付すこと
が期待される。更に、界面活性剤は他の界面活性剤、好
ましくはもう1つの非イオン性界面活性剤に置き代える
ことができる。 本発明はまた、蛋白質ダブレットH110D単独かまたは
コントルチンと組合せた該H110Dのいずれかからなるワ
クチンを提供する。また、蛋白質ダブレットH110Dの個
々の蛋白質成分それ自体かまたはこれをコントルチンと
組合せたもののいずれかからなるワクチンを提供するこ
とができる。それ故、ポリアクリルアミドゲル電気泳動
に付すときに認められる2つのバンドの内のより高分子
量を有するダブレットH110Dの蛋白質を単独でまたはこ
れをコントルチンと組合せるかのいずれかに基づいたワ
クチンを提供することができる。同様に、ポリアクリル
アミドゲル電気泳動に付すときに認められる2つのバン
ドの内のより低分子量を有するダブレットH110Dの蛋白
質を単独でまたはこれをコントルチンと組合せるかのい
ずれかに基づいたワクチンを提供することができる。さ
らに、これら2つの蛋白質の任意の割合の混合物をそれ
だけでまたはコントルチンと組合せたもののいずれかに
基づいたワクチンを提供することができる。このような
ワクチンは線虫により農場動物およびヒトに生じたヘモ
ンカス症、オステルタジア症および他の疾病の治療に有
益である。 本発明はまた、蛋白質ダブレットH110Dの個々の蛋白
質成分それ自体かまたはこれをコントルチンと組合せた
もののいずれかを免疫を要求する動物に投与して、該動
物を免疫する方法を提供することができる。 また、蛋白質ダブレットH110Dの個々の蛋白質成分そ
れ自体かまたはこれをコントルチンと組合せたもののい
ずれかを免疫を要求する動物に投与して、該動物を免疫
する方法を提供することができる。それ故、ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動に付すときに認められる2つのバ
ンドの内のより高分子量を有するダブレットH110Dの蛋
白質を単独でまたはこれをコントルチンと組合せたもの
のいずれかを免疫を要求する動物に投与して、該動物を
免疫する方法を提供することができる。同様に、ポリア
クリルアミドゲル電気泳動に付すときに認められる2つ
のバンドの内のより低分子量を有するダブレットH110D
の蛋白質を単独でまたはこれをコントルチンと組合せた
もののいずれかを免疫を要求する動物に投与して、該動
物を免疫する方法を提供することができる。さらに、こ
れら2つの蛋白質の任意の割合の混合物をそれだけでま
たはコントルチンと組合せたもののいずれかを免疫を要
求する動物に投与して、該動物を免疫する方法を提供す
ることができる。このようなワクチンは線虫により農場
動物およびヒトに生じたヘモンカス症、オステルタジア
症および他の疾病の治療に有益である。 本発明は次の実施例で更に説明する。 実施例 約2gの生体重量の成虫ヘモンカスコントルタスを10mM
のりん酸塩緩衝食塩水(pH7.3)60ml中で均質化した。
得られた均質化物は4℃、10,000rpmで10分間遠心し
た。上澄液を傾瀉し、ペレットを再び均質化し、この均
質化物を再び遠心した。次いで、このペレットを1%の
トウィーン20溶液20mlで抽出し、再遠心した。上澄液は
棄てた。次いでペレットを1w/v%のテジット溶液20mlで
抽出した。(「テジット」の語は商標である:テジット
は非イオン性の界面活性剤である)。得られた抽出物は
冷却遠心機中で10,000gで10分間遠心した。得られた沈
殿物から上澄液を注ぎ出し、次いで11×106g.で遠心し
た。沈殿物は棄てた。上澄液の1部はドデシル硫酸ナト
リウムの存在下ポリアクリルアミドゲルで電気泳動に付
した。蛋白質ダブレット、H110Dは慣用の染色技術によ
って約110kdの分子量に相当する二重バンドとして固定
し、溶離した。上澄液の他の部分はゲル排除およびイオ
ン交換クロマトグラフィーによって分別し、H110Dを含
有する分別部をブールして濃縮した。 これら物質の少量を子ヒツジに注射して特定の抗体形
成を誘発しそしてそれに続いてヘモンカス症に対する動
物の感染防御を誘発した。この結果は、蛋白質ダブレッ
トH110Dが感染防御抗原であることを示している。 添付している図面は、蛋白質を染色し次に種々の抽出
物のポリアクリルアミドゲルでの電気泳動後示された電
気泳動図の写真である。図の左側の表示のないパターン
は既知分子量の標準蛋白質の混合物により与えられたも
のである。他の名称は次のとおりである。 MV=微絨毛 SE=かき取られた内部管 E=内部管(微絨毛が付着している) Cyt=基礎細胞質 H110D ダブレットは矢印で示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 国際公開85/282(WO,A1) Chemical Abstract s Vol.87 (1977) P.236, 50357P

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.ヘモンカスコントルタスの微絨毛からの抽出物中に
    存在し、該抽出物から分離された、ドデシル硫酸ナトリ
    ウムの存在下、ポリアクリルアミドゲル電気泳動に付し
    たとき、約110Kdの見かけの分子量を有する2つのバン
    ドとして認められることを特徴とする蛋白質。 2.ヘモンカスコントルタスを液体担体中で均質化し、
    得られた均質化物を遠心して懸濁している細胞破壊細片
    を分離し、分離した細胞破壊細片を非イオン性界面活性
    剤溶液で抽出して膜蛋白質物質を溶解させ、抽出された
    細胞破壊細片を最初の上澄液から分離し、得られた最初
    の上澄液を超遠心に付し、沈殿物質を分離し、微絨毛に
    由来する膜結合蛋白質を含有する第2の上澄液を回収
    し、そしてドデシル硫酸ナトリウムの存在下、ポリアク
    リルアミドゲル電気泳動に付したとき約110Kdの見かけ
    の分子量を有する1つまたは複数の蛋白質を第2の上澄
    液から分離することを特徴とする蛋白質の抽出方法。 3.前記1つまたは複数の蛋白質を第2の上澄液から分
    離する工程が、ゲル電気泳動、ゲルクロマトグラフィ
    ー、イオン交換クロマトグラフィー、等電点集束法およ
    び疎水性に基づく方法からなる群より選択された少なく
    とも1つの方法により達成されることを特徴とする特許
    請求の範囲第2項に記載の蛋白質の抽出方法。 4.ヘモンカスコントルタスの微絨毛に存在し、ドデシ
    ル硫酸ナトリウムの存在下、ポリアクリルアミドゲル電
    気泳動に付したとき約110Kdの見かけの分子量を有する
    2つのバンドとして認められる蛋白質を具備したことを
    特徴とするワクチン。 5.ヘモンカスコントルタスの微絨毛に存在し、ドデシ
    ル硫酸ナトリウムの存在下、ポリアクリルアミドゲル電
    気泳動に付したとき約110Kdの見かけの分子量を有する
    2つのバンドとして認められる蛋白質およびコントルチ
    ンを具備したことを特徴とするワクチン。 6.ヘモンカスコントルタスの微絨毛から分離して得ら
    れ、ドデシル硫酸ナトリウムの存在下、ポリアクリルア
    ミドゲル電気泳動に付したとき約110Kdの見かけの分子
    量を有する2つのバンドとして認められる、純化および
    分離された蛋白質を、前記ヘモンカスコントルタスの感
    染に対して反芻動物を免疫するに十分な量、免疫を要求
    する前記反芻動物に投与することを特徴とする前記ヘモ
    ンカスコントルタスの感染に対して反芻動物を免疫する
    方法。 7.ヘモンカスコントルタスの微絨毛から分離して得ら
    れ、ドデシル硫酸ナトリウムの存在下、ポリアクリルア
    ミドゲル電気泳動に付したとき約110Kdの見かけの分子
    量を有する2つのバンドとして認められる、純化および
    分離された蛋白質とコントルチンとを、前記ヘモンカス
    コントルタスの感染に対して反芻動物を免疫するに十分
    な量、免疫を要求する前記反芻動物に投与することを特
    徴とする前記ヘモンカスコントルタスの感染に対して反
    芻動物を免疫する方法。
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