JP2759481B2 - ヒイロチャワンタケレクチンcDNA及びこれを含む組換えベクター - Google Patents
ヒイロチャワンタケレクチンcDNA及びこれを含む組換えベクターInfo
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- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/37—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from fungi
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、ヒイロチャワンタケレクチン又はその類
似体をコードする領域を含むcDNA及びそれを宿主細胞内
で生産させることができる組換えベクターに関する。ヒ
イロチャワンタケレクチンはガン診断薬としての用途を
有し、また各種糖鎖の分画、例えば糖鎖の自動分析装置
等に用いられる。
似体をコードする領域を含むcDNA及びそれを宿主細胞内
で生産させることができる組換えベクターに関する。ヒ
イロチャワンタケレクチンはガン診断薬としての用途を
有し、また各種糖鎖の分画、例えば糖鎖の自動分析装置
等に用いられる。
[従来の技術] ヒイロチャワンタケ(Aleuria aurantia)の子実体に
は、フコース特異的なレクチン(Aleuria aurantia lec
tin、以下、AALと言うことがある)が含まれている。AA
Lは、巨智部らにより自然界から見出され、血球を凝集
する能力を有することが明らかにされている[N.Kochib
eとK.Furukawa.Biochemistry 19,2841(1980)]。AAL
は、糖鎖上のフコース残基の主鎖への結合様式を識別す
ることから、細胞表層のガン性変化の検出に有効であ
り、ガン診断薬として用いることができる(本願出願人
による出願にかかる特願昭63−233314号に記載)。ま
た、AALは、山下らによりフコースを有する糖鎖の分離
に極めて有効であることが示され[K.Yamashita.N.Koch
ibe,T.OhkuraとA.Kobata,J.Biol.Chem.260,4688(198
5)]、糖鎖を解析するための道具として有用である。
は、フコース特異的なレクチン(Aleuria aurantia lec
tin、以下、AALと言うことがある)が含まれている。AA
Lは、巨智部らにより自然界から見出され、血球を凝集
する能力を有することが明らかにされている[N.Kochib
eとK.Furukawa.Biochemistry 19,2841(1980)]。AAL
は、糖鎖上のフコース残基の主鎖への結合様式を識別す
ることから、細胞表層のガン性変化の検出に有効であ
り、ガン診断薬として用いることができる(本願出願人
による出願にかかる特願昭63−233314号に記載)。ま
た、AALは、山下らによりフコースを有する糖鎖の分離
に極めて有効であることが示され[K.Yamashita.N.Koch
ibe,T.OhkuraとA.Kobata,J.Biol.Chem.260,4688(198
5)]、糖鎖を解析するための道具として有用である。
AALは、現在、子実体からの抽出、精製により得られ
ている。ヒイロチャワンタケは日本の山間部に自生する
キノコであるが、夏から秋にかけてのみ子実体となるの
で、子実体からの抽出、精製によっては安定な供給が困
難である。AALを遺伝子工学的手法により生産すること
ができれば、AALの安定な供給が可能になる。
ている。ヒイロチャワンタケは日本の山間部に自生する
キノコであるが、夏から秋にかけてのみ子実体となるの
で、子実体からの抽出、精製によっては安定な供給が困
難である。AALを遺伝子工学的手法により生産すること
ができれば、AALの安定な供給が可能になる。
[発明が解決しようとする問題点] 従って、この発明の目的は、AALを遺伝子工学的手法
により提供するために用いられるcDNA及び組換えベクタ
ーを提供することである。
により提供するために用いられるcDNA及び組換えベクタ
ーを提供することである。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本発明は、 又はその1若しくは複数のアミノ酸が付加、欠失若しく
は置換された配列を有し、フコース結合性を有するポリ
ペプチドをコードするcDNAを提供する。
は置換された配列を有し、フコース結合性を有するポリ
ペプチドをコードするcDNAを提供する。
さらにまた、本発明は、上記本発明のcDNAを含み、宿
主細胞内で該cDNAを発現可能な組換えベクターを提供す
る。
主細胞内で該cDNAを発現可能な組換えベクターを提供す
る。
[発明の効果] 本発明の組換えベクターを用いて大腸菌等の宿主細胞
を形質転換することにより、該宿主細胞にAALを生産さ
せることが可能になった。従って、本発明は、AALの安
定供給に多大の貢献をなし、ひいては、ガン診断薬の分
野及び糖鎖の解析の分野において貢献する。
を形質転換することにより、該宿主細胞にAALを生産さ
せることが可能になった。従って、本発明は、AALの安
定供給に多大の貢献をなし、ひいては、ガン診断薬の分
野及び糖鎖の解析の分野において貢献する。
[発明の具体的説明] 本発明のcDNAは、AAL又はその類似体をコードする領
域を含む。一般に、生理活性を有するペプチドは、その
アミノ酸配列の少数のアミノ酸が他のアミノ酸に置換
し、少数のアミノ酸が欠失し、又は少数のアミノ酸が付
加された場合であっても、同様な生理活性を有する場合
があることは当業者に広く認識されているところであ
る。この明細書において、「類似体」とは、AALのアミ
ノ酸のうち少数のアミノ酸が他のアミノ酸に置換され、
少数のアミノ酸が欠失し又は少数のアミノ酸が付加され
たペプチドであって、AALと同様な生理活性、すなわ
ち、フコースに対する特異性及び赤血球凝集能力を有す
るものを意味し、このようなAALの「類似体」をコード
する領域を含むcDNAも本発明の範囲内に含まれる。さら
に、本発明のcDNAには、上記領域が含まれておれば、さ
らに他の領域が含まれていてもよい。特に、細胞中でタ
ンパク質を発現するためには、その5′末端が、メチオ
ニンをコードするATGである必要があるが、このATGを
5′末端に含む配列を有するものも本願発明の範囲内に
含まれる。
域を含む。一般に、生理活性を有するペプチドは、その
アミノ酸配列の少数のアミノ酸が他のアミノ酸に置換
し、少数のアミノ酸が欠失し、又は少数のアミノ酸が付
加された場合であっても、同様な生理活性を有する場合
があることは当業者に広く認識されているところであ
る。この明細書において、「類似体」とは、AALのアミ
ノ酸のうち少数のアミノ酸が他のアミノ酸に置換され、
少数のアミノ酸が欠失し又は少数のアミノ酸が付加され
たペプチドであって、AALと同様な生理活性、すなわ
ち、フコースに対する特異性及び赤血球凝集能力を有す
るものを意味し、このようなAALの「類似体」をコード
する領域を含むcDNAも本発明の範囲内に含まれる。さら
に、本発明のcDNAには、上記領域が含まれておれば、さ
らに他の領域が含まれていてもよい。特に、細胞中でタ
ンパク質を発現するためには、その5′末端が、メチオ
ニンをコードするATGである必要があるが、このATGを
5′末端に含む配列を有するものも本願発明の範囲内に
含まれる。
本発明の組換えベクターは、上記本発明のcDNAを含
み、宿主細胞内で、AAL又はその類似体コード領域を発
現可能なものである。本発明の組換えベクターは、上記
AAL又はその類似体コード領域に加え、従来の発現ベク
ターと同様、宿主細胞内での複製を可能にする複製開始
点、転写に必要なプロモーター領域及び宿主細胞が原核
細胞の場合には、翻訳に必要なSD配列を有する。さら
に、ベクターを選択するための、薬剤耐性や栄養要求
性、温度感受性等のような適当な選択マーカー及びター
ミネーターを含むことが好ましい。このような、複製開
始点、プロモーター、SD配列、選択マーカー及びターミ
ネーターを含む発現ベクターは、この分野において周知
であり、多くのものが市販されている。本発明において
は、このような市販のベクターを採用することができ
る。
み、宿主細胞内で、AAL又はその類似体コード領域を発
現可能なものである。本発明の組換えベクターは、上記
AAL又はその類似体コード領域に加え、従来の発現ベク
ターと同様、宿主細胞内での複製を可能にする複製開始
点、転写に必要なプロモーター領域及び宿主細胞が原核
細胞の場合には、翻訳に必要なSD配列を有する。さら
に、ベクターを選択するための、薬剤耐性や栄養要求
性、温度感受性等のような適当な選択マーカー及びター
ミネーターを含むことが好ましい。このような、複製開
始点、プロモーター、SD配列、選択マーカー及びターミ
ネーターを含む発現ベクターは、この分野において周知
であり、多くのものが市販されている。本発明において
は、このような市販のベクターを採用することができ
る。
本発明のcDNA及び組換えベクターは、例えば以下のよ
うにして調製することができるがこれに限定されるもの
ではない。
うにして調製することができるがこれに限定されるもの
ではない。
まず、ヒイロチャワンタケの子実体から全RNAを抽出
し、これからメッセンジャーRNA(mRNA)を回収する。
これは、ヒイロチャワンタケの子実体を、例えばグアニ
ジウムチオシアネートのような変性剤を含む溶液中で破
砕し、遠心分離によりRNA画分を集め、得られたRNA画分
をオリゴ(dT)カラム等により処理することにより行な
うことができる。これに、例えばGublerとHoffmanの方
法[U.GublerとB.J.Hoffman、Gene 25,263(1983)]に
基づき、逆転写酵素を作用させることにより、mRNAと相
補的な単鎖cDNAを合成し、次いで二本鎖DNAを合成す
る。これに、例えば適当なリンカーにより例えばEcoRI
末端のような適当な制限酵素部位を付加し、これを例え
ばλgtllファージ[R.A.YoungとR.W.Davis、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA,80,1194(1984)]等のような適当なベク
ターに挿入する。これを、そのベクターの宿主(例え
ば、λgtllファージの場合には大腸菌(例えば大腸菌Y1
090株)に導入する。宿主細胞を培養し、ベクターが導
入された細胞を選択し、さらに例えばAALに対する抗体
又はAALのアミノ酸配列から予想される配列をコードす
るmRNAを相補する可能性を有するDNA断片を用いて、AAL
又はその類似体を産生する細胞を選択する。λgtllファ
ージのようなファージベクターを用いた場合には、寒天
培地中に育成したプラーク中のファージからAALをコー
ドすると思われるものを選び出すことにより目的のDNA
断片を取得することができる。また、ファージベクター
を用いず、岡山・Bergの方法[H.OkayamaとP.Berg,Mol.
Cell.Biol.2,161(1982)]等によりcDNAを組み込んだ
プラスミドを作製し、これを大腸菌等の宿主に導入して
もよい。
し、これからメッセンジャーRNA(mRNA)を回収する。
これは、ヒイロチャワンタケの子実体を、例えばグアニ
ジウムチオシアネートのような変性剤を含む溶液中で破
砕し、遠心分離によりRNA画分を集め、得られたRNA画分
をオリゴ(dT)カラム等により処理することにより行な
うことができる。これに、例えばGublerとHoffmanの方
法[U.GublerとB.J.Hoffman、Gene 25,263(1983)]に
基づき、逆転写酵素を作用させることにより、mRNAと相
補的な単鎖cDNAを合成し、次いで二本鎖DNAを合成す
る。これに、例えば適当なリンカーにより例えばEcoRI
末端のような適当な制限酵素部位を付加し、これを例え
ばλgtllファージ[R.A.YoungとR.W.Davis、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA,80,1194(1984)]等のような適当なベク
ターに挿入する。これを、そのベクターの宿主(例え
ば、λgtllファージの場合には大腸菌(例えば大腸菌Y1
090株)に導入する。宿主細胞を培養し、ベクターが導
入された細胞を選択し、さらに例えばAALに対する抗体
又はAALのアミノ酸配列から予想される配列をコードす
るmRNAを相補する可能性を有するDNA断片を用いて、AAL
又はその類似体を産生する細胞を選択する。λgtllファ
ージのようなファージベクターを用いた場合には、寒天
培地中に育成したプラーク中のファージからAALをコー
ドすると思われるものを選び出すことにより目的のDNA
断片を取得することができる。また、ファージベクター
を用いず、岡山・Bergの方法[H.OkayamaとP.Berg,Mol.
Cell.Biol.2,161(1982)]等によりcDNAを組み込んだ
プラスミドを作製し、これを大腸菌等の宿主に導入して
もよい。
このようにして得られた組換えベクター中に含まれる
AAL又はその類似体コード領域は、さらに、宿主細胞内
で高効率に自律複製及び発現を行なうベクターに組み込
んでもよい。
AAL又はその類似体コード領域は、さらに、宿主細胞内
で高効率に自律複製及び発現を行なうベクターに組み込
んでもよい。
得られた組換えベクターで常法により宿主細胞を形質
転換し、これを培養することによりAAL又はその類似体
を大量に生産することができる。生産されたAAL又はそ
の類似体は、例えば硫酸アンモニウム沈殿、さらにフコ
ース−デンプンゲルカラムクロマトグラフィー[I.Matu
motoとT.Osawa、Biochem.Biophys.Res.Commun.46,1810
(1972)]等により精製することができる。
転換し、これを培養することによりAAL又はその類似体
を大量に生産することができる。生産されたAAL又はそ
の類似体は、例えば硫酸アンモニウム沈殿、さらにフコ
ース−デンプンゲルカラムクロマトグラフィー[I.Matu
motoとT.Osawa、Biochem.Biophys.Res.Commun.46,1810
(1972)]等により精製することができる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明す
るが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
なお、下記、実施例において、特に断りがない限り、各
操作はT.Maniatisら、“Molecular Cloning.A Laborato
ry Manual"(1982),Cold Spring Harbor記載の方法に
より行なった。
るが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
なお、下記、実施例において、特に断りがない限り、各
操作はT.Maniatisら、“Molecular Cloning.A Laborato
ry Manual"(1982),Cold Spring Harbor記載の方法に
より行なった。
[実施例] (1)ヒイロチャワンタケからのmRNAの分離とcDNAの調
製 ヒイロチャワンタケ子実体10gから、グアニジンチオ
シアネート法[H.Okayamaら、Methods Enzymol.154,3
(1987)]によって全RNAを抽出した。これを10mM Tris
−1 mM EDTA−0.5 M Nacl(pH7.4)溶液に溶かし、オリ
ゴ(dT)セルロースカラムに通し、ポリA RNAを吸着さ
せた後、10mM Tris−1 mM EDTA溶液で溶出し、エタノー
ル沈殿により回収し、約100μgのmRNAを得た。このmRN
A20μgをGublerとHoffmanの方法(上掲)に基づき、cD
NA合成キット(ベーリンガー・マンハイム社製)に含ま
れる逆転写酵素、RNase H、DNAポリメラーゼ及びT4DNA
ポリメラーゼを製造者の指示のように用いてcDNAを調製
した。得られたcDNAを100ユニットのEcoRIメチラーゼで
メチル化した後、EcoRIリンカー2.5μgをT4DNAリガー
ゼにより付加し、EcoRIで切断した後、ゲルろ過によりc
DNAを回収した。
製 ヒイロチャワンタケ子実体10gから、グアニジンチオ
シアネート法[H.Okayamaら、Methods Enzymol.154,3
(1987)]によって全RNAを抽出した。これを10mM Tris
−1 mM EDTA−0.5 M Nacl(pH7.4)溶液に溶かし、オリ
ゴ(dT)セルロースカラムに通し、ポリA RNAを吸着さ
せた後、10mM Tris−1 mM EDTA溶液で溶出し、エタノー
ル沈殿により回収し、約100μgのmRNAを得た。このmRN
A20μgをGublerとHoffmanの方法(上掲)に基づき、cD
NA合成キット(ベーリンガー・マンハイム社製)に含ま
れる逆転写酵素、RNase H、DNAポリメラーゼ及びT4DNA
ポリメラーゼを製造者の指示のように用いてcDNAを調製
した。得られたcDNAを100ユニットのEcoRIメチラーゼで
メチル化した後、EcoRIリンカー2.5μgをT4DNAリガー
ゼにより付加し、EcoRIで切断した後、ゲルろ過によりc
DNAを回収した。
(2)組換え体ファージライブラリーの調製とスクリー
ニング 上記のようにして得られたcDNAを、2μgの脱リン酸
化したλgtllのEcoRI消化物にT4DNAリガーゼで連結し、
インビトロパッケージングの手法(文献:T.Maniatis
ら、上掲)によりファージとし、ライブラリーを作製し
た。これを大腸菌Y1090株(T.V.Huynhら、“DNA clonin
g,vol.1,pp 109−135,IRL Pressに記載。アマシャム社
より市販)に感染させ、軟寒天と混和して平板とし、フ
ァージが生産するタンパク質をニトロセルロースに転写
し、ウサギから得た抗AAL血清及びヤギから得た抗ウサ
ギイムノグロブリンにパーオキシダーゼを結合させたも
のを用いた免疫染色法により抗ALL抗体と反応するタン
パク質を生産するクローンを1個選び出した。
ニング 上記のようにして得られたcDNAを、2μgの脱リン酸
化したλgtllのEcoRI消化物にT4DNAリガーゼで連結し、
インビトロパッケージングの手法(文献:T.Maniatis
ら、上掲)によりファージとし、ライブラリーを作製し
た。これを大腸菌Y1090株(T.V.Huynhら、“DNA clonin
g,vol.1,pp 109−135,IRL Pressに記載。アマシャム社
より市販)に感染させ、軟寒天と混和して平板とし、フ
ァージが生産するタンパク質をニトロセルロースに転写
し、ウサギから得た抗AAL血清及びヤギから得た抗ウサ
ギイムノグロブリンにパーオキシダーゼを結合させたも
のを用いた免疫染色法により抗ALL抗体と反応するタン
パク質を生産するクローンを1個選び出した。
(3)AALをコードするcDNAの塩基配列の決定 (2)までの工程で得られたファージクローンからヒ
イロチャワンタケ由来と考えられた約1.4kbのDNA断片を
EcoRIで消化することにより分離し、この断片を市販の
大腸菌用プラスミドベクターであるpUC18にクローニン
グし、その塩基配列をM13−ジデオキシ法(サンガーら
の方法)により決定した。その結果を図1に示す。図1
に示した塩基配列のうち、AALをコードしている領域
は、第88番目のAから第1026番目のGまでである。この
領域によってコードされるアミノ酸配列は図2に示され
る。
イロチャワンタケ由来と考えられた約1.4kbのDNA断片を
EcoRIで消化することにより分離し、この断片を市販の
大腸菌用プラスミドベクターであるpUC18にクローニン
グし、その塩基配列をM13−ジデオキシ法(サンガーら
の方法)により決定した。その結果を図1に示す。図1
に示した塩基配列のうち、AALをコードしている領域
は、第88番目のAから第1026番目のGまでである。この
領域によってコードされるアミノ酸配列は図2に示され
る。
一方、KochibeとFurukawa(上掲)に記載された方法
により、AALをヒイロチャワンタケ子実体から抽出し、
市販のペプチドシーケンサーを用いてそのN−末端から
30番目までのアミノ酸配列を決定した。結果を図3に示
す。図3に示すアミノ酸配列と図2に示すアミノ酸配列
を比較すると、第1番目から第30番目までのアミノ酸が
完全に一致しており、上記約1.4kbの断片がAALをコード
していることがわかった。
により、AALをヒイロチャワンタケ子実体から抽出し、
市販のペプチドシーケンサーを用いてそのN−末端から
30番目までのアミノ酸配列を決定した。結果を図3に示
す。図3に示すアミノ酸配列と図2に示すアミノ酸配列
を比較すると、第1番目から第30番目までのアミノ酸が
完全に一致しており、上記約1.4kbの断片がAALをコード
していることがわかった。
(4)AALを生産するプラスミドの作製 上記約1.4kbのDNA断片をプラスミドpKK223−3に挿入
し、第4図に示すプラスミドpKK−AALを得た。これを制
限酵素PstI及びSmaIで消化後、エキソヌクレアーゼIII
及びヤエナリ(mung bean,(Phaseolus aureus))ヌ
クレアーゼで処理し、T4DNAリガーゼで連結した。これ
を制限酵素MluI及びEcoRIで消化してベクター部分を回
収し、第5図に示す合成DNA断片を挿入してプラスミドp
KA−1を得た。
し、第4図に示すプラスミドpKK−AALを得た。これを制
限酵素PstI及びSmaIで消化後、エキソヌクレアーゼIII
及びヤエナリ(mung bean,(Phaseolus aureus))ヌ
クレアーゼで処理し、T4DNAリガーゼで連結した。これ
を制限酵素MluI及びEcoRIで消化してベクター部分を回
収し、第5図に示す合成DNA断片を挿入してプラスミドp
KA−1を得た。
(5)AALの生産 (4)の工程で得られたpKA−1で大腸菌JM109株を形
質転換し、転換株を50〜100μg/mlのアンピシリンを含
むLB培地(トリプトン10g、イーストエキストラクト5
g、NaCl 5g、pHを7.2〜7.4に調整し、全量を水で1lにす
る)中で1mMのIPTG(イソプロピル−β−D−チオガラ
クトピラノシド)で誘導した。その結果、50μlの1%
溶液中に含まれるヒト赤血球を凝集させる最低のレクチ
ン量を1タイターとすると、培養液1ml当り400〜600タ
イターのレクチン活性が得られた。
質転換し、転換株を50〜100μg/mlのアンピシリンを含
むLB培地(トリプトン10g、イーストエキストラクト5
g、NaCl 5g、pHを7.2〜7.4に調整し、全量を水で1lにす
る)中で1mMのIPTG(イソプロピル−β−D−チオガラ
クトピラノシド)で誘導した。その結果、50μlの1%
溶液中に含まれるヒト赤血球を凝集させる最低のレクチ
ン量を1タイターとすると、培養液1ml当り400〜600タ
イターのレクチン活性が得られた。
培養液から菌体を遠心により集め、PBS(8mM Na2HP
O4、1.5mM KH2PO4、pH7.2、137mM NaCl,2.7mM KCl)300
mlに懸濁し、超音波破砕器を用いて菌体を破壊した。遠
心し、不溶物を除き硫酸アンモニウムで分画し、60%飽
和により生じた沈殿を集め、PBSに懸濁した。これをPBS
に透析し、MatumotoとOsawaの方法(上掲)に基づいて
作製したフコース−デンプンゲルを用いて精製した。
O4、1.5mM KH2PO4、pH7.2、137mM NaCl,2.7mM KCl)300
mlに懸濁し、超音波破砕器を用いて菌体を破壊した。遠
心し、不溶物を除き硫酸アンモニウムで分画し、60%飽
和により生じた沈殿を集め、PBSに懸濁した。これをPBS
に透析し、MatumotoとOsawaの方法(上掲)に基づいて
作製したフコース−デンプンゲルを用いて精製した。
精製されたAALをSDS−PAGEにかけたところ、約31キロ
ダルトンの位置に単一バンドが得られ、これはヒイロチ
ャワンタケ子実体由来のAALのサブユニットの分子量と
一致していた。
ダルトンの位置に単一バンドが得られ、これはヒイロチ
ャワンタケ子実体由来のAALのサブユニットの分子量と
一致していた。
また、常法により、精製されたAALの血液凝集活性を
測定したところ、約3タイター/μgであり、これもヒ
イロチャワンタケ子実体由来のAALの血液凝集活性と一
致していた。
測定したところ、約3タイター/μgであり、これもヒ
イロチャワンタケ子実体由来のAALの血液凝集活性と一
致していた。
さらに、常法によりフコースによる活性阻害試験を行
なったところ、活性阻害濃度は0.78mMであり、これもヒ
イロチャワンタケ子実体由来のAALの活性阻害濃度と一
致していた。
なったところ、活性阻害濃度は0.78mMであり、これもヒ
イロチャワンタケ子実体由来のAALの活性阻害濃度と一
致していた。
さらに、得られたAALのアミノ酸組成を調べたとこ
ろ、ヒイロチャワンタケ子実体由来のAALのアミノ酸組
成とほぼ一致していた。
ろ、ヒイロチャワンタケ子実体由来のAALのアミノ酸組
成とほぼ一致していた。
これらのことから、上記実施例において遺伝子工学的
手法により得られたAALは、ヒイロチャワンタケの子実
体由来のAALと同一の性質を有することがわかった。
手法により得られたAALは、ヒイロチャワンタケの子実
体由来のAALと同一の性質を有することがわかった。
図1は本発明のcDNAの1実施例の塩基配列を示す図、 図2は図1に示すcDNAのAALコード領域の塩基配列及び
それによってコードされるアミノ酸配列を示す図、 図3は、ヒイロチャワンタケ子実体より抽出したAALの
N−末端部分のアミノ酸配列を示す図、 図4は本発明の組換えベクターの1実施例を調製する工
程を示す図、 図5は図4に示す組換えベクターの調製に用いた合成DN
A断片の塩基配列を示す図である。
それによってコードされるアミノ酸配列を示す図、 図3は、ヒイロチャワンタケ子実体より抽出したAALの
N−末端部分のアミノ酸配列を示す図、 図4は本発明の組換えベクターの1実施例を調製する工
程を示す図、 図5は図4に示す組換えベクターの調製に用いた合成DN
A断片の塩基配列を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/31 C12N 15/74 REGISTRY(STN)
Claims (4)
- 【請求項1】 又はその1若しくは複数のアミノ酸が付加、欠失若しく
は置換された配列を有し、フコース結合性を有するポリ
ペプチドをコードするcDNA。 - 【請求項2】 の塩基配列を有する請求項1記載のcDNA。
- 【請求項3】請求項1又は2記載のcDNAを含み、宿主細
胞内で該cDNAを発現可能な組換えベクター。 - 【請求項4】pKA−1である請求項3記載の組換えベク
ター。
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EP19900104854 EP0387861A3 (en) | 1989-03-14 | 1990-03-14 | Cloned cdna encoding lectin of mushroom aleuria aurantia and recombinant vector containing the same |
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JP1061280A JP2759481B2 (ja) | 1989-03-14 | 1989-03-14 | ヒイロチャワンタケレクチンcDNA及びこれを含む組換えベクター |
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-
1990
- 1990-03-14 EP EP19900104854 patent/EP0387861A3/en not_active Withdrawn
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