JP3181660B2 - ビリルビンオキシダーゼの製造法 - Google Patents
ビリルビンオキシダーゼの製造法Info
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Description
ゼ(以下、BOという)をコードする遺伝子および該遺伝
子を組み込んだ組換えDNA、該組換えDNAを導入した形質
転換体及び該形質転換体を培養することによるBOの製造
法に関し、該BOは分析用酵素として利用され、産業上特
に重要である。
会により、酵素番号EC 1.3.3.5として分類される酵素で
ある。BOはミロセシウム(Myrothecium)属、トリコデ
ルマ(Trichoderma)属及びコプリナス(Coprinas)属
等の微生物が産生することが報告されている酵素であ
り、ビリルビンに作用してビリベルジンを経てほぼ無色
の生成物に変化せしめる反応を触媒する酵素である。そ
の結果、ビリルビンの特異吸収(460nm付近)が減少す
るとともに、その還元性が消失する。また、この酵素は
過酸化水素を生成しない特徴を有している。BOはその起
源にもよるが、約52,000〜約83,000の分子量を有してい
る。特にミロセシウム属菌由来のBOはその酵素化学的性
質も詳細に明らかにされている(特公昭60−12032
号)。
ルビンを分解する酵素であることから、特に体液中のビ
リルビン定量用診断薬として応用され、肝疾患等の診断
に利用されている。更に血清中ビリルビンによる測定干
渉作用を除去するためにビリルビンの消去用として各種
の生化学検査用試薬に利用されている。その他、BOは各
種の方面(例えば、医薬、洗剤など)にも応用が図られ
ている。
トリコデルマ属及びコプリナス属等の微生物から生産さ
れているが、現在ではBO遺伝子についての解析は全くな
されていないのである。また、組換え体BOの製造に関す
る研究も従来では全くなされていないのが現状である。
よって、遺伝子操作によりこれらのBOを大量に、安価に
生産する方法の開発が求望されていた。
うな微生物を培養することによって製造されているた
め、供給量、供給費用などの点で改善すべき点が多くあ
った。
研究の結果、BOをコードするDNAを精製・単離し、その
塩基配列を決定することに成功した。更に該遺伝子を組
み込んだ形質転換体を得、該形質転換体を培養すること
によってBOを製造する方法を完成した。
産への途を開き、さらには、蛋白質工学によるBOの特異
性の改変への途をも開いた。
ードするDNAに関するものであり、更に該遺伝子を組み
込んだ形質転換体を培養することによるBOの製造方法に
関する。
コードする塩基配列を含むDNAを提供するものである。
かかるDNAは、遺伝コドンの縮重を考慮すると、種々の
塩基配列を包含し得る。
素、例えば宿主細胞の種類等に応じた優先コドン等によ
って当業者が容易に選択し得るものである。
学的合成法も含めて種々のものが考えられる。例えば、
PCR(Polymerase Chain Reaction)法により得られたDN
A断片をプローブとして用い、ゲノムDNA等からイントロ
ンを含む遺伝子をクローニングした後、イントロンを含
まないcDNAを、例えばPCR法により得ることができる。
以下の実施例に述べる方法により単離できる。微生物と
しては、BOを産生するものであればいずれでも良いが、
例えばミロセシウム属、トリコデルマ属及びコプリナス
属等の微生物が使用できる。好ましくはミロセシウム属
が挙げられ、より好ましくは、ミロセシウム・ベルカリ
ア(Myrothecium verrucaria)MT−1(本菌株は工業
技術院微生物工業技術研究所に寄託されその寄託番号は
微工研条寄第653号である。)が使用できる。
MT−1由来のBOの場合を例にとり、実施例を参照しな
がら詳細に説明する。
微生物から生産されているBOの場合についても、本発明
と同様の過程を踏み、プライマー等を適当にデザインす
ることによって容易に実施できる。よって、本発明は以
下に記載する実施例に限定されるものではない。
養の為の培地には以下に示すポテトグルコース培地を使
用した。
ち、400gを上皿天秤で秤 量してステンレスバッ
トに入れる。 2 脱イオン水1000mlをメスシリンダーで量り、上記の
ステンレスバットに加え、アデカノールLG−126(旭
電化工業製)を3滴添加する。 3 ガスコンロではじめ強火で沸騰させ、その後は弱火
で2時間煮沸する。その後、流水中で冷却する。 4 冷却後、ガーゼ2枚でろ過する。 5 ろ液を1000mlに脱イオン水でフィルアップし、グル
コースを10g加えて溶解する。 6 121℃で、30分間オートクレーブする。
地2mlに、胞子形成を行なっていないミロセシウム・ベ
ルカリアMT−1(以下、BO生産菌という。)を接種し
て140rpmで30℃、3日間振盪培養した。次にこの培養液
2mlを同ポテトグルコース培地100mlに接種し、140rpm
で30℃、3日間振盪培養した。更に、この培養液2mlを
500mlの同ポテトグルコース培地の入った坂口フラスコ
に接種して、125rpm、25℃で振盪培養した。培養の間、
培養液を経時的にサンプリングして、その上清に含まれ
るBOの発現量の変動を、下記に示す測定法によりBO活性
を測定し、BO活性が高い培養液を回収した。
緩衝液250mlに試薬ビリルビン(和光純薬工業製)5mg
を溶解し、この2mlと酵素液0.2mlを37℃で反応させ440
nmの吸光度の減少を測定する。
g,15分)により菌体を回収し、−80℃に凍結保存して
以下の実験に供した。
オケミストリ(Biochemistry),13,2633(1974)]、
[サイエンス(Science),196,1313(1977)]、[モ
レキュラー クローニング(Molecular Cloning)(198
2)]〕に従って調製した。
シュ、和光純薬製)5gを混合し、すり鉢の中で液体窒
素と共に菌体を粉砕した。得られた粉砕物を40mMの4M
グアニジンチオシアネ−ト(フルカ製)、200mM 酢
酸ナトリウム(和光純薬製)、5mM EDTA(ドウジン
製)を含む溶液に加え、室温で15分間振盪混合させた。
ブに分配し、遠心分離(10,000rpm、15分)を行なっ
た。次に予め4mlの5M 塩化セシュウム(和光純薬
製)の入った遠心チュ−ブ6本に、得られた上清を6ml
づつ重層し、超遠心分離(37,000rpm、18時間)を行な
った。その結果、チュ−ブの底に透明な沈殿物を得た。
乾燥させ、1チュ−ブあたり80μlの10mM トリス−塩
酸緩衝液(pH7.6)、10mM EDTA、0.5% SDSを含む溶
液に溶かした。次に6本分を1本のチュ−ブに集め、10
mM トリス・塩酸緩衝液(pH8.0)(1mMのEDTA含有)
(以下、TEという)、飽和フェノ−ル及びクロロホルム
で2回づつ抽出し、最後に得られた水層に1/10容量の
3M 酢酸ナトリウム(pH5.2)溶液と2倍容量のエタ
ノ−ルを加え、−20℃に1時間おいた。その後、遠心分
離(12,000×g,15分)により沈殿を回収し、沈殿を80
%エタノ−ルで洗浄し、乾燥させた。これを滅菌蒸留水
200μlに溶かし以下の実験に使用した。尚、最終的に
得られた全RNA量は約2mgであった。
Kit(ファルマシア社製)を用いてpoly(A)+RNAを12μg
回収した。
をプロテア−ゼで切断したペプチドのアミノ酸配列の決
定 (I)BO蛋白のアミノ末端部分のアミノ酸配列の決定 (i)BO蛋白の還元カルボキシメチル化 ミロセシウム・ベルカリアMT−1由来の精製したBO蛋
白5mgを3mlの6Mグアニジン塩酸と2mM EDTAを含む
0.5Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に溶解し、50℃で2
分間処理した後、室温で24時間放置した。放置しておい
た反応液に0.6mgのDTT(ジチオスレイト−ル)と1.5mg
のヨ−ド酢酸を加え暗所で30分反応させた後、透析チュ
−ブに移し、暗所でイオン交換水に透析した。得られた
透析内液を凍結乾燥し、以下の実験に用いた。
クエンサ−(アプライド・バイオシステム社製)あるい
は固相法プロテインシ−クエンサ−(ミリジェン・バイ
オサ−チ社製)にかけ、得られたデ−タからアミノ酸配
列(配列番号:2)を決定した。
プチドのアミノ酸配列の決定 (i)トリプシン分解断片の取得とアミノ酸配列の決定 (I)の(i)で示したようにBO蛋白を還元カルボキシメ
チル化した試料を5mMの炭酸水素アンモニウム(pH7.
9)に溶解し、TPCK−トリプシン(ベ−リンガ−・マン
ハイム製)をBO蛋白量の1/50モル量加え、37℃で6時
間処理し、さらに同量のTPCK−トリプシンを加え37℃で
24時間処理した反応液を塩酸でpH2に調整した。トリプ
シン分解断片は、得られたトリプシン分解反応液の適当
量をHPLC逆相クロマトグラフィ−(μBondasphere C18
−100Aカラム)を行なうことにより分画し取得した。
尚、HPLCの条件は下記の通りである。
水 グラジェント:0−100%B液のリニアグラジェント 流速:0.5ml/分
(I)の(ii)と同様のプロテインシ−クエンサ−を用
いて4種類の断片のアミノ酸配列(配列番号:3〜配列
番号:6)を決定した。
ミノ酸配列の決定 (I)の(i)で示したようにBO蛋白を還元カルボキシメ
チル化した試料を5mMの炭酸水素アンモニウム(pH7.
9)に溶解し、V8プロテア−ゼ(Staphylococcusaureus
由来:ベ−リンガ−・マンハイム製)をBO蛋白量の1/5
0モル量加え37℃で6時間処理し、さらに同量のV8プロ
テア−ゼを加え37℃で24時間処理した反応液を塩酸でpH
2に調整した。V8プロテア−ゼ分解断片は、得られた分
解反応液の適当量を、トリプシン分解の場合と同様にHP
LC逆相クロマトグラフィ−を行なうことにより分画し取
得した。尚、分画条件も同様である。
内、(I)の(ii)と同様のプロテインシ−クエンサ−
を用いて6種類の断片のアミノ酸配列(配列番号:7〜
配列番号:12)を決定した。
よるDNA断片の取得 BOのcDNAを含む特定のDNA領域を、最近開発されてきたP
CR法〔[サイエンス(Science),230,1350(198
5)]、メソッド イン エンザイモロジー(Methodin
Enzymology),155,335(1987)]〕によって、単離増
幅した。
取得 (i)PCR法に用いたプライマーDNAの合成 の(I)で決定されたBO蛋白のアミノ末端配列(配列
番号:2)の16番目のプロリンから22番目のグルタミン
に対応する塩基配列を予想し、DNAを合成した。尚、5'
側には、PCR産物であるDNA断片をサブクロ−ニングし易
くするために、制限酵素EcoRIの認識配列を加えてあ
る。以下に示す全てのDNA合成には、0.2μMスケ−ルで
サイクロンプラスDNA合成機(ミリジェン・バイオサ−
チ社製)を使用した。このDNAをPCR法のプライマー#1
とした。プライマー#1の配列を以下に示す。
シンで分解した断片のうち、1つの断片のアミノ酸配列
(配列番号:3)に対応する塩基配列を予想してDNAを
合成した。尚、5'側には、PCR産物のDNA断片をサブクロ
−ニングし易くするために制限酵素BamHIの認識配列を
加えてある。配列番号:3の6番目のグルタミン酸から
12番目のアラニンに対応するDNAの相補的配列をPCR法の
プライマー#2とした。プライマー#2の配列を以下に
示す。
し、PCR法のプライマーとして使用した。
er(dT)15(ベ−リンガ−製)3μlを500μl容量のチ
ュ−ブ内で混合し、70℃で10分間インキュベ−トした
後、すぐに氷中で冷やした。
下の試薬を混合し、37℃で45分間インキュベ−トした。
この反応物をPCR法の鋳型DNAとした。以下、この反応物
を1st DNA mixという。
製)を用い、同社のDNA Thermal Cycler(DNA増幅装
置)により行なった。反応溶液の組成は以下の通りであ
る。
オイル(シグマ社製)100μlを加えた。次に反応液の
入ったチュ−ブをDNA Thermal Cyclerにセットし、以下
の条件で反応を行なった。
後、更に72℃で7分間インキュベ−トした。
ムを加え混合し、遠心分離(15,000rpm、2分)を行な
い、上清を100μl回収した。このうち10μlを用いて
1%アガロ−ス電気泳動で回収されたDNAのサイズと量
を確認した。その結果約1.5KbpのDNA断片が約2μg増
幅されていることがわかった。
かけ、1.5Kbpに相当するバンドを切りだし、DNA精製キ
ット(BIO 101社製)、GENECLEAN IIでこのDNAを抽出し
た。この操作で約1μgのDNA断片が回収された。以
下、このDNA断片をBO−Aという。
決定 まず、(iv)で得られたBO−Aを制限酵素EcoRI、あるい
はBamHIで切断し、1%アガロ−ス電気泳動でサイズを
確認した。このBO−AはBamHIで切断されることがわかっ
た。したがって、制限酵素処理しないBO−Aと、適当量
をあらかじめ制限酵素SmaIで切断した市販のプラスミド
pUC19(TOYOBO製)[ジーン(Gene),33,103(198
5)]と混合し、ライゲ−ションキット(宝酒造製)を
用いて16℃、18時間連結反応を行なった。
した[ジャーナル オブ モレキュラー バイオロジー
(J. Mol. Biol.),166,577(1983)]。得られた形
質転換体より、プラスミドを調製し、pUC19にBO−Aが導
入されたプラスミドpUCBO-Aを得た。
ために、各種制限酵素でpUCBO-Aを切断し、BO−Aの制限
酵素地図を作製した。図1の上段のスケールはDNA断片
のサイズを示し、枠で仕切られたBO−Aの上部に、制限
酵素認識部位を示し(例えば BglII、BamHI等)、枠の
右端にBO−Aを含むプラスミド名としてpUCBO-Aを示し
た。
ングを、得られたBO−Aの制限酵素地図を基にして行な
った。塩基配列決定の鋳型DNAは、M13ファ−ジ(M13mp1
8、M13mp19)のRF DNAにDNA断片をクロ−ニングし、一
本鎖DNAとして回収したり[メソッド イン エンザイ
モロジー,101,20(1983)]、pUC18、pUC19やpHSG39
6、pHSG397(いずれも宝酒造製)のプラスミドにクロ−
ニングし、2本鎖DNAとして回収し、鋳型DNAとした。塩
基配列は、得られた鋳型DNAを[α-32P]dCTPと7-Deaza-S
equencing Kit(USB社製)を用いる従来公知の方法や蛍
光物質利用したTaqDye Primer Cycle Sequencing Kit
(ABI社製)、DNA増幅装置(パ−キンエルマ−・シ−タ
ス社製)及びDNA Sequencer 373A(ABI社製)を用いる
方法で決定した。
に塩基配列決定の方向と距離を示した。決定されたBO−
Aの塩基配列は、配列番号:13に示した219番目のCから
1771番目のCに相当する。この塩基配列から予想される
アミノ酸配列を配列番号:13の塩基配列の下に示した。
列(配列番号:2)の一部(16番目のプロリンから25番
目のロイシン)やプロテア−ゼで分解した断片のアミノ
酸配列(配列番号:3から配列番号:12)の一致が認め
られる。一致しているアミノ酸配列部分を配列番号:13
に下線で示した。従って、得られたBO−Aは、目的のBO
蛋白のcDNAの一部分である。
応する3'側のcDNA断片の取得 (i)PCR法に用いたプライマーDNAの合成 (I)の(v)で決定されたBO−Aの塩基配列のうち、特
異的配列(配列番号:13の1692番目のCから1716番目の
Gまで)のDNAを合成した。このDNAをPCR法のプライマ
ー#3とした。尚、(I)の(i)と同様に5'側には制限
酵素EcoRIの認識配列を付けてある。プライマー#3の
配列を以下に示す。
3'側のpoly(A)配列を利用したPCR法を行なうために、3
つの制限酵素認識部位(5'からClaI、HindIII、SalI)
のみを持つDNAを合成し、このDNAをPCR法のプライマー
#4とした。プライマー#4の配列を以下に示す。
し、PCR法のプライマーとして使用した。
て、5'側にさらにプライマー#4の配列をもつDNAを合
成し、得たDNAを1st strand cDNA合成に用いるプライマ
ー#5とした。プライマー#5の配列を以下に示す。
20μMのプライマー#5、3μlを500μl容量のチュ
−ブ内で混合し、70℃で10分間インキュベ−トした後、
すぐに氷中で冷やした。次に、この得られた混合物4μ
lに対し以下の試薬を混合し、37℃で45分間インキュベ
−トした。この反応物をPCR法の鋳型DNAとした。以下、
この反応物を1st DNA mix(c)とする。
NA増幅装置、増幅反応条件は、(I)の(iii)と同様で
ある。
配列の決定 (I)の(iv)と同様に、回収した反応液10μlを用い
て1.5%アガロ−ス電気泳動で増幅されたDNAのサイズと
量を確認した。その結果、約290bpのDNA断片が約2μg
増幅されていることがわかった。残りの90μlを1.5%
アガロ−ス電気泳動にかけ、290bpに相当するバンドを
切りだし、DNA精製キット、MERMAIDTM Kit(BIO 101社
製)でこのDNAを抽出した。この操作で約0.5μgのDNA
断片が回収された。以下、このDNA断片をBO−Bという。
IIIで切断し、あらかじめ同じ制限酵素で切断したプラ
スミドpUC19にサブクロ−ニングした。その結果得られ
たBO−Bを含むプラスミドpUCBO-Bの塩基配列を決定し
た。この場合の塩基配列決定は7-Deaza-Sequencing-Kit
(USB社製)を用いる従来公知の方法でおこなった。図
1において枠で仕切られたBO−Bの上部に制限酵素認識
部位、下部に塩基配列決定の方向と距離を示し、枠の右
端にBO−Bを含むプラスミド名としてpUCB0-Bを示した。
号:13に示した1692番目のCから1959番目のAに相当す
る。BO−AとBO−Bの塩基配列を比較すると1692番目のC
から1771番目のCが完全に一致すること、この塩基配列
から予想されるアミノ酸配列とBO蛋白をV8プロテア−ゼ
で分解した断片の配列の内、配列番号:7の配列と一致
すること、その配列のすぐ後にストップコドン(配列番
号:13の塩基配列で1782番目から1784番目)が現われ、
3'末端にpoly(A)配列が存在することから、BO−Bは、目
的のBO蛋白のカルボキシル末端部分に対応する3'側のcD
NA断片である。
る5'側のcDNA断片の取得 (i)PCR法に用いたプライマーDNAの合成 (I)の(v)で決定されたB0−Aの塩基配列のうち、以
下に示す特異的配列(配列番号:13の322番目から348番
目)の相補的配列のDNAを合成した。このDNAをPCR法の
プライマー#6とした。プライマー#6の配列を以下に
示す。
lasmid System(BRL社製)を用いて行なうと、2本鎖cD
NA混合物の5'末端にSalIアダプタ−が導入される。従っ
て、もう一方のプライマーは、この配列を利用すること
にした。以下に示す配列を合成し、PCR法のプライマー
#7とした。プライマー#7の配列を以下に示す。
し、PCR法のプライマーとして用いた。
断片の増幅 で得られたpoly(A)+RNAを2.5μg使用して、SuperScr
iptTM Plasmid System(BRL社製)により2本鎖cDNA合
成し、SalIアダプタ−の付加及び制限酵素NotIで切断し
た反応液をフェノ−ル/クロロホルム抽出、エタノ−ル
沈殿、乾燥を行ない、最終的にTE 50μlに溶解させた
サンプルを鋳型DNAとした。以下この鋳型DNAをcDNA mix
という。
り、DNA増幅キット、DNA増幅装置、増幅反応条件は、
(I)の(iii)と同様である。
基配列の決定 (II)の(iv)と同様にDNAを回収し、その結果、約350
bpのDNA断片が、約0.5μg得られた。以下、このDNA断
片をBO−Cという。
で切断し、あらかじめ同じ制限酵素で切断したプラスミ
ドpUC19にサブクロ−ニングした。その結果得られたBO
−Cを含むプラスミドpUCBO-Cの塩基配列を決定した。こ
の場合の塩基配列決定は7-Deaza-Sequencing-Kit(USB
社製)を用いる従来公知の方法でおこなった。図1にお
いて枠で仕切られたBO−Cの上部に制限酵素認識部位、
下部に塩基配列決定の方向と距離を示し、枠の右端にBO
−Cを含むプラスミド名としてpUCBO-Cを示した。決定さ
れたBO−Cの塩基配列は、配列番号:13に示した1番目
のAから348番目のGに相当する。BO−AとBO−Cの塩基
配列を比較すると219番目のCから348番目のGまでの配
列が完全に一致すること、この塩基配列から予想される
アミノ酸配列(配列番号:13の塩基配列では180から254
番に相当する)とBO蛋白のアミノ末端配列が一致するこ
とから、BO−Cは、BO蛋白のアミノ末端部分に対応する
5'側のcDNA断片である。
NA断片のオ−バ−ラップする塩基配列部分を考慮し、結
合させた全体の塩基配列を配列番号:13に示した。塩基
配列の下段には塩基配列から予想される、66番目から68
番目の開始コドンであるATGから始まり終止コドンで
ある1782番目から1785番目のTAGで終了する最も長い
オ−プンリ−ディングフレ−ムを示してある。
したがって、BO蛋白は、572個のアミノ酸から成る前駆
体として翻訳されると考えられる。配列番号:13に示し
たアミノ酸配列部分のうち1番目のメチオニンから約20
のアミノ酸は比較的疎水性に富んだアミノ酸が並んでい
ることから、分泌蛋白質に一般的に見られるシグナル配
列と考えられる。BO蛋白のアミノ末端アミノ酸はバリン
であり、その前には2つの塩基性アミノ酸(Lys-Arg)
が存在している。このアミノ酸配列は、BO前駆体から成
熟体(BO蛋白)へのプロセッシングに必要な配列と考え
られる。
−ディングフレ−ムを、配列番号:1にアミノ酸の3文
字表記で示した。BO蛋白のアミノ末端配列(配列番号:
2)やプロテア−ゼ分解断片の配列(配列番号:3〜配
列番号:12)を下線で示した。したがって、BO蛋白側か
らの得られた配列と、得られたcDNAから予想されるアミ
ノ酸配列とを総合して考えると、BO蛋白の一次構造は、
39番目のバリンから572番目のグルタミン酸まで534個の
アミノ酸より成ると考えられる。
のサイズの同定 ノザンブロッティングは、ホルムアルデヒド法により行
なった。〔[バイオケミストリイ,16,4743(197
7)]、[プロシーディング オブ ザ ナショナルア
カデミイ オブ サイエンス オブ ザ USA,77,5
794(1980)]、[モレキュラー クローニング(198
2)]〕
変性条件下で1.2%アガロ−ス電気泳動し、ブロッティ
ングし、ベイキングしたニトロセルロ−スフィルタ−
と、の(I)の(iv)で得られたプラスミドpUCBO-Aを
制限酵素EcoRIとHindIIIで切断し、アガロ−ス電気泳動
にかけ切りだし抽出した、約1.5kbpのBO-AのDNA断片の
適当量を[α-32P]dCTPでMuitiprimeTM DNA Labelling
system(アマシャム社製)により標識化したDNA断片と
をハイブリダイゼイションさせ、15mM 塩化ナトリウ
ム、1.5mM クエン酸ナトリウムと0.1% SDSを含む溶
液で42℃で30分間洗浄し、風乾させたフィルタ−のオ−
トラジオグラフィ−を行なった。その結果を図2に示し
た。
から算定された約2kbの位置に1本バンドが出現した
(図2に矢印で示す)。従って、BOのmRNAのサイズは、
約2kbであり、の(I)〜(III)で得られたBO−A、B
O−B及びBO−Cを組合せて得られた配列番号:13のDNAの
サイズと一致する。このことは、BOのmRNAは一種類であ
り、配列番号:13に示されたDNA配列がBOのmRNA配列をD
NAに変換した配列と考えることができる。
の全体を含むDNA断片の取得 で得られた結果から、BO蛋白に対するmRNAは一種類で
あり、の(II)と(III)で得られたBO−BとBO−Cの
塩基配列を利用すれば、オ−プンリ−ディングフレ−ム
(配列番号:1)全体を含むひと繋がりのDNA断片とし
て取得できる。このDNA断片の取得はPCR法によって行な
った。
フレ−ム全体を含むDNA断片の 増幅 の(III)で得られたBO−Cの塩基配列の内、配列番
号:13の第12番目のTから第36番目のTまでの配列と第
1878番目のCから第1902番目のGまでの配列の相補的配
列のDNAを合成した。それぞれの合成DNAをPCRのプライ
マー#8、プライマー#9として用いた。また、の
(III)で得たcDNA mixをPCRの鋳型DNAとした。
り、DNA増幅キット、DNA増幅装置、増幅反応条件は、
(I)の(iii)と同様である。
列の決定 (II)の(iv)と同様にDNAを回収し、その結果、約1.9
kbpのDNA断片が、約1μg得られた。以下、このDNA断
片をBO−fullという。
酵素SmaIで切断したプラスミドpUC19にサブクロ−ニン
グし、BO−fullを含むプラスミドを得た。以下、このプ
ラスミドをpUC-BOという。次にBO−fullの制限酵素地図
を作製し、その地図に基づき塩基配列決定のためのサブ
クロ−ニングを行なった。の(v)のように、塩基配
列決定の鋳型DNAは、M13ファ−ジ(M13mp18、M13mp19)
のRF DNAにDNA断片をクロ−ニングし、一本鎖DNAとし
て回収したり[メソッド イン エンザイモロジー,10
1,20(1983)]、pUC18、pUC19やpHSG396、pHSG397
(いずれも宝酒造製)のプラスミドにクロ−ニングし、
2本鎖DNAとして回収し鋳型DNAとした。この場合の塩基
配列決定は、蛍光物質利用したTaq Dye Primer Cycle S
equencingKit(ABI社製)、DNA増幅装置(パ−キンエル
マ−・シ−タス社製)及びDNA Sequencer 373A(ABI社
製)を用いる方法でおこなった。図1において枠で仕切
られたBO−fullの上部に制限酵素認識部位、下部に塩基
配列決定の方向と距離を示し、枠の右端にBO−fullを含
むプラスミド名としてpUC−BOを示した。決定されたBO
−fullの塩基配列は、配列番号:13に示した第12番目の
Tから第1902番目のGまで、完全に一致した配列であっ
た。したがって、このPCRにより配列番号:1に示した
アミノ酸配列に相当する塩基配列を全て含むDNA断片を
得ることができた。図1において枠で仕切られたBO−fu
llには、BO蛋白に対応する領域を斜線で、シグナルペプ
チドに相当する部分を含む領域をPreProとして示した。
また、BO蛋白のアミノ末端に相当する部分をN、カルボ
キシル末端に相当する部分をCと示した。このBO−full
と名付けたDNA断片を含むプラスミドpUC−BOを、実施例
2および実施例3に示す酵母での組み換えBOの発現に必
要なプラスミド構築の材料とした。
当すると予想される塩基配列を、下記プライマ−#10、
プライマ−#11を用いてPCR法により増幅した。プライ
マ−#10には後述するプラスミドへクロ−ニングが容易
なように、酵母α因子のシグナルペプチドの塩基配列の
一部(HindIIIサイトを含む)が含まれている。またプ
ライマ−#11にはストップコドンとEcoRIサイトが含ま
れている。プライマー#10、プライマー#11の配列を以
下に示す。
エルマ−ジャパン社製)を用い、同社のDNA Thermal Cy
clerにより行なった。反応液の組成は同キットに添付さ
れている説明書に記載されている方法に従った。反応液
の入ったチューブをDNA Thermal Cyclerにセットし、以
下の条件で反応を行なった。
た後、さらに72℃で7分間インキュベ−トした。反応
後、反応液を取り出しこれをクロロホルムにて抽出し
た。
電気泳動し、増幅されたDNAのサイズと量を確認した。
その結果、約1.6kbpのDNA断片が約1μg増幅されてい
ることがわかった。この1.6kbpのバンドを含むゲルを切
りだして、Gene clean II Kit(BIO 101社製)を用い
て、キットに添付されている説明書に従ってDNAを抽出
し回収した。
I(いずれも東洋紡製)にて消化し、アガロ−ス電気泳
動を行なって、約1.6kbpのDNA断片をGene clean II Kit
を用いて回収した。得られた1.6kbp DNA断片を発現させ
るために、酵母において分泌発現が可能なように、分泌
発現に必要なシグナルペプチドの塩基配列と転写の終結
に必要な塩基配列(ターミネーター)を1.6kbp DNA断片
に結合した。
基配列を前述のPCR法を用いて増幅し単離した。すなわ
ち、酵母のゲノムDNA(Clontec社より購入)を鋳型DNA
としプライマ−#12、#13を用いてα因子のシグナルペ
プチド部分の塩基配列を増幅した。増幅後、前述したよ
うに反応液をアガロース電気泳動して、増幅したDNA断
片を確認して、これをMERMAID kitを用いて抽出し回収
した。その結果、約0.5μgの約300bpのDNA断片を得
た。
サイトをプライマ−#13は制限酵素HindIIIのサイトを
含んでいるので、得られたDNA断片をXhoIとHindIIIで消
化することにより、α因子のシグナルペプチドの塩基配
列を含んだDNA断片の両末端に、それぞれXhoIサイトとH
indIIIサイトを導入できる。
て、これとブル−スクリプトks-(Stratagene社製)をX
hoI、HindIIIで消化したラージフラグメントをライゲー
ションした。ライゲーション反応はライゲーションキッ
ト(宝酒造製)を用いてキットに添付されている説明書
に従って行なった。ライゲ−ション後、反応液で大腸菌
DH5を形質転換した。形質転換はコンピテントセルDH5
(東洋紡製)を用いて公知の方法[モレキュラー クロ
ーニング(1982)]により行なった。形質転換の結果、
得られたアンピシリン耐性の菌株よりプラスミドDNA
(以下、pBαとする)を公知の方法にて調製した。
得られたラージフラグメントと、前述したPCR法で増幅
された1.6kbp DNA断片をHindIIIとEcoRIで切断したフラ
グメントをライゲーションした。ライゲーション後、前
述したようにこれを用いて大腸菌DHαを形質転換した。
得られた形質転換体より前述と同様にプラスミドを調製
した。このプラスミドをpBOαとし、以下の実験に用い
た。
K遺伝子のターミネーター配列を組み込んだ。そのため
にPGK遺伝子のターミネーター配列をPCR法で増幅し単離
した。鋳型DNAとしては酵母ゲノムDNAを、プライマーと
しては下記に示したプライマ−#14、#15を用いた。
増幅したDNA断片を確認して、これをMERMAID kitを用い
て抽出し回収した。その結果、約0.5μgの約300bpのDN
A断片を得た。プライマ−#14はEcoRIサイトをプライマ
−#15はSphI、BamHIサイトを含んでおり、得られた断
片をEcoRIとBamHI(いずれも東洋紡製)で消化すること
により、PGK遺伝子のターミネーター配列の両端に、そ
れぞれEcoRIサイトとBamHIサイトを導入することができ
る。得られたPGK遺伝子のターミネーター断片を、EcoRI
とBamHIで消化し、これと前述のpBSαをEcoRIとBamHIで
消化したラージフラグメントを同様にライゲ−ションし
形質転換を行なった。得られたアンピシリン耐性の菌株
よりプラスミドDNAを調製し、これをpBOGSαとし、以下
の実験に供した。
α因子の開始コドンであるメチオニンから順次アミノ酸
に翻訳されると、グリシン−バリン−セリン−ロイシン
−アスパラギン酸−リシン−アルギニン−バリン−アラ
ニン−グルタミン−イソロイシン−セリン−プロリンと
いう配列になる。このうち最初のグリシンから7番めの
アルギニンまではα因子のアミノ酸配列であり、8番め
のバリンからはBO成熟体のN末端領域のアミノ酸を示し
ていた。この配列中のリシン−アルギニンの配列はα因
子のシグナルペプチドがプロセッシングを受ける部分で
あり、この部分でBOタンパクが切りだされ分泌されるも
のと予想される。
アガロ−ス電気泳動し、約2.2kbpのDNA断片を確認し、
この断片をGENE CLEAN II kitにより回収した。このDNA
断片を、酵母−大腸菌のシャトルベクタ−であるpYES2
をXhoIとSphIで消化したラージフラグメントと前述の如
くライゲーションし、その反応液で大腸菌DH5を前述の
如くトランスフォーメーションした。
ミドを回収しこれをpYES−BOとした。図3にpYES−BOの
おおよその構造を示す。pYES2はXhoI、SphIサイトの上
流に酵母のGAL1遺伝子のプロモーターを持つプラスミド
で、XhoIサイト側に遺伝子の上流、SphIサイト側に遺伝
子の下流がくるような方向に遺伝子を挿入することで、
遺伝子がGAL1プロモーターで転写されうるようになる。
すなわちここで取得されたプラスミドでは、挿入された
DNA断片がGAL1プロモーターで転写されうる構造を有し
ていることになる。従って、このDNA断片がBOをコード
していれば、プラスミドを酵母に導入することでBOが発
現することが期待できる。
のオープンリーディングフレームの5'側と3'側にpUC−1
9由来のEcoRI認識部位とSphI認識部位が存在する。この
EcoRI認識部位に次の2本鎖合成オリゴDNAを挿入しEcoR
I認識部位をXhoI認識部位に変換したプラスミドpUC−BO
Xを作成した。
1.9KbpのXhoI−SphI断片を回収し、XhoIとSphIで切断し
た前述のプラスミドpYESにサブクローニングしプラスミ
ドpYES−FBOを得た。
びpYES−FBOを用いて酵母SHY2を形質転換した。形質転
換の方法はLaboratory Course Manual for Methods In
Yeast Genetics(Cold Spring Harbor Laboratory)に
記載されている方法にしたがって行なった。
ついて詳細に記載する。SHY2の性状は(α、ste−VC9、
ura3−52、trp1−289、leu2−3、leu2−112、his3−
1、can1−100)であり、この株はロイシンの存在しな
い培地では成育できない。この株がpYES2−BOを保持す
ればpYES−BOの持つロイシン合成遺伝子の働きによりロ
イシンが含まれていない培地でも成育できる、いわゆる
ロイシン非要求性の株となる。従って、pYES−BOによる
形質転換体の酵母はロイシン非要求性となる。
体が得られ、そのうちBO2株とした形質転換体酵母を以
下の実験に供した。
O2株を下記組成のSDG培地10mlに接種して一晩30℃で前
培養した。
て、30℃で一晩振とう培養しOD610を経時的に測定し
た。
心分離(8000×g、10分)により菌体を取り除き、培養
上清を回収して以下の実験に供した。またコントロール
としては、pYES2で形質転換されたSHY2(以下、コント
ロール株とする)に上記と同じ操作を行なって回収され
た培養上清を用いた。
を調べるために、まずBO2株とコントロール株の培養上
清をそれぞれCentrifugal Ultrafree−20(分子量10,00
0カット、ミリポア社製)による限外濃縮により約50倍
に濃縮した。また、回収した菌体は5mlの50mM トリス
−塩酸緩衝液(pH7.0)−1mM PMSFに懸濁し、ボール
ミル破砕機(ビーブラウンテック製)により破砕した。
破砕後懸濁液を遠心分離し上清を菌体内画分として使用
した。
るために、菌体内画分と培養上清画分のBO活性の測定を
行なった。BO活性の測定は以下のようにして行った。0.
1mg/mlのビリルビン(シグマ社製)を1mM EDTA−0.2
M Tris・HCl(pH8.0)に溶解した溶液1mlとサンプル
0.1mlを混合して、37℃で20分反応後、ブランクとの吸
光度の差の有無により活性の存在を判定する。尚、各サ
ンプルは、以下のようにして調製した。
クが減少するはずである。その結果を、図4及び図5に
示した。培養上清を用いた実験では、コントロール株の
培養上清を加えた場合、ビリルビンの吸光度のピークは
減少しなかった。このとき、この上清にミロセシウム属
由来のBO(天野製薬製)を加えると、ビリルビンのピー
クは著しく減少した。
清はBO活性を示すものを含んでいないし、カビBOの活性
を完全に阻害するものも含んでいないことが明らかとな
った。従って、SHY2に導入したDNA断片が発現して組み
換えBOが分泌されていれば、その活性を検出できること
になる。
から明らかなようにビリルビンの吸光度のピークが著し
く減少した。すなわち、導入したDNA断片の存在に依存
して培養上清にBO活性が検出できた。菌体内画分を用い
た実験においても同様に導入したcDNAの存在に依存して
BO活性が検出された。
によるものであることをウエスタンブロットを用いた解
析により更に確認した。前述の如く調製されたコントロ
ール株とBO2株の培養上清濃縮液をそれぞれSDS-PAGE電
気泳動した。SDS-PAGE電気泳動はMolecular Cloningに
記載されている方法に準じて行なった。電気泳動後、ゲ
ル上に分離されたタンパクバンドをPVDF膜(ミリポア社
製)にMultiphor II(LKB社製)を用いて電気的にトラ
ンスファーした。その後このPVDF膜と抗BOウサギ血清を
用いて、Amplified Alkaline Phosphatase Goat Anti-R
abbit Immun-Blot Assay Kit(バイオラッド社製)によ
りウエスタンブロットを行なった。ウエスタンブロット
の方法はキットに添付されている説明書にしたがって行
なった。その結果を図6に示した。
おり、約60kDaの位置にバンドが検出された。コントロ
ール株の培養上清濃縮液を流したレーン4では60kDaの
位置にはバンドは観察されなかった。この時BO2株の培
養上清濃縮液を流したレーン3では図6より明らかなよ
うに60kDaの位置にバンドが観察された。したがって、
遺伝子の存在に依存してBOと同じサイズのBOと同じ抗原
性を有するバンドが観察されたことになる。このバンド
は発現された組み換えBOに由来するものと考えられる。
ンパクをコードする遺伝子断片であると示唆され、得ら
れた遺伝子断片がBOをコードするBO遺伝子であることが
明らかとなった。
換し、得られた形質転換酵母を上述したと同様にSDG培
地を用いて培養した。菌体内画分において上記と同様に
成熟BO蛋白の発現が確認された。
提供され、該遺伝子を組み込んだ形質転換体を培養する
ことにBOを製造することができる。このようにして製造
されたBOは、分析用酵素として利用され、産業上に大き
く貢献できる。
スミドpUCBO-C及びプラスミドpUC-BOの制限酵素地図を
示す。
性の測定結果を示す。図中ではビリルビンを、はビ
リルビン+サンプルCをはビリルビン+サンプルC+
ビリルビンオキシダーゼを、はビリルビン+サンプル
Aの結果を示す。
測定結果を示す。図中ではビリルビンを、はビリル
ビン+サンプルDをはビリルビン+サンプルD+ビリ
ルビンオキシダーゼを、はビリルビン+サンプルBの
結果を示す。
よるウエスタンブロットの結果を示す。
Claims (8)
- 【請求項1】配列番号:13に示すアミノ酸配列を有す
るプレプロ領域を含むビリルビンオキシダーゼをコード
する塩基配列を含むDNA。 - 【請求項2】配列番号:1に示すアミノ酸配列をコード
する塩基配列を含むDNA。 - 【請求項3】配列番号:1に示すアミノ酸配列を有する
ビリルビンオキシダーゼをコードする塩基配列を複製可
能な発現ベクターに連結し、該塩基配列と複製可能な発
現ベクターとを含有する複製可能な組換えDNA。 - 【請求項4】配列番号:13に示すアミノ酸配列を有す
るプレプロ領域を含むビリルビンオキシダーゼをコード
する塩基配列を複製可能な発現ベクターに連結し、該塩
基配列と複製可能な発現ベクターとを含有する複製可能
な組換えDNA。 - 【請求項5】配列番号:1に示すアミノ酸配列を有する
ビリルビンオキシダーゼをコードする塩基配列を複製可
能な発現ベクターに連結し、該塩基配列と複製可能な発
現ベクターとを含有する複製可能な組換えDNAを得、
該組換えDNAで微生物を形質転換した形質転換体。 - 【請求項6】配列番号:13に示すアミノ酸配列を有す
るプレプロ領域を含むビリルビンオキシダーゼをコード
する塩基配列を複製可能な発現ベクターに連結し、該塩
基配列と複製可能な発現ベクターとを含有する複製可能
な組換えDNAを得、該組換えDNAで微生物を形質転
換した形質転換体。 - 【請求項7】配列番号:1に示すアミノ酸配列を有する
ビリルビンオキシダーゼをコードする塩基配列を含むD
NAをベクターに組み込んだ組換えDNAを微生物に導
入し、該微生物を培養し、ビリルビンオキシダーゼを培
養物中に産生せしめ、該培養物中よりビリルビンオキシ
ダーゼを採取することを特徴とするビリルビンオキシダ
ーゼの製造法。 - 【請求項8】配列番号:13に示すアミノ酸配列を有す
るプレプロ領域を含むビリルビンオキシダーゼをコード
する塩基配列を含むDNAをベクターに組み込んだ組換
えDNAを微生物に導入し、該微生物を培養し、ビリル
ビンオキシダーゼを培養物中に産生せしめ、該培養物中
よりビリルビンオキシダーゼを採取することを特徴とす
るビリルビンオキシダーゼの製造法。
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1992
- 1992-01-24 JP JP03412692A patent/JP3181660B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR101661976B1 (ko) * | 2014-07-24 | 2016-10-05 | 우 열 문 | 슈팅 연습기 |
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