JP2758446B2 - 蒸解パルプの洗浄方法 - Google Patents

蒸解パルプの洗浄方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (A)産業上の利用分野 本発明は、蒸解後パルプの洗浄方法に関する。
例えばパルプ蒸解工程で生ずる蒸解黒液から蒸解薬品
・燃焼性有機物質の回収の改善を図り、さらには後段に
続くパルプ漂白の負荷を低減するため公知方法を適用す
るより効率的かつ高度に洗浄を行う方法。
(B)従来の技術 蒸解後のパルプスラリーを洗浄する目的は、木材蒸解
により可溶化されたリグニン、樹脂、有機酸および残留
する蒸解薬品などを含有する蒸解黒液をパルプから除去
することである。特にクラフト法ではこれら蒸解黒液は
ほとんど全量回収し再利用される。蒸解後パルプの洗浄
には、各種の洗浄機を使用した洗浄プロセスが採用され
ておりその代表例を説明する。
第2図は代表的な洗浄機である真空型洗浄機3を数台
連続に配置した洗浄プロセスである。蒸解釜1より排出
される蒸解黒液を伴うパルプスラリーは流路4を通り数
台の連続する真空型洗浄機3の第1段目に導入され、後
段の真空型洗浄機からの濾液を用いて洗浄がなされる。
真空型洗浄機3はパルプスラリーをパルプ重量濃度1%
程度まで一旦希釈した後、回転するドラムスクリーン上
においてパルプ重量濃度14〜16%まで濃縮・脱水する間
に洗浄が行われる装置である。後段に続く真空型洗浄機
でも同様な洗浄が連続して行われる。この洗浄機におい
て、洗浄液は流路6より入り、洗浄を終了したパルプは
流路5を経て次工程、一般的には漂白工程へ導かれる。
また洗浄後の濾液は流路8を経由して回収工程へ行く。
以上のようにしてプロセス全体として向流多段洗浄が行
われる(紙パルプ・技術協会編、クラフトパルプ・非木
材パルプ P129〜137)。一方、第3図はディフュージ
ョンウオッシャー10を使用した洗浄プロセスで、パルプ
スラリーが洗浄機内に設置された薄い隔壁間をほぼ均一
に上昇する間に洗浄液を導入して黒液を拡散洗浄する洗
浄機である(紙パルプ・技術協会編、クラフトパルプ・
非木材パルプ P125〜128)。また第4図は蒸解釜1に
連続して設置したハイヒートゾーン11に洗浄液を導入し
これをパルプスラリーに対して向流的に流しかつ、高
温、高圧下で洗浄を行うプロセスである(テスター産業
編、図解製紙百科 P102〜103)。
(C)発明が解決しようとする課題 上記したような一般的な洗浄プロセスはパルプ繊維間
にある蒸解黒液の短時間かつ連続的な分離方法には適当
である。しかしながらパルプ繊維の内腔には可溶化した
蒸解黒液が充満しており、加えてパルプ繊維には繊維内
腔と外界を通ずる膜孔と呼ばれる極めて小さな空隙が存
在するのみである。そのため従来方法では繊維内部に可
溶化して残存する蒸解黒液を完全に取り除くことは困難
である。従ってパルプ繊維内腔中には洗浄後も相当の蒸
解黒液が残留するが、これは後段に続くパルプ漂白負荷
の増加、蒸解薬品回収の不十分、パルプ品質の低下、排
水処理負荷の増加などの問題を引き起こす。本法は上記
の問題点を解決するために発明された。
(D)課題を解決するための手段 即ち本発明は、蒸解後パルプの洗浄において、多段真
空型洗浄機の前段に並流洗浄槽を配置しこれに蒸解後パ
ルプならびに多段真空型洗浄機からの洗浄濾液を導入し
並流的に移動させながら洗浄する方法である。
以下に本発明を図面に基ずき詳しく説明する。第1図
は本発明の実施例を示す洗浄工程の概略図である。蒸解
釜1より排出されたパルプ及び黒液は,スラリー流路4
を通り並流洗浄槽2にはいる。並流洗浄槽2では真空洗
浄機3から流路4を経由して導かれた濾液と共に上昇す
る。このパルプスラリーが濾液と共に洗浄槽内を所定の
時間で上昇する間にパルプ繊維内腔中の黒液が濾液側へ
浸出拡散する。この様にして所定の滞留時間を経過後、
並流洗浄槽の上部に達したパルプスラリーはストレーナ
ーを備える濾液抽出ゾーン9で固液分離される。分離さ
れた濾液は流路8を経由して回収工程へ行き、 一方、内腔の黒液を抜き取られたパルプは次に繊維
間、あるいは繊維表面の黒液を洗浄するために、流路4
を経由して通常の真空型多段洗浄機3にいく。洗浄機3
にて数回の洗浄処理を行なった後、パルプは流路5から
次の工程、一般的には漂白工程へ行く。6は真空型多段
洗浄機の最終段の洗浄液の流路である。
本発明を有効に利用するため、並流洗浄槽内において
蒸解後のパルプ繊維内に残留する蒸解黒液中の遊離リグ
ニンが軟化する140℃以上の温度条件に保ち、パルプ繊
維にリグニンの再吸着を起こすことの無いようにする必
要がある。またパルプ繊維上にありパルプ繊維内腔と外
界を通ずる膜孔は極めて小さく、極く短時間の洗浄液と
の接触ではパルプ繊維内腔中の残留黒液の充分な浸出拡
散は望めない。従って並流洗浄槽3においては上記の温
度条件を備えつつ、長時間好ましくは2時間以上の洗浄
槽滞留時間を得ることでパルプ繊維内腔に充満する蒸解
黒液で可溶化した状態のまま繊維上の膜孔を通じてパル
プ繊維外部へ浸出拡散する作用を利用する。
(E)作用 本法はパルプ繊維内腔中に残留する黒液の浸出拡散と
いう現象を利用すると共に、この現象を速やかに適用す
るため蒸解黒液中のリグニンが可溶化する温度条件が必
要である。さらに通常の蒸解(液比2〜4)後のパルプ
繊維を取り巻く蒸解黒液は薬品、リグニン含有量を合わ
せ15〜20重量%の濃度となっており、洗浄脱水時の流動
抵抗が高く充分な洗浄液流が得られないために向流洗浄
は効率の良い方法とはいえない。しかしながら、本発明
では上記温度条件を備えつつ洗浄液を並流に流動させる
ことで残留黒液の浸出拡散を利用するため、従来では得
られない高い洗浄効率が得られる結果、後段に続くパル
プ漂白の負荷や排水処理負荷を低減できる。
(F)実施例 以下、本発明法の実施例および比較例に関し説明する
が、本発明はこれによって何等限定されるものではな
い。
実施例1および比較例1〜3 タスマニア産ユーカリ広葉樹材チップを液比2〜4、
活性アルカリ添加量を対パルプ16%、蒸解最高保持温度
170度の条件によりクラフト蒸解を行い蒸解黒液を含む
パルプスラリーを得た。これを第1図に示した本発明法
並びに第2〜4図に示した従来法により蒸解後パルプス
ラリーの洗浄を行った。なおこの時の洗浄液使用量は全
て希釈係数(DF)2.0となるように実施した。この結果
を第1表に示す。表に見るように、本発明による洗浄で
はカッパー価により測定されるパルプ中の残留リグニン
量は、従来法に比較して少なく洗浄度の向上が認められ
る。
また本発明における並流洗浄槽での滞留時間は長時間
ほどその効果が発揮されるものの、3時間では効果がほ
ぼ上限に達し、パルプ品質の低下が大となることより2
時間程度が好ましいことが判る。以上の結果から、蒸解
後パルプスラリーの洗浄に本法を適用することにより後
段に続く漂白負荷の低減・パルプ品質の向上・排水処理
負荷の低減が達成し得る。
(G)発明の効果 蒸解後パルプの洗浄において140℃以上、2時間以上
の条件を保ちつつ洗浄槽内に洗浄液を並流に導くことに
より洗浄後のカッパー価を2〜3割程度削減できる。こ
の効果は後段のパルプ漂白負荷、排水処理負荷を3〜4
割削減できかつパルプ品質の大幅な向上が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の洗浄工程の概略図。 第2、3、4図は従来の洗浄工程の概略図。 1:蒸解釜、2:並流洗浄槽、3:真空型洗浄機、4:パルプス
ラリー流路、5:洗浄後パルプスラリーの次工程への流
路、6:洗浄液の流路、7:濾液の流路、8:濾液の次工程へ
の流路、9:濾液抽出ゾーン、10:ディフュージョンウオ
ッシャー、11:ハイヒートウオッシャー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸解後のパルプ洗浄において、洗浄機の前
    段に並流洗浄槽を設け洗浄機の濾液で並流洗浄すること
    を特徴とする蒸解パルプの洗浄方法。
JP19641889A 1989-07-28 1989-07-28 蒸解パルプの洗浄方法 Expired - Lifetime JP2758446B2 (ja)

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