JP2758416B2 - ハード型不釣合測定装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電動機の回転ロータ，ファン，回転軸等の
ように回転のバランスを要求される回転体の不釣合を測
定して、両面それぞれの不釣合点の位相と不釣合量とを
測定分離するための測定方法と装置に関する。

〔従来の技術〕

ハード型バランス測定装置においては、軸受が振動し
ないので、静力学のテコの原理により軸受上で検出され
た不釣合を、軸受と修正面との相互間隔の関係、即ち被
測定物の実測寸法だけで修正面上に換算されていた。

第４図において、 右面アンバランス量Ｒ、左面アンバランス量Ｌが、基
準点Ｏからの距離A,Bなる位置で被測定体１に存在して
いるとき、支持位置の間隙C,修正半径rR,rLを測定もし
くは設定すれば、左右両面の修正量ωL,ωＲが求められ
ることを利用して、以下の手順によっていた。

まず、左右いづれかの不釣合検出器を移動させて被測
定体１をセットし、次に左右のスタンプを軸芯方向に移
動させて修正すべき位置をセットし、次にスタンプを軸
芯と直角方向に移動させて修正半径位置をセットする。

このようにして、被測定体１のセットが完了してか
ら、支持位置の間隙Ｃ、修正半径rR,rL、および基準点
Ｏからの距離A,Bを実測し、これらの実測値を、演算装
置のそれぞれの数値設定ダイヤルによって設定すること
によって、左右の修正量ωL,ωＲを算出していた。

〔解決しようとする課題〕

ところが、上記手順によっていては、被測定体１を測
定装置に精密にセットする工程と、セットされた後に、
左右の不釣合検出器の間隙Ｃ、修正半径rR,rL、および
基準点Ｏからの距離A,Bを精密に実測する工程と、これ
らの実測値を、演算装置のそれぞれの数値設定ダイヤル
によって設定する工程の、三つの精密作業の工程をふま
なければならないので、熟練した作業者とある程度のセ
ット時間と測定時間とを要するという問題があった。

そこで、本発明においては、特別熟練した作業者でな
くても、短時間にしかも精密に所望の各測定値を得るこ
とのできる不釣合測定装置を実現することを課題とし
た。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題に鑑み、本発明においては、被測定体の軸を
左右両面にて支持する左右一対の右面不釣合検出器およ
び左面不釣合検出器と、左右の不釣合点にマークを付加
するための左右一対の右面マーキング手段および左面マ
ーキング手段とを備えた不釣合測定装置において、前記
一対の不釣合検出器の離間距離に対応する距離信号を出
力する距離信号出力手段と、前記右面マーキング手段の
位置に対応する右面マーキング位置信号を出力する右面
マーキング位置信号出力手段と、前記左面マーキング手
段の位置に対応する左面マーキング位置信号を出力する
左面マーキング位置信号出力手段と、前記距離信号，前
記右面マーキング位置信号，前記左面マーキング位置信
号とが入力されて、右面修正量と左面修正量とを演算出
力する演算手段とを設けるという手段を講じた。

〔作用〕

本発明においては、被測定体の軸を左右両面にて支持
する左右一対の右面不釣合検出器および左面不釣合検出
器と、左右の不釣合点にマークを付加するための左右一
対の右面マーキング手段および左面マーキング手段とを
備えた不釣合測定装置において、まず、被測定体を支持
すべく左右いづれかの不釣合検出器を移動させることに
よって、距離信号出力手段から両不釣合検出器の離間距
離に対応する距離信号が演算手段へ出力される。

続いて、不釣合点にマークを付すべく左右のマーキン
グ手段を前記被測定体の軸芯方向および軸芯に直角方向
へ移動させることによって、左右両面のマーキング位置
信号出力手段から右面マーキング位置信号と前記左面マ
ーキング位置信号とが前記演算手段へ出力される。

よって、演算手段においては、前記距離信号，前記右
面マーキング位置信号，および前記左面マーキング位置
信号に基づいて右面修正量と左面修正量とが演算され出
力される。

〔実施例〕

以下に本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。

図面において、 ２は被測定体１を支持する左右にスライド自在な右面
不釣合検出器、３は被測定体１を支持する固定された左
面不釣合検出器、４は左右前後にスライド自在な右面ス
タンプ、５は左右前後にスライド自在な左面スタンプで
ある。

６は前記右面不釣合検出器２に連動して、前記左面不
釣合検出器３との離間距離Ｃに対応する距離信号S1を出
力する第１リニアストローク計、７は前記右面スタンプ
４軸芯方向の移動にに連動して、前記左面不釣合検出器
３の位置を基準とする左右基準位置Ｘから前記右面スタ
ンプ４の軸芯方向の離間距離Ｂに対応した信号S2出力す
る第２リニアストローク計、８は前記左面スタンプ５の
軸芯方向の移動に連動して、前記左右基準位置Ｘから前
記左面スタンプ５の軸芯方向の離間距離Ａに対応した信
号S3出力する第３リニアストローク計、９は前記右面ス
タンプ４の軸芯に直角な方向の移動に連動して、前後方
向の基準位置Ｙからの前記右面スタンプ４の離間距離rR
に対応する信号S4を出力する第４リニアストローク計、
10は前記左面スタンプ５の軸芯に直角な方向の移動に連
動して、前記基準位置Ｙからの前記左面スタンプ５の離
間距離rLに対応する信号S5を出力する第５リニアストロ
ーク計である。

そして、上記信号S1,S2,S3,S4,S5は、演算回路11に入
力されている。

該演算回路11においては、前記信号S1,S2,S3,S4,S5を
取り込んで、それらの信号に基づいて右面修正量ωＲと
左面修正量ωＬとを演算し、得られた右面修正量ωＲと
左面修正量ωＬとを修正量指示計13にて表示する。

上記構成の不釣合測定装置において、 被測定体１を支持するよう、前記右面不釣合検出器２
をスライドさせて所定の位置に位置決めすると、その位
置は前記第１リニアストローク計６から信号S1として出
力される。

次に、前記右面スタンプ４を左右にスライドさせてス
タンプすべき左右位置に位置決めすると、その軸芯方向
の位置は前記第２リニアストローク計７から信号S2とし
て出力される。

次に、前記右面スタンプ４を前後にスライドさせてス
タンプすべき前後位置に位置決めすると、その前後位置
は前記第４リニアストローク計７から信号S4として出力
される。

そして、左面スタンプ５においても上記同様に前記第
３リニアストローク計８からは信号S3が出力され、前記
第５リニアストローク計10からは信号S5が出力される。

このようにして、被測定体１のセットが完了すると、
前記演算回路11においては、前記各信号S1,S2,S3,S4,S5
を取り込んで、それらの信号に基づいて右面修正量ωＲ
と左面修正量ωＬとを演算し修正量指示計13にて表示す
る。

この表示された右面修正量ωＲと左面修正量ωＬとに
基づいて不釣合修正作業を行うのである。

なお、上記リニアストローク計に代えて、第２図に示
すように左面不釣合検出器３とともに基台に固定された
ラックギアとそのラックギアに噛み合うピニオンギアに
よって回転される回転ポテンションメータとの組み合わ
せによる信号出力手段としても良く、前記ピニオンギア
の回転をロータリーエンコーダー等で検出し、コンピュ
ータ処理等しても良いことは当然である。第２図には、
信号S1,S2,S3に関してのみ図示したが、信号S4,S5につ
いても同様に回転ポテンションメータもしくはロータリ
ーエンコーダー等で検出するようにしても良い。

また、第３図に示すように、軸芯方向の基準位置を
Ｘ′の位置に指定し、この基準位置Ｘ′からの左右方向
の位置（D,E,F,G）を出力する信号出力手段をそれぞれ
設け、それによって、離間距離（Ｃ＝Ｄ＋Ｇ）および左
右スタンプの位置（Ａ＝Ｄ−E,B＝Ｄ＋Ｆ）を演算して
得ることも可能なことは自明である。

このように、被測定体のセットと同時に各測定値が得
られるような信号出力手段と、同時に修正面分離演算出
力する演算手段とを設けることが本発明の要旨なのであ
る。

このようにして、被測定体を測定装置にセットする作
業によって、必要な各信号S1,S2,S3,S4,S5が得られるの
で、右面修正量と左面修正量とが演算され表示されるの
で、短時間で不釣合測定を行うことが可能となるのであ
る。

なお、前記スタンプに代えて修正位置指示指針を使用
しても良い。

また、修正半径はスタンプの位置からではなく設定ダ
イヤルにて図面寸法及び実測値を設定しても良い。

〔効果〕

このように、本発明においては、被測定値を測定装置
にセットする作業によって、距離信号，前記右面マーキ
ング位置信号，および前記左面マーキング位置信号が得
られ、それらの信号に基づいて右面修正量と左面修正量
とが修正面分離演算出力されるので、被測定体を測定位
置に精密にセットする工程だけで良く、セットされた後
に、左右の不釣合検出器の間隔、左右の修正半径、およ
び左右の修正面距離を測定する工程が不要となり、ま
た、その測定値を修正面分離演算する演算回路の所定の
設定ダイヤルで設定する工程も不要となるので、短時間
で不釣合測定を行うことが可能となるという効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の不釣合測定装置の平面図、
第２図は同装置に回転ポテンションメータを用いる場合
の信号出力手段の構成例を示す図、第３図は同装置にお
いて前記実施例と異なる基準位置を設定した場合の説明
図、第４図はハード型不釣合測定の原理を説明するため
の図である。 １……被測定体、２……右面不釣合検出器、３……左面
不釣合検出器、４……右面スタンプ、５……左面スタン
プ、６……第１リニアストローク計、７……第２リニア
ストローク計、８……第３リニアストローク計、９……
第４リニアストローク計、10……第５リニアストローク
計、11……演算回路、S1,S2,S3,S4,S5……信号。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被測定体の軸を左右両面にて支持する左右
   一対の右面不釣合検出器および左面不釣合検出器と、左
   右の不釣合点にマークを付加するための左右一対の右面
   マーキング手段および左面マーキング手段とを備えたハ
   ード型不釣合測定装置において、 前記一対の不釣合検出器の離間距離に対応する距離信号
   を出力する距離信号出力手段と、 前記右面マーキング手段の位置に対応する右面マーキン
   グ位置信号を出力する右面マーキング位置信号出力手段
   と、 前記左面マーキング手段の位置に対応する左面マーキン
   グ位置信号を出力する左面マーキング位置信号出力手段
   と、 前記距離信号，前記右面マーキング位置信号，前記左面
   マーキング位置信号とが入力されて、右面修正量と左面
   修正量とを修正面分離演算出力する修正面分離演算手段
   とを備えたことを特徴とするハード型不釣合測定装置。